説明

有機発光表示装置

【課題】サイズが大きくなった表示パネルに十分な駆動電源を供給することができる有機発光表示装置を提供する。
【解決手段】本発明による有機発光表示装置は、光を発光する有機発光素子を含む表示領域および表示領域と隣接する複数の周辺領域を含む表示パネル、複数の周辺領域のうちの一つの周辺領域に対応して配置されて、有機発光素子に駆動電源を供給する駆動部、複数の周辺領域の各々に対応して各々が表示パネルと連結され、駆動部から駆動電源の供給を受けて、有機発光素子に駆動電源を伝達する複数の電源伝達部、および駆動部と電源伝達部との間および複数の電源伝達部のうちの隣接する電源伝達部の間のうちの一つ以上の間を連結して、駆動電源を駆動部から電源伝達部に伝達する電源連結部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機発光表示装置に関し、より詳しくは、駆動部から供給される駆動電源によって発光される有機発光素子を含む有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置はイメージを表示する装置であり、最近では、有機発光表示装置(organic light emitting diode display)が注目されている。
【0003】
有機発光表示装置は、自発光特性を有し、液晶表示装置(liquid crystal display device)とは異なって別途の光源が不要であるため、厚さおよび重量を減らすことができる。また、有機発光表示装置は、低電力、高い輝度、および高い反応速度などの高品位特性を有する。
【0004】
従来の有機発光表示装置は、有機発光素子(organic light emitting diode)を含む表示パネル、および表示パネルの一側と接続されていて、有機発光素子に駆動電源を供給する駆動部を含む。
【0005】
最近では、表示パネルのサイズが大きくなるのに伴って表示パネルに含まれている有機発光素子の数が増加し、これによって表示パネルに含まれている有機発光素子により多くの駆動電源が必要となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の有機発光表示装置は、駆動部が表示パネルの一側と接続されているため、サイズが大きくなった表示パネルでは、表示パネルに含まれている有機発光素子に十分な駆動電源を供給し難い問題があった。
【0007】
本発明は、前述した問題を解決するためのものであって、本発明の目的は、サイズが大きくなった表示パネルに十分な駆動電源を供給することができる有機発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した技術的課題を達成するための本発明の一側面は、光を発光する有機発光素子を含む表示領域および表示領域と隣接する複数の周辺領域を含む表示パネル、複数の周辺領域のうちの一つの周辺領域に対応して配置されて、有機発光素子に駆動電源を供給する駆動部、複数の周辺領域の各々に対応して各々が表示パネルと連結され、駆動部から駆動電源の供給を受けて、有機発光素子に駆動電源を伝達する複数の電源伝達部、および駆動部と電源伝達部との間および複数の電源伝達部のうちの隣接する電源伝達部の間のうちの一つ以上の間を連結して、駆動電源を駆動部から電源伝達部に伝達する電源連結部を含む、有機発光表示装置を提供する。
【0009】
駆動電源は、第1電源および第2電源を含み、有機発光素子は、第1電源が供給される第1電極、第1電極上に位置する有機発光層、および有機発光層上に位置して、第2電源が供給される第2電極を含む。
【0010】
電源連結部と駆動部との間の連結および電源連結部と電源伝達部との間の連結のうちの一つ以上は、コネクタ(connector)を利用して行われる。
【0011】
表示領域は、表示パネルの板面上で四角形に形成され、複数の周辺領域は、四角形の第1辺に対応する第1周辺領域、四角形の第1辺と隣接する第2辺に対応する第2周辺領域、四角形の第1辺と隣接すると同時に第2辺と対向する第3辺に対応する第3周辺領域、および四角形の第1辺と対向する第4辺に対応する第4周辺領域を含み、駆動部は、第1周辺領域に対応して配置される。
【0012】
複数の電源伝達部は、第2周辺領域に対応して表示パネルと駆動部との間を連結する第1電源伝達部、第3周辺領域に対応して表示パネルと駆動部との間を連結する第2電源伝達部、および第4周辺領域に対応して表示パネルと電源連結部との間を連結する第3電源伝達部を含む。
【0013】
第3電源伝達部は複数であり、隣接する第3電源伝達部は互いに離隔される。
【0014】
複数の電源伝達部は、第1周辺領域に対応して表示パネルと駆動部との間を連結する第4電源伝達部、第2周辺領域に対応して表示パネルと電源連結部との間を連結する第5電源伝達部、第3周辺領域に対応して表示パネルと電源連結部との間を連結する第6電源伝達部、および第4周辺領域に対応して表示パネルと電源連結部との間を連結する第7電源伝達部を含む。
【0015】
第4電源伝達部、第5電源伝達部、第6電源伝達部、および第7電源伝達部は各々複数であってもよい。
【0016】
複数の第7電源伝達部のうちの第5電源伝達部と隣接する第7電源伝達部は電源連結部を通して第5電源伝達部と連結され、複数の第7電源伝達部のうちの第6電源伝達部と隣接する第7電源伝達部は電源連結部を通して第6電源伝達部と連結される。
【0017】
電源伝達部は、フレキシブルプリント回路基板(flexible printed circuitboardd、FPCB)であり、電源連結部は、フレキシブルフラットケーブル(flexible flat cable、FFC)である。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、サイズが大きくなった表示パネルに十分な駆動電源を供給することができる有機発光表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態による有機発光表示装置を示した平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による有機発光表示装置の画素を示した回路図である。
【図3】本発明の第1実施形態による有機発光表示装置の画素の一部を示した断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態による有機発光表示装置を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の多様な実施形態について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な形態に具現され、ここで説明する実施形態に限られない。
【0021】
本発明を明確に説明するために、説明に不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素については、同一な参照符号を付けた。
【0022】
また、多様な実施形態において、同一な構成を有する構成要素については、同一な符号を使用して代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態では第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0023】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであるため、本発明が必ずしも示されたとおりであるとは限らない。
【0024】
図面では、複数の層および領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。そして、図面においては、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などのある部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは他の部分の「直上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
【0025】
また、明細書全体において、ある部分が他の構成要素を「含む」とする時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を排除するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
【0026】
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001について説明する。
【0027】
図1は本発明の第1実施形態による有機発光表示装置を示した平面図である。
【0028】
図1に示したように、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001は、表示パネル100、駆動部200、電源伝達部300、および電源連結部400を含む。
【0029】
表示パネル100は、第1基板110および第2基板120が互いに合着密封されていて、表示領域(DA)および周辺領域(PA)を含む。
【0030】
表示領域(DA)は複数の画素(PE)を含み、各画素(PE)には光を発光する有機発光素子(organic light emitting diode)70(図2に表示)が形成されている。つまり、表示領域(DA)は、各画素(PE)から発光される光を利用してイメージ(image)を表示する領域である。表示領域(DA)は、第1辺(S1)、第1辺(S1)と隣接する第2辺(S2)、第1辺(S1)と隣接すると同時に第2辺(S2)に対向する第3辺(S3)、および第1辺(S1)と対向する第4辺(S4)を含む表示パネル100の板面上で四角形に形成される。
【0031】
本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001の表示領域(DA)は四角形であるが、本発明の第2実施形態による有機発光表示装置の表示領域は三角形、多角形、または円形などであってもよい。
【0032】
四角形の表示領域(DA)と隣接して、複数の周辺領域(PA)が位置している。
【0033】
複数の周辺領域(PA)は、表示領域(DA)を囲んでいて、複数の駆動回路(DC)が形成されている。各駆動回路(DC)は、画素(PE)が駆動されるように画素(PE)に信号を伝達する役割を果たす。複数の周辺領域(PA)は、第1辺(S1)に対応する第1周辺領域(PA)、第2辺(S2)に対応する第2周辺領域(PA)、第3辺(S3)に対応する第3周辺領域(PA)、および第4辺(S4)に対応する第4周辺領域(PA)を含む。第1周辺領域(PA)〜第4周辺領域(PA)は、表示領域(DA)を囲む。
【0034】
本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001は、周辺領域(PA)に駆動回路(DC)が形成されているが、本発明の第2実施形態による有機発光表示装置は、周辺領域に駆動回路が形成されていなくてもよい。
【0035】
以下、図2および図3を参照して、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001に含まれている画素(PE)の構造について詳しく説明する。
【0036】
図2は本発明の第1実施形態による有機発光表示装置の画素を示した回路図である。
【0037】
図2に示したように、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001に含まれている表示パネル100は、一つの画素(PE)に有機発光素子(organic light emitting diode)70、二つの薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)10、20、および一つのキャパシタ(capacitor)80を備えた2Tr-1Cap構造からなる。しかし、本発明の第1実施形態はこれに限定されるのではない。従って、有機発光表示装置1001は、一つの画素(PE)に三つ以上の薄膜トランジスタおよび二つ以上のキャパシタを備えることができ、別途の配線がさらに形成されて、多様な構造に形成される。このように追加形成される薄膜トランジスタおよびキャパシタは、補償回路の構成をなしてもよい。
【0038】
補償回路は、画素(PE)毎に形成された有機発光素子70の均一性を向上させて、表示品質に偏差が生じるのを抑制する。一般に、補償回路は、2つ〜8つの薄膜トランジスタを含む。
【0039】
有機発光素子70は、正孔注入電極であるアノード(anode)電極、電子注入電極であるカソード(cathode)電極、およびアノード電極とカソード電極との間に配置された有機発光層を含む。
【0040】
一つの画素(PE)は、第1薄膜トランジスタ10および第2薄膜トランジスタ20を含む。
【0041】
第1薄膜トランジスタ10および第2薄膜トランジスタ20は、各々ゲート電極、半導体層、ソース電極、およびドレイン電極を含む。
【0042】
図2にはゲートライン(GL)、データライン(DL)、および共通電源ライン(VDD)と共にキャパシタライン(CL)が示されているが、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001に含まれている表示パネル100の画素(PE)が図2に示された構造に限定されるのではない。従って、キャパシタライン(CL)は場合により省略されてもよい。
【0043】
データライン(DL)には第1薄膜トランジスタ10のソース電極が連結され、ゲートライン(GL)には第1薄膜トランジスタ10のゲート電極が連結される。また、第1薄膜トランジスタ10のドレイン電極は、キャパシタ80を通してキャパシタライン(CL)と連結される。さらに、第1薄膜トランジスタ10のドレイン電極とキャパシタ80との間にノードが形成されて、第2薄膜トランジスタ20のゲート電極が連結される。また、第2薄膜トランジスタ20のソース電極には共通電源ライン(VDDL)が連結され、第2薄膜トランジスタ20のドレイン電極には有機発光素子70のアノード電極が連結される。
【0044】
第1薄膜トランジスタ10は、発光しようとする画素(PE)を選択するスイッチング素子として使用される。第1薄膜トランジスタ10が瞬間的に導通されるとキャパシタ80は蓄電され、この時に蓄電される電荷量はデータライン(DL)から印加される電圧の電位と比例する。そして、第1薄膜トランジスタ10が遮断された状態でキャパシタライン(CL)に1フレーム周期で電圧が増加する信号が入力されると、第2薄膜トランジスタ20のゲート電位は、キャパシタ80に蓄電された電位を基準にして印加される電圧のレベルがキャパシタライン(CL)を通して印加される電圧に沿って上昇する。そして、第2薄膜トランジスタ20は、ゲート電位がしきい電圧を超えると導通される。そして、後述する駆動部200から共通電源ライン(VDDL)に印加された駆動電源である第1電源(VDD)が第2薄膜トランジスタ20を通して有機発光素子70のアノード電極に印加される。
【0045】
また、有機発光素子70のカソード電極には駆動部200から印加された駆動電源である第2電源(VSS)が印加され、第2薄膜トランジスタ20を通して有機発光素子70のアノード電極に印加された第1電源(VDD)およびカソード電極に印加された第2電源(VSS)によって有機発光素子70が発光される。
【0046】
このような画素(PE)の構成は前述したとおりであるとは限らず、当該技術分野の従事者が容易に変形実施できる範囲内で多様に変形することができる。
【0047】
図3は本発明の第1実施形態による有機発光表示装置の画素の一部を示した断面図である。図3では、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001の第2薄膜トランジスタ20および有機発光素子70の構造を中心に示した。
【0048】
図3に示したように、第2薄膜トランジスタ20は、半導体層(AL)、ゲート電極(GE)、ソース電極(SE)、およびドレイン電極(DE)を含む。
【0049】
第2薄膜トランジスタ20は、選択された画素(PE)内の有機発光素子70を発光させるための駆動電源である第1電源(VDD)の供給を共通電源ライン(VDDL)から受けて、ソース電極(SE)、半導体層(AL)、およびドレイン電極(DE)を経て有機発光素子70の第1電極710に印加する。ドレイン電極(DE)から延長されて有機発光素子70の第1電極710が位置し、ドレイン電極(DE)および第1電極710は互いに連結されている。
【0050】
有機発光素子70は、第1電極710、第1電極710上に位置する有機発光層720、有機発光層720上に位置する第2電極730を含む。
【0051】
第1電極710は正孔注入電極であるアノード電極であり、第2電極730は電子注入電極であるカソード電極である。しかし、本発明の第1実施形態が必ずしもこれに限定されるのではなく、有機発光表示装置1001の駆動方法により、第1電極710が負極となり、第2電極730が正極となってもよい。駆動部200から供給される駆動電源である第1電源(VDD)が第2薄膜トランジスタ20によって第1電極710に供給され、駆動部200から供給される駆動電源である第2電源(VSS)が第2電極730に供給されると、第1電極710および第2電極730の各々から正孔および電子が有機発光層720の内部に注入され、有機発光層720の内部に注入された正孔および電子が結合された励起子(exiton)が励起状態から基底状態に落ちる時に、有機発光層720が発光される。また、第1電極710は、インジウム錫酸化物(indium tin oxide、ITO)およびインジウム亜鉛酸化物(indium Zinc oxide、IZO)などのうちの一つ以上を含む単層または複層の光透過性導電物質を含み、第2電極730は、アルミニウム(Al)および銀(Ag)などのうちの一つ以上を含む単層または複層の光反射性導電物質を含む。
【0052】
有機発光層720は、第1電極710および第2電極730から注入された正孔および電子が結合される層であり、赤色(Red)、緑色(Green)、または青色(Blue)の光を発光することができる。
【0053】
このように、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001における有機発光素子300は、第1基板100方向に光を放出する。つまり、有機発光表示装置1001は後面発光型である。
【0054】
一方で、本発明の第2実施形態による有機発光表示装置は、第1電極が光反射性導電物質で構成され、第2電極が光透過性導電物質で構成されることによって、前面発光型の有機発光表示装置を実現することができ、または、第1電極および第2電極が光透過性導電物質で構成されることによって、両面発光型の有機発光表示装置を実現することができる。
【0055】
このように、表示パネル100の有機発光素子70には駆動部200から駆動電源が供給され、この供給された駆動電源によって有機発光素子70が発光される。
【0056】
再び図1を参照して、駆動部200、電源伝達部300、および電源連結部400について詳しく説明する。
【0057】
図1に示したように、駆動部200は、複数の駆動チップ(IC)および印刷回路基板(printed circuit boardd)(PCB)を含む。印刷回路基板(PCB)は、テープキャリアパッケージ(tape carrier package)(TCP)によって表示パネル100と電気的に連結される。
【0058】
テープキャリアパッケージ(TCP)は、複数が所定の間隔を有するように、表示パネル100の第1周辺領域(PA1)に一端が付着され、印刷回路基板(PCB)に他端が付着される。テープキャリアパッケージ(TCP)は、一端および他端の各々が異方性導電フィルム(anisotropic conductive film、ACF)などの連結部材によって表示パネル100の駆動回路(DC)および印刷回路基板(PCB)の各々と接続される。前記テープキャリアパッケージ(TCP)によって、印刷回路基板(PCB)は、表示パネル100に駆動回路(DC)を通してゲートライン(GL)、データライン(DL)、共通電源ライン(VDDL)、第2電極730の各々にゲート電源、データ電源、共通電源である第1電源(VDD)、カソード電源である第2電源(VSS)を供給することができる。特に、駆動部200は、有機発光素子70を直接駆動する駆動電源を有機発光素子70に供給するが、前述したように、駆動部200から供給される駆動電源は第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を含み、第1電源(VDD)は有機発光素子70のアノード電極である第1電極710に供給され、第2電源(VSS)は有機発光素子70のカソード電極である第2電極730に供給される。以上のような駆動部200から供給される電源のうちの第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を含む駆動電源は、駆動電源が供給される第2電極730の抵抗または共通電源ライン(VDDL)の抵抗などによる電圧降下などの不良が最少化されて第1電極710および第2電極730に供給されるが、これは電源伝達部300および電源連結部400によって行われる。
【0059】
電源伝達部300は複数であり、複数の周辺領域(PA)の各々に対応して各々が表示パネル100と連結されている。電源伝達部300は、駆動部200から第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を含む駆動電源の供給を受けて、駆動回路(DC)を通して有機発光素子70に駆動電源を伝達する。複数の電源伝達部300は、第1電源伝達部310、第2電源伝達部320、および第3電源伝達部330を含む。
【0060】
第1電源伝達部310は、表示パネル100の第2周辺領域(PA)に対応して表示パネル100と駆動部200との間を連結する。第1電源伝達部310は、駆動部200から有機発光素子70を駆動するための駆動電源の供給を受けて、表示領域(DA)の第2辺(S2)に対応して位置する画素(PE)内に形成された有機発光素子70に駆動電源である第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を伝達する。第1電源伝達部310は、異方性導電フィルムなどの連結部材を利用して一端および他端の各々が表示パネル100の駆動回路(DC)および駆動部200の各々と接続される。
【0061】
第2電源伝達部320は、表示パネル100の第3周辺領域(PA)に対応して表示パネル100と駆動部200との間を連結する。第2電源伝達部320は、駆動部200から有機発光素子70を駆動するための駆動電源の供給を受けて、表示領域(DA)の第3辺(S3)に対応して位置する画素(PE)内に形成された有機発光素子70に駆動電源である第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を伝達する。第2電源伝達部320は、異方性導電フィルムなどの連結部材を利用して一端および他端の各々が表示パネル100の駆動回路(DC)および駆動部200の各々と接続される。
【0062】
第3電源伝達部330は、表示パネル100の第4周辺領域(PA)に対応して表示パネル100と電源連結部400との間を連結する。第3電源伝達部330は、駆動部200から電源連結部400を通して有機発光素子70を駆動するための駆動電源の供給を受けて、表示領域(DA)の第4辺(S4)に対応して位置する画素(PE)内に形成された有機発光素子70に駆動電源である第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を伝達する。第3電源伝達部330は、異方性導電フィルムなどの連結部材を利用して一端が表示パネル100の駆動回路(DC)と接続される。第3電源伝達部330は、同一形状に複数が形成され、複数の第3電源伝達部330の各々が電源連結部400と連結されるが、隣接する第3電源伝達部330は互いに離隔されている。
【0063】
第1電源伝達部310、第2電源伝達部320、および第3電源伝達部330は、表示パネル100と連結されるため、一般に構造が複雑であり、例えば電源伝達部300はフレキシブルプリント回路基板(flexible printed circuit board、FPCB)であるが、これに限られない。
【0064】
電源連結部400は、駆動部200と第3電源伝達部330との間を連結し、駆動部200から第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を含む駆動電源の供給を受けて、電源伝達部300に伝達する。電源連結部400は、駆動部200から電源伝達部300に駆動電源だけを供給するため、表示パネル100と連結されるために構造が複雑な電源伝達部300に比べて構造が単純なケーブルを使用することができる。例えば、電源連結部400は、フレキシブルフラットケーブル(flexible flat cable、FFC)であるが、これに限定されない。このように、電源連結部400は、電源伝達部300に比べて構造が単純であるため、電源連結部400と駆動部200との間の連結、および電源連結部400と電源伝達部300との間の連結が異方性導電フィルムで行われる必要がなく、一般の雌コネクタおよび雄コネクタを含むコネクタ(connector)(C)を利用して行われる。
【0065】
以上のように、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001は、表示パネル100の表示領域(DA)の第1辺(S1)〜第4辺(S4)の各々に有機発光素子70を駆動する第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を含む駆動電源が供給されることによって、大きいサイズの表示パネル100であっても表示パネル100に含まれている有機発光素子70全体に実質的に同一な駆動電源が供給されるため、表示パネル100全体に輝度が均一なイメージが具現される。つまり、表示品質が向上された有機発光表示装置1001が提供される。
【0066】
また、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001は、駆動部200と隣接する電源伝達部300は駆動部200と直接的に連結され、駆動部200と離隔されている電源伝達部300は電源連結部400を通して駆動部200と間接的に連結されることによって、駆動部200と離隔されている電源伝達部300そのもののサイズが電源伝達部300が表示パネル100に連結された部分から駆動部200が位置する部分まで延長される必要がない。つまり、表示パネル100のサイズが大きくなっても、表示パネル100と連結される電源伝達部300のサイズを大きくする必要がないため、電源伝達部300のサイズを大きくするための製造時間および製造費用を節減することができる。これは、有機発光表示装置1001の全体的な製造時間および製造費用を節減させる要因として作用する。
【0067】
また、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001は、複数の電源伝達部300によって表示パネル100の表示領域(DA)に位置する有機発光素子70に駆動部200から供給された駆動電源が伝達されるため、テープキャリアパッケージ(TCP)だけで有機発光素子70に駆動電源を入力する方式に比べて、表示パネル100の有機発光素子70に供給される駆動電源を分散させて伝達することができる。これは、有機発光素子70に印加される駆動電源が一部分から伝達されるのを防止するため、有機発光表示装置1001の全体的な駆動信頼性が向上する要因として作用する。
【0068】
また、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001は、表示パネル100と連結される部分である電源伝達部300は比較的構造が複雑なフレキシブルプリント回路基板を使用するが、駆動部200と電源伝達部300との間を連結する部分は電源伝達部300に比べて構造が簡単なフレキシブルフラットケーブルを使用することができるため、有機発光表示装置1001の製造時間および製造費用を節減することができる。
【0069】
このように、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置1001は、サイズが大きくなった表示パネル100に十分な駆動電源を供給することができると共に、製造時間および製造費用を節減することができる。
【0070】
以下、図4を参照して、本発明の第2実施形態による有機発光表示装置1002について説明する。
【0071】
図4は本発明の第2実施形態による有機発光表示装置を示した平面図である。
【0072】
図4に示したように、電源伝達部300は複数であり、複数の周辺領域(PA)の各々に対応して各々が表示パネル100と連結されている。電源伝達部300は、駆動部200から第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を含む駆動電源の供給を受けて、駆動回路(DC)を通して有機発光素子70に駆動電源を伝達する。複数の電源伝達部300は、第4電源伝達部340、第5電源伝達部350、第6電源伝達部360、および第7電源伝達部370を含む。
【0073】
第4電源伝達部340は、表示パネル100の第1周辺領域(PA)に対応して表示パネル100と駆動部200との間を連結する。第4電源伝達部340は、駆動部200から有機発光素子70を駆動するための駆動電源の供給を受けて、表示領域(DA)の第1辺(S1)に対応して位置する画素(PE)内に形成された有機発光素子70に駆動電源である第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を伝達する。第1電源伝達部310は、異方性導電フィルムなどの連結部材を利用して一端および他端の各々が表示パネル100の駆動回路(DC)および駆動部200の各々と接続される。第4電源伝達部340は複数であり、各々の第4電源伝達部340は、隣接するテープキャリアパッケージ(TCP)の間に配置される。
【0074】
第5電源伝達部350は、表示パネル100の第2周辺領域(PA)に対応して表示パネル100と電源連結部400との間を連結する。第5電源伝達部350は、駆動部200から電源連結部400を通して有機発光素子70を駆動するための駆動電源の供給を受けて、表示領域(DA)の第2辺(S2)に対応して位置する画素(PE)内に形成された有機発光素子70に駆動電源である第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を伝達する。第5電源伝達部350は、異方性導電フィルムなどの連結部材を利用して一端が表示パネル100の駆動回路(DC)と接続される。第5電源伝達部350は複数であり、隣接する第5電源伝達部350の間は電源連結部400によって連結される。
【0075】
第6電源伝達部360は、表示パネル100の第3周辺領域(PA)に対応して表示パネル100と電源連結部400との間を連結する。第6電源伝達部360は、駆動部200から電源連結部400を通して有機発光素子70を駆動するための駆動電源の供給を受けて、表示領域(DA)の第3辺(S3)に対応して位置する画素(PE)内に形成された有機発光素子70に駆動電源である第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を伝達する。第6電源伝達部360は、異方性導電フィルムなどの連結部材を利用して一端が表示パネル100の駆動回路(DC)と接続される。第6電源伝達部360は複数であり、隣接する第6電源伝達部360の間は電源連結部400によって連結される。
【0076】
第7電源伝達部370は、表示パネル100の第4周辺領域(PA)に対応して表示パネル100と電源連結部400との間を連結する。第7電源伝達部370は、駆動部200から電源連結部400を通して有機発光素子70を駆動するための駆動電源の供給を受けて、表示領域(DA)の第4辺(S4)に対応して位置する画素(PE)内に形成された有機発光素子70に駆動電源である第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を伝達する。第7電源伝達部370は、異方性導電フィルムなどの連結部材を利用して一端が表示パネル100の駆動回路(DC)と接続される。第7電源伝達部370は複数であり、隣接する第7電源伝達部370の間は電源連結部400によって連結される。複数の第7電源伝達部370のうちの第5電源伝達部350と隣接される第7電源伝達部370は電源連結部400によって第5電源伝達部350と連結され、第6電源伝達部360と隣接する第7電源伝達部370は電源連結部400によって第6電源連結部と連結される。つまり、第7電源伝達部370は、電源連結部400および第5電源伝達部350、または電源連結部400および第6電源伝達部360を通して駆動部200と連結され、駆動部200から駆動電源の伝達を受けて、表示パネル100の表示領域(DA)の第4辺(S4)に対応して位置する画素(PE)内に形成された有機発光素子70に駆動電源を伝達する。
【0077】
電源連結部400は、駆動部200と第5電源伝達部350との間、駆動部200と第6電源伝達部360との間、複数の第5電源伝達部350のうちの隣接する第5電源伝達部350の間、または複数の第6電源伝達部360のうちの隣接する第6電源伝達部360の間を連結し、駆動部200から第1電源(VDD)および第2電源(VSS)を含む駆動電源の供給を受けて、第5電源伝達部350、第6電源伝達部360、および第7電源伝達部370に伝達する。電源連結部400は、駆動部200から電源伝達部300に駆動電源だけを供給するため、表示パネル100と連結されるために構造が複雑な電源伝達部300に比べて構造が単純である。このように、電源連結部400は、電源伝達部300に比べて構造が単純であるため、電源連結部400と連結される駆動部200、第5電源伝達部350、第6電源伝達部360、および第7電源伝達部370の各々の間の連結が異方性導電フィルムで行われる必要がなく、一般の雌コネクタおよび雄コネクタを含むコネクタ(connector)(C)を利用して行われる。
【0078】
以上のように、本発明の第2実施形態による有機発光表示装置1002は、表示パネル100のサイズが大きくなっても、設定されたサイズの電源伝達部300の間を電源連結部400を利用して連結し、複数の設定されたサイズの電源伝達部300と連結して、サイズが大きくなった表示パネル100に使用することができるため、追加的にサイズが大きくなった表示パネル100に対応して電源伝達部300のサイズを大きくする必要がないばかりか、サイズが大きくなった電源伝達部300に対応して設定されたサイズの電源伝達部300を取り扱うことができる工程設備からサイズが大きくなった電源伝達部300を取り扱うことができる他の工程設備に交換する必要がない。これは、有機発光表示装置1002の全体的な製造時間および製造費用を節減させる要因として作用する。
【0079】
このように、本発明の第2実施形態による有機発光表示装置1002は、サイズが大きくなった表示パネル100に十分な駆動電源を供給することができると共に、製造時間および製造費用を節減することができる。
【0080】
また、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0081】
100 表示パネル
10、20 薄膜トランジスタ
110、120 基板
1001、1002 有機発光表示装置
200 駆動部
300 電源伝達部
400 電源連結部
70 有機発光素子
710、730 電極
720 有機発光層
80 キャパシタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発光する有機発光素子を含む表示領域および前記表示領域と隣接する複数の周辺領域を含む表示パネル、
前記複数の周辺領域のうちの一つの周辺領域に対応して配置されて、前記有機発光素子に駆動電源を供給する駆動部、
前記複数の周辺領域の各々に対応して各々が前記表示パネルと連結され、前記駆動部から前記駆動電源の供給を受けて、前記有機発光素子に前記駆動電源を伝達する複数の電源伝達部、および
前記駆動部と前記電源伝達部との間および前記複数の電源伝達部のうちの隣接する電源伝達部の間のうちの一つ以上の間を連結して、前記駆動電源を前記駆動部から前記電源伝達部に伝達する電源連結部を含むことを特徴とする、有機発光表示装置。
【請求項2】
前記駆動電源は、第1電源および第2電源を含み、
前記有機発光素子は、
前記第1電源が供給される第1電極、
前記第1電極上に位置する有機発光層、および
前記有機発光層上に位置して、前記第2電源が供給される第2電極を含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記電源連結部と前記駆動部との間の連結および前記電源連結部と前記電源伝達部との間の連結のうちの一つ以上は、コネクタを利用して行われることを特徴とする、請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記表示領域は、前記表示パネルの板面上で四角形に形成され、
前記複数の周辺領域は、前記四角形の第1辺に対応する第1周辺領域、
前記四角形の第1辺と隣接する第2辺に対応する第2周辺領域、
前記四角形の第1辺と隣接すると同時に前記第2辺と対向する第3辺に対応する第3周辺領域、および
前記四角形の第1辺と対向する第4辺に対応する第4周辺領域を含み、
前記駆動部は、前記第1周辺領域に対応して配置されることを特徴とする、請求項3に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記複数の電源伝達部は、
前記第2周辺領域に対応して前記表示パネルと前記駆動部との間を連結する第1電源伝達部、
前記第3周辺領域に対応して前記表示パネルと前記駆動部との間を連結する第2電源伝達部、および
前記第4周辺領域に対応して前記表示パネルと前記電源連結部との間を連結する第3電源伝達部を含むことを特徴とする、請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記第3電源伝達部は複数であり、
隣接する前記第3電源伝達部は互いに離隔されていることを特徴とする、請求項5に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記複数の電源伝達部は、
前記第1周辺領域に対応して前記表示パネルと前記駆動部との間を連結する第4電源伝達部、
前記第2周辺領域に対応して前記表示パネルと前記電源連結部との間を連結する第5電源伝達部、
前記第3周辺領域に対応して前記表示パネルと前記電源連結部との間を連結する第6電源伝達部、および
前記第4周辺領域に対応して前記表示パネルと前記電源連結部との間を連結する第7電源伝達部を含むことを特徴とする、請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記第4電源伝達部、前記第5電源伝達部、前記第6電源伝達部、および前記第7電源伝達部は各々複数であることを特徴とする、請求項7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記複数の第7電源伝達部のうちの前記第5電源伝達部と隣接する前記第7電源伝達部は前記電源連結部を通して前記第5電源伝達部と連結され、
前記複数の第7電源伝達部のうちの前記第6電源伝達部と隣接する前記第7電源伝達部は前記電源連結部を通して前記第6電源伝達部と連結されることを特徴とする、請求項8に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記電源伝達部は、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)であり、
前記電源連結部は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−141515(P2011−141515A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157711(P2010−157711)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】