板状ヒータ、加熱装置、画像形成装置
【課題】異なるサイズの用紙のうち、小サイズの用紙の加熱時に大サイズの用紙が位置するヒータの温度上昇を抑える。
【解決手段】長尺平板状のセラミック基板１１上の長手方向に、Ａｇ／Ｐｄ合金等の抵抗体ペーストを高温で焼成し、所定の抵抗値の厚膜からなる帯状の発熱抵抗体１２を形成する。発熱抵抗体１２の両端に電気的に接続するとともに、セラミック基板１１に固着した電極１３，１４に、電力を供給することで発熱抵抗体１２を発熱させる。発熱抵抗体１３は、オーバーコート層１５で覆い電気的な保護をする。セラミック基板１１の発熱抵抗体１２の非形成面を摺動面とし、セラミック基板１１の長手方向の中央領域表面を研磨することで鏡面部１６１を形成する。これにより、鏡面部１６１以外は表面の単位面積当たりの面積を広くし、被加熱体が位置していない領域の温度上昇を抑えることができる。
【解決手段】長尺平板状のセラミック基板１１上の長手方向に、Ａｇ／Ｐｄ合金等の抵抗体ペーストを高温で焼成し、所定の抵抗値の厚膜からなる帯状の発熱抵抗体１２を形成する。発熱抵抗体１２の両端に電気的に接続するとともに、セラミック基板１１に固着した電極１３，１４に、電力を供給することで発熱抵抗体１２を発熱させる。発熱抵抗体１３は、オーバーコート層１５で覆い電気的な保護をする。セラミック基板１１の発熱抵抗体１２の非形成面を摺動面とし、セラミック基板１１の長手方向の中央領域表面を研磨することで鏡面部１６１を形成する。これにより、鏡面部１６１以外は表面の単位面積当たりの面積を広くし、被加熱体が位置していない領域の温度上昇を抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、情報機器、家電製品や製造設備などの小型機器類に装着されて用いられる薄型の板状ヒータおよびこの板状ヒータを実装したプリンタ、複写機、ファクシミリやリライタブルカードリーダライタなどの加熱装置ならびにこの加熱装置を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の加熱装置等に用いられる板状ヒータは、大小の用紙の通紙を加熱可能とし、小サイズの用紙を通紙させた場合には、用紙が通らない加熱体両端部分での用紙による放熱が生じないことから、この部分の温度が上昇する問題があった。このため小サイズの用紙を使用する場合は、発熱体長を変えたパターンを複数配置し、紙サイズに合わせて切り替えるゾーンヒーティングが行われている。（例えば、特許文献１）
【特許文献１】特開２００７−１２１９５５公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
上記した特許文献１の技術は、小サイズの用紙を印刷する場合は、発熱体長を変えたパターンを複数配置するゾーンヒーティングする発熱体の構成としていることから、発熱体のコストアップとなっていた。小サイズの用紙を使用したときには、大サイズの用紙を使用した場合に比べて電力を低下させることも取られる場合もあるが、印刷速度が遅くなる問題があった。
【０００４】
この発明の目的は、大小異なるサイズの被加熱体である用紙を加熱可能とし、小サイズの用紙を加熱する場合に、簡単な構成により両側の発熱体の温度上昇を抑えることを可能とする板状ヒータ、このヒータを用いた加熱装置、この加熱装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記した課題を解決するために、この発明の板状ヒータは、長尺平板状の耐熱性のセラミック基板と、前記セラミック基板上の長手方向に形成した発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の両端に接続した一対の給電用電極と、前記発熱抵抗体を覆い、該発熱抵抗体を保護するオーバーコート層と、を具備し、前記セラミック基板の前記発熱抵抗体の非形成面を摺動面とし、該摺動面の長手方向中央領域を、該中央領域の両端領域の表面よりも鏡面化して形成した鏡面部を有したことを特徴とする。
【０００６】
また、この発明の板状ヒータは、長尺平板状の耐熱性のセラミック基板と、前記セラミック基板上の長手方向に形成した発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の両端に接続した一対の給電用電極と、前記発熱抵抗体を覆い、該発熱抵抗体を保護するオーバーコート層と、を具備し、前記セラミック基板の前記発熱抵抗体の非形成面を摺動面とし、該摺動面の長手方向中央領域の表面よりも、該中央領域両端の領域の表面を粗面化して形成した粗面部を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
この発明によれば、簡単な構成により、異なるサイズの用紙のうち、小サイズの用紙の加熱時に大サイズの用紙が位置するヒータの温度上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【０００９】
図１〜図３は、この発明の板状ヒータに関する一実施形態の構成について説明するためもので、図１（ａ）は正面図、図１（ｂ）は図１（ａ）の背面図、図２（ａ）は図１（ａ），（ｂ）のｗ−ｗ’線の拡大断面図、図２（ｂ）は図２（ａ）の丸枠部分の拡大図、図３（ａ）は図１（ａ），（ｂ）のｘ−ｘ’線の拡大断面図、図３（ｂ）は図３（ａ）の丸枠部分の拡大図である。
【００１０】
図１（ａ）において、１１は、アルミナ（Ａｌ２Ｏ３）、窒化アルミニウム（ＡｌＮ）、炭化ケイ素（ＳｉＣ）、窒化ケイ素（Ｓｉ３Ｎ４）等の耐熱、絶縁性の材料で長尺状に形成された板状のセラミック基板である。１２は、セラミック基板１１表面の長手方向に沿って形成された銀（Ａｇ）・パラジウム（Ｐｄ）の合金をはじめとする銀系材料や、ルテニウム系、炭素系等などの抵抗体ペーストを高温で焼成し、所定の抵抗値を有する厚膜からなる帯状の発熱抵抗体である。
【００１１】
１３，１４は、それぞれセラミック基板１１上に形成された銀系の導体ペーストを焼成した良導電体膜の給電用の電極である。電極１３は発熱抵抗体１２の一端と、電極１４は発熱抵抗体１３の他端とそれぞれ接続する。発熱抵抗体１２の両端の電極１３，１４で接合される部分は、互いが重なった状態で接合されている。
【００１２】
１５は、厚膜印刷方法を用いて発熱抵抗体１２を例えばガラスペーストを印刷で覆い、これを焼成して形成されるオーバーコート層である。オーバーコート層１５は、電気的、機械的、化学的な保護を行う。
【００１３】
図１（ｂ）において、セラミック基板１１の裏面は発熱抵抗体１２で発生された熱を、被加熱体を摺動させながら被加熱体を加熱させる摺動面１６であり、この摺動面１６は、長手方向の中央に位置する領域ｔ１とこの領域の両側に位置する領域ｔ２，ｔ３から構成される。領域ｔ１は、領域ｔ２，ｔ３に比して鏡面加工して鏡面部１６１が施されている。なお、領域ｔ１は、葉書が摺動面１６を摺動するサイズＬと同様の幅とする。領域ｔ２，ｔ３は、Ａ４用紙が摺動面１６を摺動するサイズＡ４以上の幅とする。この実施形態では、領域ｔ１の両端に全面としている。
【００１４】
この状態は、図２（ｂ）と図３（ｂ）の図中矢印に示す部分との比較に示すとおりである。つまり、図２（ｂ）の矢印面は鏡面化され、図３（ｂ）の矢印面は粗面の状態である。鏡面部１６１は、研磨加工による手段で実現できる。
【００１５】
これにより、被加熱体である葉書を、サイズＬの部分を摺動させて通過する場合は、領域ｔ２，ｔ３では被加熱体による放熱がないことから、温度の上昇が発生する。しかし、領域ｔ２，ｔ３での摺動面１６は粗い状態の面であることから領域ｔ１に比して単位面積当たりの表面積が広いことになる。このため領域ｔ２，ｔ３が領域ｔ１と同様の鏡面部１６１が施された状態にある場合に比して表面積が広くなった分だけ、被加熱体による放熱がなくても、温度上昇の抑えを実現することができる。
【００１６】
図４は、領域ｔ１が鏡面化されない破線で示す従来と、鏡面化された実線で示すこの発明による摺動面長手方向に温度分布を模式的に示したものである。図でわかるように、実線は破線に比べて温度上昇が抑えられていることがわかる。
【００１７】
この実施形態では、サイズの異なる被加熱体が摺動面を摺動した場合でも、被加熱体を摺動させない部分の温度上昇の抑えることができ、被加熱体の摺動しない部分での無駄に発熱、換言すれば無駄な電力を抑えることができ省エネに寄与する。また、領域ｔ２，ｔ３の温度上昇し過ぎによる電力低下の必要もないことから被加熱体の走行速度を遅くする必要もない。
【００１８】
図５〜図７は、この発明の板状ヒータに関する他の実施形態の構成について説明するためもので、図５（ａ）は正面図、図５（ｂ）は図５（ａ）の背面図、図６（ａ）は図５（ａ），（ｂ）のｙ−ｙ’線の拡大断面図、図６（ｂ）は図６（ａ）の丸枠部分の拡大図、図７（ａ）は図５（ａ），（ｂ）のｚ−ｚ’線の拡大断面図、図７（ｂ）は図７（ａ）の丸枠部分の拡大図である。なお、上記した実施形態と同一に構成部分には同一の符号を付してここでは異なる部分について説明する。
【００１９】
この実施形態は、領域ｔ１の面をセラミック基板１１の生地の状態とし、領域ｔ２，ｔ３の面を領域ｔ１に比して粗面部１６２，１６３を施したものである。粗面部１６２，１６３は、ブラスト処理加工により実現できる。
【００２０】
この場合も領域ｔ１は、領域ｔ２，ｔ３に比べてセラミック基板１１の表面積が滑らかな状態となっている。このため、領域ｔ２，ｔ３の単位面積当たりの表面積は、領域ｔ１の単位面積当たりの表面積より広く、領域ｔ１のみを被加熱体である葉書を加熱させながら摺動させた場合に、被加熱体による放熱のない領域ｔ２，ｔ３の温度上昇を抑えることができる。
【００２１】
この場合にも、領域ｔ１のみを被加熱体を摺動させた場合に、他の領域ｔ２，ｔ３の温度上昇を抑えることができることから省電力化や被加熱体の走行速度の低下防止にも寄与する。
【００２２】
なお、この実施形態では、領域ｔ１を上記した実施形態にように研磨し、この領域を鏡面化することで、領域ｔ２，ｔ３との表面積違い大きくすることが可能となり、被加熱体が通紙されない部分での温度上昇をさらに抑えることも可能となる。
【００２３】
この発明の板状ヒータは、上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、図１、図５で示すように、電極１３，１４と一体形成し、発熱抵抗体１２とは非接触状態で挟むような格好で、セラミック基板１１の長手方向内側に延在させた放熱部１３１，１３２，１４１，１４２を形成させる。放熱部１３１，１３２は、電極１３から領域ｔ１とｔ２の境界付近までの長さで、放熱部１４１，１４２は、電極１４から領域ｔ１，ｔ３の境界付近までの長さで形成させる。
【００２４】
このように、放熱部１３１，１３２それに１４１，１４２を追加することにより、領域ｔ１を通紙された場合に通紙されない領域ｔ２，ｔ３位置での温度上昇の抑制を、さらに抑えることができる。
【００２５】
また、図８に示すように、電極１３，１４をセラミック基板１１の片側に寄せ、電極１３，１４にそれぞれセラミック基板１１の長手方向に形成した発熱抵抗体１２１，１２２の一端が接続され、他端をそれぞれ接続導体８１に接続される構成の板状ヒータにも、領域ｔ１に鏡面部１６１や図５と同様に領域ｔ２，ｔ３を、粗面部１６２，１６３を設ける同様の効果を奏する。
【００２６】
この場合にも、電極１３，１４と一体的にそれぞれセラミック基板１１の長手方向に非接触状態で領域ｔ２，ｔ１境界まで延在させた放熱部８１１，８１２と接続導体８１からこれと一体的にそれぞれセラミック基板１１の長手方向に非接触状態で領域ｔ３，ｔ１境界まで延在させた放熱部８１３，８１４を形成する。これにより、領域ｔ２，ｔ３を被加熱体が通過しない場合のこの部分の温度上昇の抑制度の向上を図ることができる。
【００２７】
次に、この発明の加熱装置に関する一実施形態について図９、図１０を参照して説明する。この実施形態は、上記した板状ヒータを加熱装置２００に実装した場合であり、図９は模式図、図１０は図９の断面図である。図中１００については、図１〜図３で説明した板状ヒータである。
【００２８】
図９において、９１は、ポリイミド樹脂等の耐熱性のフィルムをロール状にして循環自在に巻装された円筒状の定着フィルムである。この定着フィルム９１は、ヒータ支持体９２の底部に板状ヒータ１００を固着させ、板状ヒータ１００にコネクタ９３１，９３２をリード線９４１，９４２介して電力を供給させ、加熱した板状ヒータ１００に形成された摺動面１６に圧接加熱しながら移動させる。
【００２９】
９５は、その表面に耐熱性弾性材料である、たとえばシリコーンゴム層９６が嵌合してある加圧ローラであり、加圧ローラ９５の回転軸９７と対向して板状ヒータ１００が、定着フィルム９１と並置して図示しない基台内に取り付けられている。加圧ローラ９５は、定着フィルム９１と相互に圧接させることで、発熱抵抗体１２と加圧ローラ９５とで形成される図１０に示すようなニップ部Ｎを形成するとともに、作動時にはそれぞれを矢印ｄ１，ｄ２の方向に回転させる。
【００３０】
このとき、摺動面１６上に配置された定着フィルム９１面とシリコーンゴム層９６との間において、まずトナー像Ｔｏ１が定着フィルム９１を介して板状ヒータ１００が発生した熱で溶融され、少なくともその表面部は融点を大きく上回り完全に軟化して溶融する。この後、加圧ローラ９５の用紙排出側では複写用紙Ｐが板状ヒータ１００から離れ、トナー像Ｔｏ２は自然放熱して再び冷却固化し、定着フィルム９１も複写用紙Ｐから離反される。
【００３１】
この実施形態では、発熱抵抗体と対向する位置を通紙しない位置での板状ヒータの温度上昇を、簡単な構成によって抑制することができ、省エネや被加熱体の走行速度を下げる必要を防止することができる。
【００３２】
次に、図１１を参照して、この発明の加熱装置２００を搭載した複写機を例とした、この発明の画像形成装置について説明する。図中、加熱装置２００の部分は、上記した説明と同じであり、同一部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【００３３】
図１１において、３０１は複写機３００の筐体、３０２は筐体３０１の上面に設けられたガラス等の透明部材からなる原稿載置台で、矢印Ｚ方向に往復動作させて原稿Ｐ１を走査する。
【００３４】
筐体３０１内の上方向には光照射用のランプと反射鏡とからなる照明装置３０２が設けられており、この照明装置３０２により照射された原稿Ｐ１からの反射光源が短焦点小径結像素子アレイ３０３によって感光ドラム３０４上スリット露光される。なお、この感光ドラム３０４は矢印方向に回転する。
【００３５】
また、３０５は帯電器で、例えば酸化亜鉛感光層あるいは有機半導体感光層が被覆された感光ドラム３０４上に一様に帯電を行う。この帯電器３０５により帯電された感光ドラム３０４には、結像素子アレイ３０３によって画像露光が行われた静電画像が形成される。この静電画像は、現像器３０６による加熱で軟化溶融する樹脂等からなるトナーを用いて顕像化される。
【００３６】
カセット３０７内に収納されている複写用紙Ｐは、給送ローラ３０８と感光ドラム３０４上の画像と同期するタイミングをとって上下方向で圧接して回転される対の搬送ローラ３０９によって、感光ドラム３０４上に送り込まれる。そして、転写放電器３１０によって感光ドラム３０４上に形成されているトナー像は複写用紙Ｐ上に転写される。
【００３７】
その後、感光ドラム３０４上から離れた用紙Ｐは、搬送ガイド３１１によって加熱装置２００に導かれて加熱定着処理された後に、トレイ３１２内に排出される。なお、トナー像が転写された後、感光ドラム３０４上の残留トナーはクリーナ３１３を用いて除去される。
【００３８】
加熱装置２００は、複写用紙Ｐの移動方向と直交する方向に、この複写機３００が複写できる最大判用紙の幅（長さ）に合わせた有効長、すなわち最大判用紙の幅（長さ）より長い発熱抵抗体を備えた板状ヒータ１００が、加圧ローラ９５の外周に取り付けられたシリコーンゴム層９６に加圧された状態で設けられている。
【００３９】
そして、板状ヒータ１００と加圧ローラ９５との間を送られる用紙Ｐ上の未定着トナー像Ｔ１は、発熱抵抗体１２の熱を受け溶融して複写用紙Ｐ面上に文字、英数字、記号、図面等の複写像を現出させる。
【００４０】
この実施形態では、加熱装置の非通紙部分での温度上昇を抑えることができることから、省エネの他に通紙速度の低下を抑えることが可能となる。
【００４１】
板状ヒータの用途としては、複写機等の画像形成装置の定着用に用いたが、これに限らず、家庭用の電気製品、業務用や実験用の精密機器や化学反応用の機器等に装着して加熱や保温の熱源としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【００４２】
【図１】この発明の板状ヒータに関する一実施形態の構成について説明するためもので、図１（ａ）は正面図、図１（ｂ）は図１（ａ）の背面図。
【図２】図２（ａ）は図１（ａ），（ｂ）のｗ−ｗ’線の拡大断面図、図２（ｂ）は図２（ａ）の丸枠部分の拡大図。
【図３】図３（ａ）は図１（ａ），（ｂ）のｘ−ｘ’線の拡大断面図、図３（ｂ）は図３（ａ）の丸枠部分の拡大図。
【図４】この発明の板状ヒータに関する一実施形態の効果を模式的に説明するための説明図。
【図５】この発明の板状ヒータに関する他の実施形態の構成について説明するためもので、図５（ａ）は正面図、図５（ｂ）は図５（ａ）の背面図。
【図６】図６（ａ）は図５（ａ），（ｂ）のｙ−ｙ’線の拡大断面図、図６（ｂ）は図６（ａ）の丸枠部分の拡大図。
【図７】図７（ａ）は図５（ａ），（ｂ）のｚ−ｚ’線の拡大断面図、図７（ｂ）は図７（ａ）の丸枠部分の拡大図。
【図８】この発明の板状ヒータに関する変形例について説明するための、図８（ａ）は正面図、図８（ｂ）は図８（ａ）の背面図。
【図９】この発明の加熱装置に関する一実施形態について説明するための斜視図。
【図１０】図９の断面図。
【図１１】この発明の画像形成装置に関する一実施形態について説明するための説明図。
【符号の説明】
【００４３】
１１ セラミック基板
１２ 発熱抵抗体
１３，１４ 電極
１３１，１３２，１４１，１４２，８１１〜８１４ 放熱部
１５ オーバーコート層
１６ 摺動面
１６１ 鏡面部
１６２，１６３ 粗面部
ｔ１〜ｔ３ 領域
９１ 定着フィルム
９２ ヒータ支持体
９５ 加圧ローラ
９６ シリコーンゴム層
９７ 回転軸
１００ 板状ヒータ
２００ 加熱装置
３００ 複写機
【技術分野】
【０００１】
この発明は、情報機器、家電製品や製造設備などの小型機器類に装着されて用いられる薄型の板状ヒータおよびこの板状ヒータを実装したプリンタ、複写機、ファクシミリやリライタブルカードリーダライタなどの加熱装置ならびにこの加熱装置を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の加熱装置等に用いられる板状ヒータは、大小の用紙の通紙を加熱可能とし、小サイズの用紙を通紙させた場合には、用紙が通らない加熱体両端部分での用紙による放熱が生じないことから、この部分の温度が上昇する問題があった。このため小サイズの用紙を使用する場合は、発熱体長を変えたパターンを複数配置し、紙サイズに合わせて切り替えるゾーンヒーティングが行われている。（例えば、特許文献１）
【特許文献１】特開２００７−１２１９５５公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
上記した特許文献１の技術は、小サイズの用紙を印刷する場合は、発熱体長を変えたパターンを複数配置するゾーンヒーティングする発熱体の構成としていることから、発熱体のコストアップとなっていた。小サイズの用紙を使用したときには、大サイズの用紙を使用した場合に比べて電力を低下させることも取られる場合もあるが、印刷速度が遅くなる問題があった。
【０００４】
この発明の目的は、大小異なるサイズの被加熱体である用紙を加熱可能とし、小サイズの用紙を加熱する場合に、簡単な構成により両側の発熱体の温度上昇を抑えることを可能とする板状ヒータ、このヒータを用いた加熱装置、この加熱装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記した課題を解決するために、この発明の板状ヒータは、長尺平板状の耐熱性のセラミック基板と、前記セラミック基板上の長手方向に形成した発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の両端に接続した一対の給電用電極と、前記発熱抵抗体を覆い、該発熱抵抗体を保護するオーバーコート層と、を具備し、前記セラミック基板の前記発熱抵抗体の非形成面を摺動面とし、該摺動面の長手方向中央領域を、該中央領域の両端領域の表面よりも鏡面化して形成した鏡面部を有したことを特徴とする。
【０００６】
また、この発明の板状ヒータは、長尺平板状の耐熱性のセラミック基板と、前記セラミック基板上の長手方向に形成した発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の両端に接続した一対の給電用電極と、前記発熱抵抗体を覆い、該発熱抵抗体を保護するオーバーコート層と、を具備し、前記セラミック基板の前記発熱抵抗体の非形成面を摺動面とし、該摺動面の長手方向中央領域の表面よりも、該中央領域両端の領域の表面を粗面化して形成した粗面部を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
この発明によれば、簡単な構成により、異なるサイズの用紙のうち、小サイズの用紙の加熱時に大サイズの用紙が位置するヒータの温度上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【０００９】
図１〜図３は、この発明の板状ヒータに関する一実施形態の構成について説明するためもので、図１（ａ）は正面図、図１（ｂ）は図１（ａ）の背面図、図２（ａ）は図１（ａ），（ｂ）のｗ−ｗ’線の拡大断面図、図２（ｂ）は図２（ａ）の丸枠部分の拡大図、図３（ａ）は図１（ａ），（ｂ）のｘ−ｘ’線の拡大断面図、図３（ｂ）は図３（ａ）の丸枠部分の拡大図である。
【００１０】
図１（ａ）において、１１は、アルミナ（Ａｌ２Ｏ３）、窒化アルミニウム（ＡｌＮ）、炭化ケイ素（ＳｉＣ）、窒化ケイ素（Ｓｉ３Ｎ４）等の耐熱、絶縁性の材料で長尺状に形成された板状のセラミック基板である。１２は、セラミック基板１１表面の長手方向に沿って形成された銀（Ａｇ）・パラジウム（Ｐｄ）の合金をはじめとする銀系材料や、ルテニウム系、炭素系等などの抵抗体ペーストを高温で焼成し、所定の抵抗値を有する厚膜からなる帯状の発熱抵抗体である。
【００１１】
１３，１４は、それぞれセラミック基板１１上に形成された銀系の導体ペーストを焼成した良導電体膜の給電用の電極である。電極１３は発熱抵抗体１２の一端と、電極１４は発熱抵抗体１３の他端とそれぞれ接続する。発熱抵抗体１２の両端の電極１３，１４で接合される部分は、互いが重なった状態で接合されている。
【００１２】
１５は、厚膜印刷方法を用いて発熱抵抗体１２を例えばガラスペーストを印刷で覆い、これを焼成して形成されるオーバーコート層である。オーバーコート層１５は、電気的、機械的、化学的な保護を行う。
【００１３】
図１（ｂ）において、セラミック基板１１の裏面は発熱抵抗体１２で発生された熱を、被加熱体を摺動させながら被加熱体を加熱させる摺動面１６であり、この摺動面１６は、長手方向の中央に位置する領域ｔ１とこの領域の両側に位置する領域ｔ２，ｔ３から構成される。領域ｔ１は、領域ｔ２，ｔ３に比して鏡面加工して鏡面部１６１が施されている。なお、領域ｔ１は、葉書が摺動面１６を摺動するサイズＬと同様の幅とする。領域ｔ２，ｔ３は、Ａ４用紙が摺動面１６を摺動するサイズＡ４以上の幅とする。この実施形態では、領域ｔ１の両端に全面としている。
【００１４】
この状態は、図２（ｂ）と図３（ｂ）の図中矢印に示す部分との比較に示すとおりである。つまり、図２（ｂ）の矢印面は鏡面化され、図３（ｂ）の矢印面は粗面の状態である。鏡面部１６１は、研磨加工による手段で実現できる。
【００１５】
これにより、被加熱体である葉書を、サイズＬの部分を摺動させて通過する場合は、領域ｔ２，ｔ３では被加熱体による放熱がないことから、温度の上昇が発生する。しかし、領域ｔ２，ｔ３での摺動面１６は粗い状態の面であることから領域ｔ１に比して単位面積当たりの表面積が広いことになる。このため領域ｔ２，ｔ３が領域ｔ１と同様の鏡面部１６１が施された状態にある場合に比して表面積が広くなった分だけ、被加熱体による放熱がなくても、温度上昇の抑えを実現することができる。
【００１６】
図４は、領域ｔ１が鏡面化されない破線で示す従来と、鏡面化された実線で示すこの発明による摺動面長手方向に温度分布を模式的に示したものである。図でわかるように、実線は破線に比べて温度上昇が抑えられていることがわかる。
【００１７】
この実施形態では、サイズの異なる被加熱体が摺動面を摺動した場合でも、被加熱体を摺動させない部分の温度上昇の抑えることができ、被加熱体の摺動しない部分での無駄に発熱、換言すれば無駄な電力を抑えることができ省エネに寄与する。また、領域ｔ２，ｔ３の温度上昇し過ぎによる電力低下の必要もないことから被加熱体の走行速度を遅くする必要もない。
【００１８】
図５〜図７は、この発明の板状ヒータに関する他の実施形態の構成について説明するためもので、図５（ａ）は正面図、図５（ｂ）は図５（ａ）の背面図、図６（ａ）は図５（ａ），（ｂ）のｙ−ｙ’線の拡大断面図、図６（ｂ）は図６（ａ）の丸枠部分の拡大図、図７（ａ）は図５（ａ），（ｂ）のｚ−ｚ’線の拡大断面図、図７（ｂ）は図７（ａ）の丸枠部分の拡大図である。なお、上記した実施形態と同一に構成部分には同一の符号を付してここでは異なる部分について説明する。
【００１９】
この実施形態は、領域ｔ１の面をセラミック基板１１の生地の状態とし、領域ｔ２，ｔ３の面を領域ｔ１に比して粗面部１６２，１６３を施したものである。粗面部１６２，１６３は、ブラスト処理加工により実現できる。
【００２０】
この場合も領域ｔ１は、領域ｔ２，ｔ３に比べてセラミック基板１１の表面積が滑らかな状態となっている。このため、領域ｔ２，ｔ３の単位面積当たりの表面積は、領域ｔ１の単位面積当たりの表面積より広く、領域ｔ１のみを被加熱体である葉書を加熱させながら摺動させた場合に、被加熱体による放熱のない領域ｔ２，ｔ３の温度上昇を抑えることができる。
【００２１】
この場合にも、領域ｔ１のみを被加熱体を摺動させた場合に、他の領域ｔ２，ｔ３の温度上昇を抑えることができることから省電力化や被加熱体の走行速度の低下防止にも寄与する。
【００２２】
なお、この実施形態では、領域ｔ１を上記した実施形態にように研磨し、この領域を鏡面化することで、領域ｔ２，ｔ３との表面積違い大きくすることが可能となり、被加熱体が通紙されない部分での温度上昇をさらに抑えることも可能となる。
【００２３】
この発明の板状ヒータは、上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、図１、図５で示すように、電極１３，１４と一体形成し、発熱抵抗体１２とは非接触状態で挟むような格好で、セラミック基板１１の長手方向内側に延在させた放熱部１３１，１３２，１４１，１４２を形成させる。放熱部１３１，１３２は、電極１３から領域ｔ１とｔ２の境界付近までの長さで、放熱部１４１，１４２は、電極１４から領域ｔ１，ｔ３の境界付近までの長さで形成させる。
【００２４】
このように、放熱部１３１，１３２それに１４１，１４２を追加することにより、領域ｔ１を通紙された場合に通紙されない領域ｔ２，ｔ３位置での温度上昇の抑制を、さらに抑えることができる。
【００２５】
また、図８に示すように、電極１３，１４をセラミック基板１１の片側に寄せ、電極１３，１４にそれぞれセラミック基板１１の長手方向に形成した発熱抵抗体１２１，１２２の一端が接続され、他端をそれぞれ接続導体８１に接続される構成の板状ヒータにも、領域ｔ１に鏡面部１６１や図５と同様に領域ｔ２，ｔ３を、粗面部１６２，１６３を設ける同様の効果を奏する。
【００２６】
この場合にも、電極１３，１４と一体的にそれぞれセラミック基板１１の長手方向に非接触状態で領域ｔ２，ｔ１境界まで延在させた放熱部８１１，８１２と接続導体８１からこれと一体的にそれぞれセラミック基板１１の長手方向に非接触状態で領域ｔ３，ｔ１境界まで延在させた放熱部８１３，８１４を形成する。これにより、領域ｔ２，ｔ３を被加熱体が通過しない場合のこの部分の温度上昇の抑制度の向上を図ることができる。
【００２７】
次に、この発明の加熱装置に関する一実施形態について図９、図１０を参照して説明する。この実施形態は、上記した板状ヒータを加熱装置２００に実装した場合であり、図９は模式図、図１０は図９の断面図である。図中１００については、図１〜図３で説明した板状ヒータである。
【００２８】
図９において、９１は、ポリイミド樹脂等の耐熱性のフィルムをロール状にして循環自在に巻装された円筒状の定着フィルムである。この定着フィルム９１は、ヒータ支持体９２の底部に板状ヒータ１００を固着させ、板状ヒータ１００にコネクタ９３１，９３２をリード線９４１，９４２介して電力を供給させ、加熱した板状ヒータ１００に形成された摺動面１６に圧接加熱しながら移動させる。
【００２９】
９５は、その表面に耐熱性弾性材料である、たとえばシリコーンゴム層９６が嵌合してある加圧ローラであり、加圧ローラ９５の回転軸９７と対向して板状ヒータ１００が、定着フィルム９１と並置して図示しない基台内に取り付けられている。加圧ローラ９５は、定着フィルム９１と相互に圧接させることで、発熱抵抗体１２と加圧ローラ９５とで形成される図１０に示すようなニップ部Ｎを形成するとともに、作動時にはそれぞれを矢印ｄ１，ｄ２の方向に回転させる。
【００３０】
このとき、摺動面１６上に配置された定着フィルム９１面とシリコーンゴム層９６との間において、まずトナー像Ｔｏ１が定着フィルム９１を介して板状ヒータ１００が発生した熱で溶融され、少なくともその表面部は融点を大きく上回り完全に軟化して溶融する。この後、加圧ローラ９５の用紙排出側では複写用紙Ｐが板状ヒータ１００から離れ、トナー像Ｔｏ２は自然放熱して再び冷却固化し、定着フィルム９１も複写用紙Ｐから離反される。
【００３１】
この実施形態では、発熱抵抗体と対向する位置を通紙しない位置での板状ヒータの温度上昇を、簡単な構成によって抑制することができ、省エネや被加熱体の走行速度を下げる必要を防止することができる。
【００３２】
次に、図１１を参照して、この発明の加熱装置２００を搭載した複写機を例とした、この発明の画像形成装置について説明する。図中、加熱装置２００の部分は、上記した説明と同じであり、同一部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【００３３】
図１１において、３０１は複写機３００の筐体、３０２は筐体３０１の上面に設けられたガラス等の透明部材からなる原稿載置台で、矢印Ｚ方向に往復動作させて原稿Ｐ１を走査する。
【００３４】
筐体３０１内の上方向には光照射用のランプと反射鏡とからなる照明装置３０２が設けられており、この照明装置３０２により照射された原稿Ｐ１からの反射光源が短焦点小径結像素子アレイ３０３によって感光ドラム３０４上スリット露光される。なお、この感光ドラム３０４は矢印方向に回転する。
【００３５】
また、３０５は帯電器で、例えば酸化亜鉛感光層あるいは有機半導体感光層が被覆された感光ドラム３０４上に一様に帯電を行う。この帯電器３０５により帯電された感光ドラム３０４には、結像素子アレイ３０３によって画像露光が行われた静電画像が形成される。この静電画像は、現像器３０６による加熱で軟化溶融する樹脂等からなるトナーを用いて顕像化される。
【００３６】
カセット３０７内に収納されている複写用紙Ｐは、給送ローラ３０８と感光ドラム３０４上の画像と同期するタイミングをとって上下方向で圧接して回転される対の搬送ローラ３０９によって、感光ドラム３０４上に送り込まれる。そして、転写放電器３１０によって感光ドラム３０４上に形成されているトナー像は複写用紙Ｐ上に転写される。
【００３７】
その後、感光ドラム３０４上から離れた用紙Ｐは、搬送ガイド３１１によって加熱装置２００に導かれて加熱定着処理された後に、トレイ３１２内に排出される。なお、トナー像が転写された後、感光ドラム３０４上の残留トナーはクリーナ３１３を用いて除去される。
【００３８】
加熱装置２００は、複写用紙Ｐの移動方向と直交する方向に、この複写機３００が複写できる最大判用紙の幅（長さ）に合わせた有効長、すなわち最大判用紙の幅（長さ）より長い発熱抵抗体を備えた板状ヒータ１００が、加圧ローラ９５の外周に取り付けられたシリコーンゴム層９６に加圧された状態で設けられている。
【００３９】
そして、板状ヒータ１００と加圧ローラ９５との間を送られる用紙Ｐ上の未定着トナー像Ｔ１は、発熱抵抗体１２の熱を受け溶融して複写用紙Ｐ面上に文字、英数字、記号、図面等の複写像を現出させる。
【００４０】
この実施形態では、加熱装置の非通紙部分での温度上昇を抑えることができることから、省エネの他に通紙速度の低下を抑えることが可能となる。
【００４１】
板状ヒータの用途としては、複写機等の画像形成装置の定着用に用いたが、これに限らず、家庭用の電気製品、業務用や実験用の精密機器や化学反応用の機器等に装着して加熱や保温の熱源としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【００４２】
【図１】この発明の板状ヒータに関する一実施形態の構成について説明するためもので、図１（ａ）は正面図、図１（ｂ）は図１（ａ）の背面図。
【図２】図２（ａ）は図１（ａ），（ｂ）のｗ−ｗ’線の拡大断面図、図２（ｂ）は図２（ａ）の丸枠部分の拡大図。
【図３】図３（ａ）は図１（ａ），（ｂ）のｘ−ｘ’線の拡大断面図、図３（ｂ）は図３（ａ）の丸枠部分の拡大図。
【図４】この発明の板状ヒータに関する一実施形態の効果を模式的に説明するための説明図。
【図５】この発明の板状ヒータに関する他の実施形態の構成について説明するためもので、図５（ａ）は正面図、図５（ｂ）は図５（ａ）の背面図。
【図６】図６（ａ）は図５（ａ），（ｂ）のｙ−ｙ’線の拡大断面図、図６（ｂ）は図６（ａ）の丸枠部分の拡大図。
【図７】図７（ａ）は図５（ａ），（ｂ）のｚ−ｚ’線の拡大断面図、図７（ｂ）は図７（ａ）の丸枠部分の拡大図。
【図８】この発明の板状ヒータに関する変形例について説明するための、図８（ａ）は正面図、図８（ｂ）は図８（ａ）の背面図。
【図９】この発明の加熱装置に関する一実施形態について説明するための斜視図。
【図１０】図９の断面図。
【図１１】この発明の画像形成装置に関する一実施形態について説明するための説明図。
【符号の説明】
【００４３】
１１ セラミック基板
１２ 発熱抵抗体
１３，１４ 電極
１３１，１３２，１４１，１４２，８１１〜８１４ 放熱部
１５ オーバーコート層
１６ 摺動面
１６１ 鏡面部
１６２，１６３ 粗面部
ｔ１〜ｔ３ 領域
９１ 定着フィルム
９２ ヒータ支持体
９５ 加圧ローラ
９６ シリコーンゴム層
９７ 回転軸
１００ 板状ヒータ
２００ 加熱装置
３００ 複写機
【特許請求の範囲】
【請求項１】
長尺平板状の耐熱性のセラミック基板と、
前記セラミック基板上の長手方向に形成した発熱抵抗体と、
前記発熱抵抗体の両端に接続した一対の給電用電極と、
前記発熱抵抗体を覆い、該発熱抵抗体を保護するオーバーコート層と、を具備し、
前記セラミック基板の前記発熱抵抗体の非形成面を摺動面とし、該摺動面の長手方向中央領域を、該中央領域の両端領域の表面よりも鏡面化して形成した鏡面部を有したことを特徴とする板状ヒータ。
【請求項２】
前記鏡面部は、研磨加工により形成したものであることを特徴とする請求項１記載の板状ヒータ。
【請求項３】
前記鏡面部が形成された前記セラミック基板の反対面の、前記鏡面部と非対向位置の前記セラミックに放熱部を形成したことを特徴とする請求項１または２記載の板状ヒータ。
【請求項４】
長尺平板状の耐熱性のセラミック基板と、
前記セラミック基板上の長手方向に形成した発熱抵抗体と、
前記発熱抵抗体の両端に接続した一対の給電用電極と、
前記発熱抵抗体を覆い、該発熱抵抗体を保護するオーバーコート層と、を具備し、
前記セラミック基板の前記発熱抵抗体の非形成面を摺動面とし、該摺動面の長手方向中央領域の表面よりも、該中央領域両端の領域の表面を粗面化して形成した粗面部を有したことを特徴とする板状ヒータ。
【請求項５】
前記粗面部は、ブラスト処理加工により形成したものであることを特徴とする請求項４記載の板状ヒータ。
【請求項６】
前記粗面部が形成された前記セラミック基板の反対面に放熱部を形成したことを特徴とする請求項４または５記載の板状ヒータ。
【請求項７】
加熱ローラと、
前記加熱ローラに対向配置された発熱抵抗体が圧接された請求項１〜６のいずれかに記載の板状ヒータと、
前記板状ヒータと前記加圧ローラとの間を移動可能に設けられた定着フィルムとを具備したことを特徴とする加熱装置。
【請求項８】
媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させてこのトナーを用紙に転写して所定の画像を形成する形成手段と、
画像が形成された用紙を加圧ローラにより定着フィルムを介して前記板状ヒータに圧接しながら通過させることによって、トナーを定着するようにした請求項７記載の加熱装置とを具備したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項１】
長尺平板状の耐熱性のセラミック基板と、
前記セラミック基板上の長手方向に形成した発熱抵抗体と、
前記発熱抵抗体の両端に接続した一対の給電用電極と、
前記発熱抵抗体を覆い、該発熱抵抗体を保護するオーバーコート層と、を具備し、
前記セラミック基板の前記発熱抵抗体の非形成面を摺動面とし、該摺動面の長手方向中央領域を、該中央領域の両端領域の表面よりも鏡面化して形成した鏡面部を有したことを特徴とする板状ヒータ。
【請求項２】
前記鏡面部は、研磨加工により形成したものであることを特徴とする請求項１記載の板状ヒータ。
【請求項３】
前記鏡面部が形成された前記セラミック基板の反対面の、前記鏡面部と非対向位置の前記セラミックに放熱部を形成したことを特徴とする請求項１または２記載の板状ヒータ。
【請求項４】
長尺平板状の耐熱性のセラミック基板と、
前記セラミック基板上の長手方向に形成した発熱抵抗体と、
前記発熱抵抗体の両端に接続した一対の給電用電極と、
前記発熱抵抗体を覆い、該発熱抵抗体を保護するオーバーコート層と、を具備し、
前記セラミック基板の前記発熱抵抗体の非形成面を摺動面とし、該摺動面の長手方向中央領域の表面よりも、該中央領域両端の領域の表面を粗面化して形成した粗面部を有したことを特徴とする板状ヒータ。
【請求項５】
前記粗面部は、ブラスト処理加工により形成したものであることを特徴とする請求項４記載の板状ヒータ。
【請求項６】
前記粗面部が形成された前記セラミック基板の反対面に放熱部を形成したことを特徴とする請求項４または５記載の板状ヒータ。
【請求項７】
加熱ローラと、
前記加熱ローラに対向配置された発熱抵抗体が圧接された請求項１〜６のいずれかに記載の板状ヒータと、
前記板状ヒータと前記加圧ローラとの間を移動可能に設けられた定着フィルムとを具備したことを特徴とする加熱装置。
【請求項８】
媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させてこのトナーを用紙に転写して所定の画像を形成する形成手段と、
画像が形成された用紙を加圧ローラにより定着フィルムを介して前記板状ヒータに圧接しながら通過させることによって、トナーを定着するようにした請求項７記載の加熱装置とを具備したことを特徴とする画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２００９−２２４２１０（Ｐ２００９−２２４２１０Ａ）
【公開日】平成２１年１０月１日（２００９．１０．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−６７９８１（Ｐ２００８−６７９８１）
【出願日】平成２０年３月１７日（２００８．３．１７）
【出願人】（０００１１１６７２）ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１０月１日（２００９．１０．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年３月１７日（２００８．３．１７）
【出願人】（０００１１１６７２）ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]