説明

有機EL装置、および電子機器

【課題】小型で2Dあるいは3Dの表示が可能な有機EL装置、およびこれを備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】有機EL装置100Aは、素子基板10上に規則的に配置され、素子基板10側から順に積層された第1電極としての画素電極21と、発光機能層25と、透明導電性を有する第2電極としての陰極27とを備えた有機EL素子30と、有機EL素子30を封止するガスバリア層とを有し、ガスバリア層の上層に設けられ、有機EL素子30の発光面に対する法線方向からの平面視で互いに対向する一対の傾斜面と、一対の傾斜面のそれぞれに設けられ、有機EL素子30からの出射光を、第1の方向と、第1の方向と異なる第2の方向とに反射する反射層51と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL装置、およびこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、平面型の表示装置として、陽極(第1電極)と少なくとも有機EL(エレクトロルミネッセンス)層を含む発光機能層と陰極(第2電極)とを積層して形成される有機EL素子を、画像表示領域内に規則的に配置してなる有機EL装置が注目されている。そして該有機EL装置の利用分野は、テレビ、携帯電話機等の中小型の表示画面だけでなく、より小型なマイクロディスプレイに広がりつつある。
【0003】
マイクロディスプレイの利用分野として、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)が注目されている。HMDは頭部へ装着でき、液晶ディスプレイなどの表示手段や、レンズ、ミラーなどの光学系を備え、利用者が頭部に装着するだけで手軽に映像や情報を得ることができる電子機器である(例えば、特許文献1参照)。また、HMDは3D表示にも適しており、例えば、3Dテレビは表示装置であるテレビと、両眼に異なる表示を選択的に提示するための光学装置が別体であるのに対して、HMDは両眼に異なる表示を直接提示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−24798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のHMDでは、小型化、高画質化、低コスト化の全てを満足させることが難しい。例えば、利用者の頭部に装着して使用されるHMDは操作性向上や、装着感低減の観点から小型化が要求される一方、高画質化のために画素数を増加させると小型化が難しくなる。さらに3D表示させるためには両眼に対応したマイクロディスプレイが通常2個必要となりコストアップの要因となっていた。
【0006】
また、両眼用のマイクロディスプレイを単一化することで低コスト化を図っても、マイクロディスプレイからの表示光を両眼それぞれに入射させるために、例えばレンチキュラーレンズやハーフミラーなどの光分離手段を新たに設ける必要があり、HMDの小型化が困難であるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る有機EL装置は、基板上に規則的に配置され、前記基板側から順に積層された第1電極と発光機能層と透明導電性を有する第2電極とを備えた有機EL素子と、前記有機EL素子を封止するガスバリア層とを有する有機EL装置であって、前記ガスバリア層の上層に設けられ、前記有機EL素子の発光面に対する法線方向からの平面視で互いに対向する一対の傾斜面と、前記一対の傾斜面のそれぞれに設けられ、前記有機EL素子からの出射光を、第1の方向と、前記第1の方向と異なる第2の方向とに反射する反射層と、を有することを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、有機EL素子からの出射光は、一対の傾斜面にそれぞれ設けられた反射層により第一の方向と第二の方向とに選択的に分離される。これによって、レンチキュラーレンズやハーフミラーなどの光分離手段を新たに設置することが不要となるため、例えばHMDに好適な小型の有機EL装置を提供することが可能となる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に記載の有機EL装置において、前記一対の傾斜面は、前記有機EL素子の発光面の法線に対して線対称に配置されることを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、一対の傾斜面は、有機EL素子の発光面の法線に対して線対称に配置されるため、一対の傾斜面を形成する工程を容易に形成することができる。例えば、エッチングで一対の傾斜面を形成する場合は、フォトレジストの断面形状の変更や、エッチングの異方性制御が不要となり、またナノインプリントで形成する場合は、型の加工が容易となる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に記載の有機EL装置において、前記一対の傾斜面が前記有機EL素子を有するサブ画素ごとにそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、一対の傾斜面はサブ画素ごとに形成されるため、例えば、R、G、Bに対応する色光がサブ画素から出射される場合、フルカラー表示可能であるとともに、2画面または3D表示が可能な有機EL装置を提供することができる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に記載の有機EL装置において、少なくとも1つの色光に対応する前記一対の傾斜面の前記発光面に対する傾斜角度は、他の色光に対応する前記一対の傾斜面の前記発光面に対する傾斜角度と異なることを特徴とする
【0015】
本適用例によれば、少なくとも1つの色光に対して一対の傾斜面の発光面に対応する傾斜角度が異なるため、少なくとも1つの色光に対応する第1の方向と第2の方向をそれぞれ変更でき、これによって、有機EL装置からの出射光を拡大または集光するレンズにおいて生ずる色収差を、一対の傾斜面の傾斜角度が同一な場合と比較して低減することが可能となる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に記載の有機EL装置において、前記有機EL素子を有するサブ画素が複数設けられ、前記一対の傾斜面が前記複数のサブ画素にまたがって形成されることを特徴とする。
【0017】
本適用例によれば、一対の傾斜面が複数のサブ画素にまたがって形成されるため、サブ画素が微細であっても、対応する一対の傾斜面を容易に形成できる。
【0018】
[適用例6]上記適用例に記載の有機EL装置において、前記ガスバリア層と前記一対の傾斜面の間に、前記複数のサブ画素ごとに形成されたカラーフィルター層を有することを特徴とする。
【0019】
本適用例によれば、ガスバリア層と一対の傾斜面の間に、複数のサブ画素ごとに形成されたカラーフィルター層を有するため、これによって、サブ画素ごとに出射される色光のスペクトルを、より好適な状態に調整することが可能となり、例えば色純度を高めることができる。
【0020】
[適用例7]上記適用例に記載の有機EL装置において、前記カラーフィルター層と前記一対の傾斜面の間に、前記カラーフィルター層を保護する保護層を有することを特徴とする。
【0021】
本適用例によれば、カラーフィルター層と一対の傾斜面の間に、カラーフィルター層を保護する保護層を有するため、一対の傾斜面を形成する際に使用する材料、薬液などの自由度を向上させることができる。これによって、カラーフィルター層上に直接一対の傾斜面を形成する場合に比べてカラーフィルター層が損傷することを防ぐことができる。
【0022】
[適用例8]上記適用例に記載の有機EL装置において、前記サブ画素は、第1の有機EL素子と、第2の有機EL素子とを有し、前記第1の有機EL素子は、前記一対の傾斜面のうち、一方の傾斜面に対して配置され、前記第2の有機EL素子は、前記一対の傾斜面のうち、他方の傾斜面に対して配置されることを特徴とする。
【0023】
本適用例によれば、例えば両眼に異なる映像を提示する場合に、第1の方向と第2の方向へ反射される映像を、時分割することなく提示することができる。またこれによって、有機EL装置の消費電力を、時分割する場合と比較して低減することが可能となる。
【0024】
[適用例9]上記適用例に記載の有機EL装置において、前記第2電極は、複数の前記有機EL素子に亘って設けられた共通電極であり、前記反射層は前記共通電極と電気的に接続されていることを特徴とする。
【0025】
本適用例によれば、反射層は共通電極である第2電極と電気的に接続されているため、反射層を補助電極として利用でき、これによって、第2電極における電圧降下を抑制できるため表示ムラを抑制することが可能となる。
【0026】
[適用例10]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の有機EL装置を備えたことを特徴とする。
【0027】
本適用例によれば、文字や画像情報を、より好適な視認状態で表示可能であるとともに、より小型の電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態の有機EL装置の平面構造を説明する図。
【図2】第1の実施形態の有機EL装置の回路構成を説明する図。
【図3】第1の実施形態の有機EL装置の画像表示領域内の平面構造を説明する図。
【図4】第1の実施形態の有機EL装置の画像表示領域内の断面構造を説明する図。
【図5】第2の実施形態の有機EL装置の画像表示領域内の平面構造を説明する図。
【図6】第2の実施形態の有機EL装置の画像表示領域内の断面構造を説明する図。
【図7】第3の実施形態の有機EL装置の画像表示領域内の平面構造を説明する図。
【図8】第3の実施形態の有機EL装置の画像表示領域内の断面構造を説明する図。
【図9】有機EL装置を備えた電子機器の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
<有機EL装置>
まず、本実施形態の有機EL装置について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は有機EL装置の構成を示す概略平面図、図2は有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図、図3は図1の有機EL装置の画素領域内の要部平面構造を示す模式図、図4は図3のA−A’線における断面構造を示す模式図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の有機EL装置100は、発光素子を備えたサブ画素SGがスイッチング素子としての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor)によって駆動制御されるアクティブ駆動型の発光装置である。上記薄膜トランジスター(TFT)が設けられた素子基板10上において、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に対応したサブ画素SGがマトリックス状に複数配置された画像表示領域107とを有している。
画像表示領域107におけるサブ画素SGの配置を基準として、行方向をX方向とし、列方向をY方向として説明する。
X方向における画像表示領域107の外側の領域に、一対の走査線駆動回路101がY方向に沿って配置されている。
また、一対の走査線駆動回路101のそれぞれに平面的に重なるように同じく一対の接続部105がY方向に沿って設けられている。接続部105は、素子基板10に設けられた接続配線106と、サブ画素SGの発光素子における一対の電極のうちの一方の電極との電気的な接続を図るために設けられた導電体である。
【0031】
Y方向における画像表示領域107の外側の領域のうち、図面上において上方の領域に検査回路103と、一対の走査線駆動回路101を結ぶ配線104とが該上方の辺部に沿って配置されている。また、検査回路103が設けられた該上方の領域に対して反対側の領域は、外部駆動回路との接続を図る端子部を有しており、該端子部には、フレキシブルな中継基板110が設けられている。
【0032】
中継基板110は、所謂FPCであって、ドライバーIC102が平面実装されている。ドライバーIC102は、データ線駆動回路を含むものである。中継基板110には、ドライバーIC102に外部駆動回路からの信号が伝達される複数の入力配線112と、ドライバーIC102からの制御信号が出力される複数の出力配線111とが設けられている。複数の出力配線111は、素子基板10の上記端子部において、上記接続部105に繋がる接続配線106と走査線駆動回路101やサブ画素SGの発光素子に接続する配線108とに接続されている。
【0033】
本実施形態では、サブ画素SGに設けられた発光素子を駆動制御する周辺回路のうち、走査線駆動回路101と検査回路103とを素子基板10上に設けているが、ドライバーIC102に含まれたデータ線駆動回路なども素子基板10上に設ける構成としてもよい。
【0034】
図2に示すように、有機EL装置100は、複数の走査線101aと、複数の走査線101aに対して絶縁された状態で交差(直交)する複数のデータ線102aおよび複数の電源線102bとを有している。
【0035】
複数の走査線101aは、シフトレジスターおよびレベルシフターを備える走査線駆動回路101に接続されている。複数のデータ線102aは、シフトレジスター、レベルシフター、ビデオラインおよびアナログスイッチを備えるドライバーIC102のデータ線駆動回路に接続されている。
【0036】
複数の走査線101aおよび複数のデータ線102a、複数の電源線102bによってマトリックス状に区分された領域にサブ画素SGが設けられている。
【0037】
サブ画素SGは、走査線101aを介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用のTFT121と、このスイッチング用のTFT121を介してデータ線102aから供給される画素信号を保持する保持容量123と、該保持容量123によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用のTFT122とを有している。また、駆動用のTFT122を介して電源線102bに電気的に接続したときに該電源線102bから駆動電流が流れ込む第1電極としての画素電極(陽極)21と、第2電極としての陰極27と、画素電極21と陰極27との間に挟み込まれた発光層を含む発光機能層25とを有している。画素電極21と発光機能層25と陰極27とにより、有機EL素子30が構成されている。
【0038】
なお、図2において検査回路103を省略しているが、検査回路103は、有機EL装置100の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段を備え、製造途中や出荷時の表示品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されたものである。
【0039】
走査線駆動回路101および検査回路103への駆動制御信号および駆動電圧の印加は、有機EL装置100の作動制御を行うドライバーIC102などから送出されるようになっている。この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路101および検査回路103が信号を出力する際の制御に関連する指令信号である。
【0040】
このような有機EL装置100によれば、走査線101aが駆動されてスイッチング用のTFT121がオン状態になると、そのときのデータ線102aの電位(画素信号)が保持容量123に保持され、該保持容量123の状態に応じて、駆動用のTFT122のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用のTFT122のチャネルを介して、電源線102bから画素電極52に電流が流れ、さらに発光機能層25を介して陰極27に電流が流れる。発光機能層25は、これを流れる電流量に応じて発光して、画素信号に基づいた表示が行われる。
【0041】
以下、第1実施形態の有機EL装置を有機EL装置100Aと称し、特徴的な構造を図3および図4を参照して説明する。なお、画像表示領域107におけるサブ画素SGの配置を基準として、行方向をX方向とし、列方向をY方向として説明する。
図3に示すように、本実施形態の有機EL装置100Aは、略方形の発光領域42がサブ画素SG内に配置されている。そして、各々の発光領域42は、画素電極21に平面視で含まれるように区画されている。つまり、サブ画素SG(R,G,B)と、画素電極21(R,G,B)とは1対1で対応している。また、カラーフィルター層90(R,G,B)は、隣接する同一色のサブ画素SG(R,G,B)を覆うように帯状に形成されている。すなわち、カラーフィルター層90(R,G,B)はY方向に帯状に形成されている。なお、隣接するカラーフィルター層90(R,G,B)の間隔は図示のように若干の幅を設けるほか、間隔を有さずに互いに接触または重ねることもできる。
【0042】
発光領域42は、有機EL素子30内で生じた発光が射出される領域である。発光は、カラーフィルター層90および後述する光共振構造により3原色光(R,G,B)の何れかに該当する色光とされた後に射出される。本実施形態の有機EL装置100Aにおいては、発光機能層25および陰極27は画像表示領域107の全面に形成されている。したがって、発光領域42からのみ有機EL素子30内で生じた発光を射出させるため、発光領域42は、画素電極21と発光機能層25を電気的に絶縁することで発光領域42を区画している。また、遮光層を備えて光学的に発光領域42を区画してもよい。なお、図3に示す本実施形態の有機EL装置100Aでは、カラーフィルター層90、および反射層を含むが詳しくは後述する。
【0043】
図4は、図3に示される本実施形態の有機EL装置のA−A’線における断面構造を示す模式図である。以下、素子基板10側から順に説明する。
【0044】
有機EL装置100Aは、素子基板10側とは反対の側、つまり対向基板11側に光を射出するトップエミッション型の有機EL装置である。したがって、素子基板10は光透過性を有していても、有していなくてもよい。一方、本実施形態では、スイッチング用のTFT121と、駆動用のTFT122と、を高温ポリシリコンプロセスを用いて形成する。そのため、略1000度までの加熱に耐え、かつ該加熱時に不純物を析出しないことが必要である。かかる条件を満足すべく、素子基板10には、例えば透明性を有する石英ガラスが用いられている。なお、不透明なシリコン基板等を用いてもよい。
【0045】
素子基板10の、対向基板11側の面上(以下「素子基板上」と称する。)には、3種類のサブ画素SG(R,G,B)毎に対応するように、駆動用のTFT122が形成されている。本図では駆動用のTFT122等の駆動回路の図示を省略している。かかる有機EL装置100Aにおいて、素子基板上の対向基板11側を、以下の記載においては「上面」、「上方」あるいは「上側」と称する。また、素子基板上には、Al等の反射性の高い金属材料層をパターニングされた第1の反射層63が形成されている。各第1の反射層63は、SiOn等の無機材料からなる反射層保護層64で覆われている。そして、各第1の反射層63の上面には反射層保護層64が形成され、反射層保護層64の上面には、画素電極21が形成されている。なお、以下の記載において、素子基板10の上面から第1の反射層63の下面に至るまで間を素子層(不図示)と称する。
【0046】
画素電極21はITO(酸化インジウム・錫合金)等の透明導電性材料からなり、コンタクトホールを介して駆動用のTFT122と接続している。図示するように有機EL装置100の画素電極21の層厚は、サブ画素SG(R,G,B)により異なっている。具体的には、赤色サブ画素SGRの画素電極21Rの層厚は略100nmであり、緑色サブ画素SGGの画素電極21Gの層厚は略60nmであり、青色サブ画素SGBの画素電極21Bの層厚は略20nmである。かかる層厚の差は、共振(共振現象)を利用して、所定の波長分布の光を強調するため設定されている。すなわち、画素電極21の層厚と発光機能層25の層厚と反射層保護層64の層厚との和(詳しくは光学膜厚の和)が、夫々のサブ画素SGが射出すべき波長範囲の光を強調するために好適な厚みとなるように設定されている。
【0047】
図4に示される本実施形態の有機EL装置100Aでは、絶縁層20は画素電極21の外縁部を覆って配置されている。絶縁層20および画素電極21の上面には発光機能層25と陰極27が、画像表示領域107の全域にわたって形成されており、発光領域42において画素電極21と発光機能層25と陰極27とで、有機EL素子30が構成される。
【0048】
陰極27は、LiF(フッ化リチウム)あるいはCa(カルシウム)等からなる電子注入バッファー層(不図示)と導電層(不図示)の積層体である。そして画像表示領域107内の全域で略同電位であり、画像表示領域107の外側で素子基板10上に形成された陰極配線(不図示)と導通している。導電層はITOあるいはAl、AgMg(銀−マグネシウム合金)等の金属薄膜からなり、半透過反射性すなわち照射された光の少なくとも一部を透過し、一部を反射する性質を有している。そのため、第1の反射層63と陰極27との間には、マイクロキャビティすなわち光共振構造が構成される。有機EL素子30は、かかる光共振構造により、発光機能層25内で生じた白色光を共振させつつ、対向基板11を介して射出できる。
【0049】
発光機能層25は、素子基板10側から順に、画素電極21から正孔を注入し易くするための正孔注入層と、注入された正孔を発光層へ輸送し易くするための正孔輸送層と、通電によりすなわち正孔と電子の結合により発光する有機EL層と、陰極27から注入された電子を有機EL層へ輸送し易くするための電子輸送層と、陰極27から電子を注入し易くするための電子注入層と、の計5層が積層されて形成されている。
【0050】
有機EL層は、正孔と電子の結合により白色光を発光する層であり、低分子系有機EL材料あるいは高分子系有機EL材料で形成されている。上述したように、有機EL層は3種類のサブ画素SG(R,G,B)間で共通である。有機EL装置100Aは、上述の光共振構造とカラーフィルター層90とで白色光を三原色光の何れかの色光とした上で射出している。したがって、機能的概念としてのサブ画素SGは、有機EL素子30と、素子基板上に形成された駆動用のTFT122等の素子と共に、カラーフィルター層90も含んでいる。
【0051】
陰極27の上面には第1の保護層94が設けられ、第1の保護層94の上面にはカラーフィルター層90が形成されている。第1の保護層94は、SiO2、SiN、SiONなどの無機材料からなる第1の封止層92aと、素子基板10側から順にアクリル等の有機材料、ポリシラザン、ポリシロキサンなどを原料に含む無機材料、およびそれらの誘導体のうち少なくとも一つを有する第1の平坦化層93と、SiO2、SiN、SiONなどの無機材料からなる第2の封止層92bとを積層して形成されている。第1の平坦化層93は、主として画素電極21の外縁部の段差、および隣り合う画素電極21間の段差を低減する機能を果たしている。第1の封止層92a、および第2の封止層92bは、主として水分、現像液、あるいはエッチング液等が有機EL素子30等の形成領域に浸入することを低減する機能を果たしている。
【0052】
カラーフィルター層90は、サブ画素SG(R,G,B)に対応した色材がフォトリソグラフィーにより形成されている。色材はR,G,Bそれぞれの顔料のうち少なくとも一つを分散させたネガ型の感光性アクリル材料が好適である。カラーフィルター層90の層厚は500nm〜2000nm程度であり、出射される色光のスペクトルを、より好適な状態に調整する機能を果たしている。また、カラーフィルター層90の形成方法としては、フォトリソグラフィーのほかに、顔料を分散させ、電気化学的に析出(電着)させ形成する電着法、顔料を分散させた液滴を、インクジェットなどを用いて吐出させ形成する液滴吐出法、顔料を含むパターンを予め形成したドナーフィルムからレーザー照射などにより転写し形成する熱転写法、色材を真空中で昇華、または気化させて形成する蒸着法などを用いることもできる。
【0053】
カラーフィルター層90の上面には第2の保護層97が設けられ、さらに第2の保護そう97の上面には、隔壁層50と、本発明における反射層としての第2の反射層51と、が形成されている。第2の保護層97は、素子基板10側から順にアクリル等の有機材料、ポリシラザン、ポリシロキサンなどを原料に含む無機材料、およびそれらの誘導体のうち少なくとも一つを有する第2の平坦化層95と、SiO2、SiN、SiONなどの無機材料からなる第3の封止層96とを積層して形成されている。第2の平坦化層95は、主としてカラーフィルター層90の段差を低減する機能を果たしている。第3の封止層96は、主として水分、エッチング液、あるいはエッチングガス等がカラーフィルター層90の形成領域に浸入する現象を抑制する機能を果たしている。
【0054】
隔壁層50は、アクリル等の有機材料、SiO2、SiN、SiONなどの無機材料であり、ドライエッチング、またはナノインプリントなどの工法を用いて形成されている。隔壁層50は、図4に示される断面視において、隣接するカラーフィルター層90(R,G,B)のうち2つのカラーフィルター層90に跨って形成されている。隔壁層50の断面形状は略台形であり、隔壁層50の上面の面積は下面の面積と比較して小さい。すなわち、隔壁層50の側面は発光面に対して垂直ではなく、傾斜した傾斜面となっており、隣接する隔壁層50は傾斜面が互いに対向し、V字状の一対の傾斜面を成している。なお、隔壁層50は平面視においてカラーフィルター層90と略並行に帯状に配置されている。
【0055】
第2の反射層51は、Al等の反射性の高い金属材料層であり、上記一対の傾斜面に形成されている。つまり、第2の反射層51は、第1の方向に光を反射する反射層51aと、第1の方向とは異なる第2の方向に光を反射する反射層51bとを含む。これにより第2の反射層51は、有機EL素子30から出射する色光を、第1の方向と、第2の方向とに反射する機能を果たしている。例えば、サブ画素SGGでは、反射層51aで反射した光が隣接するサブ画素SGB側に射出する方向を第1の方向とすると、反射層51bで反射した光が隣接するサブ画素SGR側に射出する方向は第2の方向である。
【0056】
隔壁層50および第2の反射層51の上面には充填層98を介して対向基板11が配置されている。充填層98は上述の隔壁層50、第2の反射層51、対向基板11のうち、少なくとも1つに接触している。すなわち、隔壁層50、および第2の反射層51を備えた素子基板10と、対向基板11の間に充填されている。
【0057】
このように、本実施形態の有機EL装置100Aでは、隔壁層50により形成される一対の傾斜面に形成された第2の反射層51により、発光領域42(R,G,B)から出射し、カラーフィルター層90(R,G,B)により、より好適なスペクトルに調整された色光のうち、少なくとも一部を、第1の方向、または第2の方向に反射する。これにより、レンチキュラーレンズやハーフミラーなどの光分離手段を新たに設置することが不要となるため、例えばHMDに好適な小型の有機EL装置を提供することが可能となる。
以下、第1の方向に反射する色光を第1の色光61(R,G,B)、第2の方向に反射する色光を第2の色光62(R,G,B)とそれぞれ称することにする。このとき、隔壁層50の上面は、外縁部を除くほぼ全ての領域に第2の反射層51が形成されていない。より具体的には、第2の反射層51は、サブ画素SGごとに設けられ、隔壁層50の頭頂部においてサブ画素SGの間に隙間を置いて配置されている。これにより、第2の反射層51から第1の方向、または第2の方向に反射した色光は、上記隙間を通過して対向基板11側に出射される。
【0058】
なお、図4に示される本実施形態の有機EL装置100Aでは、一対の傾斜面は断面視において略線対称であり、発光領域42の中心線とほぼ一致するように配置される。つまり、同一の発光領域42から得られる第1の色光61と、第2の色光62の強度はほぼ一致する。一方、発光領域42に対する一対の傾斜面の相対位置を変更することで、第1の色光61と、第2の色光62の強度をいずれか一方に偏らせることもできる。例えば、HMDに本実施形態の有機EL装置100Aを用いる場合において、両眼それぞれに対応した光学系がそれぞれ異なり光利用効率に差異が生ずるとき、第1の色光61と、第2の色光62の強度を偏らせることで、両眼それぞれに提供する色光の強度を調整することが可能となる。
【0059】
さらに、一対の傾斜面は断面視において対称性を欠いてもよい。これにより、第1の方向とは異なる第2の方向を意図的に変更でき、光学系の簡素化ができる場合がある。
例えば、有機EL装置100Aを用いて小型で装着感の少ないHMDを提供するために、有機EL装置100Aから出射される色光を両眼に表示する光学系が対称にならない場合がある。このようなときであっても、有機EL装置100Aにおいて第1の方向と、第2の方向を調整することで、より簡便に光学系を構成できる。
また、図4に示される本実施形態の有機EL装置100Aでは、発光領域42(R,G,B)の大きさは略均等に形成されているが、有機EL素子30における異なる色光の輝度や寿命の調整のため、発光領域42(R,G,B)の大きさは変更してもよい。
【0060】
また、第2の反射層51をAl等の反射性の高い金属材料を用いて形成する場合、第2の反射層51と陰極27とを電気的に接続することによって、第2の反射層51を陰極27の補助電極としてもよい。第2の反射層51と陰極27とを電気的に接続する方法としては、第1の保護層94と第2の保護層97とを貫通するコンタクトホールを設ける方法や、画像表示領域107の外側の領域において第2の反射層51の一部と陰極27の一部とを直接重ね合わせる方法が挙げられる。
【0061】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかる有機EL装置(以下、有機EL装置100Bと称する)について図5、および図6を用いて説明する。図5は第2の実施形態にかかる有機EL装置の画像表示領域内の平面構造を示す模式図、図6は図5のB−B’線における断面構造を示す模式図である。本実施形態にかかる有機EL装置100Bは、第1の実施形態の有機EL装置100Aと類似した構成を有している。具体的には、有機EL装置100Bは、第1の実施形態の有機EL装置100Aと比較して、素子層(不図示)、有機EL素子30、第1の保護層94、カラーフィルター層90、第2の保護層97の構成は同じであり、隔壁層50および第2の反射層51の有機EL素子30に対する配置が異なっている。そこで、共通する構成要素には同一の符号を付与して、詳細な説明は省略する。
【0062】
図5に示すように、そして上述の有機EL装置100Aと同様に、有機EL装置100Bは画像表示領域107内において平面視で規則的に形成された3原色に対応する3種類のサブ画素SG(R,G,B)を有している。本実施形態にかかる有機EL装置100Bでは、図3に示された有機EL装置100Aと比較して、隔壁層50(不図示)および第2の反射層51が平面視で略90°回転した方向に規則的に配置される。つまり、隔壁層50および第2の反射層51は帯状に形成されたカラーフィルター層90(R,G,B)に対して、略直交方向に帯状に形成され、一対の傾斜面がサブ画素SG(R,G,B)の夫々にまたがって形成される。
【0063】
つまり、図6に示す断面視のように、有機EL装置100Bから出射される色光を、第1の方向に反射する反射層51aと、第1の方向とは異なる第2の方向に反射する反射層51bとも、カラーフィルター層90(R,G,B)に対して、略直交方向に形成され、一対の傾斜面がサブ画素SG(R,G,B)の夫々にまたがって形成される。これにより、第1の方向に反射される第1の色光61(R,G,B)は、隣接する2つの同一色のサブ画素SG(R,G,B)のうち一方側に出射し、第2の方向に反射される第2の色光62(R,G,B)は隣接する2つの同一色のサブ画素SG(R,G,B)のうち他方側に出射する。
【0064】
以上の構造を備えた有機EL装置100Bは、有機EL装置100Aがサブ画素SG(R,G,B)それぞれに対応した隔壁層50、および第2の反射層51が形成されているのに対して、サブ画素SGR、サブ画素SGG、およびサブ画素SGBで構成される1つの画素に対して、隔壁層50、および第2の反射層51が形成されている。したがって、有機EL装置100Bは、有機EL装置100Aと比較して隔壁層50、および第2の反射層51の形成が容易となり、より小型、或いはより高精細な有機EL装置100Bを提供できる。
【0065】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかる有機EL装置(以下、有機EL装置100Cと称する)について図7、および図8を用いて説明する。図7は第3の実施形態にかかる有機EL装置の画像表示領域内の平面構造を示す模式図、図8は図7のC−C’線における断面構造を示す模式図である。本実施形態にかかる有機EL装置100Cは、第2の実施形態の有機EL装置100Bと類似した構成を有している。具体的には、有機EL装置100Cは、第2の実施形態の有機EL装置100Bと比較して、第1の保護層94、カラーフィルター層90、第2の保護層97、隔壁層50および第2の反射層51の構成は同じであり、隔壁層50および第2の反射層51に対する素子層(不図示)、および有機EL素子30の配置が異なっている。そこで、共通する構成要素には同一の符号を付与して、詳細な説明は省略する。
【0066】
図7に示すように、有機EL装置100Cは画像表示領域107内において平面視で規則的に形成された3原色に対応する3種類のサブ画素SG1(R,G,B)と、サブ画素SG1(R,G,B)と同様に、3原色に対応する3種類のサブ画素SG2(R,G,B)とを有している。また、隔壁層50(不図示)および第2の反射層51は平面視で隣接するサブ画素SG1(R,G,B)と、サブ画素SG2(R,G,B)とにまたがって形成される。
【0067】
つまり、本実施形態にかかる有機EL装置100Cでは、図8に示す断面視ように、サブ画素SG1(R,G,B)は、第1の画素電極21aと発光機能層25と陰極27とで構成される、第1の有機EL素子30aを備え、サブ画素SG2(R,G,B)は、第2の画素電極21bと発光機能層25と陰極27とで構成される、第2の有機EL素子30bを備えている。これにより、第1の有機EL素子30aから出射される色光は反射層51aにより第1の方向に反射され、第2の有機EL素子30bから出射される色光は反射層51bにより第1の方向とは異なる第2の方向に反射される。
【0068】
以上より、有機EL装置100Bが有機EL素子30から出射される色光の一部を、第1の方向と、第2の方向とに分割するのに対して、有機EL装置100Cは、第1の有機EL素子30aから出射される色光の一部は第1の方向にのみ反射され、第2の有機EL素子30bから出射される色光の一部は第2の方向にのみ反射される。したがって、第1の色光61(R,G,B)と第2の色光62(R,G,B)とを独立して制御できるため、時分割を行うことなく3D表示に好適な有機EL装置100Cを提供できる。
【0069】
(第4の実施形態)
<電子機器>
次に、上記実施形態の有機EL装置を適用した電子機器として、HMD(Head Mount Display)を例に挙げて説明する。図9は電子機器としてのHMDの構成を示す模式図である。
【0070】
図9に示すように、本実施形態のHMD200は、上記実施形態の有機EL装置100Aと、有機EL装置100Aから第1の方向に射出された光を反射する第1のミラー71Rと、第1のミラー71Rで反射した光が右眼に入射するように設けられた第2のミラー72Rとを備えている。また、有機EL装置100Aから第2の方向に射出された光を反射する第1のミラー71Lと、第1のミラー71Lで反射した光が左眼に入射するように設けられた第2のミラー72Lとを備えている。
このようなHMD200によれば、1つの有機EL装置100Aによって右眼と左眼のそれぞれおいてフルカラーの画像を視認可能であり、小型で使用者の頭部に対する装着感が少ないHMD200を提供することができる。
【0071】
上記有機EL装置100A,100B,100Cを適用可能な電子機器は、HMD200に限定されない。
【0072】
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
【0073】
(変形例1)
上記実施形態の有機EL装置100Aにおいて、少なくとも1つの色光に対応する一対の傾斜面の発光面に対する傾斜角度(つまり第2の反射層51の発光面に対する傾斜角度)は、他の色光に対応する一対の傾斜面の発光面に対する傾斜角度と異なっていてもよい。例えば、上記有機EL装置100Aからの出射光をレンズなどの光学系を用いて集光させる場合、赤色光と青色光とでは波長が異なるので、レンズにて屈折した後の焦点距離が異なり、所謂色収差が生じてカラー画像に色ムラが発生する。波長が異なる有機EL素子間で第2の反射層51の発光面に対する傾斜角度を変えることで、レンズに対する色光ごとの入射角度を変えて、色収差の発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0074】
100,100A,100B,100C…有機EL装置、10…素子基板、21…画素電極,25…発光機能層,27…陰極、30…有機EL素子、51…反射層としての第2の反射層、200…電子機器としてのHMD。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、
第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた発光機能層と、を有する有機EL素子と、
前記有機EL素子を覆うように設けられた第1の保護層と、
前記第1の保護層の上に設けられ、前記有機EL素子からの出射光を第1の方向と、前記第1の方向と異なる第2の方向と、に反射させる反射層と、を有し、
前記第1の保護層は、前記基板の面に平行な方向に対して互いに対向するように一対の傾斜面が設けられており、
前記反射層は、前記第1の保護層の前記傾斜面上に設けられていることを特徴とする有機EL装置。
【請求項2】
前記一対の傾斜面は、前記基板の面に平行な方向に対して線対称に配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項3】
前記一対の傾斜面が前記有機EL素子を有するサブ画素ごとにそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL装置。
【請求項4】
少なくとも1つの色光に対応する前記一対の傾斜面の前記発光面に対する傾斜角度は、他の色光に対応する前記一対の傾斜面の前記発光面に対する傾斜角度と異なることを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置。
【請求項5】
前記有機EL素子を有するサブ画素が複数設けられ、
前記一対の傾斜面が前記複数のサブ画素にまたがって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL装置。
【請求項6】
前記第1の保護層と前記複数の傾斜面の間に、前記複数のサブ画素ごとに形成されたカラーフィルター層を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機EL装置。
【請求項7】
前記カラーフィルター層と前記複数の傾斜面の間に、前記カラーフィルター層を保護する第2の保護層を有することを特徴とする請求項6に記載の有機EL装置。
【請求項8】
前記サブ画素は、第1の有機EL素子と、第2の有機EL素子とを有し、
前記第1の有機EL素子は、前記一対の傾斜面のうち、一方の傾斜面に対して配置され、
前記第2の有機EL素子は、前記一対の傾斜面のうち、他方の傾斜面に対して配置されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機EL装置。
【請求項9】
前記第2電極は、複数の前記有機EL素子に亘って設けられた共通電極であり、
前記反射層は前記共通電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機EL装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−195063(P2012−195063A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56254(P2011−56254)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】