説明

有機、廃棄、または低価値物質を有用な製品へ転化するための方法

本発明は、許容できる費用で、かつ高いエネルギー効率で信頼できる純度および組成の有用な物質を製造するための廃棄物および低価値製品の加工に関する。具体的には、本発明は、本来ならほとんど商業的価値がない臓物、動物糞堆肥、都市の下水スラッジなどのさまざまな原料を、ガス、油、特殊化学物質、および炭素固体を含む有用な物質に転化する多段階方法を含む。この方法は、イオウおよびナトリウムの制御された添加によって達成される還元環境下に原料を熱および圧力にかけ、さまざまな成分を分離し、次いで1つもしくはそれ以上のその成分に熱および圧力をかける。本発明はさらに、廃棄物を有用な物質へ転化する多段階方法を実施するための装置、およびこの方法から生じる少なくとも1つの油製品を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の請求
[0001] 本出願は、2003年3月28日出願の米国仮出願第60/458,520号明細書に対する米国特許法第119条(e)による優先権の利益も同様に主張する米国特許第10/717,076号明細書の一部継続出願であり、その両方は参照によりその全体が本明細書で援用される。
【0002】
発明の分野
[0002] 本発明は一般に、廃棄または低価値製品を加工し、有用な原物質を形成する方法に関する。より具体的には、本発明は、炭素ベースの化合物を含有する農業、および他の廃棄または低価値物質を燃料油、肥料、および特殊有機化学物質など商業的に有用な製品へ転化するための方法および装置に関する。本発明は、無機廃棄物流から潜在的に生じる環境汚染を削減する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 人間社会によって生成される廃棄物の多くは、最終的に、それら独自の固有の価値を有する少数の単純な有機物質へ分解されうることが長く認められている。この転化がエネルギー効率的に、かつ十分に大きな規模で達成されうる場合は、社会には多大な利点がありうる。
【0004】
[0004] 家庭および商業用途で使用される大部分の生体を構成する物質、および大部分の合成有機物質は、さまざまな組成物の炭素ベースのポリマーを含む。適切な条件下、大部分のかかる物質(木材、石炭、プラスチック、タイヤ、および動物廃棄物を含む)は気体生成物、油、および炭素の混合物に分解する。農業廃棄物などの物質は、鉱物製品に分解する無機物質をも含有しうる。これらの製品のほぼすべては、有機または無機に関係なく、多くの有利かつしばしば利益の多い用途において新たに利用しうる。
【0005】
[0005] 本来なら無用の廃棄物から有用な物質を生じさせる原理は魅力であるだけではない。すなわち、廃棄物質の再利用は、急速な人口増加が21世紀における主要な課題に対処する方法として根本的に重要である。人類が直面する2つの主な課題は、限りある地球資源の供給、および地球温暖化により増大する環境に対する脅威の削減に対処することである。実際に、急速に流行している考えが、地球温暖化は、石油、天然ガス、および石炭の地下の堆積物からの新しい炭素源ではなく生物圏内からの炭素ベースの物質を再利用することによって軽減されうるというものである。
【0006】
[0006] しかし、今日現在、主に有機物質を含む大量の廃棄物を出現させる産業は、その廃棄物の処理および貯蔵、およびそれの最大限有効利用において多大な課題に直面する。
【0007】
[0007] 適例を挙げれば、世界中の食品加工業は毎年数十億ポンドの有機的に豊富な廃棄物を発生させる。これらの廃棄物は動物および植物製品の加工と関係があり、シチメンチョウ、魚、ニワトリ、ブタ、ウシの加工および畜産廃棄物を含む。食品加工業は成長し続け、その構成員はその廃棄物で何か生産的に行動を起こすよう多大な経済的および環境的圧力に直面している。かかる廃棄物は多くの重要な問題を引き起こす。他の利点なしに、埋立て、土地応用、または食品廃棄物の消化による二酸化炭素およびメタンなど温室効果ガスの発生が、かかる問題の1つである。理想的には、食品業界は、悪臭または好ましくない汚染物質を放出することなくその廃棄物を管理する有効かつ経済的な方法を採用しなければならない。
【0008】
[0008] さらに最近では、多くの領域における使用できない副産物を倉庫に入れる費用が顕著に増大している。農業用家畜に供給されうる廃棄物の種類はますます規制されるようになった。例えば、ヨーロッパのBSE/CJDの恐怖をきっかけに、多くの廃棄物は単に倉庫に入れられており、適切な運命を待っている。明らかに、かかる物質を清潔に加工し、利用するために許容できる手段を見出すさらに緊急の必要がある。好ましくは、食品加工廃棄物を有用な高価値製品へ転化する方法が見出されることである。
【0009】
[0009] 処理の代替を求める追加の原動力は、廃棄水排出規制および下水追加料金の段階的拡大の複合施行である。食品加工業は、廃棄水および固体(湿潤)廃棄物の前処理または完全な処理を提供する費用対効果の優れた技術を追求しなければならない。歴史的に、市町村内またはそれに隣接して位置した食品工業施設は、廃棄水処理および処分のための地元の公共汚水処理所(POTW)に依存していた。次第に、この選択肢は、より厳格な施行の結果として利用できなくなっている。廃棄水排出許可に応じる圧力が増大した。新しい改良型のPOTWを構築するための連邦助成金の減少もこの選択肢が魅力的でないことを意味する。したがって、食品加工業は、その食べられない製品をいかに効率的に処理するかに関してますます圧力がかけられている。
【0010】
[0010] ダイオキシンなど持続性の化学物質の生物濃縮および狂牛病(BSE)などの生命にかかわる疾患の蔓延の可能性は、食品加工業者および食品消費者にとって同様に別の脅威である。この脅威は、家畜への食品加工残留物の再供給によって大幅に深刻化され、食品加工業はこの循環を壊す経済的な解決を必要としている。
【0011】
[0011] さらに、都市および地域の下水道当局は、業界に対しその有機生化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、および下水道に対する固体負荷を削減することを要求している。高レベルの浮遊固体、アンモニア、およびタンパク質化合物を有する高力食品加工廃棄水において一般的に見られる高いBOD濃度により、食品加工業界はさらに詳しい調査中である。食品加工施設は、その廃棄水および固体廃棄物を効率的に管理する費用対効果に優れ、かつ用途特異的な処理技術を必要とする。
【0012】
[0012] 同様の問題が、他の産業にわたって多くの異なる方法で増加、増幅、および増強されている。例えば、熱によって動物廃棄物を脂肪およびタンパク質へ転化する動物飼料精製工場と関連した悪臭のある空気排出物の発生はかかる問題の1つである。別の問題が、高濃度の病原体を含有する都市の汚泥の土地応用である。
【0013】
[0013] 使用済みおよび廃棄タイヤ(例えばトラックや乗用車からの)を燃料、石油、炭素、燃料ガス、およびタイヤや他のゴム製品の製造のための原料を含む有用な製品に加工するためにさまざまな方法が開発されている。一般的に、これらのスキームは、溶媒におけるタイヤの加熱および溶解を伴う。スキームの一部では、タイヤゴムの脱硫、すなわち、その長さに沿って構成ポリマーを結合するイオウ結合の切断が試みられる。他にはゴム物質の脱重合が試みられる。脱重合により長鎖ポリマーが、より流動性であるため燃料油などの製品としてより容易に使用されうる短鎖ポリマーへ切断される。一部のスキームは、その臨界点(〜3,200psiおよび〜370℃)近くまたはこれを上回る条件下に水の使用を伴うが、この場合、水は、タイヤ物質のために優れた溶媒であり、これとの反応剤である。しかし、かかるスキームは、超臨界条件を達成するために必要なエネルギーの使用のためエネルギー的に不十分である。さらに、超臨界条件での加工は高価な超合金処理用器具をも必要とする。
【0014】
[0014] 好気性および嫌気性消化剤が都市の下水スラッジを処理する下水処理プラントで使用されている。それらの使用と関連した多くの問題がある。それらの操作の背後の基本原理は、生物が豊富な物質が生体物質を消化する細菌を含有する大きな保持容器へ方向づけられることである。一般的に、溶解固体は好気性消化剤に方向づけられ、浮遊固体が嫌気性消化剤に方向づけられる。栄養原料物質が減損(枯渇)すると、微生物は自ら維持することができず、死亡する。消化期の最終生成物は死んだ細菌を含有するスラッジであり、これは何とかして処分されなければならない。結果として生じる物質の1つの問題は、それが依然として病原体を含有するということである。方法全体の追加の問題としては、一般に、消化容器における保持時間が17日もの長い間でありうること、および動作条件の維持が困難であることが挙げられる。例えば、比較的大きい容器(一般的に直径20−30ft.)は通常、85°F超、かつ場合によって122°F超で維持される。
【0015】
[0015] 産業、具体的には食品加工業に現在利用可能な処理技術のすべては、代替法の調査の動機を与える顕著な制限および不利点を有する。これは、既存のPOTWの使用に加えて技術に適用される。具体的には、4種類の方法、土地処理(埋立て、堆肥化、土地応用)、バイオ処理、焼却/燃料などの伝統的な熱酸化処理、および熱分解/ガス化はすべて別々の不利点を有する。
【0016】
[0016] 土地処理の不利点としては、高い運搬または輸送費用、浸出からの地下水汚染の大きな可能性、および(土地応用の場合の病原体など)高濃度の有害汚染物質への地域在住者の曝露が挙げられる。埋立ては、温室効果ガスの発生を含む大気汚染問題を生じさせうるガスを製造する。
【0017】
[0017] 廃棄物のバイオ処理の不利点としては、管理困難、および土壌への十分な気流の検証困難のため性能の検証不能が挙げられる。気流は、好気性細菌を使用する場合は酸素を供給するために維持されなければならない。例えば、特定の化合物を消費するように開発されている細菌は、土壌中に配置されると、代わりの酵素系を活性化し、最も容易に入手可能な化合物を消費する。
【0018】
[0018] 焼却または燃焼を実行する古いユニットの不利点としては、政府によって継続的により厳格に行われている大気汚染排出基準に合致する器具を追加する要件が挙げられる。焼却に関する重大な社会問題により他の技術に比べ焼却炉に対する空中放出許可を得るのに長くかかりうる。また、排気管での廃棄物の処理は大量のガスの処理を意味し、きわめて大きなプラント器具が必要とされる。原料も熱価値が低い。一部の焼却炉は固体燃料または固体廃棄物に適合せず、これらの物質は炉の上で高すぎる酸化を開始する。逆に言えば、焼却または燃焼中に水は蒸発し、除去される−約1,000Btu/lbの蒸発水を必要とする方法のため、原料中の高い水分含量も問題である。これはシステムの莫大な熱/エネルギー損失を示す。
【0019】
[0019] 使用される技術の最後のカテゴリー(熱分解/ガス化)は、上記のその他と異なり、廃棄物を油や炭素など利用可能物質への転化を試みるという点で魅力的である。廃棄物を分解する最適な方法の調査に際しての主たる関心事は、いかにして結果として生じる物質の組成を調節すると同時に、分解をもたらすために必要なエネルギーの量を最小限に抑えるかである。過去において、使用されている主たる熱分解法およびガス化法では単一の段階方法で廃棄物の分解が試みられたが、単一段階は最終生成物の純度および組成のコントロールが不十分となることがわかった。
【0020】
[0020] パイロライザが、有機物質をガス、石油やタール、および炭素物質に分解するために使用されている。パイロライザが有機物質の高温、〜400−500℃への加熱を可能にするが、エネルギー効率は不十分であり、結果として生じる物質の組成のコントロールはほとんど得られない。具体的には、大部分の廃棄物(特に農産業からのもの)は50%までの水を含有する。パイロライザはその水を煮沸する必要があり、これはきわめてエネルギー的に厳しい方法である。また、熱分解室は処理量を最大限にするために大きくなり、次いで熱分解室にわたって顕著な温度勾配を生じる傾向がある。したがって、熱分解法は廃棄物の不均一の加熱を伴い、結果として生じる最終生成物における不十分な品質または不純なタールおよび石油をもたらす。
【0021】
[0021] ガス化装置は、廃棄物の部分燃焼を達成するために使用されている。本質的に、ガス(通常、空気、酸素、または蒸気)は、可燃性物質すべてを酸化するには不十分である量で廃棄物を通り過ぎる。したがって、CO、HO、CO、H、および軽炭化水素など一部の燃焼生成物が生成され、発生した熱は残留廃棄物を油、ガス、および炭素質物質へ転化する。生成されるガスは入力ガスの一部を含有するが、生成されるガスは保存するには多量すぎ、直ちに使用され、またはそれらが利用されうる場所に配管される必要がある。ガス化装置もパイロライザと同じ不利点の一部を被り、例えば、水含有廃棄物は水分の蒸発において多くのエネルギーを消費する。
【0022】
[0022] 熱分解法およびガス化法はさらに、結果として生じる物質が許容できないレベルの不純物を含有するという問題を有する。具体的には、廃棄物におけるイオウおよび塩素含有物質は、それぞれ、結果として生じる最終生成物におけるメルカプタン、および有機塩化物などイオウ含有化合物を発生させる。一般的に、1−2ppmのレベルでの塩素化炭化水素は炭化水素油で許容されるが、ガス化法でも熱分解法でもかかる低レベルを信頼性とともに保証することはできない。
【0023】
[0023] さらに、熱分解法およびガス化法は効率が低く、一般に約30%である。この理由の1つは、製品が熱含量に関して最適ではないということである。別の理由は、単一の段階方法において、物質はそのエネルギーが方法内で有用に再使用されることを可能にする形で生成されない。例えば、生成される固体生成物における熱エネルギーを捕捉し、それを反応容器の加熱を補助するために方向転換することは困難である。
【0024】
[0024] 全体的に、次いで、熱分解法/ガス化法はいくつかの点で劣っている。石油製品は一般にタールやアスファルトなど望ましくない高い粘度の成分が豊富である。熱分解法およびガス化法は熱交換特性が不十分であり、したがって均一に加熱することがない。したがって、最終生成物は数が大きく変動し、経済的回収のために十分な量または質はほとんどない。湿潤原料は蒸発するために大きなエネルギーを必要とし、水が積み重ねられたガスとして出るためシステムに対する大きなエネルギー損失を示す。したがって、要約すれば、熱分解/ガス化の不利点は、全体的な操業費が高く、方法は資本集約的であり、かつ一部の副産物は限定的または無価値でありうる。
【0025】
[0025] 熱分解法およびガス化法の多くの変形が存在しているが、そのすべてには概して同様の不利点を被り、従来の方法の単一段階の方法を2段階の方法で置き換えるシステム(例えば、米国特許第5,269,947号明細書、同第5,360,553号明細書、および同第5,543,061号明細書を参照)は結果として処理効率の増大をもたらした。第1の段階(しばしば「湿潤」段階と呼ばれる)において、廃棄物は約200−250℃および約20−120大気圧で加熱される。かかる条件下、廃棄物質の水分が脂肪やタンパク質など存在しうるバイオポリマーの多くを加水分解し、油の混合物を形成する。第2の段階(しばしば「乾燥」段階と呼ばれる)において、混合物は低い圧力にフラッシュダウンされ、その間に約半分の水が蒸気として排除される。混合物は依然としてさらに加熱され、残った水を蒸発させると同時に、混合物は最終的に気体生成物、油、および炭素へ分解する。
【0026】
[0026] これら2段階方法の主たる進歩は、以前の単一段階方法のいずれかよりも高い品質および有用な混合物の生成を可能にすることであった。しかし、水の大部分を蒸発させる必要は依然として実質的なエネルギーの不利益を伴い、かかる方法の製品は依然としてイオウおよび塩素含有化合物などの物質からの汚染の問題を被る。また、達成することが望ましい炭化水素製品の製造の効率における増大がある。これまで、反応混合物内で発生していた錯体化学は十分に理解されておらず、一部の副産物は望ましくない量で生成されている。したがって、これら2段階方法は商業的に実行可能にすることが困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
[0027] したがって、許容できる費用および運用コストで信頼できる純度および組成の有用な物質を製造する廃棄物および低価値製品を加工する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0028】
発明の概要
[0028] 本発明は、許容できる費用で、悪臭の放出物を生じさせることなく、かつ高いエネルギー効率で信頼できる純度および組成の有用な物質を製造する廃棄物および低価値製品を加工するステップに関する。具体的には、本発明は、本来ならほとんど商業的価値や用途がないさまざまな原料を、ガス、油、特殊化学物質(脂肪酸など)、肥料、および炭素固体を含む有用な物質に転化する多段階方法を含む。本発明はさらに、廃棄物を有用な物質へ転化する多段階方法を実行するための装置、およびこの方法から生じる少なくとも1つの油製品を含む。本発明の装置および方法は、家禽(シチメンチョウ、ニワトリ、ダチョウなど)、ウシ、ブタ、魚からの臓物、および動物糞堆肥、油脂、植物油、および都市の下水スラッジなど他の廃棄物を含む有機および無機廃棄物の処理に特に適用可能である。
【0029】
[0029] 全体的に、本発明による方法は、適切に調製された原料を熱および圧力にかけ、結果として生じる原料のさまざまな成分を析出し、次いで、さらに1つもしくはそれ以上のその成分に熱および圧力をかける。本発明の方法における異なる時点で生成されるさまざまな物質が再利用され、本発明の方法内で他の役割を果たすために再利用されて、使用されうる。
【0030】
[0030] 本発明は、原料を少なくとも1つの有用な物質へ転化するための方法を含み、これは原料からスラリーを調製するステップと、スラリーを第1の反応で反応させ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造し、少なくとも1つの反応固体生成物、水、および少なくとも1つの反応液体生成物を反応原料から分離するステップと、少なくとも1つの反応液体生成物を第2の反応で少なくとも1つの有用な物質へ転化するステップとを含む。第1の反応の条件は、好ましくは、糖質の加水分解を抑制し、アミンの解離を促進してアンモニアを遊離させる1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含む。
【0031】
[0031] 本発明はまた、原料を少なくとも1つの有用な物質へ転化するための装置を含み、これは原料から加熱スラリーを製造するための前処理ユニットと、容器と連通し、加熱スラリーを受入れる第1の段階の反応器であって、加熱スラリーを第1の上昇温度および第1の上昇圧力にかけ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造するように構成された第1の段階の反応器と、第1の段階の反応器と連通し、少なくとも1つの固体生成物、少なくとも1つの液体生成物、および水を受入れる少なくとも1つの分離ユニットであって、少なくとも1つの反応固体生成物、水、および少なくとも1つの反応液体生成物を析出するように構成された前記ユニットと、分離ユニットと連通し、少なくとも1つの反応液体生成物を受入れる第3の段階の反応器であって、少なくとも1つの反応液体生成物を第2の上昇圧力および第2の上昇温度にかけ、それによって少なくとも1つの反応液体生成物を少なくとも1つの有用な物質に転化するように構成された第3の段階の反応器とを含む。好ましい実施形態において、前処理ユニットは、原料から原料スラリーを生じさせるスラリー化デバイスを含む調製ユニットと、原料調製ユニットと連通し、原料スラリーを原料調製ユニットから受入れる容器と、ポンプなどの追加の器具と、スラリーを加圧および加熱し、加熱スラリーを製造するように構成された熱交換器とを含む。別の好ましい実施形態において、第1の段階の反応器は、糖質の加水分解を抑制し、アミンの解離を促進してアンモニアを遊離させる1つもしくはそれ以上の試薬を受入れるように構成されている。
【0032】
[0032] 本発明はまた、原料を少なくとも1つの有用な物質へ転化するための方法を含み、原料からスラリーを調製するステップと、スラリーを、熱交換器を通過させるステップであって、1つもしくはそれ以上のガスが通気され、調整スラリーを製造するステップと、調整スラリーを第1の反応で反応させるステップであって、水蒸気と気体が遊離され、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造し、反応固体生成物が少なくとも1つの鉱物を含み、反応原料の温度を低下させ、かつ圧力を低下させ、中間原料を製造するステップと、少なくとも1つの鉱物を前記中間原料から分離し、それによって、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む混合物を製造するステップと、水を貯蔵室に方向転換させるステップと、少なくとも1つの反応液体生成物を第2の反応にかけるステップであって、炭素固体および炭化水素水蒸気と気体の混合物が製造されるステップとを含む。第1の反応の条件は、好ましくは、糖質の加水分解を抑制し、アミンの解離を促進してアンモニアを遊離させる1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含む。
【0033】
[0033] 本発明はまた、都市の下水スラッジを少なくとも1つの有用な物質へ転化するための方法を含み、これは都市の下水スラッジからスラリーを調製するステップと、スラリーを第1の反応で反応させ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造するステップであって、第1の反応は、糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進してアンモニアを遊離させる1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含むステップと、少なくとも1つの反応固体生成物、水、および少なくとも1つの反応液体生成物を反応原料から分離するステップと、少なくとも1つの反応液体生成物を少なくとも1つの有用な物質へ転化するステップと、第2の反応において、少なくとも1つの固体生成物を炭化水素油、燃料ガス、および鉱物と炭素の混合物の混合物へ転化するステップとを含む。
【0034】
[0034] 本発明は、シチメンチョウの臓物を少なくとも1つの有用な物質へ転化するための方法も含み、これはシチメンチョウの臓物からスラリーを調製するステップと、スラリーを第1の反応で反応させ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造するステップであって、第1の反応は、糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進する1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含むステップと、少なくとも1つの反応固体生成物、水、および少なくとも1つの反応液体生成物を反応原料から分離するステップと、第2の反応において、少なくとも1つの反応液体生成物を炭化水素油、燃料ガス、および炭素の混合物へ転化するステップとを含む。
【0035】
[0035] 本発明はさらに、炭素含有原料からスラリーを調製するステップと、スラリーを第1の反応で反応させ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造するステップであって、第1の反応は、糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進してアンモニアを遊離させる1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含むステップと、少なくとも1つの反応固体生成物、水、および少なくとも1つの反応液体生成物を反応原料から分離するステップと、少なくとも1つの反応液体生成物を第2の反応で燃料油へ転化するステップとを含む方法によって製造される燃料油をさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
詳細な説明
[0045] 本発明の方法は、通常の家庭内の慣行、または商業的な操業のいずれかによって社会全体で発生される低価値または廃棄物から1つもしくはそれ以上の有用な物質を製造するステップに関する。一般的に、本発明の方法は、廃棄物、または他の低価値製品、例えば、実質的な割合の有機物質を含有する油脂に適用される。しかし、本発明は、通常、低価値とみなされていない他の製品をより高い価値の製品に転化することに適用されうる。
【0037】
[0046] 本明細書で使用される有機物質は、当業者によって一般的に理解されているものである。具体的には、本発明による使用のために、有機物質は、その構成要素が、水素、酸素、窒素、イオウ、およびリン、およびハロゲン要素、具体的には、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素などの1つもしくはそれ以上の他の要素といっしょに炭素を含む物質である。本発明のために、有機物質は、ヒ素、セレン、およびシリコンのほか、有機分子の塩、およびマグネシウム、水銀、鉄、亜鉛、クロム、銅、鉛、アルミニウム、およびスズなどであるがこれらに限定されない金属との有機分子の錯体などの要素といっしょに炭素を含有する化合物をも含む。本発明により使用される多くの有機物質は生物源由来であり、タンパク質、脂質、でんぷん、核酸、糖質、セルロース、リグニン、およびキチンのほか、全細胞を含む。本発明による使用のための他の有機物質は、人工、または、プラスチック、および他の石油由来製品など合成源を有する。
【0038】
[0047] 本発明の方法において、熱および圧力は、原料の有機成分の長い分子鎖を切断するために必要とされるレベルで原料に加えられる。したがって、原料物質は分子レベルで1つもしくはそれ以上の構成物質に分解される。この方法において、原料は原価もしくは低価値から利益、もしくは大幅な費用削減、またはより高い価値へ転化される。重要なことに、この方法は病原体を破壊することができる。
【0039】
[0048] 本発明の基本的な方法は、シチメンチョウ臓物、フライ用油、トウモロコシ茎、もみ殻、廃棄物断片、カノーラ油、ダイズ油、ヤシ油、ココナッツ油、ナタネ油、綿実油、トウモロコシ油、またはオリーブ油、および他の油などの最終圧搾食用油、食品加工廃棄物、および海産食品業廃棄物など食品製造および販売の副産物、セルロースおよびリグニン副産物、および紙パルプ排水などの紙および他の木工業製造の副産物、木の葉および刈り取られた芝などの庭廃棄物、港湾浚渫堆積物、使用済みプラスチックおよび古いコンピュータなど電子機器、都市の固体廃棄物、石油精製残留物、産業スラッジ、バガス、海藻、製粉廃棄物、黒液、石炭精製廃棄物、タールサンド、シェール油、ボーリング泥水、綿廃棄物、動物糞堆肥などの農業加工廃棄物、感染性医療廃棄物、生物病原体、および生物兵器を製造するために使用されうる炭疽菌の胞子などの物質を含む潜在的に廃棄物または低価値製品を扱うために考えられている。前記物質のリストは包括的なリストではないと理解すべきである。前記リストにおいて、バガスはサトウキビ加工の副産物であり、黒液は、木材チップの溶解、リグニンの遊離、および繊維の遊離に由来し、リグニンおよび半セルロース溶液を生じさせる化学的木材パルプ化の副産物である。
【0040】
[0049] 本発明による使用のための廃棄物は、一般的に他の即時の用途を有さず、かつ/または通常処分される他の産業プロセス、商業的調製、および家庭または都市の用途の一般的に副産物または最終生成物である。低価値製品は同様に他の産業プロセス、商業的調製、および家庭または都市の用途の副産物または最終生成物でありうるが、一般的に、きわめて低い再販売価値を有し、かつ/または多少の用途へ転化される一部の別の加工を必要とする物質である。
【0041】
[0050] 本発明の方法により使用される場合、廃棄物および低価値製品は一般的に原料または未加工原料と呼ばれる。本発明の方法により使用される未加工原料は、多くの供給源からの、および多くの異なる種類の廃棄物および/または低価値製品を含むことも理解すべきである。例えば、食品加工廃棄物は、都合がよければ、農業加工廃棄物と組合され、かつ同時に加工されうる。
【0042】
[0051] 本発明による使用のためのさらに他の例となる未加工原料物質としては、都市の下水スラッジおよび都市の再利用貯蔵所から得られうる混合プラスチックが挙げられる。
【0043】
[0052] 本発明の実施形態によって加工される廃棄物および低価値物質は一般に3種類の有用な物質へ転化されるが、そのすべては有益であり、環境に対して本質的に有害ではない。すなわち、高品質油、クリーン燃焼ガス、および鉱物、および製造のための燃料、肥料、または原材料として使用されうる炭素固体を含む精製固体である。また、場合によって「フィッシュソリューブル」と同様の濃縮物を含むさまざまな副流が本発明の方法中に生成される。一般的に、有用な物質は、原料となった廃棄物、低価値、または他の物質よりも高い経済的価値を有するものとみなされている。かかる有用な物質は、例えば、高い熱含量を有し、またはそれらが由来した原料よりも広い範囲の用途を有しうる。
【0044】
[0053] 本発明の方法は、図1および2に示されているように多くの段階を含む。図1は、概略として、本発明の方法の実施形態の主たる特徴を示す。図2Aは、本発明による方法を行うための例として装置200を示す。
【0045】
[0054] 図1に示されている未加工原料100は、潜在的にいかなる廃棄物または低価値有機および/または無機蒸気でもありうる。好ましくは、未加工原料は実質的な量の炭素含有物質を含有する。
【0046】
[0055] 未加工原料100は調製段階110にかけられる。調製段階の態様は、パルプ化および他の粉砕技術を使用することにより未加工原料のサイズを、ポンピングに適したサイズに削減することである。調製段階は1つもしくはそれ以上のステップを含み、かつ物質を未加工原料に添加し、または物質を未加工原料から排除するステップを含みうるとともに、結果としてスラリー112がもたらされ、これは第1の段階120に移動される。スラリー化は、その初期の水分量によって水(または他の適切な流体)を未加工原料100に添加するステップを含みうる。スラリーの使用は、調製段階110におけるように、湿潤粉砕により摩擦およびエネルギー消費が削減されるという点で、かつスラリーは1つの容器から別の容器へポンプによって容易に移動されうるという点で有利である。適切なスラリー化デバイスとしては、パルパー、インライングラインダー、またはパルプ製造機(maserator)が挙げられる。蒸気および気体の混合物121が調製段階110から排出される。動物の体の一部を含有する原料に有利に適用されうる調製段階の他の態様が、アダムス(Adams)らによる「付着不溶解性固体からの有機物質の分離、および有用な製品への転化のための装置と方法(Apparatus And Process For Separation of Organic Materials From Attached Insoluble Solids,and Conversion Into Useful Products)」という名称の2004年9月29日に出願され、その開示が参照によりその全体が本明細書で援用される、同時係属中の出願第10/954,691号明細書に記載されている。
【0047】
[0056] 第1の段階120において、スラリーは熱および上昇圧力にかけられ、スラリーは、第1の段階の反応とも呼ばれる第1の反応を受ける。熱および圧力のかかる条件は、スラリーの生体部分の細胞構造の分解をもたらし、タンパク質、脂肪、核酸、および糖質などの構成分子を放出する。また、多くのポリマー有機物質はスラリー中の水によって、より単純な有機物の混合物に加水分解される。具体的には、脂肪は部分的に分裂され、脂肪酸(カルボン酸基含有)、および水溶性グリセロール(すなわち、3つの水酸基を含有する分子)など浮揚性の有機物質を生じる。タンパク質は一般的により単純なポリペプチド、ペプチド、および構成アミノ酸へ分解される。糖質は主として単純な水溶性の糖へ分解される。さらに、第1の段階における水の存在は、原料に熱を伝えるのに役立つという点で有利である。
【0048】
[0057] 反応する(react)、反応(reacting)、および反応(reaction)という語は、本発明の実施形態とともに使用される場合、多くの異なる種類の化学変化を包含しうることを理解すべきである。具体的には、反応(reaction)という語は、1つもしくはそれ以上の製品を生じる2つもしくはそれ以上の種の組合せまたは結合から生じる化学変化を包含し、かつ温度、圧力、または電磁放射の影響によって誘導されるように、単一の種の分解または転化を含む他の分解または転化を包含し、さらに加水分解などの溶媒を含む転化を包含しうる。さらに、「反応(reaction)」または「反応する(react)」という語は本明細書では方法、または方法における段階を述べるために使用され、次いで2つ以上の化学変化が同時に起こりうることを理解すべきである。したがって、反応が同時に、例えば、加水分解および分解を含みうる。
【0049】
[0058] 第1の反応中の化学環境は複雑であり、結果として生じる成分からの物質の解離および他の物質の同時の再形成を包含する。さらに本明細書で説明するように、第1の反応で使用される条件下に脂肪(主にトリグリセリド)が一般的に加水分解する。タンパク質は、その構成アミノ酸および小ペプチドへ変性するが、そのすべてはアミンである。混合物中のアミンの存在は、アミンが乳化の形成を促進し、それを安定化させるのに役立つという点で問題がある。したがって、不可溶性(通常、無機)物質の小粒子が懸濁液中に保持されるが、これが混合物のさまざまな成分の分離を妨げるということである。次いで、理想的には、アミンはできるだけ速やかに分解されるべきである。糖質も加水分解して糖を形成する傾向があるが、糖が次いでメイラード反応と知られる反応も受け、ここでそれらはアミンと反応し、グリコシルアミンおよび他の生成物を形成するが、その多くは不可溶性およびポリマーである。最終結果は、乳化を形成する傾向をさらに強化する化合物の存在である。
【0050】
[0059] さらに、本発明の方法によって油など有用な製品に転化されることになる有機物質の多くは高い酵素含有量−例えば、糖質を有する。かかる物質は多くのCOおよび最終的に炭素を排出するが、その両方は望ましくない。代わりに、できるだけ多くの炭素が炭化水素生成物に入る場合は好ましい。この目的のため、酸素を未加工原料から取出すシステムへ脱酸素剤を導入し、より有用な副産物(すなわちCO以外)へ確実に方向転換され、それによって炭素含量のより多くが炭化水素へ転化されることを可能にすることが好ましい。
【0051】
[0060] したがって、アンモニアを遊離し、それによって乳化形成を抑制するほか、脱炭素反応を抑制するために、1つもしくはそれ以上の試薬が第1の段階の反応に添加されることは本発明と一致する。好ましい実施形態において、イオウ元素、およびイオウ元素が第1の段階の反応へ導入される。
【0052】
[0061] 水蒸気と気体生成物の混合物126は一般的に第1の段階120におけるスラリーから遊離される。第1の段階からもたらされる反応原料122は一般的に反応固体生成物と反応液体生成物の混合物から成る。これらさまざまな生成物は一般的に油相、水相、および湿潤鉱物相として特徴づけられる。水相および油相は一般的にさまざまな溶解有機物質を含有する。第1の段階120において生成される水蒸気と気体の混合物126は、好ましくは、凝縮器によって分離され、蒸気は入ってくるスラリーを予熱するために使用される。
【0053】
[0062] 次いで、反応原料122は分離段階130にかけられ、水蒸気と気体の別の混合物132が排除され、鉱物の混合物134または他の固体物質が析出される。好ましくは、この段階で得られる固体物質は、炭素固体が入力原料に存在しなかった限り炭素固体を含むことはない。分離段階130は2つ以上の別々の分離を含みうる。
【0054】
[0063] 分離段階130からの残留物質は、生成水138(可溶分による水)および有機液500を含む液体生成物の混合物から成る。有機液500は一般的に、第1の反応からの反応液体生成物などの炭素含有種の混合物を含有する液体である。好ましくは、生成水138の大部分は析出され、有機液500などの液体生成物は第3の段階140に方向づけられる。したがって、有機液は、好ましくは、水から分離され、ほとんどの場合に反応固体生成物からも分離される反応液体生成物を含む。生成水138は、イオウおよび塩素含有物質を含む無数の化合物を含有し、好ましくは、濃縮物139のために方向転換される。かかる化合物を析出することが望ましく、好ましい実施形態においては、濃縮は凝縮物151(その純度は通常、都市濃度廃棄水のものより優れている)、および濃縮物153(多くの場合、フィッシュソリューブルと同様に液体肥料として使用されうる)を生じる。
【0055】
[0064] 有機液500の一部は任意の分離137に方向転換され、例えば、有機液の部分蒸留によって脂肪酸またはアミノ酸などの特殊有機化学物質143を形成しうる。残留留分、分留液145は、しばしば「重液」と呼ばれるが、特殊化学物質として有用でない留分を含むが、第3の段階140に方向転換されうる。
【0056】
[0065] 原料が都市の下水スラッジである場合、第1の段階の反応からの反応原料122は一般的に生成水、有機および無機物の固体マトリクス、および少量の有機液を含む。都市の下水スラッジからの生成水は次いで濃縮のために方向転換され、肥料として使用される生成物を形成する。
【0057】
[0066] 第3の段階140において、有機液500は、第2の反応を受ける条件にかけられる。有機液が第3の段階にも通される多少の量の反応固体生成物を含有することも可能である。同時に、有機液および反応固体生成物は固体マトリクスとも呼ばれる。第2の反応において、有機液は、通常、炭素固体142を含む有用な物質の混合物、および一般的に炭化水素の水蒸気と気体148として放出される炭化水素の混合物に転化される。かかる転化は、有機液における1つもしくはそれ以上の物質の分解を含みうる。第3の段階における適切な条件では一般的に第1の段階に対して上昇される温度、および第1の段階に対して削減される圧力が使用される。第3の段階では一般的に添加水の使用は含まれない。
【0058】
[0067] 炭素固体142は一般的にコークスと同様であり、すなわち、通常、燃料としての使用に適切な高い発熱量を有する硬い炭素質物質である。炭素固体142は、好ましくは、たとえあったとしても、一般的に酸素不足大気中で炭素含有物質の焼却に由来する非可燃性鉱物をほとんど含有しない。炭素固体142の鉱物含有量は、好ましくは、10重量%未満、より好ましくは、5重量%未満、さらにより好ましくは、2重量%未満、かつ最も好ましくは、1重量%である。炭素固体142が鉱物を含有する場合、それらは炭素鉱物マトリクスとしても記載されうる。
【0059】
[0068] 炭化水素の水蒸気と気体148は、生体物質が本発明の方法に対する原料であればいつでも「生物由来炭化水素」と呼ばれる。炭化水素の水蒸気と気体は、未加工原料がそれぞれ、タイヤ、ゴム、またはプラスチックを含む場合は、「タイヤ由来」、「ゴム由来」、または「プラスチック由来」とさまざまに呼ばれうる。炭化水素の水蒸気と気体148は、一般的に炭化水素ガスを含むが、場合により非炭化水素ガスの微量の不純物を有する。炭化水素ガスは燃料ガス146などのガスを含み、炭化水素の水蒸気は#2ディーゼル油の軽い構成などの液体または油144に容易に凝縮されうる。当業者は、#2ディーゼル油が比較的低い粘度または密度を有する油であることを理解する。
【0060】
[0069] 原料が都市の下水スラッジである場合、第3の段階からの固体生成物は一般的に炭化水素油、燃料ガス、および固体形態での炭素との鉱物の混合物を含む。
【0061】
[0070] 本発明の方法の操作パラメータは、異なる種類の未加工原料物質を調整するために1つもしくはそれ以上の場合に調節されうると理解すべきである。例えば、シチメンチョウ臓物などの未加工原料との関連で、主な成分は動物脂肪、タンパク質、糖質、および鉱物である。したがって、主な成分の均衡は本発明の操作条件の一部の態様を決定しうる。さらに、第1および第3の段階の反応器の温度範囲は特定の製品を製造するために制御され、それによって、さまざまな製品の生産から得られうる経済的価値を最大限にしうる。
【0062】
[0071] 本発明による方法を行うための装置200が図2Aに示されている。本発明の方法に基づき、装置200のさまざまな要素の組立てはプロセス工学または化学工学の当業者の能力範囲内であろう。したがって、当業者に周知であろうかかる方法の詳細は本説明から除外されている。
【0063】
[0072] 原料調製およびスラリー化は原料調製装置210において行われる。原料調製および原料スラリー化後、スラリーは原料貯蔵タンクと呼ばれる低圧力通気容器220に通される。好ましくは、原料は、原料貯蔵タンクにおいてもしくはその前に加熱され、第1の段階の反応器に入る前に場合により与圧にかけられる加熱スラリーを製造する。かかる加熱および与圧は一般的に、スラリーを保持する容器、スラリーの圧力を増大させるためのポンプ、およびスラリーを加熱する熱交換器を含む器具において行われる。一般的に約140°Fおよび1psiの条件が使用され、原料スラリーを液体状態に保持し、生物活性を制限する。好ましい実施形態において、原料貯蔵タンクは第1のタンクおよび第2のタンクを含む。かかる好ましい実施形態において、第1のタンクは約140°F(約60℃)の温度に加熱され、約1psiの圧力にかけられる。第1のタンクにおけるかかる条件により効率的に生物活性の停止がもたらされる。例としての実施形態において、かかる第1のタンクは約1,000,000USガロンの容量を有すことができ、したがって、100−150ガロン/分の処理量に対して、かかるタンクにおける有効な滞留時間は約700分である。かかる実施形態における第2のタンクは、約280°Fの温度で維持され、内容物を約100psiまでの圧力にかけられる。圧力は一般に所定温度での混合物の飽和圧力をわずかに上回る。例えば、混合物の飽和圧力は、約300°F(約150℃)で66psiである。第2のタンクにおける条件は、スラリーにおけるタンパク性物質を分解し、スラリーを緩め、アンモニアを排除するために一般的に十分に厳しい。第2のタンクの容量は一般的に第1のタンクの容量未満であり、2,500USガロンと小さくもありうる。したがって、1つの実施形態において、毎分約40ガロンの流量は第2のタンクにおける約1時間の滞留時間を示す。例えば第2のタンクにおける数時間の特定の原料のためのより長い好ましい滞留時間が低い流量で達成されうる。
【0064】
[0073] 本発明の第1の段階は第1の段階の反応器230において行われ、その好ましい実施形態が図2Bに示されている。図2Bに示された実施形態によれば、第1の段階の反応器230は容器239を含むが、これは好ましくはマルチチャンバー容器であり、スラリー234の構成物質の狭い分布の滞留時間があるようになっている。好ましくは、容器には、バッフル232、および各々チャンバーにおけるスラリーを同時に攪拌しうるマルチブレード電動式撹拌機231が備えられている。好ましい実施形態において、かかる容器には4つのチャンバーがある。別の好ましい実施形態において、スラリーの加熱はこの容器より前の数段階で行われる。第1の段階の反応器230には、好ましくは、通気口233、それを通じてスラリーが入力される入力パイプ237、およびそれを通じて反応原料が容器から外に出されうる排出パイプ238も備えられている。第1の段階の反応器230は、それを通じて融解ナトリウムなどの試薬が反応混合物に入力されうる第1のパイプ235、およびそれを通じて融解イオウなどの別の試薬が入力されうる第2のパイプ236をも有する。図2Bは異なる高さでいっしょに配置された入力および排出パイプ、および容器239の異なる側面を示すが、当業者は、図2Bが単に概略図であること、かつ入力および排出パイプの他の構成が本発明の実施と一致していることを理解するであろう。別の実施形態において、第1の段階の反応器は予測反応器でもありうる。
【0065】
[0074] 反応混合物中に存在するアミンの量を抑制するために、追加の試薬が、好ましくは、第1の段階の反応に導入される。本明細書でさらに論じられるように、かかる試薬は、好ましくは、元素イオウ、および元素ナトリウムを含む。それらは低い融解温度(それぞれ、〜120℃および98℃)を有するため、これらの物質は定量され、反応混合物に制御可能に添加される。次いで、第1の段階の反応のための容器が、アンモニア、一酸化炭素、もしくは二酸化炭素など、HSなどのイオウ含有ガス、または塩素含有化合物などのガスの制御された脱ガスを促進するために垂直に方向づけた容器であることが好ましい。
【0066】
[0075] 第1の反応後の反応原料のフラッシングは通気口を有するフラッシュ容器240(「第2の段階の分離器」)において達成されうる。好ましくは、フラッシュ容器240における圧力は第1の段階の反応器230におけるよりも相当に低い。1つの実施形態において、フラッシュ容器における圧力は約300psiであり、ここで第1の段階の反応器における圧力は約600psiである。
【0067】
[0076] さまざまな器具を使用し、第1の段階の反応器230から出てくる原料のさまざまな第2の段階の分離を達成することができる。好ましくは、かかる分離は、水蒸気と気体132、有機液500、鉱物134、および可溶分による生成水138の混合物を提供する。水蒸気と気体132は、好ましくは、もとの調製段階に方向転換され、原料加熱を助ける。
【0068】
[0077] 有機液および水からの鉱物の分離は、遠心分離機、水サイクロン、または静的タンクで達成されうる。鉱物134の乾燥は、例えば、乾燥窯または「リング」乾燥機などの鉱物乾燥機で達成されうる(図2Aに示さず)。(別の実施形態において、分離は化学物質を添加し、乳化を分解することによって促進されうる。)
【0069】
[0078] 水からの有機液の分離の結果として生じる可溶分による生成水138は、一般的に産業で利用可能である種類の蒸発器250で濃縮されうる。鉱物および水から分離された有機液500は、第3の段階の反応器260に移す前に有機液保持容器252に含有されうる。かかる保持容器は産業で一般的に使用される通常の貯蔵容器でありうる。
【0070】
[0079] 有機液500の一部を方向転換し、1つもしくはそれ以上の特殊化学物質を得ることができる。一般的にこれは有機液を部分蒸留にかけるステップを含む。部分蒸留にかけられる有機液は一般的に蒸留カラム254で蒸留される。有機液は酸洗いにかけられ、それを蒸留カラムに通す前に微量アミノ酸を析出する。脂肪酸など有機液からのより多くの揮発性物質が蒸留され、収集される。蒸留カラムの底に見られる非揮発性脂肪および脂肪誘導体などより重い物質が第3の段階の反応器260に達する。
【0071】
[0080] 第2の段階の分離に由来する有機液も第3の段階の反応器260に通り、ここで第2の反応が行われ、有機液は油、および炭素固体142などの1つもしくはそれ以上の有用な物質へ転化される。第3の段階の反応器から出てくる油は分離器270におけるさらなる分離にかけられ、油144および燃料ガス146を製造しうる。分離はさまざまなステップで油を凝縮するステップ、およびそれを貯蔵容器における油貯蔵室280に方向転換するステップを含みうる。第3の段階の反応器に由来する炭素固体142は冷却されるが、保存もされ、さらに加熱され、次いで当業者に周知である方法にしたがってそれらを活性化するために処理されうる。例えば、炭素固体は追加の反応器で加熱され、過熱蒸気の注入によって活性化されうる。
【0072】
[0081] 上述したように、例としての未加工原料物質は農業および食品加工業からの廃棄物を含む。かかる廃棄物は翼、骨、羽根、臓器、皮膚、頭部、血液および頸部、軟部組織、つめおよび毛髪などの動物の一部を含みうる。一般的な動物の一部はシチメンチョウの臓物および食肉処理場からのガラの残部に存在するものである。一般にありとあらゆる種類の動物の体の一部が本発明により使用されうることが意図されている。例えば、かかる動物としては、シチメンチョウのほか、ニワトリ、アヒル、ガチョウを含む他の家禽、ブタ、ウマ、ウシ、ヒツジ、魚、クジラ、ラマ、ワニ、カンガルー、およびシカが挙げられるが、これらに限定されない。本発明による方法による加工に適切である食品加工業からの他の廃棄物としては、ハンバーガーフランチャイズなどファストフード施設からの未使用油脂、および食品加工工場からの気泡浮上分離法(「DAF」)スラッジなどの物質が挙げられる。農業廃棄物としてはヒツジ、ブタ、およぶウシの動物の糞尿、およびニワトリの残部および作物遺体など他の物質も挙げられうる。図3−5に示されている例としての実施形態において、未加工原料100はシチメンチョウの臓物などの食品加工副産物である。
【0073】
[0082] 図3に示されているように、未加工原料100は最初に調製およびスラリー化110にかけられ、水蒸気と気体121を伴う原料スラリー112を製造する。スラリー112は原料貯蔵タンク(「FST」またはホモゲナイザー)において熱交換器114を介して原料貯蔵室320に移されうる。FSTにおいて、内容物は約60℃〜約150℃の温度に予熱され、粘度を低下させ、スラリーを生物学的に不活性化し、混合を補助する。内容物がFSTで混合され、第1の段階の反応器に通すために適切な比較的均質な原料である調整原料スラリー322を製造する。原料貯蔵中、水蒸気と気体の不純物338は、好ましくは、ベント型336である。したがって、本発明の1つの利点は、脱ガスがFSTで行われ、望ましくない気体不純物が本発明の全体的な方法における早期段階で除去されることである。原料スラリー112は、それが本発明の方法によってさらに加工されるまで都合の良い時間、原料貯蔵室320に残りうる。好ましくは、FSTは一定の原料蒸気を高圧スラリーポンプに供給され、これにより原料が加圧され、第1の段階の反応器に輸送される。
【0074】
[0083] シチメンチョウの臓物などの大量のアンモニア(NH)を含有する未加工原料物質には、水蒸気と気体121の1つの成分の場合である調製110中、または水蒸気と気体の不純物338といっしょに通気される貯蔵室320中のいずれかに遊離アンモニアを除去することが有利である。アンモニアの1つの供給源は、しばしば動物の体の一部の集合体に存在する尿酸の分解である。アンモニアを除去する方法は当業者の知見の範囲内であり、スラリー化前の尿内容物の分離、酵素分解の使用、加熱の適用を含むが、これらに限定されない。また、アンモニアは酸性化によって硫酸アンモニウム、またはリン酸アンモニウムなどの塩に転化されうる。好ましい実施形態において、FSTは異なる条件で維持された2つの容器を含む。第1のかかる容器は貯蔵室の役割を果たし、第2の容器はタンパク質の分解をもたらし、かつアンモニアを放出する。
【0075】
[0084] 原料貯蔵室320を出る調整原料スラリー322は第1の反応330にかけられ、ここで調整原料スラリー322における水分が存在するバイオポリマーの多くの加水分解をもたらす。十分な攪拌(ミキサーおよび/または再循環デバイスによって提供)が提供され、固体が浮遊状態で維持される。第1の反応は一般的に約5〜約60分かかる。第1の反応からの出力は反応原料122である。一般的に水蒸気と気体339も第1の反応から放出される。
【0076】
[0085] 第1の反応330において、一部の脱ガス化が行われ、ここで窒素およびイオウ化合物の部分的な除去が起こり、脱アミン化および脱炭素反応が行われ、ここで大量のタンパク質がアンモニア、および潜在的に二酸化炭素などの生成物にも分離しうる。実際に、本発明の方法には、二酸化炭素以外の生成物は、水溶性、および揮発性の傾向があるアミンであるため脱炭素反応は望ましくない。また、この段階でCOへの炭素の喪失が、割当炭素から方法の最後に結果として生じる炭化水素を奪う。したがって、一般に、脱アミン化反応が脱炭素反応よりも好ましく、第1の段階から得られる反応液体生成物は一般的に、原料がタンパク質および脂肪などの物質を含む場合にカルボン酸を含む。したがって、脱炭素反応は一般的に脱アミン化よりも高い温度で起こるため、第1の反応は、好ましくは、脂肪分子が分裂する可能な最低温度で実行される。別の方法として、第1の段階におけるpHは酸を添加することによって変えられ、それによって脱炭素反応を阻止しうる。
【0077】
[0086] 第1の段階の反応におけるタンパク質分解から形成されるアミンは乳化を支持するため、かつ糖質からの加水分解生成物はメイラード反応を受けて不可溶性残留物を生じるため、アミンを分解する試薬を添加することも好ましい。好ましい試薬としては、本明細書でさらに説明するように、元素イオウ、および元素ナトリウムが挙げられる。
【0078】
[0087] アンモニア(NH)としてアミンからアミン基を排除する有効な方法が酸を添加することであろう。イオウ酸、HSOは通常、この目的に有効な酸ではあるが、これは脱水剤でもあり、第1の段階の反応器の条件下、これは糖と反応し、望ましくない黒ずんだ炭化した塊を形成する。したがって、HSOの直接の添加以外のアミノ基を除去する何らかの方法が好ましい。
【0079】
[0088] しかし、元素イオウは比較的に容易に処理されうるが、その融解温度が約120℃であるため、試薬の蒸気へ完全に実質的に注入されうる。元素イオウは構造式Sを有する環状分子から成る。第1の段階の反応において使用される温度に加熱されると、S分子は開裂し、反応混合物における酸素含有分子と反応し、SOおよびSOを形成する。イオウが反応して二酸化イオウおよび三酸化イオウを形成すると、反応を促進させ、インサイチュでHSOおよびHSOを生じさせるために別の試薬が必要である。
【0080】
[0089] インサイチュでより望ましい反応を達成する1つの方法が、ナトリウム金属を導入することである。ナトリウムは強力な還元剤として作用し、2つの主要な効果を有する。すなわち、これは外熱式に存在する水と反応し、水素ガス(H)および水酸化ナトリウムを形成する。しかし、これは、主に混合物の水相に残留するHSOを生じるHSOおよび残留イオウ酸化物と結合する(糖質などの)反応混合物のさまざまな成分から追加の酸素をも除去する。酸はタンパク質およびアミノ酸を脱アミン化させ、ナトリウム金属によって遊離される水素は遊離アミン基と結合し、アンモニアガスを生じる。これらの反応からの他の副産物としては(硫酸アンモニウム、(NHSOなどの)硫酸塩が挙げられるが、これらは肥料において使用されうるため望ましい。
【0081】
[0090] ナトリウムは経済的に作業され、その周知の反応性にもかかわらず、他の大規模産業プロセスにおけるその配置によっても明らかなように安全にも使用されうる。具体的には、これは油の下にも保存され、その融点を少し上回る容易に到達可能な温度でパイピングされうる。これは比較的容易に得ることもでき、塩化ナトリウムが最も豊富であるナトリウム塩の電解によって製造されうる。
【0082】
[0091] 最終的に、2つの試薬、イオウおよびナトリウムの存在は還元環境を生じさせる。かかる環境は、本発明の方法の好ましい最終生成物が炭化水素であるため望ましい。かかる製品は、好ましくは、CO排出により炭素も失うことなく最初の原料における炭素含有分子に結合される酸素を除去することによって生じさせる必要がある。
【0083】
[0092] この段階、および先行予熱段階での窒素およびイオウ化合物の除去は、第3の段階の反応器により加工されることが可能な場合は、結果として生じる生物由来炭化水素の望ましくない成分になりうる望ましくない追加の有機窒素化合物、より多くのアンモニア、およびさまざまなイオウ化合物の形成を阻止する。
【0084】
[0093] この実施例における第1の反応を行うための一般的条件は150℃〜330℃であるが、好ましくは、約250℃であり、かつ第1の段階の反応器で得られうるように、約50大気圧、または600psiである。一般に、第1の段階の反応器における圧力は20−120大気圧の範囲である。総予熱および第1の段階の加熱時間は約120分までである。かかる条件は、使用される原料によって変動しうる。大量の塩素含有物質を含有する原料に適用される本発明の1つの態様において、第1の段階における動作温度は十分に高く、その後に洗浄ステップが行われ、塩素含有製品が除去される。
【0085】
[0094] 一般に、第1の反応は約150℃〜約330℃の範囲の温度で行われ、以下の3つの転化の少なくとも1つが行われうるようになっている。第一に、タンパク質がそれらで構成される個別のアミノ酸残留物に転化される。これは約150−220℃の範囲の温度でタンパク質の骨格におけるアミノ酸残留物の各々のペア間のペプチドアミド結合を加水分解することによって達成されうる。第二に、脂肪分子が脂肪酸分子に分解されうるが、これは200−290℃の範囲で起こりうる方法である。具体的には、脂肪酸は加水分解され、トリグリセリドを解体し、遊離脂肪酸およびグリセロールを形成する。第三に、アミノ酸の脱アミン化および脱炭素が第1の段階で起こりうる。カルボン酸基は、第3の段階の反応器に移される場合には、依然としてそのそれぞれのアミノ酸部分に付着されているが、最終的に比較的穏やかな動作条件で炭化水素に転化されうる。また、脱アミン化される一部のアミノ酸がありうるが、これは一般的に210−320℃の温度範囲で起こる方法である。したがって、第1の段階においてのみ、スラリーに存在する実質的にすべてのタンパク質が比較的低い第1の段階での動作温度でアミノ酸に転化される。さらに、アミノ酸脱アミン化の程度は、第1段階の動作温度の慎重な選択、および上述したように、ナトリウムおよびイオウなどの試薬の添加によって制御されうる。
【0086】
[0095] 当業者によって理解されるように、第1の段階の反応器が実行される実際の条件は使用される原料によって変動する。例えば、動物の臓物では一般に約200℃〜約250℃の範囲の第1の反応温度が使用される。都市の下水スラッジでは一般的に約170℃〜約250℃の範囲の第1の反応温度が使用される。
【0087】
[0096] 第1の段階の反応器における圧力は、一般的に問題の動作温度で水の飽和圧力に近くなるように選択される。飽和圧力は、水の沸騰を避けるために所定温度で適用されることが必要である圧力であり、精製原料スラリー中の他のガスの存在および量にも左右される。反応器中の総圧力がスラリー混合物における水の蒸気圧力よりも大きく、水はボイルオフすることはない。圧力は、好ましくは、45−55大気圧の範囲であり、40−60大気圧の範囲でありうるとともに、30−70大気圧の範囲でもありうる。一般的に、圧力は飽和を上回る0−100psiまで、かつこの範囲の量によって調節され、望ましくないガスは原料調製、原料貯蔵室、または第1の段階の反応器から通気される336。
【0088】
[0097] 本発明の1つの利点は、原料調製110、原料貯蔵室320、および第1の反応中の通気によりアンモニア、二酸化炭素、およびイオウ含有ガスなどの気体不純物が除去されうることである。一般的に、第1の反応330はさまざまな生体材料におけるイオウ含有部分の分解からイオウ含有ガスを生じる。イオウの主な供給源はタンパク質分子であり、その多くはシステイン残留物間にイオウ架橋を有する。イオウ含有ガスは一般的に硫化水素(HS)、およびメチルメルカプタンなどのメルカプタン(アルキル−イオウ化合物)である。また硫化カルシウム(CaS)など一部の塩が生成されうるが、これらは通常、後の段階中に分離される。
【0089】
[0098] 第1の反応後、一般的に少なくとも1つの反応液体生成物および少なくとも1つの反応固体生成物および水を含む反応原料122は低圧にフラッシング340され、過剰な熱が第1の反応前に元の加熱段階に放出される。一般的に、フラッシングは、好ましくは、2〜3段階での多数の圧力削減により達成される。フラッシングの効果は、反応原料と関連する残留水蒸気と気体132を放出させることである。減圧による脱水は、水が加熱を行うことなく排除されるため有効である。余分な熱の有効な使用は熱回収として周知であり、さらに本発明の方法の進歩を示す。第1の反応では、他のガス339といっしょに蒸気として通気されうる水が使用されることは、それ自体、有効なエネルギー回収に至る。水および蒸気は熱交換において有効であり、1つもしくはそれ以上の凝縮器を使用する第1の反応前に加熱段階に方向転換されうる。凝縮器はきわめて小型であり、効率を促進する。したがって、反応原料122から通気された水蒸気と気体132も好ましくは流入原料の加熱および第1の反応の温度の維持の補助に使用され、それによって本発明の方法のエネルギー喪失を低減する。水蒸気と気体339は原料貯蔵室320の前、または後に配置された1つもしくはそれ以上の熱交換器にも通されうる。蒸気は、場合によって元の流入原料100へ直接注入もされうる。好ましくは、第1の反応330からの水蒸気と気体339は熱交換器114に移動する前に水蒸気と気体132と結合される。
【0090】
[0099] 熱交換器114において、水蒸気と気体はそれぞれ分離される。蒸気の大部分は凝縮して凝縮物151を生じうる。好ましくは、この凝縮物は方向転換され、以下でさらに述べられる本発明の方法の後の段階に由来する「生成水」と結合する。残りの少量の蒸気はガスといっしょに通気される116。好ましくは、これらの通気ガスは、本発明の方法の後の段階によって製造される他のガスと結合され、燃料ガスを生じる。
【0091】
[0100] 反応原料がフラッシング340され、熱が回復された後、中間原料400は一般的に少なくとも1つの反応液体生成物、少なくとも1つの反応固体生成物、および水を含む。少なくとも1つの反応液体生成物は一般的に有機液の構成要素であり、少なくとも1つの反応固体生成物は一般的に鉱物を含む。中間原料は、好ましくは、実質的にガス生成物を含まない。
【0092】
[0101] 図4は、中間原料に適用される一連の分離である。第1の反応に由来する中間原料が、第3の段階の反応における加工前に鉱物および水を除去する1つもしくはそれ以上の分離段階にかけられることは、本発明の方法の別の利点である。分離段階では、遠心分離機、水サイクロン、蒸留カラム、ろ過デバイス、およびスクリーンなどの分離用器具が使用され、中間原料400からきわめて微細な炭素固体を除去する蒸留も使用されうる。一般に、さらなる圧力削減により多くの蒸気が回復され、固体/液体分離が促進され、鉱物および他の固体を回復する。
【0093】
[0102] 一般的に有機液、水、および鉱物を含む中間原料400は、好ましくは、大部分の鉱物412を除去し、かつ灰分が低い有機液と水の混合物414を製造する第1の分離410にかけられる。かかる分離は固体/液体分離と特徴づけられ、第1の遠心分離機により、もしくは固体/液体分離デバイスによって、例えば機械的方法、もしくは重力沈降などの非機械的方法によって達成されうる。析出される鉱物412は一般的に湿潤であり、したがって、乾燥鉱物貯蔵室430に移動する前に乾燥段階420にかけられる。乾燥段階は一般的に標準大気圧条件下に行われる。結果として生じる乾燥鉱物は、土壌改良または他の産業の前駆物質として重要な商業的用途がありうる。
【0094】
[0103] 有機液/水混合物414は第2の分離440にかけられ、水を排除し、有機液500を残す。かかる第2の分離は、第2の液体/液体遠心分離機(または他の分離デバイス)を使用して達成されうる。重力の差により生成水と有機液の遠心分離が可能である。排除される生成水138は、グリセロールなどの少量の溶解小有機分子およびタンパク質の分解由来の若干の水溶性アミノ酸を含有する。生成水は一般的に塩素不純物をも含む。かかる不純物を第3の段階の反応前に析出することは、後の製品がそれによって汚染されないため本発明の追加の利点を示す。
【0095】
[0104] 生成水138は、例えば蒸発、本発明の方法の範囲内で再利用されうる水濃縮物151、および濃縮物貯蔵室460に送られる濃縮物153を製造することによって濃縮139にかけられうる。蒸発は一般的にわずかな真空の適用によって達成される。主にアミノ酸、グリセロール、および潜在的に硫酸アンモニウムまたはリン酸塩などのアンモニウム塩のスラリーを含む濃縮物は、一般的に、例えば、家庭庭園店で販売されている「フィッシュソリューブル」として周知の肥料として商業的な価値を有する。
【0096】
[0105] 本発明が2つのステップを含む分離段階に限定されないことを理解すべきである。本発明は分離ステップが行われる順序によっても限定されない。したがって、中間原料400の有機液、鉱物、および水などの製品への分離が単一ステップもしくは2つを超えるステップで行われる場合には本発明と一致する。さらに、鉱物は、場合によって、意図的に有機原料中に放置されうるため、その分離は第3の段階の加工前に行われる必要がない。
【0097】
[0106] 図5は、図4の分離段階に由来する有機液500が第3の段階140にかけられ、1つもしくはそれ以上の有用な製品を製造する本発明の方法の段階を示す。有機液500は通常、さらに加工される前に保持容器に移動する。
【0098】
[0107] 有機液500の一部、または全部は、場合により、第3の段階140の前の加工のために方向づけられ、1つもしくはそれ以上の特殊化学物質143を得ることができる。かかる任意の方法によれば、有機液500の一部の所望部分は一般的に部分蒸留510などの分離方法、またはアルコールなどの化合物との反応にかけられ、当業者によって理解される別の化合物を形成する。かかる分離方法により特殊化学物質143が生成され、トリグリセリド油などの高分子量有機分子を含む「重液」としばしば呼ばれる分留液145が残される。分留液145は、同様にして有機液500に加工するための第3の段階140に方向転換されうる。
【0099】
[0108] 特殊化学物質143は一般的に脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、またはさまざまなアミノ酸などの有機化合物である。好ましくは、特殊化学物質143は脂肪酸である。より好ましくは、特殊化学物質143はC12−20の範囲の脂肪酸である。さらにより好ましくは、特殊化学物質143はC16−20の範囲の脂肪酸である。特殊化学物質143が脂肪酸アミドおよび脂肪酸エステルである場合、それらは一般的に脂肪酸との反応によって形成される。シチメンチョウの臓物などの原料に由来する特殊化学物質143は、潤滑剤およびコーティング剤および塗料としての用途がありうる。
【0100】
[0109] 第3の段階140において、有機液500の水分の含有量はほぼゼロであり、第3の段階の条件は残留有機分子が主に、過剰な、または追加された水または蒸気による加水分解ではなく、高温の適用によって分解されるようになっている。第3の段階を行うための一般的な条件は、第3の段階の反応器で得られるように約400℃である。第3の段階は一般的に約5分〜約120分かかる。実際に、さまざまな液相は第3の段階の反応器でさまざまな量の時間を費やす。例えば、蒸気は比較的迅速に通過し、液体は長くかかる。第3の段階からの出力は、別々に、二酸化炭素、CO、および窒素などの炭化水素の水蒸気と気体148とイオウ含有化合物、および炭素固体142の混合物を含む。炭素固体142は、好ましくは、高品質コークスに似ている。炭化水素の水蒸気と気体148は、一般定にオイル蒸気を含有する。第3の段階の条件は、好ましくは、炭素固体142、および炭化水素の水蒸気と気体148の混合物の純度を最適化するために選択される。炭化水素の水蒸気と気体148などの熱蒸気の急冷により、反応が停止され、第3の段階後の炭素のチャー形成が最小限に抑えられる。好ましい実施形態において、上記の急冷は、蒸気をドラム一杯の水へ方向づけることによって、または熱流体および冷却剤を使用して多数の急冷ステップによって達成されうる。かかる多数の急冷ステップが使用される場合、さまざまな留分を方向転換し、商業的用途に分離しうるように、油から多数の取り分(ディーゼル、ガソリン等)を取ることが有利である。あるいは、別の実施形態において、オイル蒸気は入ってくる有機液の存在下に急冷され、それによってエネルギーの回復も促進しうる。
【0101】
[0110] 一般に、第3の段階は約310℃〜約510℃の範囲の温度で行われ、以下の2つの転化の少なくとも1つが行われうる。第一に、脂肪酸が炭化水素に分解される。これはカルボキシル基を各脂肪酸分子から約316−400℃の範囲の温度で除去することによって達成されうる。第二に、炭化水素分子そのものが「クラッキングされ」て低分子量の分子の分布を形成するが、これは約450−510℃の範囲で起こりうる過程である。しかし、一般的に、炭化水素のクラッキングは480℃超で起こる。好ましくは、第3の段階は第1の段階でよりも高温で行われる。第3の段階に利用可能な本明細書に記載された温度は、本発明の原理を大きく逸脱することなく変動されることが理解されるであろう。例えば、第3の段階は、約300−525℃の温度範囲、および400−600℃の範囲で効率的に行われうる。一部の実施形態において、第3の段階の反応器の温度は約400℃〜約510℃である。
【0102】
[0111] さらに、少なくとも1つの実施形態において、第3の段階の反応器は、約15psig〜約70psig、すなわち、ゲージ圧で約15psi〜ゲージ圧で約70psiの圧力にわずかに加圧される。好ましくは、第3の段階の反応器における圧力は、第1の段階の反応器におけるよりも低い。
【0103】
[0112] 第3の段階から生成される炭素固体142は一般的に最初に炭素固体冷却器630に移動され、ここで炭素はその残留熱を失わせられる。冷却後、炭素固体142は炭素貯蔵室540に移動され、多くの有用な用途のために販売されうる。例えば、炭素は、土壌中の細菌の多くが炭素源を必要とするため家庭用園芸において使用するための「活性炭」として販売されうる。具体的には、製造される炭素は、多くの形態の「活性炭」と同様の品質であり、したがって、自動車の水蒸気放出を吸収するため、または家庭用水フィルタにおいて使用するための物質としての用途もありうる。また炭素は、その純度のレベルのため、石炭のような固体燃料としても用途もありうるが、一般的に石炭製品に見られる汚染物質の燃焼から生じる有毒の放出物を生成する不利点がない。多くの毒性物質も本発明の方法に由来する炭素固体状の炭素添加剤の使用によって土壌マトリクス中で中和されうる。
【0104】
[0113] 炭素固体142の代わりに、またはそれに加えて、本発明の方法によって生成される有用な製品は精炭でありうる。精炭は未加工原料が未加工石炭である場合に生成される。本発明の方法によって製造される石炭微粉は、一般的に入手可能な未加工石炭よりもイオウおよび塩素含有汚染物質が有利に含まれていない。本発明の方法によって生成される石炭のこれらの特性により、クリーンな燃焼の燃料源としてそれらを特に魅力的なものにしている。
【0105】
[0114] 第3の段階の反応器によって製造される炭化水素の水蒸気と気体148は一般的に、混合物を燃料ガス146と炭化水素油に分離する冷却器/凝縮器850に方向づけられる。燃料ガス146は発熱量を有し、それ自体、さまざまな段階で加熱するためのエネルギーを提供する目的のために本発明の方法の範囲内において内部で再配分され、または外部使用または内部使用のためのエネルギーの電気または他の形態のエネルギーを製造するために使用されうる。油144は一般的にその炭素鎖が20個以下の炭素原子を有する炭化水素を含む。この点において、混合物は#2級のディーゼル油などの燃料油の軽い成分と似ている。かかる製品は商業的にも販売可能である。しかし、油144の精確な組成が原料に依存すると理解すべきである。したがって、原料がタイヤから成る場合に得られる油の成分は、原料がシチメンチョウの臓物である場合の組成と異なる。高い脂肪含有量を有する原料に由来する油はオレフィン、およびジオレフィンが豊富であることがわかっている。望ましくない場合は、かかるオレフィンは再飽和法または分離法から除去されうる。
【0106】
[0115] 未加工原料が都市の下水スラッジである場合、無機物質からの有機物の分離を促進することが好ましい。したがって、好ましい実施形態において、炭化水素油144、この場合には生物由来炭化水素の一部は未加工原料または第1の反応の製品に方向づけられ、物質の流動化を助ける。他の実施形態において、例えばファーストフードチェーン店から得られるトラップ油脂などの物質が使用されうる。物質を流動化する背後の原理は、水より軽い物質が未加工原料、または第1の反応の製品に導入され、水より重い有機物質の流動化を助け、それによって無機物質からの有機物の分離を促進することである。その結果は、それ以外の場合よりも容易に遠心分離されるスラッジである。
【0107】
[0116] 本発明の方法のさらなる利点は、製品のすべてがDNAおよび病原体を含まないことである。すなわち、それらは、動物細胞、細菌、ウイルス、またはプリオン由来の病的物質を含まない。かかる物質は、本発明の方法を無傷に生存することはない。これは、かかる分子が食物連鎖に再侵入する危険がありうる農業用途において本発明の方法の製品のいずれかを使用する危険がないため重要な結果である。
【0108】
[0117] 反応液体生成物を有機液などの分離段階から炭化水素、および炭素固体の混合物へ転化するための装置が、本発明の方法で使用するための適切な第3の段階の反応器である。図6に示されているように、本発明の実施形態による第3の段階の反応器600が、有機液を加熱し、それによって液体と蒸発油の混合物を製造するための加熱器610、液体と蒸発油の混合物を炭素固体142へ転化するための反応器620、および炭化水素の水蒸気と気体148の混合物、炭素固体142を受入れるための第1の冷却器630、および炭化水素の水蒸気と気体を受入れるための第2の冷却器640を含む。第3の段階の反応器600はさらに炭化水素の水蒸気と気体148を炭素固体142から分離するための反応器620と連通する液体−固体分離器624を含みうる。
【0109】
[0118] 加熱器610は、好ましくは効率的かつ小型であり、熱交換のための大表面積を生じる多数の内部管を含む。加熱器610は一般的に「加熱炉」である。加熱器610は一般的に有機液および蒸気602を受入れるための入口、および加熱有機液/蒸気混合物を反応器620に方向づけるための出口を有する。約2−5重量%の量の蒸気602は、それが加熱器610に入ると有機液を伴う。かかる量の蒸気は均一の加熱に役立ち、加熱器の内部の残留物の集結を阻止する。好ましい実施形態において、1つもしくはそれ以上の予熱器を使用し、有機液500を蒸気と混合し、かつ/または加熱器610に移動する前に加熱する。第3の段階のための圧力が貯蔵室500後のポンプシステムによって与えられる。
【0110】
[0119] 反応器620は、好ましくは、少なくとも1つの加熱オージェを有し、かつそれぞれ、加熱器610から液体と蒸発油の加熱混合物を受入れ、炭素固体および炭化水素とガスの混合物を液体−固体分離器へ方向づけるように構成された入口および出口を有する。蒸気による液体と蒸発油の加熱混合物は反応器620へ移動され、ここでそれは炭素固体、および好ましくは油と燃料ガスの成分を含有する炭化水素ガスの混合物に分解される。一般的に製造される炭素固体は、液体と蒸発油の混合物の約10重量%に達する。他の実施形態において、未加工原料の成分によって、製造される炭素固体は液体と蒸発油の混合物の約5重量%〜約20重量%である。本発明の一部の実施形態において、反応器620における過剰な炭素固体の集積を避けるために、加工される原料の量は調節される。
【0111】
[0120] 入ってくる有機液の滞留時間および温度の制御を可能にし、かつ炭素固体と揮発性製品の効率的な分離を可能にするため、オージェが炭素固体および炭化水素の混合物を製造するために適切である。好ましくは、オージェの寸法は、結果として生じる炭化水素の混合物および炭素固体の純度が最適化されるように選択される。例えば、オージェの断面寸法により主にそれを通る蒸気の流量が決定される。好ましくは、流量は、埃が蒸気とともに運ばれ、不純な炭化水素の混合物を生じるほど高くはない。有機液、水蒸気、および蒸気の加熱混合物の滞留時間により、それが反応すると、オージェのサイズも決定される。
【0112】
[0121] 好ましくは、第3の段階の反応器600は、反応器620の出口と連通する流体−固体分離器を含む。流体−固体分離器は好ましくは、炭化水素およびガスのための第1の出口、および炭素固体のための第2の出口を有する。炭化水素とガスの混合物からの燃料ガスの一部は、元の加熱器610に方向転換されて燃料され、加熱器における温度の維持を助け、それによって本発明の方法の全体的な効率を促進する。
【0113】
[0122] 炭素固体(しばしば約500℃ほどの高い温度で)第1の冷却器、炭素固体冷却器630に方向づけられるが、これは好ましくは、エアロックデバイス、または場合により流体−固体分離器を通じて反応器と連通する冷却オージェである。本発明の一部の実施形態において、2つ以上の冷却オージェ630が使用されうる。水632を炭素固体冷却器630へ導入し、冷却方法を助けることが好ましい。炭素固体は、場合により移動オージェ、またはバケットエレベータ654などの一部の他の輸送デバイスによって完成品貯蔵システム650、または別の加熱器/反応器に移動され、炭素固体を活性化する。
【0114】
[0123] 炭化水素の水蒸気と気体の混合物を受入れるための第2の冷却器640は、好ましくは、残留炭素固体を析出し、それらを反応器620に戻すための炭素粒子分離器を含む。
【0115】
[0124] 本発明の方法の変更形態を使用し、蒸気を地下のタールサンド堆積物へ注入し、次いで堆積物を表面で軽油に精製し、この豊富なアクセス困難な資源をはるかに入手しやすくしうる。実験でも本発明の方法によりイオウ、水銀、ナフタ、およびオレフィン(すべて販売可能な生活必需品)が石炭から抽出され、それによって石炭をより熱くクリーンに燃焼させうることが示される。本発明の方法による前処理により一部の石炭はより脆くもなり、それらを発電プラントにおける燃焼前に破砕するためにエネルギーがほとんど必要とされない。
【0116】
[0125] 一部の原料のために、本発明の方法では原料調製段階の一環として流体から微細浮遊固体を分離するためのデバイスが使用される。例えば、都市の下水スラッジは一般的に300ppmの固体を含有し、したがって、事前の濃縮なしに本発明の方法により効果的に加工するには薄すぎる。したがって、分離器を使用し、水をMSSなど薄いスラリーから粒子をろ過することによって除去することが好ましい。次いで、粒子は、より濃縮したスラリー(10,000ppm〜500,000ppmの範囲の粒子濃度を有する)中の若干の水および排出余剰水を伴って捕捉される。次いで、濃縮スラリーは、本発明の方法により使用される原料となる。
【0117】
[0126] また、多くの他の産業および商業上の用途では液体から浮遊固体を分離することが必要とされる。図7は、かかる分離に有用である本発明の好ましい実施形態による分離デバイス700を示す。固体浮遊の分離を必要とする用途の別の例は、全血からの赤血球と白血球の分離である。浮遊固体粒子のサイズが大きく、またはその密度が流体のものと大きく異なる場合、それらを分離する多くの異なる種類の装置がある。例えば、浮遊固体粒子よりも小さい開口を有する多くの異なる構成のフィルタが、緊張下に大きく変形することがない固体物質のために使用されうる。固体粒子と流体との間に大きな密度差がある場合には浄化器、沈降室、および単純なサイクロンを効率的に使用することができる。サイズまたは密度差が小さくなると、遠心力を使用する能動デバイスが有効に使用されうる。しかし、これらの分離デバイスのすべての効率は、浮遊流体のものとほんのわずかに異なる密度を有する変形可能な物質によるきわめて小さな粒径の場合、劇的に減少する。
【0118】
[0127] 本発明の好ましい方法に関して、浮遊固体が小さく、変形可能であり、かつ小さな密度差を有する1つの用途が都市の下水スラッジ(MSS)である。MSS中の浮遊物質は、主に細菌からの細胞物質および細胞残屑から成り、一般的に約1マイクロメートルの寸法を有する。この物質は変形可能であり、浮遊水溶媒の10%以内の有効密度を有する。この固体物質を水から分離することは、本発明の方法のための原料としてMSSの調製における好ましいステップである。かかる分離は遠心分離機の使用により達成されうるが、しかし、好ましい実施形態においては、分離デバイス700が使用される。
【0119】
[0128] 本発明の好ましい実施形態によれば、図7に示されているように、本発明の方法によってさらに加工する前に、MSSなどの未加工原料の固体と液体成分を分離するために分離デバイス700を使用することが好ましい。かかるデバイスは、その固体粒子が変形可能であり、またはその有効密度が液相の約10%以内である他の産業または商業上の廃棄水スラッジにも適用されうる。
【0120】
[0129] デバイス700は、好ましくは、円錐台の形状を有する内室706に取付けられた回転アセンブリ704を含有するハウジング702を含む。内室706の形状は一般的に先細りの角度を有する円錐台の部分を含み、回転アセンブリ704の他の部分を収容する円錐台の下部および/または上部に追加の部分を有する。ハウジング702は、好ましくは、互いに結合し、かつ回転アセンブリ704を取囲むスピナーケース下部714およびスピナーケース上部716を含む。分離デバイス700はさらに、内室と連通する入口710と第1の出口730、および第2の出口750を含む。入口710は、浮遊固体を含有する流体の内室の固定内壁720と回転アセンブリとの間の環状空間712への導入を可能にする。
【0121】
[0130] 回転アセンブリは、好ましくは、それ自体スピナー上部718に接続されている先細りの円筒壁724に接続されたスピナー下部722で製造される円錐台状のシリンダを含む。回転アセンブリは、一般的に約1,000r.p.m.〜約50,000r.p.m.の範囲の速度で回転する中空スピンドル726の長手方向軸736上に同軸に取付けられている。MSSの分離のための好ましい実施形態において、回転速度は約10,000r.p.m.である。好ましくは、回転速度はカオス流を最小限に抑えるために選択される。回転アセンブリは先細りになっており、有効な断面積が、幅が狭くなるに従って減少する。一般的に先細りの角度は約1°〜約10°である。好ましい実施形態において、先細りの角度は約2°〜約2.5°であり、さらにより好ましくは、約2.25°である。回転アセンブリの中空内部は第2の出口750と連通する。
【0122】
[0131] 好ましくは、分離器700の入口710と内部との間には圧力差がある。一般的に、この圧力差は約3−150p.s.iであり、2つのポンプ(図7に示さず)によって制御される。
【0123】
[0132] 異なるサイズの分離器の流量は、回転シリンダの表面積に対応する。好ましくは、入口および環状空隙は、毎分約1〜約200ガロンの量を供給するように構成されている。より好ましくは、流量は毎分約1〜約20ガロンである。さらにより好ましくは、MSSの処理のために、流量は毎分約10ガロンである。
【0124】
[0133] 回転アセンブリの壁724は有孔である。壁724の細孔径は一般的に約1〜約200マイクロメートルである。好ましくは、細孔径は約50マイクロメートルである。壁724は、好ましくは、HDPEなどのプラスチック物質、または吸湿性ではない他の物質で製造され、操作中の細孔の閉鎖を回避する。
【0125】
[0134] 流体および浮遊物質は一般に軸方向で環状通路712に沿って流れると同時に、流体の一部が有孔回転壁724を通じてシリンダの中空内部728へ流れる。中空内部728はスピンドル入口732を通じて中空スピンドル726と連通する。浮遊粒子の大部分は、回転シリンダの表面で剪断および遠心力により有孔シリンダを通じて流体とともに流れるのが阻止される。シリンダの回転速度は浮遊粒子の剪断および遠心力を有効に使用し、有孔シリンダを通じて流体に付随するのが阻止されうる粒子の最小サイズを制御するために使用されうる。シリンダ728の内部へ流れる水および粒子は、その後にスピンドル入口732を通じて中空スピンドル726の中心へ流れ、第2の出口750を通じて排出される前にスピンドル出口734の方へ流れる。
【0126】
[0135] 環状通路712中の物質は回転シリンダの動きに応じて緊密ならせん流路をたどる。好ましくは、環状通路712の厚さはその長さに沿って一定である。一部の用途ではこの環状空間は上部から下部まで変動しうる。環状空間の変動は有孔表面に近い流れ条件を与えうる。現在の濃縮流体蒸気を排出するための第1の出口730が、入口から離れて環状通路の端に提供されている。
【0127】
[0136] 図7のデバイスの操作は、好ましくは、方向非依存性である。好ましい実施形態において、先細りシリンダの軸は下部の第1の出口730とともに垂直に方向づけられている。
【0128】
[0137] 当業界で周知の他の分離デバイスに対する図7のデバイスの利点は、具体的には、1マイクロメートル以下の範囲のサイズの変形可能な浮遊固体を有するもの、または浮遊流体の10%以内の密度を有するものを含む、広範囲の粒子特性を有するスラッジを加工できることである。好ましい実施形態において、壁724における環状空隙および細孔径は、都市の下水スラッジの浮遊を分離するために構成されている。本発明の方法の一部の実施形態において、多くのかかる分離器が、並行して、未加工原料の高い処理量の分離を達成するために使用される。
【0129】
[0138] 図7に示されている分離器700は正確な尺度に描かれていないが、さまざまな要素は互いにほぼ比例していると理解すべきである。したがって、分離器700は機械工学および設計の当業者に周知の通常の原理に従って構成されうる。
【0130】
[0139] 好ましい実施形態において、スピナー下部722の外径は約2インチであり、かつスピナー上部718の外径は約2.2インチである。スピナーケース下部714の好ましい長さは、約7インチ〜約8インチである。スピナー壁724の好ましい長さは、約4インチ〜約6インチであり、その好ましい厚さは、好ましくは、その長さに沿って一定であり、約1.5インチである。かかるスピナーとともに出口730の好ましい直径は約0.8インチであり、スピナーケース下部の外径は、好ましくは、約3インチである。次いで、スピナーケース上部の外径は、好ましくは、約4インチである。スピンドル726は中空であり、好ましくは、約0.25インチの内径を有する。スピンドル726の外径はその長さに沿って変動し、約0.5インチ〜約0.75インチでありうる。スピンドル入口732とスピンドル出口734との距離は、かかる実施形態において約6インチでありうる。環状通路712の厚さは、好ましくは、約0.05〜約0.50インチである。
【0131】
[0140] 本明細書で示された好ましい寸法は1つの説明として考えるべきであり、設計の選択および所望の処理量に従って、当業者の機械エンジニアであれば、動作効率を達成するために分離器700のさまざまな要素のサイズを拡大または縮小しうる。
【0132】
[0141] 本発明の方法を行うための全体的な装置は、好ましくは、弁、ポンプ、および温度の単純な制御器を含むコンピュータ制御システムを伴う。かかるシステムの開発は、コンピュータ処理制御工学の当業者の能力範囲内である。
【0133】
[0142] 本発明の装置は必要に応じてスケール化されうる。例えば、毎日何千トンもの廃棄物を処理するプラントが想定されうるが、平床トラックの後部で輸送され、毎日1トンの廃棄物のみ処理しうるポータブルプラントも構築されうる。
【実施例】
【0134】
[0143]実施例1:パイロットプラント
パイロットプラントが本発明の装置および方法を使用して構築されている。パイロットプラントでは毎日およそ7トンの廃棄物が処理されうる。
【0135】
[0144] パイロットプラントの一例としての用途によれば、実験原料はシチメンチョウ加工プラントの廃棄物、すなわち、羽根、骨、皮膚、血液、脂肪、内臓であった。この物質の10,044ポンドの量を装置の第1の段階、すなわち、この物質を灰褐色のスラリーへ変化させる350馬力のグラインダーへ入れた。そこから、物質は、混合物を加熱しリフォームする一連のタンクおよびパイプへ流れた。
【0136】
[0145] 2時間後、蒸熱精油の淡褐色蒸気が製造された。この方法によって製造された油はきわめて軽い。最長の炭素鎖はC20である。製造された油は、半燃料油、半ガソリンの混合物と同様である。
【0137】
[0146] 本発明の方法は、シチメンチョウの臓物など複合原料に有効な85%のエネルギーであることが証明された。これは、プラントに入る原料中すべての100B.t.u.(イギリス熱単位)で15B.t.u.のみが方法を実行するために使用されることを意味する。効率は、プラスチックなど炭素重または分子軽の未加工物質など比較的乾燥物質でより優れている。
【0138】
[0147] 第1の段階の反応器は、高さおよそ20フィート、幅およそ3フィート、および電熱コイルで厳しく絶縁され、包装されたタンクを含む。第1の段階の反応器において、原料が加熱および圧力によって加水分解される。温度および圧力は、水が熱を原料へ伝えるのを助けるため、製造するにはきわめて極端ではなく、またはエネルギー集約的ではない。通常、この方法がパイロットプラントで行われるには約15分かかるのみである。
【0139】
[0148] 有機物質が加熱され、部分的に反応器の容器で脱重合された後、第2の段階が開始する。この相において、スラリーは低い圧力に落とされる。急速減圧によりスラリーの自由水の約半分が即座に放出される。減圧による脱水は、特に熱は無駄にならないため、水の加熱および煮沸による除去よりもはるかに有効である。「フラッシングオフ」される水は、加工の開始に戻し、入ってくる加工蒸気を加熱するパイプを上がって送られる。
【0140】
[0149] 第2の段階において、鉱物は沈降し、貯蔵タンクに送られる。シチメンチョウの廃棄物において、これらの鉱物は主に骨由来である。鉱物は、カルシウムおよびリンが豊富である乾燥した褐色の粉末という結果になる。これは微量栄養素のバランスがとれているため肥料として使用されうる。具体的には、これは微量栄養素と多量栄養素の有用な範囲を有する。鉱物は健康な植物の成長および発達に必要とされるカルシウムおよびリンなどの要素の正確な量を含有する。
【0141】
[0150] パイロットプラントにおいて、残留濃縮有機物質は第3の段階の反応器へ流れ込み、上記の第3の段階の加工にかけられる。加工に由来するガスはプラントの施設内で使用され、本発明の方法を加熱した。油および炭素は有用な高価値製品として貯蔵室へ流れ込む。
【0142】
[0151] 原料と第1および第3の段階の加工時間によって、本発明の方法は他の特殊化学物質を製造しうるが、これらは加工のさまざまな部分で抽出される。例えば、シチメンチョウの臓物は、石鹸、タイヤ、塗料、および潤滑剤において使用するための脂肪酸を製造しうる。
【0143】
[0152]実施例2:動作プラント
フル規格の商業的規格の設備が、毎日200トンを超えるシチメンチョウの廃棄物を処理することが意図されて建設中である。このプラントは毎日約10トンのガスを製造するために設計されているが、このガスはシステムに戻ってシステムに動力を供給する熱を発生させる。このプラントが約21,000ガロンの水を製造するが、この水は都市の下水システムへの排出に十分にクリーンであり、病的ベクターも含まない。このプラントは、約25トンの鉱物、濃縮物、および炭素、および約500バーレルの#2暖房用油と同じ等級の高品質油も製造する。
【0144】
[0153]実施例3:例としての廃棄物の転化
表1は、本発明の方法を使用して有用物質に転化される場合の、以下の廃棄物の100lbsの各々の最終生成物、およびその割合を示す。すなわち、都市の下水廃棄物(75%の下水スラッジおよび25%の油脂トラップ廃棄物を含む)、家禽加工廃棄物(臓器、骨、血液、羽根、および脂肪を含む)、紙、および重油(精製真空残留物およびタールサンドなど)。表1の量の単位はポンドである。
【0145】
【表1】

【0146】
[0154] ウシおよびブタの加工併記物からの生産が家禽加工廃棄物からのものと同様であることは注目に値する。
【0147】
[0155]実施例4:生物由来油
生物由来油を本発明の方法を使用して広範囲の有機物質から製造されうる。かかる生物由来油の1つがシチメンチョウの臓物に由来し、C−20および短い炭素鎖成分を含み、燃料として使用される場合の粒子排出物を実質的に除去する。この油は、製油所またはミキサーに代替燃料、または可燃性燃料の混合成分として使用されうる狭い範囲の40プラス米国石油協会(API)再生可能油を提供する。この油の顕著な特性が表2に示されているが、仕様記述法はASTM(米国試験物質協会)コードによって指定されている。
【0148】
【表2】

【0149】
[0156] 表2において、パラフィン、オレフィン、ナフテン、および芳香族化合物の重量パーセントは、13個の炭素原子までを含有し、かつこれを含む分子を指す。
【0150】
[0157]実施例5:第3の段階の反応器および冷却器/凝縮器の実施形態
図8Aおよび8Bは、本発明の方法により使用するための装置の実施形態を示す。一部の要素は図6にも示されている。
【0151】
[0158] 図8Aは、本発明の方法の第3の段階により使用するための装置を示す。有機液500は貯蔵タンク812へ移動する。場合により、有機液および油は液体/液体分離器814に方向づけられ、分留液/油816の第1の部分、および分留液/油822の第2の部分、または残留物へ分けられうる。分留液/油の第1の部分は完成品貯蔵室818に方向づけられ、かつ分留液/油820として配分され、これは再利用または販売されうる。分留液/油822の第2の部分は1つもしくはそれ以上の予熱器830に方向転換される。
【0152】
[0159] 加熱されると、分留液/油822、または非分離液/油500は、好ましくは、蒸気602を伴って加熱器610に移動される。結果として生じる液体および蒸発液/油836は、オージェなどの反応器620に移動され、炭化水素の水蒸気と気体148、および炭素固体142に分離される。炭化水素の水蒸気と気体148は冷却器/凝縮器850に移動されるが、これは図8Bに記載されている。残留炭素固体844などの油蒸気と気体中の残留粒子が除去され、反応器620に戻される。
【0153】
[0160] 炭素固体142はエアロック846を通じて方向づけられ、炭素固体冷却器630へ移動され、ここでそれらは水632と混合される。水と炭素固体の結果として生じる混合物は、別のエアロック854を通じて完成品貯蔵システム650へ移動される。最終生成物の炭素固体142は、1つもしくはそれ以上の商業的用途に流通されうる。
【0154】
[0161] 図8Aに示されている装置800とともに使用するために、冷却器/凝縮器850が図8Bに示されている。冷却器/凝縮器850は多くの分離サイクルを促進し、ここで水および粒子をも含有しうる油蒸気と気体の混合物が多くの異なる分離ステップにかけられる。反応器620からの炭化水素の水蒸気と気体148は炭素粒子分離器842へ移動し、ここで残留炭素固体844などの残留固体粒子を析出し、かかる固体をもとの反応器620に方向転換させる。
【0155】
[0162] 炭素粒子分離器から出る炭化水素の水蒸気と気体は、当業者によって理解される一般原理に従って実施される水蒸気急冷システム860へ移動する。水蒸気急冷システムから、油および気体870が油/水/ガス分離器872へ移動し、これはさらに油862、廃油876、ガスおよびLPG874、および油/炭素スラリー881などのさまざまな成分を分離する。
【0156】
[0163] 油862は熱交換器864に移動し、その後に完成品貯蔵システム866へ移動し、油144として販売される。
【0157】
[0164] ガスおよび液体石油ガス(「LPG」)874は凝縮器890へ移動するが、これはLPG898を他のガス成分から析出する。ガス894は過熱器892に移動して燃料ガス146をもたらし、これはエネルギー源として1つもしくはそれ以上のデバイスに送達されうる。LPG898が以下の方法で再利用される。最初に、LPG898は液体/固体分離器884を通過し、残留炭素固体886が除去される。次いで、油/炭素スラリー881から分離された油と混合された分離LPGは油/水/ガス分離器872へ戻され、さらなる分離が行われる。ガスとLPGの混合物が分離されて凝縮されるサイクルは必要に応じて何度でも反復されうる。
【0158】
[0165] 油/固体混合物、一般的に油/炭素スラリー881は、残留炭素固体886を除去するために、油/水/ガス分離器872から液体/固体分離器884にも方向づけられうる。LPGと混合された分離油は、好ましくは、必要に応じて、さらなる方向転換のための油/水/ガス分離器に戻される。
【0159】
[0166] 油/水/ガス分離器872からの廃油876は油/水分離器878に移動され、水880は放出され、または再利用されうる。油/水分離器からの油882は、分離サイクルのさらなる反復のために元の油/水/ガス分離器に移動される。
【0160】
[0167] 前記説明は本発明のさまざまな態様を説明することが意図されている。本明細書に示された実施例が本発明の範囲を限定することは意図されていない。本発明は現在、完全に記載され、それに加えて多くの変形や変更が添付の請求項の精神または範囲を逸脱することなくなされうることが当業者には、明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】[0036]本発明による全体的な方法のフローチャートを示す図である。
【図2A】[0037]本発明の方法を実行するための装置を示す図である。
【図2B】[0038]第1の反応を実行するための装置の実施形態を示す図であって、前記装置は、糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進する1つもしくはそれ以上の試薬を受入れるように構成されている。
【図3】[0039]本発明の方法の準備および第1の段階の反応のフローチャートを示す図である。
【図4】[0040]本発明の方法の第2の分離段階のフローチャートを示す図である。
【図5】[0041]本発明の方法の第3の段階の反応のフローチャートを示す図である。
【図6】[0042]本発明の方法の第3の段階を実行するための装置を示す図である。
【図7】[0043]流体から微細浮遊固体を分離するための装置を示す図である。
【図8A】[0044]本発明による方法とともに、それぞれ、第3の段階反応器および冷却器/凝縮器の使用を示す図である。
【図8B】[0044]本発明による方法とともに、それぞれ、第3の段階反応器および冷却器/凝縮器の使用を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を少なくとも1つの有用な物質へ転化するための方法であって、前記原料が糖質およびタンパク質を含有し、
前記原料からスラリーを調製するステップと、
前記スラリーを第1の反応で反応させ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造するステップであって、前記第1の反応が、糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進する1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含むステップと、
前記少なくとも1つの反応固体生成物、前記水、および前記少なくとも1つの反応液体生成物を前記反応原料から分離するステップと、
前記少なくとも1つの反応液体生成物を第2の反応で少なくとも1つの有用な物質へ転化するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの有用な物質が炭素固体である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの有用な物質が炭化水素の混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記炭化水素の混合物が燃料ガスおよび油を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記調製するステップが前記原料からアンモニアを排除するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の反応が約20−120大気圧で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記圧力が約50大気圧である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の反応が約150℃〜約330℃の範囲の温度で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がナトリウムである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がイオウである請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がアンモニアの放出に相応しい還元条件を生じさせる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がインサイチュでHSOを生じさせる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記反応させるステップが少なくとも1つの汚染物質を排除する請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの汚染物質がイオウ含有物質である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの汚染物質が水銀含有物質である請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの汚染物質がハロゲン含有化合物である請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記反応させるステップが蒸気を排除する請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記蒸気が前記調製中に前記スラリーを加熱するように方向転換される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記分離するステップが第1の分離および第2の分離を含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの液体生成物が少なくとも1つの脂肪誘導体または脂肪酸を含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの固体生成物が少なくとも1つの鉱物化合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記転化するステップの前に、前記少なくとも1つの液体生成物の一部を方向転換させ、前記一部を少なくとも1つの特殊化学物質へ別々に転化するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの特殊化学物質が脂肪酸を含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の反応が約400℃〜約600℃の範囲の温度で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの有用な物質が病原体を含まない請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記原料が都市の下水スラッジを含む請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記原料が食品加工廃棄物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記食品加工廃棄物がシチメンチョウ臓物を含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記原料が動物糞堆肥を含む請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記原料が、シチメンチョウの臓物、フライ用油、トウモロコシの茎、もみ殻、廃棄物断片、および最終圧搾食用油より成る群から選択される食品製造および流通の1つもしくはそれ以上の副産物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記最終圧搾食用油が、カノーラ油、ダイズ油、ヤシ油、ココナッツ油、ナタネ油、綿実油、トウモロコシ油、およびオリーブ油より成る群から選択される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記原料が、紙および他の木工業製造の副産物、紙パルプ排水、および黒液より成る群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項33】
紙製造の前記副産物がセルロースまたはリグニン含有物質を含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記原料が、刈り取られた芝、木の葉、バガス、海藻、綿廃棄物、および動物廃棄物より成る群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記原料が、石油精製残留物、シェール油、およびボーリング泥水より成る群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記原料が、港湾浚渫堆積物、産業スラッジ、製粉廃棄物、石炭精錬廃棄物、およびタールサンドより成る群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記原料が、炭疽菌の胞子、感染性医療廃棄物、および生物病原体より成る群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの有用な物質が炭素質物質である請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記炭素質物質は、水銀含有汚染物質が減損している請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記炭素質物質は、イオウ含有汚染物質が減損している請求項38に記載の方法。
【請求項41】
請求項1に記載の方法によって製造される燃料油。
【請求項42】
前記燃料油が#2暖房用の油である、請求項41に記載の燃料油。
【請求項43】
重量で約22%のパラフィン、約14%のオレフィン、約3%のナフテン、約6%の芳香族化合物、および約55%のC14/C14+の組成物を有する請求項41に記載の燃料油。
【請求項44】
以下の特性、すなわち、約−10℃の曇り点、約−20℃の流動点、約40のセタン指数、および約18,800BTU/lbの熱含量を有する請求項41に記載の燃料油。
【請求項45】
炭素含有原料からスラリーを調製するステップであって、前記原料が糖質およびタンパク質を含有するステップと、
前記スラリーを第1の反応で反応させ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造するステップであって、前記第1の反応が、糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進する1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含むステップと、
前記少なくとも1つの反応固体生成物、前記水、および前記少なくとも1つの反応液体生成物を前記反応原料から分離するステップと、
前記少なくとも1つの反応液体生成物を第2の反応で燃料油へ転化するステップと
を含む方法によって製造される燃料油。
【請求項46】
原料を少なくとも1つの有用な物質へ転化するための方法であって、前記原料が糖質およびタンパク質を含有し、
前記原料からスラリーを調製するステップと、
前記スラリーを熱交換器を通過させるステップであって、1つもしくはそれ以上のガスが通気され、調整スラリーを製造するステップと、
前記調整スラリーを第1の反応で反応させるステップであって、水蒸気と気体が遊離され、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造し、前記反応固体生成物が少なくとも1つの鉱物を含み、前記第1の反応が、糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進する1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含むステップと、
前記反応原料の温度を低下させ、かつ圧力を低下させ、中間原料を製造するステップと、
前記少なくとも1つの鉱物を前記中間原料から分離し、それによって、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む混合物を製造するステップと、
前記水を貯蔵室に方向転換させるステップと、
前記少なくとも1つの反応液体生成物を第2の反応にかけるステップであって、炭素固体および炭化水素水蒸気と気体の混合物が製造されるステップと
を含む方法。
【請求項47】
原料を少なくとも1つの有用な物質へ転化するための装置であって、前記原料が糖質およびタンパク質を含有し、
前記原料から加熱スラリーを製造するための前処理ユニットと、
前記容器と連通し、前記加熱スラリーを受入れる第1の段階の反応器であって、前記加熱スラリーを第1の上昇温度および第1の上昇圧力にかけ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造するように構成され、さらに前記第1の段階の反応器が糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進する1つもしくはそれ以上の試薬を受入れるように構成された第1の段階の反応器と、
前記第1の段階の反応器と連通し、少なくとも1つの固体生成物、および水を受入れる少なくとも1つの第2の段階の分離ユニットであって、前記少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、前記水、および前記少なくとも1つの反応液体生成物を析出するように構成されたユニットと、
前記分離ユニットと連通し、前記少なくとも1つの反応液体生成物を受入れる第3の段階の反応器であって、前記少なくとも1つの反応液体生成物を第2の上昇圧力および第2の上昇温度にかけ、それによって前記少なくとも1つの反応液体生成物を少なくとも1つの有用な物質に転化するように構成された第3の段階の反応器と
を含む装置。
【請求項48】
前記前処理ユニットが、
前記原料から原料スラリーを生じさせるスラリー化デバイスを含む原料調製ユニットと、
前記原料調製ユニットと連通し、前記原料スラリーを前記原料調製ユニットから受入れる容器と、前記スラリーを加圧するように構成されたポンプと、前記スラリーを加熱し、加熱スラリーを製造するように構成された熱交換器と
を含む請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記第1の上昇圧力が約20−120大気圧である請求項47に記載の装置。
【請求項50】
前記圧力が約50大気圧である請求項47に記載の装置。
【請求項51】
前記第1の反応が約150℃〜約330℃の範囲の温度で行われる請求項47に記載の装置。
【請求項52】
前記第1の段階の反応器がさらに前記原料調製ユニットに方向転換される蒸気を排除する請求項47に記載の装置。
【請求項53】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がナトリウムである請求項47に記載の装置。
【請求項54】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がイオウである請求項47に記載の装置。
【請求項55】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がアンモニアの放出に相応しい還元条件を生じさせる請求項47に記載の装置。
【請求項56】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がインサイチュでHSOを生じさせる請求項47に記載の装置。
【請求項57】
少なくとも1つの反応液体生成物の一部を受け入れ、前記一部を少なくとも1つの特殊化学物質へ転化するためのユニットをさらに含む請求項47に記載の装置。
【請求項58】
前記第2の上昇温度が約400℃〜約600℃であり、かつ前記第2の上昇圧力が大気圧を上回る約15〜約50psiである請求項47に記載の装置。
【請求項59】
ゴム物質を含む原料を受入れるように構成された請求項47に記載の装置。
【請求項60】
前記原料が1つもしくはそれ以上のタイヤを含む請求項47に記載の装置。
【請求項61】
食品加工廃棄物を含む原料を受入れるように構成された請求項47に記載の装置。
【請求項62】
混合プラスチックを含む原料を受入れるように構成された請求項47に記載の装置。
【請求項63】
都市の下水スラッジを含む原料を受入れるように構成された請求項47に記載の装置。
【請求項64】
少なくとも1つの有用な物質のための貯蔵ユニットをさらに含む請求項47に記載の装置。
【請求項65】
前記少なくとも1つの有用な物質が炭素固体を含む請求項47に記載の装置。
【請求項66】
前記少なくとも1つの有用な物質が炭化水素の混合物を含む請求項47に記載の装置。
【請求項67】
都市の下水スラッジを少なくとも1つの有用な物質へ転化するための方法であって、前記都市の下水スラッジが糖質およびタンパク質を含有し、
前記都市の下水スラッジからスラリーを調製するステップと、
前記スラリーを第1の反応で反応させ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造するステップであって、前記第1の反応が、糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進する1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含むステップと、
前記少なくとも1つの反応固体生成物、前記水、および前記少なくとも1つの反応液体生成物を前記反応原料から分離するステップと、
前記少なくとも1つの反応液体生成物を少なくとも1つの有用な物質へ転化するステップと、
第2の反応において、前記少なくとも1つの固体生成物を炭化水素油、燃料ガス、および鉱物と炭素の混合物の混合物へ転化するステップと
を含む方法。
【請求項68】
前記第1の反応が約170℃〜約250℃の温度で行われる請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記第2の反応が約300℃〜約525℃の温度で行われる請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がナトリウムである請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がイオウである請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がアンモニアの放出に相応しい還元条件を生じさせる請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がインサイチュでHSOを生じさせる請求項67に記載の方法。
【請求項74】
シチメンチョウの臓物を少なくとも1つの有用な物質へ転化するための方法であって、前記シチメンチョウの臓物が糖質およびタンパク質を含有し、
前記シチメンチョウの臓物からスラリーを調製するステップと、
前記スラリーを第1の反応で反応させ、少なくとも1つの反応固体生成物、少なくとも1つの反応液体生成物、および水を含む反応原料を製造するステップであって、前記第1の反応が、糖質の加水分解を抑制し、かつアミンの解離を促進する1つもしくはそれ以上の試薬の添加を含むステップと、
前記少なくとも1つの反応固体生成物、前記水、および前記少なくとも1つの反応液体生成物を前記反応原料から分離するステップと、
第2の反応において、前記少なくとも1つの反応液体生成物を炭化水素油、燃料ガス、および炭素の混合物へ転化するステップと
を含む方法。
【請求項75】
前記第1の反応が約150℃〜約330℃の温度で行われる請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記第2の反応が約300℃〜約525℃の温度で行われる請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記第1の反応が約250℃で行われる請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記第1の反応が20−120の大気圧で行われる請求項74に記載の方法。
【請求項79】
前記第1の反応が約50大気圧で行われる請求項74に記載の方法。
【請求項80】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がナトリウムである請求項74に記載の方法。
【請求項81】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がイオウである請求項74に記載の方法。
【請求項82】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がアンモニアの放出に相応しい還元条件を生じさせる請求項74に記載の方法。
【請求項83】
前記1つもしくはそれ以上の試薬がインサイチュでHSOを生じさせる請求項74に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2008−514421(P2008−514421A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534737(P2007−534737)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/034880
【国際公開番号】WO2006/039354
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(505357247)エービー−シーダブリューティー,エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】