説明

日焼け止め組成物

【課題】 スキンケア組成物、より詳細には、紫外線照射から保護する改善された有効性を有する日焼け止め組成物を提供すること。
【解決手段】 少なくとも1の無機日焼け止め作用剤である1以上の日焼け止め作用剤、1以上のフィルム形成ポリマー、及び熱処理されたキサンタンガムを含む日焼け止め組成物、並びに、この日焼け止め組成物の有効量を基材に塗布することを含む基材についてUV照射を低減する方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
技術分野
本発明はスキンケア組成物に関する。より詳細には、本発明は紫外線照射から保護する改善された有効性を有する日焼け止め組成物に関する。
【0002】
背景情報
消費者は肌への紫外線(UV)照射の影響を懸念するようになっており、それには合理的な理由がある。皮膚ガンが、毎年世界中の数百万人に影響するガンの先導的形態の1つとなっている。UV保護に対する要求によってサンケア市場はパーソナルケアの不動の成長分野となっている。
【0003】
商業的に実施可能なサンケア製品は、多様な利益、例えば、高いサンプロテクションファクター(SPF)値、UV-A及びUV-B照射からの保護(ブロード−スペクトル保護としても知られる)、耐水性、及びラブ−オフ(rub-off)耐性など、美肌観点から満足できる製品(aesthetically pleasing products)、及び塗布が容易であることなどを与えるべきである。
【0004】
これらの製品が処方されるとき、コンシューマー・ユーズが考慮されるべきである。例えば、水泳又は軽い発汗は、人の肌からほとんどの市販の日焼け止め配合物を排除するのに多くの場合十分であり、必然的に何回も塗布することになる。そのような繰り返しの塗布は不便であり、費用がかかり、代表的には消費者に日焼け止めの再度の塗布をためらわせ、それが日焼けへとつながるかもしれない。
【0005】
従って、より高いSPF値、ブロード−スペクトル保護、向上した耐水性及びラブ−オフ耐性、美肌観点から満足できる製品のための必要性、及び利便性が日焼け止め配合物において重要になってきている。さらに、配合物製造者は、配合物のSPF値を増大させることのみならず、配合物中の日焼け止め作用剤(sunscreen actives)の実際のレベルを増大させることなく日焼け止め効果を増大させる方法を探索し続けている。
【0006】
加えて、配合物製造者には、配合物、特に無機粒状日焼け止め剤などの作用剤を含む配合物、に使用されるレオロジー改質剤のタイプの選択肢がほとんどない。歴史的には、キサンタンガムは増粘剤(thickener)の選択肢の中にあるが、この増粘剤はSPFの向上に関する利益に寄与しない。
【0007】
フィルム形成ポリマーは、毛髪の定着剤、SPF維持、耐水性、ラブ−オフ耐性、香気維持などの機能のためにパーソナルケア製品において幅広く使用されており、当業界でよく知られている。これらのポリマーは、合成又は天然の両方のルートで誘導できる。これらポリマーは代表的には多様な用途、例えば、日焼け止めなど、に使用されて、UVフィルターの耐水性及びラブ−オフ耐性を向上させる。より高いSPF製品をもたらすことによって、そのポリマー若しくはUVフィルター又はその両方の使用レベルを増大させることなくこれら日焼け止め配合物の創製が試みられている。そうすることが原因で、美肌観点から満足できず、コストも増大してしまう。
【0008】
それゆえに、人体に塗布し、水に浸漬した前後で、耐水性及びより高いSPF値を与える日焼け止め配合物、特に日焼け止め作用剤の量を増大する必要性がなく、これらの利益を与える配合物、が必要とされている。
【0009】
発明の概要
本発明によれば、熱処理されたキサンタンガム(例えば、INCI名称「デヒドロキサンタンガム」を有するキサンタンガム)とフィルム形成ポリマーとの間に相乗効果が見出されており、SPFが向上する。この向上効果は、水に浸漬する前後の両方でより高いSPF値を可能にする。この相乗効果は、SPF効果を犠牲にすることなく、配合物中に使用される日焼け止め剤の量を低減することを可能にする。従って、このUVフィルター、ポリマー、及び熱処理されたキサンタンガムの相乗効果的組み合わせは、より高いSPFの日焼け止め及び化粧品配合物の創製に非常に有用な手段となる。
【0010】
本発明の目的のための「相乗効果的」は、個々の物質のいずれかについて可能な効果よりも大きな効果(全体が各部分の合計よりも大きいこと)を達成する2以上の物質の作用を指す。
【0011】
本発明の目的のための「熱処理されたキサンタンガム」は、与えられた温度及び時間で加熱されるキサンタンガムを指す。例えば、水分含量が約8%未満まで60℃で少なくとも30分間加熱されたキサンタンガムが挙げられる。
【0012】
従って、本発明は、一つの面において、少なくとも1の無機日焼け止め作用剤である1以上の日焼け止め作用剤を使用して処方された日焼け止め組成物を提供する。さらにその組成物は、1以上のフィルム形成ポリマー及び熱処理されたキサンタンガムを含む。1以上のフィルム形成ポリマー及び熱処理されたキサンタンガムを使用することで、日焼け止め組成物は、一つの面において、熱処理されたキサンタンガムが熱処理されていないキサンタンガムで置き換えられた日焼け止め組成物よりも高いSPF値を与える。
【0013】
一つの面において、本発明の日焼け止め組成物は、組成物の総重量基準で、約0.25〜約30重量%の量で存在する1以上の日焼け止め作用剤を含む。更なる面において、1以上の日焼け止め作用剤は1以上の粒状日焼け止め作用剤を含む。さらに別の面において、1以上の粒状日焼け止め作用剤は、酸化亜鉛及び/又は二酸化チタンなどの少なくとも1の無機日焼け止め作用剤である。一つの面において、本発明の日焼け止め組成物は、組成物の水相に少なくとも1以上の無機日焼け止め作用剤を含む。
【0014】
一つの態様において、本発明の日焼け止め組成物は、1以上の日焼け止め作用剤を含み、この作用剤の少なくとも1つが、例えば、クレー類、アガー類、グアー類、ナノパーティクル類、ネイティブスターチ、変性スターチ、変性セルロース誘導体類、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びそれらの組み合わせから選ばれる少なくとも1以上の粒子である。別の態様において、本発明の日焼け止め組成物は、1以上の変性スターチ、例えば、オクテニルスクシネート(OSA)変性スターチ、変性コーンスターチ、それらの組み合わせなどを含む。さらに別の態様において、本発明の日焼け止め組成物は、1以上の日焼け止め作用剤を含み、この作用剤の少なくとも1つが有機日焼け止め作用剤である。別の面において、本発明の日焼け止め組成物は、例えば、エチルヘキシル メトキシシンナメート(オクチノキセート)、エチルヘキシル サリシレート(オクチサレート)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシジベンゾイルメタン、アボベンゾン、ベンゾフェノン-3(オキシベンゾン)、オクトクリレン、アミノベンゾイックアシッド、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサレート、メチルアンスラニレート、オクトクリレン、オクチサレート、オキシベンゾン、パジメートO、フェニルベンジミダゾールスルホニックアシッド、スリソベンゾン、トロラミンサリシレート、及びそれらの組み合わせから選ばれる1以上の有機日焼け止め作用剤を含む。
【0015】
一つの面において、本発明の日焼け止め組成物は、組成物の総重量基準で、約0.05〜約10重量%の量で存在する1以上のフィルム形成ポリマーを含む。別の面において、本発明の日焼け止め組成物は、1以上のフィルム形成ポリマーを含み、このポリマーの少なくとも1つはアクリレート類コポリマーである。さらに別の面において、本発明の日焼け止め組成物は、1以上のフィルム形成ポリマーを含み、このポリマーの少なくとも1つはポリウレタンコポリマーである。
【0016】
一つの面において、本発明の日焼け止め組成物は、組成物の総重量基準で、約0.05〜約20重量%の量で存在する熱処理されたキサンタンガムを含む。
一つの態様において、本発明の日焼け止め組成物は水中油(oil-in-water)エマルジョンの形態である。
【0017】
本発明の日焼け止め組成物は、場合によって1以上の作用剤をさらに含むことができる。そのような作用剤の非制限的な例としては、アンチアクネ剤、抗微生物剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗赤斑剤、鎮痒剤、抗浮腫剤、抗乾癬剤、抗菌剤、スキンプロテクタント、ビタミン類、抗酸化剤、スカベンジャー、抗刺激剤、抗バクテリア剤、抗ウイルス剤、老化防止剤、プロトプロテクション剤、毛髪成長向上剤、毛髪成長抑制剤、毛髪除去剤、抗フケ剤、抗油濡症剤、角層除去剤、傷治療剤、抗エクトパラサイト剤、皮脂調整剤、免疫調整剤、ホルモン類、植物性薬品、モイスチャライザー、アストリンゼン、クレンザー、センセート類、抗生物質、麻酔薬、ステロイド類、組織治療物質、組織再生物質、アミノ酸、ペプチド類、ミネラル類、セラミド類、ヒドロキシアルキル尿素、バイオヒアルロン酸類、ビタミン類、スキンライトニング剤、セルフタンニング剤、コエンザイムQ10、ナイアシンイミド、カプカシン、カフェイン、及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0018】
作用剤に加えて、本発明の日焼け止め組成物は場合によって1以上のアジュバントを含むことができる。本発明の日焼け止め組成物はまた場合によって1以上のコンディショニング剤を含むことができる。同様に、本発明の日焼け止め組成物は場合によって1以上の防腐剤を含むことができる。本発明の日焼け止め組成物はさらに場合によって1以上のエステティックエンハンサー(aesthetic enhancers)を含むことができる。そのようなエステティックエンハンサーの非制限的な例としては、コーンスターチ、タピオカスターチ、これらの組み合わせなどが挙げられる。これら場合によって採用されてもよい成分のいずれかの組み合わせが本日焼け止め組成物に利用されてもよいことが当業者によって認識されるであろう。
【0019】
さらなる態様において、本発明は、日焼け止め作用剤の1以上が少なくとも1の無機日焼け止め作用剤である少なくとも1以上の日焼け止め作用剤で処方された日焼け止め組成物の有効量を基材に塗布することによる基材についてUV照射を低減する方法を含む。この組成物はさらに1以上のフィルム形成ポリマー及び熱処理されたキサンタンガムを含む。
【0020】
詳細な説明
本発明は、1以上の日焼け止め作用剤(粒状、粒状と有機との組み合わせ、を含む)、1以上の水分散性のフィルム形成ポリマー(合成又は天然由来)及び熱処理されたキサンタンガムを含む組成物に関する。これら組成物は、化粧品及びパーソナルケアにみられる用途など様々な用途に適している。
【0021】
ヒドロコロイドキサンタンガムはバクテリアであるXanthomonasから誘導されるポリサッカライドガムであり、当業界でよく知られている。これは、せん断速度が増加すると見かけ粘度(apparent viscosity)が減少するという特徴のシュードプラスチック又はせん断薄化挙動(pseudo-plastic or shear-thinning behavior)を有する。
【0022】
キサンタンガムは、代表的には、増粘機能を与え、粘度を与え、ゲル化させるために、多様な産業用用途においてレオロジー改質剤として使用されている。それはまた、エマルジョンに安定性を付与するために、及び、固体が析出することを防止する懸濁性のために使用されてきた。熱水又は冷水において分散するためのキサンタンガムの制限された性能は、医薬品、家庭用製品、食品、パーソナルケア製品などの幅広く多様な用途における使用を制限する。
【0023】
本発明の熱処理されたキサンタンガムは、熱処理前のキサンタンガムの溶液粘度(1%固体の水溶液)と比較して少なくとも約10,000cpsに溶液粘度(1%固体の水溶液)を増大させる点で他のキサンタンガムと異なる。別の面において、本発明のキサンタンガムは、処理前のキサンタンガムの粘度を超えて、溶液の粘度を少なくとも約12,500cpsまで増大させる。さらに別の面において、本発明のキサンタンガムは、使用される熱処理条件に応じて、処理前のキサンタンガムの粘度を超えて、溶液の粘度を少なくとも約15,000cpsまで増大させる。
【0024】
熱処理されたキサンタンガムは、代表的には、熱処理されていないガムを超える改善された分散性を有し、その結果、与えられた温度及び攪拌条件で熱処理されたガムを十分に分散させるための時間が熱処理していないものに比べて代表的には25%低下する。別の面において、十分に分散させるための時間が50%低下する。さらに別の面において、ガムを分散させるための時間が熱処理していないものに比べて70%低下する。熱処理されたガムはまた、一般に、改善された増粘能力、レオロジー改質性、エマルジョン安定性、懸濁性能、テクスチャー向上性、フィルム形成性、及び泡安定性を与える。
【0025】
熱処理されたキサンタンガムは澄んだ透明性を与え、熱水又は冷水のいずれにも分散し、中和の必要性もないので使用が容易である。それは、塩分及び過酷なpH、特に約2〜約12の範囲のpHに対する許容性を示し、生分解性であり、「自然(natural)」として分類され得る。
【0026】
キサンタンガムの熱変性は、溶液中の分散性が容易になりフィッシュアイが形成される傾向がほとんどなくなるなどの利便性を改善する。熱変性はまた、増粘効果を改善するのみならず、ゲルテクスチャなどの美肌効果も改善する(例えば、長いテクスチャの糸状性又は粘液性)。加えて、熱処理されたキサンタンガムの増粘効果は多様なpH及び塩の範囲で起こる。熱処理されたキサンタンガムは、アニオン性、カチオン性又はノニオン性のポリマーと適合性があり、多様な汎用の添加剤とともに処方されることができる。
【0027】
キサンタンガムはさらに熱処理により加工されることは当業界で知られている。例えば、欧州公開No.0321216Aには、熱的に処理することによってキサンタンガムの粘度プロフィールを向上させることが記載されている。キサンタンガムの熱処理はまた、日本出願No.8-193055に記載されており、そこには、粉末状のキサンタンガムを熱処理することが記載されている。米国公開2003-0108505A1は、毛髪の化粧品において熱処理されたキサンタンガムを使用することが記載されている。
【0028】
いずれのキサンタンガムも熱処理のための出発原料として使用することができる。そのようなキサンタンガムは市販されており、例えば、Archer Daniels Midland 及び CP Kelcoから入手できる。これらのガムは代表的にはガムの総重量基準で8〜約14重量%の水分量を有し、約10〜11重量%の平均水分量を有する。
【0029】
熱処理をキサンタンガムに対して行って、約8%未満に水分量を低減することができる。別の面では、熱処理をキサンタンガムに対して行って、約5%未満に水分量を低減することができる。さらに別の面では、熱処理をキサンタンガムに対して行って、約1%未満又は実質上無水状態に水分量を低減することができる。熱処理は少なくとも約60℃の温度で行うことができる。ガムは、例えば、求められるガム中の水分のレベル及びガムが熱処理される温度に応じて約30分〜少なくとも2時間の時間で熱処理することができる。
【0030】
熱処理の温度及び時間は、望ましい粘度、分散性、ゲルテクスチャ、溶液の透明性、望まれるその他の性質を達成するために当業者によって調整されることができる。これらの性質はまた使用されるキサンタンガム出発材料による(例えば、その等級、粘度、分子量、粒子サイズなど)。
【0031】
キサンタンガムの熱処理は、当業界で知られる種々の方法のいずれかによって達成することができ、例えば、オーブン、流動床、赤外線及びマイクロ波を使用した熱処理などが挙げられるが、これらに限定されない。得られた熱処理キサンタンガムの粒子サイズは、ミリングなどの当業界で知られる方法を使用して調整することができ、また、粒子サイズは熱処理の前に調整することができる。
【0032】
本発明の熱処理されたキサンタンガムは、場合によってさらに、熱処理の前後のいずれかに変性することができる。例えば、ガムは、化学的に、酵素反応的に、又は物理的に変性することができる。そのようなプロセスは当業界で知られている。好適な化学変性としては例えば酸化、酵素転化、酸加水分解、熱及び/又は酸デキストリン化(dextrinzation)、せん断、などによってガムを転化すること、などが挙げられる。好適な化学的誘導体としては、例えば、アセテートなどのエステル類、スクシネート、オクテニルスクシネート、テトラデセニルスクシネートなどのハーフエステル類、ホスフェート誘導体、ヒドロキシアルキルエーテル類、カチオン性エーテル類などのエーテル類、あらゆる他の誘導体又はそれらの組み合わせなどが挙げられる。変性はまた、化学的架橋によってなされ得る。本明細書において使用するのに好適な架橋剤としては、例えば、ホスホラスオキシクロライド、エピクロロヒドリン、ナトリウムトリメタホスフェート、アジピン酸−酢酸の混合酸無水物、などが挙げられる。追加の誘導体を生成する好適な酵素反応的処理も含まれる。物理的変性のための好適なプロセスとしては、例えば、凝集、スプレー乾燥、ドラム乾燥、チルソネーション(chilsonation)、ジェットクッキング、押し出しなどが挙げられる。
【0033】
本発明の熱処理されたキサンタンガムは、そのガムに由来する香、色、汚染物を除去するための当業界で知られるあらゆる方法によって精製することができ、又はその熱処理が実質的に悪影響とならない限り、変性及び/又は熱処理プロセスの間に生成される。
【0034】
熱処理されたキサンタンガムは、多様な組成物に使用されることができ、例えば、化粧品、パーソナルケア組成物、漂白剤、家庭用清掃組成物、紙製品、オイル分野の化学品、食品及び飲料の組成物、などが挙げられるが、これらに限定されない。化粧品及びパーソナルケア組成物としては、例えば、スキンローション及びクリーム、スキンゲル、セーラム及びリキッド、顔及び体のクレンジング製品、ワイプス、液体及び固形石鹸、色化粧品配合物、メイクアップス、ファンデーション、サンケア製品、日焼け止め、サンレスタンニング配合物、シャンプー、コンディショナー、ヘアカラー配合物、ヘアリラクサー、AHA及びBHAを有する製品、毛髪の定着剤(例えば、スプレー、ジェル、ムース、ポマード、ワックスなど、低VOCの毛髪の定着剤を含む)、日焼け止め、などが挙げられる。この組成物はいずれの形態でもよく、例えば、エマルジョン、ゲル、液体、スプレー、固体、ムース、粉体、ワイプ、スティックなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0035】
熱処理されたキサンタンガムは所望の性質を与えるいかなるレベルで組成物中に配合されてもよい。代表的には、熱処理キサンタンガムのより少ない量が、元の又は熱処理されていないキサンタンガムと同じ性質及び機能を達成するために求められている。熱処理されたキサンタンガムは、組成物の総重量基準で、少なくとも約0.05〜約20重量%の量で組成物中に使用することができる。別の面において、熱処理されたガムは、組成物の総重量基準で、約0.05〜約5重量%の量で組成物中に存在させることができる。使用される量は所望の性質のみならず、ガムの熱処理の程度、組成物中の他の成分に依存する。
【0036】
熱処理されたキサンタンガムは元のキサンタンガムと同様にして組成物中に組み込むことができる。例えば、熱処理されたキサンタンガムは、水に分散させることができ、その後、残りの成分を加えることができる。
【0037】
熱処理されたキサンタンガムに加えて、本発明の組成物は、さらに、フィルムを形成できるポリマー及びコポリマーを含む。有用なフィルム形成ポリマーは、合成又は天然由来のいずれのものも使用できる。例えば、本発明のフィルム形成ポリマーとしては、例えば、天然又は合成由来の水分散性ポリマーなどが挙げられる。この水分散性ポリマーは、pH約5.5で約22℃で約5%固体で水に添加されたとき、透明な溶液を与えない。キサンタンガムと同様に、フィルム形成ポリマーは、多様な組成物に使用されることができ、例えば、化粧品、パーソナルケア組成物、漂白剤、家庭用清掃組成物、紙製品、オイル分野の化学品、食品及び飲料の組成物、などが挙げられる。化粧品及びパーソナルケア組成物としては、例えば、スキンローション及びクリーム、スキンゲル、セーラム及びリキッド、顔及び体のクレンジング製品、ワイプ、液体及び固形石鹸、色化粧品配合物、メイクアップ、ファンデーション、サンケア製品、日焼け止め、サンレスタンニング配合物、シャンプー、コンディショナー、ヘアカラー配合物、ヘアリラクサー、AHA及びBHAを有する製品、毛髪の定着剤(例えば、スプレー、ジェル、ムース、ポマード、ワックスなど、低VOCの毛髪の定着剤を含む)、日焼け止め、などが挙げられる。これらの化粧品及びパーソナルケア組成物はいずれの形態でもよく、例えば、エマルジョン、ゲル、液体、スプレー、固体、ムース、粉体、ワイプ、スティックなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0038】
本発明での使用に好適な合成の水分散性フィルム形成ポリマーの非制限的な例としては、National Starch and Chemical CompanyからAMPHOMER 及びAMPHOMER LV-71 ポリマー類(オクチルアクリルアミド/アクリレート類/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、AMPHOMER HC ポリマー(アクリレート類/オクチルアクリルアミドコポリマー)、 BALANCE 0/55 及びBALANCE CR ポリマー類(アクリレート類コポリマー)、 BALANCE 47 ポリマー(オクチルアクリルアミド/アクリレート類/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、RESYN 28-2930 ポリマー(VA/クロトネート/ビニルネオデカノエートコポリマー)、RESYN 28-1310 ポリマー (VA/クロトネートコポリマー)、 DynamX ポリマー (ポリウレタン-14 (及び) AMP-アクリレート類 コポリマー)、 RESYN XP ポリマー (アクリレート類/オクチルアクリルアミドコポリマー)、STRUCTURE 2001 (アクリレート類/ステアレス-20 イタコネートコポリマー) 、STRUCTURE 3001 (アクリレート類/セテス-20 イタコネートコポリマー)、 YODOSOL 32A707、 YODOSOL GH15、 YODOSOL GH32、 YODOSOL GH33、 YODOSOL GH34、 YODOSOL GH35、 YODOSOL GH256、 YODOSOL GH800、 YODOSOL GH810、 YODOSOLGH32A707F、 YODOSOL GH15F、 YODOSOL GH34F、 YODOSOL GH800F、 YODOSOL GH810F、 YODOSOL GH800PF (アクリレート類コポリマー)、 YODOSOL GH52、 YODOSOL GH52-OP (スチレン/メタクリルアミド/アクリレート類 コポリマー)、 YODOSOL GH265 (ポリアクリレート-2)、 YODOSOL GH840、 YODOSOL GH41F、 YODOSOL GH4I (スチレン/アクリレート類 コポリマー)、 YODOSOL PUD (ポリウレタン-10 (及び) PEG-12 ジメチコン(及び) アルコール)、 DERMACYL AQF (アクリレート類 コポリマー)、 DERMACRYL C (提案: アクリレート類 コポリマー) 、DERMACRYL 79 及びLT ポリマー (アクリレート類/オクチルアクリルアミドコポリマー); ISPから、OMNIREZ-2000 (PVM/MA ハーフエチルエステルコポリマー)、GANTREZ A-425 (PVM/MA コポリマーのブチルエステル)、 GANTREZ AN-119 PVM/MA コポリマー、 GANTREZ ES 225 (PVM/MA コポリマーのエチルエステル)、 GANTREZ ES-425 (PVM/MA コポリマーのブチルエステル)、 AQUAFLEX XL-30 (ポリイミド-1)、 ALLIANZ LT-120 (アクリレート類/C1-2 スクシネート類/ヒドロキシアクリレート類 コポリマー)、 ALLIANZ OPT (アクリレート類/C12-22アルキルメタクリレート コポリマー)、 STYLEZE CC-10 (PVP/DMAPA アクリレート類 コポリマー)、 STYLEZE 2000 (VP/アクリレート類/ラウリルメタクリレート コポリマー)、 STYLEZE W-20 (ポリクオーターニウム-55), ADVANTAGE PLUS (VA/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレート コポリマー); BASFから、ULTRAHOLD STRONG (アクリル酸/エチルアクリレート/t-ブチルアクリルアミド)、LUVIMER 100 P (t-ブチルアクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸)、LUVIMER 36D (エチルアクリレート/t-ブチルアクリレート/メタクリル酸)、LUVISET PUR (ポリウレタン-1)、LUVISET Clear (VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマー)、LUVIFLEX SOFT (アクリレート類 コポリマー)、ULTRAHOLD 8 (アクリレート類/アクリルアミドコポリマー)、LUVIFLEX Silk (PEG/PPG-25/25 ジメチコン/アクリレート類 コポリマー)、 LUVISET CAN (VA/クロトネート/ビニルネオデカノエートコポリマー)、LUVIMER PRO55 (アクリレート類コポリマー); Amercholから、AMERHOLD DR-25 (アクリル酸/メタクリル酸/アクリレート類/メタクリレート類); Rohm and Haasから、ACUDYNE 258 (アクリル酸/メタクリル酸/アクリレート類/メタクリレート類/ヒドロキシエステルアクリレート類)、 ACUDYNE DHR (アクリレート類/ヒドロキシエステル類アクリレート類 コポリマー) ALLIANZ OPT (アクリレート類/C12-22 アルキルメタクリレート コポリマー); Mitsubishi から、そしてClariantによって配給、DIAFORMER Z-301、 DIAFORMER Z-SM及びDIAFORMER Z-400 (メタクリロイルエチルベタイン/アクリレート類 コポリマー)、ACUDYNE 180 (アクリレート類/ヒドロキシエステル類アクリレート類 コポリマー)、 ACUDYNE SCP (エチレンカルボキシアミド/AMPSA/メタクリレート類 コポリマー)、及びACCULYN レオロジー改質剤; ONDEO Nalcoから、FIXOMER 40 (アクリレート類 コポリマー)、FIXOMER A-30 及びFIXOMER N-28 (INCI 名称: メタクリル酸/ナトリウムアクリルアミドメチルプロパンスルホネートコポリマー); Eastman Chemicalから、Eastman polymer AQ38S 及びAQ55S (ジグリコール/CHEM/イソフタレート類/SIP コポリマー); Interpolymerから、SYNTRAN 5009 及び SYNTRAN 5760 (スチレン/アクリレート類/アンモニウムメタクリレートコポリマー)、 SYNTRAN 5190 (アクリレート類 コポリマー)、SYNTRAN 5900 及び5902 (ポリスチレン)、SYNTRAN 5903、5904、5905 (スチレン/アクリレート類 コポリマー)、SYNTRAN KL-219C (アンモニウムアクリレート類 コポリマー)、SYNTRAN PC 5112 (ポリアクリレート-16)、SYNTRAN PC5208 (ポリアクリレート-15)、SYNTRAN PC5100 (ポリアクリレート-21 及びアクリレート類/ジメチルアミノエチルメタクリレート コポリマー)、 SYNTRAN PC5107 及びPC5117 (ポリアクリレート-18 及びポリアクリレート-19)、 SYNTRAN PC5205 及びPC5227 (ポリアクリレート-15 及びポリアクリレート-17); Noveonから、FIXATE G-100 (AMP-アクリレート類/アリルメタクリレートコポリマー)、 FIXATE PLUS (ポリアクリレート類-X)、CARBOPOL Ultrez 10 (カーボマー)、 CARBOPOL Ultrez 20 (アクリレート類/C10-30 アルキルアクリレート類 コポリマー)、 AVALURE AC シリーズ(アクリレート類 コポリマー)、AVALURE UR シリーズ(ポリウレタン-2、ポリウレタン-4、PPG-17/IPDI/DMPA コポリマー); Inolex Chemical Companyから、LEXOREZ TL8 (トリメチルペンタンジオール/アジピン酸コポリマー)、 LEXOREZ TC8 及びLEXOREZ TC-1 (INCI 名称:トリメチルペンタンジオール/アジピン酸/イソノナン酸コポリマー)、LEXOREZ 200 (トリメチルペンタンジオール/アジピン酸/グリセリンクロスポリマー)、LEXOREZ 100 (アジピン酸/ジエチレングリコール/グリセリンクロスポリマー)、LEXFILM SUN (ポリエステル-7 (及び)ネオペンチルグリコールジヘプタノエート)、LEXFILM SPRAY (ポリエステル-10 (及び) プロピレングリコールジベンゾエート); Dow Corningから: DOW CORNING FA 4002 ID SILICONE ACRYLATE (イソドデカン (及び) アクリレート類/ポリトリメチルシロキシメタクリレートクロスポリマー)、DOW CORNING FA4001 ID SILICONE ACRYLATE (シクロペンタシロキサン(及び) アクリレート類/ポリトリメチルシロキシメタクリレート コポリマー); 及び上述したもののいずれかの組み合わせ、などが挙げられる。(本発明の目的のために、フィルム形成ポリマーはそれらの水分散性状態又は水溶性状態で使用されてもよいことが理解される。例えば、上述した商業的フィルム形成材の少なくともいくつかはある程度の中和処理では水溶性にならない。もしそうでなければ、それらは有機溶剤にのみ溶解することができる。)
有用なフィルム形成ポリマーはさらに場合によって他の水分散性合成ポリマー類及び天然から誘導されるものの組み合わせ(いずれも単独でも組み合わせでもよい)を含んでもよい。本発明において使用されるのに好適な天然のフィルム形成の水分散性ポリマーとしては、ポリサッカライド誘導体(ネイティブ及び変性の両方)、などが挙げられる。例えば、本明細書において使用されるようなネイティブスターチは、天然に見出されるスターチを指す。また、交配、置換、逆位、形質変換、それらの変形を含む他の全ての遺伝子又は染色体工学の方法、などの標準の育成技術によって得られる植物から誘導されるスターチが好適である。さらに、公知の標準的な突然変異育成方法によって生産されてもよい上記の一般的な組成物の人工的な突然変異及び変異から成長した植物から誘導されるスターチも本明細書において好適である。
【0039】
スターチの代表的な源は、穀物、塊茎、根、豆類、及び果物である。ネイティブの源は、コーン、エンドウ、ポテト、スィートポテト、バナナ、大麦、小麦、米、サゴ、アマランス、タピオカ、クズウコン、カンナ、モロコシ、それらのろうの多い又は高アミロースの変種であり得る。「ろうの多い(waxy)」という用語は少なくとも約95重量%のアミロペクチン(残りはアミロース)を含むスターチを指し、「高アミロース」という用語は少なくとも約40重量%のアミロース(残りはアミロペクチン)を含むスターチを指すことを意図する。他の面において、高アミローススターチは少なくとも約70重量%のアミロースを含むスターチを指す。
【0040】
本発明に好適なネイティブスターチの変性は当業界で公知の変性法を使用して行うことができ、例えば、物理的、化学的、及び/又は酵素的な変性などが挙げられ、所望のフィルム形成特性を得る。
【0041】
本明細書で使用するのに好適な物理的に変性されたスターチ類としては、せん断されたスターチ類、熱的に抑制されたスターチ類(国際公開WO95/04082によって表されるパテントファミリーに記載されるもの)、耐性スターチ類(米国特許第5,593,503号によって表されるパテントファミリーに記載されるもの)、などが挙げられる。
【0042】
化学的に変性されたスターチとしては、以下に限定されないが、架橋された、アセチル化された及び有機エステル化された、ヒドロキシエチル化された及びヒドロキシプロピル化された、ホスホリル化された及び無機エステル化された、カチオン性の、アニオン性の、ノニオン性の、両性の及び双性の、及びそれらのスクシネート及び置換スクシネート誘導体の、ものが挙げられる。そのような変性体は、当業界で知られており、例えば、Modified Starches: Properties and Uses, Wurzburg, Ed., CRC Press, Inc., Florida (1986)のテキスト中で知られている。
【0043】
酸化、酵素転化、酸加水分解、熱、及び/又は酸デキストリン化によって調製された流動質(fluidity)又はティン−ボイリング(thin-boiling)スターチ類を含むあらゆるスターチ類から誘導される転化生成物、熱及び/又はせん断生成物も本明細書において有用であり得る。
【0044】
さらに、当業界で知られ、例えば、米国特許第4,465,702号、第5,037,929号、 第5,131,953号 及び第5,149,799号に開示されるプレゼラチン化スターチも好適である。プレゼラチン化スターチのための慣用の手法もまた当業者に知られており、例えば、Starch: Chemistry and Technology, Vol. III-Industrial Aspects, Chpt. XXII -"Production and Use of Pregelatinized Starch", R. L. Whistler and E. F. Paschall, Ed., Academic Press, New York (1967)に記載されている。
【0045】
本明細書で使用されるための好適な性質を有するあらゆるスターチ又はスターチのブレンドが当業界で知られているあらゆる方法によって精製されてもよく、ネイティブからポリサッカライドに色がスターチから除かれ、又はプロセスの間に生成される。スターチを取り扱う好適な精製プロセスは、例えば、欧州特許公開0554818A2によって表されるパテントファミリーに開示されている。粒状又はプレゼラチン化の形のいずれかで使用することを意図したスターチのためのアルカリ洗浄技術はまた、有用であり、米国特許第4,477,480号及び第5,187,272号によって表されるパテントファミリーに記載されている。
【0046】
追加の好適なスターチ類は、追加の封入化又はエマルジョン化剤が必要ないように作用成分をエマルジョン化又は封入化できるスターチ類である。そのようなスターチ類としては、例えば、限定されないが、ヒドロキシアルキル化スターチ類(例えば、ヒドロキシプロピル化スターチ、ヒドロキシエチル化スターチなど)、スクシニル化(succinylated)スターチ類(例えば、オクテニルスクシニル化スターチ、ドデシルスクシニル化スターチなど)、などが挙げられる。一つの態様において、エマルジョン化スターチ又は封入化スターチは、フィルム材料(スターチ成分、作用剤、及び場合によって採用される添加剤)の溶液又は分散物が後のプロセスのために保存されるように使用されてもよい。ヒドロキシアルキル化スターチ類は、可塑剤が少ないか又は必要ないようにより軟質のフィルムを形成するという追加の利点を有する。
【0047】
他の変性ポリサッカライド類がスターチに加えて使用されることができ、例えば、セルロース、キチン、グルコサミノグリカン類、プロテオグリカン類、キトサン、ヘパリン、コンドロイチン、グリコーゲン、これらの組み合わせ、などが挙げられる。
【0048】
天然から誘導される水分散性フィルム形成成分は、単一の変性又はネイティブスターチ、単一の変性セルロース誘導体類、変性スターチ類のブレンド物、ネイティブスターチ類のブレンド物、変性セルロース誘導体類のブレンド物、変性スターチ類、セルロース誘導体類及びネイティブスターチ類から選ばれる少なくとも2つのブレンド物であることができる。ブレンド物は、フィルムのコストを低下させ、様々な所望の性質及び機能をより容易に達成するために有用であり得る。
【0049】
本発明においてフィルム形成材として有用であり得る市販のスターチ類(及びそのINCI名称)としては、例えば、National Starch and Chemical Companyから、AMAZE(登録商標)polymer (変性コーンスターチ)、スターチとカチオン性セルロースとの共加工された組合せCELQUAT(登録商標)LS-50 resin (ポリクオーターニウム-4/ヒドロキプロピルスターチコポリマー)、STRUCTURE(登録商標) XL polymer (ヒドロキシプロピルスターチホスフェート); the Croda Companyから、CROSTYLE MFP (トリメチル四級化メイズスターチ(trimethyl quaternized maize starch)); ONDEO Nalcoから、SENSOMER Cl-50 (スターチヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(starch hydroxypropyl trimonium chloride))、これらの組み合わせ、などが挙げられる。
【0050】
本発明においてフィルム形成剤として有用であり得る市販のセルロース誘導体(及びそのINCI名称)の非制限的例としては、National Starch and Chemical Companyから、スターチとカチオン性セルロースとの共加工された組合せCELQUAT(登録商標)LS-50 resin (ポリクオーターニウム-4/ヒドロキプロピルスターチコポリマー)、これらの組み合わせ、などが挙げられる。
【0051】
本発明のフィルム形成成分はまた、合成及び天然由来の両方の水分散性ポリマーのブレンド物を含む。
本発明に有用な好適な日焼け止め剤又は作用剤は、UV-A、UV-Bなどの紫外線(UV)放射線を吸収し、散乱させ、又は遮蔽するあらゆる特定の日焼け止め作用剤を包含する。好適な特定の日焼け止め作用剤の非制限的な例としては、クレー類、アガー類、グアー類、ナノパーティクル類、ネイティブスターチ、変性スターチ、変性セルロース誘導体類、酸化亜鉛、二酸化チタン、それらの組み合わせ、などが挙げられる。変性スターチとしては、例えば、DRY-FLO(登録商標)PC lubricant (アルミニウムスターチオクテニルスクシネート)、 DRY-FLO(登録商標)AF lubricant (変性コーンスターチ)、DRY-FLO(登録商標)ELITE LL lubricant (アルミニウムスターチオクテニルスクシネート(及び)ラウリルリシン)、DRY-FLO(登録商標)ELITE BN lubricant (アルミニウムスターチオクテニルスクシネート(及び)窒化ホウ素)、などが挙げられ、全てNational Starch and Chemical Companyから市販されている。
【0052】
一つの面において、日焼け止め剤はUV放射線と、それが照射された表面との間に物理的及び/又は化学的バリヤを形成するものを包含する。好適な日焼け止め剤の非制限的な例としては、エチルヘキシル メトキシシンナメート(オクチノキセート)、エチルヘキシル サリシレート(オクチサレート)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシジベンゾイルメタン、アボベンゾン、ベンゾフェノン-3(オキシベンゾン)、オクトクリレン、アミノベンゾイックアシッド、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサレート、メチルアンスラニレート、オクトクリレン、オクチサレート、オキシベンゾン、パジメートO、フェニルベンジミダゾールスルホニックアシッド、スリソベンゾン、トロラミンサリシレート、及びそれらの組み合わせ、などが挙げられる。
【0053】
日焼け止め剤は、様々な組成物の形で使用されることができ、例えば、化粧品、パーソナルケア組成物、漂白剤、家庭用清掃組成物、紙製品、オイル分野の化学品(oil field chemicals)、食品及び飲料の組成物、などが挙げられるが、これらに限定されない。化粧品及びパーソナルケア組成物としては、例えば、スキンローション及びクリーム、スキンゲル、セーラム及びリキッド、顔及び体のクレンジング製品、ワイプス(wipes)、液体及び固形石鹸、色化粧品配合物、メイクアップス、ファンデーション、サンケア製品、日焼け止め、サンレスタンニング(tanning)配合物、シャンプー、コンディショナー、ヘアカラー配合物、ヘアリラクサー、AHA及びBHAを有する製品、毛髪の定着剤(例えば、スプレー、ジェル、ムース、ポマード、ワックスなど、低VOCの毛髪の定着剤を含む)、日焼け止め、などが挙げられるがこれらに限定されない。この組成物はいずれの形態でもよく、例えば、エマルジョン、ゲル、液体、スプレー、固体、ムース、粉体、ワイプ、スティックなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0054】
一般に、日焼け止め組成物又は配合物は、1以上の日焼け止め剤/作用剤又はUVフィルターを、組成物の総重量に基づいて、約0.25〜約30重量%の量で含む。
本発明の日焼け止め組成物は、場合によって、さらに作用剤を含んでもよい。好適な作用剤としては、例えば、アンチアクネ剤(anti-acne agents)、抗微生物剤(antimicrobial agents)、抗炎症剤(anti-inflammatory agents)、鎮痛剤(analgesics)、抗赤斑剤(anti-erythemal agents)、鎮痒剤(antipruritic agents)、抗浮腫剤(antiedemal agents)、抗乾癬剤(antipsoriatic agents)、抗菌剤(antifungal agents)、スキンプロテクタント(skin protectants)、ビタミン類(vitamins)、抗酸化剤(antioxidants)、スカベンジャー(scavengers)、抗刺激剤(antiirritants)、抗バクテリア剤(antibacterial agents)、抗ウイルス剤(antiviral agents)、老化防止剤(antiaging agents)、プロトプロテクション剤(protoprotection agents)、毛髪成長向上剤(hair growth enhancers)、毛髪成長抑制剤(hair growth inhibitors)、毛髪除去剤(hair removal agents)、抗フケ剤(antidandruff agents))、抗油濡症剤(anti-seborrheic agents)、角層除去剤(exfoliating agents)、傷治療剤(wound healing agents)、抗エクトパラサイト剤(anti-ectoparacitic agents)、皮脂調整剤(sebum modulators)、免疫調整剤(immunomodulators)、ホルモン類(hormones)、植物性薬品(botanicals)、モイスチャライザー(moisturizers)、アストリンゼン(astringents)、クレンザー(cleansers)、センセート類(sensates)、抗生物質(antibiotics)、麻酔薬(anesthetics)、ステロイド類(steroids)、組織治療物質(tissue healing substances)、組織再生物質(tissue regenerating substances)、ヒドロキシアルキル尿素(hydroxyalkyl urea)、アミノ酸(amino acids)、ペプチド類(peptides)、ミネラル類(minerals)、セラミド類(ceramides)、バイオヒアルロン酸類(biohyaluronic acids)、ビタミン類(vitamins)、スキンライトニング剤(skin lightening agents)、セルフタンニング剤(self tanning agents)、コエンザイムQ10(coenzyme Q10)、ナイアシミド(niacinimide)、カプカシン(capcasin)、カフェイン(caffeine)、及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0055】
本発明の日焼け止め組成物は、場合によって1以上のエステティックエンハンサー(即ち、所望の触覚、視覚、味覚及び/又は嗅覚の性質をその組成物が塗布された表面に与える材料)を含んでもよく、親水性又は疎水性のいずれでもよい。本発明において使用されてもよい市販のエステティックエンハンサー(INCI名称を併記)の非制限的例としては、National Starch and Chemical CompanyからPURITY(登録商標)21C starch (トウモロコシ属メイズ (コーン) スターチ)、TAPIOCA PURE (タピオカスターチ)、これらの組合せ、などが挙げられる。
【0056】
本発明の日焼け止め組成物は、1以上のアジュバント、例えば、pH調整剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、コンディショニング剤、モイスチャライザー、キレート剤、プロペラント、レオロジー改質剤、乳化剤、例えば、ゲル化剤、着色剤、芳香剤、臭気マスキング剤、UV安定剤、防腐剤、これらの組合せ、などを場合によって含むことができる。好適なpH調整剤としては、以下に限定されないが、アミノメチル、プロパノール、アミノメチルプロパンジオール、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、クエン酸、水酸化ナトリウム、酢酸、水酸化カリウム、乳酸、これらの組合せなどが挙げられる。
【0057】
好適なコンディショニング剤としては、以下に限定されないが、例えば、シクロメチコン、ペトロラタム、ジメチコン、ジメチコノール、シリコーン(例えば、シクロペンタシロキサン、ジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケートなど)、ヒアルロン酸ナトリウム、イソプロピルパルミテート、大豆油、リノール酸、PPG-12/飽和メチレンジフェニルジイソシアネートコポリマー、尿素、アモジメチコン、トリデセス-12、セキモニウム(cekimonium)クロライド、ジフェニルジメチコン、プロピレングリコール、グリセリン、ヒドロキシアルキル尿素、トコフェロール、四級アミン類、これらの組合せ、などが挙げられる。
【0058】
好適な防腐剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、クロロフェネシン、ソルビン酸、ジナトリウムエチレンジニトリロテトラアセテート、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、フィチン酸、イミダゾリジニル尿素、ナトリウムデヒドロアセテート、ベンジルアルコール、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、これらの組合せ、などが挙げられる。本日焼け止め組成物は通常日焼け止め組成物総量の100重量%基準で約0.001〜約20重量%の防腐剤を含む。別の面において、本組成物は日焼け止め組成物総量の100重量%基準で約0.1〜約10重量%の防腐剤を含む。
【0059】
一つの面において、本発明の日焼け止め組成物は水相を含む。これら日焼け止め組成物はまた、場合によって、何れかの化粧用に許容される溶剤を含むことができる。そのような溶剤の非限定的な例としては、炭化水素類、アルコール類、エステル類、これらのブレンド物などが挙げられる。本発明の日焼け止め組成物は、通常、少なくとも、1以上の日焼け止め作用剤を組成物の総重量に基づいて約0.25〜約30重量%の量で、1以上のフィルム形成ポリマーを組成物の総重量に基づいて約0.05〜約10重量%の量で、熱処理されたキサンタンガムを組成物の総重量に基づいて約0.05〜約20重量%の量で含み、残りの組成には、所望のエンド配合物に従って、上述したアジュバント、作用剤(active agents)、エステティックエンハンサーなどの他の成分が含まれる。当業者にはどのような追加の成分が必要であるか知られている。別の面において、本発明の日焼け止め組成物は、1以上のフィルム形成ポリマーを組成物の総重量に基づいて約0.5〜約5重量%の量で含む。さらに別の面において、本発明の日焼け止め組成物は、熱処理されたキサンタンガムを組成物の総重量に基づいて約0.05〜約5重量%の量で含む。
【0060】
以下の実施例は本発明を例証することを意図し、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の外延及び範囲は添付の請求の範囲のみによって制限される。
実施例
以下に説明する配合物は、少なくとも2つの無機日焼け止め剤(ZnO及びTiO2)を含む。文献によれば、これら2つのタイプを共に配合するときには、それらは配合物の同じ相に存在させるべきではない。凝集が起こる可能性があり、UV光の散乱が低減されるためにSPF値が低下するからである。
【0061】
全ての配合物は以下の手順に従って調製された。
キサンタンガムは完全に水和するまで水中に分散させる。相Bの残りはより少ないUVBフィルターであり、組み合わされ、75℃に加熱され、UVBフィルターが添加される。相Aの成分は組み合わされ、75℃に加熱される。その後、相Aは相Bに添加され、10,000rpmで1分間均質化される。攪拌しながら室温に冷却し、相Cの成分を添加し、中和剤を添加してpHを7に調整する。
【0062】
以下の結果は、熱処理されたキサンタンガム(デヒドロキサンタンガム:National Starch から入手できるAMAZE XTを使用した。)及びフィルム形成ポリマー(水分散性技術、例えば、アクリレート類コポリマー(単数又は複数)、ポリウレタン類、など)の両方の組合せがSPFを予想外に押し上げていることを示している。本明細書の実施例で詳細に説明するいくつかの実験を通じてこの予想外の押し上げの範囲が確定される。
【0063】
実施例1(熱処理されたキサンタンガムを含む日焼け止め配合物 対 熱処理されていないキサンタンガムを含む配合物の比較)
以下の4つの日焼け止め配合物が調製された。
【0064】
【表1】

【0065】
ここに示す各配合物の全ての値は、組成物又は配合物の総重量に基づく重量%表示である。
上記の配合物は、配合物1が熱処理されたキサンタンガムで調製されている点、配合物2が熱処理されていないキサンタンガムで調製されている点、配合物3が熱処理されたキサンタンガムで調製されているが、フィルム形成ポリマーを有しない点で異なる。配合物4は、日焼け止め作用剤の量を減らしても許容できるSPF値が達成できるかどうか判断するために日焼け止め作用剤(UVフィルター類)の全量を25%減らしたこと以外は配合物1に基づく。
【0066】
In-vitro SPF 試験手順:
これら配合物を以下の手順に従ったin-vitro SPF 試験に供して、SPF 値を決定した。
全ての配合物は外部の試験ラボラトリー(IMS Inc., Quarry Road Technology Park, 282 Quarry Road, Milford CT, 06460-8508, USA) によって秘密保持状態でSPF値を試験した。SPF 値は、VITRO-SKIN(登録商標)基材を使用するためのIMS Inc In Vitro Sunscreen Waterproof / Water Resistance Protocolと題する方法によって得られた。2μL/cm2のサンプルをVITRO-SKIN(登録商標)基材に塗布した。その後、この基材を40oCの水浴中、300 rpmで80 分間振動させた。SPFの測定は、Labsphere UV 1000S ultraviolet transmittance analyzer (Labsphere, Inc. North Sutton, NH 03260)を使用して10の異なる測定サイトで浸漬の前後で行った。得られたSPF値は平均値として計算されたものであった。これらの測定は、各ケースごとにブランク(試験材料を塗布していないVITRO-SKIN(登録商標)基材)と比較した。
【0067】
目的のSPFは30であった。以下に示す試験結果は、配合物2の20.5(熱処理されていないキサンタンガム配合物)に対して、配合物1の浸漬後の値である32.6(熱処理されたキサンタンガム配合物)を示した。アクリレート類コポリマーを含まない配合物3は熱処理されたキサンタンガムとアクリレート類コポリマーとの組合せがSPFを押し上げるために必要であるかどうかを知るために調製された。結果として得られたSPF値(8.7)はフィルム形成材無しの熱処理されたキサンタンガムがこの2つの組合せと同等の日焼け止めにおける耐水性を与えないことを示している。フィルム形成材との組合せはまた高い浸漬前又は静止SPF値をもたらしているが、このことはより良いより均一なフィルムが合成皮膚基材上で乾燥した時に形成されたことを示す。
【0068】
【表2】

【0069】
配合物4は全UVフィルター濃度を配合物1に対して25%減らした量で含み、35.6という値は元の配合物からの32.6に近いので、押し上げがはっきりしていることを示す(40分浸漬(米国のガイドラインに従った日焼け止めの「耐水性」の要求を構成するin-vivoの研究で使用される時間枠)に基づく。一方、「非常に耐水性」の要求は80分の値に基づく。)。
【0070】
実施例2(UVフィルター)
以下の3つの配合物が、UV保護を与えることに関して異なる日焼け止め作用剤及びそれらの量の効果を検討するために調製された。
【0071】
【表3】

【0072】
配合物5は、その配合物が有機UVフィルターのみ(即ち、無機日焼け止め作用剤が無い。)を有するように変更された以外は配合物1と同様である。配合物5は、配合物1と使用する水の重量が異なる場合に(この配合物中懸濁するものは無いので)懸濁機構を理解するために調製された。
【0073】
配合物6は、その配合物が無機UVフィルターのみ(即ち、有機日焼け止め作用剤が無い。)を有するように変更された以外は配合物1と同様である。配合物6は、有機UVフィルターが有機UVフィルターと同様の極性の可溶化剤を使用して配合物1と重量が異なる場合にSPF押し上げを得るために求められるかどうかを判断するために調製された。これら可溶化剤は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Myritol 318として市販)及びイソプロピルミリステート(Liponate IPMとして市販)として記載される。
【0074】
配合物7は、コントロールとして、熱処理されたキサンタンガムが熱処理されていないキサンタンガムで置き換えられている以外は配合物6と同じ配合物である。
以下の結果が得られた。
【0075】
【表4】

【0076】
配合物5において無機UVフィルターが存在しないことは、静止SPF値の減少をもたらす。80分浸漬SPF値に基づいて、SPF押し上げの機構は無機粒子の日焼け止め剤の懸濁であろうことがわかる。この配合物は懸濁する粒子を有さず、続いてSPFの押し上げを示さないこと、及び有機UVフィルターの保持が制限されることを示しているからである。配合物6は、無機UVフィルターのみを含み、80分後にほぼ100%のSPF保持を示している。配合物7は、配合物6とは従来の(熱処理されていない)キサンタンガムを利用している点で異なるが、配合物6が与えるようなSPF保持の改善が得られていない。
【0077】
実施例3(ポリマー)
二つの追加の配合物がSPF押し上げを実現するために必要なフィルム形成ポリマー化学の範囲を試験するために調製された。ポリアクリレートの化学を利用する配合物1に加えてPVP/エイコセンコポリマー(油分散性ポリマー)を有する配合物が調製され、比較のためにポリウレタンの化学(水分散性ポリマー)を利用するものも調製された。
【0078】
二つの日焼け止め配合物は以下のように調製された。
【0079】
【表5】

【0080】
得られたSPF値は以下のとおりであった。
【0081】
【表6】

【0082】
上記の結果から、SPFの押し上げを与えるためには、水分散性か水溶性のいずれかのすくなくとも1つのフィルム形成ポリマーを水相に存在させるべきであることがわかる。PVP/エイコセンコポリマーは配合物8の油相に存在し、ここではSPFの押し上げ又は保持に寄与しないことが明らかである。
【0083】
実施例4
以下の配合物10は、水相にZnOが存在し、油相にTiO2が存在する配合物である。
【0084】
【表7】

【0085】
実施例5
以下の配合物11は、UVフィルターを有するサンレス・タンニング配合物である。
【0086】
【表8】

【0087】
実施例6
以下の配合物12はスプレー日焼け止め配合物である。
【0088】
【表9】

【0089】
実施例7
以下の配合物13は日焼け止め作用剤を有するホワイトニング配合物である。
【0090】
【表10】

【0091】
実施例8
以下の配合物14は微粒子を有するホワイトニング配合物である。
【0092】
【表11】

【0093】
実施例9
無機UV日焼け止め剤のみを含む配合物(配合物15)の耐水性の潜在能力を調べるために以下の配合物が調製された。無機UVフィルターの濃度は同様のSPF値を維持するために増やした。表4のSPF値は外部ラボラトリーから前述したものと同じ手順を使用して測定した。
【0094】
【表12】

【0095】
実施例10
以下の配合物は、この配合物中にアクリレート類/オクチルアクリルアミドコポリマーを使用することを検討するために調製された。このポリマーを使用し(配合物16)、前述した同じin vitro SPF手順を使用して、同様な結果(表4参照)が得られた。
【0096】
【表13】

【0097】
【表14】

【0098】
実施例11(in vivo評価)
非常に耐水性のSPF(Very Water Resistant SPF)のための以下のFDA最終モノグラフ試験方法論、非−無作為化された検討が、肌のタイプI、II及び/又はIIIを有する5人の健康な男性/女性のボランティアについてブラインド評価として行われた。所定の時間で一連の5回のUV線量(25%増分で増加させたもの)を背中の中央部(mid-back)に施した。使用された太陽模擬実験装置は、平均海面での日光と同様の290〜400nmの間のUV放射線を与える。被験者らは22〜24時間後ラボラトリーに戻り、養成された評価者がUVに曝露された部位の応答を0〜7のスケールで等級付けした。この等級付けは、初期の最小紅斑線量(Minimum Erythema Dose:MED)を生成した。この初期MEDは応答等級2(マイルドな紅斑が曝露部位のボーダーに達すること)以上を生成する最も低いUV線量として定義される。
【0099】
隣接した複数の50cm2の矩形を被験者の背中に描いた。100mgの試験製品を指定された矩形中に塗布し、100mgの8%ホモサレートのコントロールを残りの矩形に塗布した。製品は材料をその領域に「スポッティング(spotting)」し、その領域全体に均一なフィルムが塗布されるまで優しく広げることによって塗布した。塗布後15分たってから、被験者は23〜32℃に維持された穏やかに流動している水に背中の上部まで漬かった。被験者はその水に20分間漬かっていた後20分間乾かした。これを合計で80分間の浸漬まで繰り返した。
【0100】
最後に水に漬かった後、100mgの8%ホモサレートの標準を再び塗布し、7回の連続的に増加する所定時間のUV線量を試験製品を塗布した部位に与えた。また8%ホモサレートの標準を塗布して15分後7回のUV線量を与えた。5回のUV線量を背中の処理されていない領域に25%の増分で増加しながら与え、繰り返しMEDを決定した(最終MEDと呼ぶ。)。
【0101】
UV曝露後22〜24時間して、被験者は戻り、再び評価された。SPFが、製品で処理された部位のMED 対 処理されていない肌のMEDの比として計算された。静止SPF値は、製品で処理された部位のMED 対 最終MEDの比として報告された。
【0102】
結果を以下に示す。
【0103】
【表15】

【0104】
実施例12(in vivo評価)
非−無作為化された検討が3人の健康な男性/女性のボランティアについてブラインド評価として行われたことを除いて、上記実施例に示したものと同様の、非常に耐水性のSPFのための以下のFDA最終モノグラフ試験方法論が行われた。熱処理されたキサンタンガム及びフィルム形成材を含み、無機UVフィルターのみを有する配合物15を試験した。
【0105】
SPFが、製品で処理された部位のMED 対 処理されていない肌のMEDの比として計算された。静止SPF値は、製品で処理された部位のMED 対 最終MEDの比として報告された。
結果を以下に示す。
【0106】
【表16】

【0107】
本発明を詳細に説明したが、それは説明及び例示にすぎず、限定として解釈されるものではない。本発明の精神及び範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の無機日焼け止め作用剤である1以上の日焼け止め作用剤、
1以上のフィルム形成ポリマー、及び
熱処理されたキサンタンガム
を含む日焼け止め組成物。
【請求項2】
1以上の日焼け止め作用剤が、組成物の総重量に基づいて、約0.25〜約30重量%の量で存在する、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項3】
1以上のフィルム形成ポリマーが、組成物の総重量に基づいて、約0.05〜約10重量%の量で存在する、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項4】
熱処理されたキサンタンガムが、組成物の総重量に基づいて、約0.05〜約20重量%の量で存在する、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項5】
少なくとも1の無機日焼け止め作用剤が少なくとも酸化亜鉛及び/又は二酸化チタンである、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項6】
1以上の無機日焼け止め作用剤の少なくとも1つが組成物の水相に存在する、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項7】
1以上のフィルム形成ポリマーが少なくともアクリレート類コポリマーである、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項8】
1以上のフィルム形成ポリマーが少なくともポリウレタンコポリマーである、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項9】
組成物が水中油のエマルジョンである、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項10】
1以上の日焼け止め作用剤が、クレー類、アガー類、グアー類、ナノパーティクル類、ネイティブスターチ、変性スターチ、変性セルロース誘導体類、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びそれらの組み合わせから選ばれる少なくとも1以上の粒子である、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項11】
変性スターチが少なくともオクテニルスクシネート(OSA)変性スターチ、変性コーンスターチ、及びそれらの組み合わせである、請求項10の日焼け止め組成物。
【請求項12】
1以上の日焼け止め作用剤が少なくとも1の有機日焼け止め作用剤をさらに含む、請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項13】
1以上の有機日焼け止め作用剤が、エチルヘキシル メトキシシンナメート(オクチノキセート)、エチルヘキシル サリシレート(オクチサレート)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシジベンゾイルメタン、アボベンゾン、ベンゾフェノン-3(オキシベンゾン)、オクトクリレン、アミノベンゾイックアシッド、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサレート、メチルアンスラニレート、オクトクリレン、オクチサレート、オキシベンゾン、パジメートO、フェニルベンジミダゾールスルホニックアシッド、スリソベンゾン、トロラミンサリシレート、及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項12の日焼け止め組成物。
【請求項14】
1以上の作用剤をさらに含む請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項15】
作用剤が、アンチアクネ剤、抗微生物剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗赤斑剤、鎮痒剤、抗浮腫剤、抗乾癬剤、抗菌剤、スキンプロテクタント、ビタミン類、抗酸化剤、スカベンジャー、抗刺激剤、抗バクテリア剤、抗ウイルス剤、老化防止剤、プロトプロテクション剤、毛髪成長向上剤、毛髪成長抑制剤、毛髪除去剤、抗フケ剤、抗油濡症剤、角層除去剤、傷治療剤、抗エクトパラサイト剤、皮脂調整剤、免疫調整剤、ホルモン類、植物性薬品、モイスチャライザー、アストリンゼン、クレンザー、センセート類、抗生物質、麻酔薬、ステロイド類、組織治療物質、組織再生物質、アミノ酸、ペプチド類、ミネラル類、セラミド類、ヒドロキシアルキル尿素、バイオヒアルロン酸類、ビタミン類、スキンライトニング剤、セルフタンニング剤、コエンザイムQ10、ナイアシンイミド、カプカシン、カフェイン、及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項14の日焼け止め組成物。
【請求項16】
1以上のアジュバントをさらに含む請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項17】
1以上のコンディショニング剤をさらに含む請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項18】
1以上の防腐剤をさらに含む請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項19】
1以上のエステティックエンハンサーをさらに含む請求項1の日焼け止め組成物。
【請求項20】
1以上のエステティックエンハンサーがコーンスターチ、アピオカスターチ、及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項19の日焼け止め組成物。
【請求項21】
請求項1の日焼け止め組成物の有効量を基材に塗布することを含む基材についてUV照射を低減する方法。

【公開番号】特開2008−189670(P2008−189670A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19104(P2008−19104)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(590000824)ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション (112)
【Fターム(参考)】