説明

映像処理システム及び方法

【課題】ディスプレイされる映像の明るさ、コントラストなどを制御する映像パラメータを自動で調節して映像の画質を改善できる映像処理システム及び方法を提供する。
【解決手段】対数圧縮された映像について縦方向にピクセル強度のプロファイルを分析し、時間利得補償パラメータを自動で設定するためのTGCパラメータ設定手段と、対数圧縮された映像に含まれるピクセルの平均明るさを計算し、計算された平均明るさと所定の明るさとを比較し、対数圧縮された映像の利得パラメータを自動で設定するための利得パラメータ設定手段と、対数圧縮された映像のエッジコントラストと背景粗度を用いて対数圧縮された映像のDRパラメータを自動で設定するためのDRパラメータ設定手段と、設定されたTGCパラメータ、利得パラメータ及びDRパラメータを映像データに適用して映像を形成するための手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像の画質を改善させることができる映像処理システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像処理システムは対象体の映像を処理してディスプレイする装置であって、多様な分野で用いられている。映像処理システムの一例として、超音波診断のための映像処理システム(以下、超音波診断システムという)を説明する。
【0003】
一般に、超音波診断システムは人体の内部状態を検査するのに用いられる。超音波診断システムは、軟部組織の断層や血流に関するイメージを非侵襲で得ることができる。これは、被検体の体表から体内の所望部位に向かって超音波信号を照射し、反射された超音波信号(超音波エコー信号)を受信し、受信された超音波エコー信号を処理する手続を通じてなされる。このシステムは、X線診断装置、X線CTスキャナ(Computerized Tomography Scanner)、MRI(Magnetic Resonance Image)、核医学診断装置などの他の画像診断装置と比較して、小型かつ低廉で、リアルタイムで表示可能であり、X線などの被爆がなく、安全性が高いという長所を有しており、心臓、腹部、泌尿器及び産婦人科診断のために広く用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
超音波診断システムでディスプレイされる超音波映像を正確に診断するためには、診断部位を鮮明に見せる最適の超音波映像を獲得することが必須である。このためには、ユーザがディスプレイされた超音波映像に対して超音波映像の明るさ(Brightness)、コントラスト(Contrast)などを制御する映像パラメータ、例えば、TGC(Time Gain Compensation)パラメータ、利得パラメータ、リジェクト(Reject)パラメータ、動的範囲(Dynamic Range,DR)パラメータなどを微細に調節しなければならない。この映像パラメータの微細調節は、超音波診断システムで自動的になされるのではなく、ユーザにより手動的になされていた。即ち、従来の超音波診断システムはディスプレイされた超音波映像を最適化、即ち超音波映像の画質を改善するためにユーザが複雑な過程を通じて手動で映像パラメータを微細に調節しなければならず、これによって診断所要時間が増加するという問題があった。
【0005】
本発明は前述した問題を解決するためのものであり、ディスプレイされる映像の明るさ、コントラストなどを制御する映像パラメータを自動で調節して映像の画質を改善させることができる映像処理システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の映像処理システムは、外部から入力される映像信号に基づいて映像データを形成するための映像データ形成手段と、前記映像データに対数圧縮を行って対数圧縮映像を提供するための対数圧縮手段と、前記対数圧縮された映像について縦方向にピクセル強度のプロファイル(profile)を分析し、時間利得補償(Time Gain Compensation;TGC)パラメータを自動で設定するためのTGCパラメータ設定手段と、前記対数圧縮された映像に含まれるピクセルの平均明るさを計算し、計算された平均明るさと所定の明るさとを比較し、前記対数圧縮された映像の利得パラメータを自動で設定するための利得パラメータ設定手段と、前記対数圧縮された映像のエッジコントラスト(edge contrast)と背景粗度(background roughness)を用いて前記対数圧縮された映像のDR(Dynamic Range)パラメータを自動で設定するためのDRパラメータ設定手段と、前記設定されたTGCパラメータ、利得パラメータ及びDRパラメータを前記映像データに適用して映像を形成するための手段とを備える。
【0007】
また、本発明の映像処理方法は、a)外部から入力される映像信号に基づいて映像データを形成する段階と、b)前記映像データに対数圧縮を行って対数圧縮映像を提供する段階と、c)前記対数圧縮された映像について縦方向にピクセル強度のプロファイルを分析し、時間利得補償(TGC)パラメータを自動で設定する段階と、d)前記対数圧縮された映像に含まれるピクセルの平均明るさを計算し、計算された平均明るさと所定の明るさとを比較し、前記対数圧縮された映像の利得パラメータを自動で設定する段階と、e)前記対数圧縮された映像のエッジコントラストと背景粗度を用いて前記対数圧縮された映像のDRパラメータを自動で設定する段階と、f)前記設定されたTGCパラメータ、利得パラメータ及びDRパラメータを前記映像データに適用して映像を形成する段階とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上記の構成により、超音波映像の明るさ及びコントラストに対応する映像パラメータを自動で調節することができ、これによってユーザはより正確かつ便利に超音波映像を診断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図1〜図5を参照して本発明の望ましい実施例を説明する。本発明による映像処理システムの一例として超音波診断システムを説明する。図1は、本発明の実施例による超音波診断システムの構成を示すブロック図である。
【0010】
図示された通り、本発明による超音波診断システム100は、プローブ110、TGC増幅器(Time Gain Compensation Amplifier)120、ビームフォーマ(Beam Former)130、映像信号プロセッサ140、スキャンコンバータ(Scan Converter)150、映像プロセッサ160、ビデオプロセッサ170、ディスプレイ部180及び映像パラメータプロセッサ190を備える。そして、映像信号プロセッサ140、映像プロセッサ160、ビデオプロセッサ170及び映像パラメータプロセッサ190を一つのプロセッサとして具現することもできる。
【0011】
プローブ110は、1Dまたは2D配列型変換器(array transducer)112を備える。プローブ110は、適切な遅延プロファイルに入力される送信パルス信号に応答して集束された超音波ビームを対象体(図示せず)内に設定された送信スキャンラインに沿って送信する。一方、対象体から反射された超音波エコー信号を受信して電気的受信信号に変換する。
【0012】
TGC増幅器120は、深さに応じた減衰によって超音波エコー信号の強度の損失を補償するために、TGCパラメータに基づいてプローブ110から出力された電気的受信信号を増幅する。
【0013】
ビームフォーマ130は、プローブ110の配列型変換器112から出力される超音波信号を対象体の所定領域に集束させ、対象体で反射されて配列型変換器112に受信される超音波エコー信号に時間遅延を考慮して電気的受信信号を集束させる。
【0014】
映像信号プロセッサ140、例えばDSP(Digital Signal Processor)は、ビームフォーマ130により集束された受信信号に基づいて受信信号の大きさを検出する包絡線検波処理を行って超音波映像データを形成する。即ち、映像信号プロセッサ140は、各スキャンライン上に存在する多数の点の位置情報及び各点から得られるデータに基づいて超音波映像データを形成する。ここで、超音波映像データは、各点の座標情報、垂直スキャンラインに対する各スキャンラインの角度情報、及び各点から得られるデータなどを備える。
【0015】
スキャンコンバータ150は、映像信号プロセッサ140から出力される超音波映像データがディスプレイ部180のディスプレイ領域にディスプレイできるように超音波映像データをスキャン変換する。
【0016】
映像プロセッサ160は、ユーザが所望の形態の超音波映像をディスプレイ部180にディスプレイするために、スキャンコンバータ150から出力されるスキャン変換された超音波映像データに多様な映像処理、例えばB−モード、M−モードドップラー映像処理などを行う。
【0017】
ビデオプロセッサ170は、スキャン変換された超音波映像データが超音波映像としてディスプレイ部180にディスプレイできるように超音波映像データを処理してディスプレイ部180に伝達する。
【0018】
ディスプレイ部180は、ビデオプロセッサ170から出力される超音波映像データを超音波映像としてディスプレイする。
【0019】
映像パラメータプロセッサ190は、対数圧縮プロセッサ191、TGCプロセッサ192、利得プロセッサ193及びDRプロセッサ194を備える。
【0020】
対数圧縮プロセッサ191は、DRパラメータ、リジェクトパラメータなどを用いて超音波映像データに対する対数圧縮を行う。DRパラメータは、映像信号処理部140で処理され得る映像信号の強度範囲を示す。超音波映像のコントラストは、DRパラメータによって調節できる。そして、リジェクトパラメータは最初に獲得した超音波映像から除去される超音波映像の強度のしきい値を示す。
【0021】
TGCプロセッサ192は、対数圧縮プロセッサ191から出力される対数圧縮された超音波映像データに基づいて形成された超音波映像に基づいてTGCパラメータを調節する。TGCプロセッサ192の機能及び動作については、図3を参照してより詳細に説明する。
【0022】
利得プロセッサ193は、対数圧縮プロセッサ191から出力される対数圧縮された超音波映像データに基づいて形成された超音波映像に基づいて利得パラメータを調節する。利得プロセッサ193の機能及び動作については、図4を参照してより詳細に説明する。ここで、利得パラメータは、リジェクトパラメータと密接な関係を有しているので、本実施例では利得パラメータの設定についてのみ説明する。しかし、他の実施例では、利得及びリジェクトパラメータのいずれも設定することもできる。
【0023】
DRプロセッサ194は、対数圧縮プロセッサ191から出力される対数圧縮された超音波映像データに基づいて形成された超音波映像に基づいてDRパラメータを調節する。DRプロセッサ194の機能及び動作については、図5を参照してより詳細に説明する。
【0024】
以下、図2〜図5を参照して映像パラメータプロセッサ190の動作をより詳細に説明する。図2は、本発明の実施例による超音波映像の画質を改善させる手続を示すフローチャートである。
【0025】
図示された通り、映像信号プロセッサ140がビームフォーマ130から出力される超音波エコー信号に基づいて超音波映像データを形成すると(S210)、対数−圧縮プロセッサ191は、超音波映像データを対数−圧縮する(S220)。TGCプロセッサ192は、超音波映像データに基づいてTGCパラメータを設定する(S230)。段階S230については図3を参照してより詳細に説明する。
【0026】
利得プロセッサ193は、超音波映像データに基づいて利得パラメータを調節する(S240)。段階S240については、図4を参照してより詳細に説明する。
【0027】
DRプロセッサ194は、超音波映像データに基づいてDRパラメータを調節する(S250)。段階S250については、図5を参照してより詳細に説明する。
【0028】
映像プロセッサ160は、設定されたTGCパラメータ、利得パラメータ及びDRパラメータにより調節された超音波映像データに基づいて超音波映像を形成する(S260)。
【0029】
以下、図3を参照してTGCパラメータを設定するTGCプロセッサ192の動作を詳細に説明する。図3は、本発明の実施例によるTGCパラメータを設定する手続を示すフローチャートである。
【0030】
図示された通り、対数圧縮プロセッサ191が初期設定された利得及びDRパラメータを適用したスキャン変換前の超音波映像データを対数圧縮して形成した対数圧縮超音波映像に対して、TGCプロセッサ192は縦方向(深さ方向)に多数の領域に分割する(S310)。TGCプロセッサ192は、分割された各領域で同一の深さに存在するピクセルを検出し、ピクセルの平均強度に基づいて各領域に対する縦方向にピクセル強度のプロファイル(Vertical Profile)を算出する(S320)。各領域に対して算出されたプロファイルを直線でモデリングする(S330)。ここで、プロファイルを直線でモデリングする方法は従来知られた方法を用いることができる。例えば、最小二乗適合(Least Squares Fit)方法が用いられる。ここで、プロファイルの傾きは深さに応じた明るさの減衰を示す。
【0031】
TGCプロセッサ192は、モデリングされた直線の傾きを分析し、傾きが緩やかな所定個数のモデリングされたプロファイルを選定する(S340)。ここで、直線でモデリングされた垂直プロファイルは、直線の傾きが超音波映像の明るさ減衰程度を示し、暗い領域の垂直プロファイルは全体的な減衰傾向に妨害を与え、直線の傾きが険しいため、TGCプロセッサ192はこのような特性を用いて傾きが緩やかな所定個数のプロファイルを選定する。
【0032】
続いて、TGCプロセッサ192は選定された垂直プロファイルの各直線の平均傾きを計算し、計算された平均傾きを有する代表直線を形成する(S350)。以後、TGCプロセッサ192は代表直線の傾きに基づいて最適のTGCパラメータを設定する(S360)。
【0033】
以下、図4を参照して利得パラメータを設定する利得プロセッサ193の動作を詳細に説明する。図4は、本発明の実施例による利得パラメータを設定する手続を示すフローチャートである。
【0034】
図示された通り、対数圧縮プロセッサ191が初期設定された利得及びDRパラメータを適用したスキャン変換前の超音波映像データにTGC192で設定したTGCパラメータを適用し、これを対数圧縮して形成された超音波映像を横及び縦方向に多数のブロックに分割し(S410)、各ブロックに存在する各ピクセルの明るさ平均を算出する(S420)。利得プロセッサ193は、一般的な人体内軟部組織(soft tissue)に該当する映像の明るさの範囲を設定し、平均明るさが設定された明るさ範囲内にある所定個数のブロックを選定する(S430)。
【0035】
続いて、利得プロセッサ193は、設定された軟部組織範囲に該当するブロックの明るさ平均を算出し(S440)、算出された明るさ平均を超音波映像の明るさを調節するための目標値として選定する(S450)。利得プロセッサ193は、目標値と対象体の一般的な明るさを比較し(S460)、比較の結果に応じて最適の利得パラメータを設定する(S470)。
【0036】
以下、図5を参照してDRパラメータを設定するDRプロセッサ193の動作を詳細に説明する。図5は、本発明の実施例によるDRパラメータを設定する手続を示すフローチャートである。
【0037】
図示された通り、対数圧縮プロセッサ191が設定された利得及びDRパラメータを用いてスキャン変換前の超音波映像データにTGC192で設定したTGCパラメータと利得プロセッサ193で設定した利得パラメータを適用し、これを対数圧縮して形成された超音波映像を受信し(S510)、受信された超音波映像からエッジを検出する(S520)。超音波映像から、エッジは超音波映像に含まれた各ピクセルの傾き(gradient)で構成された構造行列を固有分析(eigen analysis)で検出することができる。以後、検出されたエッジのコントラスト(Contrast)を算出する(S530)。エッジコントラストは、超音波映像上にウィンドーを設定し、ウィンドー内でエッジによって分けられる2領域間のピクセル値の平均の差によって定義される。ここで、ウィンドーはエッジに該当するピクセルを中心に周辺にあるピクセルを含むように設定する。
【0038】
一方、DRプロセッサ194は、背景の粗度を算出する(S540)。背景の粗度は超音波映像でエッジ領域を除いた領域にある各ピクセルの標準偏差で定義される。
【0039】
続いて、DRプロセッサ194は、算出されたエッジコントラスト及び背景の粗度で定義されたコスト関数(Cost Function)の結果値を算出する(S550)。ここで、コスト関数は数式1のように定義される。
コスト関数=1/(エッジコントラスト)+背景粗度 (数式1)
【0040】
続いて、DRプロセッサ194は、コスト関数に対する算出された結果値が最小値であるかを判断する(S560)。
【0041】
段階S560で算出された結果値が最小値がなければ、DRプロセッサ194はDRパラメータの値を調節し(S570)、調節されたDRパラメータを超音波映像に適用する(S580)。以後、段階S520に戻る。
【0042】
一方、段階S560でコスト関数の結果値が最小値であれば、DRプロセッサ194は算出された結果値の中で最小値を有する映像に適用されたDRパラメータを最適のDRパラメータとして設定する(S590)。
【0043】
本発明の好適な実施の形態について説明し、例示したが、本発明の特許請求の範囲の思想及び範疇を逸脱することなく、当業者は種々の改変をなし得ることが分かるであろう。
【0044】
例として、本実施例では、映像信号プロセッサ140から出力されるスキャン変換前の超音波映像データに基づいて映像パラメータを設定すると説明したが、他の実施例では、スキャンコンバータ150から出力されるスキャン変換された超音波映像データに基づいて映像パラメータを設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例による超音波診断システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例による超音波映像の画質を改善させる手続を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例によるTGCパラメータを設定する手続を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例による利得パラメータを設定する手続を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例によるDRパラメータを設定する手続を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
100 超音波診断システム
110 プローブ
120 TGC増幅器
130 ビームフォーマ
140 映像信号プロセッサ
150 スキャンコンバータ
160 映像プロセッサ
170 ビデオプロセッサ
180 ディスプレイ部
190 映像パラメータプロセッサ
191 対数圧縮プロセッサ
192 TGCプロセッサ
193 利得プロセッサ
194 DRプロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力される映像信号に基づいて映像データを形成するための映像データ形成手段と、
前記映像データに対数圧縮を行って対数圧縮映像を提供するための対数圧縮手段と、
前記対数圧縮された映像について縦方向にピクセル強度のプロファイル(profile)を分析し、時間利得補償(Time Gain Compensation;TGC)パラメータを自動で設定するためのTGCパラメータ設定手段と、
前記対数圧縮された映像に含まれるピクセルの平均明るさを計算し、計算された平均明るさと所定の明るさとを比較し、前記対数圧縮された映像の利得パラメータを自動で設定するための利得パラメータ設定手段と、
前記対数圧縮された映像のエッジコントラスト(edge contrast)と背景粗度(background roughness)を用いて前記対数圧縮された映像のDR(Dynamic Range)パラメータを自動で設定するためのDRパラメータ設定手段と、
前記設定されたTGCパラメータ、利得パラメータ及びDRパラメータを前記映像データに適用して映像を形成するための手段と
を備える映像処理システム。
【請求項2】
前記映像データは、超音波映像データである請求項1に記載の映像処理システム。
【請求項3】
前記超音波映像データは、スキャン変換される前の超音波映像データである請求項2に記載の映像処理システム。
【請求項4】
前記超音波映像データは、スキャン変換された後の超音波映像データである請求項2に記載の映像処理システム。
【請求項5】
前記TGCパラメータ設定手段は、
前記対数圧縮された映像を縦方向に多数の領域に分割するための手段と、
前記各領域で同一の深さに存在する各ピクセルの平均強度を算出し、前記平均強度に基づいて前記各領域でのピクセル強度に対して縦方向にプロファイルを算出するための手段と、
前記各領域に対して前記プロファイルを直線でモデリングするための手段と、
前記モデリングされた垂直プロファイルに基づいて代表直線を形成するための手段と、
前記形成された代表直線に基づいて前記TGCパラメータを自動で設定するための手段と
を備える請求項1に記載の映像処理システム。
【請求項6】
前記利得パラメータ設定手段は、
前記対数圧縮された映像を横及び縦方向に多数のブロックに分割するための手段と、
前記各ブロックに存在する各ピクセルの明るさ平均を算出するための手段と、
ピクセル明るさの所定範囲を設定し、所定範囲内に含まれるブロックを選択するための手段と、
前記選択したブロックに含まれるピクセルの平均明るさを所定の明るさと比較するための手段と、
前記比較の結果に応じて自動で利得パラメータを設定するための手段と
を備える請求項1に記載の映像処理システム。
【請求項7】
前記DRパラメータ設定手段は、
初期DRパラメータを適用した対数圧縮された映像からエッジを検出するための手段と、
前記エッジ検出手段により検出された前記エッジに基づいて前記エッジのコントラストを算出するための手段と、
前記エッジ検出手段により検出された前記エッジに基づいて背景の粗度を算出するための手段と、
前記エッジコントラスト及び前記粗度で定義されたコスト関数を計算するための手段と、
前記コスト関数の結果値が最小値であるかを判断するための手段と、
前記コスト関数の結果値が最小値でなければ、前記DRパラメータを調節するための手段と、
前記コスト関数の計算結果値の中で最小値を有する映像に適用されたDRパラメータを選択するための手段と
を備える請求項1に記載の映像処理システム。
【請求項8】
前記コスト関数は、
コスト関数=1/(エッジコントラスト)+背景粗度
で表現される請求項7に記載の映像処理システム。
【請求項9】
a)外部から入力される映像信号に基づいて映像データを形成する段階と、
b)前記映像データに対数圧縮を行って対数圧縮映像を提供する段階と、
c)前記対数圧縮された映像について縦方向にピクセル強度のプロファイルを分析し、時間利得補償パラメータを自動で設定する段階と、
d)前記対数圧縮された映像に含まれるピクセルの明るさを計算し、計算された平均明るさと所定の明るさとを比較し、前記対数圧縮された映像の利得パラメータを自動で設定する段階と、
e)前記対数圧縮された映像のエッジコントラストと背景粗度を用いて前記対数圧縮された映像のDRパラメータを自動で設定する段階と、
f)前記設定されたTGCパラメータ、利得パラメータ及びDRパラメータを前記映像データに適用して映像を形成する段階と
を備える映像処理方法。
【請求項10】
前記映像データは、超音波映像データである請求項9に記載の映像処理方法。
【請求項11】
前記超音波映像データは、スキャン変換される前の超音波映像データである請求項10に記載の映像処理方法。
【請求項12】
前記超音波映像データは、スキャン変換された後の超音波映像データである請求項10に記載の映像処理方法。
【請求項13】
前記段階c)は、
c1)前記対数圧縮された映像を縦方向に多数の領域に分割する段階と、
c2)前記各領域で同一の深さに存在する各ピクセルの平均強度を算出し、前記平均強度に基づいて前記各領域でのピクセル強度に対して縦方向にプロファイルを算出する段階と、
c3)前記各領域に対して前記プロファイルを直線でモデリングする段階と、
c4)前記モデリングされた垂直プロファイルに基づいて代表直線を形成する段階と、
c5)前記形成された代表直線に基づいて前記TGCパラメータを自動で設定する段階と
を備える請求項9に記載の映像処理方法。
【請求項14】
前記段階d)は、
d1)前記対数圧縮された映像を横及び縦方向に多数のブロックを分割する段階と、
d2)前記各ブロックに存在する各ピクセルの明るさ平均を算出する段階と、
d3)ピクセル明るさの所定範囲を設定し、所定範囲内に含まれるブロックを選択する段階と、
d4)前記選択したブロックに含まれるピクセルの平均明るさを所定の明るさと比較する段階と、
d5)前記比較の結果に応じて自動で利得パラメータを設定する段階と
を備える請求項9に記載の映像処理方法。
【請求項15】
前記段階e)は、
e1)初期DRパラメータを適用した対数圧縮された映像からエッジを検出する段階と、
e2)前記検出された前記エッジに基づいて前記エッジのコントラストを算出する段階と、
e3)前記検出された前記エッジに基づいて背景の粗度を算出する段階と、
e4)前記エッジコントラスト及び前記粗度で定義されたコスト関数を計算する段階と、
e5)前記コスト関数の結果値が最小値であるかを判断する段階と、
e6)前記コスト関数の結果値が最小値でなければ、前記DRパラメータを調節する段階と、
e7)前記コスト関数の計算結果値の中で最小値を有する映像に適用されたDRパラメータを選択する段階と
を備える請求項9に記載の映像処理方法。
【請求項16】
前記コスト関数は、
コスト関数 =1/(エッジコントラスト)+背景粗度
で表現される請求項15に記載の映像処理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−144181(P2007−144181A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316842(P2006−316842)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(597096909)株式会社 メディソン (269)
【Fターム(参考)】