説明

本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーを有する食品組成物

本発明は、本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーを有する新規な食品組成物を提供する。組成物は、機能性タンパク質を約40%〜約90%、少なくとも1種の架橋剤を約0.05%〜約2%及び肉スラリーを約60%〜約10%を含み、前記肉スラリーが、肉及び少なくとも1種の湿潤可塑剤を約20:80〜約80:20の肉:湿潤可塑剤の比で含む。組成物は、圧力下で食品成分の前処理混合物を加熱し、次いで、加熱した組成物を膨張させて、食品組成物を形成することにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2009年1月2日出願の米国特許仮出願第61/204182号の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照により本明細書に援用される。
【発明の背景】
【0002】
発明の分野:
[0002]本発明は、概して食品組成物、特に肉様概観、感触及びテクスチャーを有する食品組成物、並びにこのような食品組成物を製造する方法に関する。
【0003】
関連技術の説明:
[0003]肉様外観を有する幾つかの食品組成物及びこのような食品組成物を製造する幾つかの方法は、当技術分野で知られている。例えば、米国特許第4910025号は、発芽全粒粉粒に由来する人工挽肉類似物及び該類似物を製造する方法について開示している。米国特許第5607710号は、肉類似製品を形成するため、及び生地塊をテクスチャー化するための方法及び装置であって、成分を混合し、断面積を減じた導管を通過させると同時に、生地塊をそこで加熱し、より高い熱強度が導管の壁に隣接する生地塊よりも生地塊の中心に加えられるように加熱が行われる方法及び装置について開示している。米国特許第5676987号は、従来の全脂肪の肉食品の風味及び物理的性質の大部分を有する低脂肪の肉食品について開示している。米国特許第7070827号は、様々な菜食主義者用食品、例えばバーガーのパテ及びソーセージに使用できる植物ベースの肉類似物を製造する方法について開示している。米国特許出願公開第2006/105098号は、約0.8未満の相対的水分活性を有し、脱脂大豆粉、大豆ミール、大豆濃縮物、穀物グルテン(生命維持に必要又はデンプン含有形態)及び卵白粉末、食用の結合化合物及び架橋化合物、並びにグリセロール及びグルコースの保湿剤からなる群から選択されるタンパク質様材料、並びにその製品を含む、テクスチャー化タンパク質様肉類似物を製造する方法について開示している。混合物を、熱い溶融塊に変換し、押し出し、冷却する。米国特許出願公開第2006/141125号は、包装されたペットフードに組み込むためのタンパク質様肉類似物であって、前記肉類似物が、挽肉ベース及び穀物ベースの材料からなるゲル状マトリックス中に分散された、内部テクスチャー化タンパク質様押出材料の粒子からなり、前記押出物及び前記マトリックスの水分含量が異なり、内部がテクスチャー化された前記押出物が繊維状構造を有する、タンパク質様肉類似物について開示している。前記類似物を調製する方法についても開示している。米国特許第5869121号は、柔らかく、弾力のあるテクスチャーを有し、調理肉の外観を模擬する、水分を減じた配合食品について開示している。米国特許第6379738号及び米国特許第6649206号は、本物のような繊維の定義を有する肉エマルジョン製品を製造する方法について開示している。該製品は、タンパク質及び脂肪を含むボディ部分を有し、肉エマルジョン製品に本物のような肉様外観を与える繊維様物質の複数の線状ストランドを有する。
【0004】
[0004]一般に、肉様外観、感触及びテクスチャーを有する食品組成物は、水を加えて、柔らかい肉様外観、感触及びテクスチャーを生成する必要がある。これらの食品組成物は、一般に該組成物を含む密閉容器をレトルト処理することにより、貯蔵安定性であるように密閉され、滅菌されなければならない。通常、これらの食品組成物は、食品産業により「湿潤」食品組成物として分類されている。これらの食品組成物を適応させ、「乾燥」食品組成物を製造するためには、更により高い水分量が必要となる。このような乾燥組成物が貯蔵安定性であるためには、保存料を加えて、腐敗を防止しなければならない。残念なことに、これらの乾燥組成物の柔らかいテクスチャーは、恐らく水分の喪失によりすぐに失われる。これらの組成物は、柔らかいテクスチャーなしでは、許容される肉様外観、感触及びテクスチャーを有さず、したがって非常に魅力的であるか、又は口当たりの良いものではない。したがって、本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーを有し、保持する新たな食品組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]そこで、本発明は、肉様外観、感触及びテクスチャーを有する新たな食品組成物を提供することを目的とする。
【0006】
[0006]本発明はまた、肉様外観、感触及びテクスチャーを有する食品組成物を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
[0007]本発明はまた、食味が向上した新たな食品組成物を提供することを目的とする。
【0008】
[0008]本発明はまた、食味が向上したブレンド食品組成物を提供することを目的とする。
【0009】
[0009]これらの又は他の目的の少なくとも1つは、本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーを有し、機能性タンパク質を約40%〜約90%、少なくとも1種の架橋剤を約0.05%〜約2%及び肉スラリーを約60%〜約10%含み、前記肉スラリーが、肉及び少なくとも1種の湿潤可塑剤を約20:80〜約80:20の肉:湿潤可塑剤の比で含む、新規な食品組成物を用いて達成される。組成物は、食品成分の前処理混合物を圧力下で加熱し、次いで加熱した組成物を膨張させて、食品組成物を形成することにより製造される。新たな食品組成物は、非常に口当たりが良く、単独で供給してもよく、又はブレンドの食味を向上させるために他の食品とブレンドしてもよい。
【発明の詳細な説明】
【0010】
定義:
[0010]「動物」という語は、ヒト、トリ、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ヤギ、オオカミ、ネズミ、サカナ、ヒツジ又はブタの各動物を含む、本発明の食品組成物の消費から恩恵を受けることができるか、又はそれを享受できる任意の動物を意味する。
【0011】
[0011]「コンパニオンアニマル」という語は、例えばネコ、イヌ、ウサギ、モルモット、フェレット、ハムスター、マウス、スナネズミ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ブタ等の家畜を意味する。
【0012】
[0012]「食品組成物」という語は、動物による摂取を対象とする製品又は組成物を意味する。
【0013】
[0013]「肉」という語は、トリ、サカナ、ウシ、ウマ、ヒツジ又はブタの各動物を含む動物の食肉を意味する。肉としては、筋肉組織、機械で骨抜きされた組織、臓器又はそれらの組合せが挙げられる。
【0014】
[0014]「機能性タンパク質」という語は、(1)加熱後の食品組成物の構造に影響を与える非変性タンパク質若しくは部分変性タンパク質、又は(2)加熱後の食品組成物の構造に影響を与える非変性タンパク質を約20%〜約80%及び他のタンパク質を約80%〜約20%含む混合物を意味する。
【0015】
[0015]「Aw」は水分活性を意味する。
【0016】
[0016]「単一パッケージ」という語は、キット構成要素が、少なくとも1つの容器内で又は少なくとも1つの容器と物理的に関連付けられ、製造、流通、販売又は使用に際して1つのユニットとみなされることを意味する。容器としては、袋、箱、パック、ボトル、任意の種類若しくはデザイン又は材料のパッケージ、オーバーラップ、シュリンクラップ、固定された(例えば、ホチキス留め、接着された)構成要素、又はそれらの組合せが挙げられる。単一パッケージは、製造、流通、販売又は使用に際して1つのユニットとみなされるように物理的に関連付けられていれば、食物組成物が別々に入った複数の容器であってもよい。
【0017】
[0017]「仮想パッケージ」という語は、ユーザーに他の構成要素を得る方法を伝える、少なくとも1つの物理的又は実質的なキット構成要素についての説明書により、キット構成要素が関連付けられていること、例えば、1つの構成要素と、ウェブサイトにアクセスするか、録音メッセージ若しくはファックス返信サービスに問い合わせるか、視覚的メッセージを見るか、又は世話人若しくはインストラクターに問い合わせて、キットの使用法に関する指示又はキットの少なくとも1つの構成要素についての安全性情報若しくは技術的情報を得るよう指示する説明書と、を含む袋又は他の容器の形で関連付けられていることを意味する。
【0018】
[0018]本明細書において、パーセント値は、特に断らない限り、組成物の全重量に対する重量である。
【0019】
[0019]本明細書において、比は、特に断らない限り、重量:重量ベースである。
【0020】
[0020]本明細書において、範囲内の1つ1つの値を列挙及び記載することを避けるため、範囲は簡略に記す。範囲の上限値、下限値又は端値として、必要に応じて範囲内の任意の適切な値を選択することができる。
【0021】
[0021]本明細書では、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合でない限り、単語の単数形は複数形を含み、逆もまた同様である。したがって、“a”、“an”及び“the”は一般にその語の複数形を含む。例えば、“a supplement”、“a method”又は“a food”は、その複数形の“supplements”、“methods”又は“foods”を含む。同様に、“comprise”、“comprises”及び“comprising”は、排他的ではなく包含的に解釈されるべきである。同様に、“include”、“including”及び“or”は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合でない限り包含的に解釈されるべきである。同様に、“examples”という語は、特に用語の列挙が後に続く場合は、例示的かつ説明的なものにすぎず、排他的又は包括的なものとみなされるべきではない。
【0022】
[0022]ここに開示される方法、組成物及び他の提案は、本明細書に記載の特定の方法、手順及び試薬に限定されるものではない。なぜならば、当業者には理解されるように、それらは変わり得るものだからである。さらに、本明細書で使用される用語は、専ら特定の実施形態を記載するためのものであり、開示又は請求の範囲を限定するものではない。
【0023】
[0023]特に断らない限り、本明細書で使用される全ての技術的・科学的用語、当技術分野の用語、及び頭字語は、本発明の分野又は当該用語が使用される分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様又は同等の全ての組成物、方法、製品又は他の手段若しくは材料は本発明の実施に際して使用することができるが、本明細書には、好ましい組成物、方法、製品又は他の手段若しくは材料が記載されている。
【0024】
[0024]本明細書で引用又は参照された全ての特許、特許出願、出版物、技術的及び/又は学術的論文及び他の文献は、ここで参照されることにより、法律で許容される範囲でその全体が本明細書に組み込まれる。これらの文献についての議論は、単にその主張内容を要約することを意図したものである。そのような特許、特許出願、出版物又は文献又はそれらの任意の一部が関連技術又は先行技術であることを認めるものではない。そのような特許、特許出願、出版物及び他の文献が関連技術又は先行技術であるとのいかなる主張に関しても、その正確性及び妥当性について異議を申し立てる権利は特に留保されている。
【0025】
発明:
[0025]一態様において、本発明は、本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーを有する食品組成物を提供する。組成物は、機能性タンパク質を約40%〜約90%、少なくとも1種の架橋剤を約0.05%〜約2%及び肉スラリーを約60%〜約10%を含み、前記肉スラリーが、肉及び少なくとも1種の湿潤可塑剤を約20:80〜約80:20、好ましくは約30:70〜約70:30、好ましくは約40:60〜約60:40の肉:湿潤可塑剤の比で含む。本発明は、機能性タンパク質と、架橋剤と、特定量の肉及び湿潤可塑剤を有する肉スラリーとの特定量の混合物を加熱することにより、本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーを有する食品組成物になるという発見に基づくものである。更に、食品組成物は、他の同様の食品組成物と比較して非常に口当たりが良い。更に、食品組成物は、腐敗を排除するか、又は最小限に抑え、カビ防止剤等の必要な人工保存料を不要とする水分含量及び水分活性を有する。
【0026】
[0026]様々な実施形態において、機能性タンパク質は、豆科タンパク質、穀物タンパク質又はそれらの組合せである。好適な実施形態において、機能性タンパク質は豆科タンパク質である。他の実施形態において、機能性タンパク質は、(1)約20%〜約80%の豆科タンパク質、穀物タンパク質又はそれらの組合せと、(2)約80%〜約20%の少なくとも1種の他のタンパク質、例えば植物性タンパク質、例えば大豆ミール、コーングルテン、ライスグルテン、並びに肉タンパク質ミール、例えば牛肉ミール、鶏肉ミール、七面鳥肉ミール及び魚肉ミールとの混合物である。様々な実施形態において、機能性タンパク質の成分は、成分の多くの組合せを含む。
【0027】
[0027]架橋剤は、食品組成物と併用するのに適した任意の架橋剤であってよい。有用な架橋剤としては、元素硫黄、メタ重亜硫酸ナトリウム、システイン又はそれらの組合せが挙げられる。
【0028】
[0028]湿潤可塑剤は、湿潤性を有し、食品組成物と相容性である任意の湿潤可塑剤であってよい。様々な実施形態において、湿潤可塑剤はポリオールである。好適な実施形態において、湿潤可塑剤はグリセロール(グリセリン)、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリデキストロースの1つ若しくは複数、又はそれらの組合せである。様々な実施形態において、湿潤可塑剤は、食品組成物の約5%〜約25%、食品組成物の約8%〜約20%、約9%〜約15%、約6%〜約15%及び約6%〜約12%を構成する。
【0029】
[0029]様々な実施形態において、機能性タンパク質は、食品組成物の約40%〜約70%を構成し、肉スラリーは、食品組成物の約60%〜約30%を構成する。他において、機能性タンパク質は、食品組成物の約40%〜約60%を構成し、肉スラリーは、食品組成物の約60%〜約40%を構成する。更に他において、機能性タンパク質は、食品組成物の約45%〜約65%を構成し、肉スラリーは、食品組成物の約65%〜約45%を構成する。一実施形態において、機能性タンパク質は、食品組成物の約50%を構成し、肉スラリーは、食品組成物の約50%を構成する。
【0030】
[0030]様々な実施形態において、機能性タンパク質は、食品組成物の約40%〜約60%を構成し、肉スラリーは、食品組成物の約60%〜約40%を構成する。他において、機能性タンパク質は、食品組成物の約45%〜約65%を構成し、肉スラリーは、食品組成物の約65%〜約45%を構成する。一実施形態において、機能性タンパク質は、食品組成物の約50%を構成し、肉スラリーは、食品組成物の約50%を構成する。
【0031】
[0031]様々な実施形態において、肉:湿潤可塑剤の比は、約40:60、45:55及び50:50である。肉:湿潤可塑剤の比は、好ましくは約45:55であり、最も好ましくは約50:50の比である。
【0032】
[0032]様々な実施形態において、食品組成物は、約0.7以下、好ましくは約0.65以下のAwを有する。好適な実施形態において、食品組成物は、約0.4〜約0.7、好ましくは約0.45〜約0.65、最も好ましくは約0.5〜約0.62のAwを有する。
【0033】
[0033]様々な実施形態において、食品組成物は、約14%以下、好ましくは約12%以下、最も好ましくは約10%以下の水分含量を有する。好適な実施形態において、食品組成物は、約4%〜約14%、好ましくは約6%〜約12%、最も好ましくは約8%〜約10%の水分含量を有する。
【0034】
[0034]ある種の実施形態において、湿潤可塑剤は、食品組成物の約6%〜約15%を構成し、食品組成物のAwは、約0.62以下であり、食品組成物の水分含量は約6%〜約14%である。
【0035】
[0035]肉スラリーを製造するために使用する肉は、任意の適切な動物の組織由来の任意の食肉であってよい。好ましくは、肉は、トリ、ウシ、ヒツジ、ブタ、サカナ由来の組織又はそれらの組合せである。
【0036】
[0036]様々な実施形態において、組成物は、追加の成分、例えば、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、充填剤、食味向上剤、結合化剤、香味料、安定剤、乳化剤、甘味料、着色剤(例えば、二酸化チタン)、バッファー、塩、被覆剤、香辛料、保存料及び当業者に公知のものを含む。補助ミネラルの非限定的な例としては、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、鉄、塩化物、ホウ素、銅、亜鉛、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、セレン等が挙げられる。補助ビタミンの非限定的な例としては、ビタミンA、ビタミンB(のいずれか)、ビタミンC,ビタミンD,ビタミンE及びビタミンK、並びにそれらの種々の塩、エステル又は他の誘導体が挙げられる。追加の栄養補助食品としては、例えば、任意の形態のナイアシン、パントテン酸、イヌリン、葉酸、ビオチン、アミノ酸等、並びにそれらの塩及び誘導体も挙げることができる。安定剤としては、組成物のシェルフライフを増加させる傾向にある物質、例えば、保存料、共力剤及び金属イオン封鎖剤、パッケージングガス、乳化剤、増粘剤並びにゲル化剤等が挙げられる。乳化剤及び/又は増粘剤の例としては、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル及び変性デンプンが挙げられる。成分及びその量の選択は、当業者に知られている。各追加成分の特定量は、組成物に含まれる成分;動物種;動物の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食餌;動物の消費速度;食品組成物が動物に投与されている目的等の様々な要因に依存するであろう。したがって、成分量は、広範に変化し得、本明細書に記載の好ましい比率から逸脱し得る。このような実施形態において、このような追加の成分は、食品組成物の約0.01%〜約20%、好ましくは約0.01%〜約15%を通常構成する。
【0037】
[0037]一実施形態において、食品組成物は、Association of American Feed Control Officials(「AAFCO」)により確立された基準に従って、動物、好ましくはコンパニオンアニマルに「完全でバランスの取れた」栄養を供給するように配合される。別の実施形態において、食品組成物はペットフード組成物である。好適な実施形態において、食品組成物は、栄養的に完全であり、バランスの取れた食餌を提供する。即ち、食品組成物は、推奨される1日量でビタミン及びミネラルを含む。このような食品組成物は、単独で供給されてもよく、又はイヌ若しくはネコに適したドライペットフードキブル等の他の食品成分と様々な比率でブレンドされてもよい。あるいは、食品組成物は、栄養的に完全でないトリートとして配合されてもよい。
【0038】
[0038]様々な実施形態において、食品組成物は少なくとも1種のプロバイオティクスを含有する。他の実施形態において、食品組成物は、(1)1種若しくは複数の死滅プロバイオティクス若しくは不活性化プロバイオティクス、(2)生きたプロバイオティクスと同様若しくは同じ健康上の利益を増進する死滅プロバイオティクス若しくは不活性化プロバイオティクスの成分、又は(3)それらの組合せを含有する。プロバイオティクス又はその成分は、食品組成物に組み入れられてもよく(例えば、組成物中に均一又は不均一に分布される)、又は食品組成物に施用されてもよい(例えば、担体あり又はなしで局所的に施用される)。一実施形態において、プロバイオティクスは、担体中にカプセル化される。通常のプロバイオティクスとしては、それだけに限らないが、Lactobacilli、Bifidobacteria又はEnterococci、例えばLactobacillus reuteii、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus animalis、Lactobacillus ruminis、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus casei、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus fermentum、並びにBifidobacterium sp.、Enterococcus faecium及びEnterococcus sp.から選択されるプロバイオティクス菌株が挙げられる。幾つかの実施形態において、プロバイオティクス菌株は、Lactobacillus reuteri(NCC2581;CNCM I−2448)、Lactobacillus reuteri(NCC2592;CNCM I−2450)、Lactobacillus rhamnosus(NCC2583;CNCM I−2449)、Lactobacillus reuteri(NCC2603;CNCM I−2451)、Lactobacillus reuteri(NCC2613;CNCM I−2452)、Lactobacillus acidophilus(NCC2628;CNCM I−2453)、Bifidobacterium adolescentis(例えばNCC2627)、Bifidobacterium sp.NCC2657又はEnterococcus faecium SF68(NCIMB 10415)からなる群から選択される。食品組成物は、約10〜約1012cfu/動物/日、好ましくは10〜約1011cfu/動物/日、最も好ましくは10〜約1010cfu/動物/日を供給するのに十分な量でプロバイオティクスを含有する。プロバイオティクスを死滅させるか、又は不活性化させる場合、死滅プロバイオティクス若しくは不活性化プロバイオティクスの量又はそれらの成分により、生きた微生物と同様の有益な効果がもたらされるはずである。多くのこのようなプロバイオティクス及びそれらの利点は当業者に知られており、例えば欧州特許第1213970号、欧州特許第1143806号、米国特許第7189390号、欧州特許第14282811号、欧州特許第1296565号及び米国特許第6929793号がある。
【0039】
[0039]様々な実施形態において、食品組成物は、少なくとも1種のプレバイオティクス、例えばフラクトオリゴ糖、グルコオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラクトスクロース、ラクツロース及びイソマルツロースを含有する。一実施形態において、プレバイオティクスは、チコリ根、チコリ根抽出物、イヌリン又はそれらの組合せである。
【0040】
[0040]様々な実施形態において、食品組成物は、少なくとも1種のプロバイオティクス及び少なくとも1種のプレバイオティクスを含有する。
【0041】
[0041]別の態様において、本発明は、(1)本発明の食品組成物及び(2)少なくとも1種の他の可食成分又は組成物を含むブレンド食品組成物を提供する。可食成分又は組成物は、本発明の食品組成物と相容性である任意の可食成分又は組成物であってよい。好ましくは、可食組成物は、コンパニオンアニマル、好ましくはイヌ及びネコによる消費に適した少なくとも1種のドライキブルである。好ましくは、可食成分又は組成物は、押出キブル、ベークキブル、押出トリート及びベークトリートからなる群から選択される。
【0042】
[0042]好適な実施形態において、可食成分又は組成物は、約12%以下の水分含量及び約0.65以下のAwを有する。
【0043】
[0043]本発明のブレンド食品組成物は、本発明の任意の適当量の食品組成物を含む。一般に、食品組成物は、ブレンド食品組成物の約1%〜約99%、好ましくは約5%〜約99%、最も好ましくは約5%〜約95%を構成する。ブレンド食品組成物は、可食成分又は組成物を単独で含む食品組成物と比較して食味が向上している。
【0044】
[0044]一実施形態において、ブレンド食品組成物は、Association of American Feed Control Officials(「AAFCO」)により確立された基準に従って、動物、好ましくはコンパニオンアニマルに「完全でバランスの取れた」栄養を供給するように配合される。別の実施形態において、食品組成物はペットフード組成物である。
【0045】
[0045]様々な実施形態において、動物は、コンパニオンアニマル、好ましくはイヌ又はネコ、最も好ましくはイヌである。
【0046】
[0046]食品組成物は、単独であるにせよ、ブレンドされているにせよ、脂肪及び他の食味向上剤、例えば動物消化剤で被覆されていてもよい。
【0047】
[0047]別の態様において、本発明は、(1)少なくとも1種の機能性タンパク質と少なくとも1種の架橋剤とを混合して、ベース混合物を得るステップと、(2)少なくとも1種の湿潤可塑剤と少なくとも1種の肉とを混合して、肉スラリーを形成するステップと、(3)肉スラリーとベース混合物とを混合して、前処理混合物を形成するステップと、(4)前処理混合物を圧力下で加熱するステップと、(5)加熱した組成物を膨張させて、食品組成物を形成するステップと、を含む、食品組成物の製造方法を提供する。得られた食品組成物は、本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーを有する。更に、食品組成物は、他の同様の食品組成物と比較して非常に口当たりが良い。更に、食品組成物は、腐敗を排除するか、又は最小限に抑え、カビ防止剤等の必要な人工保存料を不要とする水分含量及び水分活性を有する。
【0048】
[0048]様々な実施形態において、機能性タンパク質は、豆科タンパク質、穀物タンパク質又はそれらの組合せである。通常、これらの機能性タンパク質は、大抵は非変性であり、例えば、70超のタンパク質分散性指数を有する大豆粉、20以上のタンパク質分散性指数を有する大豆ミール、50以上のタンパク質分散性指数を有する大豆フレーク、又は生命維持に必要な小麦グルテンである。一般に機能性タンパク質は、20以上のタンパク質分散性指数を有するミール、粉、濃縮物、フレーク及び分離物を含む任意の大豆誘導体を含む。
【0049】
[0049]様々な実施形態において、架橋剤は、元素硫黄、メタ重亜硫酸ナトリウム、システイン又はそれらの組合せである。通常、架橋剤は、ベース混合物の約0.01%〜約3%、好ましくは約0.05%〜約2%、最も好ましくは約0.1%〜約1%を構成する。
【0050】
[0050]一般に、ベース混合物は、少なくとも1種の機能性タンパク質と少なくとも1種の架橋剤とを、機能性タンパク質を約98%〜約99.95%及び架橋剤を約0.05%〜約2%の量で混合することにより製造される。ベース混合物は、機能性タンパク質及び架橋剤を容器に入れ、好ましくは混合物が均一になるまで撹拌することにより製造される。
【0051】
[0051]幾つかの実施形態において、ベース混合物は、追加のタンパク質、例えば植物性タンパク質(例えば、大豆ミール、コーングルテン及び/又はライスグルテン)及び/又は肉タンパク質ミール(例えば、牛肉ミール、鶏肉ミール、七面鳥肉ミール及び/又は魚肉ミール)を、ベース混合物中の成分として使用することを除いては、上に記載されているように製造される。これらの追加のタンパク質を使用する場合、それはベース混合物の約15%〜約40%を一般に構成するが、量は本明細書に記載されているように変化し得る。
【0052】
[0052]一般に、肉スラリーは、魚、牛、羊、鶏、豚、七面鳥、鮭、マグロ等の肉又はそれらの組合せを粉砕し、挽肉組成物を製造し、挽肉組成物と少なくとも1種の湿潤可塑剤とを、約20:80〜約80:20の肉:湿潤可塑剤の比で、好ましくは混合物が均一になるまで混合することにより製造される。ある種の実施形態において、ビタミン及びミネラル等のある種の追加の成分は、加工の都合上、肉スラリーに加えられる。
【0053】
[0053]一般に、前処理混合物は、ベース混合物と肉スラリーとを、ベース混合物を約70〜90%及び肉スラリーを約30%〜約10%の量で混合し、混合物を約160〜約245°Fの温度に加熱することにより形成される。一実施形態において、前処理混合物は、ベース混合物と肉スラリーとを、ベース混合物を約70%〜約85%及び肉スラリーを約30%〜約15%量で混合し、混合物を約160〜約212°Fの温度に加熱することにより形成される。希望されるか、又は所望される場合、特に、着色剤をベース混合物に加えなかった場合、予混合物に加えてもよい。
【0054】
[0054]一般に、前処理混合物を、約400psi超の圧力、好ましくは約400〜約1000psiの圧力、最も好ましくは約400〜約800psiの圧力で、約280〜約420°F(約138〜約216℃)、約310〜約380°F(約154〜約193℃)の温度に加熱する。次いで、加熱した混合物を、通常、前処理混合物を加熱するために使用したデバイスから除去し、大気圧に曝すことにより圧力を抜いて膨張させる。
【0055】
[0055]圧力下で前処理混合物を加熱し、次いで加熱した混合物を、通常圧力を抜くことにより膨張させるのに適した任意のデバイスは、本発明の組成物を製造するのに適している。
【0056】
[0056]一実施形態において、食品組成物は、押出法を用いて製造される。押出法において、前処理混合物は、押出機に供給され、そこで前処理混合物は、本発明の食品組成物を製造するために使用できる加工食品組成物を形成するのに適したせん断条件、圧力条件、温度条件及び/又は他のプロセス条件に付される。次いで、加工食品組成物は押出機を出て、膨張し、本発明の食品組成物を形成する。このような押出法は、当業者に公知である。
【0057】
[0057]一押出法において、前処理混合物は、回転押出機スクリューとバレルとの間でのせん断及び更なる混合にかけられる。スクリュープロファイルは、当業者に知られているように、高せん断を与えるように設計されたものである。せん断、追加の摩擦熱及び高圧(一般に400psi超)により、約310〜約380°F(約154〜約193℃)の温度を有する溶融塊が生成される。押出機を出た後、食品溶融塊は膨張し、本発明の食品組成物を形成する。
【0058】
[0058]一実施形態において、食品組成物の水分は、押出機を出た後、約12%〜約30%である。別の実施形態において、食品組成物の水分は、押出機を出た後、約14%〜約20%である。蒸発損失により、水分含量は約7%〜約14%又は約10%〜約14%に低下する。蒸発損失により、水分が所望のレベルに低下しない場合、水分含量を乾燥により低下させてもよい。この実施形態において、食品組成物の密度は、約9〜約14lbs/ブッシェル(BU)(約115〜約180グラム/リットル)である。得られた膨張構造の食品組成物は吸水性が高く、所望される場合、風味液を容易に吸収する。
【0059】
[0059]他の適切なデバイスを使用して、押出のような方法を生み出すこともできる。例えば、熱交換器は、押出機により生成されたものと同等又は同様のプロセス条件、例えば高圧及び高温を生成する。他のこのようなデバイスは、当業者に公知であり得る。
【0060】
[0060]プロバイオティクスを含有する食品組成物は、プロバイオティクスが食品組成物中に分散されるように、好ましくは均一に分散されるように、プロバイオティクスと食品成分とをプロセスの任意の段階で混合することにより製造される。好ましくは、このようなプロバイオティクスは、加熱段階の前にプロセスに挿入されるべき場合、カプセル化される。あるいは、プロバイオティクスは、担体あり又はなしで食品組成物の表面に施される。好ましくは、プロバイオティクスは、食品組成物上にスプレーされる。動物食品について、プロバイオティクスは、液体ベース又は他のベースの食味向上剤中の成分として食品組成物の表面にスプレーされてもよい。一実施形態において、プロバイオティクスは、食品組成物と混合するか、又はその上に撒くことにより消費の直前に食品組成物に簡単に施される。
【0061】
[0061]プレバイオティクスを含有する食品組成物は、プレバイオティクスが食品組成物中に分散されるように、好ましくは均一に分散されるように、プレバイオティクスと食品組成物とをプロセスの任意の段階で混合することにより製造される。
【0062】
[0062]任意の理論に拘束されずに、架橋剤は、本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーに関与する組成物中のマトリックスを生成するジスルフィド結合を促進すると考えられる。マトリックスは、食品組成物が押出機を出て、組成物の圧力が、押出機内の高圧から押出機外の大気圧、通常約400psi超から大気圧まで低下する際の、食品組成物の膨張により生成される。膨張により、新規な食品組成物の本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーの特性をもたらす筋状又は繊維状の外観が形成される。
【0063】
[0063]更なる態様において、本発明は、本発明の食品組成物を動物に投与するのに適したキットを提供する。キットは、キット構成要素に応じて、単一パッケージ内の別々の容器又は仮想パッケージ内の別々の容器に、特に可食成分又は組成物の食味を向上するか、プロバイオティクスを用いて胃腸の健康を増進するか、デバイスを用いて食品組成物を調製し供するための、本発明の食品組成物と、(1)動物による消費に適した少なくとも1種の可食成分又は組成物、(2)食品組成物と可食成分又は組成物とを混合して特に本発明のブレンド食品組成物を製造する方法についての指示、(3)少なくとも1種のプロバイオティクス、(4)キット構成要素を混合するか混合物を入れるための少なくとも1種のデバイス、及び(5)食品組成物及びキットの他の構成要素の使用法についての指示、の少なくとも1つと、を含む。
【0064】
[0064]キットが仮想パッケージを含む場合、キットは、少なくとも1つの物理的なキット構成要素と組み合わせた仮想環境内の指示に限定される。キットは、食品組成物及び他の構成要素を含む。通常、食品組成物及び他の適当なキット構成要素(例えば、可食成分)は、動物による消費の直前に混合される。キットは、様々な組合せ及び/又は混合物の形態でキット構成要素を含んでもよい。一実施形態において、キットは、本発明の食品組成物を含む容器、及び少なくとも1種の他の可食成分又は組成物、例えばペットフードキブルを含む容器を含む。キットは、追加のアイテム、例えば、キット構成要素を混合するためのデバイス又は混合物を入れるためのデバイス(例えばスプーン及び/又は餌入れ)を含んでもよい。別の実施形態において、食品組成物は、動物の良好な健康を増進する追加の栄養補助食品(例えばビタミン、ミネラル)と混合される。
【0065】
[0065]別の実施形態において、本発明は、(1)本発明の食品組成物の独特のテクスチャー及び外観、(2)食品組成物中の保存料の欠如、(3)食品組成物の腐敗性及び貯蔵安定性、(4)食品組成物若しくはブレンド食品組成物を動物に供給するための指示、(5)消費者が食品組成物若しくはその使用について質問がある場合の連絡先、又は(6)食品組成物の栄養情報、の少なくとも1つについての情報又は指示を伝達する手段を提供する。有用な指示としては、供給量及び供給回数を挙げることができる。伝達手段は、本発明を使用する利点を伝え、食品組成物を動物に供給するための承認された方法を伝達するのに有用である。該手段は、上記情報又は指示を含む物理的若しくは電子的文書、デジタル記憶媒体、光学式記憶媒体、オーディオプレゼンテーション、オーディオビジュアル表示又はビジュアル表示の少なくとも1つを含む。好ましくは、該手段は、表示されたウェブサイト、ビジュアル表示キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、印刷物、公示、オーディオテープ、ビデオテープ、DVD,CD−ROM、コンピューター可読チップ、コンピューター可読カード、コンピューター可読ディスク、USBデバイス、ファイヤーワイヤーデバイス、コンピューターメモリー及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0066】
[0066]別の態様において、本発明は、ブレンドされているか、又はブレンドされていない本発明の食品組成物を含むパッケージであって、貯蔵安定性、所望のテクスチャー、所望の外観及び保存料の欠如等の有益な特性を有する食品組成物がパッケージ内に含まれることを示す言葉、写真、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ又は他の手段又はそれらの組合せを備えるラベルが添付されたパッケージを提供する。通常、そのような手段は、パッケージ上に印刷された形で、「保存料を含有しない」、「確かな柔らかさ」、「貯蔵安定性」、「水無添加」、「向上した食味」という文言又は同等の表現を備える。上記組成物を入れるのに適した任意のパッケージ又はパッケージング材料(例えば、紙、プラスチック、ホイル、金属等から製造される袋、箱、ボトル、缶、パウチ等)は本発明において有用である。好適な実施形態において、パッケージはラベルに応じて、ヒト、イヌ、ネコ等の特定の動物に適した食品組成物、好ましくはイヌ又はネコのためのコンパニオンアニマル食品組成物を含む。好適な実施形態において、パッケージは、本発明の食品組成物を含むレトルト缶又はレトルトパウチである。
【実施例】
【0067】
[0067]本発明は、以下の実施例で更に例示され得るが、これらの実施例は、別段の明確な指示がない限り、単に例示の目的のために含まれ、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0068】
実施例1(ベース混合物の製造):
[0068]大豆粉680kg及び大豆ミール約260kgを均一になるまで混合した。塩、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、カルシウム塩、リン酸塩及び硫黄を含む混合物約60kgをこの混合物に加え、均一になるまで混合し、ベース混合物を製造した。
【0069】
実施例2(スラリーの製造):
[0069]機械的に骨抜きした鶏肉550kgを16メッシュ(篩開口部約1.2mm)に粉砕した。グリセリン450kgを、混合物が均一になるまで撹拌しながら粉砕した鶏肉に混合し、スラリーを製造した。
【0070】
実施例3(前処理混合物の製造):
[0070]実施例1のベース混合物820kg及び実施例2の肉スラリー180kgを、混合物が均一になるまで撹拌しながら合わせ、前処理混合物を製造した。
【0071】
実施例4(組成物の押出):
[0071]実施例3の前処理混合物を、押出機を用いて約160℃の温度に加熱し、押し出して、本物のような肉様外観、感触及びテクスチャーを有する食品組成物ピースを製造した。得られた食品組成物ピースの分析から、該ピースは、タンパク質を約51%、脂肪を4%及び水分を12%含み、該ピースは、約0.6のAw及び約11lbs/BU(米ブッシェル当たりのポンド)の密度を有することが示された。
【0072】
実施例5(食味試験):
[0072]購入できる標準的なドッグフードキブル(「キブル」)を入手し、表1に示すような様々な量で本発明の食品組成物(「アナログ」)と混合した。組成物を、2ボウル食味試験を用いて食味について試験した。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】

【0074】
[0073]表1を参照すると、結果は、ブレンド食品組成物が、食味の向上を示したことを示している。ブレンド食品組成物は、キブル組成物単独よりも約5倍口当たりが良かった。
【0075】
実施例6(視覚試験):
[0074]上記アナログ及びキブル組成物を、アナログ及びキブルを視覚的に観察することにより外観について比較した。アナログは、本物のような肉片のように見えた。キブルは、穀物製品のように見え、本物のような肉片のようには見えなかった。
【0076】
実施例7(テクスチャー試験):
[0075]購入できる標準的なドッグフードソフト組成物(「ソフトピース」)、購入できる標準的なテクスチャー化植物性タンパク質組成物(「テクスチャーピース」)及び上記アナログを、ソフトピース、テクスチャーピース及びアナログを触り、圧縮圧力についてソフトピース、テクスチャーピース及びアナログを試験することによりテクスチャーについて試験し、比較した。
【0077】
[0076]圧縮試験は、Instron5500Rを用いて行われた。測定は、直径0.25インチの平面を有する円筒状プローブを用いて行われた。1分当たり2インチのクロスヘッド速度を用いて、平板上に配置したキブルを圧縮した。ピースを40%圧縮したときの最大圧力、即ち、柔らかさの尺度を記録した。ピースの元の高さに対する戻り率で示される弾力性も記録した。少なくとも15ピースを測定し、平均を比較のために使用した。これらの結果は、食品組成物が、本発明の食品組成物の筋状の外観を有さない市販のソフト組成物と同様の柔らかい特性を有することを示した。
【0078】
[0077]視覚的に、アナログは、本物のような肉片のように見え、テクスチャーピースは、若干本物のような肉片のように見え、ソフトピースは、本物のような肉片のようには見えなかったが、その代わりに穀物製品のように見えた。圧縮試験の結果を表2に示す。
【0079】
【表2】

【0080】
[0078]表2を参照すると、データは、アナログは、本物のような肉片のように感じ、ソフトピースは、若干本物のような肉片のように感じ、テクスチャーピースは、本物のような肉片のようには感じなかったことを示している。視覚試験及び感触試験を参照すると、アナログの利点は、肉様外観と肉様感触及びテクスチャーの両方を有することである。市販のソフトドライフード組成物は、肉のような感触を伝える。これらのソフトドライ組成物は湿潤可塑剤も使用する。しかし、その内部構造は、通常のキブルのように細胞質である。したがって、現在のソフトドライ組成物は肉のように感じるが、肉のようには見えない。相対的に、市販されているテクスチャー化植物性タンパク質は、貯蔵安定性を得るために乾燥させた場合は固く、したがって口当たりが悪く、テクスチャーピースを消費する動物の歯肉を損傷するほど硬かった。これらのテクスチャーピースは、肉のように見えるが、肉のように感じないか、又は肉のような味はしない。対照的に、本発明のアナログは、肉のように見え、肉のように感じる。
【0081】
[0079]本明細書では、本発明の代表的な好適な実施形態が開示されている。特定の用語が使用されているが、それらは単に一般的かつ説明的な意味で使用したものであり、限定を意図したものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲に記載の通りである。上述の教示内容を踏まえると、本発明の多くの修正及び改変が可能であることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内で、特に記載されている以外の形態でも実施可能であることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性タンパク質を約40%〜約90%、少なくとも1種の架橋剤を約0.05%〜約2%及び肉スラリーを約60%〜約10%含み、前記肉スラリーが、肉及び少なくとも1種の湿潤可塑剤を約20:80〜約80:20の肉:湿潤可塑剤の比で含む、食品組成物。
【請求項2】
前記機能性タンパク質が、豆科タンパク質、穀物タンパク質又はそれらの組合せである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記機能性タンパク質が豆科タンパク質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記機能性タンパク質が、(1)約20%〜約80%の豆科タンパク質、穀物タンパク質又はそれらの組合せと、(2)約80%〜約20%の少なくとも1種の他のタンパク質との混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記機能性タンパク質が豆科タンパク質である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記他のタンパク質が、植物性タンパク質、肉タンパク質ミール又はそれらの組合せである、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記植物性タンパク質が、大豆ミール、コーングルテン、ライスグルテン又はそれらの組合せである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記肉タンパク質ミールが、牛肉ミール、鶏肉ミール、七面鳥肉ミール、魚肉ミール又はそれらの組合せである、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記架橋剤が、元素硫黄、メタ重亜硫酸ナトリウム、システイン又はそれらの組合せである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記湿潤可塑剤がポリオールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリオールが、グリセロール(グリセリン)、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリデキストロース又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリオールがグリセリンである、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
湿潤可塑剤を約5%〜約25%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
湿潤可塑剤を約8%〜約20%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
湿潤可塑剤を約6%〜約15%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
Awが約0.4〜約0.7である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
Awが約0.45〜約0.65である、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
Awが約0.65以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
水分含量が約14%以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
水分含量が約12%以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
水分含量が約10%以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
水分含量が約4%〜約14%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
水分含量が約6%〜約12%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
水分含量が約8%〜約10%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
動物に完全でバランスの取れた栄養を与えるように配合された、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記動物がコンパニオンアニマルである、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記動物がイヌ又はネコである、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
少なくとも1種のプロバイオティクスを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
少なくとも1種のプレバイオティクスを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
(1)機能性タンパク質を約40%〜約90%、少なくとも1種の架橋剤を約0.05%〜約2%及び肉スラリーを約60%〜約10%含み、前記肉スラリーが、肉及び少なくとも1種の湿潤可塑剤を約20:80〜約80:20の肉:湿潤可塑剤の比で含む、約5%〜約99%の食品組成物、並びに
(2)動物による消費に適した少なくとも1種の可食成分又は組成物
を含む、ブレンド食品組成物。
【請求項31】
前記可食成分又は組成物が少なくとも1種のキブルである、請求項30に記載のブレンド食品組成物。
【請求項32】
前記可食成分又は組成物が、約12%以下の水分含量及び約0.65以下のAwを有する、請求項30に記載のブレンド食品組成物。
【請求項33】
前記可食成分が、押出キブル、ベークキブル、押出トリート及びベークトリートからなる群から選択される、請求項30に記載のブレンド食品組成物。
【請求項34】
前記可食成分及び食品組成物が、約12%未満の水分含量及び約0.65未満のAwを有する、請求項30に記載のブレンド食品組成物。
【請求項35】
(1)少なくとも1種の機能性タンパク質と少なくとも1種の架橋剤とを混合して、ベース混合物を得るステップと、
(2)少なくとも1種の湿潤可塑剤と少なくとも1種の肉とを混合して、肉スラリーを形成するステップと、
(3)前記肉スラリーと前記ベース混合物とを混合して、前処理混合物を形成するステップと、
(4)前記前処理混合物を圧力下で加熱するステップと、
(5)前記加熱した組成物を膨張させて、食品組成物を形成するステップと、
を含む、食品組成物の製造方法。
【請求項36】
前記ベース混合物が、少なくとも1種の機能性タンパク質と少なくとも1種の架橋剤とを、機能性タンパク質を約98%〜約99.95%及び架橋剤を約0.05%〜約2%の量で混合することにより製造される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記機能性タンパク質が、豆科タンパク質、穀物タンパク質又はそれらの組合せである、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記機能性タンパク質が豆科タンパク質である、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記機能性タンパク質が、(1)約20%〜約80%の豆科タンパク質、穀物タンパク質又はそれらの組合せと、(2)約80%〜約20%の少なくとも1種の他のタンパク質との混合物である、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記機能性タンパク質が豆科タンパク質である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記他のタンパク質が植物性タンパク質、肉タンパク質ミール又はそれらの組合せである、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記植物性タンパク質が、大豆ミール、コーングルテン、ライスグルテン又はそれらの組合せである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記肉タンパク質ミールが、牛肉ミール、鶏肉ミール、七面鳥肉ミール、魚肉ミール又はそれらの組合せである、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記架橋剤が、元素硫黄、メタ重亜硫酸ナトリウム、システイン又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記肉スラリーが、
肉を粉砕して挽肉組成物を得るステップと、
前記挽肉組成物と少なくとも1種の湿潤可塑剤とを、約20:80〜約80:20の肉:湿潤可塑剤の比で混合するステップと、
により製造される、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
前記湿潤可塑剤がポリオールである、請求項35に記載の方法。
【請求項47】
前記湿潤可塑剤が、グリセロール(グリセリン)、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリデキストロース又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項48】
前記前処理混合物が約280〜約420°Fの温度に加熱される、請求項35に記載の方法。
【請求項49】
前記前処理混合物が約310〜約380°Fの温度に加熱される、請求項35に記載の方法。
【請求項50】
ペットフード製品が、柔らかいテクスチャーの水分含量を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項51】
本発明の食品組成物を動物に投与するのに適したキットであって、
キット構成要素に応じて、単一パッケージ内の別々の容器又は仮想パッケージ内の別々の容器に、本発明の食品組成物と、(1)動物による消費に適した少なくとも1種の可食成分又は組成物、(2)前記食品組成物と前記可食成分又は組成物とを混合する方法についての指示、(3)少なくとも1種のプロバイオティクス、(4)キット構成要素を混合するか混合物を入れるための少なくとも1種のデバイス、及び(5)食品組成物及びキットの他の構成要素の使用法についての指示、の少なくとも1つと、を含むキット。
【請求項52】
(1)本発明の食品組成物のテクスチャー及び外観、(2)前記食品組成物中の保存料の欠如、(3)前記食品組成物の腐敗性及び貯蔵安定性、(4)前記食品組成物又はブレンド食品組成物を動物に供給するための指示、(5)消費者が前記食品組成物又はその使用について質問がある場合の連絡先、及び(6)前記食品組成物の栄養情報、の少なくとも1つについての情報又は指示を伝達する手段。
【請求項53】
表示されたウェブサイト、ビジュアル表示キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、印刷物、公示、オーディオテープ、ビデオテープ、DVD,CD−ROM、コンピューター可読チップ、コンピューター可読カード、コンピューター可読ディスク、USBデバイス、ファイヤーワイヤーデバイス、コンピューターメモリー及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項52に記載の手段。
【請求項54】
請求項1に記載の食品組成物を含むパッケージであって、
有益な特性を有する食品組成物が該パッケージ内に含まれることを示す言葉、写真、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ又は他の手段又はそれらの組合せを備えるラベルが添付されたパッケージ。
【請求項55】
前記有益な特性が、チャンクの流通、糞便の質及び稠度の改善、消化率の改善又は食味の改善でもある、請求項54に記載のパッケージ。

【公表番号】特表2012−514455(P2012−514455A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544412(P2011−544412)
【出願日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/006747
【国際公開番号】WO2010/077356
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】