説明

有機化合物の組み合わせ

本発明はレニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩ならびに(a)インスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩;および(b)インスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩;からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を各々含む組み合わせ調製物または医薬組成物のような組み合わせに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩ならびに
(a)インスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩;および
(b)インスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩;
からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を各々含む組み合わせ調製物または医薬組成物のような組み合わせに関する。
【発明の開示】
【0002】
さらに本発明はレニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩ならびに
(a)インスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩;および
(b)インスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩;
からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を含む治療上有効量の組み合わせを、それを必要とするヒトを含む温血動物に投与することを含む、レニン活性の阻止および/またはインスリン分泌エンハンサーおよび/またはインスリン増感剤により調整される疾患または症状の予防、発症遅延または処置のための方法を提供する。
【0003】
レニン活性の阻止および/またはインスリン分泌エンハンサーおよび/またはインスリン増感剤により調整される疾患または症状には、限定するものではないが高血圧、うっ血性心不全、糖尿病、特に2型糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY)、糖尿病性網膜症、黄斑変性、糖尿病性腎症、高血圧性または非高血圧性腎症、IgA腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性ニューロパシー、メタボリック症候群、心臓性シンドロームX、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、狭心症、心筋梗塞、卒中、冠動脈および血管再狭窄、高血糖、高インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、グルコース代謝障害(IGM)、耐糖能障害(IGT)の症状、多嚢胞性卵巣症候群の女性または妊娠前糖尿病の女性におけるIGMおよび/もしくはIGTまたは炎症の亢進、空腹時血糖値障害の症状、肥満、糖尿病性網膜症、黄斑変性、白内障、足部潰瘍形成、内皮機能不全、血管コンプライアンス障害ならびに閉塞型睡眠時無呼吸が含まれる。好ましくはISHを含む高血圧、およびうっ血性心不全、メタボリック症候群、内皮機能不全、血管コンプライアンス障害、IGT、糖尿病、特に2型糖尿病、高血圧性または非高血圧性腎症、IgA腎症の処置ならびに糖尿病前症の糖尿病への進行の遅延または延長に該組み合わせを用いることができる。
【0004】
「少なくとも一つの治療薬」なる用語はレニン阻害剤に加えて、本発明にしたがって明記されるような一つまたはそれより多い、例えば二つの、さらには三つの活性成分を組み合わせることができることを意味する。
【0005】
レニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩ならびにインスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩およびインスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬の「組み合わせ」なる用語は、その構成成分を医薬組成物として、または同一の単位投薬形態の一部として一緒に投与できることを意味する。組み合わせはまたレニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩ならびにインスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩およびインスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を、各々別々にであるが、同一の治療計画の一部として投与することをも含む。別々に投与される場合、その構成成分は本質的に同時に投与される必要はないが、それが望ましい場合、同時に投与され得る。したがって組み合わせはまた、例えばレニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩ならびにインスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩およびインスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を別々の投薬または投薬形態としてであるが、同時に投与することに言及する。組み合わせはまた異なる時間および任意の順番での別々の投与を含む。
【0006】
「予防」なる用語は、本明細書に記載される症状の進行を予防するための健常患者への予防的投与を指す。さらに「予防」なる用語は処置される症状の前段階にある患者への予防的投与を意味する。
「発症遅延」なる用語は、本明細書にて使用される際には、対応する症状の前形態を有すると診断される、処置される症状の前段階にある患者への投与を指す。
「処置」なる用語は疾患、症状または障害と闘う目的のための患者の管理および介護と理解される。
【0007】
「治療上有効量」なる用語は研究者または臨床医により探求されている組織、系または動物(ヒトを含む)の望ましい生物学的または医学的応答を引き出す薬物または治療薬の量を指す。
「温血動物または患者」なる用語は本明細書では互換的に用いられ、そして限定するものではないがヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ウシ、サル、ウサギ、マウスおよび実験動物が含まれる。好ましい哺乳動物はヒトである。
「薬学的に許容される塩」なる用語は、当分野において周知の方法にしたがって調製され得る、製薬工業において一般的に使用される無毒性の塩を指す。
【0008】
本発明で定義されるような「レニン活性の阻止により調整され得る疾患または症状」とは高血圧、うっ血性心不全、糖尿病、特に2型糖尿病、糖尿病性網膜症、黄斑変性、糖尿病性腎症、高血圧性または非高血圧性腎症およびIgA腎症、糸球体硬化症、腎不全、特に慢性腎不全、糖尿病性ニューロパシー、メタボリック症候群、心臓性シンドロームX、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、狭心症、心筋梗塞、卒中、冠動脈および血管再狭窄、内皮機能不全、動脈壁の硬化等を指す。
【0009】
本発明で定義されるような「インスリン分泌エンハンサーにより調整され得る疾患または症状」とは高血糖、高インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、グルコース代謝障害、耐糖能障害(IGT)の症状、グルコース代謝障害(IGM)、多嚢胞性卵巣症候群の女性または妊娠前糖尿病の女性におけるIGMおよび/またはIGT、MODY、空腹時血糖値障害の症状、肥満、糖尿病性網膜症、黄斑変性、白内障、糖尿病性腎症、高血圧性または非高血圧性腎症およびIgA腎症、糸球体硬化症、糖尿病性ニューロパシー、勃起障害、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、高血圧、狭心症、心筋梗塞、卒中、冠動脈および血管再狭窄、足部潰瘍形成、内皮機能不全、血管コンプライアンス障害ならびに閉塞型睡眠時無呼吸を指す。
【0010】
本発明で定義されるような「インスリン増感剤により調整され得る疾患または症状」とは高血糖、高インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、グルコース代謝障害、耐糖能障害(IGT)の症状、グルコース代謝障害(IGM)、多嚢胞性卵巣症候群の女性または妊娠前糖尿病の女性におけるIGMおよび/またはIGT、MODY、空腹時血糖値障害の症状、肥満、糖尿病性網膜症、黄斑変性、白内障、糖尿病性腎症、高血圧性または非高血圧性腎症およびIgA腎症、糸球体硬化症、糖尿病性ニューロパシー、勃起障害、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、高血圧、狭心症、心筋梗塞、卒中、冠動脈および血管再狭窄、足部潰瘍形成、内皮機能不全、血管コンプライアンス障害ならびに閉塞型睡眠時無呼吸を指す。
【0011】
腎臓から放出される天然酵素レニンは循環中のアニギオテンシノーゲンを切断して、アンギオテンシンIと称されるデカペプチドを形成する。これは今度は肺、腎臓およびその他の器官においてアンギオテンシン変換酵素(ACE)により切断されてアンギオテンシンIIと称されるオクタペプチドを形成する。標的細胞の表面上での特異的受容体とのその相互作用を介して、オクタペプチドは動脈血管収縮により直接的に、および副腎からのナトリウムイオン保持ホルモンであるアルドステロンを遊離することにより細胞外液容量の増加を伴って間接的にの双方で血圧を上昇させる。例えばAT−およびAT−受容体と称される受容体サブタイプを同定することが可能になっている。レニンの酵素活性の阻害剤はアンギオテンシンIの形成の減少をもたらす。結果的により少量のアンギオテンシンIIが生成される。その活性ペプチドホルモンの濃度の低下は例えばレニン阻害剤の抗高血圧効果の直接的な原因である。したがって、レニン阻害剤またはその塩を例えば抗高血圧薬として、またはうっ血性心不全の処置のために用いることができる。
【0012】
本発明が適用されるレニン阻害剤はインビボレニン阻止活性、および、したがって例えば高血圧、うっ血性心不全、糖尿病、特に2型糖尿病、糖尿病性網膜症、黄斑変性、糖尿病性腎症、高血圧性または非高血圧性腎症およびIgA腎症、糸球体硬化症、腎不全、特に慢性腎不全、糖尿病性ニューロパシー、メタボリック症候群、心臓性シンドロームX、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、狭心症、心筋梗塞、卒中、冠動脈および血管再狭窄、内皮機能不全、動脈壁の硬化等の予防、発症遅延または処置のための治療薬として医薬的有用性を有するいずれかのものである。
【0013】
とりわけ、本発明は米国特許第5559111号および欧州特許第678503A号;第6197959号および第6376672号(その全ての内容を出典明示により本明細書の一部とする)に開示されるレニン阻害剤に関する。
【0014】
適当なレニン阻害剤には、異なる構造的特徴を有する化合物が含まれる。例えばジテキレン(化学名:[1S−[1R,2R,4R(1R,2R)]]−1−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−L−プロリル−L−フェニルアラニル−N−[2−ヒドロキシ−5−メチル−1−(2−メチルプロピル)−4−[[[2−メチル−1−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]カルボニル]ブチル]アミノ]カルボニル]ヘキシル]−N−アルファ−メチル−L−ヒスチジンアミド);テルラキレン(化学名:[R−(R,S)]−N−(4−モルホニリルカルボニル)−L−フェニルアラニル−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(1−メチルエトキシ)−3−オキソプロピル]−S−メチル−L−システインアミド);およびザンキレン(化学名:[1S−[1R[R(R)],2S,3R]]−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2,3−ジヒドロキシ−5−メチルヘキシル]−アルファ−[[2−[[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]メチル]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]−アミノ]−4−チアゾールプロパンアミド)、好ましくは各々の場合のその塩酸塩からなる群から選択される化合物に言及できる。
【0015】
本発明の好ましいレニン阻害剤には各々式(I)および(II):
【化1】

および
【化2】

のRO66−1132およびRO66−1168またはその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0016】
とりわけ本発明は式:
【化3】

(式中、
はハロゲン、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキルオキシまたはC1−6アルコキシ−C1−6アルキルであり;Rはハロゲン、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり;RおよびRは別個に分岐C3−6アルキルであり;ならびにRはシクロアルキル、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、C1−6アルカノイルオキシ−C1−6アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C1−6ジアルキルアミノ−C1−6アルキル、C1−6アルカノイルアミノ−C1−6アルキル、HO(O)C−C1−6アルキル、C1−6アルキル−O−(O)C−C1−6アルキル、HN−C(O)−C1−6アルキル、C1−6アルキル−HN−C(O)−C1−6アルキルまたは(C1−6アルキル)N−C(O)−C1−6アルキルである)
のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド誘導体またはその薬学的に許容される塩であるレニン阻害剤に関する。
【0017】
アルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよく、そして好ましくは1から6個のC原子、特に1または4個のC原子を含む。例はメチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−、i−およびt−ブチル、ペンチルならびにヘキシルである。
【0018】
ハロゲンアルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよく、そして好ましくは1から4個のC原子、特に1または2個のC原子を含む。例はフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2−クロロエチルおよび2,2,2−トリフルオロエチルである。
【0019】
アルコキシとしては、RおよびRは直鎖状または分岐していてよく、そして好ましくは1から4個のC原子を含む。例はメトキシ、エトキシ、n−およびi−プロピルオキシ、n−、i−およびt−ブチルオキシ、ペンチルオキシならびにヘキシルオキシである。
【0020】
アルコキシアルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよい。アルコキシ基は好ましくは1から4個、および特に1または2個のC原子を含み、そしてアルキル基は好ましくは1から4個のC原子を含む。例はメトキシメチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、5−メトキシペンチル、6−メトキシヘキシル、エトキシメチル、2エトキシエチル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、5−エトキシペンチル、6−エトキシヘキシル、プロピルオキシメチル、ブチルオキシメチル、2−プロピルオキシエチルおよび2−ブチルオキシエチルである。
【0021】
1−6アルコキシ−C1−6アルキルオキシとしては、Rは直鎖状または分岐していてよい。アルコキシ基は好ましくは1から4個、および特に1または2個のC原子を含み、そしてアルキルオキシ基は好ましくは1から4個のC原子を含む。例はメトキシメチルオキシ、2−メトキシエチルオキシ、3−メトキシプロピルオキシ、4−メトキシブチルオキシ、5−メトキシペンチルオキシ、6−メトキシヘキシルオキシ、エトキシメチルオキシ、2−エトキシエチルオキシ、3−エトキシプロピルオキシ、4−エトキシブチルオキシ、5−エトキシペンチルオキシ、6−エトキシヘキシルオキシ、プロピルオキシメチルオキシ、ブチルオキシメチルオキシ、2−プロピルオキシエチルオキシおよび2−ブチルオキシエチルオキシである。
【0022】
好ましい実施態様では、Rはメトキシ−またはエトキシ−C1−4アルキルオキシであり、そしてRは好ましくはメトキシまたはエトキシである。特に好ましいのは式(III)(式中、Rは3−メトキシプロピルオキシであり、そしてRはメトキシである)の化合物である。
【0023】
分岐アルキルとしては、RおよびRは好ましくは3から6個のC原子を含む。例はi−プロピル、i−およびt−ブチル、ならびにペンチルおよびヘキシルの分岐異性体である。好ましい実施態様では、RおよびRは式(III)の化合物において各々の場合でi−プロピルである。
【0024】
シクロアルキルとしては、Rは好ましくは3から8個の環炭素原子を含み、3または5個であるのが特に好ましい。いくつかの例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチルである。シクロアルキルは場合によっては一つまたはそれより多い、アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、ヘテロシクリル等のような置換基により置換されていてよい。
【0025】
アルキルとしては、Rはアルキルの形態で直鎖状または分岐していてよく、そして好ましくは1から6個のC原子を含む。アルキルの例は本明細書前記に列挙されている。メチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−、i−およびt−ブチルが好ましい。
【0026】
1−6ヒドロキシアルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよく、そして好ましくは2から6個のC原子を含む。いくつかの例は2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−、3−または4−ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチルおよびヒドロキシヘキシルである。
【0027】
1−6アルコキシ−C1−6アルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよい。アルコキシ基は好ましくは1から4個のC原子を、そしてアルキル基は好ましくは2から4個のC原子を含む。いくつかの例は2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、2−、3−または4−メトキシブチル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピルおよび2−、3−または4−エトキシブチルである。
【0028】
1−6アルカノイルオキシ−C1−6アルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよい。アルカノイルオキシ基は好ましくは1から4個のC原子を、そしてアルキル基は好ましくは2から4個のC原子を含む。いくつかの例はホルミルオキシメチル、ホルミルオキシエチル、アセチルオキシエチル、プロピオニルオキシエチルおよびブチロイルオキシエチルである。
【0029】
1−6アミノアルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよく、そして好ましくは2から4個のC原子を含む。いくつかの例は2−アミノエチル、2−または3−アミノプロピルおよび2−、3−または4−アミノブチルである。
【0030】
1−6アルキルアミノ−C1−6アルキルおよびC1−6ジアルキルアミノ−C1−6アルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよい。アルキルアミノ基は好ましくはC1−4アルキル基を含み、そしてアルキル基は好ましくは2から4個のC原子を有する。いくつかの例は2−メチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル、2−エチルアミノエチル、2−エチルアミノエチル、3−メチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチルおよび4−ジメチルアミノブチルである。
【0031】
HO(O)C−C1−6アルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよく、そしてアルキル基は好ましくは2から4個のC原子を含む。いくつかの例はカルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピルおよびカルボキシブチルである。
【0032】
1−6アルキル−O−(O)C−C1−6アルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよく、そしてアルキル基は好ましくは互いに別個に1から4個のC原子を含む。いくつかの例はメトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエチル、3−メトキシカルボニルプロピル、4−メトキシ−カルボニルブチル、エトキシカルボニルメチル、2−エトキシカルボニルエチル、3−エトキシカルボニルプロピルおよび4−エトキシカルボニルブチルである。
【0033】
N−C(O)−C1−6アルキルとしては、Rは直鎖状または分岐していてよく、そしてアルキル基は好ましくは2から6個のC原子を含む。いくつかの例はカルバミドメチル、2−カルバミドエチル、2−カルバミド−2,2−ジメチルエチル、2−または3−カルバミドプロピル、2−、3−または4−カルバミドブチル、3−カルバミド−2−メチルプロピル、3−カルバミド−1,2−ジメチルプロピル、3−カルバミド−3−エチルプロピル、3−カルバミド−2,2−ジメチルプロピル、2−、3−、4−または5−カルバミドペンチル、4−カルバミド−3,3−または−2,2−ジメチルブチルである。好ましくはRは2−カルバミド−2,2−ジメチルエチルである。
【0034】
したがって式:
【化4】

(式中、
は3−メトキシプロピルオキシであり;Rはメトキシであり;そしてRおよびRはイソプロピルである)
を有する式(III)のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド誘導体;またはその薬学的に許容される塩(化学的には2(S),4(S),5(S),7(S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)フェニル]−オクタンアミドとして定義され、アリスキレンとしても公知である)が好ましい。
【0035】
「アリスキレン」なる用語は、特記しない場合、その遊離塩基および塩の双方、特にその薬学的に許容される塩、最も好ましくはそのヘミフマル酸塩として理解される。
【0036】
インスリン分泌エンハンサーは膵臓β細胞からのインスリンの分泌を促進する特性を有する活性成分である。本発明の目的のためのインスリン分泌エンハンサーの例は、グルコキナーゼに活性化効果を及ぼす化合物であるグルコキナーゼアクチベーター(GKA)である。
【0037】
肝臓および膵臓β細胞に存在するグルコースリン酸化酵素のうち、グルコキナーゼ(GK)が最も重要なものの一つである。それは血糖恒常性の調節において重要な役割を果たす。β細胞ではこのヘキソキナーゼはグルコース刺激によるインスリン分泌に寄与すると考えられ、そして肝臓ではグルコースの取り込みおよびグリコーゲン合成において重要な役割を果たす。
【0038】
GKA1およびGKA2はGKを直接活性化する。それらは化学的に異なり、そしてマイクロモル濃度以下の範囲で効力(EC50)を有する。GKA1およびGKA2は各々GKのグルコースに関する親和性を4倍および11倍まで高める。この作用は原理的にはインスリン分泌強化活性に寄与する。
【0039】
GK上のアロステリック部位へのGKAの結合は構造のわずかな変化を招くことが知られており、それは閉鎖形態のGKに安定化効果を及ぼすと考えられる。この変化は変異活性化に幾分類似するようである。GKAのGKとの共結晶化により、これらの化合物がGKのアロステリックポケットに結合することが示される。この結合アロステリックポケットはGKにのみ存在し、そしてその他のヘキソキナーゼには存在しないため、GKA活性化はGKに限定される。
【0040】
本発明の目的のためのGKAには、限定するものではないが、式(V)の6−[(3−イソブトキシ−5−イソプロポキシベンゾイル)アミノ]ニコチン酸(GKA1)、式(VI)の5−({3−イソプロポキシ−5−[2−(3−チエニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボン酸(GKA2)、式(VII)の2−(S)−シクロヘキシル−1−(R)−(4−メタンスルホニル−フェニル)−シクロプロパンカルボン酸チアゾール−2−イルアミド(LY2121260)および式(VIII)のRO−28−1675:
【化5】

【化6】

【化7】

および
【化8】

の各々またはその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0041】
LY2121260はグルコースに対するGKの親和性を変化させ、そしてグルコースリン酸化反応の速度を有意に上昇させることが知られている。GKA1およびGKA2の場合のように、この化合物のGK活性化効果はGKだけに及ぼされ、そしてその他のヒトヘキソキナーゼには及ぼされない。RO−28−1675はR鏡像異性体であり、そしてヒト組換えGKの酵素活性を有意に上昇させることが知られている。ヒトグルコキナーゼ調節タンパク質の阻止作用を逆転させることも示されている。
【0042】
とりわけ本発明は式:
【化9】

(i)〔式中、Qは
【化10】

ラジカルであり、ここでRおよびRは別個に水素またはハロゲンであるか;または
Qは
【化11】

ラジカルであり、ここでRは水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アシル、スルホニル、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、スルホンアミドまたはアルコキシカルボニルであり;YはCHまたは窒素であり;そして
Rは式:
【化12】

(式中、
はC2−4アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC5−7ヘテロシクロアルキルであり;
およびRは別個に水素、ハロゲン、シアノ、R、−C(O)Rまたは−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数であり;
nは0または1もしくは2の整数である)
のラジカルである〕
の化合物もしくはその光学異性体;もしくはその薬学的に許容される塩;または
(ii)〔式中、Qは
【化13】

ラジカルであり、ここでRは水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アシル、スルホニル、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、スルホンアミドまたはアルコキシカルボニルであり;そして
Rは式:
【化14】

(式中、
はC2−4アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC5−7ヘテロシクロアルキルであり;
およびRは別個に水素、ハロゲン、シアノ、R、−C(O)Rまたは−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数であり;
nは0または1もしくは2の整数である)
のラジカルである〕
の化合物もしくはその光学異性体;もしくはその薬学的に許容される塩;または
(iii)〔式中、Qは
【化15】

ラジカルであり、ここでRは水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アシル、スルホニル、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、スルホンアミドまたはアルコキシカルボニルであり;そして
Rは式:
【化16】

(式中、
はC2−4アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC5−7ヘテロシクロアルキルであり;
およびRは別個に水素、ハロゲン、シアノ、R、−C(O)Rまたは−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数であり;
nは0または1もしくは2の整数である)
のラジカルである〕
の化合物もしくはその光学異性体;もしくはその薬学的に許容される塩;または
(iv)〔式中、Qは
【化17】

ラジカルであり、ここでRおよびRは別個に水素またはハロゲンであり;そして
Rは式:
【化18】

(式中、
はC2−4アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC5−7ヘテロシクロアルキルであり;
12およびR13は別個に水素、ハロゲン、シアノ、R14、−C(O)R14または−S(O)14であり、ここで
14は−(CR−W−R15であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
15はシクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR15およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数であり;
nは0または1もしくは2の整数である)
のラジカルである〕
の化合物もしくはその光学異性体;もしくはその薬学的に許容される塩のGKAに関する。
【0043】
一つの実施態様では、式(IX)の化合物は式:
【化19】

(式中、
およびRは別個に水素またはハロゲンであり;
はC2−4アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC5−7ヘテロシクロアルキルであり;
およびRは別個に水素、ハロゲン、シアノ、R、−C(O)Rまたは−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数であり;
nは0または1もしくは2の整数である)
またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0044】
好ましいのは式(IXa)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
【0045】
その他の好ましい化合物は式(IXa)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0であり;
は水素またはハロゲンであり;
は−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキル、好ましくは水素であり;
最も好ましくはWは単結合であり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
【0046】
別の実施態様では、式(IX)の化合物は式:
【化20】

(式中、
は水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アシル、スルホニル、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、スルホンアミドまたはアルコキシカルボニルであり;
はC2−4アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC5−7ヘテロシクロアルキルであり;
およびRは別個に水素、ハロゲン、シアノ、R、−C(O)Rまたは−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここでR11は水素または低級アルキルであり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数であり;
YはCHまたは窒素であり;
nは0または1もしくは2の整数である)
またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0047】
好ましいのは式(IXb)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
【0048】
その他の好ましい化合物は式(IXb)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0であり;
は水素またはハロゲン、好ましくは水素であり;
は−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
最も好ましくはWは単結合であり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
【0049】
さらに別の実施態様では、式(IX)の化合物は式:
【化21】

(式中、
は水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アシル、スルホニル、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、スルホンアミドまたはアルコキシカルボニルであり;
はC2−4アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC5−7ヘテロシクロアルキルであり;
およびRは別個に水素、ハロゲン、シアノ、R、−C(O)Rまたは−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数であり;
nは0または1もしくは2の整数である)
またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0050】
好ましいのは式(IXc)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
【0051】
その他の好ましい化合物は式(IXc)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0であり;
は水素またはハロゲン、好ましくは水素であり;
は−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
最も好ましくはWは単結合であり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
その他の好ましい化合物はRが水素またはアルコキシである前記したような式(IXc)の化合物である。
【0052】
さらに別の実施態様では、式(IX)の化合物は式:
【化22】

(式中、
は水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アシル、スルホニル、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、スルホンアミドまたはアルコキシカルボニルであり;
はC2−4アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC5−7ヘテロシクロアルキルであり;
およびRは別個に水素、ハロゲン、シアノ、R、−C(O)Rまたは−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数であり;
nは0または1もしくは2の整数である)
またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0053】
好ましいのは式(IXd)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
【0054】
その他の好ましい化合物は式(IXd)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0であり;
は水素またはハロゲン、最も好ましくは水素であり;
は−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
最も好ましくはWは単結合であり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
【0055】
さらに別の実施態様では、式(IX)の化合物は式:
【化23】

(式中、
およびRは別個に水素またはハロゲンであり;
はC2−4アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC5−7ヘテロシクロアルキルであり;
12およびR13は別個に水素、ハロゲン、シアノ、R14、−C(O)R14または−S(O)14であり、ここで
14は−(CR−W−R15であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
15はシクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR15およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数であり;
nは0または1もしくは2の整数である)
またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0056】
好ましいのは式(IXe)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
【0057】
その他の好ましい化合物は式(IXe)
(式中、
はシクロペンチルであり;
nは0であり;
は水素またはハロゲン、好ましくは水素であり;
は−S(O)であり、ここで
は−(CR−W−R10であり、ここで
およびRは別個に水素または低級アルキルであり;
Wは単結合、O、Sまたは−NR11であり、ここで
11は水素または低級アルキルであり;
最も好ましくはWは単結合であり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;またはR10およびR11は組み合わされて、それらが結合する窒素原子と一緒に5から7員環を形成するアルキレンであり;
mは0または1から5までの整数である)
の化合物またはその光学異性体;またはその薬学的に許容される塩である。
【0058】
前記の化合物を調製する方法は2004年6月17日公開の第WO2004050645号(その全てを出典明示により本明細書の一部とする)に開示されている。
インスリン増感剤は、インスリン感受性を高め、そしてインスリンシグナリング構成成分を増加させる特性を有する活性成分である。
【0059】
本発明の目的のためのインスリン増感剤には、限定するものではないがステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1(SCD−1)の阻害剤、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1および2(DGAT1およびDGAT2)の阻害剤ならびにホスホチロシンホスファターゼ(PTPアーゼ)阻害剤が含まれる。
【0060】
ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)は飽和脂肪酸からの一価不飽和脂肪酸の生合成において最も重要な工程の触媒に寄与する小胞体酵素である。この酵素のための好ましい基質はパルミトイル−およびステアロイル−CoAであり、それは各々パルミトレオイル−およびオレオイル−CoAに変換され、後者は脂質、リン脂質、トリグリセリド、コレステリルエステル、ワックスエステルおよびアルキルジアシルグリセロールにおいて最も豊富な一価不飽和脂肪酸である。加えて一価不飽和脂肪酸はまたシグナル伝達、細胞分化およびアポトーシスのメディエーターとしても作用することができる。したがってSCDを介するこれらの脂肪酸の合成の調節はインスリンシグナリングに関与するものを含む広範な代謝経路に影響を及ぼす。
【0061】
SCD1遺伝子を標的破壊されたマウスは野生型マウスに比較して空腹時血漿インスリンレベルは低いが、耐糖能は改善されていることを証明することが示されている。
【0062】
SCD−1の阻害剤には、限定するものではないが、レプチン、SCD特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド阻害剤ならびに、限定するものではないが、第WO2005011653号、請求項10から35にて定義されるような式(Ia)の化合物;第WO2005011654号、請求項10および11にて定義されるような式(IIa)の化合物;第WO2005011654号、請求項14から23にて定義されるような式(IIb)の化合物;第WO2005011654号、請求項26から32にて定義されるような式(III)の化合物、第WO2005011654号、請求項35から41にて定義されるような式(IV)の化合物;第WO2005011654号、請求項44から50にて定義されるような式(V)の化合物;第WO2005011654号、請求項53および54にて定義されるような式(VIa)の化合物;第WO2005011654号、請求項57から69にて定義されるような式(VIb)の化合物;第WO2005011655号、請求項10から23にて定義されるような式(II)の化合物;第WO2005011655号、請求項26から64にて定義されるような式(III)の化合物;第WO2005011655号、請求項67から80にて定義されるような式(IV)の化合物;第WO2005011655号、請求項83から86にて定義されるような式(Va)の化合物;第WO2005011655号、請求項89にて定義されるような式(Ia)の化合物;第WO2005011656号、請求項10から15にて定義されるような式(IIa)の化合物;第WO2005011656号、請求項18から26にて定義されるような式(IIb)の化合物;第WO2005011656号、請求項29から34にて定義されるような式(III)の化合物;第WO2005011656号、請求項37から48にて定義されるような式(IV)の化合物;第WO2005011656号、請求項51から58にて定義されるような式(V)の化合物;第WO2005011656号、請求項61から68にて定義されるような式(Ia)の化合物;第WO2005011657号、請求項10から26にて定義されるような式(II)の化合物;第WO2005011657号、請求項29から35にて定義されるような式(III)の化合物;第WO2005011657号、請求項38から43にて定義されるような式(IV)の化合物;ならびに第WO2005011657号、請求項46から49にて定義されるような式(Ia)の化合物(各々の場合の請求項、実施例における最終生成物および同一物を作成する方法、ならびにその医薬製剤を出典明示により本明細書の一部とする)を含むSCD−1特異的阻害剤が含まれる。好ましいのは第WO2005011655号に開示される化合物である。
【0063】
SCD−1特異的阻害剤の具体例は:
1−ペンチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−ベンジル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(4−フルオロフェニル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(2−フルオロフェニル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−[3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−フェネチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(4−フルオロベンジル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(3,4−ジクロロベンジル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(2−フェニルシクロプロピル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−シクロペンチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(3−シクロプロピルプロピル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−シクロプロピルメチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(2−シクロプロピルエチル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(2−シクロプロピルエチル)−3−{6−[4−(2−フルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
【0064】
1−(2−シクロプロピルエチル)−3−{6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−シクロヘキシル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(2−シクロプロピルエチル)−3−{6−[4−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
1−(3−シクロプロピルプロピル)−3−{6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ウレア;
4−フェニル−N−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ブチルアミド;
4−メチルペンタン酸{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}アミド;
3−シクロペンチル−N−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}プロピオンアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸フェネチルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(4−メトキシフェニル)エチル]アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(3−フルオロフェニル)エチル]アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−フェニルプロピル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(4−フルオロフェニル)エチル]アミド;
4−メチル−2−({6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニル}アミノ)ペンタン酸メチルエステル;
【0065】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)アミド;
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)アミド;
6−[4−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)アミド;
4−メチル−2−({6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニル}アミノ)ペンタン酸;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸シクロプロピルメチルアミド;
4−(4−メトキシフェニル)−N−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ブチルアミド;
3−(4−フルオロフェニル)−N−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}プロピオンアミド;
4−シクロヘキシル−N−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}ブチルアミド;
2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボン酸{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}アミド;
シクロプロパンカルボン酸{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}アミド;
1−トリフルオロメチルシクロプロパンカルボン酸{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}アミド;
2−フェニルシクロプロパンカルボン酸{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸インダン−1−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−オキソ−1,3−ジアザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキシ−3−エン−4−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)アミド;
【0066】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸インダン−5−イルアミド;
5−[1,2]ジチオラン−3−イル−ペンタン酸{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−チオフェン−2−イル−エチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−エチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,2−ジフルオロ−2−ピリジン−2−イルエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−ピリジン−2−イルエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(ピリジン−2−イル−メチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−クロロピリジン−2−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(7H−プリン−6−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ピラジン−2−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルイソキサゾール−5−イル)アミド;
【0067】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−メチルイソキサゾール−3−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(1H−ピラゾール−3−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ピリミジン−2−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ピラジン−2−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−メチルピリミジン−2−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸チアゾール−2−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ピリジン−2−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ピリダジン−3−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ピリジン−3−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ピリジン−4−イルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−フルオロピリジン−2−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−シアノピリジン−2−イル)アミド;
【0068】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−クロロピリジン−4−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(1H−インドール−6−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(1H−インドール−4−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(1H−インダゾール−5−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(1H−インダゾール−6−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−メチルチアゾール−2−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−メチルチアゾール−2−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(6−メチルピリダジン−3−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(6−メトキシピリダジン−3−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(6−クロロピリダジン−3−イル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−クロロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−カルバモイル−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−カルバモイル−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸m−トリルアミド;
【0069】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸p−トリルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸o−トリルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−プロピルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−プロピルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−イソプロピルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−イソプロピルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−クロロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シアノ−3−フルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,4−ジメチル−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,5−ジメチル−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,6−ジメチル−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,3−ジメチル−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3,5−ジメチル−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3,4−ジメチル−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−エチルフェニル)アミド;
【0070】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−エチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−フルオロ−2−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−フルオロ−4−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−フルオロ−2−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−フルオロ−5−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−フルオロ−5−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−フルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−フルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−フルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル−ピリダジン−3−カルボン酸(2,4−ジフルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,5−ジフルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3,4−ジフルオロ−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,3−ジフルオロ−フェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,6−ジフルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−シアノフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シアノフェニル)アミド;
【0071】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−シアノフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−クロロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−クロロ−2−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−クロロ−3−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,5−ジクロロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−クロロ−5−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−クロロ−6−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−クロロ−2−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−クロロ−3−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−クロロ−4−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−クロロ−4−メチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−クロロ−5−フルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−クロロ−2−フルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,5−ジフルオロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,6−ジクロロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−トリフルオロメチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−トリフルオロメチルフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチルフェニル)アミド;
【0072】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸フェニルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(5−クロロ−2−メトキシフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,5−ジメトキシフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−クロロ−4−メトキシフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−メトキシフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−メトキシフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メトキシフェニル)アミド;
4−({6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニル}アミノ)−安息香酸メチルエステル;
4−({6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニル}アミノ)−安息香酸;
2−({6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニル}アミノ)−安息香酸メチルエステル;
2−({6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニル}アミノ)−安息香酸;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3,4−ジクロロフェニル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(2,4−フルオロフェニル)エチル]アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(2−フルオロフェニル)エチル]アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(4−クロロフェニル)エチル]アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(3−クロロフェニル)エチル]アミド;
【0073】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−フェニルプロピル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−ビフェニル−4−イルエチル)アミド;
(R)−6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミド;
(S)−6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミド;
酢酸1−フェニル−2−({6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニル}アミノ)エチルエステル;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[3−(4−フルオロフェニル)プロピル]アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−ヒドロキシブチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−ヒドロキシ−4,4−ジメチルペンチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)アミド;
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)アミド;
6−[4−(2−ニトロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)アミド;
6−[4−(2−クロロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)アミド;
6−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)アミド;
6−[4−(2−アミノベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)アミド;
【0074】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3,3−ジメチルブチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ペンチルアミド;
4−({6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニル}アミノ)酪酸エチルエステル;
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ペンチルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−メチルペンチル)アミド;
6−[4−(2−フルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)アミド;
6−[4−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−オキソ−2−フェニルエチル)アミド;
酢酸1,1−ジメチル−3−({6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニル}アミノ)プロピルエステル;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−フェノキシエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ヘキシルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−メチルペンチル)アミド;
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−メチルペンチル)アミド;
6−[2,5−ジメチル−4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ペンチルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ヘプチルアミド;
6−[4−(2−スルファモイルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチルブチル)−アミド;
6−[4−(5−クロロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ヘキシルアミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピル−2−オキソエチル)アミド;
4−トリフルオロメチル−6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−メチル−ブチル)アミド;
【0075】
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸ペンチル−4−エニルアミド;
6−(4−ベンゾイルピペラジン−1−イル)−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−クロロ−5−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(5−クロロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,5−ビス−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,4−ビス−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,5−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−シクロプロピルプロピル)アミド;
6−[4−(2−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(3−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−シクロプロピルプロピル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−メチルシクロプロピルメチル)アミド;
6−[4−(5−フルオロ−2−メトキシベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−ジメチルアミノベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−クロロ−5−ジメチルアミノベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,5−ジメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
【0076】
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸シクロブチルメチルアミド;
酢酸2−{4−[6−(2−シクロプロピルエチルカルバモイル)−ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボニル}フェニルエステル;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−フェニルシクロプロピルメチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−シクロプロピルプロピル)アミド;
6−[4−(2−シアノベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−{4−[2−(2−トリフルオロメチルフェニル)アセチル]−ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(5−クロロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−シクロプロピルプロピル)アミド;
6−[3,5−ジメチル−4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
2−{4−[6−(2−シクロプロピルエチルカルバモイル)ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボニル}安息香酸メチルエステル;
6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロブチルエチル)アミド;
2−{4−[6−(2−シクロプロピル−エチルカルバモイル)−ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボニル}−安息香酸;
6−[4−(5−クロロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロブチルエチル)アミド;
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロブチルエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(3−シクロブチル−プロピル)アミド;
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
【0077】
6−[4−(2−トリフルオロメチル−チオベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(4−シクロプロピルブチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2,2−ジメチル−シクロプロピルメチル)アミド;
6−[4−(ピリジン−2−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリミジン−5−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(5−メチル−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−シクロピリジン−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−メチル−5−トリフルオロメチルオキサゾール−4−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,6−ジクロロピリジン−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(ピロリジン−1−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(テトラヒドロフラン−2−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−{4−[2−(2−トリフルオロメチルフェニル)アセチル]ピペラジン−1−イル}−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
4−[6−(3−メチルブチルカルバモイル)ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
4−[6−(2−シクロプロピルエチルカルバモイル)ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
6−[4−(4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルブチリル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
【0078】
6−[4−(4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチリル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
および6−[4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(1−ヒドロキシシクロプロパンカルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−(4−シクロブタンカルボニルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−トリフルオロメチルシクロプロパンカルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−(4−シクロヘキサンカルボニルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−メチルシクロヘキサンカルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(3−メチルシクロヘキサンカルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(4−メチルシクロヘキサンカルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−メチルシクロプロパンカルボニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボニル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2−エチルブチリル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−2−トリフルオロメチルプロピオニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,2−ジメチルブチリル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(2,2−ジメチルペンタノイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;
6−[4−(4,4,4−トリフルオロブタ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピルエチル)アミド;ならびに
6−[4−(4,4,4−トリフルオロ−3−トリフルオロメチルブタ−2−エノイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボン酸(2−シクロプロピル−エチル)アミド;
またはその薬学的に許容される塩である。
【0079】
DGATは、トリグリセリドを合成するためにアシルCoAを用いる二つの生物学的経路におけるトリグリセリド合成において重大な意味を持つ触媒である。酵素の二つの異なる遺伝子クラスDGAT1およびDGAT2はクローニングに基づいて同定されている。マウスにおけるDGAT阻止の薬理学的効果には:インスリン感受性の上昇、レプチン感受性の上昇および食事に誘起される肥満に対する抵抗が含まれる。
【0080】
本発明の目的のためのDGAT阻害剤には、限定するものではないが第WO2005044250号、第WO2005013907号、第WO2004094618号および第WO2004047755号(各々の場合の請求項、実施例における最終生成物および同一物を作成する方法、ならびにその医薬製剤を出典明示により本明細書の一部とする)にて定義されるような化合物が含まれる。
【0081】
タンパク質チロシンキナーゼと共にタンパク質チロシンホスファターゼ(PTPアーゼ)はインスリンシグナル伝達の重要なレギュレーターであることが知られている。タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)はインスリン受容体(IR)およびインスリン受容体基質のインスリンリン酸化を阻止することが示されている。PTP−1B発現欠損マウスは高脂肪食時のインスリン感受性上昇および脂肪過多症の減少および体重増加抵抗を示す。肥満マウス(ob/ob)のPTP−1Bアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO、ISIS−113715)での処置はPTP−1B mRNAおよびタンパク質発現の低下を導き、続いてインスリン感受性の改善およびグルコースレベルの正常化に至ることが示される。バナジウム複合体はまたPTP−1Bを含む多くのPTPアーゼを阻止し、そして糖尿病のげっ歯類モデルおよび糖尿病患者の双方においてインスリン感受性を高めることも示されている。式(X)で示される二つのバナジウム複合体、BMOVおよびBEOVは密接な関連類似体であり、驚くべきことに糖尿病の処置において有望性が示されている。Carol L. Winter et al.(Exp. Biol. & Med 230:207−216(2005))はZDFラットにおいてBMOV処置でのPTPアーゼ阻止の結果、膵臓β細胞機能および構造における改善を伴って糖尿病の進行を予防することを証明している:
【化24】

【0082】
さらに本発明の目的のためのPTPアーゼ阻害剤には、限定するものではないが第WO2005035551号、第WO2004050646号、第WO2004062664号および第WO2004041799号(各々の場合の請求項、実施例における最終生成物および同一物を作成する方法、ならびにその医薬製剤を出典明示により本明細書の一部とする)にて定義されるような化合物が含まれる。
【0083】
好ましいのは式:
【化25】

(式中、
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アルキニル、アルキルチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシもしくはヘテロアリールオキシであるが、ただしLが−(CHR)−(sは0である)である場合、Rは2位に位置するか;または
は所望により置換されていてよいアルキル、アルケニル、所望により置換されていてよいアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオもしくはシクロアルキルであるが、ただし
(i)Rは2位に位置し、そしてLは−(CHR)−(sは0である)である;
(ii)XおよびYは各々CHである;および
(iii)Qは酸素である;
の場合、メチレンもしくはエチレン架橋窒素含有複素環でパラ位で置換されている単環式アリール基はRの一部を構成しないか;または
C−Rを窒素もしくはN→Oと置き換えることができるか;または
およびRが結合する炭素原子と一緒に組み合わされたRおよびRは、所望により置換されていてよい融合5から6員芳香環もしくはヘテロ芳香環を形成するが、ただしRおよびRは互いに隣接する炭素原子に結合するか;または
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、所望により置換されていてよいアミノ、所望により置換されていてよいアルキル、アルキルチオ、アラルキル、ヘテロアラルキル、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、アラルキルチオ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールチオもしくはシクロアルキルであるか;または
【0084】
は−C(O)Rであり、ここで
はヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;または
は−NRであり、ここでRおよびRは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルもしくはヘテロアラルキルであり;
は単結合であるか;または
はRと一緒に組み合わされた炭素であり、そしてLおよびRが結合する炭素原子は所望により置換されていてよい融合5から6員芳香環もしくはヘテロ芳香環を形成するが、ただしLおよびRは互いに隣接する炭素原子に結合するか;または
はRと一緒になるCHもしくは窒素であり、そしてLおよびRが結合する炭素原子は融合5から7員環を形成し、それは酸素、窒素および硫黄から選択される1もしくは2個のヘテロ原子により割り込まれ得るが、ただしLおよびRは互いに隣接する炭素原子に結合するか;または
はCH、酸素、硫黄もしくは窒素であり、そしてLはLと一緒に組み合わされた炭素であり、RならびにLおよびRが結合する炭素原子は所望により置換されていてよい融合5もしくは6員芳香環もしくはヘテロ芳香環を形成するが、ただしLおよびRは互いに隣接する炭素原子に結合するか;または
は−CH−、酸素、硫黄もしくは−NR−であり、そしてLはLと一緒になるCHであり、RならびにLおよびRが結合する炭素原子は融合5から7員環を形成し、それは酸素、窒素および硫黄から選択される1もしくは2個のヘテロ原子により割り込まれ得て;
【0085】
ここで
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、スルホニルまたはアシルであるが、ただしLおよびRは互いに隣接する炭素原子に結合し;
は−(CHR−であり、ここで
は水素、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
nは0または1から4までの整数であり;
Zは−(CHR−、−(CHO(CHR−、−(CHS(CHR−または−(CHNR(CHR−であり、ここで
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルであり;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、カルバモイル、スルホニル、アシルまたはアシルアミノであり;
mおよびrは別個に0または1もしくは2の整数である;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるが、ただし
(i)
およびRは水素であり;
XおよびYは各々CHであり;
は4位に位置する単結合であり;
は−(CHR−(ここでnは0である)であり;
は−(CHR)s−(ここでsは0である)であり;
Zは−(CHO(CHR−(ここでRは水素であり、mは0であり、そしてrは2である)であり;そして
は酸素である場合、
は2−フェニルオキサゾール−4−イルではないか;または
(ii)
およびRは水素であり;
XおよびYは各々CHであり;
は単結合であり;
は−(CHR−(ここでnは0である)であり;
は−(CHR)−(ここでRは水素であり、そしてsは1である)であり;
Zは−(CHR−(ここでmは0である)であり;そして
は酸素である場合、
は水素でないか;または
は−C(O)NR4a5a、−C(O)R10、−C(O)OR10もしくは−S(O)10であり、ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりであり;R10は所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルもしくはヘテロアラルキルであり;qは1もしくは2の整数であるか;または
【0086】
は式:
【化26】

(式中、
はアリール、ヘテロアリール、アラルキルもしくはヘテロアラルキルであるか;または
は−C(O)R3a(ここでR3aはヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;またはR3aは−NR4a5aであり、ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりである)であり;
11は水素、アルキルまたはアリールであり;
は−C(O)−、−S(O)−または−(CH−(ここでrはZに関して定義されたとおりである)であり;
はヒドロキシ、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルキルもしくはシクロアルキルであるか;または
は−R4a5a(ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりである)であるが、ただし
(i)Lは−(CHR−(ここでnは1または2の整数である)であり;そして
(ii)Zは−(CHR−(ここでmは0である)である)
のラジカルであるか;または
【0087】
は式:
【化27】

(式中、
は−C(O)R3a(ここでR3aはヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;またはR3aは−NR4a5aであり、ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりである)であり;
11は水素、アルキルまたはアリールであり;
は−(CH−(ここでpは0または1である)であり;
は−NR4bC(O)R5b、−NR4bC(O)OR5b、−NR4bC(O)NR4c5bまたは−NR4bS(O)5b(ここでR4bおよびR4cはRに関して定義されたとおりであり、そしてR5bはRに関して定義されたとおりの意味を有する)であるが、ただし
(i)Lは−(CHR−(ここでnは1または2の整数である)であり;そして
(ii)Zは−(CHR−(ここでmは0である)である)
のラジカルであるか;または
【0088】
は式:
【化28】

(式中、
は−C(O)R3a(ここでR3aはヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;またはR3aは−NR4a5aであり、ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりである)であり;
11は水素、アルキルまたはアリールであり;
は−(CH−(ここでpは0または1である)であり;
は−NHC(O)CHR4bNHC(O)R12(ここでR4bはRに関して定義されたとおりであり;R12は水素、アリール、ヘテロシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、所望により置換されていてよいアルキル、アルコキシもしくはシクロアルキルであるか;またはR12は−NR4c5bであり、ここでR4cおよびR5bはRおよびRに関して定義されたとおりである)であるが、ただし
(i)Lは−(CHR−(ここでnは1または2の整数である)であり;そして
(ii)Zは−(CHR−(ここでmは0である)である)
のラジカルであり;
は−(CHR)−であり、ここで
Rは水素、カルボキシ、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
sは0または1から3までの整数であり
は酸素、硫黄またはNR13であり、ここで
13は水素、ヒドロキシまたは低級アルキルであり;
XおよびYは別個にCHもしくは窒素であるか;または
−X=Y−は硫黄、酸素もしくは−NR14−であり、ここで
14は水素、所望により置換されていてよいアルキル、アルコキシカルボニル、アシル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、カルバモイルまたはスルホニルである)
のPTPアーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0089】
好ましいのは
は酸素であり;
XおよびYは各々CHであるか;または
−X=Y−は硫黄である;
式(XI)の化合物である。
【0090】
さらに好ましいのは式:
【化29】

(式中、
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメチル、アルキルチオ、ヘテロアラルキルもしくはヘテロアラルコキシであるが、ただしLが−(CHR)s−(ここでsは0である)である場合、Rは2位に位置するか;または
は所望により置換されていてよいアルキル、アラルキル、アラルコキシもしくはアリールオキシであるが、ただし
(i)Rは2位に位置し、そしてLは−(CHR)−(ここでsは0である)である;および
(ii)XおよびYは各々CHである;
の場合、メチレンもしくはエチレン架橋窒素含有複素環でパラ位で置換されている単環式アリール基はRの一部を構成しない;
は水素であるか;または
は−C(O)Rであり、ここで
はヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;または
は−NRであり、ここでRおよびRは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルもしくはヘテロアラルキルであり;
は単結合であるか;または
はRと一緒に組み合わされた炭素であり、そしてLおよびRが結合する炭素原子は所望により置換されていてよい融合5もしくは6員芳香環もしくはヘテロ芳香環を形成するが、ただしLおよびRは互いに隣接する炭素原子に結合するか;または
はRと一緒になるCHもしくは窒素であり、そしてLおよびRが結合する炭素原子は融合5から7員環を形成し、それは酸素、窒素および硫黄から選択される1もしくは2個のヘテロ原子により割り込まれ得るが、ただしLおよびRは互いに隣接する炭素原子に結合するか;または
はCH、酸素、硫黄もしくは窒素であり、そしてLはLと一緒に組み合わされた炭素であり、RならびにLおよびRが結合する炭素原子は所望により置換されていてよい融合5もしくは6員芳香環もしくはヘテロ芳香環を形成するが、ただしLおよびRは互いに隣接する炭素原子に結合するか;または
は−CH−、酸素、硫黄もしくは−NR−であり、そしてLはLと一緒になるCHであり、RならびにLおよびRが結合する炭素原子は融合5から7員環を形成し、それは酸素、窒素および硫黄から選択される1もしくは2個のヘテロ原子により割り込まれ得て;
【0091】
ここで
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、スルホニルまたはアシルであるが、ただしLおよびRは互いに隣接する炭素原子に結合し;
は−(CHR−であり、ここで
は水素であり;
nは0または1もしくは2の整数である;
Zは−(CHR−、−(CHO(CHR−、−(CHS(CHR−または−(CHNR(CHR−であり、ここで
は水素または所望により置換されていてよいアルキルであり;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはアシルであり;
mおよびrは別個に0または1もしくは2の整数であり;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるが、ただし
(i)
およびRは水素であり;
XおよびYは各々CHであり;
は4位に位置する単結合であり;
は−(CHR−(ここでnは0である)であり;
は−(CHR)s−(ここでsは0である)であり;そして
Zは−(CHO(CHR−(ここでRは水素であり、mは0であり、そしてrは2である)である;場合、
は2−フェニルオキサゾール−4−イルではないか;または
(ii)
およびRは水素であり;
XおよびYは各々CHであり;
は単結合であり;
は−(CHR−(ここでnは0である)であり;
は−(CHR)−(ここでRは水素であり、そしてsは1である)であり;そして
Zは−(CHR−(ここでmは0である)である;場合
は水素でないか;または
は−C(O)NR4a5a、−C(O)R10、−C(O)OR10もしくは−S(O)10であり、ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりであり;R10は所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルもしくはヘテロアラルキルであり;qは1もしくは2の整数であるか;または
は式:
【化30】

(式中、
はアリール、ヘテロアリール、アラルキルもしくはヘテロアラルキルであるか;または
は−C(O)R3a(ここでR3aはヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;またはR3aは−NR4a5aであり、ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりである)であり;
11は水素、アルキルまたはアリールであり;
は−C(O)−または−(CH−(ここでrはZに関して定義されたとおりである)であり;
はヒドロキシ、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルキルもしくはシクロアルキルであるか;または
は−R4a5a(ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりである)であるが、ただし
(i)Lは−(CHR−(ここでnは1または2の整数である)であり;そして
(ii)Zは−(CHR−(ここでmは0である)である)
のラジカルであるか;または
は式:
【化31】

(式中、
は−C(O)R3a(ここでR3aはヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;またはR3aは−NR4a5aであり、ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりである)であり;
11は水素、アルキルまたはアリールであり;
は−(CH−(ここでpは0または1である)であり;
は−NR4bC(O)R5b、−NR4bC(O)OR5b、−NR4bC(O)NR4c5bまたは−NR4bS(O)5b(ここでR4bおよびR4cはRに関して定義されたとおりであり、そしてR5bはRに関して定義されたとおりの意味を有する)であるが、ただし
(i)Lは−(CHR−(ここでnは1または2の整数である)であり;そして
(ii)Zは−(CHR−(ここでmは0である)である)
のラジカルであるか;または
は式:
【化32】

(式中、
は−C(O)R3a(ここでR3aはヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;またはR3aは−NR4a5aであり、ここでR4aおよびR5aはRおよびRに関して定義されたとおりである)であり;
11は水素、アルキルもしくはアリールであり;
は−(CH−(ここでpは0または1である)であり;
は−NHC(O)CHR4bNHC(O)R12(ここでR4bはRに関して定義されたとおりであり;R12は水素、アリール、ヘテロシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、所望により置換されていてよいアルキル、アルコキシもしくはシクロアルキルであるか;またはR12は−NR4c5bであり、ここでR4cおよびR5bはRおよびRに関して定義されたとおりである)であるが、ただし
(i)Lは−(CHR−(ここでnは1または2の整数である)であり;そして
(ii)Zは−(CHR−(ここでmは0である)であり;
は−(CHR)−であり、ここで
Rは水素であり;
sは0または1から3までの整数であり;
XおよびYは各々CHであるか;または
−X=Y−は硫黄である)
のラジカルである)
の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0092】
好ましいのは式:
【化33】

(式中、
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよいアルキル、アルキルチオ、アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアラルキルまたはヘテロアラルコキシであり;
nは0または1もしくは2の整数であり;
Zは−(CHR−、−(CHO(CHR−、−(CHS(CHR−または−(CHNR(CHR−であり、ここで
は水素であり;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはアシルであり;
mおよびrは別個に0または1もしくは2の整数であり;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;または
は−C(O)NR4a5a、−C(O)R10、−C(O)OR10もしくは−S(O)10であり、ここで
4aおよびR5bは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
10は所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
qは1または2の整数であり;
sは0または1もしくは2の整数であり;
はO、Sまたは−NR6a−であり、ここで
6aは水素、所望により置換されていてよいアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、スルホニルまたはアシルであり;
XおよびYは各々CHであるか;または
−X=Y−は硫黄である)
の式(XIa)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0093】
好ましいのは式:
【化34】

(式中、
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよいアルキル、アルキルチオ、アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアラルキルまたはヘテロアラルコキシであり;
Zは−(CHR−、−(CHO(CHR−、−(CHS(CHR−または−(CHNR(CHR−であり、ここで
は水素であり;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはアシルであり;
mおよびrは別個に0または1もしくは2の整数であり;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;または
は−C(O)NR4a5a、−C(O)R10、−C(O)OR10もしくは−S(O)10であり、ここで
4aおよびR5aは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
10は所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
qは1または2の整数であり;
sは0または1もしくは2の整数であり;
はO、Sまたは−NR6a−であり、ここで
6aは水素、所望により置換されていてよいアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、スルホニルまたはアシルであり;
XおよびYは各々CHであるか;または
−X=Y−は硫黄である)
の式(XIa)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0094】
また好ましいのは式中、
は水素であり;
は単結合であり;
は−(CH−(ここでnは0または1もしくは2の整数である)である;
式(XIa)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0095】
さらに好ましいのは式:
【化35】

(式中、
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメチルもしくはアルキルチオであるが、ただしsが0である場合、Rは2位に位置する;または
は所望により置換されていてよいアルキル、アラルキル、アラルコキシもしくはアリールオキシであるが、ただし
(i)Rは2位に位置し、そしてsは0である;および
(ii)XおよびYは各々CHである;
の場合、メチレンもしくはエチレン架橋窒素含有複素環でパラ位で置換されている単環式アリール基はRの一部を構成しない;
nは0または1もしくは2の整数であり;
sは0または1であり;
Zは−(CHR−、−(CHO(CHR−、−(CHS(CHR−または−(CHNR(CHR−であり、ここで
は水素であり;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアシルであり;
mおよびrは別個に0または1もしくは2の整数であり;
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるが、ただし
(i)
は水素であり;
XおよびYは各々CHであり;
nは0であり;
sは0であり;そして
Zは−(CHO(CHR−(ここでRは水素であり、mは0であり、そしてrは2である)である;
場合、Qは2−フェニルオキサゾール−4−イルではないか、または
(ii)
は水素であり;
XおよびYは各々CHであり;
nは0であり;
sは1であり;
Zは−(CHR−(ここでmは0である)である;
場合、Qは水素ではないか、または
は−C(O)NR4a5a、−C(O)R10、−C(O)OR10もしくは−S(O)10であり、ここで
4aおよびR5aは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
10は所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
qは1または2の整数であるか;または
は式
【化36】

(式中、
はアリール、ヘテロアリール、アラルキルもしくはヘテロアラルキルであるか;または
は−C(O)R3a(ここでR3aはヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;またはR3aは−NR4a5aであり、ここでR4aおよびR5aは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルである)であり;
11は水素、アルキルまたはアリールであり;
は−C(O)−または−(CH−(ここでrはZに関して定義されたとおりである)であり;
はヒドロキシ、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルキルもしくはシクロアルキルであるか;または
は−NR4b5b(ここでR4bおよびR5bはR4aおよびR5aに関して定義されたとおりである)であるが、ただし
(i)nは1または2の整数であり;そして
(ii)Zは−(CHR−(ここでmは0である)である)
のラジカルであるか、または
は式:
【化37】

(式中、
は−C(O)R3a(ここでR3aはヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;またはR3aは−NR4a5aであり、ここでR4aおよびR5aは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルである)であり;
11は水素、アルキルまたはアリールであり;
は−(CH−(ここでpは0または1である)であり;
は−NR4bC(O)R5b、−NR4bC(O)OR5b、−NR4bC(O)NR4c5bまたは−NR4bS(O)5b(ここでR4bおよびR4cはR4aに関して定義されたとおりであり、そしてR5bはR5aに関して定義された意味を有する)であるが、ただし
(i)nは1または2の整数であり;そして
(ii)Zは−(CHR−(ここでmは0である)である)
のラジカルであるか、または
は式:
【化38】

(式中、
は−C(O)R3a(ここでR3aはヒドロキシもしくは所望により置換されていてよいアルコキシであるか;またはR3aは−NR4a5aであり、ここでR4aおよびR5aは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルである)であり;
11は水素、アルキルまたはアリールであり;
は−(CH−(ここでrは0または1である)であり;
は−NHC(O)CHR4bNHC(O)R12(ここでR4bはR4aに関して定義されたとおりであり;R12は水素、アリール、ヘテロシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、所望により置換されていてよいアルキル、アルコキシもしくはシクロアルキルであるか;またはR12は−NR4c5bであり、ここでR4cはR4aに関して定義されたとおりであり、そしてR5bはR5aに関して定義された意味を有する)であるが、ただし
(i)nは1または2の整数であり;そして
(ii)Zは−(CHR−(ここでmは0である)であり;
XおよびYは各々CHであるか;または
−X=Y−は硫黄である)
のラジカルである)
の式(XIa)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0096】
好ましいのは、
−X=Y−は硫黄である;
式(XId)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0097】
また好ましいのは、
はブロミドであり;
XおよびYは各々CHである;
式(XId)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0098】
また好ましいのは、
nは0であり;
sは1であり;
Zは−(CHm−(ここでmは0である)であり;
は−C(O)NR4a5a、−C(O)R10、−C(O)OR10または−S(O)10であり、ここで
4aおよびR5aは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
10は所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
qは1または2の整数である;
式(XId)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0099】
また好ましいのは、
nは1または2の整数であり;
Zは−(CH−、−(CHO(CH−または−(CHS(CH−であり、ここで
mは0であり;
rは0または1であり;
は所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルである;
式(XId)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0100】
また好ましいのは、
nは1または2の整数であり;
Zは−(CHNR(CH−であり、ここで
は水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアシルであり;
mは0であり;
rは0または1であり;
は所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクリルであるか;または
は−C(O)NR4a5a、−C(O)R10、−C(O)OR10もしくは−S(O)10であり、ここで
4aおよびR5aは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
10は所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
qは1または2の整数である;
式(XId)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0101】
また好ましいのは、
nは1または2の整数であり;
Zは−(CHm−(ここでmは0である)であり;
は式
【化39】

(式中、
はアリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
11は水素、アルキルまたはアリールであり;
は−C(O)−または−(CH−(ここでrは0である)であり;
はアリール、ヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルキルまたはシクロアルキルである)
のラジカルである;
式(XId)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0102】
また好ましいのは、
nは1であり;
Zは−(CHm−(ここでmは0である)であり;
は式:
【化40】

(式中、
は−C(O)R3aであり、ここでR3aは−NR4a5aであり、そしてR4aおよびR5aは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
11は水素であり;
は−(CH−(ここでpは0である)であり;
は−NR4bC(O)R5b、−NR4bC(O)OR5b、−NR4bC(O)NR4c5bまたは−NR4bS(O)5bであり、ここでR4bおよびR4cはR4aに関して定義されたとおりであし、そしてR5bはR5aに関して定義された意味を有する)
のラジカルである;
式(XId)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0103】
また好ましいのは
nは1であり;
Zは−(CH−(ここでmは0である)であり;
は式:
【化41】

(式中、
は−C(O)R3aであり、ここでR3aは−NR4a5aであり、そしてR4aおよびR5aは別個に水素、所望により置換されていてよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
11は水素であり;
は−(CH−(ここでpは0である)であり;
は−NHC(O)CHR4bNHC(O)R12であり、ここでR4bはR4aに関して定義されたとおりであり;R12は水素、アリール、ヘテロシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、所望により置換されていてよいアルキルもしくはアルコキシであるか;または
12は−NR4c5bであり、ここでR4cおよびR5bはR4aおよびR5aに関して定義されたとおりである)
のラジカルである;
式(XId)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそのプロドラッグ誘導体である。
【0104】
前記の化合物を調製する方法は2003年10月9日公開の第WO2003082841号に開示されており、その全てを出典明示により本明細書の一部とする。
本明細書前記で示されるように、組み合わされる化合物はその薬学的に許容される塩として存在し得る。これらの化合物が例えば少なくとも一つの、アミノ基のような塩基中心を有する場合、それらはその酸付加塩を形成することができる。同様に少なくとも一つの酸中心(例えばCOOH)を有する化合物は塩基と塩を形成することができる。化合物が例えばカルボキシおよびアミノ基の双方を含む場合、さらに対応する分子内塩が形成され得る。
【0105】
対応する活性成分または薬学的に許容される塩を水和物のような、または例えばその結晶化において用いられるその他の溶媒を含む溶媒和物の形態で用いることもできる。
本発明はさらにレニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩ならびに
(a)インスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩;および
(b)インスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩;
からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬ならびに薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0106】
本発明による医薬組成物をレニン活性の阻止および/またはインスリン分泌エンハンサーおよび/またはインスリン増感剤により調整される疾患または症状の予防、発症遅延または処置のために用いることができる。
【0107】
本明細書前記に開示されるように、レニン阻害剤、とりわけ、好ましくはそのヘミフマル酸塩の形態のアリスキレンならびにインスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩およびインスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を医薬組成物として同時投与することができる。構成成分を任意の従来の投薬形態で、通常薬学的に許容される担体または希釈剤と一緒に投与することができる。
【0108】
本発明による医薬組成物は、ヒトを含む哺乳動物への経口または直腸のような腸内、経皮および非経口投与に適当なものである。経口投与用には、レニン阻害剤、とりわけ、好ましくはそのヘミフマル酸塩の形態のアリスキレンならびにインスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩およびインスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を含む医薬組成物を溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル、粉末、マイクロエマルジョン、分包等の形態で摂取することができる。好ましいのは活性成分を:a)希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/もしくはグリシン;b)滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤にはまたc)結合剤、例えばケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/もしくはポリビニルピロリドン;所望によりd)崩壊剤、例えばデンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡混合物;ならびに/またはe)吸収剤、着色剤、着香剤および甘味剤;と一緒に含む錠剤およびゼラチンカプセルである。注射用組成物は好ましくは水性等張溶液または懸濁液であり、そして坐剤は脂肪エマルジョンまたは懸濁液から調製するのが有利である。
【0109】
該組成物を滅菌するか、ならびに/または保存剤、安定剤、湿潤もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩および/またはバッファーのような佐剤を含有することができる。加えて、それはまたその他の治療上価値のある物質を含有することもできる。該組成物は従来の混合、顆粒化またはコーティング方法にしたがって調製され、そして各々約0.1−90%、好ましくは約1−80%の活性成分を含有する。
【0110】
活性成分の投薬量は、投与の様式、恒温動物種、年齢および/または個々の症状のような種々の因子に依存し得る。
正常には、経口投与の場合、例えば体重およそ75kgの患者用には約1mgから約360mgのおよその1日用量が概算される。
【0111】
例えば体重およそ75kgのヒトを含む温血動物に投与されるアリスキレンの用量、特にレニン活性の阻止のため、例えば血圧の低下に有効な用量は約3mgから約3g、好ましくは約10mgから約1g、例えば20から200mg/ヒト/日であり、好ましくは1から4単回用量(それは例えば同一の大きさでよい)に分けられる。通常小児は成人用量の約半分を投与される。各個体に必要とされる用量を、例えば活性成分の血清濃度を測定することによりモニタリングし、そして最適レベルに調整することができる。単回用量は例えば成人患者あたり75mg、150mgまたは300mgを含む。
【0112】
温血動物が体重約70kgのヒトである場合、好ましくはインスリン分泌エンハンサーGKA2は温血動物に約0.1から1500mg/日、さらに好ましくは25から800mg/日の範囲の投薬量で投与される。好ましい投薬量はGKA2 30mg、60mg、120mgまたは180mgを含有し、好ましくは主要な食事の前に投与される。低用量の組み合わせでは、投与される投薬量は、好ましくは30mg、40mgまたはさらには60mgである。主要な食事の回数に依存して用量計画は1日2回(BID)または1日3回(TID)または1日4回(QID)である。
インスリン分泌エンハンサーGKA2は好ましくは約0.01mgから約8mg、さらに好ましくは約0.5から約6mgの範囲の投薬量で投与される。
【0113】
本発明はさらにレニン阻害剤、とりわけアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩ならびに
(a)インスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩;および
(b)インスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩;
からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を含む治療上有効量の組み合わせを、それを必要とするヒトを含む温血動物に投与することを含む、レニン活性の阻止および/またはインスリン分泌エンハンサーおよび/またはインスリン増感剤により調整され得る疾患または症状の予防、発症遅延または処置のための方法に関する。
【0114】
したがって本発明による組み合わせを、例えばレニン活性の阻止により、ならびに/またはインスリン分泌エンハンサーおよび/もしくはインスリン増感剤により調整され得る疾患または症状の予防、発症遅延または処置のために用いることができる。特に本発明による組み合わせを、例えば高血圧、うっ血性心不全、糖尿病、特に2型糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY)、糖尿病性網膜症、黄斑変性、糖尿病性腎症、高血圧性または非高血圧性腎症、IgA腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性ニューロパシー、メタボリック症候群、心臓性シンドロームX、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、狭心症、心筋梗塞、卒中、冠動脈および血管再狭窄、高血糖、高インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、グルコース代謝障害(IGM)、耐糖能障害(IGT)の症状、多嚢胞性卵巣症候群の女性または妊娠前糖尿病の女性におけるIGMおよび/もしくはIGTまたは炎症の亢進、空腹時血糖値障害の症状、肥満、糖尿病性網膜症、黄斑変性、白内障、足部潰瘍形成、内皮機能不全、血管コンプライアンス障害ならびに閉塞型睡眠時無呼吸からなる群から選択される患または症状の予防、発症遅延または処置のために用いることができる。好ましくは、ISHを含む高血圧、およびうっ血性心不全、メタボリック症候群、内皮機能不全、血管コンプライアンス障害、IGT、糖尿病、特に2型糖尿病、高血圧性または非高血圧性腎症、IgA腎症の処置、ならびに糖尿病前症の糖尿病への進行の遅延または延長のために該組み合わせを用いることができる。
【0115】
好ましくは、本発明の組み合わせにしたがって組み合わされた治療上有効量の活性薬剤を同時にまたは任意の順序で逐次的に、例えば別々にまたは固定された組み合わせで投与することができる。
【0116】
加えて本発明はレニン活性の阻止により、ならびに/またはインスリン分泌エンハンサーおよび/もしくはインスリン増感剤により調整され得る疾患または症状の予防、発症遅延または処置のための医薬品の製造のための;レニン阻害剤、とりわけアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩ならびに
(a)インスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩;および
(b)インスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩;
からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬ならびに薬学的に許容される担体を含む組み合わせの使用に関する。
【0117】
本明細書前記および後記に記載されるような本発明による医薬組成物を同時使用のためにまたは任意の順序での逐次的使用のために、例えば別々にまたは固定された組み合わせで投与することができる。
【0118】
好ましいのはアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩ならびに(i)GKA2またはGKに活性化効果及ぼす別の薬剤、および(ii)SCD−1に阻止効果を及ぼす薬剤からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を各々含む組み合わせ調製物または医薬組成物のような組み合わせである。
【0119】
本発明は、別々に投与され得る化合物の組み合わせを用いる予防、発症遅延または処置のための方法に関する態様を有するので、本発明はまた別々の医薬組成物をキットの形態に組み合わせることにも関する。したがって、構成成分を別個に、または異なる時点で区別された量の構成成分を有する、異なる固定された組み合わせの使用により投与できるという意味で、本発明による医薬組成物は「複数部分のキット」を含み得る。次いで「複数部分のキット」の部分を、「複数部分のキット」の任意の部分に関して同時にまたは交互に順次、すなわち異なる時点でおよび均等または異なる時間間隔で投与することができる。好ましくは、時間間隔は、部分の組み合わせ使用において処置される疾患または症状に及ぼす影響が、構成成分の任意の一つのみの使用により得られる効果よりも大きくなるように選択される。好ましくは、少なくとも一つの有益な効果、例えばレニン阻害剤、例えばアリスキレン、またはその薬学的に許容される塩、ならびに
(a)インスリン分泌エンハンサーまたはその薬学的に許容される塩;および
(b)インスリン増感剤またはその薬学的に許容される塩;
からなる群から選択される少なくとも一つの治療薬の効果の相互強化、とりわけ増強または相乗効果、例えば相加効果より大きく、さらなる有利な効果、少ない副作用、一つまたは各々の構成成分の無効投薬量での組み合わせ治療効果、特に増強または強い相乗効果がある。
【0120】
「増強」なる用語は対応する薬理学的活性または治療効果の各々の上昇を意味する。本発明による別の構成成分の同時投与による本発明による組み合わせの一つの構成成分の増強は、一つの構成成分単独で達成されるよりも大きな効果が達成されることを意味する。
「相乗効果」なる用語は、薬物が一緒に摂取される場合、単独で摂取される各々の薬物の効果の合計よりも大きい全複合効果を生み出すことを意味する。
【0121】
本発明はさらに同時、別々のまたは逐次的使用に関する指示書と一緒に本発明による組み合わせを含む市販用包装に関する。
レニン阻害剤、特にアリスキレンまたは本発明にしたがって用いられる活性薬剤の組み合わせの投与により影響されるような医薬作用を、当分野において公知の対応する薬理学的モデルを用いることにより証明することができる。当業者は適当な動物試験モデルを選択して本明細書前記および後記にて示される治療適用および有益な効果を証明することが十分に可能である。
【0122】
本発明による組み合わせの抗高血圧活性を評価するために、例えばLovenberg W:Animal models for hypertension research. Prog. Clin. Biol. Res. 229:225−240(1987)により記載されるような方法論を適用することができる。本発明による組み合わせをうっ血性心不全の処置のために使用できることを評価するために、例えばSmith HJ, Nuttall A:Experimental models of heart failure. Cardiovasc Res 19:181−186(1985)を適用できる。遺伝子導入方法のような分子研究法もまた、例えばLuft et al.:Hypertension-induced end−organ damage, 「A new transgemic approach for an old problem」, Hypertension 33:212−218(1999)により記載されている。
【0123】
本発明による組み合わせのインスリン分泌強化特性を、例えばIkenoue et al. Biol. Pharm. Bull.29(4):354−359(1997)の文献において開示されるような方法論に従うことにより決定することができる。
単独でまたは組み合わせで与えられた薬剤の心血管作用およびグルコース利用効果の同時評価を、Nawano et al., Metabolism 48:1248−1255(1999)の文献に記載されるようなズッカー肥満ラットのようなモデルを用いて実施することができる。また、糖尿病自然発症高血圧ラットを用いる研究がSato et al., Metabolism 45:457−462(1996)の文献に記載されている。
【0124】
本発明による組み合わせのインスリン分泌強化特性を、例えばIkenoue et al. Biol.Pharm.Bull. 29(4):354−359(1997)の文献において開示されるような方法論に従うことにより決定することができる。「レニン活性の阻止により調整され得る疾患または症状」、「インスリン分泌エンハンサーにより調整され得る疾患または症状」、「インスリン増感剤により調整され得る疾患または症状」に関連する高血圧には、限定するものではないが、Journal of Hypertension 17:151−183(1999)、特に162頁に定義されるような、軽度、中程度および重度な高血圧が含まれ、そして収縮期高血圧(ISH)が含まれる。
【0125】
特定の環境下で、異なる作用のメカニズムを有する薬物を組み合わせることができる。しかしながら、異なる作用の様式を有するが、類似の分野で作用する薬物の任意の組み合わせを考慮する場合、必ずしも有利な効果を有する組み合わせに至る必要はない。
【0126】
なおさら驚くべきことは、レニン阻害剤、とりわけアリスキレンおよびインスリン分泌エンハンサーおよび/もしくはインスリン増感剤、または各々の場合のその薬学的に許容される形態の組み合わせ投与が有益な、特に増強または相乗的治療効果を導くのみならず、効果の驚くべき延長、効果を達成するのに必要な時間の短縮、より広範な治療的処置および糖尿病に関連する疾患および症状に及ぼす驚くべき有益な効果、例えば体重の減少、微量アルブミン尿の明らかなタンパク質尿への進行の遅延ならびに24時間の尿分析により決定されるような尿アルブミンレベルの低下のような、それとは独立した、組み合わせ処置の結果生じるさらなる利益を達成することができるという実験知見である。本発明のさらなるおよび好ましい態様は、収縮期高血圧および血管弾力性または動脈コンプライアンスの低下を意味する血管コンプライアンス障害の症状の予防、発症遅延および/または処置である。
【0127】
欧州高血圧学会および欧州心臓学会により合同で発行されたガイドラインならびに高血圧の予防、発見、診断、治療に関する米国合同委員会の第7次報告(JNC−7)は、一般集団において<140/90mmHgの標的血圧目標ならびに糖尿病および腎臓疾患を有する患者に関してはさらに低い血圧レベルを達成する必要性を強調している。米国国民健康栄養調査からのデータにより、米国では高血圧患者の55%しか処置を受けず、そして29%しか140/90mmHgより低い血圧で制御されない。不十分な血圧制御には多くの理由が存在し、患者コンプライアンス、医師が医薬品をその適切なレベルに力価測定したがらないこと、副作用に対する懸念、および処置費用が含まれる。医師および患者のための新たな処置の選択肢がこれらの問題のいくつかを解決する助けになり得る。
【0128】
収縮期高血圧(ISH)は老齢者の高血圧の最も一般的な形態である。それは正常な拡張期血圧(90mmHgより低い)に併せて、収縮期血圧が高い(140mmHgを超える)と定義される。高い収縮期血圧は心血管病に関する独立した危険性因子であり、そして例えば心筋肥大および心不全を招き得る。さらにISHは、収縮期と拡張期の血圧の差として定義される脈圧が高くなることを特徴とする。高い脈圧はうまく制御できる可能性が最も低い高血圧の型として認識されている。高い収縮期血圧および対応する脈圧の低下は心血管による死亡の危険性の有意な低下に関連する。驚くべきことに、レニン阻害剤、とりわけアリスキレン、およびインスリン分泌エンハンサーまたはインスリン増感剤の組み合わせはISHを含む様々な形態の高血圧を有する患者において結果的に高い拡張期および/または収縮期血圧を強く低下させるということが見出されている。この組み合わせはまた2型糖尿病を有する高血圧患者および2型糖尿病を有さない高血圧患者の双方で脈圧を低下させることも見出されている。
【0129】
さらに、インスリン増感剤またはインスリン分泌エンハンサーのいずれかとレニン阻害剤、とりわけアリスキレンとの長期間の同時投与は血管形態および機能に有益な効果を与え、そして血管硬化の低下、および対応する血管コンプライアンス、主に動脈コンプライアンスの維持および改善を導く。
【0130】
したがって、インスリン増感剤および/またはインスリン分泌エンハンサーの、レニン阻害剤、とりわけアリスキレンのものへの添加は、収縮期血圧に及ぼす影響を増強し、そしてさらに血管硬化/コンプライアンスを改善することが見出されている。逆に言えば、レニン阻害剤、とりわけアリスキレンの収縮期および拡張期血圧に及ぼす証明されている抗高血圧効果は、インスリン増感剤および/またはインスリン分泌エンハンサーの添加により増強され得る。これらの組み合わせの利益はまた内皮機能に及ぼすさらなるまたは増強された効果ならびに、腎臓、心臓、眼および脳を含む種々の器官/組織における血管機能および構造の改善にまで拡張され得る。グルコースレベルの低下を介して抗血栓および抗アテローム性動脈硬化効果もまた証明され得る。グルコースの低下により、心腎臓系内の何らかの構造性または機能性タンパク質のグリコシル化が予防されるかまたは最低になる。この効果は、単独で異なるメカニズムを介して心血管機能および構造を改善するレニン阻害剤、とりわけアリスキレンと共に投与される場合、血管機能/構造に付加的または相乗的効果を引き起こすことにより高度に有益になることが判明する。
【0131】
加えて、インスリン抵抗性は、一部糖尿病、高血圧およびアテローム性動脈硬化症(の進行の原因となり得るFukuda et al., 2001)。アンギオテンシンIIはインスリンシグナリングを損ない(Fukuda et al., 2001)、そしてACE阻害剤の使用でのレニンアンギオテンシン系の妨害は部分的にインスリン感受性を復元できる(Sato et al., 1996;Nawano et al., 1999)ことが知られている。インスリンは血管拡張および血圧低下を生むことができる(Baron and Steinberg, 1996)。インスリン抵抗性を有する動物モデルであるズッカー肥満ラットは有意な高血圧を有することが示されている(Alonso−Galicia et al., 1996)。このモデルにおけるACE阻止は血圧を低下させ、そしてインスリン感受性を改善する(Nawano et al., 1999)。レニン阻害剤のインスリン増感剤またはインスリン分泌エンハンサーのいずれかとの組み合わせ投与はさらなる抗高血圧効果を引き起こし、高血圧患者の血管動態を、単独で与えられたいずれかの薬剤の投与後よりも大きな程度まで改善する。興味深いことに、レニン阻害剤およびインスリン増感剤またはインスリン分泌エンハンサーのいずれかとの同時投与は、レニンアンギオテンシン系誘起によるインスリンシグナリング経路の障害を予防することにより部分的にインスリン感受性を復元するが、同時にインスリンレベルを上昇させ、そしてグルコース利用を改善する。結果的に組み合わせ投与は代謝および心血管異常の双方を同時に改善し、二つの症状はしばしば患者に共存する。
【0132】
さらなる利益には、単独で投与されるときに用いられる用量と比較した場合、本発明にしたがって組み合わされる個々の薬物の低用量を使用すること、例えば投薬量がしばしば低いのみならず、低頻度で与えられ、それにより副作用の発生が低減されることが含まれる。これは処置される患者の要望および要求に一致する。
【0133】
例えば本発明による組み合わせは特に、糖尿病前症または糖尿病を有する患者において、その高血圧状態に関わらず、例えば二つの異なる作用様式により心血管の有害な事象の危険性を低減させることにより、軽度から中程度の高血圧または収縮期高血圧の処置に利益を提供することが観察されている。
例えばレニン阻害剤であるアリスキレンは、例えば微量アルブミン尿の改善時の血圧の低下に勝って、2型糖尿病の処置に有用であることが判明している。高血圧の処置に関して治療用量以下の用量で、本発明による組み合わせを糖尿病、特に2型糖尿病の処置だけのために用いることができる。アリスキレンの低用量に鑑みて、それを一次治療に適当にする、考慮すべき組み合わせの安全性プロフィールがある。
【0134】
臨床試験計画:
I. 耐糖能障害を有する対象における試験
軽度から中程度の本態性高血圧の診断が確定し、そして糖尿病前症を示すと考えられる耐糖能障害(IGT)の確認のOGTT試験で正常でない年齢18歳以上の男女の患者(女性患者は避妊手術を受けているか、または試験期間中殺精子剤で避妊する遮断法を用いるかのいずれかである)で3か月試験を実施する。IGTは、血糖降下治療を受けていない対象における75gグルコースに等価の経口グルコース負荷後の2時間血漿グルコースレベル≧140mg/dlおよび<200mg/dlとして定義される。OGTTおよびその他の参加基準に合致する45人の適格な患者全てを1:1:1の比率で3群に無作為化し、各群を(i)式(1)のレニン阻害剤;(ii)インスリン分泌エンハンサー;または(iii)式(1)のレニン阻害剤およびインスリン分泌エンハンサーの組み合わせ;の各々で全部で12週間処置する。レニン阻害剤を投与されない全ての高血圧患者には、アンギオテンシン変換酵素阻害剤および/またはアンギオテンシン受容体遮断薬以外の任意のクラスの抗高血圧薬を投与することができる。以下のアッセイを実施して耐糖能の改善を検出する。
【0135】
耐糖能障害およびインスリン感受性アッセイ:
経口耐糖能試験(OGTT)をベースラインおよび12および24週で投与する。対象には75gグルコースに等価の経口グルコース負荷を与える。静脈血試料を採取してグルコース負荷後0、30、60、90、120および180分の時点で血糖および血清インスリンを決定する。10時間の一晩絶食の後、経口耐糖能試験(OGTT)を、グルコース75gおよび自由水150mlの溶液を投与することにより08:00から10:00の間に開始して実施する。グルコース摂取後0、30、60、90および120分に静脈血試料を入手して血糖、インスリンおよびcペプチド濃度を決定する。OGTTに応答したグルコース、インスリンおよびcペプチドの曲線下面積(AUC)を決定する。インスリン分泌指数(OGTTの間のインスリン生成の測定値)を2時間のOGTTの間の血糖の全増加で除算された血漿インスリンレベルの全増加として計算する。
【0136】
結果:
OGTTに応答したグルコース、インスリンおよびcペプチドの曲線下面積(AUC)ならびに食事中のグルコースおよびインスリンAUCは12週のインスリン分泌エンハンサー群(ii群)で改善されるが、8週では改善されない。しかしながらこれらの値はレニン阻害剤群(i群)の8または12週のいずれでも有意に改善されない。驚くべきことに、レニン阻害剤およびインスリン分泌エンハンサーの組み合わせ(iii群)は8および12週の双方で全ての測定値で有意な改善が示されたのみならず、12週では組み合わせは結果的にいずれかの単独療法(iまたはii群)と比較してOGTTに応答した付加的効果よりも大きくなる。
【0137】
II.2型糖尿病およびタンパク尿を有する対象における試験
年齢18歳以上の男女の糖尿病患者(女性患者は避妊手術を受けているか、または試験期間中殺精子剤で避妊する遮断法を用いるかのいずれかである)で24週試験を実施する。患者は2型糖尿病であり、そして持続性の微量アルブミン尿の証拠を有する(試験参加の前月の非連続的な2晩の尿収集の尿アルブミン排泄速度[UAER]の中央値が20から200μg/分の範囲である)ことが要求される。除外基準には、限定するものではないが:血清クレアチニンの異常、1型糖尿病、無作為化の前6か月以内のインスリンの使用、無作為化の前4週以内のアンギオテンシン変換酵素阻害剤またはアンギオテンシン受容体遮断薬の使用、心不全、心筋梗塞の病歴、PTCAまたは過去3か月以内の脳血管事故;および重篤な糖尿病性ニューロパシーが含まれる。
【0138】
対象を1:1:1の比率で3群に無作為化し、各群を(i)式(1)のレニン阻害剤;(ii)インスリン分泌エンハンサー;または(iii)式(1)のレニン阻害剤およびインスリン分泌エンハンサーの組み合わせ;の各々で24週間処置する。レニン阻害剤を投与されるように無作為化されなかった全ての高血圧対象には、アンギオテンシン変換薬阻害剤および/またはアンギオテンシン受容体遮断薬以外の任意のクラスの抗高血圧薬を投与することができる。インスリン分泌エンハンサーを投与されるように無作為化されなかった全ての糖尿病対象にはアカルボースを投与することができる。以下のアッセイを実施してタンパク尿または動脈コンプライアンスの改善を検出する。
【0139】
タンパク尿アッセイ
24時間尿収集をベースライン、12週および24週に収集し、そして尿素、クレアチニン、リン酸塩、ナトリウム、カリウムおよび全タンパク質に関して試験する。尿アルブミンおよびクレアチニンクリアランスを測定する。有効な24時間尿収集のアリコートを5分間遠心して細胞および粒子状物質を除去し、そして上澄を1mMフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)で処理し、そして−20℃で保存する。試料を急速に解凍し、そしてアッセイを実施する前に2000r.p.m.で5分間遠心して全ての尿酸塩またはリン酸塩を除去する。UAERおよびUACRを計算する。動脈コンプライアンス測定:ベースライン、12週および24週に、頸動脈−大腿動脈の自動脈波伝搬速度測定(PWV)により動脈伸展性を評価する。PWV評価の基本的原理は、心室駆出により生じた脈圧が動脈壁の幾何学的および弾性特性により決定される速度で動脈樹にそって伝搬するということである。以下の式:PWV(m/秒)=距離(m)/通過時間(秒)にしたがって脈通過時間および二つの記録部位間で脈が移動する距離の測定値からPWVを計算する。記録された波動の近位(頸動脈)と遠位(大腿動脈)の谷の間の遅延時間、および各々の変換器を隔てる表面的に測定された距離から頸動脈−大腿動脈PWVを計算する。
【0140】
結果:
ベースラインと比較して、レニン阻害剤を投与された双方の群(iおよびii群)で24週でUAERが改善されるが、インスリン分泌エンハンサーのみを投与された群(ii群)では24週で改善が観察されない。驚くべきことに、レニン阻害剤およびインスリン分泌エンハンサーの組み合わせ(iii群)は12および24週の双方で全ての測定値に有意な改善が示されるのみならず、加えてタンパク尿に関して組み合わせは結果的に付加的効果よりも大きくなる。加えて、そしてこれもまた驚くべきことに、レニン阻害剤およびインスリン分泌エンハンサーの組み合わせ(iii群)のみが、有意な割合の患者が正常尿アルブミン状態(最後の来院時測定でUAER<20μg/分)に戻ることを証明する。
【0141】
また驚くべきことに、脈波伝搬速度により測定されるように、動脈コンプライアンスは24週時点で、レニン阻害剤およびインスリン分泌エンハンサーの組み合わせでの処置のみにより改善される。レニン阻害剤単独での処置(i群)でもインスリン分泌エンハンサー単独での処置(ii群)でも脈波伝搬速度に及ぼす有意な効果は証明されない。
【0142】
実施例1:
アリスキレン150mg(遊離塩基)素錠の組成(mg/単位)
【表1】

【0143】
アリスキレン150mg(遊離塩基)素錠の組成(重量%)
【表2】

【0144】
アリスキレン150mg(遊離塩基)素錠の組成(mg/単位)(内相/外相に分かれている)
【表3】

【0145】
アリスキレン150mg(遊離塩基)素錠の組成(重量%)(内相/外相に分かれている)
【表4】

【0146】
実施例2:
アリスキレン(投薬形態3)フィルムコーティング錠の組成(mg/単位)
【表5】

【0147】
例えば以下のように投薬形態1、2および3を調製することができる:
1)活性成分および添加剤を混合し、そして該構成成分を造粒液で顆粒化する;
2)得られた顆粒を乾燥させる;
3)乾燥顆粒を外相賦形剤と混合する;
4)得られた混合物を圧縮して固体経口投薬形態を核錠として形成する;そして
5)場合によっては得られた核錠をコーティングしてフィルムコーティング錠が得られる。
【0148】
造粒液はエタノール、エタノールおよび水の混合物、エタノール、水およびイソプロパノールの混合物、または前記した混合物中ポリビニルピロリドン(PVP)の溶液でよい。エタノールおよび水の好ましい混合物は約50/50から約99/1(重量/重量%)の範囲にわたり、最も好ましくはそれは約94/6(重量/重量%)である。エタノール、水およびイソプロパノールの好ましい混合物は約45/45/5から約98/1/1(重量/重量/重量%)、最も好ましくは約88.5/5.5/6.0から約91.5/4.5/4.0(重量/重量/重量%)の範囲にわたる。上記の混合物中のPVPの好ましい濃度は約5から約30重量%、好ましくは約15から約25%、さらに好ましくは約16から約22%の範囲にわたる。
【0149】
当分野で用いられる顆粒化、乾燥および混合の非常に多くの公知の方法、例えば流動床での噴霧顆粒化、高剪断ミキサー中での湿式顆粒化、溶融顆粒化、流動床ドライヤー中での乾燥、フリーフォールまたはタンブルブレンダー中の混合、単発式または回転式錠剤プレス機での錠剤への圧縮に注目される。
【0150】
有機物顆粒化処理に適当な標準的な装置で顆粒の製造を実施することができる。最終混和物の製造および錠剤の圧縮もまた標準的な装置で実施することができる。
例えば工程(1)を高剪断造粒機、例えばCollette Gralにより実施することができ;工程(2)を流動床ドライヤーで行うことができ;工程(3)をフリーフォールミキサー(例えばコンテナブレンダー、タンブルブレンダー)により実施することができ;そして工程(4)を乾燥圧縮法、例えば回転式錠剤プレス機を用いて実施することができる。


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【公表番号】特表2009−500414(P2009−500414A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520320(P2008−520320)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/025865
【国際公開番号】WO2007/005763
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】