説明

枚葉搬送用トレイ

【課題】ダストが発生し難く、しかも剛性に優れたスペーサを備えた枚葉搬送用トレイを提供する。
【解決手段】スペーサ25を、コアブロック40と、該コアブロック40の上下に装着された上下一対のスタック部材50・60とで構成する。上下のスタック部材50・60を耐磨耗性材で形成し、コアブロック40をスタック部材50・60に比べて強度が高い素材で形成する。コアブロック40をスタック部材50・60に比べて強度が高い素材で形成することにより、スペーサ25自身の剛性を十分に強化して、積み重ね状態におけるスペーサ25の変形や、それに伴う破損を効果的に防ぐことができる。また、コアブロック40の上下に装着されるスタック部材50・60を耐磨耗性材で形成することにより、積み重ね状態においてスペーサ25どうしが接触することに起因するダストの発生を抑えて、ワーク4の汚染を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四角枠状の外枠と、該外枠の対向辺の間に架設された複数本の桟とを有し、これら桟の上面を枚葉ワークの載置面とする枚葉搬送用トレイに関して、スペーサの破損、およびスペーサどうしの接触に起因するダストの発生を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
枚葉搬送用トレイとは、薄型表示装置のガラス基板に代表される板状物を搬送対象とするものである(例えば特許文献1参照)。本出願人は、多段に積み重ねることが可能な枚葉搬送用トレイ(以下、単にトレイと記す)を既に提案している(例えば、特願2005−214159号(以下、先行出願とする))。このトレイにおいては、積み重ねられる他のトレイの荷重を受けるとともに、外枠等の金属によって形成されている部分同士の接触によるダストの発生を防止するためのスペーサが配設されている。
【0003】
先行出願に記載のスペーサは、超高分子量(高密度)ポリエチレン(UPE)を素材とする樹脂製の一体成形品とされている。かかる樹脂を採用したのは、当該樹脂が耐磨耗性に優れ、しかも良好な機械的強度を有するため、複数枚のトレイを積み重ねた際に、上下のスペーサが互いに接触した場合でも摩耗によるダストが発生し難く、したがってダストが付着することに起因するワークの汚染を効果的に防ぐことができるからである。
【特許文献1】特開2004−168484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、大型液晶テレビのガラス基板をワークとするトレイの開発にたずさわっており、当該ガラス基板が収納されたトレイを、数十枚以上積み重ねることを予定している。しかし、上述のような樹脂製のスペーサの耐圧強度はそれ程大きくなく、したがって、重量物であるガラス基板が収容された大型のトレイを数十枚も積み重ねた場合には、積層状態の下方に存するトレイのスペーサに大きな荷重が掛かり、最悪の場合にはスペーサが破損してダストが生じて、ワーク汚染を引き起こすおそれがあった。かかる不具合は特に、近年の液晶テレビの大型化に伴うガラス基板の大型化、および積み重ねるトレイの枚数の増加により、スペーサの負担が増加したことで顕著となる。
【0005】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたものであり、ダストが発生し難く、しかも剛性に優れたスペーサを備えた枚葉搬送用トレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明は、四角枠状の外枠と、該外枠の対向辺の間に架設された複数本の桟とを有し、これら桟の上面を枚葉ワークの載置面とする枚葉搬送用トレイを対象とする。前記外枠には、複数枚の枚葉搬送用トレイを多段状の積み重ね状態とした際に、積み重ねられる他のトレイの荷重を受けるとともに、外枠等の金属によって形成されている部分同士の接触によるダストの発生を防止するためのスペーサが設けられている。そして、前記スペーサは、コアブロックと、該コアブロックの上下に装着された上下一対のスタック部材とで構成されており、前記上下のスタック部材が耐磨耗性材で形成されており、前記コアブロックが前記スタック部材に比べて強度が高い素材で形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の本発明のように、上下のスタック部材のいずれか一方に、スタック凸部を形成し、他方のスタック部材に、該スタック凸部と凹凸係合するスタック凹部を形成することができる。
【0008】
請求項3記載の本発明のように、前記コアブロックは、中空ブロック状の本体部と、該本体部から張り出し形成された腕部とを備える金属成形品とすることができる。
【0009】
請求項4記載の本発明のように、積み重ね状態からトレイを離間させるためのトレイマガジンの支持爪によって支持される被支持部を、下方のスタック部材に設け、該下方のスタック部材を前記コアブロックに装着したときに、前記被支持部が前記腕部と接触するように形成することができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明のように、コアブロックを強度の高い素材で形成していると、スペーサ自身の剛性を十分に強化して、積み重ね状態におけるスペーサの変形や、それに伴う破損を効果的に防ぐことができる。また、スペーサ本体の上下に装着されるスタック部材を耐磨耗性材で形成することにより、積み重ね状態においてスペーサどうしが接触することに起因するダストの発生を抑えて、ワークの汚染を確実に防ぐことができる。以上のように請求項1記載の本発明によれば、ダストが発生し難く、しかも剛性に優れたスペーサを得ることができる。
【0011】
請求項2記載の本発明のように、上下のスタック部材にスタック凸部とスタック凹部とを形成していると、これら両者を積み重ね状態において凹凸係合させることができ、複数枚のトレイを積み重ねて運搬するような状態において、トレイがずれ動いたり、落下したりすることを確実に防ぐことができる。
【0012】
請求項3記載の本発明のように、コアブロックに腕部を設けていると、トレイに作用するトレイマガジンの支持爪からの外力を、該腕部が主となって受け止めて、スペーサの剛性向上を図ることができる。また、本体部を中空ブロック状とすると、腕部に外力が加わった場合に中空部分が僅かに変形することによって応力を分散させることができ、更に、中空部分によってトレイの軽量化を図ることもできる。
【0013】
請求項4記載の本発明のように、積み重ね状態からトレイを離間させるためのトレイマガジンの支持爪によって支持される被支持部を、下方のスタック部材に設け、該下方のスタック部材を前記コアブロックに装着したときに、前記被支持部が前記腕部と接触するように形成していると、支持爪と下方のスタック部材との接触に由来するダストの発生を効果的に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係る枚葉搬送用トレイの実施形態について、図面を参照して説明する。図1は枚葉搬送用トレイの全体構成を示す平面図、図2は枚葉搬送用トレイを積み重ねた状態を示す図、図3はローラコンベアによる枚葉搬送用トレイの搬送状態を示す図、図4はスペーサの分解図、図5はスペーサをフレームに組み付けた状態を示す図である。なお、本実施形態においては、図1において、矢印Y1で示す方向を前後方向とし、当該方向と直交する方向(矢印Y2)を左右方向と規定する。
【0015】
図1に示すように、枚葉搬送用トレイ(以下、単に「トレイ」と記す)1は、中空四角枠状の外枠2と、この外枠2の左右の対向辺の間に架設された複数本(本実施形態では8本)の桟3とを有し、これら桟3の上面を枚葉ワーク(以下、単に「ワーク」と記す)4の載置面とする。かかるトレイ1は、図2に示すように、複数枚のトレイ1が多段状に積み重ねられた状態でクリーンルーム内に搬送され、トレイマガジン(以下、単にマガジンと記す)5によって一枚ずつ引き出される。そして、図3に示すように、搬送ローラ8を有するローラコンベア(以下、単にコンベアと記す)7に載せられ、所定の処理装置に搬送される。なお、本実施形態に係るトレイ1は、大型の液晶テレビのガラス基板をワーク4とする。
【0016】
図1に示すように、外枠2は、前後方向(Y1)に走る二本のフレーム10・10と、左右方向(Y2)に走る二本のフレーム11・11の計四本のフレームからなり、これらフレーム10・11を長方四角形状に組んだうえで、コーナー部を構成する隣り合うフレーム10・11どうしを、コーナー桟20と接合金具21とで接合してなる。
各フレーム10・11は、金属製(SUS304)の板材にプレス加工を施してなるものであって、図2および図3に示すように、外側平坦部12と、該外側平坦部12よりも低い位置に形成された内側平坦部13と、これら内側平坦部13と外側平坦部12とを繋ぐ傾斜部14とを備える。外側平坦部12には、コンベア7の搬送ローラ8で受け止められる下向きのローラ受面(以下、単に「受面」と記す)16を有するフランジ壁15が、段付き状に外方向に張り出し形成されている。
【0017】
各桟3は、SUS304などの金属を素材とする左右に長い長尺状のプレス加工品であり、図1および図2に示すように、ワーク載置面となる腹板31を有する断面ハット形に形成されている。各桟3は、左右方向の両端部が、左右のフレーム10・10の内側平坦部13・13の間に両持ち状に掛止されるとともに、ブラケット22を介して傾斜部14および外側平坦部12に支持されている。
【0018】
図2および図3において、符号34はワーク4を支持するための載置ピンを示す。この載置ピン34は、桟3の腹板31の上面の左右方向の等間隔位置に設置されている。載置ピン34は、耐摩耗性の高いPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やUPE(超高分子量ポリエチレン)等で形成されており、ワーク4を繰り返し搭載しても、摩耗によるダストが発生せず、ワーク4を汚染しない。
【0019】
外枠2の四辺を構成する各フレーム10・11の外側平坦部12には、図2および図3に示すように、トレイ1を上下に多段状に積み重ね状態とした際に、積み重ねられる他のトレイ1の荷重を受けるとともに、外枠2等の金属によって形成されている部分同士の接触によるダストの発生を防止するためのスペーサ25が設けられている。本実施形態においては、図1に示すように、各フレーム10・11の等間隔位置に三個ずつ、計十二個のスペーサ25が装着されている。
【0020】
図4および図5に示すように、各スペーサ25は、コアブロック40(図4(b))と、該コアブロック40の上面に装着される上スタック部材50(図4(a))と、コアブロック40の下面に装着された下スタック部材60(図4(c))とで構成される。なお、以下においては、図1乃至図4に示すように、前後方向(Y1)に走るフレーム10に装着されたスペーサ25を参照して説明する。
【0021】
図4(b)に示されるコアブロック40は、四角立方体状の本体部41と、該本体部41の前後側面から外方向に張り出し形成された一対の腕部42・42と、本体部41の上面中央に突設された係合凸部43と、本体部41の下面中央に凹み形成された係合凹部44とを有するアルミダイキャスト成形品である。本体部41は、左右面に開口する前後一対の空隙45・45を有する中空ブロック状を呈しており、該空隙45を区画する前後壁の外側面のそれぞれから前後の水平方向に腕部42・42が張り出し形成されている。係合凸部43は、円柱部43aと、該円柱部43aの上方に設けられて、上方に行くに従って、周側面の径寸法が小さくなるテーパー状の円錐台部43bとで構成されている。係合凹部44は、係合凸部43が案内されながら挿入され、位置決めされるよう、円柱穴部44aと、この円柱穴部44aに連通し、上方に行くに従って、対向間隔が小さくなるテーパー状の円錐台穴部44bとで構成されている。
【0022】
図4(a)に示される上スタック部材50は、係合片51によりコアブロック40の上面に装着されるフラット状のプレート体52と、プレート体52の上面中央に突設されて、コアブロック40の係合凸部43をカバーするスタック凸部53とを備え、これら係合片51、プレート体52およびスタック凸部53が一体に成形された樹脂成形品である。
スタック凸部53は、円柱部53aと、この円柱部53aの上方に設けられ、上方に行くに従って、径寸法が小さくなるテーパー状の円錐台部53bとで構成されている。これら円柱部53aと円錐台部53bの周側面の境界部、および円錐台部53bの周側面と上面との境界部は、角の無い滑らかな曲面形状とされている。
スタック凸部53の内部には、コアブロック40の係合凸部43を受け入れるための収容空隙53cが形成されており、プレート体52の下面の盤面中央には収容空隙53cに連通する開口部52aが開設されている。
【0023】
上スタック部材50には、プレート体52の左右縁に前後二本ずつ、計四本の係合片51が形成されている。各係合片51は、プレート体52の左右縁から下方に向けて片持ち状に延出されたアーム51aと、アーム51aの下端に形成された係合爪51bとで構成されており、係合爪51bがコアブロック40の空隙45の開口縁に係合することで、上スタック部材50はコアブロック40に装着固定される。
【0024】
下スタック部材60は、四本の係合片61によりコアブロック40の下面に装着される底壁部62と、底壁部62の前後の周縁から上方向に立設された前後一対の側壁部63・63と、これら側壁部63・63の上端から前後の水平方向に伸び、マガジン5の支持爪5aで受け止められる被支持部64・64とを有し、これらが一体に成形された樹脂成形品である。
底壁部62の中央部には、上スタック部材50のスタック凸部53と係合するスタック凹部65が形成されている。スタック凹部65は、円柱穴部65aと、この円柱穴部65aの上方に設けられ、上方に行くに従って、径寸法が小さくなるテーパー状の円錐台穴部65bとで構成されている。
各係合片61は、底壁部62の左右縁から二本ずつ上方に向けて片持ち状に延出されたアーム61aと、アーム61aの上端に形成された係合爪61bとで構成されており、四本の係合片61がコアブロック40の空隙45の開口縁に係合することで、下スタック部材60はコアブロック40に装着固定される。
【0025】
これらコアブロック40の腕部42、および下スタック部材60の被支持部64の中央部には、外枠2への取付用のビス70(図5参照)の挿入を許すビス孔42a・64aが通設されている。
【0026】
本実施形態に係る上下のスタック部材50・60は、耐磨耗性に優れたポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(以下、PEEK樹脂と記す)を素材とする。つまり、上下のスタック部材50・60は、耐摩耗性材で形成されている。加えて、先に述べたように、コアブロック40は金属製(アルミニウム製)としたから、当該コアブロック40は、上下のスタック部材50・60に比べて強度の高い素材で形成されている。
【0027】
以上のようなスペーサ25は、図5に示すように、係合片51・61によりコアブロック40に上下のスタック部材50・60が装着固定されてユニット部品化された状態で、ビス70によりフレーム10の外側平坦部12にビス止め固定される。そして、トレイ1を積み重ねたときには、上方側に存するトレイ1の下スタック部材60のスタック凹部65と、下方側に存するトレイ1の上スタック部材50のスタック凸部53とが凹凸係合して、トレイ1・1を上下多段状に積み上げることができる。また、図5にしめすように、マガジン5の二股状の支持爪5aがスペーサ25の被支持部64を持上げることで、積み重ね状態からトレイ1を離間させ、引き出すことができる。
【0028】
以上のような構成からなる本実施形態に係るトレイ1によれば、スペーサ25を構成するコアブロック40を強度の高い素材(アルミニウム)で形成したので、スペーサ25自身の剛性を十分に強化して、積み重ね状態におけるスペーサ25の変形や、それに伴う破損を効果的に防ぐことができる。また、コアブロック40の上下に装着されるスタック部材50・60を耐磨耗性材で形成することにより、積み重ね状態においてスペーサ25どうしが接触することに起因するダストの発生を抑えて、ワーク4の汚染を確実に防ぐことができる。これにて、ダストが発生し難く、しかも剛性に優れたスペーサ25を得ることができる。
【0029】
また、上下のスタック部材50・60にスタック凸部53とスタック凹部65とを形成したので、これら両者を図に示すように積み重ね状態において係合させることができる。これにて、複数枚のトレイ1を積み重ねて運搬するような状態において、トレイ1がずれ動いたり、落下したりすることを確実に防ぐことができる。
【0030】
耐摩耗材からなる下方側のスタック部材60に、マガジン5の支持爪5aによって支持される被支持部64を形成したので、支持爪5aと下方側のスタック部材60との接触に由来するダストの発生を効果的に防ぐこともできる。
【0031】
コアブロック40に腕部42を設けていると、トレイ1に作用するマガジン5の支持爪5aからの外力を、該腕部42が主となって受け止めて、この点でもスペーサ25の剛性向上を図ることができる。また、中空ブロック状の本体部41から腕部42を張り出し形成したので、腕部42に僅かではあるが上下方向に変位できる余地を与えることができ、したがって、応力集中により腕部42が張り出し基端部(付け根)から折れ曲がり、破損する不具合を効果的に防ぐことができる。さらに、コアブロック40に中空部を設けることにより、軽量化と材料コストの低減を図ることも可能となる。
【0032】
スタック凸部53にテーパー状の円錐台部53bを設けていると、トレイ1を上下多段状に積み重ねる際に、当該円錐台部53bの周側面がスタック凹部65の円柱穴部65aの内壁面に先当たりすることで、これらスタック凸部53とスタック凹部65の位置合わせ作業の容易化を図り、トレイ1の積み重ね作業の作業効率の向上に貢献できる。
そのうえで、円柱部53aと円錐台部53bの周側面の境界部、および円錐台部53bの周側面と上面との境界部を角の無い滑らかな曲面形状としていると、境界部の破損に起因するダストの発生を防ぐことができる。加えて、円柱部53aの周側面の高さ寸法(上下寸法)を小さくすることができるので、スタック凸部53とスタック凹部65とが係合する際の上方側のトレイ1の落下衝撃を抑えて、該トレイ1に載置されたワーク4の破損事故を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る枚葉搬送用トレイの全体構成を示す平面図である。
【図2】枚葉搬送用トレイを積み重ねた状態を示す図である。
【図3】ローラコンベアによる枚葉搬送用トレイの搬送状態を示す図である。
【図4】(a)は上スタック部材、(b)はコアブロック、(c)は下スタック部材を示している。
【図5】スペーサをフレームに組み付けた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 枚葉搬送用トレイ
2 外枠
3 桟
4 枚葉ワーク(ワーク)
5 トレイマガジン
5a 支持爪
25 スペーサ
40 コアブロック
41 コアブロックの本体部
42 コアブロックの腕部
50 スタック部材(上)
60 スタック部材(下)
64 下方側のスタック部材の被支持部
53 スタック凸部
65 スタック凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角枠状の外枠と、該外枠の対向辺の間に架設された複数本の桟とを有し、これら桟の上面を枚葉ワークの載置面とする枚葉搬送用トレイであって、
前記外枠には、複数枚の枚葉搬送用トレイを多段状の積み重ね状態とした際に、下方側のトレイの前記外枠と上方側のトレイの前記外枠とが直接接触するのを防ぐためのスペーサが設けられており、
前記スペーサは、コアブロックと、該コアブロックの上下に装着された上下一対のスタック部材とで構成されており、
前記上下のスタック部材が耐磨耗性材で形成されており、前記コアブロックが前記スタック部材に比べて強度が高い素材で形成されていることを特徴とする枚葉搬送用トレイ。
【請求項2】
上下のスタック部材のいずれか一方には、スタック凸部が形成されており、他方のスタック部材には、該スタック凸部と凹凸係合するスタック凹部が形成されている請求項1記載の枚葉搬送用トレイ。
【請求項3】
前記コアブロックが、中空ブロック状の本体部と、該本体部から張り出し形成された腕部とを備える金属成形品である請求項1又は2記載の枚葉搬送用トレイ。
【請求項4】
積み重ね状態からトレイを離間させるためのトレイマガジンの支持爪によって支持される被支持部を、下方のスタック部材に設け、該下方のスタック部材を前記コアブロックに装着したときに、前記被支持部が前記腕部と接触するように形成されている請求項3記載の枚葉搬送用トレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−140986(P2008−140986A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325747(P2006−325747)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】