説明

施解錠制御装置、施解錠制御方法および施解錠制御プログラム

【課題】ロッカーの鍵や金品を携帯しなくても、利用者の生体情報を利用して施設の利用を図ること。
【解決手段】ロッカー101内に設けられた、利用者の生体情報が登録された携帯可能な登録媒体を収納する生体情報登録媒体収納部201と、登録媒体が収納されたことを検知し、登録媒体との各種データの送受信を制御する登録媒体通信制御部202と、利用者の生体情報の入力を受け付ける生体情報入力部204と、登録媒体通信制御部202から出力された生体情報と、生体情報入力部204に入力された生体情報と、を照合する生体情報データ照合部203と、登録媒体が収納されたことを検知した結果に基づいて、ロッカー101を施錠するとともに、生体情報データ照合部203で照合された結果に基づいて、ロッカー101を解錠するロッカー扉施解錠制御部207と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、施設内で利用者の携帯物を収納するロッカーなどで、人の指紋などに代表される生体情報(バイオメトリクス情報)を登録した登録媒体を用いて、ロッカーの施解錠を制御する施解錠制御装置、施解錠制御方法および施解錠制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、施設来場者を施設来場者の生体情報(バイオメトリクス情報)で識別して、来場者による施設の利用料金を施設内で精算する技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。この技術では、施設来場者の管理を利用者の生体情報で行い、施設内での購買やサービスに対して、生体情報を入力することで集計あるいは課金を行うものである。
【0003】
また、利用者の生体情報(バイオメトリクス情報)の照合に基づいて、ロッカー扉の施解錠に関する制御を行うロッカーとして、古くは利用者の指紋を利用した電子キーや(例えば、下記特許文献2参照。)、利用者の生体情報(バイオメトリクス情報)を登録した登録媒体を用いたものが提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。この技術では、生体情報保護のために利用者の生体情報を所定の登録媒体に保管する構成である。
【0004】
【特許文献1】特開2004−227134号公報
【特許文献2】特開昭48−19400号公報
【特許文献3】特開2002−276222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術である特許文献1においては、来場者個人の生体情報(バイオメトリクス情報)を施設のサーバに登録し、集中管理の元に認証および精算を行う構成となっている。そのため、個人情報の取扱いが問題視される現代においては、生体情報を施設のサーバに登録する場合は、利用者は、利用者自身の生体情報(バイオメトリクス情報)を施設に登録することに対して不安を持つことになる。一方、利用者が登録した生体情報(バイオメトリクス情報)は、取扱いに厳重な注意が必要な個人情報である。したがって、施設側の運営者(管理者)は、利用者の生体情報を施設運営上有効に利用し、管理するだけでなく、情報の漏えいなどの脅威から守るために、セキュリティの向上など多くの労力と仕組みの構築が必要である。上記従来技術である特許文献2についても同様に、施設側の運営者が利用者の生体情報を管理する必要があるため、セキュリティの向上など多くの労力と仕組みの構築が必要である。
【0006】
また上記従来技術である特許文献3では、利用者の生体情報(バイオメトリクス情報)を登録媒体に登録する構成である。この技術では、利用者は、利用者の生体情報を入力するためのセンサ機能も兼備する登録媒体に、利用者自身の生体情報を登録する。利用者は、利用者自身の生体情報が登録された登録媒体を利用して、ロッカーの施解錠時に、登録媒体に登録された生体情報とロッカーの施解錠を行う利用者の生体情報に基づいてロッカーの施解錠操作を行うことができる。したがって、利用者が施設利用中に登録媒体を落としても、利用者本人以外はロッカーの施解錠ができない。しかし、利用者は登録媒体を携帯する必要があり、携帯物を持たないで施設を利用できない。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、利用者がロッカーの鍵や金品を携帯しなくても、利用者の生体情報を用いるだけで施設を利用できる施解錠制御装置、施解錠制御方法および施解錠制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる施解錠制御装置は、ロッカーの施解錠を制御する施解錠制御装置であって、前記ロッカー内に設けられた、利用者の生体情報が登録された携帯可能な登録媒体を収納する収納部と、前記収納部に前記登録媒体が収納されたことを検知する検知手段と、前記収納部に収納された登録媒体から生体情報を取得する取得手段と、前記利用者の生体情報の入力を受け付ける入力手段と、前記取得手段によって取得された前記生体情報と、前記入力手段によって入力された前記生体情報とを比較する比較手段と、前記検知手段によって検知された結果に基づいて、前記ロッカーを施錠するとともに、前記比較手段によって比較された結果に基づいて、前記ロッカーを解錠する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この請求項1の発明によれば、利用者の生体情報が登録された携帯可能な登録媒体の収納の検知と、入力された利用者の生体情報と、登録媒体に登録された生体情報との比較を行う。そして、登録媒体の収納を検知した結果と生体情報を比較した結果に基づいてロッカーの施解錠を制御するため、利用者は登録媒体を携帯することなくロッカーの施解錠を図ることができる。
【0010】
また、請求項2の発明にかかる施解錠制御装置は、請求項1に記載の発明において、前記利用者の生体情報を外部の装置から受信する受信手段を備え、前記比較手段は、前記取得手段によって取得された前記生体情報と、前記受信手段によって受信された前記生体情報とを比較することを特徴とする。
【0011】
この請求項2の発明によれば、外部の装置から利用者の生体情報を受信して、登録媒体に登録された生体情報と比較を行うことができるため、利用者は、登録媒体を携帯することなく、施設内における生体情報の照合を図ることができる。
【0012】
また、請求項3の発明にかかる施解錠制御装置は、請求項2に記載の発明において、前記受信手段は、前記利用者が使用した金額に関する課金情報を受信するものであり、前記比較手段によって比較された結果、前記取得手段によって取得された前記生体情報と、前記受信手段によって受信された前記生体情報とが一致した場合、前記受信手段によって受信された前記課金情報に基づいて精算処理を行う精算処理手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
この請求項3の発明によれば、課金情報を受信して、外部装置から受信した生体情報と、登録媒体に登録された生体情報とが一致した場合に精算処理を行うため、利用者は登録媒体を携帯しなくても、施設内サービスの利用を図ることができる。
【0014】
また、請求項4の発明にかかる施解錠制御装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記制御手段は、前記比較手段によって比較された結果と、前記精算処理手段によって精算処理された結果とに基づいて、前記ロッカーを解錠するものであることを特徴とする。
【0015】
この請求項4の発明によれば、精算処理の結果に基づいてロッカーの解錠ができるため、利用者は未精算のまま施設を退場することをなくすことができる。
【0016】
また、請求項5の発明にかかる施解錠制御装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記収納部は、前記検知手段によって検知された結果に基づいて、前記登録媒体を固定するとともに、前記比較手段によって比較された結果と、前記精算処理手段によって精算処理された結果とに基づいて、前記登録媒体を解放するものであることを特徴とする。
【0017】
この請求項5の発明によれば、登録媒体の収納を検知した結果と生体情報を比較した結果と精算処理の結果とに基づいて、登録媒体の固定および解放の制御ができるため、利用者は未精算のまま登録媒体をはずすことがなくなる。
【0018】
また、請求項6の発明にかかる施解錠制御装置は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記比較手段は、前記取得手段によって取得された前記生体情報と、前記入力手段によって入力された前記生体情報との一致部分の割合に関する一致率を算出し、当該一致率と、所定の閾値とを比較することにより比較結果を出力することを特徴とする。
【0019】
この請求項6の発明によれば、一致部分の割合に関する一致率を算出し、当該一致率と、所定の閾値とを比較することにより比較結果を出力することができるため、誤差を包括した一致の判断を図ることができる。
【0020】
また、請求項7の発明にかかる施解錠制御方法は、ロッカーの施解錠を制御する施解錠制御方法であって、前記ロッカー内に設けられた、利用者の生体情報が登録された携帯可能な登録媒体を収納する収納部に当該登録媒体が収納されたことを検知する検知工程と、前記収納部に収納された登録媒体から生体情報を取得する取得工程と、前記利用者の生体情報の入力を受け付ける入力工程と、前記取得工程によって取得された前記生体情報と、前記入力工程によって入力された前記生体情報とを比較する比較工程と、前記検知工程によって検知された結果に基づいて、前記ロッカーを施錠するとともに、前記比較工程によって比較された結果に基づいて、前記ロッカーを解錠する制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
この請求項7の発明によれば、利用者の生体情報が登録された携帯可能な登録媒体の収納の検知と、入力された利用者の生体情報と、登録媒体に登録された生体情報との比較を行う。そして、登録媒体の収納を検知した結果と生体情報を比較した結果に基づいてロッカーの施解錠を制御するため、利用者は登録媒体を携帯することなくロッカーの施解錠を図ることができる。
【0022】
また、請求項8の発明にかかる施解錠制御プログラムは、請求項7に記載の施解錠制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
この請求項8の発明によれば、請求項7に記載の施解錠制御方法をコンピュータに実行させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる施解錠制御装置、施解錠制御方法および施解錠制御プログラムによれば、利用者の生体情報を利用してロッカーの施解錠を制御するため、特定した利用者だけがロッカーを使用できる。また、利用者の生体情報登録媒体をロッカーに収納するため、生体情報登録媒体の盗難や紛失の防止できる。さらに、生体情報登録媒体をロッカーに収納して生体情報の照合を行うため、利用者がロッカーの鍵や金品を携帯しなくても、利用者の生体情報を用いるだけで施設を利用することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる施解錠制御装置、施解錠制御方法および施解錠制御プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
(実施の形態1)
(施解錠制御装置を利用した施設の概要)
まず、本発明の実施の形態1にかかる施解錠制御装置を利用した施設概要について説明する。本発明の実施の形態1にかかる施解錠制御装置は、主に、温浴施設やプールなどのアミューズメント施設におけるロッカーを利用して運用することを考慮している。温浴施設やプールなどの施設内では、利用者は、鍵や金品などを携帯して施設を利用すると、紛失の危険性や所持管理が面倒であるため、携帯物がないことが望ましい。本発明の実施の形態1にかかる施解錠制御装置は、利用者の生体情報(バイオメトリクス情報)を含む個人情報を登録した登録媒体を利用して、利用者がロッカーの鍵や金品および登録媒体などの携帯品をロッカーに収納して、携帯物がなくても施設を利用できる。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態1にかかる施解錠制御装置を利用した施設の概略構成を示す図である。本発明の実施の形態1にかかる施解錠制御装置を利用した施設は、LAN(ローカルエリアネットワーク)などの施設内ネットワーク103と、複数のロッカー101を備えたロッカー群100と、施設内にある施設内サービス利用端末102と、を含み構成されている。
【0028】
それぞれのロッカー101は、施設の利用者の荷物などとともに、利用者の生体情報(バイオメトリクス情報)に関するデータがあらかじめ登録された生体情報登録媒体を収納することができる。施設の利用者は、利用者自身で生体情報登録媒体を、ロッカー101に荷物などとともに収納する。そして、利用者は、ロッカー101に装備された生体情報を取得するためのセンサを用いて、ロッカー101に利用者自身の生体情報を入力する。ロッカー101は、センサから取得した利用者の生体情報と、生体情報登録媒体内に登録されている生体情報に基づいて照合して、ロッカー扉の施解錠制御を行うことができる。
【0029】
また、施設内サービス利用端末102は、施設内のレストランや売店やマッサージルームなどに設置され、利用者の生体情報とともに、利用者が利用したサービスあるいは購入した購入品に関する内容および課金情報を取得する。利用者が利用したサービスあるいは購入した購入品に関する内容および課金情報の取得は、自動販売機であれば利用者が選択したボタンに基づいて自動的に取得する構成でもよい。また、施設の係員が介在するマッサージなどのサービスであれば、そのサービス内容とサービスに要した時間に基づいて施設の係員が入力する構成としてもよい。
【0030】
施設内サービス利用端末102は、ロッカー101と施設内ネットワーク103を介して接続されており、ロッカー101に、利用者の生体情報と、利用者が受けるサービスあるいは購入する購入品に関する内容および課金情報を送信する。ロッカー101は、利用者の生体情報と、利用者が利用したサービスあるいは購入した購入品に関する内容および課金情報を受信して、ロッカー101に収納された生体情報登録媒体内に登録されている生体情報との照合を行う。そして、ロッカー101は、施設内サービス利用端末102から受信した利用者の生体情報と、ロッカー101に収納された生体情報登録媒体内に登録されている生体情報が一致すれば、課金情報に基づいて精算処理を実行する。
【0031】
(ロッカーの機能的構成)
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる施解錠制御装置を利用したロッカー101の機能的構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかるロッカーの機能的構成を示す図である。本発明の実施の形態1にかかるロッカー101は、生体情報登録媒体収納部201と、登録媒体通信制御部202と、生体情報データ照合部203と、生体情報入力部204と、生体情報データ生成部205と、表示部206と、ロッカー扉施解錠制御部207と、ロッカー扉施解錠部208と、生体情報登録媒体固定制御部209と、精算処理部210と、符号化復号化処理部211と、通信制御部212と、を含み構成されている。
【0032】
施設の利用者は、施設利用に際して、自身の荷物とともに利用者自身の生体情報を登録した生体情報登録媒体を生体情報登録媒体収納部201に収納する。本実施の形態では、生体情報登録媒体はカード形状とするが、タグ型、コイン型、リストバンド型、などの形状でもよい。また、内蔵された記憶媒体に利用者の生体情報を登録できる携帯電話、PDAなどを生体情報登録媒体としてもよい。また、生体情報登録媒体に登録されている利用者の生体情報は、指紋、声、網膜、虹彩、耳形、掌の皺などに関するもので、複数の情報を生体情報登録媒体に登録できる構成としてもよい。
【0033】
登録媒体通信制御部202は、生体情報登録媒体収納部201に収納された利用者の生体情報に基づいて、生体情報の特徴部位を抽出した、照合用の利用者の登録生体情報データを生体情報データ照合部203に出力する。また、利用者の生体情報を入力する生体情報入力部204は、ロッカー扉に設置されている。生体情報入力部204は、利用する生体情報や入力手段によって、音声情報を入力するためのマイクロホンや虹彩情報を入力するためのカメラや指紋情報を入力するための指紋センサなどである。生体情報データ生成部205は、生体情報入力部204に入力された利用者の生体情報に基づいて、生体情報の特徴部位を抽出した、照合用の利用者の生体情報データを生成して、生体情報データ照合部203へ出力する。
【0034】
生体情報データ照合部203は、登録媒体通信制御部202から出力された登録生体情報データと、生体情報データ生成部205から出力された生体情報データの照合を行う。表示部206は、生体情報データ照合部203で実施された照合の結果などを表示できる。また、ロッカー扉施解錠制御部207は、生体情報データ照合部203の照合結果に基づいて、ロッカー扉の施解錠の制御を行う。ロッカー扉施解錠部208は、ロッカー扉施解錠制御部207の制御にしたがい、ロッカー扉の施錠あるいは解錠ができる。なお、本実施の形態では、生体情報データ照合部203はロッカー101内の機能としているが、生体情報入力部204から、生体情報を登録媒体通信制御部202に出力し、生体情報登録媒体内の照合機能部で照合を行う構成としてもよい。
【0035】
生体情報登録媒体固定制御部209は、生体情報登録媒体収納部201に収納された、利用者の登録媒体の固定あるいは解放の制御を行う。精算処理部210は、利用者が使用した金額に関する情報に基づいて、精算処理を行う構成である。登録媒体の固定あるいは解放の制御は、生体情報データ照合部203で実施される照合の結果や、精算処理部210の精算処理結果に基づいて行ってもよい。符号化復号化処理部211は、ロッカー101で生成された各種データを施設内サービス利用端末102など外部へ送信するための送信データの符号化処理や、外部から受信した受信データの復号化処理を行う。また、通信制御部212は、ロッカー101と施設内ネットワーク103を介して接続された施設内サービス利用端末102との各種データの送受信を制御して、符号化復号化処理部211へデータの入出力を行う。
【0036】
(施設内サービス利用端末の機能的構成)
つぎに、施設内サービス利用端末102の機能的構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態1にかかる施設内サービス利用端末の機能的構成を示す図である。本発明の実施の形態1にかかる施設内サービス利用端末102は、生体情報入力部301と、生体情報データ照合要求信号生成部302と、課金データ生成部303と、課金指示信号生成部304と、表示部305と、符号化復号化処理部306と、通信制御部307と、を含み構成されている。
【0037】
生体情報入力部301は、施設利用者の生体情報の入力を受け付ける。例えば生体情報は、指紋、声、網膜、虹彩、耳形、掌の皺などに関するものである。この生体情報入力部301は、利用する生体情報や入力手段によって、音声情報を取得するためのマイクロホンや虹彩を入力するためのカメラや指紋情報を入力するための指紋センサなどである。生体情報データ照合要求信号生成部302は、生体情報入力部301に入力された利用者の生体情報の照合をロッカー101に要求するための生体情報データ照合要求信号を生成する。この生体情報データ照合要求信号は、生体情報入力部301に入力された利用者の生体情報から、その特徴部位を抽出して生成した、照合用の生体情報データを含むものである。
【0038】
課金データ生成部303は、各利用者の課金データを生成する。課金データとは、利用者に請求する金額に関するデータである。例えば、課金データは、利用者が利用したサービスあるいは購入した購入品に関する内容や商品名や数量や価格や施設内店舗情報などを含むものである。課金指示信号生成部304は、課金データ生成部303で生成された課金データを利用者の精算処理に反映させるため、ロッカー101に課金指示をするための課金指示信号を生成する。
【0039】
表示部305は、各種情報を表示する。例えば、利用者が生体情報入力部301に正常に生体情報を入力できなかった場合に、再度生体情報の入力を促すメッセージや、課金データ生成部303が生成した課金データに含まれる商品情報や、課金処理に関する情報などを表示できる。
【0040】
符号化復号化処理部306は、施設内サービス利用端末102で生成された各種データをロッカー101など外部へ送信するための送信データの符号化処理や、外部から受信した受信データの復号化処理を行う。また、通信制御部307は、施設内サービス利用端末102と施設内ネットワーク103を介して接続されたロッカー101との各種データの送受信を制御して、符号化復号化処理部306へデータの入出力を行う。
【0041】
つぎに、施設内ネットワーク103を介して、ロッカー101と施設内サービス利用端末102が送受信する信号について説明する。図4−1〜図4−4はロッカー101と施設内サービス利用端末102間の、照合および課金時における信号の形式の例を示す図である。
【0042】
図4−1は、本発明の実施の形態1にかかる生体情報データ照合要求信号の形式を示す図である。本発明の実施の形態1にかかる生体情報データ照合要求信号401は、施設内サービス利用端末102の生体情報入力部301に入力された利用者の生体情報の照合をロッカー101に要求するための信号で、施設内サービス利用端末ID(IDentification)402と、照合指示シリアルID403と、生体情報データ404と、を含み構成されている。
【0043】
図4−2は、本発明の実施の形態1にかかる生体情報データ照合結果信号の形式を示す図である。本発明の実施の形態1にかかる生体情報データ照合結果信号411は、施設内サービス利用端末102から生体情報データ照合要求信号401を受信したロッカー101が施設内サービス利用端末102に応答するための信号で、施設内サービス利用端末ID402と、照合指示シリアルID403と、ロッカーID412と、カードID413と、照合結果414と、を含み構成されている。
【0044】
生体情報データ照合要求信号401は、複数の施設内サービス利用端末102から複数のロッカー101へ同時並行的に送信される。したがって、生体情報データ照合要求信号401は、各生体情報データ照合要求信号401の区別ができるように、利用者がサービスを受けた施設内サービス利用端末ID402と、その照合指示シリアルID403と、利用者の生体情報の特徴部位を抽出した、照合用の生体情報データ404と、を含んでいる。同様に、生体情報データ照合結果信号411は、どの生体情報データ照合要求信号401に対する応答かを区別するために、利用者がサービスを受けた施設内サービス利用端末ID402と、その照合指示シリアルID403と、照合した生体情報が登録された登録媒体が収納されているロッカー101自身のロッカーID412と、ロッカー101に収納されている登録媒体のカードID413と、照合結果414と、を含んでいる。
【0045】
また、本実施の形態1では、利用者がサービスを受けた施設内サービス利用端末102から、複数のロッカー101へ生体情報データ照合要求信号401を送信しているが、施設内サービス利用端末102の不図示のキーボードなどの操作部から、ロッカー101の番号などを入力して、対象となるロッカー101に生体情報データ照合要求信号401を送信する構成としてもよい。また、生体情報データ照合結果信号411は、ロッカー101で実施された生体情報データの照合の結果、一致したロッカー101のみが応答する構成としてもよい。また、照合結果414は、生体情報データの一致あるいは不一致ではなく、一致部分の割合である一致率を含むものでもよい。
【0046】
図4−3は、本発明の実施の形態1にかかる課金指示信号の形式を示す図である。本発明の実施の形態1にかかる課金指示信号421は、利用者が受けたサービスの施設内サービス利用端末102から、サービス内容に基づいた課金をロッカー101に指示するための信号で、施設内サービス利用端末ID402と、課金シリアルID422と、ロッカーID412と、課金データ423と、を含み構成されている。
【0047】
図4−4は、本発明の実施の形態1にかかる課金指示応答信号の形式を示す図である。本発明の実施の形態1にかかる課金指示応答信号431は、施設内サービス利用端末102から課金指示信号421を受信したロッカー101が施設内サービス利用端末102に応答するための信号で、施設内サービス利用端末ID402と、課金シリアルID422と、ロッカーID412と、カードID413と、課金結果432と、を含み構成されている。
【0048】
課金指示信号421は、利用者がサービスを受けた施設内サービス利用端末102の区別をするための、利用者がサービスを受けた施設内サービス利用端末ID402と、その課金シリアルID422と、課金対象となる利用者の生体情報が登録された登録媒体を収納しているロッカーID412と、利用者が受けたサービス内容に関する課金情報を含んだ課金データ423と、を含んでいる。同様に、課金指示応答信号431は、どの課金指示信号421に対する応答かを区別するために、利用者がサービスを受けた施設内サービス利用端末ID402と、その課金シリアルID422と、課金対象となる利用者の生体情報が登録された登録媒体を収納しているロッカーID412と、ロッカー101に収納されているカードID413と、課金結果432と、を含んでいる。
【0049】
なお、課金指示信号421は、生体情報データ照合要求信号401と同時に複数のロッカー101に送信されてもよく、その場合、課金指示信号421にロッカーID412は含まれない。また、課金結果432は、利用者の生体情報登録媒体であるカード内の電子マネー情報に記録した結果や、あるいは利用者の事前の入金に対して減算を行い、減算が可能であったか否か(マイナスになったか否か)を含む情報でもよい。
【0050】
(施解錠制御装置を利用した施設の動作説明)
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる施解錠制御装置を利用した施設における動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態1にかかるロッカーの施錠に関する動作を示すフローチャートである。
【0051】
まず、施設の利用者の荷物などを受け入れる(ステップS501)。その後、ロッカー101の生体情報登録媒体収納部201に、利用者の生体情報が登録された、生体情報登録媒体を収納する(ステップS502)。例えば、生体情報登録媒体に登録された利用者の生体情報は、指紋、声、網膜、虹彩、耳形、掌の皺などに関するもので、複数の情報を含むものでもよい。そして、検知手段である登録媒体通信制御部202は、利用者の生体情報登録媒体が通信可能であることを検知する。利用者の生体情報登録媒体が通信可能とならなければ、エラー音の出力やエラーメッセージなどを表示する構成としてもよい。
【0052】
続いて、登録媒体通信制御部202は、通信可能となった利用者の生体情報登録媒体に登録された利用者の生体情報に基づいて、利用者の生体情報の特徴部位を抽出した、照合用の登録生体情報データを生体情報データ照合部203へ出力する。そして、取得手段として生体情報データ照合部203は、登録媒体通信制御部202を介して、登録生体情報データを取得する(ステップS503)。
【0053】
また、入力手段である生体情報入力部204は、利用者の生体情報の入力を受け付ける(ステップS504)。例えば、利用者の生体情報の受け付けは、利用する生体情報や入力手段により、音声情報を入力するためのマイクロホンや虹彩情報を入力するためのカメラや指紋情報を入力するための指紋センサなどで行ってもよい。
【0054】
生体情報データ生成部205は、生体情報入力部204に入力された利用者の生体情報に基づいて、生体情報の特徴部位を抽出した、照合用の利用者生体情報データを生成し(ステップS505)、生体情報データ照合部203へ出力する。比較手段として生体情報データ照合部203は、ステップS503で取得した登録生体情報データと、ステップS505で生体情報データ生成部205から出力された利用者生体情報データを参照して照合する。
【0055】
利用者生体情報データと登録生体情報データが一致した場合(ステップS506:Yes)は、制御手段であるロッカー扉施解錠制御部207は、ロッカー扉施解錠部208の制御を行い、ロッカー扉の施錠を行う(ステップS507)。続いて、生体情報登録媒体固定制御部は209は、生体情報登録媒体を固定して(ステップS508)、処理を終了する。
【0056】
また、利用者生体情報データと登録生体情報データが一致しない場合(ステップS506:No)は、利用者にロッカー101の利用ができない旨の利用不可情報を生成する(ステップS509)。そして、表示部206で、利用不可情報を表示して(ステップS510)、処理を終了する。
【0057】
続いて、サービスを受けた利用者が施設内サービス利用端末102から課金を行う動作について説明する。本発明の実施の形態1にかかるロッカー101の利用者は、生体情報を登録した登録媒体や金品を含む荷物をロッカー101に保管して携帯物なく施設内の設備を利用することができる。施設内で利用者が利用したい有料サービスがあった場合、利用者は、施設内サービス利用端末102で利用手続きを行う。例えば、施設内サービス利用端末102は、自動販売機のような自動機の場合や、レジ端末のように係員が金額入力などを行う端末でもよい。いずれの場合においても利用者が希望するサービスを利用するための手続きを行ってからサービスを利用する。
【0058】
図6は、本発明の実施の形態1にかかる施設内サービス利用端末におけるサービスの利用に対する課金の動作を示すフローチャートである。まず、課金データ生成部303は、利用者が利用するサービス内容に基づいて、課金データ423を生成する(ステップS601)。例えば、課金データ423は、利用者が利用したサービスあるいは購入した購入品に関する内容や商品名や数量や価格や施設内情報を含むものである。また、課金データ423の生成は、利用者あるいは施設側係員が、不図示の操作部から入力できる構成としてもよい。
【0059】
続いて、施設内サービス利用端末102の表示部305に課金内容を表示し(ステップS602)、利用者に利用料金などを報知するとともに、利用者の生体情報を施設内サービス利用端末102の生体情報入力部301に入力するように表示する。生体情報入力部301は、施設内サービス利用者の生体情報を取得すると(ステップS603)、入力された生体情報を生体情報データ照合要求信号生成部302へ出力する。
【0060】
課金指示信号生成部304は、課金データ生成部303で生成された課金データ423に基づいて、利用者が受けたサービス内容に基づいた課金をロッカー101へ指示するための課金指示信号421を生成する(ステップS604)。そして、生体情報データ照合要求信号生成部302は、生体情報入力部301から出力された利用者の生体情報に基づいて、利用者の生体情報の照合をロッカー101に要求するための生体情報データ照合要求信号401を生成する(ステップS605)。
【0061】
通信制御部307は、符号化復号化処理部306で符号化された課金指示信号421と生体情報データ照合要求信号401をロッカー101へ送信する(ステップS606)。この送信は、すべてのロッカー101に対して同時並行的に送信されるものであるが、利用者あるいは施設側係員などがロッカー101の番号などを入力して、対象となるロッカー101に対して送信できる構成としてもよい。
【0062】
そして、生体情報データ照合要求信号401の応答である生体情報データ照合結果信号411の受信の待機状態となる。ロッカー101から生体情報データ照合結果信号411を受信した場合(ステップS607:Yes)は、生体情報データ照合結果信号411の照合結果414が一致のものが有るか否かを判断する(ステップS608)。生体情報データ照合結果信号411を受信しなかった場合(ステップS607:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS612)、処理を終了する。例えば、リカバリー処理は、施設内サービス利用端末102で、利用者に再度生体情報の入力を促したり、異なる生体情報の入力を促したり、係員の指示を仰ぐものでもよい。
【0063】
ステップS608の判断において、生体情報データ照合結果信号411の照合結果414が一致のものが有った場合(ステップS608:Yes)は、課金指示信号421の応答である課金指示応答信号431を受信したか否かを判断する(ステップS609)。ステップS608の判断において、生体情報データ照合結果信号411の照合結果414が一致のものがない場合(ステップS608:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS612)、処理を終了する。なお、本実施の形態1では、照合結果414は一致あるいは不一致としているが、一致部分の割合である一致率を含むものであってもよく、所定の閾値と比較して一致か否かを判断する構成でもよい。また、生体情報データ照合要求信号401の応答である生体情報データ照合結果信号411を、照合結果414が一致あるいは不一致であっても、ロッカー101から受信する構成としているが、照合結果414が一致したロッカー101から生体情報データ照合結果信号411を受信する構成としてもよい。また、照合結果414が一致であるロッカー101から生体情報データ照合結果信号411を受信することなく、課金指示信号421のみを受信する構成としてもよい。
【0064】
ステップS609で、課金指示応答信号431を受信した場合(ステップS609:Yes)は、課金結果432が課金完了であるか否かを判断する(ステップS610)。また、課金指示応答信号431を受信しなかった場合(ステップS609:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS612)、処理を終了する。
【0065】
ステップS610で、課金結果432が課金完了である場合(ステップS610:Yes)は、符号化復号化処理部306で復号化した課金完了に関するデータを、表示部305で課金完了表示して(ステップS611)、処理を終了する。課金結果432が課金完了でない場合(ステップS610:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS612)、処理を終了する。
【0066】
続いて、施設内サービス利用端末102から課金指示信号421を受信したロッカー101が課金処理を行う動作について説明する。図7は、本発明の実施の形態1にかかるロッカーにおける課金の動作を示すフローチャートである。
【0067】
まず、受信手段である通信制御部212は、施設内サービス利用端末102から課金指示信号421と生体情報データ照合要求信号401を受信したか否かの判断を行う(ステップS701)。ステップS701において、課金指示信号421と生体情報データ照合要求信号401を受信するのを待って、課金指示信号421と生体情報データ照合要求信号401を受信した場合(ステップS701:Yes)は、生体情報データ照合部203は、登録媒体通信制御部202を介して、登録生体情報データを取得する(ステップS702)。
【0068】
生体情報データ照合部203は、ステップS701で取得した生体情報データ照合要求信号401の生体情報データ404と、ステップS702で取得した登録生体情報データを参照して照合する。生体情報データ404と登録生体情報データが一致した場合(ステップS703:Yes)は、生体情報データ照合部203は、照合結果414を一致とした生体情報データ照合結果信号411を生成する(ステップS704)。そして、通信制御部212は、施設内サービス利用端末102に符号化復号化処理部211で符号化した生体情報データ照合結果信号411を送信する(ステップS705)。
【0069】
また、生体情報データ404と登録生体情報データが一致しない場合(ステップS703:No)は、生体情報データ照合部203は、照合結果414を不一致とした生体情報データ照合結果信号411を生成する(ステップS710)。そして、通信制御部212は、施設内サービス利用端末102に符号化復号化処理部211で符号化した生体情報データ照合結果信号411を送信して(ステップS711)、処理を終了する。なお、照合結果414は、前述した一致率を含むものでもよく、所定の閾値と比較して一致か否かを判断する構成でもよい。また、ステップS703の照合の結果、不一致の場合は、生体情報データ照合結果信号411を生成せずに処理を終了し、一致の場合にのみ動作を継続する構成でもよい。
【0070】
精算処理部210は、課金指示信号421から課金データ423を取得する(ステップS706)。そして、精算処理部210は、ステップS706で取得した課金データ423に基づいて課金処理を行う(ステップS707)。例えば、課金処理は、あらかじめ利用者の登録媒体に記憶された電子マネーを減算し、不足金が生じた場合にはサービスの利用不可の通知をしたり、入金を促したり、課金データ423を登録媒体に累積記録して、後に利用者が精算できる構成としてもよい。
【0071】
そして、精算処理部210は、課金結果432を含んだ課金指示応答信号431を生成する(ステップS708)。そして、通信制御部212は、符号化復号化処理部211で符号化された課金指示応答信号431を施設内サービス利用端末102へ送信し(ステップS709)、処理を終了する。
【0072】
つぎに、ロッカー101の解錠について説明する。図8は、本発明の実施の形態1にかかるロッカーの解錠に関する動作を示すフローチャートである。
【0073】
まず、生体情報入力部204は、利用者の生体情報の入力を受け付ける(ステップS801)。続いて、生体情報データ生成部205は、生体情報入力部204に入力された利用者の生体情報に基づいて、生体情報の特徴部位を抽出した、照合用の利用者生体情報データを生成し(ステップS802)、生体情報データ照合部203へ出力する。生体情報データ照合部203は、登録媒体通信制御部202を介して、生体情報登録媒体に登録された利用者の生体情報に基づいて、登録生体情報データを取得する(ステップS803)。そして、生体情報データ照合部203は、ステップS802で生体情報データ生成部205から出力された利用者生体情報データと、ステップS803で取得した登録生体情報データと、を参照して照合する。
【0074】
利用者生体情報データと登録生体情報データが一致した場合(ステップS804:Yes)は、ロッカー扉施解錠制御部207は、ロッカー扉施解錠部208の制御を行い、ロッカー扉の解錠を行う(ステップS805)。続いて、生体情報登録媒体固定制御部209は、生体情報登録媒体を解放して(ステップS806)、処理を終了する。
【0075】
また、利用者生体情報データと登録生体情報データが一致しない場合(ステップS804:No)は、利用者にロッカー101の利用ができない旨の利用不可情報を生成する(ステップS807)。そして、表示部206で、利用不可情報を表示して(ステップS808)、処理を終了する。なお、施設内サービスを利用した利用者については、精算処理が終了するまで、ロッカー扉の解錠あるいは生体情報登録媒体の解放ができない構成としてもよい。例えば、精算処理は、外部の精算端末を用いたり、登録媒体であるカードに入金された電子マネーの減算処理などである。
【0076】
以上説明した、本発明の実施の形態1によれば、施設の利用者は、登録媒体をロッカー101に収納して、登録媒体に登録された登録生体情報と、利用者の生体情報との照合を行ってロッカー扉の施解錠の制御ができる。また、施設の利用に関しても、施設内サービス利用端末102に利用者の生体情報を入力して、登録生体情報との照合を行って、生体情報の一致した利用者を正確に特定してサービスの提供および課金ができる。したがって、利用者は携帯品がなくても、課金およびサービス提供を受けることができる。
【0077】
また、利用者の生体情報を登録した登録媒体をロッカー101に収納するため、施設側は、個人の生体情報を含んだ個人情報を一元的に管理および保管しなくても利用者の個人情報を利用することができ、登録媒体の盗難や紛失も防止できる。
【0078】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。本発明の実施の形態2にかかる施解錠制御装置を利用した施設の概要は、図1とほぼ同様であるため説明を省略する。また、ロッカー101および施設内サービス利用端末102の機能的構成についても、図2および図3とほぼ同様であるため説明を省略する。
【0079】
(ロッカーおよび施設内サービス利用端末の動作説明)
本発明の実施の形態2は、前述の実施の形態1に比べ、ロッカー101と施設内サービス利用端末102における生体情報データ照合要求信号401と課金指示信号421の送受信の動作に差異を有する。本発明の実施の形態2にかかるロッカー101の施解錠に関する動作は、図5および図8とほぼ同様であるため説明を省略する。図9は、本発明の実施の形態2にかかる施設内サービス利用端末におけるサービス利用に対する課金の動作を示すフローチャートである。
【0080】
まず、課金データ生成部303は、利用者が利用するサービス内容に基づいて、課金データ423を生成する(ステップS901)。例えば、課金データ423は、利用者が利用したサービスあるいは購入した購入品に関する内容や商品名や数量や価格や施設内情報を含むものである。また、課金データ423の生成は、利用者あるいは施設側係員が、不図示の操作部から入力できる構成としてもよい。
【0081】
続いて、施設内サービス利用端末102の表示部305に課金内容を表示し(ステップS902)、利用者に利用料金などを報知するとともに、利用者の生体情報を施設内サービス利用端末102の生体情報入力部301に入力するように表示する。生体情報入力部301は、施設内サービス利用者の生体情報を取得すると(ステップS903)、入力された生体情報を生体情報データ照合要求信号生成部302へ出力する。
【0082】
そして、生体情報データ照合要求信号生成部302は、生体情報入力部301から出力された利用者の生体情報に基づいて、利用者の生体情報の照合をロッカー101に要求するための生体情報データ照合要求信号401を生成する(ステップS904)。
【0083】
通信制御部307は、符号化復号化処理部306で符号化された生体情報データ照合要求信号401をロッカー101へ送信する(ステップS905)。この送信は、すべてのロッカー101に対して同時並行的に送信されるものであるが、利用者あるいは施設側係員などがロッカー101の番号などを入力して、対象となるロッカー101に対して送信できる構成としてもよい。
【0084】
そして、生体情報データ照合要求信号401の応答である生体情報データ照合結果信号411の受信の待機状態となる。ロッカー101から生体情報データ照合結果信号411を受信した場合(ステップS906:Yes)は、生体情報データ照合結果信号411の照合結果414の一致率が所定の閾値以上のものがあったか否かを判断する(ステップS907)。生体情報データ照合結果信号411を受信しなかった場合(ステップS906:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS913)、処理を終了する。例えば、リカバリー処理は、施設内サービス利用端末102で、利用者に再度生体情報の入力を促したり、異なる生体情報の入力を促したり、係員の指示を仰ぐものでもよい。
【0085】
ステップS907の比較において、生体情報データ照合結果信号411の照合結果414の一致率が所定の閾値以上のものがあった場合(ステップS907:Yes)は、ステップS901で生成された課金データ423に基づいて、利用者が受けたサービス内容に基づいた課金をロッカー101へ指示するための課金指示信号421を生成する(ステップS908)。なお、複数の生体情報データ照合要求信号411の照合結果414の一致率が閾値以上であった場合は、最も一致率の高い照合結果414のみを閾値以上とする構成でもよい。
【0086】
ステップS907の比較において、生体情報データ照合結果信号411の照合結果414の一致率が所定の閾値以上のものがなかった場合(ステップS907:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS913)、処理を終了する。
【0087】
通信制御部307は、ロッカー101へ符号化復号化処理部306で符号化された課金指示信号421を送信する(ステップS909)。本実施の形態2においてこの送信は、ステップS907の比較において、照合結果414の一致率が所定の閾値以上であったロッカー101に対して送信されるものである。
【0088】
ステップS909において、課金指示信号421をロッカー101へ送信した後、課金指示信号421に対する応答である課金指示応答信号431を受信したか否かを判断する(ステップS910)。ステップS910で、課金指示応答信号431を受信した場合(ステップS910:Yes)は、課金結果432が課金完了であるか否かを判断する(ステップS911)。また、課金指示応答信号431を受信しなかった場合(ステップS910:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS913)、処理を終了する。
【0089】
ステップS911で、課金結果432が課金完了である場合(ステップS911:Yes)は、符号化復号化処理部306で復号化した課金完了に関するデータを、表示部305で課金完了表示して(ステップS912)、処理を終了する。課金結果432が課金完了でない場合(ステップS911:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS913)、処理を終了する。
【0090】
続いて、施設内サービス利用端末102から課金指示信号421を受信したロッカー101が課金処理を行う動作について説明する。図10は、本発明の実施の形態2にかかるロッカーにおける課金の動作を示すフローチャートである。
【0091】
まず、施設内サービス利用端末102から生体情報データ照合要求信号401を受信したか否かの判断を行う(ステップS1001)。ステップS1001において、生体情報データ照合要求信号401を受信するのを待って、生体情報データ照合要求信号401を受信した場合(ステップS1001:Yes)は、生体情報データ照合部203は、登録媒体通信制御部202を介して、登録生体情報データを取得する(ステップS1002)。
【0092】
生体情報データ照合部203は、ステップS1001で取得した生体情報データ照合要求信号401の生体情報データ404と、ステップS1002で取得した登録生体情報データと、を参照して、一致部分の割合である一致率を算出する(ステップS1003)。そして、生体情報データ照合部203は、算出した一致率を照合結果414として含む生体情報データ照合結果信号411を生成する(ステップS1004)。そして、通信制御部212は、施設内サービス利用端末102に符号化復号化処理部211で符号化した生体情報データ照合結果信号411を送信する(ステップS1005)。
【0093】
続いて、施設内サービス利用端末102から課金指示信号421を受信した場合(ステップS1006:Yes)は、精算処理部210は、課金指示信号421から課金データ423を取得する(ステップS1007)。また、課金指示信号421を受信しなかった場合(ステップS1006:No)は、そのまま処理を終了する。
【0094】
精算処理部210は、ステップS1007で取得した課金データ423に基づいて課金処理を行う(ステップS1008)。例えば、課金処理は、あらかじめ利用者の登録媒体に記憶された電子マネーを減算し、不足金が生じた場合にはサービスの利用不可あるいは入金を促したり、課金データ423を登録媒体に記録して、後に利用者が精算できる構成としてもよい。
【0095】
そして、精算処理部210は、課金結果を含んだ課金指示応答信号431を生成する(ステップS1009)。そして、通信制御部212は、符号化復号化処理部211で符号化された課金指示応答信号431を施設内サービス利用端末102へ送信し(ステップS1010)、処理を終了する。
【0096】
以上説明した、本発明の実施の形態2によれば、登録媒体に登録された生体情報データ404と、施設の利用者生体情報データの一致部分の一致率を算出して照合を行うことができる。また、照合の結果が一致したロッカー101に課金指示信号421を送信する構成であるため、信号の送受信が迅速なものとなる。
【0097】
(実施の形態3)
(施解錠制御装置を利用した施設の概要)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。まず、本発明の実施の形態3にかかる施解錠制御装置を利用した施設の概要について説明する。本発明の実施の形態3にかかる施解錠制御装置を利用した施設は、利用者が、施設内ネットワーク103に接続された利用料金精算端末を使用して料金精算を行う構成である。
【0098】
図11は、本発明の実施の形態3にかかる施解錠制御装置を利用した施設の概略構成を示す図である。本発明の実施の形態3にかかる施解錠制御装置を利用した施設は、LANなどの施設内ネットワーク103と、複数のロッカー101を備えたロッカー群100と、施設内にある施設内サービス利用端末102と、利用者が料金の精算を実施する利用料金精算端末1101と、を含み構成されている。
【0099】
ロッカー101と、施設内サービス利用端末102については、図1とほぼ同様である。ロッカー101は、施設の利用者の荷物などとともに、利用者の生体情報に関するデータがあらかじめ登録された生体情報登録媒体を収納することができ、利用者の生体情報に基づいて、ロッカー扉の施解錠を制御する。施設内サービス利用端末102は、ロッカー101と施設内ネットワーク103を介して接続されており、ロッカー101に、利用者の生体情報と、利用者が受けるサービスあるいは購入する購入品に関する内容および課金情報を送信する。
【0100】
利用料金精算端末1101は、ロッカー101と施設内ネットワーク103を介して接続されており、ロッカー101に、利用者の生体情報を送信する。また、ロッカー101から利用者の料金精算に関する情報を受信して、精算処理を実施する。
【0101】
(利用料金精算端末1101の機能的構成)
つぎに、本発明の実施の形態3にかかる利用料金精算端末1101の機能的構成について説明する。なお、ロッカー101と、施設内サービス利用端末102の機能的構成については、図2および図3とほぼ同様であるため説明を省略する。
【0102】
図12は、本発明の実施の形態3にかかる利用料金精算端末の機能的構成を示す図である。本発明の実施の形態3にかかる利用料金精算端末1101は、生体情報入力部1201と、生体情報データ照合要求信号生成部1202と、精算処理部1203と、印刷処理部1204と、表示部1205と、符号化復号化処理部1206と、通信制御部1207と、を含み構成されている。
【0103】
生体情報入力部1201は、施設利用者の生体情報の入力を受け付ける。例えば生体情報は、指紋、声、網膜、虹彩、耳形、掌の皺などに関するものである。この生体情報入力部1201は、利用する生体情報や入力手段によって、音声情報を取得するためのマイクロホンや虹彩を入力するためのカメラや指紋情報を入力するための指紋センサなどである。生体情報データ照合要求信号生成部1202は、生体情報入力部1201に入力された利用者の生体情報の照合をロッカー101に要求するための生体情報データ照合要求信号を生成する。この生体情報データ照合要求信号は、前述の施設内サービス利用端末102からロッカー101へ送信される生体情報データ照合要求信号401とほぼ同様の情報を含む信号である。
【0104】
精算処理部1203は、利用者の施設に対する使用料金の精算に関する処理を行う。例えば、ロッカー101から利用者の課金データ423を含む情報を受信したり、入出金に関する情報を算出したりする。印刷処理部1204は、必要に応じて利用者の利用料金の明細書を印刷する。
【0105】
表示部1205は、各種情報を表示する。例えば、利用者が生体情報入力部1201に正常に生体情報を入力できなかった場合に、再度生体情報の入力を促すメッセージや、精算処理部1203が処理した精算に関する情報などを表示できる。
【0106】
符号化復号化処理部1206は、利用料金精算端末1101で生成された各種データをロッカー101など外部へ送信するための送信データの符号化処理や、外部から受信した受信データの復号化処理を行う。また、通信制御部1207は、利用料金精算端末1101と施設内ネットワーク103を介して接続されたロッカー101との各種データの送受信を制御して、符号化復号化処理部1206へデータの入出力を行う。
【0107】
(利用料金精算端末およびロッカーの動作説明)
本発明の実施の形態3は、利用料金精算端末1101を用いて利用者の料金精算を行う。ロッカー101の施解錠および施設内サービスの利用については、実施の形態1および実施の形態2とほぼ同様であるため、説明を省略する。図13は、本発明の実施の形態3にかかる利用料金精算端末の精算処理に関する動作を示すフローチャートである。
【0108】
本発明の実施の形態3にかかる利用料金精算端末1101は、ポストペイ(料金後払い)方式で精算を行う。まず、利用者から精算処理依頼を受け付ける(ステップS1301)。そして、表示部1205は、利用者の生体情報を利用料金精算端末1101の生体情報入力部1201に入力するように表示する。生体情報入力部1201は、利用者の生体情報を取得すると(ステップS1302)、入力された生体情報を生体情報データ照合要求信号生成部1202へ出力する。
【0109】
そして、生体情報データ照合要求信号生成部1202は、生体情報入力部1201から出力された利用者の生体情報に基づいて、利用者の生体情報の照合をロッカー101に要求するための生体情報データ照合要求信号を生成する(ステップS1303)。
【0110】
通信制御部1207は、符号化復号化処理部1206で符号化された生体情報データ照合要求信号をロッカー101へ送信する(ステップS1304)。この送信は、すべてのロッカー101に対して同時並行的に送信されるものであるが、利用者あるいは施設側係員などがロッカー101の番号などを入力して、対象となるロッカー101に対して送信できる構成としてもよい。
【0111】
そして、生体情報データ照合要求信号の応答である生体情報データ照合結果信号の受信の待機状態となる。ロッカー101から生体情報データ照合結果信号を受信した場合(ステップS1305:Yes)は、精算処理部1203で利用者が支払うべき料金に関する情報をロッカー101から取得するため、不足料金通知依頼を生成する。生体情報データ照合結果信号を受信しなかった場合(ステップS1305:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS1312)、処理を終了する。例えば、リカバリー処理は、利用料金精算端末1101で、利用者に再度生体情報の入力を促したり、異なる生体情報の入力を促したり、係員の指示を仰ぐものでもよい。
【0112】
通信制御部1207は、ロッカー101へ精算処理部1203で生成された不足料金通知依頼を送信する(ステップS1306)。その後、ロッカー101から利用者の支払うべき料金に関する不足料金情報を受信して(ステップS1307)、表示部1205は、ロッカー101から受信した不足料金情報に基づいて、不足料金を表示する(ステップS1308)。
【0113】
続いて、不図示の金額投入部から利用者の入金を受け付ける(ステップS1309)。精算処理部1203は、入金された金額に応じて精算処理を実施し(ステップS1310)、ロッカー101に精算完了通知を送信して(ステップS1311)、処理を終了する。例えば、精算処理は、利用者の投入金額と不足料金の差を算出して返金を行う処理や、必要に応じて利用明細を印刷処理部1204から印刷するための処理である。
【0114】
続いて、利用料金精算端末1101と利用者の料金精算に関するロッカー101の動作について説明する。図14は、本発明の実施の形態3にかかるロッカーにおける精算に関する動作を示すフローチャートである。
【0115】
まず、利用料金精算端末1101から生体情報データ照合要求信号を受信したか否かの判断を行う(ステップS1401)。ステップS1401において、生体情報データ照合要求信号を受信するのを待って、生体情報データ照合要求信号を受信した場合(ステップS1401:Yes)は、生体情報データ照合部203は、登録媒体通信制御部202を介して、登録生体情報データを取得する(ステップS1402)。
【0116】
生体情報データ照合部203は、ステップS1401で取得した生体情報データ照合要求信号の生体情報データと、ステップS1402で取得した登録生体情報データと、を参照して、生体情報データと登録生体情報データが一致したか否かを判断する(ステップS1403)。ステップS1403で、生体情報データと登録生体情報データが一致した場合(ステップS1403:Yes)は、生体情報データ照合結果信号を生成する(ステップS1404)。ステップS1403で、生体情報データと登録生体情報データが一致しなかった場合(ステップS1403:No)は、そのまま処理を終了する。なお、一致したか否かの判断は、一致部分の割合である一致率を算出する構成としてもよい。また、不一致の場合であっても、その旨を照合結果とした生体情報データ照合結果信号を生成する構成としてもよい。そして、通信制御部212は、利用料金精算端末1101に符号化復号化処理部211で符号化した生体情報データ照合結果信号を送信する(ステップS1405)。
【0117】
続いて、利用料金精算端末1101から不足料金通知依頼を受信すると(ステップS1406)、精算処理部210は、利用者が支払うべき金額に関する不足料金情報を生成する(ステップS1407)。例えば、不足料金情報は、前述の実施の形態1および実施の形態2などで課金した金額の合計を参照して生成される。
【0118】
通信制御部212は、利用料金精算端末1101へ精算処理部210で生成された不足料金情報を送信する(ステップS1408)。その後、利用料金精算端末1101から精算の完了に関する精算完了通知を受信して(ステップS1409)、処理を終了する。なお、ロッカー101の解錠については、前述の図8とほぼ同様であるが、図14で説明した処理が終了するまで解錠あるいは登録媒体の解放ができない構成としてもよい。
【0119】
以上説明した、本発明の実施の形態3によれば、施設の利用者は携帯物がなくても施設のサービスを利用して、後にまとめて精算を行うことができる。
【0120】
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。本発明の実施の形態4にかかる施解錠制御装置を利用した施設の概要は、図11とほぼ同様であるため説明を省略する。ロッカー101および施設内サービス利用端末102および利用料金精算端末1101の機能的構成についても、前述の実施の形態3とほぼ同様であるため説明を省略する。
【0121】
(利用料金精算端末およびロッカーの動作説明)
本発明の実施の形態4は、利用料金精算端末1101を用いて利用者の料金精算を行う。ロッカー101の施解錠および施設内サービスの利用については、実施の形態1および実施の形態2とほぼ同様であるため、説明を省略する。本発明の実施の形態4にかかる利用料金精算端末1101は、プリペイド(料金前払い)方式で精算を行う。図15−1は、本発明の実施の形態4にかかる利用料金精算端末の精算処理に関して、入金動作を示すフローチャートである。また、図15−2は、本発明の実施の形態4にかかる利用料金精算端末の精算処理に関して、返金動作を示すフローチャートである。
【0122】
図15−1を用いて、利用料金精算端末1101の入金動作について説明する。まず、利用者から入金依頼を受け付ける(ステップS1501)。そして、表示部1205は、利用者の生体情報を利用料金精算端末1101の生体情報入力部1201に入力するように表示する。生体情報入力部1201は、利用者の生体情報を取得すると(ステップS1502)、入力された生体情報を生体情報データ照合要求信号生成部1202へ出力する。
【0123】
そして、生体情報データ照合要求信号生成部1202は、生体情報入力部1201から出力された利用者の生体情報に基づいて、利用者の生体情報の照合をロッカー101に要求するための生体情報データ照合要求信号を生成する(ステップS1503)。
【0124】
通信制御部1207は、符号化復号化処理部1206で符号化された生体情報データ照合要求信号をロッカー101へ送信する(ステップS1504)。この送信は、すべてのロッカー101に対して同時並行的に送信されるものであるが、利用者あるいは施設側係員などがロッカー101の番号などを入力して、対象となるロッカー101に対して送信できる構成としてもよい。
【0125】
そして、生体情報データ照合要求信号の応答である生体情報データ照合結果信号の受信の待機状態となる。ロッカー101から生体情報データ照合結果信号を受信した場合(ステップS1505:Yes)は、不図示の金額投入部から利用者の入金に基づいて、精算処理部1203で利用者の入金に関する入金情報を取得する(ステップS1506)。生体情報データ照合結果信号を受信しなかった場合(ステップS1505:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS1510)、処理を終了する。例えば、リカバリー処理は、利用料金精算端末1101で、利用者に再度生体情報の入力を促したり、異なる生体情報の入力を促したり、係員の指示を仰ぐものでもよい。
【0126】
通信制御部1207は、ロッカー101へ精算処理部1203で取得した入金情報を送信する(ステップS1507)。その後、ロッカー101から利用者の入金後の残額に関する残額情報を受信して(ステップS1508)、表示部1205は、ロッカー101から受信した残額情報に基づいて、残額情報を表示して(ステップS1509)、処理を終了する。
【0127】
つぎに、図15−2を用いて、利用料金精算端末1101の返金動作について説明する。まず、利用者から返金依頼を受け付ける(ステップS1551)。そして、表示部1205は、利用者の生体情報を利用料金精算端末1101の生体情報入力部1201に入力するように表示する。生体情報入力部1201は、利用者の生体情報を取得すると(ステップS1552)、入力された生体情報を生体情報データ照合要求信号生成部1202へ出力する。
【0128】
そして、生体情報データ照合要求信号生成部1202は、生体情報入力部1201から出力された利用者の生体情報に基づいて、利用者の生体情報の照合をロッカー101に要求するための生体情報データ照合要求信号を生成する(ステップS1553)。
【0129】
通信制御部1207は、符号化復号化処理部1206で符号化された生体情報データ照合要求信号をロッカー101へ送信する(ステップS1554)。この送信は、すべてのロッカー101に対して同時並行的に送信されるものであるが、利用者あるいは施設側係員などがロッカー101の番号などを入力して、対象となるロッカー101に対して送信できる構成としてもよい。
【0130】
そして、生体情報データ照合要求信号の応答である生体情報データ照合結果信号の受信の待機状態となる。ロッカー101から生体情報データ照合結果信号を受信した場合(ステップS1555:Yes)は、図15−1で入金した金額に対して使用した金額の差である残金に関する情報を得るため、通信制御部1207は、ロッカー101へ残金通知依頼を送信する(ステップS1556)。生体情報データ照合結果信号を受信しなかった場合(ステップS1555:No)は、リカバリー処理を行い(ステップS1562)、処理を終了する。例えば、リカバリー処理は、利用料金精算端末1101で、利用者に再度生体情報の入力を促したり、異なる生体情報の入力を促したり、係員の指示を仰ぐものでもよい。
【0131】
続いて、ロッカー101から残金情報を受信すると(ステップS1557)、表示部1205は、残金を表示する(ステップS1558)。その後、ロッカー101へ利用者から返金などの精算要求に関する精算要求を送信する(ステップS1559)。ロッカー101で精算処理が完了すると、精算完了通知を受信する(ステップS1560)。例えば、精算完了通知は、利用者に対して返金する金額に関する情報が含まれており、精算処理部1203は、精算処理通知に基づいて返金処理を行い(ステップS1561)、処理を終了する。なお、返金金額がマイナスであれば、再度入金を促したり、入退場ゲートなどを設けて精算を実施できる構成としてもよい。
【0132】
つぎに、本発明の実施の形態4にかかるロッカー101における精算処理に関して説明をする。図16−1は、本発明の実施の形態4にかかるロッカーの精算処理に関して、入金動作を示すフローチャートである。また、図16−2は、本発明の実施の形態4にかかるロッカーの精算処理に関して、返金動作を示すフローチャートである。
【0133】
図16−1を用いて、ロッカー101の入金動作について説明する。まず、利用料金精算端末1101から生体情報データ照合要求信号を受信したか否かの判断を行う(ステップS1601)。ステップS1601において、生体情報データ照合要求信号を受信するのを待って、生体情報データ照合要求信号を受信した場合(ステップS1601:Yes)は、生体情報データ照合部203は、登録媒体通信制御部202を介して、登録生体情報データを取得する(ステップS1602)。
【0134】
生体情報データ照合部203は、ステップS1601で取得した生体情報データ照合要求信号の生体情報データと、ステップS1602で取得した登録生体情報データと、を参照して、生体情報データと登録生体情報データが一致したか否かを判断する(ステップS1603)。ステップS1603で、生体情報データと登録生体情報データが一致した場合(ステップS1603:Yes)は、生体情報データ照合結果信号を生成する(ステップS1604)。ステップS1603で、生体情報データと登録生体情報データが一致しなかった場合(ステップS1603:No)は、そのまま処理を終了する。なお、一致したか否かの判断は、一致部分の割合である一致率を算出する構成としてもよい。また、不一致の場合であっても、その旨を照合結果とした生体情報データ照合結果信号を生成する構成としてもよい。そして、通信制御部212は、利用料金精算端末1101に符号化復号化処理部211で符号化した生体情報データ照合結果信号を送信する(ステップS1605)。
【0135】
続いて、利用料金精算端末1101から入金情報を受信すると(ステップS1606)、精算処理部210は、入金情報に基づいて、入金金額の加算を行う(ステップS1607)。例えば、入金金額の加算は、登録媒体に累積記憶してもよいし、精算処理部210に累積記憶する構成でもよい。
【0136】
通信制御部212は、利用料金精算端末1101へ精算処理部210で加算した入金金額に基づいて、利用者の残額情報を送信して(ステップS1608)、処理を終了する。
【0137】
図16−2を用いて、ロッカー101の返金動作について説明する。まず、利用料金精算端末1101から生体情報データ照合要求信号を受信したか否かの判断を行う(ステップS1651)。ステップS1651において、生体情報データ照合要求信号を受信するのを待って、生体情報データ照合要求信号を受信した場合(ステップS1651:Yes)は、生体情報データ照合部203は、登録媒体通信制御部202を介して、登録生体情報データを取得する(ステップS1652)。
【0138】
生体情報データ照合部203は、ステップS1651で取得した生体情報データ照合要求信号の生体情報データと、ステップS1652で取得した登録生体情報データと、を参照して、生体情報データと登録生体情報データが一致したか否かを判断する(ステップS1653)。ステップS1653で、生体情報データと登録生体情報データが一致した場合(ステップS1653:Yes)は、生体情報データ照合結果信号を生成する(ステップS1654)。ステップS1653で、生体情報データと登録生体情報データが一致しなかった場合(ステップS1653:No)は、そのまま処理を終了する。なお、一致したか否かの判断は、一致部分の割合である一致率を算出する構成としてもよい。また、不一致の場合であっても、その旨を照合結果とした生体情報データ照合結果信号を生成する構成としてもよい。そして、通信制御部212は、利用料金精算端末1101に符号化復号化処理部211で符号化した生体情報データ照合結果信号を送信する(ステップS1655)。
【0139】
続いて、利用料金精算端末1101から残金通知依頼を受信すると(ステップS1656)、精算処理部210は、残金に関する残金情報を生成する(ステップS1657)。例えば、残金情報は、図15−1で説明した残額情報と、前述の実施の形態1および実施の形態2などで課金した金額の合計の差を算出して生成できる。
【0140】
通信制御部212は、利用料金精算端末1101へ精算処理部210で生成された残金情報を送信する(ステップS1658)。その後、利用料金精算端末1101から精算の要求に関する精算要求を受信して(ステップS1659)、残金をクリアする(ステップS1660)とともに、返金すべき金額の情報を含んだ精算完了通知を送信して(ステップS1661)、処理を終了する。なお、ロッカー101の解錠については、前述の図8とほぼ同様であるが、図16−2で説明した処理が終了するまで解錠あるいは登録媒体の解放ができない構成としてもよい。
【0141】
以上説明した、本発明の実施の形態4によれば、施設の利用者は、あらかじめ入金した金額に基づいて施設内のサービスの利用ができる。また、過剰に入金した場合も返金を受けることができる。
【0142】
以上説明したように、施解錠制御装置、施解錠制御方法および施解錠制御プログラムによれば、利用者の生体情報を利用する施設において、利用者の生体情報が登録された生体情報登録媒体をロッカーに保管して生体情報を利用するため、施設側での生体情報を含んだ個人情報の保管および管理に対する負担を軽減しセキュリティの向上を図ることができる。また、利用者の生体情報登録媒体は、利用者の管理下にあるロッカーに保管するため、登録媒体の盗難や紛失の予防ができる。
【0143】
また、ロッカーに保管された生体情報登録媒体に登録された生体情報と、施設内サービスを利用した利用者の生体情報を照合し、利用者を特定してサービスの提供と課金ができるため、利用者は携帯品がなくても施設内のサービスを利用することができる。
【0144】
なお、本実施の形態で説明した施解錠制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
以上のように、本発明にかかる施解錠制御装置、施解錠制御方法および施解錠制御プログラムは、利用者の携帯物などを収納するロッカーに有用であり、特に、温浴施設やプールなど施設の利用に携帯物がない方が利便性を有する施設のロッカーに適している。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる施解錠制御装置を利用した施設の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかるロッカーの機能的構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる施設内サービス利用端末の機能的構成を示す図である。
【図4−1】本発明の実施の形態1にかかる生体情報データ照合要求信号の形式を示す図である。
【図4−2】本発明の実施の形態1にかかる生体情報データ照合結果信号の形式を示す図である。
【図4−3】本発明の実施の形態1にかかる課金指示信号の形式を示す図である。
【図4−4】本発明の実施の形態1にかかる課金指示応答信号の形式を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかるロッカーの施錠に関する動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1にかかる施設内サービス利用端末におけるサービスの利用に対する課金の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1にかかるロッカーにおける課金の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1にかかるロッカーの解錠に関する動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2にかかる施設内サービス利用端末におけるサービス利用に対する課金の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2にかかるロッカーにおける課金の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態3にかかる施解錠制御装置を利用した施設の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態3にかかる利用料金精算端末の機能的構成を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態3にかかる利用料金精算端末の精算処理に関する動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態3にかかるロッカーにおける精算に関する動作を示すフローチャートである。
【図15−1】本発明の実施の形態4にかかる利用料金精算端末の精算処理に関して、入金動作を示すフローチャートである。
【図15−2】本発明の実施の形態4にかかる利用料金精算端末の精算処理に関して、返金動作を示すフローチャートである。
【図16−1】本発明の実施の形態4にかかるロッカーの精算処理に関して、入金動作を示すフローチャートである。
【図16−2】本発明の実施の形態4にかかるロッカーの精算処理に関して、返金動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0147】
100 ロッカー群
101 ロッカー
102 施設内サービス利用端末
103 施設内ネットワーク
201 生体情報登録媒体収納部
202 登録媒体通信制御部
203 生体情報データ照合部
204 生体情報入力部
205 生体情報データ生成部
206 表示部
207 ロッカー扉施解錠制御部
208 ロッカー扉施解錠部
209 生体情報登録媒体固定制御部
210 精算処理部
211 符号化復号化処理部
212 通信制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッカーの施解錠を制御する施解錠制御装置であって、
前記ロッカー内に設けられた、利用者の生体情報が登録された携帯可能な登録媒体を収納する収納部と、
前記収納部に前記登録媒体が収納されたことを検知する検知手段と、
前記収納部に収納された登録媒体から生体情報を取得する取得手段と、
前記利用者の生体情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記取得手段によって取得された前記生体情報と、前記入力手段によって入力された前記生体情報とを比較する比較手段と、
前記検知手段によって検知された結果に基づいて、前記ロッカーを施錠するとともに、前記比較手段によって比較された結果に基づいて、前記ロッカーを解錠する制御手段と、
を備えたことを特徴とする施解錠制御装置。
【請求項2】
前記利用者の生体情報を外部の装置から受信する受信手段を備え、
前記比較手段は、
前記取得手段によって取得された前記生体情報と、前記受信手段によって受信された前記生体情報とを比較することを特徴とする請求項1に記載の施解錠制御装置。
【請求項3】
前記受信手段は、前記利用者が使用した金額に関する課金情報を受信するものであり、
前記比較手段によって比較された結果、前記取得手段によって取得された前記生体情報と、前記受信手段によって受信された前記生体情報とが一致した場合、前記受信手段によって受信された前記課金情報に基づいて精算処理を行う精算処理手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の施解錠制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記比較手段によって比較された結果と、前記精算処理手段によって精算処理された結果とに基づいて、前記ロッカーを解錠するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の施解錠制御装置。
【請求項5】
前記収納部は、
前記検知手段によって検知された結果に基づいて、前記登録媒体を固定するとともに、前記比較手段によって比較された結果と、前記精算処理手段によって精算処理された結果とに基づいて、前記登録媒体を解放するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の施解錠制御装置。
【請求項6】
前記比較手段は、
前記取得手段によって取得された前記生体情報と、前記入力手段によって入力された前記生体情報との一致部分の割合に関する一致率を算出し、当該一致率と、所定の閾値とを比較することにより比較結果を出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の施解錠制御装置。
【請求項7】
ロッカーの施解錠を制御する施解錠制御方法であって、
前記ロッカー内に設けられた、利用者の生体情報が登録された携帯可能な登録媒体を収納する収納部に当該登録媒体が収納されたことを検知する検知工程と、
前記収納部に収納された登録媒体から生体情報を取得する取得工程と、
前記利用者の生体情報の入力を受け付ける入力工程と、
前記取得工程によって取得された前記生体情報と、前記入力工程によって入力された前記生体情報とを比較する比較工程と、
前記検知工程によって検知された結果に基づいて、前記ロッカーを施錠するとともに、前記比較工程によって比較された結果に基づいて、前記ロッカーを解錠する制御工程と、
を含むことを特徴とする施解錠制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の施解錠制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする施解錠制御プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【公開番号】特開2006−336366(P2006−336366A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164111(P2005−164111)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】