木造建築物用補強部材
【課題】少ない配設数であっても確実に木造建築物の剛性を向上させることができ、しかも柱に余分な加工を必要とせず、柱の有効断面積を減らすことなく配設することが可能な木造建築物用補強部材を提案する。
【解決手段】木造建築物の柱50と柱50の間に取り付けて用いる木造建築物用補強部材10であって、端面を突き合わせて並列に配置された補強用板材20と、並列に配置された補強用板材20の外周を囲むようにして設けられた枠体30とを有し、補強用板材20どうしおよび補強材20と枠体30とは、それぞれほぞ40により連結されていることを特徴とする。
【解決手段】木造建築物の柱50と柱50の間に取り付けて用いる木造建築物用補強部材10であって、端面を突き合わせて並列に配置された補強用板材20と、並列に配置された補強用板材20の外周を囲むようにして設けられた枠体30とを有し、補強用板材20どうしおよび補強材20と枠体30とは、それぞれほぞ40により連結されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は木造建築物用補強部材に関し、より詳細には、筋交いを配設しなくても木造建築物に要求されている剛性を有すると共に、筋交いの配設を省略することで木造建築物の設計自由度を向上させることが可能な木造建築物用補強部材に関する。
【背景技術】
【0002】
骨組構造物の柱と柱の補強として筋交いが多く用いられているが、別の補強方法としては、柱と柱の間に木製の薄板を配設する方法(たとえば特許文献1参照)もある。特許文献1の発明は、柱と柱が互いに対向する面に凹溝を形成し、木製の薄板(木質断熱材)を凹溝に木製の薄板をはめ込んで用いるものである。このような構成を採用することで、木材の断熱効果により木造建築物の断熱性能の向上を主目的にしているが、木製の薄板を木造建築物の補強材として利用することも可能であるとしている。
【特許文献1】特開2005−9087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1記載の発明における木質断熱材(補強用板材)は、先述のとおり、柱の表面に形成された凹溝に木質断熱材を単に落とし込んで配設しているだけであるため、木質断熱材が柱に一体化していない。すなわち、このような木質断熱材では木造建築物の剛性の向上はさほど期待できず、筋交いを省略するためには相当数の木質断熱板を配設しなければならないといった課題がある。また、木質断熱板を木造建築物に配設するためには柱と柱の対向面にそれぞれ凹溝を形成しなければならないため、柱の加工に手間がかかるという課題の他、凹溝の形成により柱の有効断面積が減少してしまうといった課題もある。
【0004】
本発明は、少ない配設数であっても確実に木造建築物の剛性を向上させることができ、しかも柱に余分な加工を必要とせず、柱の有効断面積を減らすことなく配設することが可能な木造建築物用補強部材の提案を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、木造建築物の柱と柱の間に取り付けて用いる木造建築物用補強部材であって、端面を突き合わせて並列に配置された補強用板材と、前記並列に配置された補強用板材の外周を囲むようにして設けられた枠体とを有し、前記補強用板材どうしおよび前記補強材と前記枠体とは、それぞれほぞにより連結されていることを特徴とする木造建築物用補強部材である。
【0006】
また、前記補強用板材の板厚寸法は、前記柱の幅寸法の半分以下であることを特徴とする。
また、前記枠体の板厚方向の寸法は、前記柱の幅寸法の半分以下であることを特徴とする。
これらにより、柱間の配線スペースを従来と同等に確保することができる。
【0007】
また、他の発明は、柱と、柱間を連結する水平部材とにより形成される空間内に取り付けて用いる木造建築物用補強部材であって、前記柱と柱の対向面および前記水平部材の対向面に沿って配設可能に形成された第1の枠体と、該第1の枠体の内側にほぞを用いて連結された第2の枠体と、により構成されていることを特徴地する木造建築物用補強部材である。
ここで、前記第1の枠体および前記第2の枠体の板厚寸法は、前記柱の幅寸法の2/3以上であることが強度上好ましい。
【0008】
また、前記ほぞは、前記補強用板材および前記枠体よりも硬質の木材により形成されていると共に、各連結部分に作用する力の方向に対して木目方向が直交する状態に配設されていることを特徴とする。これにより、各連結部分における耐荷力を大幅に向上させることができる。
【0009】
また、前記枠体、前記ほぞ、前記補強板のうち少なくとも1つが間伐材により形成されていることを特徴とする。これにより、間伐材を有効に利用することができるため、林業の振興や地球環境の保護に対しても有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、少ない配設数であっても確実に木造建築物を補強することができるので設計の自由度を大幅に向上させることができる。また、木造建築物用補強部材を配設する際に柱への余分な加工が不要であるため配設が容易である。さらには、木造建築物用補強部材を配設しても柱の有効面積を減らすことがないため、木造建築物の強度の低下をなくすことができる。
さらには、間伐材を原材料として使用しているので、林業の振興や地球環境の保護にも有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、添付図面に基づいて本発明にかかる木造建築物補強部材の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態にかかる木造建築物補強部材の分解正面図である。図2は図1の木造建築物用補強部材を組み付けした状態を示す正面図である。図3は、本実施の形態におけるほぞを示す斜視図である。
本実施の形態における木造建築物用補強部材10は図1に示すように、縦長の長方形状に形成された複数の補強用板材20と、複数の補強用板材20の外周に配設される枠体30と、補強用板材20どうし、または、補強用板材20と枠体30とを連結するための連結体であるほぞ40により構成されている。
【0012】
本実施の形態における補強用板材20は、縦長の長方形状に形成された3枚の薄板により構成されている。補強用板材20の縦寸法および横寸法はそれぞれ180cm,30cm程度のものが好適に用いられる。補強用板材20の部材厚さ(板厚)は、木造建築物の骨組構造に用いられている柱50の幅寸法の半分以下の寸法に形成されている。補強用板材20の木口側22と木端側24にはそれぞれほぞ穴26が形成されている。ほぞ穴26は、木口側22の辺長を二分割する位置と、木端側24の辺長を三分割する位置とにそれぞれ設けられている。
ほぞ穴26の深さ寸法は、補強用板材20どうし、または、補強用板材20と枠体30とを連結するための連結体であるほぞ40の長さ寸法の半分の寸法である。ほぞ穴26の径寸法は、ほぞ40の径寸法より若干小径に形成されている。
【0013】
枠体30は、端面を突き合わせて並列に配置された3枚の補強用板材20の外周を囲むようにして配設された枠部材32,34により構成されている。補強用板材20の木口側22と対向して連結される枠部材32の木端には補強用板材20の木口側22のほぞ穴26の位置に対応する位置にほぞ穴36が設けられている。一方、補強用板材20の木端側24に対向して連結される枠部材34の木端には補強用板材20の木端側24のほぞ穴26の位置に対応する位置にほぞ穴36が設けられている。
各枠部材32,34に設けられたほぞ穴36も、補強用板材20に設けられたほぞ穴26の寸法と等しい寸法に形成されている。
【0014】
本実施の形態における補強用板材20および枠体30は共に、杉、ヒノキ、唐松等の間伐材により形成されている。したがって、利用価値の低い木材を有効利用することができる。
【0015】
本実施の形態におけるほぞ40は、面取り加工部42を有する円柱状に形成されている。ほぞ40は、補強用板材20および枠体30の材料よりも硬質な材料により形成される。本実施の形態におけるほぞ40は、樫、ナラ、栗、ヒノキ等の木材により形成した。補強用板材20および枠体30は、ほぞ40によるせん断耐荷力により荷重に耐えるのでほぞ40のせん断耐荷力は重要である。ほぞ40の単位体積当たりのせん断耐荷力が補強用板材20および枠体30の単位体積当たりのせん断耐荷力より高ければ、他の木材であっても良いのはもちろんである。
ほぞ40の木目44は、図3に示すようにほぞ40の軸線CLの方向に沿ってあらわれるように形成されている。
【0016】
以上のように形成された補強用板材20、枠体30とほぞ40をそれぞれ連結して図2に示すような木造建築物用補強部材10を組み立てる。木造建築用補強部材10を組み立てる際には、単にほぞ穴26,36にほぞ40を挿入させて補強用板材20と枠体30を組み立てても良いし、ほぞ穴26,36に木工用ボンドなどの接着剤を注入した後に、ほぞ40を挿入させて補強用板材20と枠体30を組み立てても良い。
【0017】
このようにして小寸法の補強用板材20を組み立てることにより、各々の補強用板材20がほぞ40により強固に一体化するので、いわゆる端材や間伐材を用いた補強用板材20であっても、一枚ものの大きな補強用板材20と同等の耐荷力を具備させることができる。しかも、小寸法の補強用板材20としたことにより取り扱いが容易であると共に、従来利用価値がきわめて低かった木材を有効利用することができるため好都合である。
【0018】
(第2実施形態)
第1実施形態においては、ほぞ40の軸線を補強用板材20の木口側22および木端側24と枠部材32,34の木端側の面に対して直交させた向きに配設する形態について説明しているが、本実施の形態においては、図4に示すように、ほぞ40の配設方向を変更した形態について説明する。図4は、本実施の形態における補強用板材と枠部材を連結させる状態を示す正面図である。図5は、本実施の形態におけるほぞを示す斜視図である。
【0019】
本実施の形態におけるほぞ穴26,36は、先の実施形態と同様に補強用板材20の木口側の面と枠部材32の補強用板材側の木端のそれぞれに半割りにした円柱の円弧側が底面となるような形状に形成されている。このように形成されたほぞ穴26,36は円柱状に形成されたほぞ40を横方向に配設した状態で嵌合させる。
また、本実施の形態で用いられるほぞ40は、図5に示すようにほぞ40の軸線CLに対して、木目44が直交する方向にあらわれるように形成されている。これは第1実施形態におけるほぞ40と同様に、ほぞ40に作用するせん断力に対してほぞ40のせん断耐荷力が大きくなるようにするためである。
【0020】
本実施形態を採用することにより、第1実施形態に比較して補強用板材20どうしの連結部分および補強用板材20と枠体30との連結部分におけるほぞ40のせん断耐荷力を向上させることができるため、木造建築用補強部材10としての強度を向上させることができるため好都合である。
【0021】
一般に、木造建築物における各寸法(特に、柱間の寸法等)は尺貫法により木造建築物において共通する寸法に構築されていることがほとんどである。したがって本願発明にかかる木造建築物用補強部材10は、予め工場により製作することが可能であり、ユニット化された状態(木造建築物用補強部材10が組み立てられた状態)で木造建築物の建設現場に持ち込むことができる。このように工場生産によりユニット化されているので製品の組み立て精度も向上するため、現場における取り付け作業が円滑に行える点で好都合である。
【0022】
以上に木造建築物用補強部材10の実施形態の一例を示した。次に、木造建築物用補強部材10の取り付け方法について説明する。図6は柱間に本願発明にかかる木造建築物用補強部材を取り付けした状態を示す正面図である。図7は、図6の平面図である。
木造建築物用補強部材10は、柱50と梁60の間に形成される空間80内に配設される。木造建築物用補強部材10は取付金具70を用いて柱50および梁60に取り付けられる。先にも説明したように、木造建築物用補強部材10の部材厚さは、柱50の幅寸法Wの半分程度となるように形成されている。よって、柱50,50および梁60により形成される空間80内に木造建築物用補強部材10を取り付けても、空間80の壁厚方向における寸法が狭くなるだけで、配線などを取り回しする程度であれば十分なスペースがある。このことから柱50,50間に木造建築物用補強部材10を配設することによる不都合はないといえる。むしろ、柱50,50間に配設されていた筋交いを省略することができるので、窓の配設位置等といった木造建築物における設計の自由度が高まるためかえって好都合でさえある。
【0023】
なお、本実施の形態においては、木造建築物用補強部材10の取り付けに取付金具70を用いた形態について説明しているが、組み立てが完了した木造建築物用補強部材10を木造建築物に取り付ける形態以外に、新規に建築をする建築物の柱50や梁60、土台90などの水平部材に木造建築物用補強部材10を順次組み付けていく形態とすることももちろん可能である。
【0024】
以上に本願発明にかかる木造建築物用補強部材10について実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本願発明にかかる木造建築物用補強部材10は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明にかかる木造建築物用補強部材10に用いる補強用板材20の枚数および寸法は、以上の実施形態で示した寸法に限定されるものではなく、取り付け対象である柱50,50の配設ピッチに応じて使用する補強用板材20の枚数や寸法を適宜調整することができるのはもちろんである。また、補強用板材20は、間伐材により形成することができる寸法に収めることが特に好ましい。
【0025】
また、以上の実施形態においては、円柱状の木製のほぞ40を用いているが、補強用板材20および枠体30よりも機械的強度(特にせん断耐荷力)が高ければ木質のほぞ40に限定されるものではなく、合成樹脂製のほぞや金属製のほぞを用いることができるのはもちろんである。また、これらの異なる材料を組み合わせてほぞ40を形成しても良い。そしてほぞ40の形状は円柱状に限定されるものではなく、直方体状に形成したほぞ(図示せず)等他の形状を採用することができるのはもちろんである。例えば、図8に示すように、細径部46と太径部48を有するほぞ40を用いても良い。この構成を有するほぞ40を用いた場合、図9に示すように異なる2部材の境界部分と各々の部材(図9においては、枠体30と補強用板材20)の所要範囲にまたがるように太径部48を配設すれば、せん断耐荷力を大幅に向上させることができるため好適である。
また、せん断力等の機械的強度が異方性を示す材料を用いてほぞ40を形成する場合には、ほぞ40に作用する力に対して有利な方向となるようにしてほぞ40を形成すればよい。
【0026】
また、先にも説明したとおり、本願発明にかかる木造建築物用補強部材10はほぞ40により、補強用板材20と枠体30が連結されているので、ほぞ40のせん断耐荷力が木造建築物用補強部材10の強度に重大な影響を与えている。すなわち、ほぞ40は、以上の実施形態に説明した形状や配設箇所および配設数に限定されるものではなく、補強用板材20および枠体30の材質や、ほぞ40の材質等の組み合わせにより、適宜設計することができるのはいうまでもない。
【0027】
また、以上の実施形態においては、木造建築物用補強部材10を柱50,50と梁60に対して取付金具70を用いて取り付けているが、必ずしも柱50の上部に取り付けしなければならないわけではない。木造建築物用補強部材10は、柱50の中間高さ位置の他、柱50,50と土台に取り付ける形態としても以上の実施形態と同等の補強効果を得ることができる。
さらには、図10に示すように、柱50,50と梁60と土台90により形成される空間80のすべてを覆うようにして木造建築物用補強部材10を取り付けすれば、より強固に木造建築物を補強することができるため更に好適である。
【0028】
また、以上に説明した実施形態においては、枠体30の内部に補強用板材20が配設された形態について説明しているが、図11に示すような、補強用板材20を有さない木造建築物用補強部材10とすることもできる。
具体的には、柱50どうしと、柱50間を連結する水平部材である梁60と土台90が互いに対向する面に沿って配設可能に形成された外枠体(第1の枠体)37と、外枠体37の内側に沿ってほぞ40を用いて連結された内枠体(第2の枠体)38とにより木造建築物用補強部材10を構成する形態である。外枠体37と内枠体38を構成する枠材32,34,32a,34aの板厚寸法は、柱50の幅寸法W(図7参照)の2/3以上であることが好ましい。
【0029】
外枠体37と内枠体38は図11に示すように、外枠体(第1の枠体)37および内枠体(第2の枠体)38を構成する枠材32,34,32a,34aの両端部がそれぞれL字状に形成されていて、それぞれのL字状部分を互いに嵌合させた状態に組みつけられている。このようにして枠材を組み付けることにより、より頑丈な枠体を形成することができるため好都合である。
このようにして形成された木造建築物用補強部材10は、先に説明した実施形態と同様に、取付金具70を用いて、柱50と梁60および土台90に取り付けることができる。
【0030】
本形態における木造建築物用補強部材10は、補強用板材20を用いることなく、棒状部材とほぞ40のみで構成することができるので、木造建築物用補強部材10の組み立てに使用する木材が端材であっても十分な強度を持たせることができるため、資源を有効利用することができるため好適である。
また、補強用板材20を用いていないため、木造建築物用補強部材10の取り付け部分であっても窓等を配設することが可能になり、更に建築自由度を高めることも可能であるため好都合である。
【0031】
本願発明においては、以上に説明した木造建築物用補強部材10を構成する際の各構成要素の組み合わせについては何ら阻害要因はないので、各構成要素を自由に組み合わせることができるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1実施形態にかかる木造建築物補強部材の分解正面図である。
【図2】図1の木造建築物用補強部材を組み付けした状態を示す正面図である。
【図3】第1実施形態におけるほぞを示す斜視図である。
【図4】第2実施形態における補強用板材と枠部材を連結させる状態を示す正面図である。
【図5】第2実施形態におけるほぞを示す斜視図である。
【図6】柱間に本願発明にかかる木造建築物用補強部材を取り付けした状態を示す正面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】ほぞの他の実施形態の一例を示す説明図である。
【図9】図8のほぞを用いた連結部分を示す説明図である。
【図10】他の実施形態の木造建築物用補強部材を配設した状態示す説明図である。
【図11】他の実施形態の木造建築物用補強部材を配設した状態示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
10 木造建築物用補強部材
20 補強用板材
22 木口側
24 木端側
26 ほぞ穴
30 枠体
32,32a,34,34a 枠部材
36 ほぞ穴
37 外枠体(第1の枠体)
38 内枠体(第2の枠体)
40 ほぞ
42 面取り加工部
44 木目
46 細径部
48 太径部
50 柱
60 梁
70 取付金具
80 空間
90 土台
【技術分野】
【0001】
本発明は木造建築物用補強部材に関し、より詳細には、筋交いを配設しなくても木造建築物に要求されている剛性を有すると共に、筋交いの配設を省略することで木造建築物の設計自由度を向上させることが可能な木造建築物用補強部材に関する。
【背景技術】
【0002】
骨組構造物の柱と柱の補強として筋交いが多く用いられているが、別の補強方法としては、柱と柱の間に木製の薄板を配設する方法(たとえば特許文献1参照)もある。特許文献1の発明は、柱と柱が互いに対向する面に凹溝を形成し、木製の薄板(木質断熱材)を凹溝に木製の薄板をはめ込んで用いるものである。このような構成を採用することで、木材の断熱効果により木造建築物の断熱性能の向上を主目的にしているが、木製の薄板を木造建築物の補強材として利用することも可能であるとしている。
【特許文献1】特開2005−9087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1記載の発明における木質断熱材(補強用板材)は、先述のとおり、柱の表面に形成された凹溝に木質断熱材を単に落とし込んで配設しているだけであるため、木質断熱材が柱に一体化していない。すなわち、このような木質断熱材では木造建築物の剛性の向上はさほど期待できず、筋交いを省略するためには相当数の木質断熱板を配設しなければならないといった課題がある。また、木質断熱板を木造建築物に配設するためには柱と柱の対向面にそれぞれ凹溝を形成しなければならないため、柱の加工に手間がかかるという課題の他、凹溝の形成により柱の有効断面積が減少してしまうといった課題もある。
【0004】
本発明は、少ない配設数であっても確実に木造建築物の剛性を向上させることができ、しかも柱に余分な加工を必要とせず、柱の有効断面積を減らすことなく配設することが可能な木造建築物用補強部材の提案を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、木造建築物の柱と柱の間に取り付けて用いる木造建築物用補強部材であって、端面を突き合わせて並列に配置された補強用板材と、前記並列に配置された補強用板材の外周を囲むようにして設けられた枠体とを有し、前記補強用板材どうしおよび前記補強材と前記枠体とは、それぞれほぞにより連結されていることを特徴とする木造建築物用補強部材である。
【0006】
また、前記補強用板材の板厚寸法は、前記柱の幅寸法の半分以下であることを特徴とする。
また、前記枠体の板厚方向の寸法は、前記柱の幅寸法の半分以下であることを特徴とする。
これらにより、柱間の配線スペースを従来と同等に確保することができる。
【0007】
また、他の発明は、柱と、柱間を連結する水平部材とにより形成される空間内に取り付けて用いる木造建築物用補強部材であって、前記柱と柱の対向面および前記水平部材の対向面に沿って配設可能に形成された第1の枠体と、該第1の枠体の内側にほぞを用いて連結された第2の枠体と、により構成されていることを特徴地する木造建築物用補強部材である。
ここで、前記第1の枠体および前記第2の枠体の板厚寸法は、前記柱の幅寸法の2/3以上であることが強度上好ましい。
【0008】
また、前記ほぞは、前記補強用板材および前記枠体よりも硬質の木材により形成されていると共に、各連結部分に作用する力の方向に対して木目方向が直交する状態に配設されていることを特徴とする。これにより、各連結部分における耐荷力を大幅に向上させることができる。
【0009】
また、前記枠体、前記ほぞ、前記補強板のうち少なくとも1つが間伐材により形成されていることを特徴とする。これにより、間伐材を有効に利用することができるため、林業の振興や地球環境の保護に対しても有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、少ない配設数であっても確実に木造建築物を補強することができるので設計の自由度を大幅に向上させることができる。また、木造建築物用補強部材を配設する際に柱への余分な加工が不要であるため配設が容易である。さらには、木造建築物用補強部材を配設しても柱の有効面積を減らすことがないため、木造建築物の強度の低下をなくすことができる。
さらには、間伐材を原材料として使用しているので、林業の振興や地球環境の保護にも有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、添付図面に基づいて本発明にかかる木造建築物補強部材の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態にかかる木造建築物補強部材の分解正面図である。図2は図1の木造建築物用補強部材を組み付けした状態を示す正面図である。図3は、本実施の形態におけるほぞを示す斜視図である。
本実施の形態における木造建築物用補強部材10は図1に示すように、縦長の長方形状に形成された複数の補強用板材20と、複数の補強用板材20の外周に配設される枠体30と、補強用板材20どうし、または、補強用板材20と枠体30とを連結するための連結体であるほぞ40により構成されている。
【0012】
本実施の形態における補強用板材20は、縦長の長方形状に形成された3枚の薄板により構成されている。補強用板材20の縦寸法および横寸法はそれぞれ180cm,30cm程度のものが好適に用いられる。補強用板材20の部材厚さ(板厚)は、木造建築物の骨組構造に用いられている柱50の幅寸法の半分以下の寸法に形成されている。補強用板材20の木口側22と木端側24にはそれぞれほぞ穴26が形成されている。ほぞ穴26は、木口側22の辺長を二分割する位置と、木端側24の辺長を三分割する位置とにそれぞれ設けられている。
ほぞ穴26の深さ寸法は、補強用板材20どうし、または、補強用板材20と枠体30とを連結するための連結体であるほぞ40の長さ寸法の半分の寸法である。ほぞ穴26の径寸法は、ほぞ40の径寸法より若干小径に形成されている。
【0013】
枠体30は、端面を突き合わせて並列に配置された3枚の補強用板材20の外周を囲むようにして配設された枠部材32,34により構成されている。補強用板材20の木口側22と対向して連結される枠部材32の木端には補強用板材20の木口側22のほぞ穴26の位置に対応する位置にほぞ穴36が設けられている。一方、補強用板材20の木端側24に対向して連結される枠部材34の木端には補強用板材20の木端側24のほぞ穴26の位置に対応する位置にほぞ穴36が設けられている。
各枠部材32,34に設けられたほぞ穴36も、補強用板材20に設けられたほぞ穴26の寸法と等しい寸法に形成されている。
【0014】
本実施の形態における補強用板材20および枠体30は共に、杉、ヒノキ、唐松等の間伐材により形成されている。したがって、利用価値の低い木材を有効利用することができる。
【0015】
本実施の形態におけるほぞ40は、面取り加工部42を有する円柱状に形成されている。ほぞ40は、補強用板材20および枠体30の材料よりも硬質な材料により形成される。本実施の形態におけるほぞ40は、樫、ナラ、栗、ヒノキ等の木材により形成した。補強用板材20および枠体30は、ほぞ40によるせん断耐荷力により荷重に耐えるのでほぞ40のせん断耐荷力は重要である。ほぞ40の単位体積当たりのせん断耐荷力が補強用板材20および枠体30の単位体積当たりのせん断耐荷力より高ければ、他の木材であっても良いのはもちろんである。
ほぞ40の木目44は、図3に示すようにほぞ40の軸線CLの方向に沿ってあらわれるように形成されている。
【0016】
以上のように形成された補強用板材20、枠体30とほぞ40をそれぞれ連結して図2に示すような木造建築物用補強部材10を組み立てる。木造建築用補強部材10を組み立てる際には、単にほぞ穴26,36にほぞ40を挿入させて補強用板材20と枠体30を組み立てても良いし、ほぞ穴26,36に木工用ボンドなどの接着剤を注入した後に、ほぞ40を挿入させて補強用板材20と枠体30を組み立てても良い。
【0017】
このようにして小寸法の補強用板材20を組み立てることにより、各々の補強用板材20がほぞ40により強固に一体化するので、いわゆる端材や間伐材を用いた補強用板材20であっても、一枚ものの大きな補強用板材20と同等の耐荷力を具備させることができる。しかも、小寸法の補強用板材20としたことにより取り扱いが容易であると共に、従来利用価値がきわめて低かった木材を有効利用することができるため好都合である。
【0018】
(第2実施形態)
第1実施形態においては、ほぞ40の軸線を補強用板材20の木口側22および木端側24と枠部材32,34の木端側の面に対して直交させた向きに配設する形態について説明しているが、本実施の形態においては、図4に示すように、ほぞ40の配設方向を変更した形態について説明する。図4は、本実施の形態における補強用板材と枠部材を連結させる状態を示す正面図である。図5は、本実施の形態におけるほぞを示す斜視図である。
【0019】
本実施の形態におけるほぞ穴26,36は、先の実施形態と同様に補強用板材20の木口側の面と枠部材32の補強用板材側の木端のそれぞれに半割りにした円柱の円弧側が底面となるような形状に形成されている。このように形成されたほぞ穴26,36は円柱状に形成されたほぞ40を横方向に配設した状態で嵌合させる。
また、本実施の形態で用いられるほぞ40は、図5に示すようにほぞ40の軸線CLに対して、木目44が直交する方向にあらわれるように形成されている。これは第1実施形態におけるほぞ40と同様に、ほぞ40に作用するせん断力に対してほぞ40のせん断耐荷力が大きくなるようにするためである。
【0020】
本実施形態を採用することにより、第1実施形態に比較して補強用板材20どうしの連結部分および補強用板材20と枠体30との連結部分におけるほぞ40のせん断耐荷力を向上させることができるため、木造建築用補強部材10としての強度を向上させることができるため好都合である。
【0021】
一般に、木造建築物における各寸法(特に、柱間の寸法等)は尺貫法により木造建築物において共通する寸法に構築されていることがほとんどである。したがって本願発明にかかる木造建築物用補強部材10は、予め工場により製作することが可能であり、ユニット化された状態(木造建築物用補強部材10が組み立てられた状態)で木造建築物の建設現場に持ち込むことができる。このように工場生産によりユニット化されているので製品の組み立て精度も向上するため、現場における取り付け作業が円滑に行える点で好都合である。
【0022】
以上に木造建築物用補強部材10の実施形態の一例を示した。次に、木造建築物用補強部材10の取り付け方法について説明する。図6は柱間に本願発明にかかる木造建築物用補強部材を取り付けした状態を示す正面図である。図7は、図6の平面図である。
木造建築物用補強部材10は、柱50と梁60の間に形成される空間80内に配設される。木造建築物用補強部材10は取付金具70を用いて柱50および梁60に取り付けられる。先にも説明したように、木造建築物用補強部材10の部材厚さは、柱50の幅寸法Wの半分程度となるように形成されている。よって、柱50,50および梁60により形成される空間80内に木造建築物用補強部材10を取り付けても、空間80の壁厚方向における寸法が狭くなるだけで、配線などを取り回しする程度であれば十分なスペースがある。このことから柱50,50間に木造建築物用補強部材10を配設することによる不都合はないといえる。むしろ、柱50,50間に配設されていた筋交いを省略することができるので、窓の配設位置等といった木造建築物における設計の自由度が高まるためかえって好都合でさえある。
【0023】
なお、本実施の形態においては、木造建築物用補強部材10の取り付けに取付金具70を用いた形態について説明しているが、組み立てが完了した木造建築物用補強部材10を木造建築物に取り付ける形態以外に、新規に建築をする建築物の柱50や梁60、土台90などの水平部材に木造建築物用補強部材10を順次組み付けていく形態とすることももちろん可能である。
【0024】
以上に本願発明にかかる木造建築物用補強部材10について実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本願発明にかかる木造建築物用補強部材10は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明にかかる木造建築物用補強部材10に用いる補強用板材20の枚数および寸法は、以上の実施形態で示した寸法に限定されるものではなく、取り付け対象である柱50,50の配設ピッチに応じて使用する補強用板材20の枚数や寸法を適宜調整することができるのはもちろんである。また、補強用板材20は、間伐材により形成することができる寸法に収めることが特に好ましい。
【0025】
また、以上の実施形態においては、円柱状の木製のほぞ40を用いているが、補強用板材20および枠体30よりも機械的強度(特にせん断耐荷力)が高ければ木質のほぞ40に限定されるものではなく、合成樹脂製のほぞや金属製のほぞを用いることができるのはもちろんである。また、これらの異なる材料を組み合わせてほぞ40を形成しても良い。そしてほぞ40の形状は円柱状に限定されるものではなく、直方体状に形成したほぞ(図示せず)等他の形状を採用することができるのはもちろんである。例えば、図8に示すように、細径部46と太径部48を有するほぞ40を用いても良い。この構成を有するほぞ40を用いた場合、図9に示すように異なる2部材の境界部分と各々の部材(図9においては、枠体30と補強用板材20)の所要範囲にまたがるように太径部48を配設すれば、せん断耐荷力を大幅に向上させることができるため好適である。
また、せん断力等の機械的強度が異方性を示す材料を用いてほぞ40を形成する場合には、ほぞ40に作用する力に対して有利な方向となるようにしてほぞ40を形成すればよい。
【0026】
また、先にも説明したとおり、本願発明にかかる木造建築物用補強部材10はほぞ40により、補強用板材20と枠体30が連結されているので、ほぞ40のせん断耐荷力が木造建築物用補強部材10の強度に重大な影響を与えている。すなわち、ほぞ40は、以上の実施形態に説明した形状や配設箇所および配設数に限定されるものではなく、補強用板材20および枠体30の材質や、ほぞ40の材質等の組み合わせにより、適宜設計することができるのはいうまでもない。
【0027】
また、以上の実施形態においては、木造建築物用補強部材10を柱50,50と梁60に対して取付金具70を用いて取り付けているが、必ずしも柱50の上部に取り付けしなければならないわけではない。木造建築物用補強部材10は、柱50の中間高さ位置の他、柱50,50と土台に取り付ける形態としても以上の実施形態と同等の補強効果を得ることができる。
さらには、図10に示すように、柱50,50と梁60と土台90により形成される空間80のすべてを覆うようにして木造建築物用補強部材10を取り付けすれば、より強固に木造建築物を補強することができるため更に好適である。
【0028】
また、以上に説明した実施形態においては、枠体30の内部に補強用板材20が配設された形態について説明しているが、図11に示すような、補強用板材20を有さない木造建築物用補強部材10とすることもできる。
具体的には、柱50どうしと、柱50間を連結する水平部材である梁60と土台90が互いに対向する面に沿って配設可能に形成された外枠体(第1の枠体)37と、外枠体37の内側に沿ってほぞ40を用いて連結された内枠体(第2の枠体)38とにより木造建築物用補強部材10を構成する形態である。外枠体37と内枠体38を構成する枠材32,34,32a,34aの板厚寸法は、柱50の幅寸法W(図7参照)の2/3以上であることが好ましい。
【0029】
外枠体37と内枠体38は図11に示すように、外枠体(第1の枠体)37および内枠体(第2の枠体)38を構成する枠材32,34,32a,34aの両端部がそれぞれL字状に形成されていて、それぞれのL字状部分を互いに嵌合させた状態に組みつけられている。このようにして枠材を組み付けることにより、より頑丈な枠体を形成することができるため好都合である。
このようにして形成された木造建築物用補強部材10は、先に説明した実施形態と同様に、取付金具70を用いて、柱50と梁60および土台90に取り付けることができる。
【0030】
本形態における木造建築物用補強部材10は、補強用板材20を用いることなく、棒状部材とほぞ40のみで構成することができるので、木造建築物用補強部材10の組み立てに使用する木材が端材であっても十分な強度を持たせることができるため、資源を有効利用することができるため好適である。
また、補強用板材20を用いていないため、木造建築物用補強部材10の取り付け部分であっても窓等を配設することが可能になり、更に建築自由度を高めることも可能であるため好都合である。
【0031】
本願発明においては、以上に説明した木造建築物用補強部材10を構成する際の各構成要素の組み合わせについては何ら阻害要因はないので、各構成要素を自由に組み合わせることができるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1実施形態にかかる木造建築物補強部材の分解正面図である。
【図2】図1の木造建築物用補強部材を組み付けした状態を示す正面図である。
【図3】第1実施形態におけるほぞを示す斜視図である。
【図4】第2実施形態における補強用板材と枠部材を連結させる状態を示す正面図である。
【図5】第2実施形態におけるほぞを示す斜視図である。
【図6】柱間に本願発明にかかる木造建築物用補強部材を取り付けした状態を示す正面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】ほぞの他の実施形態の一例を示す説明図である。
【図9】図8のほぞを用いた連結部分を示す説明図である。
【図10】他の実施形態の木造建築物用補強部材を配設した状態示す説明図である。
【図11】他の実施形態の木造建築物用補強部材を配設した状態示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
10 木造建築物用補強部材
20 補強用板材
22 木口側
24 木端側
26 ほぞ穴
30 枠体
32,32a,34,34a 枠部材
36 ほぞ穴
37 外枠体(第1の枠体)
38 内枠体(第2の枠体)
40 ほぞ
42 面取り加工部
44 木目
46 細径部
48 太径部
50 柱
60 梁
70 取付金具
80 空間
90 土台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造建築物の柱と柱の間に取り付けて用いる木造建築物用補強部材であって、
端面を突き合わせて並列に配置された補強用板材と、
前記並列に配置された補強用板材の外周を囲むようにして設けられた枠体とを有し、
前記補強用板材どうしおよび前記補強材と前記枠体とは、それぞれほぞにより連結されていることを特徴とする木造建築物用補強部材。
【請求項2】
前記補強用板材の板厚寸法は、前記柱の幅寸法の半分以下であることを特徴とする請求項1記載の木造建築物用補強部材。
【請求項3】
前記枠体の板厚方向の寸法は、前記柱の幅寸法の半分以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の木造建築物用補強部材。
【請求項4】
柱と、柱間を連結する水平部材とにより形成される空間内に取り付けて用いる木造建築物用補強部材であって、
前記柱と柱の対向面および前記水平部材の対向面に沿って配設可能に形成された第1の枠体と、
該第1の枠体の内側にほぞを用いて連結された第2の枠体と、により構成されていることを特徴地する木造建築物用補強部材。
【請求項5】
前記第1の枠体および前記第2の枠体の板厚寸法は、前記柱の幅寸法の2/3以上であることを特徴とする請求項4記載の木造建築物用補強部材。
【請求項6】
前記ほぞは、前記補強用板材および前記枠体よりも硬質の木材により形成されていると共に、各連結部分に作用する力の方向に対して木目方向が直交する状態に配設されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の木造建築物用補強部材。
【請求項7】
前記枠体、前記ほぞ、前記補強板のうち少なくとも1つが間伐材により形成されていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の木造建築物用補強部材。
【請求項1】
木造建築物の柱と柱の間に取り付けて用いる木造建築物用補強部材であって、
端面を突き合わせて並列に配置された補強用板材と、
前記並列に配置された補強用板材の外周を囲むようにして設けられた枠体とを有し、
前記補強用板材どうしおよび前記補強材と前記枠体とは、それぞれほぞにより連結されていることを特徴とする木造建築物用補強部材。
【請求項2】
前記補強用板材の板厚寸法は、前記柱の幅寸法の半分以下であることを特徴とする請求項1記載の木造建築物用補強部材。
【請求項3】
前記枠体の板厚方向の寸法は、前記柱の幅寸法の半分以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の木造建築物用補強部材。
【請求項4】
柱と、柱間を連結する水平部材とにより形成される空間内に取り付けて用いる木造建築物用補強部材であって、
前記柱と柱の対向面および前記水平部材の対向面に沿って配設可能に形成された第1の枠体と、
該第1の枠体の内側にほぞを用いて連結された第2の枠体と、により構成されていることを特徴地する木造建築物用補強部材。
【請求項5】
前記第1の枠体および前記第2の枠体の板厚寸法は、前記柱の幅寸法の2/3以上であることを特徴とする請求項4記載の木造建築物用補強部材。
【請求項6】
前記ほぞは、前記補強用板材および前記枠体よりも硬質の木材により形成されていると共に、各連結部分に作用する力の方向に対して木目方向が直交する状態に配設されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の木造建築物用補強部材。
【請求項7】
前記枠体、前記ほぞ、前記補強板のうち少なくとも1つが間伐材により形成されていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の木造建築物用補強部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−133661(P2008−133661A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320630(P2006−320630)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(306038363)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(306038363)
【Fターム(参考)】
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