説明

曲面貼着方法および超音波プローブ

【課題】位置ズレを防止することができる曲面貼着方法、および、超音波画像の画質劣化を防止することができる超音波プローブを提供することを目的とする。
【解決手段】超音波プローブの先端は、曲面形状を有する台座11の曲面上に、複数の超音波振動子12を保持した可撓性シート23が貼着されてなる。台座11の曲面および前記可撓性シートの貼着面に相対応する凹凸形状(凹凸面11a,23a)を設け、可撓性シート23を台座11に貼着させる際に、凹凸面11a,23aを互いに嵌合させることで、可撓性シート23と台座11との位置決めを行う。また、凹凸面23aの溝23bは、可撓性シート23の湾曲方向に沿って配設された超音波振動子12の真下ではなく、それらの間に位置するように形成されている。超音波振動子12は、可撓性シート23と台座11との貼着の際に位置ズレが生じるおそれがなく、超音波画像の画質劣化を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲面部材の曲面上に可撓性部材を貼着する曲面貼着方法、および、超音波診断に用いられる超音波プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野において、超音波画像を利用した医療診断が実用化されている。超音波画像は、超音波プローブから生体の所要部に超音波を照射し、超音波プローブとコネクタを介して接続された超音波観測器で、生体からのエコー信号を電気的に検出することによって得られる。超音波プローブの駆動方式としては、超音波を送受信する超音波振動子(超音波トランスデューサ)を複数個配置し、駆動する超音波振動子を電子スイッチなどで選択的に切り替える電子スキャン走査方式が知られている。
【0003】
電子スキャン走査方式の超音波プローブには、プローブ先端に複数個(例えば94〜128個)の超音波振動子を扇状に配置したコンベックス電子走査方式がある。また、プローブ先端の外周に複数個(例えば360個)の超音波振動子を放射状に配置したラジアル電子走査方式がある。
【0004】
このような超音波プローブの作製方法としては、超音波振動子板を、バッキング材からなる可撓性シート(可撓性部材)に接合し、超音波振動子板を所定のサイズにダイシングした後、可撓性シートを湾曲させた状態で、凸状または円筒状の台座(曲面部材)の曲面上に貼り合わせる方法が提案されている。
【特許文献1】特開平8−89505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、バッキング材を台座に貼り付ける際にズレが生じることがあり、この貼り付けのズレにより、超音波振動子の位置ズレが生じ、感度・帯域のばらつきから超音波画像の画質が劣化してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、位置ズレを防止することができる曲面貼着方法、および、超音波画像の画質劣化を防止することができる超音波プローブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の曲面貼着方法は、曲面部材の曲面上に可撓性部材を貼着する曲面貼着方法において、前記曲面部材の曲面および前記可撓性部材の貼着面に相対応する凹凸形状を設け、両者を嵌合させることで位置決めを行うことを特徴とする。
【0008】
なお、前記曲面および前記貼着面上の凹凸形状は、いずれの方向にも線対称でなく、前記曲面と前記貼着面とが1つの相対位置でのみ嵌合することが好ましい。また、前記曲面部材は、曲面形状を有する超音波プローブの台座であり、前記可撓性部材は、貼着面に対向する面に複数の超音波振動子を保持した可撓性シートであることが好ましい。
【0009】
また、本発明の超音波プローブは、曲面形状を有する台座の曲面上に、貼着面に対向する面に複数の超音波振動子を保持した可撓性シートが貼着されてなる超音波プローブにおいて、前記台座の曲面および前記可撓性シートの貼着面に相対応し嵌合する凹凸形状を設けたことを特徴とする。
【0010】
なお、前記超音波振動子は、前記可撓性シートの湾曲方向に沿って所定の間隔で配設されており、前記貼着面の凹凸形状は、隣接する超音波振動子の間に位置する溝からなることが好ましい。また、前記溝は、ダイシングによって形成されたものであることが好ましい。
【0011】
また、前記複数の超音波振動子が配設された面の前記湾曲方向に沿う断面形状は、ほぼ多角形状となっていることが好ましい。また、前記曲面および前記貼着面上の凹凸形状は、いずれの方向にも線対称でなく、前記曲面と前記貼着面とが1つの相対位置でのみ嵌合することが好ましい。さらに、前記台座および前記可撓性シートは、バッキング材からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の曲面貼着方法によれば、曲面部材の曲面および可撓性部材の貼着面に相対応する凹凸形状を設け、両者を嵌合させることで位置決めを行うので、曲面部材と可撓性部材との位置ズレを防止することができる。
【0013】
また、上記曲面および上記貼着面上の凹凸形状は、いずれの方向にも線対称でなく、上記曲面と上記貼着面とが1つの相対位置でのみ嵌合するので、可撓性部材を曲面部材に対して逆方向に貼着することを防止することができる。
【0014】
また、本発明の超音波プローブによれば、台座の曲面および可撓性シートの貼着面に相対応し嵌合する凹凸形状を設けたので、台座と可撓性シートとの位置ズレが防止されるとともに、超音波振動子の位置ズレが防止され、この結果、超音波画像の画質劣化を防止することができる。
【0015】
また、上記超音波振動子は、可撓性シートの湾曲方向に沿って所定の間隔で配設されており、上記貼着面の凹凸形状は、隣接する超音波振動子の間に位置するように形成した溝を含むので、可撓性シートを湾曲させやすく台座への貼着が容易となる。また、これと同時に、上記の溝は、可撓性シートの超音波振動子の接合箇所を部分的に曲がり難くし、該接合箇所をほぼ平坦に保つので、複数の超音波振動子が配設された面の前記湾曲方向に沿う断面形状は、ほぼ多角形状となっている。これにより、可撓性シートの湾曲に伴う超音波振動子の剥離や位置ズレを防止し、超音波画像の画質劣化をより効果的に防止することができる。
【0016】
また、上記曲面および上記貼着面上の凹凸形状は、いずれの方向にも線対称でなく、上記曲面と上記貼着面とが1つの相対位置でのみ嵌合するので、可撓性シートを台座に対して逆方向に貼着することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1および図2において、本発明を適用したコンベックス電子走査方式の超音波プローブ2の先端2aには、超音波振動子アレイ10が配設されている。この超音波振動子アレイ10は、スキャン方向S1に沿う断面がほぼコンベックス形状(凸状)である台座11の外周に沿って、複数の超音波振動子12がスキャン方向S1に一次元配列されてなる。なお、超音波振動子12は、スライス方向S2に延びた直方体形状の圧電素子であり、その上には、エポキシ系樹脂などからなる音響整合層13が接着されている。
【0018】
先端2aに接続されたシース14の上部には、生体内の観察部位の像光を取り込むための対物光学系15と、像光を撮像して撮像信号を出力するCCD16とを備えた撮像装置17が搭載され、中央部には、穿刺針18が挿通される穿刺針用チャンネル19が設けられている。また、シース14には、超音波観測器(図示せず)と超音波振動子アレイ10および撮像装置17とを電気的に接続するアレイ用配線ケーブル20と、撮像装置用配線ケーブル21とが、穿刺針用チャンネル19を挟むように挿通されている。
【0019】
台座11は、先端2aに設けられた基材22上に載置されている。この台座11は、ブチルゴムや塩素化ポリエチレンに、超音波減衰材(フェライト粉末、タングステン粉末、WC2粉末など)を混入させてなるバッキング材料を素材して形成されている。また、台座11の外周には、凹凸面11aが形成されている。図3に示すように、凹凸面11aの凹凸形状は、スライス方向S2に沿うストライプ状の溝11bによって形成されている。
【0020】
超音波振動子アレイ10は、可撓性シート23上に接合されており、この可撓性シート23は台座11に貼り付けられている。この可撓性シート23は、上記のバッキング材料を素材として形成されており、可撓性を有するように薄く形成されている。
【0021】
可撓性シート23の下側には、台座11への貼着面として凹凸面23aが形成されている。この凹凸面23aの凹凸形状は、スライス方向S2に沿うストライプ状の溝23bによって形成されており、台座11の凹凸面11aに噛み合って嵌合するように、凹凸面11aの凹凸形状に相対応する形状となっている。台座11と可撓性シート23とは、凹凸面11aと凹凸面23aとの嵌合によって正確に位置決めがなされている。なお、溝23bは、超音波振動子12の真下ではなく、隣接する超音波振動子12の間に位置するように配置されており、溝23bの幅は、隣接する超音波振動子12間の距離と同等か若しくはそれより小さい。
【0022】
なお、煩雑を避けるために図示は省略しているが、隣接する超音波振動子12の隙間には、エポキシ樹脂などからなる充填材が充填されている。また、超音波振動子アレイ10上には、シリコン樹脂などからなり、超音波振動子アレイ10から発せられる超音波をスライス方向S2に関して収束させる音響レンズが取り付けられている。
【0023】
図4において、超音波振動子12は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミックスなどを素材とする圧電材料30の上下を個別電極31aおよび共通電極31bで挟み込んだ構成となっている。個別電極31aは、図示せぬFPC(Flexible Printed Circuit)やコネクタ、および配線ケーブル20を経由して、超音波観測器内の送受信切替回路32に接続されている。共通電極31bは、図示せぬFPCやコネクタを経由してアースに接続されている。
【0024】
送受信切替回路32は、超音波振動子12による超音波の送受信切り替えを所定の時間間隔で行う。この送受信切替回路32には、パルス発生回路33および電圧測定回路34が接続されている。パルス発生回路33は、超音波振動子12から超音波を発生させる際(超音波の送信時)に、パルス電圧を圧電材料30に印加する。これにより、超音波振動子12は、所定の周波数を有する超音波を発生する。
【0025】
電圧測定回路34は、生体からのエコー信号を受信する際(超音波の受信時)に、超音波振動子12に生じる電圧を測定する。電圧測定回路34は、この測定結果をコントローラ35に送信する。コントローラ35は、電圧測定回路34から送信された測定結果を超音波画像に変換し、これをモニタ36に表示させる。
【0026】
生体内の超音波画像を取得する際には、超音波プローブ2の挿入部が生体内に挿入され、内視鏡用モニタにより撮像装置17で取得された光学画像が観測されながら、生体内の所要部が探索される。そして、生体内の所要部に先端2aが到達し、超音波画像を取得する指示がなされると、送受信切替回路32により超音波振動子12の超音波の送受信が切り替えられながら、送信時には、パルス発生回路33からのパルス電圧の印加により、超音波振動子12から超音波が発せられ、生体に超音波が走査される。
【0027】
受信時には、生体からのエコー信号が超音波振動子12によって受信され、電圧測定回路34により超音波振動子12に生じた電圧が測定される。電圧測定回路34の測定結果はコントローラ35に送信され、コントローラ35で超音波画像に変換される。変換された超音波画像は、モニタ36に表示される。また、光学画像または超音波画像が観測されながら、必要に応じて穿刺針18が操作され、生体内の所要部が採取される。
【0028】
次に、上記構成を有する超音波プローブ2の作製手順について説明する。まず、図5(A)において、可撓性を有する薄い平板状のバッキング材料40を用意し、この上に薄い平板状の超音波振動子板41を接着し、さらに超音波振動子板41の上に、前述の音響整合層13を接着する。なお、超音波振動子板41は、図4に示したように、前述の圧電材料30の上下を個別電極31aおよび共通電極31bで挟み込んだ構成となっている。
【0029】
次いで、図5(B)において、ダイシングソーなどを用いて、超音波振動子板41を音響整合層13とともにダイシング(切断)し、超音波振動子板41を複数の短冊状の超音波振動子12に分割する。このとき、バッキング材料40を僅かに削る程度にダイシングを行う。
【0030】
次いで、図5(C)において、ダイシングソーなどを用いて、バッキング材料40の下面に、隣接する超音波振動子12の間に位置するようにストライプ状に溝23bを形成することによって凹凸面23aを形成し、バッキング材料40を上記の可撓性シート23とする。なお、この溝23bの形成は、超音波振動子12を形成する以前に行ってもよく、それ以前のどの段階で行ってもよい。
【0031】
そして、図3に示すように、可撓性シート23を台座11の外周面の形状に合わせて湾曲させ、可撓性シート23の凹凸面23aを台座11の凹凸面11aに嵌合させて、可撓性シート23と台座11との位置決めを行いつつ、接着剤やプライマーなどの結合性材料を用いて可撓性シート23を台座11に貼り付ける。台座11の凹凸面11aは、可撓性シート23の凹凸面23aの凹凸形状に相対応するように予め形成されている。なお、台座11の形成は、射出成形などの方法によって所定の型を用いて行う。また、凹凸面11aは、ダイシング加工によって形成してもよい。
【0032】
この後、隣接する超音波振動子12間への充填材の充填および音響レンズの貼り付けなどを行い、台座11を基材22上に接着することで、超音波プローブ2の作製が完了する。なお、上記の作製方法において、超音波振動子12の電気的配線処理については説明を省略している。この電気的配線処理については、例えば、特開平8−89505号公報に開示されている。
【0033】
以上詳細に説明したように、台座11に凹凸面11aを、可撓性シート23に凹凸面23aを設け、凹凸面11aと凹凸面23aとを嵌合させることにより、可撓性シート23と台座11との位置決めを行うようにしたので、超音波振動子12の位置ズレが生じるおそれがない。したがって、超音波画像の画質劣化を防止することができる。
【0034】
また、可撓性シート23の湾曲方向に対して垂直に溝23bを設けているので、可撓性シート23は湾曲させやすく、台座11への貼り付けが容易となる。また、溝23bは、隣接する超音波振動子12の間に位置するように配置されていることにより、可撓性シート23上の超音波振動子12の接合箇所を部分的に曲がり難くし、該接合箇所をほぼ平坦に保つので、可撓性シート23の湾曲に伴う超音波振動子12の剥離や位置ズレが防止される。つまり、可撓性シート23を湾曲させると、図6に示すように、超音波振動子12が配設された外周面23dは、湾曲方向(スキャン方向S1)に沿う断面形状がほぼ多角形状となり、その平坦部に対して垂直方向に超音波振動子12が屹立した状態となる。また、このとき、凹凸面23aの断面形状もほぼ多角形状となる。
【0035】
上記実施形態では、ストライプ状の溝11b、23bにより凹凸面11a、23aの凹凸形状を形成しているが、この凹凸形状は、図7(A)および(B)のように変形が可能である。図7(A)は、凹凸面11aを、スライス方向S2に平行なストライプ状の溝11bに加え、スキャン方向S1に平行な1つの溝11cを設けることよって形成した例である。この場合には、スキャン方向S1だけでなくスライス方向S2に関しても、正確に可撓性シート23と台座11との位置決めを行うことができる。
【0036】
また、図7(B)は、図7(A)の溝11cを斜め方向とした例である。この場合には、凹凸面11a、23a上の凹凸形状(凹凸パターン)は、いずれの方向に関しても線対称ではないので、可撓性シート23と台座11とは、1つの相対位置でのみ嵌合する。つまり、可撓性シート23を台座11に対して左右逆方向に取り付けることを防止することができる。さらに、凹凸面11aと凹凸面23aとを嵌合可能とするならば、例えば、図8(A)に示すようなワッフル形状や、図8(B)に示すようなエンボス形状など、適宜の形状とすることができる。
【0037】
また、上記実施形態では、超音波振動子アレイを、超音波振動子をスキャン方向に沿って所定間隔で1次元配列した1次元アレイとして構成しているが、本発明はこれに限定されず、超音波振動子アレイを、超音波振動子をスキャン方向およびスライス方向に沿って所定間隔で2次元配列した2次元アレイとして構成してもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、コンベックス電子走査方式の超音波プローブを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、ラジアル電子走査方式の超音波プローブにも適用可能である。この場合には、可撓性シートを貼り付ける台座は円筒状であり、超音波振動子は同様に、1次元配列または2次元配列とする。
【0039】
また、上記実施形態では、曲面部材として、バッキング材によって形成された凸状または円筒状の台座、可撓性部材として、バッキング材によって形成され超音波振動子を保持した可撓性シートを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、その他の曲面部材と可撓性部材との貼り付けに関しても適用可能である。例えば、超音波振動子アレイへの音響レンズの貼り付けに際しても本発明を適用することができる。
【0040】
また、本発明は、上記実施形態で挙げた超音波プローブだけでなく、超音波振動子アレイから発せられる超音波の焦点調節が重要な、治療(超音波による所要部の加熱・破壊など)用の超音波装置に適用することも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用した超音波プローブの先端の構成を示す拡大断面図である。
【図2】超音波プローブの先端の構成を示す平面図である。
【図3】台座に可撓性シートを貼り付ける際の状態を示す斜視図である。
【図4】超音波振動子に係わる電気的構成を示す図である。
【図5】超音波振動子アレイおよび可撓性シートの作製手順を示す斜視図である。
【図6】ほぼ多角形状に湾曲された可撓性シートを示す断面図である。
【図7】台座の凹凸形状の変形例を示す斜視図であり、(A)は、ストライプ状の溝と、それらに垂直に交わる溝とからなる凹凸形状を示す図、(B)は、ストライプ状の溝と、それらに斜めに交わる溝とからなる凹凸形状を示す図である。
【図8】台座の凹凸形状の変形例を示す斜視図であり、(A)は、ワッフル状の凹凸形状を示す図、(B)は、エンボス状の凹凸形状を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
2 超音波プローブ
10 超音波振動子アレイ
11 台座(曲面部材)
11a 凹凸面
11b,11c 溝
12 超音波振動子
13 音響整合層
22 基材
23 可撓性シート(可撓性部材)
23a 凹凸面
23b 溝
40 バッキング材料
41 超音波振動子板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲面部材の曲面上に可撓性部材を貼着する曲面貼着方法において、
前記曲面部材の曲面および前記可撓性部材の貼着面に相対応する凹凸形状を設け、両者を嵌合させることで位置決めを行うことを特徴とする曲面貼着方法。
【請求項2】
前記曲面および前記貼着面上の凹凸形状は、いずれの方向にも線対称でなく、前記曲面と前記貼着面とが1つの相対位置でのみ嵌合することを特徴とする請求項1記載の曲面貼着方法。
【請求項3】
前記曲面部材は、曲面形状を有する超音波プローブの台座であり、前記可撓性部材は、貼着面に対向する面に複数の超音波振動子を保持した可撓性シートであることを特徴とする請求項1または2記載の曲面貼着方法。
【請求項4】
曲面形状を有する台座の曲面上に、貼着面に対向する面に複数の超音波振動子を保持した可撓性シートが貼着されてなる超音波プローブにおいて、
前記台座の曲面および前記可撓性シートの貼着面に相対応し嵌合する凹凸形状を設けたことを特徴とする超音波プローブ。
【請求項5】
前記超音波振動子は、前記可撓性シートの湾曲方向に沿って所定の間隔で配設されており、前記貼着面の凹凸形状は、隣接する超音波振動子の間に位置する溝からなることを特徴とする請求項4記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記溝は、ダイシングによって形成されたものであることを特徴とする請求項5記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記複数の超音波振動子が配設された面の前記湾曲方向に沿う断面形状は、ほぼ多角形状となっていることを特徴とする請求項4ないし6いずれか記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記曲面および前記貼着面上の凹凸形状は、いずれの方向にも線対称でなく、前記曲面と前記貼着面とが1つの相対位置でのみ嵌合することを特徴とする請求項4ないし7いずれか記載の超音波プローブ。
【請求項9】
前記台座および前記可撓性シートは、バッキング材からなることを特徴とする請求項4ないし8いずれか記載の超音波プローブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−307288(P2007−307288A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141516(P2006−141516)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】