説明

有機電界発光表示装置、有機電界発光表示装置の製造方法及び有機電界発光表示装置用の移送装置

【課題】厚さの薄い有機電界発光表示装置が製造でき、有機電界発光表示装置の製造工程時間が短縮でき、かつ、製造工程中、基板の反り及び損傷が防止できる有機電界発光表示装置、製造方法及び有機電界発光表示装置の移送装置を提供する。
【解決手段】基板を用意するステップと、基板の下面に非透過層を形成するステップと、基板を2枚用意して非透過層を相互対向させて合着するステップと、合着された基板のうち非透過層の反上面にそれぞれ半導体層を形成するステップと、各半導体層に有機電界発光素子を形成するステップと、各有機電界発光素子が形成された面に封止材を用いて封止基板を接着するステップと、基板のうち半導体層及び有機電界発光素子が形成されていない端をソーイング(sawing)するステップと、合着された2枚の基板を個別に分離するステップと、を含む有機電界発光表示装置の製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光表示装置、有機電界発光表示装置の製造方法及び有機電界発光表示装置用の移送装置に関し、より詳細には、厚さの薄い有機電界発光表示装置が製造でき、有機電界発光表示装置の製造工程時間が短縮でき、かつ、製造工程中、基板の反り及び損傷が防止できる有機電界発光表示装置、有機電界発光表示装置の製造方法及び有機電界発光表示装置用の移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機電界発光表示装置は蛍光性または燐光性有機化合物に電流を流すことで、電子と正孔とが結合し自発光する表示装置である。また、このような有機電界発光表示装置は、例えばn×m個の有機電界発光素子を電圧駆動または電流書込みして映像を表示するようになっている。
【0003】
また、このような有機電界発光素子は図1に示されたようにアノード(ITO:Indium Tin Oxide)、有機薄膜及びカソード電極(metal)の構造を基本構造とする。有機薄膜は、電子と正孔とが結合して励起子(exciton)を形成して発光する発光層(Emitting Layer、EML)、電子の移動速度を適切に調節する電子輸送層(Electron Transport Layer、ETL)、正孔の移動速度を適切に調節する正孔輸送層(Hole Transport Layer、HTL)で形成される。また、上記電子輸送層には、電子の注入効率を向上させる電子注入層(Electron Injecting Layer、EIL)が形成され、蒸気正孔輸送層には正孔の注入効率を向上させる正孔注入層(Hole Injecting Layer、HIL)がさらに形成され得る。
【0004】
このような有機電界発光表示装置は広視野角、超高速応答、自発光などの長所から、小型から大型に至るまで、いかなる動画表示装置としても遜色なく、消費電力が小さくバックライト(back light)が必要ないため、軽量及び薄型で製作することができる。また、低温での製造が可能であり、製造工程が簡単であって低価格化が可能である。さらに、近年有機薄膜材料技術及び工程技術が急速に成長し、既存の平板表示装置に代替する技術として考えられている。
【0005】
ところが、近年の携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、コンピューターモニター及びテレビなどのような電子製品の薄型(slim)化の趨勢により、有機電界発光表示装置も徐々に略1mm以下の厚さに製造することが求められている。しかし、現在の有機電界発光表示装置は封止技術に代替するほどの保護膜技術が十分開発されていない状況であるため、1mm以下の厚さに製造することは困難である。
【0006】
これによって、厚さ1mm以下の有機電界発光表示装置を製造するため、特許文献1〜特許文献3によると、2枚のガラス基板にそれぞれ素子層(半導体層及び有機電界発光素子など)を形成し、各素子層を対向させてガラス基板を合着した後、素子層のない表面をエッチングまたは研磨工程によって除去することで、薄型有機電界発光表示装置を製造する方法を開示している。
【0007】
【特許文献1】特開2005−340182号公報
【特許文献2】特開2005−222930号公報
【特許文献3】特開2005−222789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような方法はそれぞれのガラス基板に半導体層や有機電界発光素子をそれぞれ形成した後、これを合着してエッチングまたは研磨するために、製造工程時間が非常に長くなる問題がある。さらに、このような従来の方法はある程度完成されたガラス基板を合着することで、合着工程中にガラス基板、半導体層及び有機電界発光素子が損傷されたり破損されたりする場合が多く、生産歩留まりが低く、したがって製造コストも高くなる問題がある。
【0009】
勿論、ガラス基板の厚さを予め1mm以下に製造した後、その表面に素子層を形成する方法も考えられるが、この場合、前記ガラス基板の厚さが非常に薄く移送工程中に前記ガラス基板が反ったり、移送装置に機械的に接触して破損したりする問題もある。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、新規かつ改良された薄型の有機電界発光表示装置、有機電界発光表示装置の製造方法及び有機電界発光表示装置用の移送装置を提供するところにある。
【0011】
本発明の他の目的は、有機電界発光表示装置の製造工程時間を短縮することで生産性を高め、また製造原価を節減するところにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、製造工程中、基板の反り現象を防止するだけでなく、基板中央の物理的接触を防止して基板の損傷及び破損現象を防止するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基板と、基板上に形成されたバッファ層と、バッファ層上に形成された半導体層と、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、ゲート電極上に形成された層間絶縁膜と、層間絶縁膜上に形成されたソース/ドレイン電極と、ソース/ドレイン電極上に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成された有機電界発光素子と、基板の下部に形成された非透過層と、を含む、有機電界発光表示装置が提供される。
【0014】
上記基板は、0.05〜1mmの厚さに形成してもよい。
【0015】
上記基板はガラス、プラスチック、金属及びポリマーの中から選択されたいすれか1つで形成してもよい。
【0016】
上記非透過層は500〜3000Åの厚さに形成してもよい。
【0017】
上記非透過層は紫外線遮断剤であってもよい。
【0018】
上記非透過層は紫外線を透過しない金属、透明紫外線遮断剤及び不透明紫外線遮断剤の中から選択されたいずれか1つで形成してもよい。
【0019】
上記非透過層はクロム(Cr)、酸化クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、酸化マグネシウム(MgO)及び銀合金の中から選択されたいすれか1つで形成してもよい。
【0020】
上記非透過層の下面にはマグネチック層がさらに形成されていてもよい。
【0021】
上記マグネチック層は10〜100μmの厚さに形成されていてもよい。
【0022】
上記マグネチック層の下面には摩擦防止層がさらに形成されていてもよい。
【0023】
上記非透過層の下面には摩擦防止層がさらに形成されていてもよい。
【0024】
上記摩擦防止層は10〜100μmの厚さに形成されていてもよい。
【0025】
上記摩擦防止層は有機材料及び無機材料の中から選択されたいずれか1つで形成されていてもよい。
【0026】
上記基板の上面の周りには封止材が形成され、上記封止材には封止基板が接着されていてもよい。
【0027】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基板を用意する基板用意ステップと、基板の下面に非透過層を形成する非透過層形成ステップと、基板を2枚用意して非透過層を相互対向させて合着する基板合着ステップと、合着された基板のうち非透過層の反対面にそれぞれ半導体層を形成する半導体層形成ステップと、各半導体層に有機電界発光素子を形成する有機電界発光素子形成ステップと、各有機電界発光素子が形成された面に封止材を用いて封止基板を接着する封止基板接着ステップと、基板のうち半導体層及び有機電界発光素子が形成されていない端をソーイング(sawing)するソーイングステップと、合着された2枚の基板を個別に分離する基板分離ステップと、を含むことを特徴とする、有機電界発光表示装置の製造方法が提供される。
【0028】
上記基板用意ステップでは0.05〜1mm厚さの基板を用意してもよい。
【0029】
上記基板用意ステップではガラス、プラスチック、金属及びポリマーの中から選択されたいずれか1つで形成された基板を用意してもよい。
【0030】
上記非透過層形成ステップでは基板の下面に厚さが500〜3000Åの非透過層を形成してもよい。
【0031】
上記非透過層形成ステップでは基板の下面に紫外線遮断剤をコーティングしてもよい。
【0032】
上記非透過層形成ステップでは基板の下面に紫外線を透過しない金属、透明紫外線遮断剤及び不透明紫外線遮断剤の内のいずれか1つを形成してもよい。
【0033】
上記非透過層形成ステップでは基板の下面にクロム(Cr)、酸化クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、酸化マグネシウム(MgO)及び銀合金の中から選択されたいずれか1つを形成してもよい。
【0034】
上記非透過層形成ステップでは非透過層の下面にマグネチック層をさらに形成してもよい。
【0035】
上記非透過層形成ステップでは非透過層の下面に厚さが10〜100μmのマグネチック層をさらに形成してもよい。
【0036】
上記非透過層形成ステップではマグネチック層の下面に摩擦防止層をさらに形成してもよい。
【0037】
上記非透過層形成ステップでは基板の下面に摩擦防止層をさらに形成してもよい。
【0038】
上記非透過層形成ステップでは基板の下面に厚さが10〜100μmの摩擦防止層をさらに形成してもよい。
【0039】
上記非透過層形成ステップでは非透過層の下面に有機材料及び無機材料の内から選択されたいずれか1つで摩擦防止層をさらに形成してもよい。
【0040】
上記基板合着ステップでは2枚の基板の間に合着剤を介在して2枚の基板を合着させてもよい。
【0041】
上記基板合着ステップでは合着剤としてエポキシ接着剤を用いてもよい。
【0042】
上記基板合着ステップでは合着剤を基板の縁に形成してもよい。
【0043】
上記基板合着ステップでは合着剤を基板の内周縁に複数のライン形態に形成してもよい。
【0044】
上記基板合着ステップでは各基板に形成された摩擦防止層を相互接触させてもよい。
【0045】
上記封止基板接着ステップでは封止基板の広さが基板の広さより小さいものを用いてもよい。
【0046】
上記封止基板接着ステップでは封止基板の縁が基板の内側方向に3〜8mm小さく形成してもよい。
【0047】
上記ソーイングステップでは半導体層及び有機電界発光素子の外周縁に位置された基板及び封止基板をソーイングしてもよい。
【0048】
上記ソーイングステップはレーザービームを用いて行われてもよい。
【0049】
上記ソーイングステップでは基板から合着剤を除去させてもよい。
【0050】
上記基板分離ステップの後には、非透過層を除去する非透過層除去ステップがさらに含まれていてもよい。
【0051】
上記基板分離ステップの後には、マグネチック層を除去するマグネチック層除去ステップがさらに含まれていてもよい。
【0052】
上記基板分離ステップの後には、マグネチック層及び非透過層を順次除去するマグネチック層及び非透過層除去ステップがさらに含まれていてもよい。
【0053】
上記基板分離ステップの後には、摩擦防止層を除去する摩擦防止層除去ステップがさらに含まれていてもよい。
【0054】
上記基板分離ステップの後には、摩擦防止層、マグネチック層及び非透過層を除去する摩擦防止層、マグネチック層及び非透過層除去ステップがさらに含まれていてもよい。
【0055】
上記基板分離ステップの後には、摩擦防止層を除去する摩擦防止層除去ステップがさらに含まれていてもよい。
【0056】
上記基板の分離ステップの後には、摩擦防止層及び非透過層を除去する摩擦防止層及び非透過層除去ステップがさらに含まれていてもよい。
【0057】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、一側に開口が形成され、開口の周りには2枚の基板が合着された有機電界発光表示装置が載置されるように所定深さの段差が形成された移送体と、移送体の段差から所定長さ延びて合着された有機電界発光表示装置が反らないように緩衝する少なくとも1つの緩衝部材と、を含むことを特徴とする、有機電界発光表示装置の移送装置が提供される。
【0058】
上記移送体の段差には合着された有機電界発光表示装置が摺動しないように摺動防止用パッドがさらに形成されていてもよい。
【0059】
上記摺動防止用パッドはゴム及びシリコンの中から選択されたいずれか1つでなり得る。
【0060】
上記緩衝部材は合着された有機電界発光表示装置に向かう領域にマグネットがさらに付着されていてもよい。
【0061】
上記緩衝部材は移送体と結合された領域に弾性部がさらに形成されていてもよい。
【0062】
上記弾性部はバネ、エアシリンダー及び緩衝パッドの中から選択されたいずれか1つであってもよい。
【0063】
上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置は、0.05〜1mmの厚さを有する基板に形成されることで、近年スリム化趨勢にある携帯電話、PDA、ノートパソコン、コンピューターモニター及びテレビなどのような各種ディスプレイ用電子製品に容易に適用できる。
【0064】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置は、基板に非透過層を形成することで、製品の使用中、紫外線が基板を通じて半導体層や有機電界発光素子に影響を及ぼさなくなる。
【0065】
上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の製造方法は、0.05〜1mmの厚さを有する基板を2枚合着し、半導体工程及び有機薄膜工程(勿論、各工程には洗浄、エッチング、露光、現像及び熱処理などが含まれる)を同時に行うことで、全工程時間を略50%程度短縮させることができる。
【0066】
また、上記のようにして本発明による有機電界発光表示装置の製造方法は、基板の下面に非透過層を形成することで、製造工程中、露光工程による紫外線が反対側の他の基板に影響を与えなくなる。
【0067】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の製造方法は、基板の下面に非透過層/マグネチック層を形成することで、製造工程中、マグネチック層とこれを移送する移送装置間の反発力により、有機電界発光表示装置が重力によって反ったり破損されたりしなくなる。
【0068】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の製造方法は、基板の下面に非透過層/マグネチック層/摩擦防止層または非透過層/摩擦防止層を形成することで、2枚の基板合着の際にも基板または基板表面に形成された金属間の接触を防止して基板損傷を防止することができる。
【0069】
上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の移送装置は、半導体層や有機電界発光素子が形成されていない基板の縁を弾性の良い摺動防止用パッドによって支持させ、前記半導体層や有機電界発光素子が形成された基板の略中央領域は非接触方式の緩衝部材で支持させることで、基板の反りや破損現象が防止される。
【0070】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の移送装置は、合着された2枚の基板に形成されたマグネチック層と相互反発されるように緩衝部材にマグネットが設けられることで、摺動防止用パッドで支持されない基板の略中央領域も前記緩衝部材に接触しないつつも移送途中または工程途中、扁平な状態を保ち続けられる。
【発明の効果】
【0071】
以上説明したように本発明によれば、0.05〜1mmの厚さを有する基板に形成されることで、近年スリム化趨勢にある携帯電話、PDA、ノートパソコン、コンピューターモニター及びテレビなどのような各種ディスプレイ用電子製品に容易に適用できる有機電界発光表示装置を提供することができる。
【0072】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置は、基板に非透過層を形成することで、製品の使用中、紫外線が基板を通じて半導体層や有機電界発光素子に影響を及ぼさない効果がある。
【0073】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の製造方法は、0.05〜1mmの厚さを有する基板を2枚合着し、半導体工程及び有機薄膜工程(勿論、各工程には洗浄、エッチング、露光、現像及び熱処理などが含まれる)を同時に行うことで、全工程時間を略50%程度短縮させることができる効果がある。
【0074】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の製造方法は、基板の下面に非透過層を形成することで、製造工程中、露光工程による紫外線が反対側の他の基板に影響を与えない効果がある。
【0075】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の製造方法は、基板の下面に非透過層/マグネチック層を形成することで、製造工程中、マグネチック層とこれを移送する移送装置間の反発力により、有機電界発光表示装置が重力によって反ったり破損されたりしない効果がある。
【0076】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の製造方法は、基板の下面に非透過層/マグネチック層/摩擦防止層または非透過層/摩擦防止層を形成することで、2枚の基板合着の際にも基板または基板表面に形成された金属間の接触を防止して基板損傷を防止することができる効果がある。
【0077】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の移送装置は、半導体層や有機電界発光素子が形成されていない基板の縁を弾性の良い摺動防止用パッドによって支持させ、半導体層や有機電界発光素子が形成された基板の略中央領域は非接触方式の緩衝部材で支持させることで、基板の反りや破損現象が防止される効果がある。
【0078】
また、上記のようにした本発明による有機電界発光表示装置の移送装置は、合着された2枚の基板に形成されたマグネチック層と相互反発されるように緩衝部材にマグネットが設けられることで、摺動防止用パッドで支持されない基板の略中央領域も緩衝部材に接触しないつつも移送途中または工程途中に扁平な状態を保ち続ける効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0079】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0080】
図2aから図2eを参照すれば、本発明の一実施形態にかかる有機電界発光表示装置101a、102a、103a、104a、105aの断面図が示されている。
【0081】
まず、図2aに示したように、本発明の一実施形態にかかる有機電界発光表示装置101aは、基板110と、基板110上に形成されたバッファ層120と、バッファ層120上に形成された半導体層130と、半導体層130上に形成されたゲート絶縁膜140と、ゲート絶縁膜140上に形成されたゲート電極150と、ゲート電極150上に形成された層間絶縁膜160と、層間絶縁膜160上に形成されたソース/ドレイン電極170と、ソース/ドレイン電極170上に形成された絶縁膜180と、絶縁膜180上に形成された有機電界発光素子190と、有機電界発光素子190の外周縁である絶縁膜180に形成された画素定義膜200と、を含んで構成される。
【0082】
基板110は上面と下面が略扁平であり、上面と下面間の厚さは略0.05〜1mm程度に形成され得る。基板110の厚さが略0.05mm以下である場合には、工程のうち洗浄、エッチング及び熱処理工程などによって損傷されや易く、また外力に弱い短所がある。また、基板110の厚さが略1mm以上である場合には、近年スリム化趨勢にある各種表示装置への適用が困難である。また、基板110は通常のガラス、プラスチック、金属、ポリマー及びその等価物の内のいずれか1つで形成され得るが、本発明はかかる材質に限定されない。
【0083】
バッファ層120は基板110の上面に形成され得る。このようなバッファ層120は下記の半導体層130や有機電界発光素子190の方へ湿気(HO)、水素(H)または酸素(O)などが基板110を貫通して浸透しないようにする役割をする。このために、バッファ層120は半導体工程中容易に形成できる酸化膜(SiO)、窒化膜(Si)及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つで形成できるが、このような材質で本発明は限定されない。勿論、このようなバッファ層120は必要によって形成を省略することもできる。
【0084】
半導体層130はバッファ層120の上面に形成され得る。このような半導体層130は相互対向する両側に形成されたソース/ドレイン領域132と、ソース/ドレイン領域132の間に形成されたチャネル領域134と、で形成され得る。一例として、半導体層130は薄膜トランジスタであり得る。このような薄膜トランジスタはアモルファスシリコン(amorphous Si)薄膜トランジスタ、ポリシリコン(poly Si)薄膜トランジスタ、有機薄膜トランジスタ、マイクロシリコン(micro Si)薄膜トランジスタまたはその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つで形成され得るが、本発明では薄膜トランジスタの種類は限定されない。また、薄膜トランジスタがポリシリコン薄膜トランジスタである場合、ポリシリコン薄膜トランジスタは低温でレーザーを用いて結晶化する方法、金属を用いて結晶化する方法、高い圧力を用いて結晶化する方法及びその等価方法の中から選択されたいずれか1つの方法であり得るが、本発明ではポリシリコンの結晶化方法は限定しない。レーザーを用いて結晶化する方法はELA(Excimer Laser Annealing)、SLS(Sequential Lateral Solidification)、TDX(Thin Beam Direction Crystallization)などの方式が可能であるが、本発明においてレーザーを用いた結晶化方法はかかる例に限定されない。また、金属を用いて結晶化する方法はSPC(Solid Phases Crystallization)、MIC(Metal Induced Crystallization)、MILC(Metal Induced Lateral Crystallization)、SGS(Super Grained Silicon)などが可能であるが、本発明において金属を用いた結晶化方法はかかる例に限定されない。勿論、薄膜トランジスタはPMOS、NMOS及びその等価形態の中から選択された少なくともいずれか1つであり得るが、本発明では薄膜トランジスタの導電形態は限定されない。
【0085】
ゲート絶縁膜140は、半導体層130の上面に形成され得る。勿論、このようなゲート絶縁膜140は半導体層130の外周縁であるバッファ層120上にも形成され得る。また、ゲート絶縁膜140は半導体形成工程中、容易に得られる酸化膜、窒化膜またはその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つで形成されることができるが、本発明ではゲート絶縁膜の材質を限定することはない。
【0086】
ゲート電極150は、ゲート絶縁膜140の上面に形成され得る。より具体的には、ゲート電極150は半導体層130のうちチャネル領域134と対応するゲート絶縁膜140上に形成され得る。公知のように、このようなゲート電極150はゲート絶縁膜140の下部のチャネル領域134に電界を印加することで、チャネル領域134に正孔または電子のチャネルを形成させる。また、ゲート電極150は通常の金属(MoW、Ti、Cu、AlNd、Al、Cr、Mo合金、Cu合金、Al合金など)、ドープされたポリシリコン及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つで形成され得るが、本発明ではゲート電極の材質は限定されない。
【0087】
層間絶縁膜160は、ゲート電極150の上面に形成され得る。勿論、このような層間絶縁膜160はゲート電極150の外周縁であるゲート絶縁膜140上にも形成され得る。また、層間絶縁膜160はポリマー系絶縁素材、プラスチック系絶縁素材、ガラス系絶縁素材またはその等価絶縁素材の中から選択されたいすれか1つで形成され得るが、本発明では層間絶縁膜の材質は限定されない。
【0088】
ソース/ドレイン電極170は、層間絶縁膜160の上面に形成され得る。勿論、ソース/ドレイン電極170と半導体層130間には、層間絶縁膜160を貫通する導電性コンタクト176(electrically conductive contact)が形成され得る。すなわち、導電性コンタクト176によって半導体層130とソース/ドレイン電極170とが電気的に繋がれる。さらに、ソース/ドレイン電極170は、ゲート電極150と同じ金属材質で形成でき、ここではその材質は限定されない。一方、上記のような半導体層130(すなわち、薄膜トランジスタ)は通常同一平面構造(coplanar structure)で定義される。しかし、本発明の一実施形態として開示された半導体層130は同一平面構造だけに限定されるものではなく、公知のすべての薄膜トランジスタの構造、例えば、反転同一平面構造(inverted coplanar structure)、ジグザグ型構造(staggered structure)、反転ジグザグ型構造(inverted staggered structure)及びその等価構造の中から選択された少なくともいずれか1つが可能であり、本発明では半導体層の構造は限定されない。
【0089】
絶縁膜180は、ソース/ドレイン電極170の上面に形成され得る。このような絶縁膜180はさらに保護膜182と、保護膜182の上面に形成された平坦化膜184と、を含めて形成され得る。保護膜182はソース/ドレイン電極170及び層間絶縁膜160を覆い、ソース/ドレイン電極170及びゲート電極150などを保護する役割をする。このような保護膜182は通常の無機膜及びその等価物の中から選択されたいずれか1つで形成され得るが、本発明では保護膜の材質は限定しない。さらに、平坦化膜184は保護膜182を覆う。このような平坦化膜184は素子全体の表面を扁平にするものであって、BCB(Benzo Cyclo Butene)、アクリル及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つで形成され得るが、本発明では平坦化膜の材質は限定しない。
【0090】
有機電界発光素子190は、絶縁膜180の上面に形成され得る。このような有機電界発光素子190は、さらにアノード192、アノード192の上面に形成された有機電界発光薄膜194及び有機電界発光薄膜194の上面に形成されたカソード196を含むことができる。アノード192はITO(Induim Tin Oxide)、ITO/Ag、ITO/Ag/ITO(IZO:Indium Zinc Oxide)またはその等価物の中から選択されたいずれか1つで形成され得るが、本発明ではアノード192の材質は限定されない。ITOは仕事関数が均一であって有機電界発光薄膜194に対する正孔注入障壁の小さい透明導電膜であり、Agは前面発光方式で、特に有機電界発光薄膜194からの光を上面に反射させる膜である。一方、有機電界発光薄膜194は電子と正孔とが結合して励起子(exciton)を形成して発光する発光層(emitting layer、EML)、電子の移動速度を適切に調節する電子輸送層(electron transport layer、ETL)、正孔の移動速度を適切に調節する正孔輸送層(hole transport layer、HTL)で形成され得る。また、電子輸送層には電子の注入効率を向上させる電子注入層(electron injecting layer、EIL)が形成され、正孔輸送層には正孔の注入効率を向上させる正孔注入層(hole injecting layer、HIL)がさらに形成され得る。さらに、カソード196はAl、MgAg合金、MgCa合金及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つであり得るが、本発明ではカソード196の材質は限定されない。但し、本発明において、前面発光方式を選ぶ場合、Alは非常に薄くせねばならないが、そのような場合、抵抗が高くなって電子注入障壁が大きくなる短所がある。MgAg合金はAlに比べて電子注入障壁が小さく、MgCa合金はMgAg合金に比べて電子注入障壁がさらに低い。しかし、このようなMgAg合金及びMgCa合金は周辺環境に敏感であり、酸化して絶縁層を形成することがあるため、外部と完全に遮断させなければならない。さらに、有機電界発光素子190のうちアノード192とソース/ドレイン電極170とは、絶縁膜180(保護膜182、平坦化膜184)を貫通して形成された導電性ビア198(electrically conductive via)によって相互電気的に繋がれ得る。一方、ここで本実施形態では基板110の上部方向に発光する前面発光方式を中心に説明したが、本発明はこれに限定されず、基板110の下部方向に発光する背面発光方式または基板110の上部及び下部方向に同時に発光する両面発光にもすべて適用可能である。
【0091】
画素定義膜200は有機電界発光素子190の外周縁として絶縁膜180の上面に形成され得る。このような画素定義膜200は赤色有機電界発光素子、緑色有機電界発光素子及び青色有機電界発光素子の間の境界を明確にさせ画素間の発光境界領域を明確にさせる。また、このような画素定義膜200はポリイミド(polyimide)及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つで形成され得るが、本発明では画素定義膜200の材質は限定されない。
【0092】
次に、図2bに示されたように本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置102aは、基板110の下面に非透過層210がさらに形成され得る。このような非透過層210は、2枚の基板110を合着して、半導体層130及び有機電界発光素子190などを形成する製造工程中に、紫外線を反対側の他の基板の方へ透過させない役割をする。勿論、非透過層210は、基板110が個別に分離された後、外部の紫外線が半導体層130や有機電界発光素子190の方へ透過できなくする役割も有する。このような非透過層210は、実質的に紫外線遮断剤及びその等価物の中から選択されたいずれか1つで形成され得る。さらに、非透過層210は紫外線を透過しない金属、透明紫外線遮断剤、不透明紫外線遮断剤及びその等価物の中から選択されたいずれか1つで形成することもできる。また、非透過層210が金属である場合、これはクロム(Cr)、酸化クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、酸化マグネシウム(MgO)、銀合金及びその等価物の中から選択されたいずれか1つで形成され得るが、本発明ではその材質は限定されない。このような非透過層210は500〜3000Åの厚さに形成することが望ましい。非透過層210の厚さが500Å以下である場合には、紫外線遮断率が低く、製造工程中や工程後に半導体層130や有機電界発光素子190に影響を与えることがあり、また非透過層210の厚さが3000Å以上である場合には、十分な紫外線遮断効率を有しているが、厚さが過度に厚くなるおそれがある。
【0093】
また、図2cに示されたように本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置103aは、非透過層210の下面にマグネチック層220がさらに形成され得る。このようなマグネチック層220は、2枚の基板110を合着して、半導体層130及び有機電界発光素子190などを形成する工程中に、基板110が反らないようにする役割をする。すなわち、基板110の下面に、マグネチック層220と反発する他の極性のマグネットを位置させることで、基板110が反らないようにする。このようなマグネチック層220はAlNiCo磁石、フェライト磁石、稀土類磁石、ゴム磁石、プラスチック磁石及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つで形成され得るが、本発明ではそのマグネチック層220の材質や種類は限定されない。すなわち、本発明は非透過層210の下面に、永久磁石ではない電磁石のパターンを形成するか、または電磁石を取り付けることで、マグネチック層の役割の代わりをさせることもできる。マグネチック層220は10〜10μmの厚さに形成することが望ましい。マグネチック層220の厚さが10μm以下である場合には、製造工程中、基板110の反り現象を防止するための十分な磁力が得られず、マグネチック層220の厚さが100μm以上である場合には、厚さが過度に厚くなる短所がある。
【0094】
また、図2dに示されたように本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置104aは、マグネチック層220の下面に摩擦防止層230がさらに形成され得る。このような摩擦防止層230は、2枚の基板110を合着して、半導体層130及び有機電界発光素子190などを形成する工程中に両基板110を接触させない。すなわち、両基板110に形成された非透過層210やマグネチック層220が相互接触しないようにし、基板110の損傷を防止する。このような摩擦防止層230は有機材料、無機材料及びその等価物の中から選択されたいずれか1つを用いて形成できるが、本発明ではその材質は限定されない。また、摩擦防止層230は10〜100μmの厚さに形成することが望ましい。摩擦防止層230の厚さが10μm以下である場合には、製造工程中、他の基板110に形成された非透過層210やマグネチック層220に接触することがあり、摩擦防止層230の厚さが100μm以上である場合には、基板110の全体の厚さが過度に厚くなる恐れがある。
【0095】
また、図2dに示されたように本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置105aは、基板110の下面に非透過層210及び摩擦防止層230が順次形成されることもできる。非透過層210及び摩擦防止層230の材質及び厚さは、すでに説明したので省略する。ここで、非透過層210と摩擦防止層230間には、マグネチック層220が省略されているが、これは基板110の面積が小さく、製造工程中に反る恐れがあまりない場合に可能である。勿論、本発明によるすべての有機電界発光表示装置101aにおいて、マグネチック層220は省略することもできる。すなわち、非透過層210及び摩擦防止層230を許容可能な範囲で比較的厚く形成すれば、合着された基板110の剛性が高くなって各種製造工程中に反らないためである。
【0096】
図3a〜図3eを参照すれば、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置として封止基板が接着された状態が示されている。
【0097】
図3aに示されたように、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置101aは、上述のように基板110の表面に半導体層130及び有機電界発光素子190などを形成した後、封止基板240を接着して完成することができる。勿論、基板110と封止基板240との間には封止材250が介在される。封止基板240は通常のガラス、プラスチック、金属、ポリマー及びその等価物の中から選択されたいすれか1つで形成され得るが、本発明ではその材質は限定されない。また、封止材250はエポキシ接着剤、紫外線硬化接着剤、フリット(frit)及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つであり得るが、本発明ではその材質は限定されない。封止材250としてフリットを用いる場合には、一定温度でフリットを加熱する必要があるため、レーザービームを用いて封止作業を行うこともできる。すなわち、基板110と封止基板240間にフリットを位置させた後、一側でフリットにレーザービームを照射すれば、フリットが溶融されながら基板110と封止基板240とが強く接着される。
【0098】
一方、図3bに示されたように、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置102aは、基板110の下面に非透過層210がさらに形成されることもできる。また、図3cに示されたように本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置103aは、基板110の下面に非透過層210及びマグネチック層220が順次形成されることもできる。さらに、図3dに示されたように本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置104aは、基板110の下面に非透過層210、マグネチック層220及び摩擦防止層230が順次形成されることもできる。さらに、図3eに示されたように本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置105aは、基板110の下面に非透過層210及び摩擦防止層230が順次形成されることもできる。このように基板110の下面に形成された非透過層210、マグネチック層220及び摩擦防止層230はすでに説明したのでここではこれ以上の説明を省略する。
【0099】
さらに、図面には示していないが、封止基板240の下面には透明吸湿膜がさらに形成され得る。すなわち、有機電界発光素子190は水分に弱いため、封止基板240の下面に光の透過を遮らず水分を吸収できる透明吸湿膜の形成が可能である。このような透明吸湿膜は封止基板240の透明度が確保される条件下で厚いほど有利であるが、通常0.1〜300μmの厚さに形成されることが望ましい。透明吸湿膜の厚さが0.1μm未満の場合には、十分な吸湿特性を有することができず、300μmを超えた場合には有機電界発光素子190に接触する危険がある。また、透明吸湿膜は平均粒径が100nm以下、特に20〜100nmであるアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩及び金属過塩素酸塩、五酸化リン(P)及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを用いることができるが、本発明ではその材質は限定されない。
【0100】
また、本発明の一実施形態においては上記のように封止基板240に透明吸湿膜を形成する代わりに、基板110と封止基板240間の空間を層状無機物(layered inorganic substance)、高分子、硬化剤及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを充填させ、水分を吸収させることもできる。勿論、このような充填後には熱処理工程を行い、上位物質を硬化させる。
【0101】
さらに、本発明の一実施形態においては、各封止基板240の表面に偏光フィルムを接着することで、外光による光反射現象を防止することもできる。
【0102】
図4を参照すれば、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造方法が流れ図として示されている。
【0103】
図4に示されたように、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造方法は、基板用意ステップS1と、非透過層形成ステップS2と、基板合着ステップS3と、半導体層形成ステップS4と、有機電界発光素子形成ステップS5と、封止基板接着ステップS6と、ソーイングステップS7と、基板分離ステップS8と、非透過層除去ステップS9と、を含む。
【0104】
図5a〜図5iを参照すれば、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順が順次示されている。上記図4及び図5a〜図5iを参照して、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造方法を順次説明する。
【0105】
まず、図5aに示されたように、基板用意ステップS1においては、上面と下面とが略扁平であって所定厚さを有する基板110を提供する。
【0106】
基板110の厚さは略0.05〜1mm程度にすることが望ましい。基板110の厚さが略0.05mm以下である場合には、製造工程中の洗浄、エッチング及び熱処理工程によって損傷され易くなって取り扱いが難しく、また外力に弱い短所がある。また、基板110の厚さが略1mm以上である場合には、近年薄型化の趨勢にある各種表示装置への適用が困難である短所がある。また、基板110は通常のガラス、プラスチック、金属、ポリマー及びその等価物の中から選択されたいずれか1つで用意することができるが、本発明では基板用意ステップS1で用意する基板の材質や種類は限定されない。
【0107】
図5bに示されたように、非透過層形成ステップS2においては、基板110の下面に所定の厚さの非透過層210を形成する。
【0108】
このような非透過層210は、2枚の基板110を合着して、半導体層及び有機電界発光素子などを形成する製造工程中に、紫外線を反対側の基板方へ透過させない役割を有する。勿論、非透過層210は、基板110が個別に分離された後、外部の紫外線が半導体層や有機電界発光素子の方へ透過できなくする役割も有する。このような非透過層210は、実質的に紫外線遮断剤及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを基板110表面にコーティングして形成することができる。さらに、非透過層210は紫外線を透過しない金属、透明紫外線遮断剤、不透明紫外線遮断剤及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを基板110の表面に蒸着またはコーティングして形成することができる。また、非透過層210が金属である場合、これはクロム(Cr)、酸化クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、酸化マグネシウム(MgO)、銀合金及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを基板110の表面に蒸着またはコーティングして形成することができる。このような非透過層210は500〜3000Åの厚さに形成することが望ましい。非透過層210の厚さが500Å以下である場合には、紫外線遮断率が低く製造工程中や工程後に半導体層や有機電界発光素子に影響を与えることがあり、また非透過層210の厚さが3000Å以上である場合には、十分な紫外線遮断効率にもかかわらず厚さが過度に厚くなるおそれがある。
【0109】
また、非透過層形成ステップS2においては、非透過層210の下面にマグネチック層220を形成するか、非透過層210の下面にマグネチック層220及び摩擦防止層230を順次形成するか、または非透過層210の下面に摩擦防止層230をさらに形成することもできる。
【0110】
ここで、マグネチック層220は、2枚の基板110を合着して、半導体層130及び有機電界発光素子190などを形成する途中、基板110が反らないようにする役割を有する。すなわち、製造工程中、基板110の下面にマグネチック層220と反発する他の極性のマグネットを位置させることで、基板110が反らないようにする。このようなマグネチック層220はAlNiCo磁石、フェライト磁石、稀土類磁石、ゴム磁石、プラスチック磁石及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを用いて形成することができるが、ここでそのマグネチック層220の材質や種類は限定されない。勿論、本発明ではマグネチック層220として電磁石を用いることもできる。このようなマグネチック層220は10〜100μmの厚さに形成することが望ましい。マグネチック層220の厚さが10μm以下である場合には、製造工程中の基板110の反り現象を防止するための十分な磁力が得られず、マグネチック層220の厚さが100μm以上である場合には、厚さが過度に厚くなる短所がある。また、摩擦防止層230は、2枚の基板110を合着して、半導体層及び有機電界発光素子などを形成する途中、両基板110を接触させない。すなわち、摩擦防止層230は、両基板110に形成された非透過層210やマグネチック層220が相互接触しないようにして、基板110の損傷を防止させる。このような摩擦防止層230は有機材料、無機材料及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを用いて形成することができるが、本発明ではその材質は限定されない。また、摩擦防止層230は10〜100μmの厚さに形成することが望ましい。摩擦防止層230の厚さが10μm以下である場合には、製造工程中、他の基板110に形成された非透過層210やマグネチック層220に接触することがあり、摩擦防止層230の厚さが100μm以上である場合には、基板110の全体の厚さが過度に厚くなるおそれがある。
【0111】
図5cに示されたように、基板合着ステップS3においては、上記のように非透過層210、非透過層210/マグネチック層220、非透過層210/マグネチック層220/摩擦防止層230または非透過層210/摩擦防止層230のうちいずれか1つが形成された同一基板110を2枚用意して相互合着する。ここで、図5cには、実際に基板110に非透過層210/マグネチック層220/摩擦防止層230が順次形成された構成が示されている。
【0112】
一方、合着工程中、2枚の基板110が相互分離しないように2枚の基板110の間には合着剤260が介在され得る。このような合着剤260は通常のエポキシ接着剤、紫外線硬化接着剤及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つが用いられ得るが、本発明では合着剤260の材質は限定されない。また、合着剤260は基板110の縁にのみ形成するか、またはより安定的な基板110の合着のために両基板110の内周縁に多数のライン形態で形成することもできる。図5cには、両基板110の間に多数の合着剤260が形成された構成が示されている。
【0113】
さらに、摩擦防止層230は、非透過層210の形成ステップS2ではなく基板110の合着ステップS3において形成することもできる。すなわち、合着剤260を介在して2枚の基板110を合着した後、その内部に液体成分の摩擦防止層230を注入すると、毛細管現象によって2枚の基板110の間に形成された隙間に全て染み込む。勿論、このような液体成分の摩擦防止層230の形成後には、所定の温度で基板110を熱処理することで、摩擦防止層230を硬化させることが望ましい。さらに、基板110の合着ステップS3において両基板110に形成された摩擦防止層230は、相互接触するように形成することが望ましい。すなわち、合着された基板110の移送中、基板110の反り現象や相互間の摩擦が発生しないように、両基板110に形成された摩擦防止層230を相互密着させることが望ましい。
【0114】
図5dに示されたように、半導体層形成ステップS4においては、相互合着された両基板110の表面に半導体層130を形成する。すなわち、摩擦防止層230が形成された面の反対面である両基板110の表面に有機電界発光表示装置の駆動のための半導体層130を形成する。勿論、このような半導体層130の形成の前に、予め基板110の表面にバッファ層(図示せず)を形成することができる。また、半導体層130の形成後にはゲート絶縁膜、ゲート電極、層間絶縁膜、ソース/ドレイン電極、絶縁膜(図示せず)などを形成する。これに関しては、すでに十分説明したので、これに対する説明は省略する。
【0115】
半導体層130は一側の基板に形成した後、他側の基板に形成することができる。すなわち、一側の基板上で半導体層130を形成して完成し、他側の基板で再び半導体層130を形成して完成することができる。さらに、このような半導体層130は工程別に一側と他側の基板を返しながら順次形成することもできる。さらに、半導体層130は工程装備が整うならば両側の基板で同時に形成して完成することもできる。
【0116】
図5eに示されたように、有機電界発光素子形成ステップS5においては、各半導体層130の上面に有機電界発光素子190を形成する。より具体的に、上述したように絶縁膜(図示せず)上にアノード、有機薄膜及びカソードを順次形成する。勿論、有機電界発光素子190の形成後には、画素定義膜200も形成する。ここで、有機電界発光素子190の構造及び形成方法はすでに説明したので、これに関する説明は省略する。
【0117】
同様に、有機電界発光素子190は一側の基板に形成した後、他側の基板に形成することができる。すなわち、一側の基板上で有機電界発光素子190を形成して完成し、他側の基板で再び有機電界発光素子190を形成して完成することができる。さらに、このような有機電界発光素子190は工程別に一側と他側の基板を返しながら順次形成することもできる。さらに、有機電界発光素子190は工程装備が整うならば、両側の基板で同時に形成して完成することもできる。
【0118】
図5fに示されたように封止基板接着ステップS6においては、半導体層130及び有機電界発光素子190が形成された面に封止材250を用いて封止基板240を接着する。ここで封止基板240は通常のガラス、プラスチック、金属、ポリマー及びその等価物の中から選択されたいずれか1つであり得るが、本発明ではその材質は限定されない。また、封止基板240は実質的に基板110の広さより少し小さいものを用いることが望ましい。より具体的には、封止基板240はその縁を基板110の内側方向に3〜8mm程度小さく形成することで、後述のソーイング工程で基板110の縁を容易にソーイングすることもできる。また、封止材250は通常のエポキシ接着剤、紫外線硬化接着剤、フリット(frit)及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを用いることができるが、本発明ではその材質は限定されない。さらに、封止材250としてフリットを用いる場合には、一定の温度でフリットを加熱する必要があるため、レーザービームを用いて封止作業を行うことが望ましい。
【0119】
また、図5fには封止基板240として一体型を示しているが、これとは異なって各半導体層130及び有機電界発光素子190が形成された領域ごとに個別の封止基板240を用いて封止工程を行うこともできる。勿論、この場合には個別の封止基板240をそれぞれ封止材250で接着せねばならず、作業工程数が増加する。
【0120】
一方、図5fには示していないが、本発明は封止基板240の下面に透明吸湿膜がさらに形成されたものを用いることもできる。すなわち、有機電界発光素子190は水分に弱いため、封止基板240の下面に光の透過を遮らず水分を吸収できる透明吸湿膜の形成が可能である。このような透明吸湿膜は、封止基板240の透明度が確保される条件下で厚いほど有利であるが、通常0.1〜300μmの厚さに形成することがよい。透明吸湿膜の厚さが0.1μm未満であれば、十分な吸湿特性を有することができず、透明吸湿膜の厚さが300μmを超えれば有機電界発光素子190に接触する恐れがある。また、透明吸湿膜は平均粒径が100nm以下、特に20〜100nmであるアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩及び金属過塩素酸塩、五酸化リン(P)またはその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを用いることができるが、本発明ではその材質は限定されない。
【0121】
さらに、本発明は上記のように封止基板240に透明吸湿膜を形成する代わりに、基板110と封止基板240間の空間を層状無機物(layered inorganic substance)、高分子、硬化剤及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つを充填して封止工程を完成することもできる。勿論、このような充填後には、熱処理工程を行い、物質を硬化させることが望ましい。
【0122】
さらに、本発明は、当然に各封止基板240の表面に偏光フィルムを接着して外光による反射現象を改善させることもできる。
【0123】
図5gに示されたようにソーイングステップS7においては、それぞれの単位有機電界発光表示装置にも分離できるように基板110をソーイングする。すなわち、ソーイングステップにおいては、半導体層130及び有機電界発光素子190の外周縁に位置された基板110及び封止基板240を共にソーイングすることができる。勿論、上述したように各半導体層130及び有機電界発光素子190と対応する領域にのみ個別の封止基板240が接着されている場合には、基板110だけをソーイングすることで個別の有機電界発光表示装置を得ることができる。
【0124】
さらに、このようなソーイングステップにより、基板110と基板110とを合着している合着剤260が除去される。勿論、ソーイング工程中、合着剤260そのものがソーイングされることもでき、この場合にはソーイングされた基板110に合着剤260の一部が残存することがある。また、このようなソーイングはダイヤモンドホイール、レーザービーム及びその等価方式の中から選択された少なくとも1つの方式で行い得るが、本発明で記ソーイング方法は限定されない。図5gのうち、説明しない部材番号270はレーザービーム発射機を示したものである。
【0125】
図5hに示されたように基板分離ステップS8においては、ソーイングが完了した二つの基板110をそれぞれ分離する。勿論、分離されたそれぞれの基板110には非透過層210、非透過層210/マグネチック層220、非透過層210/マグネチック層220/摩擦防止層230または非透過層210/摩擦防止層230が残存している状態である。図5hには基板110の下面に非透過層210/マグネチック層220/摩擦防止層230が残存している状態が示されている。
【0126】
ここで、各基板110の分離は、基板合着ステップ前に予め各基板110に摩擦防止層230を独立して形成した場合であれば容易に行われる。しかし、基板110の合着の後、液状の摩擦防止層230を注入して形成した場合であれば、基板110の分離が容易に行われないこともある。したがって、この際には、摩擦防止層230を溶解できる化学溶液を用いて摩擦防止層230を除去することが望ましい。勿論、このために摩擦防止層230は化学溶液によって容易に溶解される有機物質で形成することが望ましい。
【0127】
本発明は上記のような基板110の分離ステップを最後に終了してもよい。すなわち、このような基板110の分離ステップの後、セルテスト、FPC(Flexible Printed Circuit)ボンディング、モジュールテスト、信頼性テストを経て製品として出荷することもできる。勿論、セルテストはソーイングステップの前に基板110にセルテストのための領域を別に設けて行ってもよい。
【0128】
一方、上記のように基板110の分離ステップを最後の工程として決定すると、当然完成された有機電界発光表示装置101aに非透過層210、非透過層210/マグネチック層220、非透過層210/マグネチック層220/摩擦防止層230または非透過層210/摩擦防止層230がそのまま残存していることがある。
【0129】
図5iに示されたように、非透過層除去ステップS9においては、非透過層210をエッチングや研磨によって除去してもよい。より具体的には、基板110の下面に非透過層210だけが残存している場合には、非透過層210を除去する。また、基板110の下面に非透過層210/マグネチック層220が残存している場合には、マグネチック層220だけを除去するか、または非透過層210/マグネチック層220を共に除去してもよい。また、基板110の下面に非透過層210/マグネチック層220/摩擦防止層230が残存している場合には、摩擦防止層230だけを除去するか、摩擦防止層230/マグネチック層220を共に除去するか、または摩擦防止層230/マグネチック層220/非透過層210を共に除去してもよい。勿論、基板110の下面に非透過層210/摩擦防止層230が残存している場合には、摩擦防止層230だけを除去するか、または摩擦防止層230/非透過層210を共に除去してもよい。
【0130】
図6a及び図6bには、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置用の移送装置の平面図が示されており、図6cには、図6bのA−A線に沿った断面の断面図が示されている。
【0131】
図6a〜図6cに示されたように、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置用の移送装置300は移送体310と緩衝部材320とを含む。
【0132】
移送体310は、一側に開口311が形成され、開口311の周りに沿って、合着された2枚の基板110が載置されるように所定の深さの段差312が形成されている。また、段差312には合着された基板110が載置されて移送する際に摺動しないように摺動防止用パッド314がさらに形成され得る。このような摺動防止用パッド314は通常のゴム、シリコン及びその等価物の中から選択されたいずれか1つで形成され得るが、本発明では摺動防止用パッドの材質は限定されない。
【0133】
また、緩衝部材320は、移送体310の段差312から所定の長さ延び、合着された基板110が自重によって下部方向に反らないようにすることができる。このような緩衝部材320は、合着された基板110に向かう領域にマグネット322がさらに付着され得る。したがって、合着された基板110にマグネチック層220が形成されている場合、緩衝部材320のマグネット322と相互反発するようになる。勿論、このために合着された基板110に形成されたマグネチック層220と緩衝部材320に設けられたマグネット322間の極性は相互同じ極性にしなければならない。また、緩衝部材320に形成されたマグネット322も、永久磁石または電磁石であることができるが、本発明ではマグネット322の種類は限定されない。
【0134】
一方、緩衝部材320は自ら上下方向に一定距離動くこともできるように、移送体310との境界に弾性部324がさらに形成され得る。すなわち、移送装置300の移送中、外力や機械自らの振動によって移送装置300も共に振動することができる。これにより、移送装置300に載置された基板110も振動する。このとき、弾性部324によって基板110のマグネチック層220と緩衝部材320のマグネット322との相互反発力により、緩衝部材320も共に上下方向に所定距離動くことができる。このために弾性部324は、移送体310と結合した領域にバネ、エアシリンダー、緩衝パッド及びその等価物の中から選択された少なくともいずれか1つで形成され得るが、本発明では弾性部324の種類は限定されない。
【0135】
図7を参照すれば、本発明の一実施形態による移送装置において、緩衝部材によって基板が支持される状態が示されている。
【0136】
図7に示されたように、相互対向する基板110の表面にはマグネチック層220が形成されている。また、これと対応する下部にはマグネット322が付着された緩衝部材320が位置されている。勿論、緩衝部材320の下部には弾性部324が設けられている。したがって、振動のない状態においては、基板110のマグネチック層220と緩衝部材320のマグネット322とが相互反発することで、緩衝部材320が非接触方式で基板110の中央部が下部方向に反らないようにする。
【0137】
一方、基板110の移送中、振動が発生すると、基板110の振動によって緩衝部材320も上下方向に振動する。すなわち、緩衝部材320に形成された弾性部324によって緩衝部材320も基板110の振動方向に動くようになる。したがって、基板110の表面に緩衝部材320が接触せず、これによって基板110の損傷が防止される。
【0138】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】通常の有機電界発光素子を示した概路図である。
【図2a】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置を示した断面図である。
【図2b】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置を示した断面図である。
【図2c】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置を示した断面図である。
【図2d】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置を示した断面図である。
【図2e】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置を示した断面図である。
【図3a】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置として封止が完成された状態を示した断面図である。
【図3b】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置として封止が完成された状態を示した断面図である。
【図3c】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置として封止が完成された状態を示した断面図である。
【図3d】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置として封止が完成された状態を示した断面図である。
【図3e】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置として封止が完成された状態を示した断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造方法を示した流れ図である。
【図5a】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順を示した断面図である。
【図5b】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順を示した断面図である。
【図5c】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順を示した断面図である。
【図5d】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順を示した断面図である。
【図5e】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順を示した断面図である。
【図5f】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順を示した断面図である。
【図5g】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順を示した断面図である。
【図5h】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順を示した断面図である。
【図5i】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の製造手順を示した断面図である。
【図6a】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の移送装置を示した平面図である。
【図6b】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置の移送装置を示した平面図である。
【図6c】図6bのA−A線に沿った断面図である。
【図7】本発明の位置実施形態による移送装置において、緩衝部材によって合着基板が支持される状態を示した部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0140】
101a、102a、103a、104a、105a 有機電界発光表示装置
110 基板
120 バッファ層
130 半導体層
132 ソース/ドレイン領域
134 チャネル領域
140 ゲート絶縁膜
150 ゲート電極
160 層間絶縁膜
170 ソース/ドレイン電極
176 導電性コンタクト
180 絶縁膜
182 保護膜
184 平坦化膜
190 有機電界発光素子
192 アノード
194 有機電界発光薄膜
196 カソード
198 導電性ビア
200 画素定義膜
210 非透過層
220 マグネチック層
230 摩擦防止層
240 封止基板
250 封止材
260 合着剤
300 移送装置
310 移送体
312 段差
314 摺動防止用パッド
320 緩衝部材
322 マグネット
324 弾性部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と;
前記基板上に形成されたバッファ層と;
前記バッファ層上に形成された半導体層と;
前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と;
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と;
前記ゲート電極上に形成された層間絶縁膜と;
前記層間絶縁膜上に形成されたソース/ドレイン電極と;
前記ソース/ドレイン電極上に形成された絶縁膜と;
前記絶縁膜上に形成された有機電界発光素子と;
前記基板の下部に形成された非透過層と;
を含むことを特徴とする、有機電界発光表示装置。
【請求項2】
前記基板は0.05〜1mmの厚さに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項3】
前記基板はガラス、プラスチック、金属及びポリマーの中から選択されたいずれか1つで形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項4】
前記非透過層は500〜3000Åの厚さに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項5】
前記非透過層は紫外線遮断剤であることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項6】
前記非透過層は紫外線を透過しない金属、透明紫外線遮断剤及び不透明紫外線遮断剤の中から選択されたいずれか1つで形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項7】
前記非透過層はクロム(Cr)、酸化クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、酸化マグネシウム(MgO)及び銀合金の中から選択されたいずれか1つで形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項8】
前記非透過層の下面にはマグネチック層がさらに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項9】
前記マグネチック層は10〜100μmの厚さに形成されていることを特徴とする請求項8に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項10】
前記マグネチック層の下面には摩擦防止層が形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項11】
前記非透過層の下面には摩擦防止層がさらに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項12】
前記摩擦防止層は10〜100μmの厚さに形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項13】
前記摩擦防止層は有機材料及び無機材料の中から選択されたいずれか1つで形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項14】
前記基板の上面の周りには封止材が形成され、前記封止材には封止基板が接着されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項15】
基板を用意する基板用意ステップと;
前記基板の下面に非透過層を形成する非透過層形成ステップと;
前記基板を2枚用意して前記非透過層を相互対向させて合着する基板合着ステップと;
前記合着された基板のうち非透過層の反対面にそれぞれ半導体層を形成する半導体層形成ステップと;
前記各半導体層に有機電界発光素子を形成する有機電界発光素子形成ステップと;
前記各有機電界発光素子が形成された面に封止材を用いて封止基板を接着する封止基板接着ステップと;
前記基板のうち半導体層及び有機電界発光素子が形成されていない縁をソーイング(sawing)するソーイングステップと;
前記合着された2枚の基板を個別に分離する基板分離ステップと;
を含むことを特徴とする、有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記基板用意ステップは0.05〜1mmの厚さの基板を用意することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記基板用意ステップはガラス、プラスチック、金属及びポリマーの中から選択されたいずれか1つで形成された基板を用意することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記非透過層形成ステップは基板の下面に厚さが500〜3000Åの非透過層を形成することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記非透過層形成ステップは基板の下面に紫外線遮断剤をコーティングすることを特徴とする請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記非透過層形成ステップは基板の下面に紫外線を透過しない金属、透明紫外線遮断剤及び不透明紫外線遮断剤の内のいずれか1つを形成することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記非透過層形成ステップは基板の下面にクロム(Cr)、酸化クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、酸化マグネシウム(MgO)及び銀合金の中から選択されたいずれか1つを形成することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記非透過層形成ステップは前記非透過層の下面にマグネチック層をさらに形成することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記非透過層形成ステップは前記非透過層の下面に厚さが10〜100μmのマグネチック層をさらに形成することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記非透過層形成ステップは前記マグネチック層の下面に摩擦防止層をさらに形成することを特徴とする、請求項22に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項25】
前記非透過層形成ステップは基板の下面に摩擦防止層をさらに形成することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項26】
前記非透過層形成ステップは基板の下面に厚さが10〜100μmの摩擦防止層をさらに形成することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項27】
前記非透過層形成ステップは非透過層の下面に有機材料及び無機材料の内から選択されたいずれか1つで摩擦防止層をさらに形成することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項28】
前記基板合着ステップは2枚の基板の間に合着剤を介在して2枚の基板を合着させることを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項29】
前記基板合着ステップは合着剤としてエポキシ接着剤を用いることを特徴とする、請求項28に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項30】
前記基板合着ステップは合着剤を基板の縁に形成することを特徴とする、請求項28に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項31】
前記基板合着ステップは合着剤を基板の内周縁に複数のライン形態に形成することを特徴とする、請求項28に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項32】
前記基板合着ステップは各基板に形成された摩擦防止層を相互接触させることを特徴とする、請求項25に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項33】
前記封止基板接着ステップは前記封止基板の広さが前記基板の広さより小さいものを用いることを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項34】
前記封止基板接着ステップは前記封止基板の縁が前記基板の内側方向に3〜8mm小さく形成することを特徴とする、請求項33に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項35】
前記ソーイングステップは前記半導体層及び有機電界発光素子の外周縁に位置された基板及び封止基板をソーイングすることを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項36】
前記ソーイングステップはレーザービームで行われることを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項37】
前記ソーイングステップは前記基板から合着剤を除去させることを特徴とする、請求項28に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項38】
前記基板分離ステップの後には、非透過層を除去する非透過層除去ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項39】
前記基板分離ステップの後には、マグネチック層を除去するマグネチック層除去ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項40】
前記基板分離ステップの後には、マグネチック層及び非透過層を順次除去するマグネチック層及び非透過層除去ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項41】
前記基板分離ステップの後には、摩擦防止層を除去する摩擦防止層除去ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項24または25に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項42】
前記基板分離ステップの後には、摩擦防止層、マグネチック層及び非透過層を除去する摩擦防止層、マグネチック層及び非透過層除去ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項24に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項43】
前記基板分離ステップの後には、摩擦防止層を除去する摩擦防止層除去ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項25に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項44】
前記基板分離ステップの後には、摩擦防止層及び非透過層を除去する摩擦防止層及び非透過層除去ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項25に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項45】
前記基板合着ステップは2枚の基板を合着した後、液状の摩擦防止層を2枚の基板の間に注入することを特徴とする、請求項15に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項46】
一側に開口が形成され、前記開口の周りには2枚の基板が合着された有機電界発光表示装置が載置されるように所定深さの段差が形成された移送体と;
前記移送体の段差から所定長さ延びて前記合着された有機電界発光表示装置が反らないように緩衝する少なくとも1つの緩衝部材と;
を含むことを特徴とする、有機電界発光表示装置用の移送装置。
【請求項47】
前記移送体は段差に前記合着された有機電界発光表示装置が載置されて摺動しないように摺動防止用パッドがさらに形成されていることを特徴とする、請求項46に記載の有機電界発光表示装置用の移送装置。
【請求項48】
前記摺動防止用パッドはゴム及びシリコンの中から選択されたいずれか1つであることを特徴とする、請求項47に記載の有機電界発光表示装置用の移送装置。
【請求項49】
前記緩衝部材は前記合着された有機電界発光表示装置に向かう領域にマグネットがさらに付着されてなることを特徴とする請求項46に記載の有機電界発光表示装置用の移送装置。
【請求項50】
前記緩衝部材は前記移送体と結合した領域に弾性部がさらに形成されていることを特徴とする請求項、46に記載の有機電界発光表示装置用の移送装置。
【請求項51】
前記弾性部はバネ、エアシリンダー及び緩衝パッドの中から選択されたいずれか1つであることを特徴とする、請求項50に記載の有機電界発光表示装置用の移送装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図5g】
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【図5h】
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【図5i】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−84819(P2008−84819A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11502(P2007−11502)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】