説明

末梢動脈疾患の治療に有用であってホスホジエステラーゼ阻害薬として有用なキナゾリン誘導体

本発明において、式(I)から式(III)を有する化合物、又はその類似体の、治療的に効果的な量を投与することを備えた、患者の末梢動脈疾患の治療方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスホジエステラーゼを阻害するために有用な化合物に関する。より具体的には、本発明はまた、末梢動脈疾患の治療や予防に有用な化合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
末梢動脈疾患は、動脈硬化、又は、特に脚部の血管中の脂肪性沈着物に起因するアテローム性動脈硬化症によって特徴づけられる。この状態は、成人人口の10%超、主に55歳を超えた人々に影響を与えている。間欠性跛行は、運動中の脚部や臀部の痛みによって特徴づけられる末梢動脈疾患の症状である。間欠性跛行は、いまだに医療上の要求の大部分が対処されておらず、そのため、バルーン血管形成を伴う外科的方法を除き、唯一の他の主要な治療法は、オクスペンティフィリン(oxpentifylline)とヘクソパール(hexopal)−ともに古く非特異的な薬剤−である。アテローム性動脈硬化症の別名は「動脈硬化」であり、末梢動脈疾患を引き起こす。それは、動脈の壁にコレステロール沈着が生じている間の疾病の過程である。この脂肪性沈着は、血流を制限し、身体のさまざまな器官や組織に酸素と栄養素の送達量を減少させる。脚部の動脈にアテローム性動脈硬化症が起こると、それが間欠性跛行を引き起こす可能性がある。
【0003】
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、セカンド・メッセンジャー・ヌクレオチドのサイクリック・アデノシン1リン酸(cAMP)とサイクリック・グアノシン1リン酸の代謝に関連する細胞内酵素の一種である(例えば、Doherty, 1997, "Oral, Transdermal and Transurethral Therapies for ErectileDysfunction" in Male Infertility and Dysfunction, Hellstrom, ed., Chapter 34, Springer-Verlag: New York を参照)。多数のホスホジエステラーゼ阻害薬が、閉塞性肺病、アレルギー、高血圧症、狭心症、鬱血性心不全、鬱病などの種々の治療用途について、文献中でこれまでに説明されてきた(例えば、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 1996, Ninth Edition, Chapter 34, McGraw-Hill: New York を参照)。PDEIII阻害は、末梢血管拡張効果と抗凝固効果、したがって、抗血栓効果を伴う。
【0004】
本発明の用途に包含される化合物は、3−ヒドロキシアナグレライドである。これは、アナグレライドの代謝産物である(例えば、米国公開第20040209907号として公開された米国特許出願第10/762,566号を参照)。
【0005】
アナグレライドの様々な代謝産物は、文献中で検討されている:Erusalimsky et al. (2002) Is the platelet lowering activity of anagrelidemediated by its major metabolite 2-amino-5,6-dichloro-3,4-dihydroquinazoline(RL603)? Exp Hematol. 30:625-7;Lane et al. (2001) Anagrelidemetabolite induces thrombocytopenia in mice by inhibiting megakaryocyte maturation without inducing platelet aggregation. Exp Hematol. 29:1417-241;及びGaver et al. (1981) Disposition of anagrelide, an inhibitor of platelet aggregation. Clin PharmacolTher. 29:381-6。
【0006】
本発明の目的は、間欠性跛行などの末梢動脈疾患の代替治療法を提供することと、新規なホスホジエステラーゼ阻害薬を提供することである。
【発明の開示】
【0007】
本発明の一実施例は、式(I)の化合物、
【0008】
【化25】

【0009】
その平衡化した形態、その薬学的に許容可能な塩、又はその平衡化した形態の薬学的に許容可能な塩の治療的に効果的な量を、その治療を必要とする患者へ投与することを含む末梢動脈疾患の治療法を提供し、ここで、X、Y、R1、R2は、以下で定義される。
【0010】
一実施形態において、本発明は、式
【0011】
【化26】

【0012】
【化27】

【0013】
【化28】

【0014】
の化合物、その平衡化した形態、その薬学的に許容可能な塩、又はその平衡化した形態の薬学的に許容可能な塩を提供し、
ここで
R1は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、又はC6−10アリールであり;
R2は、
【0015】
【化29】

【0016】
又は
【0017】
【化30】

【0018】
であり;
R3は、OH、ハロゲン、SH、O−C1−6アルキル又はヒドロキシル模倣基であり;及び
XとYは独立してH又はハロゲンである。
【0019】
上記化合物について好ましくは、ベンジル環の5位と6位にXとYの置換基を含む。
【0020】
ほかの実施形態においてホスホジエステラーゼ酵素を阻害し、末梢動脈疾患を治療又は予防し、血小板凝集を阻害し、鬱血性心不全を治療又は予防するための方法が提供され、その方法は、式(I)から式(III)の化合物の治療的に効果的な量を、それを必要とする患者へ投与することを含む。
【0021】
別の実施形態において、本発明の化合物に薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を組み合わせてなる医薬製剤が提供される。
【0022】
さらに別の実施形態において、式(I)から式(III)による少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つのほかの治療剤を含む医薬製剤が提供される。
【0023】
さらなる実施形態において、末梢動脈疾患の治療用の薬剤を製造するための、式(I)から式(III)の化合物の使用法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
特に定義されない限り、ここで用いられるすべての技術的及び科学的用語は、本発明の属する分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。ここで引用される、すべての刊行物、特許出願、特許、その他の参考文献は、それらの全体が引用されて組み込まれる。抵触の場合は、定義を含む本明細書は規制されるだろう。さらに、材料、方法、例は、単に説明的なものであって、限定することを意図しているものではない。
【0025】
本発明の一実施形態において、本発明の化合物は、以下の実施形態におけるものを、独立して又は組み合わせて、包含している。
【0026】
一実施形態において、本発明は、式
【0027】
【化31】

【0028】
【化32】

【0029】
【化33】

【0030】
の化合物、その平衡化した形態、その薬学的に許容可能な塩、又はその平衡化した形態の薬学的に許容可能な塩を提供し、
ここで
R1は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、又はC6−10アリールであり;
R2は、
【0031】
【化34】

【0032】
又は
【0033】
【化35】

【0034】
であり;
R3は、OH、ハロゲン、SH、O−C1−6アルキル又はヒドロキシル模倣(hydroxymimetic)基であり;及び
XとYは独立して、H又はハロゲンである。
【0035】
好ましい実施形態は、ベンジル環の5位と6位にXとYの置換基を含む。
【0036】
一実施形態において、R1は、H又はC1−6アルキルである。別の実施形態において、R1は、H又はCHである。好ましい実施形態において、R1は、Hである。
【0037】
一実施形態において、R3は、OH又はO−C1−6アルキルである。別の実施形態において、R3は、OH又はOCHである。好ましい実施形態において、R3は、OHである。
【0038】
一実施形態において、Xは、H又はハロゲンである。好ましい実施形態において、Xは、Hである。別の好ましい実施形態において、Xは、Clである。別の実施形態において、Yは、H又はClである。好ましい実施形態において、Yは、Hである。別の好ましい実施形態において、Yは、Clである。
【0039】
本発明の化合物としては、N−(5,6−ジクロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−オキソアセトアミドである
【0040】
【化36】

【0041】
と;N−(5,6−ジクロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−オキソアセトアミド水化物である
【0042】
【化37】

【0043】
と;6,7−ジクロロ−3−ヒドロキシ−1,5−ジヒドロ−イミダゾ[2,1−b]キナゾリン−2−オンである
【0044】
【化38】

【0045】
と;6,7−ジクロロ−3−ヒドロキシ−1,5−ジヒドロ−イミダゾ[2,1−b]キナゾリン−2−オンである
【0046】
【化39】

【0047】
と;6,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロ−イミダゾ[1,2−a]キナゾリン−2−オンである
【0048】
【化40】

【0049】
が挙げられる。
【0050】
本発明によれば、化合物は、十分に純粋な形態で患者に投与される。
【0051】
本発明によれば、化合物は、十分に純粋な形態である。
【0052】
本発明で用いられる用語「十分に純粋」は、標準的な分析方法により測定したときに、化合物が少なくとも80%純粋であり、好ましくは少なくとも85%純粋であり、より好ましくは少なくとも90%純粋であり、さらにより好ましくは少なくとも95%純粋であり、最も好ましくは少なくとも99%純粋であることを意味する。
【0053】
いかなる理論に拘束されることなく(機構の理解は本発明の実施に必要ではなく、本発明は特定の機構に限定されない)、本発明者らは、本発明の化合物が平衡化した形態にあると考えている。本発明の化合物の平衡化した形態は、以下のように表現される:
【0054】
【化41】

【0055】
ここで用いられる用語「平衡化した形態」は、式(I)から(III)の化合物の互変体を含む。
【0056】
本発明の化合物の平衡化した形態は、下記のようにも表現される。
【0057】
【化42】

【0058】
このすべての平衡化した形態は、本発明の範囲に含まれる。
【0059】
この分野で通常の知識を有する者によって、化合物(I)から(III)が互変体又は光学異性体として存在してもよいことが理解されるだろう。この化合物のすべての平衡化した異性体と互変体は、本発明の範囲内に含まれる。単一の光学異性体又は鏡像異性体は、この分野でよく知られた方法、例えば、キラルHPLC、酵素分解、及びキラル助剤によって得ることができ、或いは、立体選択的に合成可能である。
【0060】
ここで用いられる「ヒドロキシ模倣」は、ヒドルキシル(−OH)基に関係する化学的な官能基を表している。これは、水素結合の供与体又は受容体として振舞うことのできる官能基である。ヒドロキシ模倣基の例としては、限定されないがNH−とSH−が挙げられる。
【0061】
本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩もまた提供される。一般式(I)から(III)の化合物の用語「薬学的に許容可能な塩」に関して、それは、薬学的に許容可能な無機及び有機の酸と塩基から誘導されたものを意味する。適切な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸が挙げられる。シュウ酸などの他の酸は、それ自体、薬学的に許容可能ではないが、本発明の化合物とその薬学的に許容可能な酸付加塩を取得するときの中間体として有用かもしれない。
【0062】
適切な塩基から得られる塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩、NR(ここで、Rは、C1−4アルキル)塩が挙げられる。
【0063】
本出願で用いられる用語「アルキル」は、置換されていない又は置換された(ハロゲン、ニトロ、CONH、COOH、O−C1−6アルキル、O−C2−6アルケニル、O−C2−6アルキニル、ヒドロキシル、アミノ、又はCOOQ、ここで、QはC1−6アルキル、C2−6アルケニル;C2−6アルキニルによって)直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素部分(例えば、イソプロピル、エチル、フルオロエチル又はシクロプロピル)を表す。アルキルという用語は、1つ以上の水素元素がハロゲン、より好ましくは、ハロゲンはフッ素によって置換されたアルキル(例えば、−CF又は−CHCF)をも含むことを意図している。
【0064】
ここで用いられる用語「アルケニル」と「アルキニル」は、少なくとも1つの不飽和基(例えば、アリル)を含むアルキル(上記で定義した)を表す。
【0065】
硫黄原子を含む場合、硫黄原子は、異なった酸化状態:S、SO、又はSOであってもよい。このすべての酸化状態は、本発明の範囲内にある。
【0066】
ここでハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する。
【0067】
本発明はまた、患者(例えば、哺乳類、特に人類)を治療する方法を提供し、その方法は、式(I)から式(III)の化合物の少なくとも1つ、その製剤、又はその単位投薬形態の治療的に効果的な量を、それぞれここで説明するように、その治療を必要とする患者へ投与することを含む。式(I)から式(III)の化合物は、細胞のホスホジエステラーゼ、特にホスホジエステラーゼIIIとIVを阻害するために用いられる。殊に、式(I)から式(III)の化合物は、ホスホジエステラーゼIIIを阻害するために用いられる。式(I)から式(III)の化合物の第一の効用は、患者の間欠性跛行の軽減であり、通常は、歩行距離の増加によって明白に示される。本発明の化合物は、例えば、動悸や抗血小板作用などの血管拡張に関する他の疾病状態の治療にも使用可能である。この活性成分はまた、性機能障害の治療に用いられるほか、治療を必要とする患者の血漿高密度リポ蛋白コレステロールとアポリポ蛋白質を増加させる可能性がある。
【0068】
状態、疾患又は病気の「治療すること」又は「治療」は:
(1)状態、疾患又は病気で苦しませ又はかかりやすくする可能性があるが、状態、疾患又は病気の臨床症状又は潜在症状を未だに経験又は露呈していない、哺乳類に現れる状態、疾患又は病気の臨床症状の出現を予防又は遅延させること、
(2)状態、疾患又は病気を抑制すること、すなわち、病気の進展又はその再発(維持治療の場合)又は少なくとも1つのその臨床症状又は潜在症状を停止、低減又は遅延させること、或いは、
(3)病気を緩和すること、すなわち、状態、疾患又は病気、又は少なくとも1つのその臨床症状又は潜在症状を後退させること、
を含む。
【0069】
一実施形態において、本発明は間欠性跛行の治療法を提供する。
【0070】
「治療的に効果的な量」は、状態、疾患又は病気を治療するために患者に投与されたときに、その治療を達成するために十分な化合物の量を意味する。「治療的に効果的な量」は、化合物、病気及とその重症度、及び治療される対象の年齢、体重、体調と感応性によって異なるだろう。
【0071】
それが必要となる患者は、本発明の化合物の投与によって恩恵を受ける個体、例えば人間や他の哺乳類である。
【0072】
治療される患者に対する恩恵は、統計的に有意であるか、少なくとも患者や医師に認知可能である。
【0073】
治療に用いるために必要とされる本発明の化合物の量は、選択された個々の化合物によってのみ異なるのではなく、投与の経路、治療を要する病気の性状、患者の年齢と状態によっても異なり、最終的には主治医や獣医の判断によることが理解されるであろう。しかしながら、通常、適切な投与量は、1日につき約0.001〜約50mg/kg体重の範囲内であり、好ましくは、1日につき約0.001〜約5mg/kg体重、より好ましくは、1日につき約0.001〜約0.5mg/kg体重、最も望ましくは、1日につき約0.001〜約0.1mg/kg体重である。さらなる実施形態においては、その範囲は1日につき約0.1〜約750mg/kg体重、0.5〜60mg/kg/日の範囲、及び1〜20mg/kg/日の範囲であってもよい。
【0074】
望ましい投与量は、好都合に単回投与で与えられてもよく、又は分割投与として適切な間隔をおいて、例えば、1日に2回、3回、4回又はそれ以上で投与されてもよい。その化合物が経皮又は徐放性製剤で投与される場合は、その化合物は1日に1回又はそれ以下で投与されてもよい。
【0075】
その化合物は、例えば、活性成分を単位剤形ごとに0.1〜50mg、好都合には0.1〜5mg、又は最も好都合には0.1〜5mg含有する単位剤形で、好都合に投与される。よりさらなる実施形態において、その化合物は、例えば、活性成分を単位剤形ごとに10〜1500mg、好ましくは20〜1000mg、又はより好ましくは50〜700mg含有する単位剤形で、好都合に投与可能である。
【0076】
理想的にはその活性成分は、約0.01〜約5μM、約0.01〜約1μM、約0.01〜約75μM、約2〜約50μM、又は約3〜約30μMの活性化合物の最高血漿濃度を達成するために投与されるべきである。例えば、活性成分の0.1〜5%溶液を、状況に応じて生理食塩水溶液で、静脈注射することによって、又は、約0.1〜約5mg又は約1〜約500mgの活性成分を含む丸薬として経口投与することによって、これを達成することができる。望ましい血中濃度は、約0.0001〜約1.0mg/kg/時間、又は約0.0001〜約0.5mg/kg/時間の活性成分を供給する連続注入によって、又は約0.001〜約0.1mg/kgの活性成分を含む断続注入によって、維持することができる。さらなる実施形態において、望ましい血中濃度は、約0.01〜約5.0mg/kg/時間の活性成分を供給する連続注入によって、又は約0.4〜約15mg/kgの活性成分を含む断続注入によって、維持することができる。
【0077】
治療に用いるために、本発明の化合物は未加工の化学薬品として投与可能ではあるが、医薬製剤中に活性成分を与えるのが好ましい。本発明はしたがって、さらに、式(I)から式(III)の化合物、又はその類縁物質と、1つ又はそれ以上の薬学的に許容可能な担体と、及び、付加的に他の医薬及び/又は予防薬の成分からなる医薬製剤を提供する。担体は、製剤の他の成分と相性がよく、その受容者に有毒でない、という意味で、「許容可能」でなければならない。
【0078】
医薬製剤としては、経口、直腸、鼻、局所(頬と舌下を含む)、経皮、膣、又は非経口(筋肉、皮下及び静脈を含む)の投与に適したもの、又は、吸息や吸入による投与に適した形態のものが挙げられる。その製剤は、必要に応じて、好都合なように別個の投薬単位で与えられてもよく、薬学の分野でよく知られたいずれの方法によって調製されてもよい。すべての方法は、活性化合物を液体担体又は微細に分割された固体担体又は両方と結合させるステップと、そして、必要な場合は、その製品を望ましい剤形に成形するステップを備えている。
【0079】
経口投与に適した医薬製剤は、カプセル、カシェ剤、又は錠剤(それぞれ規定量の活性成分を含む)などの別個の単位として;粉剤、又は顆粒として;又は、溶液、懸濁液、又は乳濁液として、好都合なように提供することができる。活性成分は、丸薬、舐剤、又はペーストとしても提供することができる。経口投与のための錠剤とカプセルは、結合剤、充填剤、滑剤、崩壊剤、又は湿潤剤などの従来の賦形剤を含んでいてもよい。錠剤は、この分野でよく知られた方法を用いてコーティングされてもよい。経口液体製剤は、例えば、水性又は油性の懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ剤、又はエリキシル剤の形態であってもよく、又は、使用前に水や他の適切な媒体とともに構成される乾燥製品であってもよい。この液体製剤は、懸濁化剤、乳化剤、非水溶性媒体(食用油を含む)、防腐剤などの従来の添加剤を含んでいてもよい。
【0080】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、静脈内ボーラス、又は連続注入などの注射)のために製剤されてもよく、アンプル剤、予め充填された注射器、小体積注入の単位投薬形態、又は、防腐剤が添加された複数投薬容器で提供されてもよい。その組成は、油性又は水性の媒体中の、懸濁液、溶液、又は乳濁液などの形態をとってもよく、懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散剤などの調剤用の薬剤を含んでいてもよい。その代わりに、その活性成分は、無菌固体の無菌分離によって、又は、液体からの凍結乾燥によって得られ、使用前に、適切な媒体、例えば、無菌であって発熱物質を含まない水とともに構成されるための、粉末の形態であってもよい。
【0081】
表皮に局所的に投与するために、本発明の化合物は、軟膏、クリーム又はローションとして、又は経皮パッチとして製剤されてもよい。その経皮パッチは、リナロール、カルバクロール、チモール、シトラール、メントール、又はt−アネトールなどの浸透促進剤を含んでいてもよい。軟膏とクリームは、例えば、適切な増粘剤、及び/又はゲル化剤を添加した、水性又は油性の基剤をとともに製剤されてもよい。ローションは、水性又は油性の基剤を用いて製剤されてもよく、一般には、1つ又はそれ以上の乳化剤、増粘剤、着色剤も含むであろう。
【0082】
口内の局所投与に適した製剤としては、風味を付けた基剤、通常はショ糖とアカシア、又はトラガカント、に活性成分を備えたトローチ剤;ゼラチンとグリセリン、又はショ糖とアカシアなどの不活性な基剤に活性成分を備えた錠剤;及び適切な液体担体に活性成分を備えた洗口剤が挙げられる。
【0083】
直腸の投与に適した担体が個体の医薬製剤は、最も好ましくは、単位投薬座薬として提供される。適切な担体としては、ココアバターやこの分野で通常用いられる他の材料が挙げられ、座薬は、活性化合部を、その後に型の中で冷却され成形される、軟化又は融解した担体とともに混合することによって、都合よく形成することができる。
【0084】
膣の投与に適した製剤は、活性成分に加えて、この分野において適切であることが知られている担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡、又はスプレーとして提供することができる。
【0085】
経鼻投与のために、本発明の化合物は、液体スプレー又は分散性の粉末として、又は滴剤の形態で用いることができる。滴剤は、一つ以上の分散剤、可溶化剤、又は懸濁化剤も備えた、水溶性又は非水溶性の基剤とともに製剤することができる。液体スプレーは、好都合なことに加圧型包装から供給される。
【0086】
吸入による投与のために、本発明の化合物は、吸入器、噴霧器、又は加圧型包装、又はエアゾールスプレーを供給する他の便利な手段から、都合よく供給される。加圧型包装は、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適切なガスなど、適切な高圧ガスを含んでいてもよい。加圧されたエアゾールの場合、投薬単位は測定量を供給するためのバルブを備えることによって、決定することができる。
【0087】
あるいは、吸息又は吸引により投与するために、本発明の化合物は、乾燥粉末組成、例えば、この化合物とラクトース又はデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物の形態で供給可能である。この粉末組成は単位投薬形態で、例えば、カプセル又はカートリッジ、又は、例えば、ゼラチン又はブリスター包装で与えることができ、そこから粉末を、吸入器を用いて投与することができる。
【0088】
要求される場合は、上述の製剤は、活性成分の持続した放出を与えるために適合させることができる。
【0089】
さらなる実施形態において、本発明による化合物と1つ以上のホスホジエステラーゼ阻害薬とからなる組み合わせが提供される。ホスホジエステラーゼの阻害薬としては、ビンポセチン、ミルリノン、アムリノン、ピモベンダン、シロスタミド、エノキシモン、ピロキシモン、ベスナリノン、ロリプラム、RO20−1724、ザプリナスト、ジピリダモール、ペントキシフェリン、クエン酸シルデナフィル(バイアグラ(登録商標))、ドクサゾシン、パパベリン、プラゾシン、テラゾシン、トリマゾシン、ヒドララジンを含む、種々の化合物が知られている。PCT公報第WO94/28902号は、一連のピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンのcGMPホスホジエステラーゼ阻害薬を開示している。PCT公報第WO96/16644号はまた、グリセオリン酸誘導体、2−フェニルプリノン誘導体、フェニルピリドン誘導体、融合ピリミジン、縮合ピリジミン、ピリミドピリミジン誘導体、プリン化合物、キナゾリン化合物、フェニルピリミドン誘導体、イミダゾキノキサリノン誘導体或いはそのアザ類似体、フェニルピリドン誘導体、その他、を含む、種々のcGMPホスホジエステラーゼ阻害薬を開示している。
【0090】
本発明の化合物はまた、シロスタゾール(プレタール(商標))と組み合わせて用いることができる。上記の組み合わせは、医薬製剤の形態で用いるためには好都合であり、したがって、薬学的に許容可能な担体とともに上記の組み合わせからなる医薬製剤は、本発明のさらなる実施形態を構成する。
【0091】
この組み合わせの個々の成分は、連続して、又は同時に、個々の医薬製剤で、又は混合した医薬製剤で、投与することができる。
【0092】
式(I)から式(III)の化合物、又はその類似体が第二の治療薬との組み合わせで用いられるとき、それぞれの化合物の投薬量は、化合物が単独で使用されるときと同じであっても異なっていてもよい。適切な投薬量は、この分野で通常の知識を有する者によって容易に正しく評価されるだろう。
【0093】
本発明の化合物と第二の治療薬の間の比率は、この分野で通常の知識を有する者によって容易に正しく評価されるだろう。例えば、本発明の化合物:第二の治療薬を、約1:5000〜約1:500、約1:500〜約1:100、約1:1〜約1:50、約1:1〜約1:30、約1:1〜約1:20、約1:1〜約1:15、約1:1〜約1:10、約1:1〜約1:5、約1:1〜約1:3で使用してもよい。さらなる治療薬が添加された場合は、比率はそれ相応に調整されるだろう。
【0094】
米国仮出願第60/598,437号(2004年8月4日出願)、及びここに同時に出願されたその仮出願ではない出願は、両方ともこの文書の化合物と、血小板血症の治療用のこの文書の化合物を対象にしているが、その全体が言及されることによってここに組み込まれる。
【0095】
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を説明するために提供されるものであり、範囲を限定するものと判断されるべきではない。
【実施例1】
【0096】
本発明の化合物番号1の合成
271のm/z値を有する化合物番号1の、N−(5,6−ジクロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−オキソアセトアミド(1)を合成した。化合物番号1は、その水化物(2)としても存在することができる。
【0097】
【化43】

【0098】
化合物番号1の合成
【0099】
【化44】

【0100】
この要求されたアルデヒド(1)へのアプローチは、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)型カップリングアプローチを用いた、2−アミノ−5,6−ジクロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン(A)とグリオキサル酸水化物(B)の反応を必要とした。
【0101】
(A)とグリオキサル酸(B)のカップリングは、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いて、ジクロロメタン(DCM)中で行われた。製品(A)は、この分野で知られた方法によって得られる(例えば、米国特許第6,194,420号、2001年2月27日発行、を参照)。少量のジメチルホルムアミド(DMF)を加えて製品(A)の溶解を助けた。これらの試薬をジクロロメタン溶媒中で混合すると、沈殿物が生じた。この沈殿物を濾別し、溶媒を蒸発させた。この粗製反応混合物をLC−MSによって分析したところ、90%の出発物質と、7%の質量数が271の物質が示された。
【0102】
この反応は、150mgスケールで実施した。この反応中に生成した沈殿物(170mg)を集め、濾液の内容物と同様に分析した。LC-MS分析によると、沈殿物は2つの主要な成分、製品(A)(ピーク面積25%)と質量数が271の物質(ピーク面積66%)から構成されていた;しかし、同じ物質のNMR分析により、主成分は、実際は、カップリング試薬DCCが反応した形である、ジシクロヘキシル尿素(DCU)であることが示された。HPLCによってこの物質の精製を試みたところ、DCUは除去された(NMR分析により測定)が、(A)(ピーク面積18%)と質量数が271の物質(ピーク面積73%)の混合物が得られた。しかし、生成物を含んだ唯一の芳香族のピークがNMRスペクトルに見られた。
【0103】
化合物番号1の精製は、逆相クロマトグラフィーを用いることによって成功した。水からメタノールの勾配溶媒により、3つの明確な画分が得られた:はじめに(A)、2番目に質量数が271の物質、そして、最後にDCU(NMRとHPLC分析により測定)。
【0104】
上で示したように、化合物番号1は化合物番号3と化合物番号4の平衡化した形態である。したがって、上述したように、この実施例の条件下では、化合物は相互変換しており、化合物番号3と化合物番号4(ともに3−ヒドロキシアナグレライドとして知られている)も存在しているものと思われる。
【実施例2】
【0105】
化合物番号1の別の合成法
ステップ1
[スキーム1:出発物質(RL603)]
【0106】
【化45】

【0107】
2.2当量の水素化ナトリウムと1.1当量の2,3−イソプロピリデングリセリン酸エチルを用いることによって、RL603は、確実に穏やかによい収率でアシル化されて、生成物B(スキーム1)が得られる。水素化ナトリウムとともにTHF中で、50℃で30分、不活性雰囲気下で加熱することによって、RL603のアニオンを生成させた。つぎに、混合物を室温まで冷却し、エステルを加え、反応は3日間撹拌した。蛍光性の酸化された不純物の生成を防ぐために、生成物の迅速な精製と処理が望まれる。精製は、通常の水抽出とシリカのクロマトグラフィー(40〜50%酢酸エチル/60〜50%ガソリンで溶出)によって行った。
【0108】
[スキーム2:2,3−イソプロピリデングリセリン酸エチルの合成]
【0109】
【化46】

【0110】
2,3−イソプロピリデングリセリン酸エチルを準備した。1,2:5,6−ジ−イソプロピリデン−マンニトールを、過ヨウ素酸ナトリウム又は過ヨウ素酸テトラ−ブチルアンモニウムのいずれかで処理し、つづいて過マンガン酸カリウムで処理し、粗製イソプロピリデン−グリセリン酸カリウムを得たが、これはエタノールから再結晶によって精製できる。これをDMF中で、好ましくはヨードエタン又はジエチル硫酸(後者を使用すると生成物の回収が難しくなる)で処理し、エチルエステルを生成させた(スキーム2)。必要に応じてこのエステルを蒸留した。
【0111】
ステップ2
[スキーム3:化合物Bの化合物Cへの加水分解]
【0112】
【化47】

【0113】
アセタール−アシル化RL603誘導体Bを、水:THFの50:50混合液中で、0.1M HClで一晩処理したところ、RL603と要求されたジオールCのほぼ等量の混合物が得られた(スキーム3)。5:3の水:トリフルオロ酢酸を1時間使用すると、非常にきれいに選択的に、求められるジオール(C)が得られ、溶媒の除去以外、精製は必要ない。
【0114】
ステップ3
[化合物(C)の化合物番号1への変換及びHPLC]
メタノール水又はアセトン中で過ヨウ素酸ナトリウムを用いることによって、ジオール(C)を化合物番号1へ変換した。ジオールは、溶解性が低い。RL603へ戻る加水分解と、化合物番号1の異性体と思われるものの生成が確認された(この化合物番号1の異性体(iso-化合物番号1)は、ジオール(C)の過ヨウ素酸塩分裂から生成した中間体のアルデヒドの環閉鎖の別モードに由来していると思われる)。
【0115】
化合物番号1と化合物番号1の異性体(化合物番号5の互変体)の異性化を下記に示す:
【0116】
【化48】

【実施例3】
【0117】
6,7−ジクロロ−3−ヒドロキシ−1,5−ジヒドロ−イミダゾ[2,1−b]キナゾリン−2−オン(化合物番号3)の合成
【0118】
【化49】

【0119】
試薬と条件:
ステップ(i):KMnO、KOH、水、室温、4時間、濾過及び蒸発、ついでDMF、ヨウ化エチル、室温、一晩、水抽出(aqueous work-up)、全体で収率56%。
【0120】
ステップ(ii):2−アミノ−5,6−ジクロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン、
【0121】
【化50】

【0122】
NaH、THF,50℃、30分、ついで室温、48時間、水抽出及びカラムクロマトグラフィー、収率50%。
【0123】
ステップ(iii):CFCOH、水、室温、1時間、蒸発、凍結乾燥及びエーテルとともに粉砕、収率100%。
【0124】
ステップ(iv):NaIO、pH5.1緩衝液、アセトン、10℃、20分、蒸発、凍結乾燥及びカラムクロマトグラフィー、収率31%。
【0125】
精製
生成物のクロマトグラフによる分離(異性体である化合物番号5(6,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロ−イミダゾ[1,2−a]キナゾリン−2−オン)からの分離)を、圧縮空気圧力下のガラスカラム中の順相シリカで、0〜10%メタノール/100〜90%酢酸エチルの勾配で溶出して、実施した。画分を、数滴の濃縮アンモニアを含むTHF(テトラヒドロフラン)で溶出するTLC(薄層クロマトグラフィー)によって分析した。
【0126】
分析データ:
NMR
H NMR(300Hz,DMSO−D):7.47(1H,d,J=8.7Hz),6.96(1H,d,J=8.7Hz),6.91(1H,d,J=8.7Hz),5.01(1H,d,J=6.7Hz),4.58+4.47(2H,ABシステム,J=14.6Hz).
13C NMR(75MHz,DMSO−D):130.00, 129.49, 125.32, 120.41, 113.05, 81.29, 41.89(弱いサンプル、いくつかのシグナルは決定されなかった。)
赤外分光分析
IR(ニート):1643,1563,1471cm−1.
質量分析
(EI):271(M,100%),214(86%),199(34%).
分子量決定
高分解能質量分析:計算値 270.991532 検出値 270.992371
融点
融点:170℃(分解)
【実施例4】
【0127】
化合物番号5(6,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロ−イミダゾ[1,2−a]キナゾリン−2−オン)の化学合成
【0128】
【化51】

【0129】
試薬と条件:
ステップ(i):KMnO、KOH、水、室温、4時間、濾過及び蒸発、ついでDMF、ヨウ化エチル、室温、一晩、水抽出(aqueous work-up)、全体で収率56%。
【0130】
ステップ(ii):RL603、NaH、THF、50℃、30分、ついで室温、48時間、水抽出及びカラムクロマトグラフィー、収率50%。
【0131】
ステップ(iii):CFCOH、水、室温、1時間、蒸発、凍結乾燥及びエーテルとともに粉砕、収率100%。
【0132】
ステップ(iv):NaIO、pH10.8緩衝液、アセトン、10℃、20分、蒸発、凍結乾燥及びカラムクロマトグラフィー、収率57%。
【0133】
精製
圧縮空気圧力下のガラスカラム中の順相シリカで、0〜20%メタノール/100〜80%酢酸エチルの勾配で2%の増分で溶出して、クロマトグラフィーを実施した。化合物番号3(6,7−ジクロロ−3−ヒドロキシ−1,5−ジヒドロ−イミダゾ[2,1−b]キナゾリン−2−オン)が最初に溶出し、その後に化合物番号5が続いた。その画分を、数滴の濃縮アンモニアを含むTHF(テトラヒドロフラン)で溶出するTLC(薄層クロマトグラフィー)によって分析した。この溶媒系において、化合物番号5は化合物番号3よりも早く、すなわち、カラムクトマトグラフィーとは逆の順番に溶出することに注意。
【0134】
分析データ:
NMR
H NMR(300Hz,DMSO−D):9.40(1H,s),7.59(1H,d,J=8.8Hz),7.15(1H,d,J=9.2Hz),6.99(1H,d,J=8.8Hz),5.38(1H,d,J=9.2Hz),4.62+4.56(2H,ABシステム,J=16.8Hz).
13C NMR(75MHz,DMSO−D):182.90, 162.97, 134.02, 129.97, 129.26, 125.21, 118.89, 113.05, 79.87, 41.46.
赤外分光分析
IR(ニート):1653,1472cm−1.
質量分析
(EI):271(M,100%),214(87%),199(35%).
分子量決定
高分解能質量分析:計算値 270.991532 検出値 270.991783
融点
融点:190℃(分解)
【実施例5】
【0135】
ホスホジエステラーゼにおける本発明の化合物の効果に関する評価
選択したホスホジエステラーゼ(I−VI)に対する活性の特徴を調べた。生物学的活性の評価に用いた方法は、すべてこの分野でよく知られている。例えば、Weishaar et al; Biochem. Pharmacol., 35:787-800 を参照。
【0136】
【表1】

【0137】
化合物番号1を、2回の別々の機会に、ヒトPDEIIIに対して調べたところ、IC50は0.69nMと1.1nMの間であった(平均0.9nM)。
【0138】
【表2】

【0139】
PDEVIに対するIC50値を調べた。360nMであることが分かった(下記参照)。
【0140】
【表3】

【0141】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

【化2】

【化3】

の化合物、その平衡化した形態、その化合物の薬学的に許容可能な塩、又はその平衡化した形態の薬学的に許容可能な塩であって、
ここで
R1は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、又はC6−10アリールであり;
R2は、
【化4】

又は
【化5】

であり;
R3は、OH、ハロゲン、SH、O−C1−6アルキル又はヒドロキシル模倣基であり;及び
XとYは独立して、H又はハロゲンである化合物
の治療的に効果的な量を、治療を必要とする患者へ投与するステップを含む末梢動脈疾患の治療方法。
【請求項2】
化合物が式
【化6】


を有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
R2が
【化7】


である請求項1記載の方法。
【請求項4】
R1がH又はC1−6アルキルである請求項1記載の方法。
【請求項5】
R1がHである請求項1記載の方法。
【請求項6】
XがH又はハロゲンである請求項1記載の方法。
【請求項7】
YがH又はClである請求項1記載の方法。
【請求項8】
XがClである請求項1記載の方法。
【請求項9】
YがClである請求項1記載の方法。
【請求項10】
化合物が
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

又は
【化12】

である請求項1記載の方法。
【請求項11】

【化13】

【化14】

【化15】

の化合物、その平衡化した形態、その化合物の薬学的に許容可能な塩、又はその平衡化した形態の薬学的に許容可能な塩であって、
ここで
R1は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、又はC6−10アリールであり;
R2は、
【化16】

又は
【化17】

であり;
R3は、OH、ハロゲン、SH、O−C1−6アルキル又はヒドロキシル模倣基であり;及び
XとYは独立して、H又はハロゲンである化合物
の治療的に効果的な量を、治療を必要とする患者へ投与するステップを含むホスホジエステラーゼの阻害方法。
【請求項12】
化合物が式
【化18】

を有する請求項11記載の方法。
【請求項13】
R2が
【化19】

である請求項11記載の方法。
【請求項14】
R1がH又はC1−6アルキルである請求項11記載の方法。
【請求項15】
R1がHである請求項11記載の方法。
【請求項16】
XがH又はハロゲンである請求項11記載の方法。
【請求項17】
YがH又はClである請求項11記載の方法。
【請求項18】
XがClである請求項11記載の方法。
【請求項19】
YがClである請求項11記載の方法。
【請求項20】
化合物が
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

又は
【化24】

である請求項11記載の方法。

【公表番号】特表2008−509163(P2008−509163A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525070(P2007−525070)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/028087
【国際公開番号】WO2006/017823
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(507037013)シア ホールディングス,アーゲー (2)
【Fターム(参考)】