説明

有機電界発光表示装置及びその製造方法

【課題】各発光セル内に駆動用のトランジスタを配置した場合に各発光セルの開口率の低下を防止して、低消費電力で明るい表示が可能な有機電界発光表示デバイスを提供する。
【解決手段】多数の発光セルのそれぞれについて、有機電界発光部に対する通電を制御する第1のトランジスタ20Aと、前記第1のトランジスタの入力に与える信号をスイッチングする第2のトランジスタ20Bとを設けると共に、非晶質酸化物TFTにより各トランジスタを形成し、(第1のトランジスタの出力電流)<(第2のトランジスタの出力電流)の条件を満たすように、移動度μを作り分けて第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれが有機電界発光部を有する多数の発光セルが基板上に配設された有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な表示装置に利用可能な有機電界発光(有機EL)表示装置については、一般的に半導体製造プロセスと同様のプロセスを用いて、半導体等の基板上にそれぞれが有機電界発光部を有する多数の発光セルを形成することにより作られる。それぞれの発光セルは表示される画像等を構成する画素の1つを表示するために利用される。
【0003】
有機ELは、注入型エレクトロルミネッセンスと言う、電子−正孔対の再結合で発光する現象を利用しており、発光原理がLED(light-emitting diode)に近いことからOLED(Organic light-emitting diode)とも呼ばれている。
【0004】
また、二次元配置された多数の発光セルのそれぞれの点灯/消灯を確実に制御するために、セル毎に独立したTFT(Thin Film Transistor)などのアクティブ駆動素子を設けたアクティブマトリックス駆動方式が一般的に用いられる。
【0005】
有機EL表示装置の場合には、例えば特許文献1の図8に示されているような構成の回路がセル毎に形成される。すなわち、有機EL素子(70)の通電を制御するためにこの素子と直列に接続された駆動用トランジスタ(80)を設け、この駆動用トランジスタの入力には信号を保持するためのキャパシタと、信号をスイッチングするための選択用トランジスタ(10)とが接続される。
【0006】
つまり、当該セルで表示すべき信号が現れるタイミングで選択用トランジスタを一時的にオンにして必要な信号をキャパシタに保持する。これにより、当該セルの駆動用トランジスタが、入力された信号に応じた電流を有機EL素子に流すので、この有機EL素子の発光光量が電流により制御される。
【0007】
ところで、多数の発光セルを並べて構成された有機EL表示装置においては、各セルの開口率を高めることが重要である。すなわち、各セルの面積が小さくなる傾向にあるので、セルの面積に対して発光する領域の面積の割合をなるべく大きくしないと、十分な光量が得られず鮮明な表示ができない。実際には、各セルを駆動する回路のトランジスタ等が大きくなると、このトランジスタ等によって光が遮られるためセルの開口率が下がり発光光量が小さくなる。
【0008】
そこで、例えば特許文献1に開示された従来技術においては、駆動用トランジスタの短チャネル化を可能にするために、駆動用トランジスタのキャリア移動度を選択用トランジスタのキャリア移動度に比べて小さくしている。具体的には、トランジスタの活性層(チャネルを形成する領域)としてシリコン系半導体を用い、その結晶粒径差によりキャリア移動度の変化を得ている。
【0009】
なお、特許文献2には、非晶質酸化物半導体をトランジスタの活性層に用いて構成した発光装置が開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2005−300786号公報
【特許文献2】特開2006−186319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1のようにポリシリコンを用いてトランジスタ(TFT)を構成すると、移動度が100〜200程度と大きいため、駆動用トランジスタのチャネル長(L)を大きくして電流量を制限しなければならない。このチャネル長が大きくなると、セル内の面積に占めるトランジスタの領域の割合が大きくなるため開口率が低下してしまう。従って、高精細の表示装置を実現するための有機EL表示装置を実現しようとする場合には、各セルにトランジスタを配置できない場合もある。
【0012】
また、ポリシリコンを用いてトランジスタ(TFT)を構成する場合には、レーザーアニール処理により移動度を調整することは可能であるが、全ての発光セルで一括してアニール処理を行うことが難しいため、各トランジスタの移動度やしきい値電圧の特性のばらつきが大きくなり、表示むらが発生しやすい。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、各発光セルの開口率の低下を防止すると共に、各発光セルの特性ばらつきを抑えて、低消費電力で明るい高画質表示が可能な有機電界発光表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の有機電界発光表示装置は、それぞれが有機電界発光部を有する多数の発光セルが基板上に配設された有機電界発光表示装置であって、前記発光セルのそれぞれについて、前記有機電界発光部に対する通電を制御する第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの入力に与える信号をスイッチングする第2のトランジスタとが設けられ、前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタの各々の活性層が非晶質酸化物半導体により形成され、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとをそれぞれ同一条件で駆動したとき、(第1のトランジスタの出力電流量)<(第2のトランジスタの出力電流量)の条件を満たすように、前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタが形成されている。
【0015】
本発明の有機電界発光表示装置は、(前記第1のトランジスタの移動度)<(前記第2のトランジスタの移動度)となっている。
【0016】
本発明の有機電界発光表示装置は、(前記第1のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度)<(前記第2のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度)となっている。
【0017】
本発明の有機電界発光表示装置は、(前記第1のトランジスタのゲート絶縁膜厚)>(前記第2のトランジスタのゲート絶縁膜厚)となっている。
【0018】
本発明の有機電界発光表示装置は、(前記第1のトランジスタのゲート絶縁膜の誘電率)<(前記第2のトランジスタのゲート絶縁膜の誘電率)となっている。
【0019】
本発明の有機電界発光表示装置は、前記非晶質酸化物半導体が、In−Ga−Zn−O系又はIn−Zn−O系の酸化物半導体である。
【0020】
本発明の有機電界発光表示装置の製造方法は、それぞれが有機電界発光部を有する多数の発光セルが基板上に配設され、前記発光セルのそれぞれについて、前記有機電界発光部に対する通電を制御する第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの入力に与える信号をスイッチングする第2のトランジスタとが設けられた有機電界発光表示装置の製造方法であって、基板上に、前記第1のトランジスタの活性層と前記第2のトランジスタの活性層とを非晶質酸化物半導体により形成する第1のステップと、前記第1のトランジスタの活性層のみを遮光用のマスクで覆った後、前記第2のトランジスタの活性層に紫外線又はプラズマを照射して、前記第2のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度を、前記第1のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度よりも高くする第2のステップとを含む。
【0021】
本発明の有機電界発光表示装置の製造方法は、それぞれが有機電界発光部を有する多数の発光セルが基板上に配設され、前記発光セルのそれぞれについて、前記有機電界発光部に対する通電を制御する第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの入力に与える信号をスイッチングする第2のトランジスタとが設けられた有機電界発光表示装置の製造方法であって、基板上に、前記第1のトランジスタの活性層と前記第2のトランジスタの活性層とを非晶質酸化物半導体により形成する第1のステップと、前記第1のトランジスタの活性層のみを遮光用のマスクで覆った後、前記第2のトランジスタの活性層に紫外線又はプラズマを照射する第2のステップと、前記第2のトランジスタの活性層のみを遮光用のマスクで覆った後、前記第1のトランジスタの活性層に紫外線又はプラズマを照射する第3のステップとを含み、(前記第1のトランジスタの活性層への前記紫外線又はプラズマの照射量)<(前記第2のトランジスタの活性層への前記紫外線又はプラズマの照射量)として、前記第2のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度を、前記第1のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度よりも高くする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の有機電界発光表示装置によれば、各発光セルの開口率の低下を防止して、低消費電力で明るい表示が可能になる。また、発光セル間の特性のばらつきを減らすことが可能であり、表示むらの抑制も可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の有機電界発光表示装置及びその製造方法に関する具体的な実施の形態について、図1〜図8を参照しながら以下に説明する。
【0024】
図1は実施の形態の有機電界発光表示装置に含まれる多数の発光セルの1つに関する基本的な回路構成を示す電気回路図である。図2は図1に示す回路に印加される信号の例を示すタイムチャートである。図3は図1に示す回路に含まれているトランジスタの電流−電圧特性を表すグラフである。図4〜6は実施の形態の有機電界発光表示装置に含まれる多数の発光セルの1つに関する3種類の回路構成を示す電気回路図である。図7は図4(b)に示す回路に含まれている特性の異なる2つのトランジスタを1つの基板上に作るための製造過程の具体例(1)を表す縦断面図である。図8は図4(b)に示す回路に含まれている特性の異なる2つのトランジスタを1つの基板上に作るための製造過程の具体例(2)を表す縦断面図である。
【0025】
本実施の形態では、一般的な表示装置の表示パネルと同様に、同じ構造を有する多数の発光セルを横方向及び縦方向に一定の間隔で二次元に並べて配置した有機電界発光表示装置に本発明を適用する場合を想定している。また、二次元配置された多数の発光セルのそれぞれの点灯/消灯及び発光量を確実に制御するために、セル毎に独立したアクティブ駆動素子を設けたアクティブマトリックス駆動方式を採用する場合を想定している。
【0026】
すなわち、有機電界発光表示装置を構成する多数の発光セルのそれぞれは、図1に示すような回路構成となっている。半導体製造プロセスと同様の製造工程を用いて1つの基板上に図2に示す構成の発光セルを多数並べて配置することにより、1つの有機電界発光表示装置が構成される。この有機電界発光表示装置により画像を表示する場合には、画像を構成する各画素が、通常はそれぞれ1つの発光セルの発光により表示される。また、カラー画像を表示する場合には、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各色に対応する3つの発光セルが1画素の表示のために用いられる。
【0027】
図1を参照すると、この発光セルは、有機電界発光部として機能する有機EL素子(OLED)10、駆動用トランジスタ20、キャパシタ30、及びスイッチング用トランジスタ40を備えている。有機EL素子10は発光ダイオードと同様に陽極と陰極とを有しており、有機EL素子10の陽極は電源ライン(直流電圧Vddが印加される)51と接続され、有機EL素子10の陰極は駆動用トランジスタ20を介してアースライン52と接続されている。つまり、有機EL素子10に流す電流Idsが駆動用トランジスタ20によって制御される。
【0028】
駆動用トランジスタ20の入力電圧(Vgs:ゲート−ソース電圧)を保持するために、駆動用トランジスタ20のゲート電極とアースラインとの間にキャパシタ30が接続されている。
【0029】
各発光セルの有機EL素子10に流す電流Idsを決定するために用いるプログラム電圧Vpは信号ライン53に印加され、このプログラム電圧Vpは信号ライン53から各発光セルのスイッチング用トランジスタ40を介して駆動用トランジスタ20のゲート電極及びキャパシタ30に印加される。つまり、プログラム電圧Vpを各発光セルに選択的に印加するために、スイッチング用トランジスタ40がオンオフ制御される。スイッチング用トランジスタ40は、選択制御ライン54に印加される選択信号Vg−mによってオンオフ制御される。
【0030】
例えば、1番目の発光セル、2番目の発光セル、3番目の発光セル、・・・、n番目の発光セルが順番に並んで配置されている場合には、図2に示す信号Vg1、Vg2、Vg3、・・・、Vgnのようにそれぞれ少しずつずれたタイミングで一時的に高レベルになる信号が各セルに図1に示す選択信号Vg−mとして印加され、この選択信号Vg−mが高レベルになっている時に、スイッチング用トランジスタ40がオンになってプログラム電圧Vpが駆動用トランジスタ20のゲート電極に供給される。この時にキャパシタ30が充放電するため、プログラム電圧Vpはキャパシタ30に保持され、スイッチング用トランジスタ40がオフになった後も駆動用トランジスタ20のゲート電圧(Vgs)は一定に維持される。
【0031】
図1に示す駆動用トランジスタ20における電流Idsと電圧Vds(ドレイン−ソース電圧)との関係を表す特性は図3のようになっている。図3に示すように、駆動用トランジスタ20のゲート電圧Vgsが小さいと駆動用トランジスタ20の出力電流である電流Idsは小さくなり、ゲート電圧Vgsが大きいと電流Idsも大きくなる。電流Idsが小さいと有機EL素子10の発光量が小さくなり、電流Idsが大きいと有機EL素子10の発光量も大きくなる。
【0032】
なお、スイッチング用トランジスタ40についても図3と似た電流−電圧特性になる。但し、駆動用トランジスタ20は小さい電流(Ids)を流せば充分であるのに対し、スイッチング用トランジスタ40に流す電流は充分に大きくする必要がある。また、スイッチング用トランジスタ40については高速でオンオフ状態を切り替える必要がある。このため、駆動用トランジスタ20とスイッチング用トランジスタ40をそれぞれ同一条件で動作させたときに、(駆動用トランジスタ20の出力電流量)<(スイッチング用トランジスタ40の出力電流量)となるように、駆動用トランジスタ20とスイッチング用トランジスタ40がそれぞれ形成されている。
【0033】
本実施の形態では、駆動用トランジスタ20を飽和領域で使用する場合を想定している。トランジスタを飽和領域で使用する場合、そのトランジスタの出力電流Idsは次式(1)で表される。
【0034】
Ids=(1/2)・μ・Cox・(W/L)・(Vgs−Vth)2 ・・・(1)
Vp=Vgs−Vth
Cox=ε0・εr/d
μ:移動度
W:トランジスタのチャネル幅
L:トランジスタのチャネル長さ(ドレイン−ソース間の距離)
Vth:トランジスタのしきい値電圧
Vp:プログラム電圧
ε0・εr:ゲート絶縁膜材料の誘電率
d:ゲート絶縁膜厚
【0035】
従って、電流Idsの調整に利用可能なパラメータとしては、W/L、μ、d、εr、Vpがあり、これらを調整することで、トランジスタの出力電流量を調整することが可能である。
【0036】
なお、上述したように、スイッチング用トランジスタ40は、高速スイッチング動作を行う必要があるため、その出力電流量を、駆動用トランジスタ20の出力電流量よりも充分に大きくする必要があり、一般的には、駆動用トランジスタ20のチャネル長Lが、スイッチング用トランジスタ40のチャネル長Lよりも充分大きな値となるように設計される。しかし、チャネル長Lの増大は開口率の低下を招くため好ましくない。
【0037】
また、プログラム電圧Vpについては、これを小さくすればチャネル長Lを小さくすることができるが、この場合、発生するノイズが増えて表示品質に悪影響を及ぼすので、プログラム電圧Vpをあまり下げることはできない。
【0038】
そこで、本実施形態では、(駆動用トランジスタ20の移動度μ)<(スイッチング用トランジスタ40の移動度μ)とすることで、(駆動用トランジスタ20の出力電流量)<(スイッチング用トランジスタ40の出力電流量)を実現したまま、駆動用トランジスタ20のチャネル長Lを小さくすることを可能にしている。
【0039】
また、本実施形態では、駆動用トランジスタ20及びスイッチング用トランジスタ40の各々の活性層を非晶質酸化物半導体により形成することで、各トランジスタの移動度の調整を容易にすると共に、この移動度の調整に伴う各トランジスタの特性バラつきを抑えることを可能にしている。非晶質酸化物半導体としては、IZO(In−Zn−O)系やIGZO(In−Ga−Zn−O)系等の酸化物半導体を用いることができる。
【0040】
例えば電流Idsを固定値とし、Vp,W,Coxをそれぞれ固定値とすると、式(1)により、駆動用トランジスタ20の移動度μを小さくすれば、チャネル長Lを小さくできるのでセルの開口率を上げることができる。移動度μを小さくすると、応答速度が低下するが駆動用トランジスタ20は電流を高速で変化させる必要がないので問題はない。一方、スイッチング用トランジスタ40についてはプログラム電圧(Vp)を印加するセルの選択状態を高速で切り替える必要があるので、移動度μを大きくして高速動作ができる方が望ましい。また、スイッチング用トランジスタ40のチャネルサイズは、もともと駆動用トランジスタ20と比べて非常に小さい。このため、スイッチング用トランジスタ40については、その移動度μを大きくしたとしても開口率にはほとんど影響しない。
【0041】
駆動用トランジスタ20及びスイッチング用トランジスタ40の移動度μを調整する方法については、駆動用トランジスタ20を構成する活性層の電子キャリア濃度と、スイッチング用トランジスタ40を構成する活性層の電子キャリア濃度とが異なるようにこれらを形成することが考えられる。この方法については後で説明する。
【0042】
上記のような工夫を適用して構成した1つの発光セルの3種類の構成例が図4〜図6に示されている。
【0043】
図4に示す構成例では、図1の場合と同様に1つの発光セルの中に、有機EL素子10と、駆動用トランジスタ20Aと、キャパシタ30と、スイッチング用トランジスタ40Aとを作り込んである。この発光セルにおいて、スイッチング用トランジスタ40Aの出力電流量が、駆動用トランジスタ20Aの出力電流量の40倍となるように設計を行う場合を考える。
【0044】
この場合、スイッチング用トランジスタ40Aと駆動用トランジスタ20Aのチャネル長Lだけを変えて出力電流量を変えようとすると、駆動用トランジスタ20Aのチャネル長Lは、スイッチング用トランジスタ40Aのチャネル長Lの40倍必要になる。例えば、図4(a)において、スイッチング用トランジスタ40Aのチャネル幅Wを5(μm)、チャネル長Lを5(μm)とすると、駆動用トランジスタ20Aのチャネル幅Wは5(μm)、チャネル長Lは200(μm)となる。又、このときの駆動用トランジスタ20Aとスイッチング用トランジスタ40Aのそれぞれの移動度μを「10」とする。
【0045】
図4(a)の構成例に対し、駆動用トランジスタ20Aの移動度μを1/10の「1」にすると、図4(b)に示すように、駆動用トランジスタ20Aのチャネル長Lを図4(a)のときの1/10の20(μm)にすることができる。つまり、駆動用トランジスタ20Aの移動度μをスイッチング用トランジスタ40Aの移動度μよりも小さくすることにより、駆動用トランジスタ20Aのチャネル長Lを図4(a)の場合よりも小さくすることができ、開口率を向上させることができる。
【0046】
図5に示す構成例では、図1の場合と同様に1つの発光セルの中に、有機EL素子10と、駆動用トランジスタ20Bと、キャパシタ30と、スイッチング用トランジスタ40Bとを作り込んである。この発光セルにおいて、スイッチング用トランジスタ40Bの出力電流量が、駆動用トランジスタ20Bの出力電流量の20倍となるように設計を行う場合を考える。
【0047】
この場合、スイッチング用トランジスタ40Bと駆動用トランジスタ20Bのチャネル長Lだけを変えて出力電流量を変えようとすると、駆動用トランジスタ20Bのチャネル長Lは、スイッチング用トランジスタ40Bのチャネル長Lの20倍必要になる。例えば、図5(a)において、スイッチング用トランジスタ40Bのチャネル幅Wを5(μm)、チャネル長Lを5(μm)とすると、駆動用トランジスタ20Bのチャネル幅Wは5(μm)、チャネル長Lは100(μm)となる。又、このときの駆動用トランジスタ20Bとスイッチング用トランジスタ40Bのそれぞれのゲート絶縁膜厚dを「1」とする。
【0048】
図5(a)の構成例に対し、駆動用トランジスタ20Bのゲート絶縁膜厚dを5倍にすると、図5(b)に示すように、駆動用トランジスタ20Bのチャネル長Lを図5(a)のときの1/5の20(μm)にすることができる。つまり、駆動用トランジスタ20Bのゲート絶縁膜厚dをスイッチング用トランジスタ40Bのゲート絶縁膜厚dよりも大きくすることにより、駆動用トランジスタ20Bのチャネル長Lを図5(a)の場合よりも小さくすることができ、開口率を向上させることができる。
【0049】
なお、実際には、ゲート絶縁膜厚dはあまり大きく変更することができず、ゲート絶縁膜厚dの調整だけでは開口率を充分に向上させられない。このため、現実的なデバイスを構成する場合には、図4(b)と同様に互いに移動度μが異なる駆動用トランジスタ20Aとスイッチング用トランジスタ40Aとを作り、更に、(駆動用トランジスタ20Aのゲート絶縁膜厚d)>(スイッチング用トランジスタ40Aのゲート絶縁膜厚d)とする。これにより、移動度μだけを調整する場合と比べて、駆動用トランジスタ40Aのチャネル長Lを更に小さくすることができ、更なる開口率の向上を図ることができる。
【0050】
図6に示す構成例では、図1の場合と同様に1つの発光セルの中に、有機EL素子10と、駆動用トランジスタ20Cと、キャパシタ30と、スイッチング用トランジスタ40Cとを作り込んである。この発光セルにおいて、スイッチング用トランジスタ40Cの出力電流量が、駆動用トランジスタ20Cの出力電流量の40倍となるように設計を行う場合を考える。
【0051】
この場合、スイッチング用トランジスタ40Cと駆動用トランジスタ20Cのチャネル長Lだけを変えて出力電流量を変えようとすると、駆動用トランジスタ20Cのチャネル長Lは、スイッチング用トランジスタ40Cのチャネル長Lの40倍必要になる。例えば、図6(a)において、スイッチング用トランジスタ40Cのチャネル幅Wを5(μm)、チャネル長Lを5(μm)とすると、駆動用トランジスタ20Cのチャネル幅Wは5(μm)、チャネル長Lは200(μm)となる。又、このときの駆動用トランジスタ20Cとスイッチング用トランジスタ40Cのそれぞれのゲート絶縁膜誘電率εを「20」とする。
【0052】
図6(a)の構成例に対し、駆動用トランジスタ20Cのゲート絶縁膜誘電率εを1/4にすると、図6(b)に示すように、駆動用トランジスタ20Cのチャネル長Lを図6(a)のときの1/4の50(μm)にすることができる。つまり、駆動用トランジスタ20Cのゲート絶縁膜誘電率εをスイッチング用トランジスタ40Cのゲート絶縁膜誘電率εよりも小さくすることにより、駆動用トランジスタ20Cのチャネル長Lを図6(a)の場合よりも小さくすることができ、開口率を向上させることができる。
【0053】
なお、実際には、ゲート絶縁膜に使用できる材料は限られているため、ゲート絶縁膜誘電率εを大きく変更することは難しく、ゲート絶縁膜誘電率εの調整だけでは開口率を充分に向上させられない。このため、現実的なデバイスを構成する場合には、図4(b)と同様に互いに移動度μが異なる駆動用トランジスタ20Aとスイッチング用トランジスタ40Aとを作り、更に、(駆動用トランジスタ20Aのゲート絶縁膜誘電率ε)<(スイッチング用トランジスタ40Aのゲート絶縁膜誘電率ε)とする。これにより、移動度μだけを調整する場合と比べて、駆動用トランジスタ40Aのチャネル長Lを更に小さくすることができ、更なる開口率の向上を図ることができる。
【0054】
なお、ゲート絶縁膜として利用可能な各材料(SiO,SiON,SiN)の誘電率εに関しては「SiO<SiON<SiN」の関係があるので、例えば図6(b)に示す駆動用トランジスタ20Cのゲート絶縁膜の材料として「SiO」を採用し、スイッチング用トランジスタ40Cのゲート酸化膜の材料として「SiON」又は「SiN」を採用することが考えられる。
【0055】
また、図4(b)に示すような移動度μの調整と、図5(b)に示すようなゲート絶縁膜厚dの調整と、図6(b)に示すようなゲート絶縁膜誘電率εの調整とを組み合わせて必要なサイズの駆動用トランジスタ20及びスイッチング用トランジスタ40を形成することで、更なる開口率の向上を実現することができる。
【0056】
次に、前述の駆動用トランジスタ20及びスイッチング用トランジスタ40として互いに電子キャリア濃度が異なる素子を作るために利用可能な製造工程の具体例について説明する。
【0057】
(製造工程の具体例1)
図7に示すように、基板60上に絶縁膜を形成後、その上に、トランジスタを構成するゲート電極61、62を電極材料の成膜及びパターニングにより形成する。更に、これらの上にゲート絶縁膜63、64を、絶縁材料の成膜及びパターニングにより形成する。次に、これらの上に2つの活性層65、66を形成する。活性層65、66の形成に関しては次のように処理する。
【0058】
InGaZnOの組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、高周波マグネトロンスパッタ真空蒸着法により処理する。この例では次の条件を用いた。
アルゴン(Ar)流量:12sccm
酸素(O)流量 :1.4sccm
高周波パワー :200W
圧力 :0.4Pa
【0059】
この処理の結果、活性層65は次のような特性になった(活性層66も同様)。
電気伝導度 :5.7×10−3Scm−1
電子キャリア濃度:1×1016cm−3
ホール移動度 :3.0cm/V・S
【0060】
次に、図7に示すように活性層66と対向する箇所に開口部67aを有する紫外線マスク67を配置して活性層65の表面を覆い、紫外線(UV)光源68を用いて紫外線光(11.6mW)を活性層66にのみ1分間照射した。
【0061】
この処理の結果、活性層66は次のような特性になった。
電気伝導度 :4.0×10Scm−1
電子キャリア濃度:3×1019cm−3
ホール移動度 :8.3cm/V・S
【0062】
なお、紫外線の照射量を増やしたところ、電子キャリア濃度もその照射量に応じて増加することが分かった。
【0063】
そこで、このようにして形成された活性層65をチャネルとして用いて駆動用トランジスタ20Aを構成し、活性層66をチャネルとして用いてスイッチング用トランジスタ40Aを構成する。これにより、電子キャリア濃度が小さい活性層65を用いた駆動用トランジスタ20Aは移動度μが小さくなり、電子キャリア濃度が大きい活性層66を用いたスイッチング用トランジスタ40Aは移動度μが大きくなるので、例えば図4(b)に示す構成のように、駆動用トランジスタ20Aのチャネル長を小さくして開口率の低下を防止すると共に、スイッチング用トランジスタ40Aの高速動作を可能にすることができる。
【0064】
また、図7に示すような紫外線光の照射工程については、多数の発光セルについて一括して処理することができるので、セル間の特性のばらつきが小さくなり、表示むらが低減される。
【0065】
(製造工程の具体例2)
図8に示すように、基板70上に絶縁膜を形成後、その上に、トランジスタを構成するゲート電極71、72を電極材料の成膜及びパターニングにより形成する。更に、これらの上にゲート絶縁膜73、74を、絶縁材料の成膜及びパターニングにより形成する。次に、これらの上に2つの活性層75、76を形成する。活性層75、76の形成に関しては次のように処理する。
【0066】
InGaZnOの組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、高周波マグネトロンスパッタ真空蒸着法により処理する。この例では次の条件を用いた。
アルゴン(Ar)流量:12sccm
酸素(O)流量 :1.4sccm
高周波パワー :200W
圧力 :0.4Pa
【0067】
この処理の結果、活性層75は次のような特性になった(活性層76も同様)。
電気伝導度 :5.7×10−3Scm−1
電子キャリア濃度:1×1016cm−3
ホール移動度 :3.0cm/V・S
【0068】
次に、図8に示すように活性層76と対向する箇所に開口部77aを有するマスク77を配置して活性層75の表面を覆い、Arプラズマ装置78を用いてアルゴンプラズマを(150W,0.1Torr)の条件で活性層76にのみ30秒間照射した。
【0069】
この処理の結果、活性層76は次のような特性になった。
電気伝導度 :1.0×10Scm−1
電子キャリア濃度:8×1019cm−3
ホール移動度 :19.2cm/V・S
【0070】
なお、プラズマの照射時間を延ばしたところ、電子キャリア濃度もその照射時間に応じて増加することが分かった。
【0071】
そこで、このようにして形成された活性層75をチャネルとして用いて駆動用トランジスタ20Aを構成し、活性層76をチャネルとして用いてスイッチング用トランジスタ40Aを構成する。これにより、電子キャリア濃度が小さい活性層75を用いた駆動用トランジスタ20Aは移動度μが小さくなり、電子キャリア濃度が大きい活性層76を用いたスイッチング用トランジスタ40Aは移動度μが大きくなるので、例えば図4(b)に示す構成のように、駆動用トランジスタ20Aのチャネル長を小さくして開口率の低下を防止すると共に、スイッチング用トランジスタ40Aの高速動作を可能にすることができる。
【0072】
また、図8に示すようなArプラズマの照射工程については、多数の発光セルについて一括して処理することができるので、セル間の特性のばらつきが小さくなり、表示むらが低減される。
【0073】
なお、図7及び図8に示した例では、InGaZnOの組成を有する物質を用いて非晶質酸化物TFTを構成する場合を想定しているが、IZO系の組成を有する物質を利用して非晶質酸化物TFTを構成しても良い。
【0074】
また、図7及び図8に示した例では、活性層65,75に対して紫外線又はアルゴンのプラズマの照射を行わないことで、活性層66,76と、活性層65,75との電子キャリア濃度を変えるようにしているが、活性層66,76と、活性層65,75の双方に対して紫外線又はアルゴンのプラズマの照射を行って、電子キャリア濃度に差を付けることも可能である。
【0075】
この場合には、例えば、活性層65を遮光用のマスクで覆った後、活性層66にのみ紫外線を照射し、その後、活性層66を遮光用のマスクで覆った後、活性層65にのみ紫外線を照射する。そして、(活性層65への紫外線の照射量)<(活性層66への紫外線の照射量)とすることで、活性層66の電子キャリア濃度を活性層65の電子キャリア濃度よりも大きくすることができる。
【0076】
また、例えば、活性層75を遮光用のマスクで覆った後、活性層76にのみアルゴンのプラズマを照射し、その後、活性層76を遮光用のマスクで覆った後、活性層75にのみアルゴンのプラズマを照射する。そして、(活性層75へのプラズマの照射時間)<(活性層76へのプラズマの照射時間)とすることで、活性層76の電子キャリア濃度を活性層75の電子キャリア濃度よりも大きくすることができる。
【0077】
以上のように、本実施形態の有機電界発光表示装置によれば、各発光セル内の駆動用トランジスタ20の移動度μをスイッチング用トランジスタ40の移動度μよりも小さくしているので、駆動用トランジスタ40のサイズを小さくすることが可能である。この結果、駆動用トランジスタ40のサイズ縮小によるコスト削減が可能となり、又、サイズ縮小による開口率向上によって、表示輝度を向上させることもできる。
【0078】
また、本実施形態の有機電界発光表示装置では、各発光セル内において、駆動用トランジスタ20とスイッチング用トランジスタ40の活性層を非晶質酸化物半導体により形成している。この非晶質酸化物半導体を用いたことにより、例えば紫外線照射やプラズマ照射などにより全ての発光セルを一括して処理することが可能となる。このため、移動度を調整するときのプロセスが簡単になり低コスト化が可能になる。更に、セル間の特性のばらつきが小さくなるため高品質の表示が可能になる。また、非晶質酸化物半導体は、その移動度が10程度であるため、駆動用トランジスタ20とスイッチング用トランジスタ40の電流量の調整もやりやすい。
【0079】
また、本実施形態の有機電界発光表示装置では、駆動用トランジスタ20の移動度μを小さくすることにより、プログラム電圧(Vp)を小さくすることなしに階調を制御することが可能になり、ノイズが少なく高品質の階調表示が可能になる。また、駆動用トランジスタ20のゲート絶縁膜厚やを相対的に厚くすることにより、プログラム電圧(Vp)を小さくすることなしに階調を制御することが可能になり、更にゲート電極のリーク電流を抑制できるためノイズが少なく高品質の階調表示が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】実施の形態の有機電界発光表示デバイスに含まれる多数の発光セルの1つに関する基本的な回路構成を示す電気回路図である。
【図2】図1に示す回路に印加される信号の例を示すタイムチャートである。
【図3】図1に示す回路に含まれているトランジスタの電流−電圧特性を表すグラフである。
【図4】実施の形態の有機電界発光表示デバイスに含まれる多数の発光セルの1つに関する回路構成例を示す電気回路図である。
【図5】実施の形態の有機電界発光表示デバイスに含まれる多数の発光セルの1つに関する回路構成例を示す電気回路図である。
【図6】実施の形態の有機電界発光表示デバイスに含まれる多数の発光セルの1つに関する回路構成例を示す電気回路図である。
【図7】図1(a)に示す回路に含まれている特性の異なる2つのトランジスタを1つの基板上に作るための製造過程の具体例(1)を表す縦断面図である。
【図8】図1(a)に示す回路に含まれている特性の異なる2つのトランジスタを1つの基板上に作るための製造過程の具体例(2)を表す縦断面図である。
【符号の説明】
【0081】
10 有機EL素子
20,20A,20B,20C 駆動用トランジスタ
30 キャパシタ
40,40A,40B,40C スイッチング用トランジスタ
51 電源ライン
52 アースライン
53 信号ライン
54 選択制御ライン
60,70 基板
61,62,71,72 ゲート電極
63,64,73,74 絶縁膜
65,66 活性層
67 紫外線マスク
67a 開口部
68 紫外線光源
75,76 活性層
77 マスク
77a 開口部
78 Arプラズマ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが有機電界発光部を有する多数の発光セルが基板上に配設された有機電界発光表示装置であって、
前記発光セルのそれぞれについて、前記有機電界発光部に対する通電を制御する第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの入力に与える信号をスイッチングする第2のトランジスタとが設けられ、
前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタの各々の活性層が非晶質酸化物半導体により形成され、
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとをそれぞれ同一条件で駆動したとき、(第1のトランジスタの出力電流量)<(第2のトランジスタの出力電流量)の条件を満たすように、前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタが形成されている有機電界発光表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の有機電界発光表示装置であって、
(前記第1のトランジスタの移動度)<(前記第2のトランジスタの移動度)となっている有機電界発光表示装置。
【請求項3】
請求項2記載の有機電界発光表示装置であって、
(前記第1のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度)<(前記第2のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度)となっている有機電界発光表示装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の有機電界発光表示装置であって、
(前記第1のトランジスタのゲート絶縁膜厚)>(前記第2のトランジスタのゲート絶縁膜厚)となっている有機電界発光表示装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項記載の有機電界発光表示装置であって、
(前記第1のトランジスタのゲート絶縁膜の誘電率)<(前記第2のトランジスタのゲート絶縁膜の誘電率)となっている有機電界発光表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の有機電界発光表示装置であって、
前記非晶質酸化物半導体が、In−Ga−Zn−O系又はIn−Zn−O系の酸化物半導体である有機電界発光表示装置。
【請求項7】
それぞれが有機電界発光部を有する多数の発光セルが基板上に配設され、前記発光セルのそれぞれについて、前記有機電界発光部に対する通電を制御する第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの入力に与える信号をスイッチングする第2のトランジスタとが設けられた有機電界発光表示装置の製造方法であって、
基板上に、前記第1のトランジスタの活性層と前記第2のトランジスタの活性層とを非晶質酸化物半導体により形成する第1のステップと、
前記第1のトランジスタの活性層のみを遮光用のマスクで覆った後、前記第2のトランジスタの活性層に紫外線又はプラズマを照射して、前記第2のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度を、前記第1のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度よりも高くする第2のステップとを含む有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項8】
それぞれが有機電界発光部を有する多数の発光セルが基板上に配設され、前記発光セルのそれぞれについて、前記有機電界発光部に対する通電を制御する第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの入力に与える信号をスイッチングする第2のトランジスタとが設けられた有機電界発光表示装置の製造方法であって、
基板上に、前記第1のトランジスタの活性層と前記第2のトランジスタの活性層とを非晶質酸化物半導体により形成する第1のステップと、
前記第1のトランジスタの活性層のみを遮光用のマスクで覆った後、前記第2のトランジスタの活性層に紫外線又はプラズマを照射する第2のステップと、
前記第2のトランジスタの活性層のみを遮光用のマスクで覆った後、前記第1のトランジスタの活性層に紫外線又はプラズマを照射する第3のステップとを含み、
(前記第1のトランジスタの活性層への前記紫外線又はプラズマの照射量)<(前記第2のトランジスタの活性層への前記紫外線又はプラズマの照射量)として、前記第2のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度を、前記第1のトランジスタの活性層の電子キャリア濃度よりも高くする有機電界発光表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−224595(P2009−224595A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68083(P2008−68083)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】