説明

板状部材の支持装置および支持方法

【課題】板状部材の表面形状に関わらずに適切に板状部材を保持することができる板状部材の支持装置および支持方法を提供すること。
【解決手段】吹出口7から外方に吹き出した空気によって凸部WB表面位置に負圧領域Xを形成してウェハWを吸引保持することで、ウェハWを非接触で支持することができ、ウェハWへの傷付きを防止することができる。さらに、ウェハWの凹部WCに対して直接的に吸引力を作用させることがないので、ウェハWに作用するストレスを抑制することができ、ウェハWの破損を確実に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状部材を支持する支持装置および支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造工程において、半導体ウェハ(以下、単にウェハという場合がある)を搬送する搬送装置として、ウェハに相対する円盤状の吸着領域を備えたもの(例えば、特許文献1参照)や、気流を利用したベルヌーイパッドを備えたもの(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
特許文献1記載の搬送装置では、円盤状の吸着領域が無数の微細な孔を備えて構成され、これらの孔を介して空気を吸引することで、ウェハの全面を吸着するように構成されている。
一方、特許文献2記載の搬送装置では、円盤状の保持部材におけるウェハとの対向面に複数の非接触式吸引保持器が設けられ、これらの吸引保持器から気体を流出させることで負圧を発生させ、この負圧によってウェハを吸引保持できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−77982号公報
【特許文献2】特開2004−119784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されたような接触式の搬送装置では、ウェハの表面に吸着領域を当接させて吸着保持するために、ウェハを傷付けてしまう可能性がある。さらに、ウェハ等の板状部材の表面に凹凸が形成されている場合には、その凸部が吸着領域に当接することから、凹部が負圧となってウェハを破損させてしまう可能性もある。
一方、特許文献2に記載されたような非接触式の搬送装置であっても、複数の吸引保持器が点在していることから、吸引保持器に対向する部分ではウェハに大きな吸引力が作用し、吸引保持器がない部分では吸引力が小さくなるため、ウェハが波打つように変形してしまうため、ウェハに作用するストレスが大きくなる可能性がある。特に、近年、ウェハ外径の大型化およびウェハの薄型化に伴い、搬送時においてウェハに付与されるストレスに起因したウェハの破損が問題となり、その改善が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、板状部材の表面形状に関わらずに適切に板状部材を保持することができる板状部材の支持装置および支持方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の板状部材の支持装置は、板状部材を一方の面側から吸引保持する保持手段と、前記保持手段に気体を供給する供給手段とを備え、前記保持手段は、前記板状部材の一方の面に対向可能かつ環状に形成された枠体と、この枠体に形成されて前記供給手段から供給された気体を前記板状部材の一方の面に沿った外方に吹き出す吹出口とを有し、この吹出口から吹き出した気体により当該吹出口よりも内方における前記枠体と前記板状部材の一方の面との間に負圧領域を形成して当該板状部材を保持可能に構成されることを特徴とする。
【0007】
この際、本発明の板状部材の支持装置では、前記吹出口は、前記枠体の外周側面に沿って連続した細溝状に形成されていることが好ましい。
また、前記保持手段は、前記板状部材の反対側から前記枠体を閉塞して当該板状部材および枠体とともに空間を形成し、当該空間内を減圧状態とすることが可能な閉塞手段を有して構成されていることが好ましい。
この際、前記閉塞手段は、前記空間内の圧力を調整する圧力調整手段を有して構成されていることが好ましい。
さらに、本発明の板状部材の支持装置では、前記枠体における環状の開口内側面は、前記板状部材に向かうにしたがって外方に曲がる凸な曲面を有して形成され、この曲面の先端部が前記板状部材の一方の面と略平行に設けられるとともに、当該先端部によって前記吹出口の端縁が形成されていることが好ましい。
また、前記保持手段には、前記枠体に対して前記板状部材がその面方向へ移動することを規制する移動規制手段が設けられていることが好ましい。
【0008】
一方、本発明の板状部材の支持方法は、環状に形成されるとともに吹出口を有した枠体を板状部材の一方の面に対向して設けるとともに、前記吹出口から前記板状部材の一方の面に沿った外方に気体を吹き出し、この気体により前記吹出口よりも内方における前記板状部材の一方の面近傍に負圧領域を形成して当該板状部材を保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、枠体と板状部材の一方の面との間に負圧領域を形成して板状部材を保持する、すなわち負圧領域を介して枠体と非接触で板状部材を吸引保持することで、傷付きを防止しつつ板状部材を確実に支持することができる。また、環状の枠体に形成した吹出口から板状部材の一方の面に沿った外方に吹き出す気体によって負圧領域を形成することから、板状部材の外縁部分や外縁に近い部分を吸引することができ、板状部材の中間部に対するストレスを軽減させることができる。従って、板状部材として、例えば、外縁部の凸部および中間部の凹部を有したウェハを対象とした場合であっても、その外縁部の凸部を吸引して凹部位置を吸引しないか、または凸部に比べて凹部に作用する吸引力を小さくすることができ、凹部に作用するストレスを抑制してウェハを支持することによって、ウェハの破損を防止しつつ適切に保持することができる。
【0010】
また、吹出口を細溝状に形成すれば、供給する気体の量に対する吹き出す気体の速度を高めることができ、少ない気体の供給量で確実に負圧領域を形成することができる。さらに、環状の枠体の外周側面に沿って吹出口が連続して形成されていれば、板状部材の外縁に沿って均等に負圧領域を形成することができ、吸引力の偏在を抑制して板状部材へのストレスを一層低減させることができる。
さらに、板状部材および枠体とともに空間を形成する閉塞手段を設け、形成した空間内を減圧状態とすることで、吹出口からの気体の吹き出しによる吸引保持力に加えて、空間内を減圧した負圧による保持力を作用させることができる。従って、例えば、板状部材の中間部の自重と釣り合うように負圧による保持力を作用させれば、自重による中間部の撓みを抑制しつつ、吹き出しによる吸引保持力によって板状部材全体を確実に吸引保持することができる。また、圧力調整手段によって空間内の圧力を調整することで、負圧による保持力を適宜に調節して板状部材へのストレスをより一層低減させることができる。
また、移動規制手段によって板状部材の移動を規制することで、前述のように非接触で保持した板状部材がその面方向に移動し、負圧領域が形成できなくなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る支持装置の斜視図。
【図2】図1の支持装置の部分断面図。
【図3】支持装置の変形例を示す図2と同様の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、支持装置1は、板状部材としての半導体ウェハ(以下、単にウェハWという場合がある)を搬送する搬送装置の一部を構成するものであり、搬送に際してウェハWの一方の面である裏面側から吸引保持するように構成されている。この支持装置1は、全体図示を省略した駆動機器としての多関節ロボット2の先端アーム2A等に取り付けられて使用される。ここで、ウェハWは、図2に示すように、その表面(図2の下側の面)WAに回路が形成されるとともに、裏面における外縁部以外の内周部が研削されることで、厚さ方向に突出した環状の凸部WBが外縁部に形成され、凸部WBで囲まれた内側に凹部WCが形成されたものであり、このウェハWの表面WAには、保護シートSが貼付されている。
【0013】
支持装置1は、ウェハWを一方の面側である裏面側から吸引保持する保持手段3と、図示しない吸引ポンプ等に接続されて保持手段3に空気(気体)を供給する供給手段としての供給管4とを備えて構成されている。保持手段3は、ウェハWの外縁に沿って全体円環状かつ中空状に形成された枠体5と、この枠体5に連続して駆動機器としての多関節ロボット2の先端アーム2A側に延びる中空状の延長部6とを有して形成されている。また、供給管4は、枠体5に連結された3本と延長部6に連結された3本との計6本で構成され、これら6本の供給管4によって枠体5および延長部6の各内部に所定流量の空気が送り込まれるように構成されている。
【0014】
保持手段3は、図2に示すように、枠体5の外周側面におけるウェハWに近接する側(図2中下側)に形成された吹出口7と、吹出口7よりも下側で枠体5から突出して凸部WB表面に当接可能な移動規制手段としての複数の弾性部材8と、枠体5の開口Oを閉塞してウェハWおよび枠体5とともに空間SPを形成可能な閉塞手段9とを有して構成されている。
【0015】
枠体5は、支持するウェハWの反対側に位置する上面部51と、この上面部51の内縁から延びる内側面部52と、上面部51の外縁から延びる外側面部53と、内側面部52に連続してウェハWに向かうにしたがって外側面部53側に曲がる凸な曲面を有した内側曲面部54とを有して形成されている。そして、上面部51の3箇所に供給管4が連結されている。内側曲面部54は、開口Oの内径寸法を徐々に拡大するような所定の曲率のファンネル形状とされ、開口O内部の空気が内側曲面部54に沿ってウェハWの外縁側に向かってスムーズに流れるようになり、排気抵抗を減少させて、排気効率を上げることができる。なお、上面部51側も内側曲面部54と同様のファンネル形状としてもよく、この場合、空間SP内に入り込む空気の吸気抵抗を減少させ、吸気効率を上げることができる。
【0016】
吹出口7は、外側面部53の下端部と内側曲面部54の外端部との間に形成されるとともに、枠体5の全周に渡って無端状かつ細溝状に形成されている。なお、吹出口7は、枠体5の全周に渡る無端状で形成されたものに限らず、適宜な数に分割して形成されていてもよい。さらに、吹出口7は、細溝状に形成されたものに限らず、小径の丸孔や所定サイズの長孔などが複数並設されて構成されていてもよい。
【0017】
弾性部材8は、ゴムや樹脂等の弾性体から構成され、内側曲面部54の外端部近傍の底面に所定間隔(45°間隔)で固定されている。これらの弾性部材8は、ウェハWの凸部WB表面に当接することで、内側曲面部54の底面から凸部WBを離隔させ、枠体5とウェハWとの間に隙間K1を形成させるようになっている。すなわち、弾性部材8は、枠体5とウェハWとを直接的に接触させず、非接触でウェハWを保持可能とするように機能するとともに、当該弾性部材8との摩擦によって、非接触で保持したウェハWが面方向に移動することを規制する移動規制手段としても機能するようになっている。
【0018】
閉塞手段9は、開口Oを閉塞可能な蓋体91と、この蓋体91に出力軸92Aが連結されて枠体5の内側面部52に固定された駆動機器としての直動モータ(圧力調整手段)92とを有して構成されている。そして、閉塞手段9は、直動モータ92で蓋体91を図2中上下に駆動することで、蓋体91で開口Oを完全に閉塞するか、または枠体5と蓋体91との間に若干の隙間K2を有して閉塞することによって、形成した空間SP内を減圧状態にするとともに、空間SP内の圧力を調整することができるように構成されている。
【0019】
以上のような保持手段3は、弾性部材8を凸部WB表面に当接させて隙間K1を形成した状態で、供給管4によって枠体5および延長部6の各内部へ空気を供給することにより、吹出口7から外方に勢いよく空気を吹き出し、この吹き出した空気の流れF1に誘引され、隙間K1から排出される気流F2を発生させる。これにより、内側曲面部54がウェハWの裏面に面する領域近辺に負圧領域Xが形成され(負圧領域Xは、内側曲面部54に沿って円環状に形成され)、この負圧領域XによってウェハWを吸引保持できるようになっている。このような吸引保持力を強める場合には、供給管4からの空気の供給量を増加させて吹出口7から吹き出す空気の流速を高め、逆に吸引保持力を弱める場合には、供給管4からの空気の供給量を減少させて吹出口7から吹き出す空気の流速を遅くすればよい。
また、隙間K2を十分小さく形成するか、隙間K2を無くして閉塞し、吹出口7から外方に勢いよく空気を吹き出すことによって、空間SP内全体を減圧状態にすることもできる。この場合、ウェハWの凹部WC中間部の自重による撓みを抑制しつつ、ウェハWを吸引保持できる。このような吸引保持力を強める場合には、供給管4からの空気の供給量を増加させて吹出口7から吹き出す空気の流速を高めてもよいし、直動モータ92の駆動により蓋体91を下降させて枠体5との隙間K2を狭めて空間SP内の気圧を下げてもよい。逆に、吸引保持力を弱める場合には、供給管4からの空気の供給量を減少させて吹出口7から吹き出す空気の流速を遅くしてもよいし、蓋体91と枠体5との隙間K2を拡げて空間SP内の減圧状態を弱めてもよい。
【0020】
以上のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、吹出口7から外方に吹き出した空気によって凸部WB表面位置に負圧領域を形成してウェハWを吸引保持することで、ウェハWを非接触で支持することができ、ウェハWへの傷付きを防止することができる。さらに、ウェハWの凹部WCに対して直接的に吸引力を作用させることがないか、または凹部WCに作用する吸引力を小さくできるので、ウェハWに作用するストレスを抑制することができる。さらに、弾性部材8を凸部WB表面に当接させることにより、ウェハWの面方向への移動が規制でき、保持状態を良好に維持してウェハWを搬送することができる。さらに、搬送時にウェハWの凹部WCに作用する慣性力等に対しては、閉塞手段9によって空間SP内の減圧状態を適宜に調節することで慣性力とバランスさせることができ、凹部WCに作用するストレスを一層低減してウェハWの破損を確実に防止することができる。
【0021】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0022】
例えば、前記実施形態では、板状部材が半導体ウェハである場合を示したが、板状部材は半導体ウェハWに限定されるものではなく、ガラス板、鋼板、または、樹脂板等、その他の板状部材も対象とすることができ、半導体ウェハとしては、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハ等が例示できる。
また、前記実施形態では、外縁部の凸部WBとこの凸部WBで囲まれた凹部WCとを有したウェハWを支持対象の板状部材としたが、図3に示すように、板状部材は、平板状のものでもよく、枠体5の外形よりも大きなものでもよい。さらに、板状部材は、平面視で円形のものに限らず、多角形状等の任意形状のものでもよく、その形状は特に限定されるものではない。そして、保持手段の枠体は、板状部材の外縁に沿った環状に限らず、板状部材の支持対象位置に応じた環状に形成されていればよいため、前記実施形態のような円環状の枠体5に限定されるものではなく、任意形状の枠体が採用可能である。
また、枠体の断面形状は、前記実施形態のように所定の曲率で拡がるファンネル形状の内側曲面部54を有したものに限らず、所定の傾斜角度で拡がる円錐状や角錐状の傾斜面を有したものであってもよいし、曲面部や傾斜面部を有さずに断面直線状に形成されたものであってもよい。
【0023】
さらに、前記実施形態では、搬送装置の一部を構成する支持装置1について説明したが、本発明の支持装置は、搬送装置の一部を構成するものに限られない。そして、本発明の支持装置は、ウェハ(板状部材)を上方から支持するものに限らず、支持テーブルのようにウェハ(板状部材)を下方から支持するものであってもよい。
また、前記実施形態では、枠体5における吹出口7と板状部材(ウェハW)の外縁位置とが略同一の径方向位置に設けられ、これにより吹出口7と隙間K1の開口とが上下に並んで配置されていたが、吹出口7の位置としては、図3に示すように、板状部材(ウェハW)の外縁よりも内側に設けられていてもよいし、吹出口7から吹き出す空気の流れF1によって板状部材と枠体5との間(隙間K1)に気流F2を発生させることができる範囲であれば、板状部材の外縁よりも外側に吹出口が設けられていてもよい。また、前記実施形態では、吹出口7から吹き出す空気の流れF1によって隙間K2に気流F2を発生させ、これによってウェハWの裏面と枠体5との間に負圧領域を形成するように構成されていたが、このような構成に限られない。すなわち、例えば、前記実施形態における内側曲面部54のうち凸部WB表面と対向する位置に連通孔を形成し、この連通孔内部に負圧領域を形成するようにしてもよい。この場合には、前記実施形態のような隙間K1を形成せずに、連通孔よりも外側にて凸部WBと枠体5とを直接または環状の弾性部材を介して当接させるようにしてもよい。さらに、前記実施形態では、気体として空気を例示したが、空気以外に、窒素ガス、ネオンガス等のガスであってもよい。
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的または間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0024】
1 支持装置
3 保持手段
4 供給管(供給手段)
5 枠体
7 吹出口
8 弾性部材(移動規制手段)
9 閉塞手段
54 内側曲面部
92 直動モータ(圧力調整手段)
SP 空間
W ウェハ(板状部材)
X 負圧領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部材を一方の面側から吸引保持する保持手段と、
前記保持手段に気体を供給する供給手段とを備え、
前記保持手段は、前記板状部材の一方の面に対向可能かつ環状に形成された枠体と、この枠体に形成されて前記供給手段から供給された気体を前記板状部材の一方の面に沿った外方に吹き出す吹出口とを有し、この吹出口から吹き出した気体により当該吹出口よりも内方における前記枠体と前記板状部材の一方の面との間に負圧領域を形成して当該板状部材を保持可能に構成されることを特徴とする板状部材の支持装置。
【請求項2】
前記吹出口は、前記枠体の外周側面に沿って連続した細溝状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の板状部材の支持装置。
【請求項3】
前記保持手段は、前記板状部材の反対側から前記枠体を閉塞して当該板状部材および枠体とともに空間を形成し、当該空間内を減圧状態とすることが可能な閉塞手段を有して構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の板状部材の支持装置。
【請求項4】
前記閉塞手段は、前記空間内の圧力を調整する圧力調整手段を有して構成されていることを特徴とする請求項3に記載の板状部材の支持装置。
【請求項5】
前記枠体における環状の開口内側面は、前記板状部材に向かうにしたがって外方に曲がる凸な曲面を有して形成され、この曲面の先端部が前記板状部材の一方の面と略平行に設けられるとともに、当該先端部によって前記吹出口の端縁が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の板状部材の支持装置。
【請求項6】
前記保持手段には、前記枠体に対して前記板状部材がその面方向へ移動することを規制する移動規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の板状部材の支持装置。
【請求項7】
環状に形成されるとともに吹出口を有した枠体を板状部材の一方の面に対向して設けるとともに、前記吹出口から前記板状部材の一方の面に沿った外方に気体を吹き出し、この気体により前記吹出口よりも内方における前記板状部材の一方の面近傍に負圧領域を形成して当該板状部材を保持することを特徴とする板状部材の支持方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−15407(P2012−15407A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152107(P2010−152107)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】