説明

架橋されたポリマー粒子の高固形分調製

【課題】高固形分レベルで架橋されたポリマー粒子を調製すること。
【解決手段】高固形分レベル(すなわち、>40重量%)で架橋されたポリマー粒子を調製する方法が提供される。さらに、架橋されたポリマー粒子を調製するための反応条件を選択することによって、ゲルを形成する可能性を示すかどうかを予測する方法が提供される。さらに、反応条件を選択することによって、ゲルを形成するかしないかを予測する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋されたポリマー粒子を高固形分レベル(すなわち>40重量%)で調製する方法に関する。また本発明は、架橋されたポリマー粒子調製のための反応条件を選択することで、ゲル形成の可能性が生じるかどうかを予測する方法も提供する。また本発明は、反応条件を選択することで、ゲルが形成されるかどうかを予測する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
平均粒径が≦100nmである架橋されたポリマー粒子は、種々の用途での使用が注目され続けている。従来の化合物と比較すると、このような架橋されたポリマー粒子は、改善された機械的強度、より大きな輸送特性の制御性、より高い材料特性の調節性、増大した寸法安定性を示すことが多い。その結果、これらの架橋されたポリマー粒子は、種々の用途、たとえば、触媒反応、コーティング、医薬(たとえば制御放出)、生体構造用充填剤、電子複合材料、およびポリマー複合材料などにおいて有用となることが多い。
【0003】
平均粒径が≦100nmである架橋されたポリマー粒子を調製するために使用することができる多数の従来方法が存在し、たとえば、溶液重合法および分散重合法が挙げられる。しかしこのような従来方法では、低い固形分レベルで、これらの架橋されたポリマー粒子が生成される。架橋されたポリマー粒子を経済的に製造するためには、製造効率を改善するために比較的高い固形分レベルで製造することが望ましい。
【0004】
架橋されたポリマーの調製では、乳化重合技術も存在する。エマルジョンポリマーは、典型的には50nmを超える粒子サイズを示す。また従来、乳化重合技術は、界面活性剤をはじめとする分散剤を使用している。これらの界面活性剤を使用すると、架橋されたポリマーの最終用途において性能上の問題が発生することがある。たとえば、架橋されたポリマーを調製するために界面活性剤を使用すると、その架橋されたポリマーが組み込まれたコーティング組成物の耐水堅牢性および耐擦傷性の低下を導き得る。
【0005】
界面活性剤が存在しない(すなわち、エマルジョンを含有しない)架橋されたポリマー粒子を提供する方法の1つが、パスカルト(Pascault)らによる米国特許第6,586,097号明細書に開示されている。パスカルトらは、形成されるポリマーに対して非溶媒である非水性媒体中で10〜300nmの間の、架橋された微粒子を調製するための分散重合方法であって、
エチレン性不飽和を1つだけ含み、重合の前、過程中、または後のいずれかで安定剤の機能を有するポリマーを全く加えることなく、重合中および重合後に前記非水性媒体中で、形成された微粒子を自己安定化させる、少なくとも1種類のモノマーAと、
少なくとも2つのエチレン性不飽和を含む少なくとも1種類の化合物Bと、さらに任意に、状況に応じて、
エチレン性不飽和を1つだけ含む少なくとも1種類の化合物C、
および/または
A、B、およびCとは異なり、ラジカルの媒介する重合を進行させることができる少なくとも1つのエチレン性不飽和と、エチレン性不飽和以外の少なくとも1つの第2の反応性官能基f1とを含む少なくとも1種類の化合物D
を含むエチレン性不飽和の重合性化合物の組成の架橋微粒子を調製するための分散重合方法を開示している。しかしパスカルトらは、約25重量%の固形分レベルでの、架橋されたポリマー粒子の製造しか開示していない。
【特許文献1】米国特許第6,586,097号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、≦100nmの平均直径を有する架橋されたポリマー粒子を、>40重量%の固形分レベルにおいて製造するための経済的な方法がなお必要とされている。与えられた反応条件の組が、架橋されたポリマー粒子以外ではなくゲルを形成する可能性を示すかどうかを予測する手段も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面においては、架橋されたポリマー粒子を形成するための重合反応の反応条件の選択が、ゲルを形成する可能性を示すかどうかを予測する方法であって;反応条件が、少なくとも1種類の反応物モノマーと少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含む反応混合物を含み;前記少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;エマルジョンを含有しない重合反応を提供するように反応条件が選択され;
a)反応条件の選択がなされた重合反応中のある時点において、式(1)が満たされるかどうかを予測すること、を含む方法が提供される:
2.18<A×B×C<2.9 (1)
(式中、
Aは、式2で定義される潜在的ペンダント二重結合の全分率であり、
A=100×(架橋性モノマーの全モル分率)×(N−1) (2)
(式中、Nは、架橋性モノマー当たりの重合可能な二重結合の数である);
Bは、反応混合物のkg当たりの現存モノマーのモル数であり;および
Cは、反応混合物中のメタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、メタクリルアミドモノマー、ノルボルネンモノマー、および置換ノルボルネンモノマーの全モル分率である)。
【0008】
本発明の別の側面においては、重合反応の反応条件の選択が、ゲル形成を生じさせないかどうかを予測する方法であって;反応条件が、少なくとも1種類の溶媒と、少なくとも1種類の反応物モノマーと、少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含む反応混合物を含み;前記少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;エマルジョンを含有せず、かつ架橋されたポリマー粒子を生成する重合反応を提供するように前記反応条件が選択され;
a)反応条件の選択がなされた重合反応全体にわたって、式(1)が満たされるかどうかを予測すること、を含む方法が提供される:
A×B×C<2.18 (1)
(式中、
Aは、式2により定義される潜在的ペンダント二重結合の全分率であり、
A=100×(架橋性モノマーの全モル分率)×(N−1) (2)
(式中、Nは、架橋性モノマー当たりの重合可能な二重結合の数である);
Bは、反応混合物のkg当たりの現存モノマーのモル数であり;および
Cは、反応混合物中のメタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、メタクリルアミドモノマー、ノルボルネンモノマー、および置換ノルボルネンモノマーの全モル分率である)。
【0009】
本発明の別の側面においては、重合反応の反応条件の選択が、ゲル形成を生じさせるかどうかを予測する方法であって;反応条件が、少なくとも1種類の反応物モノマーと、少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含む反応混合物を含み;前記少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;エマルジョンを含有せず、かつ架橋されたポリマー粒子を生成する重合反応を提供するように反応条件が選択され;
a)反応条件の選択がなされた重合反応全体にわたって、式(1)が満たされるかどうかを予測すること、を含む方法が提供される:
A×B×C>2.9 (1)
(式中、
Aは、式2で定義される潜在的ペンダント二重結合の全分率であり、
A=100×(架橋性モノマーの全モル分率)×(N−1) (2)
(式中、Nは、架橋性モノマー当たりの重合可能な二重結合の数である);
Bは、反応混合物のkg当たりの現存モノマーのモル数であり;および
Cは、反応混合物中のメタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、メタクリルアミドモノマー、ノルボルネンモノマー、および置換ノルボルネンモノマーの全モル分率である)。
【0010】
本発明の別の側面においては、重合反応の反応条件を選択するための本発明の予測方法の使用を提供する。
【0011】
本発明の別の側面においては、架橋されたポリマー粒子を調製する方法であって、溶媒と反応物とを容器に加えて反応混合物を形成する工程と、反応物を反応させて、架橋されたポリマー粒子を形成する工程とを含み;前記溶媒が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル、エステル、水、アルコール、およびそれらの混合物から選択され;前記反応物が、少なくとも1種類の反応物モノマーと、少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含み;前記少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;前記少なくとも1種類の架橋性モノマーが、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、およびトリエチレングリコールジメタクリレートから選択され;前記反応物が、少なくとも30分かけて徐々に容器に供給され;前記架橋されたポリマー粒子が≦50nmの平均粒径を有し;該方法が、架橋されたポリマー粒子の固形分レベル>40重量%を生じさせ;かつ、該方法がエマルジョンを含有しない、方法が提供される。
【0012】
本発明の別の側面においては、架橋されたポリマー粒子を調製する方法であって、溶媒と反応物とを容器に加えて反応混合物を形成する工程と、反応物を反応させて、架橋されたポリマー粒子を形成する工程とを含み;前記溶媒が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル、エステル、水、アルコール、およびそれらの混合物から選択され;前記反応物が、少なくとも1種類の反応物モノマーと、少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含み;式(1)が方法を通して満たされるように前記反応物とプロセス条件との選択が行われ:
A×B×C<2.18 (1)
(式中、
Aは、式2で定義される潜在的ペンダント二重結合の全分率であり、
A=100×(架橋性モノマーの全モル分率)×(N−1) (2)
(式中、Nは、反応物モノマー中の架橋性モノマー当たりの重合可能な二重結合の数である);
Bは、反応混合物のkg当たりの現存モノマーのモル数であり;および
Cは、反応混合物中のメタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、メタクリルアミドモノマー、ノルボルネンモノマー、および置換ノルボルネンモノマーの全モル分率である);
前記少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;前記少なくとも1種類の架橋性モノマーが、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、およびトリエチレングリコールジメタクリレートから選択され;前記反応物が、少なくとも30分かけて徐々に容器に供給され;前記架橋されたポリマー粒子が≦50nmの平均粒径を有し;該方法が、架橋されたポリマー粒子の固形分レベル>40重量%を生じさせ;該方法がエマルジョンを含有しない、方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書において画定されるすべての値は、境界値を含み、組み合わせ可能である。
【0014】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される用語「エマルジョン」は、少ない割合の乳化剤によって懸濁状態で維持された2種類以上の非混和性液体の安定な混合物を意味する。
【0015】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される用語「ゲル」は、重量平均分子量Mが≧10,000,000となるポリマーを意味する。
【0016】
ある実施形態においては、本発明の方法は、溶液重合、分散重合、懸濁重合、または沈殿重合を伴うことができる。
【0017】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される用語「溶液重合」は、ポリマーのための溶媒中で行われる重合を意味する。
【0018】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される用語「ポリマーのための溶媒」は、与えられた架橋されたポリマー粒子の組成中に存在するものと実質的に類似した重合モノマー単位を有する線状ランダム(コ)ポリマーが、その溶媒に対して可溶性である、またはその溶媒中で膨潤することを意味する。
【0019】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される用語「分散重合」は、生成されるポリマーが不溶性となるが、それにもかかわらず、たとえば静電的または立体的な安定化によって均一相として残存する溶媒中で行われる重合を意味する。
【0020】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される用語「懸濁重合」は、生成されるポリマーが不溶性となるが、それにもかかわらず、たとえば静電的または立体的な安定化によって安定な2相系として残存する溶媒中で行われる重合を意味する。
【0021】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される用語「沈殿重合」は、生成されるポリマーが不溶性となる溶媒中で行われる重合を意味する。
【0022】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される用語「現存(standing)モノマー」は、重合過程中に反応容器中に存在する未反応モノマーを意味する。現存モノマーは、「工程中モノマー」と呼ばれる場合もあり、通常は反応混合物のパーセントまたはppmで表現される。
【0023】
重合過程中の反応容器中に存在する現存モノマーの濃度は、種々のプロセスパラメータ、たとえば、反応物モノマーの供給速度、反応物モノマーの組成、開始剤のレベル、架橋性モノマーのレベル、溶媒、温度、および圧力などに依存する。これらのプロセスパラメータの選択は、たとえば、所望の架橋されたポリマー粒子組成、平均粒径、および生成物溶液中の固形分レベルに依存する。当然ながら、プロセスパラメータと生成物の特性とのあらゆる所望の組み合わせが両立できるわけではない。すなわち、他のすべてが同じであるなら、架橋されたポリマー粒子を高固形分(すなわち、>40重量%)において製造することが望ましい場合が多い。にもかかわらず、プロセス条件の組み合わせの多くでは、高固形分における架橋されたポリマー粒子の製造をもたらさない。すなわち、プロセス条件の組み合わせの多くでは、架橋されたポリマー粒子ではなくゲルが生成が導かれる。したがって、与えられたプロセス条件の組によって、ゲルを形成する可能性が生じるかどうかを予測する手段が望まれている。
【0024】
ある実施形態においては、本発明の方法は、フリーラジカル重合機構、アニオン重合機構、カチオン重合機構、金属触媒重合機構、および縮合重合機構をはじめとする方法の使用を含み得る。
【0025】
本発明の方法のある実施形態においては、フリーラジカル開始剤を反応混合物中に含めることができる。本発明に使用すると好適なフリーラジカル開始剤としては、たとえば、ペルオキシエステル、ジアルキルペルオキシド、アルキルヒドロペルオキシド、過硫酸塩、アゾ開始剤、レドックス開始剤、およびそれらの組み合わせ;あるいは、過酸化ベンゾイル、過オクタン酸t−ブチル、ペルオキシピバル酸t−アミル、クメンヒドロペルオキシド、アゾイソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態において、反応混合物中のフリーラジカル開始剤の量は、0.05〜10重量%(反応物モノマーおよび架橋性モノマーの全重量を基準とする)の範囲であり得る。
【0026】
本発明の方法のある実施形態においては、アニオン性開始剤を反応混合物中に含めることができる。本発明に使用すると好適なアニオン性開始剤としては、たとえば、有機リチウム、有機ナトリウム、有機カリウム、グリニャール試薬、およびそれらの組み合わせ;あるいは、ブチルリチウム、ナトリウムナフタリド、液体アンモニア、カリウムアミド、カリウムt−ブトキシド、カリウム金属、アミルナトリウム、およびそれらの組み合わせ;あるいはブチルリチウムを挙げることができる。ある実施形態においては、反応混合物中のアニオン性開始剤の量は、0.05〜10重量%(反応物モノマーおよび架橋性モノマーの全重量を基準とする)の範囲であり得る。
【0027】
本発明の方法のある実施形態においては、カチオン性開始剤を反応混合物中に含めることができる。本発明に使用すると好適なカチオン性開始剤としては、たとえば、プロトン酸、ルイス酸、陽イオンを発生させることができる化合物、電離放射線、またはそれらの組み合わせ;あるいは、塩酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化スズ、臭化スズ、塩化アンチモン、塩化チタン(IV)、二塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヨウ素、およびそれらの組み合わせ;あるいは三塩化アルミニウムを挙げることができる。ある実施形態において、反応混合物中のカチオン性開始剤の量は0.05〜10重量%(反応物モノマーおよび架橋性モノマーの全重量を基準とする)の範囲であり得る。
【0028】
本発明の方法のある実施形態においては、金属触媒重合開始剤を反応混合物中に含めることができる。本発明に使用すると好適な金属触媒重合開始剤としては、たとえば、ビス(トリシクロヘキシルホスフェン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリド、2,6−ジイソプロピルフェニルイミドネフィリデン[(S)=BIPHEN]モリブデン(VI)(シュロック−ホベイダ(Schrock−Hoveyda)触媒)、2,6−ジイソプロピルフェニルイミドネフィリデンモリブデン(VI)ビス(t−ブトキシド)、2,6−ジイソプロピルフェニルイミドネフィリデン(IV)ビス(ヘキサフルオロ−t−ブトキシド)(シュロック(Schrock)触媒)、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態において、反応混合物中の金属触媒重合開始剤の量は、0.05〜10重量%(反応物モノマーおよび架橋性モノマーの全重量を基準とする)の範囲であり得る。
【0029】
本発明の方法のある実施形態においては、触媒を反応混合物中に含めることができる。たとえば、反応機構が縮合重合である場合、反応混合物は、触媒、たとえば、酸、塩基、金属酢酸塩、およびアルカリ金属を含むことができる。酸触媒としては、たとえば、塩酸、p−トルエンスルホン酸、メチレンスルホン酸、およびショウノウスルホン酸を挙げることができる。塩基触媒としては、たとえば、金属アルコキシド、たとえばナトリウムメトキシドおよびカリウムメトキシドを挙げることができる。金属酢酸塩触媒としては、たとえば、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸コバルト、酢酸バリウム、および酢酸マグネシウムを挙げることができる。アルカリ金属触媒としては、たとえばナトリウムおよびカリウムを挙げることができる。ある実施形態において、反応混合物中の触媒量は0.05〜10重量%(反応物モノマーおよび架橋性モノマーの全重量を基準とする)の範囲であり得る。
【0030】
ある実施形態においては、反応混合物は無機粒子を含むことができる。本発明に使用すると好適な無機粒子としては、たとえば、クレー(合成および天然のいずれも)、シリカ(コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、非晶質シリカ)、シリカゾル、二酸化チタン、金属(たとえば、アルミナ、ジルコニア)、金属酸化物(たとえば、酸化セシウム、酸化アルミナ、酸化イットリウム、酸化アンチモン)、金属窒化物、無機顔料、金属炭化物、金属硫化物、金属ケイ酸塩、金属ホウ化物、金属炭酸塩、ゼオライト、およびカーボンナノチューブを挙げることができる。ある実施形態においては、反応混合物中の無機粒子の平均粒径は、たとえば1〜1,000nmの間、あるいは1〜50nmの間、あるいは1〜40nmの間、あるいは≦30nm、あるいは≦25nm、あるいは≦10nm、あるいは≦8nm、あるいは≦4nmである。
【0031】
ある実施形態においては、反応混合物は無機前駆体を含むことができる。本発明に使用すると好適な無機前駆体としては、たとえば、オルガノシラン、有機ジルコネート、有機チタネート、金属アルコキシド、金属ジケトネート、および金属カルボキシレートを挙げることができる。
【0032】
本発明の方法のある実施形態においては、連鎖移動剤を反応混合物中に含めることができる。本発明に使用すると好適な連鎖移動剤としては、たとえば、アルキルメルカプタン、亜リン酸、活性化水素を有する芳香族炭化水素、ハロゲン化アルキル、アルコール、およびそれらの混合物;あるいは、ドデシルメルカプタン、トルエン、ブロモトリクロロメタン、イソプロパノール、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0033】
本発明の方法のある実施形態においては、少なくとも1種類の反応物モノマーは、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択することができ、あるいは、少なくとも1種類の反応物モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ビニルイミダゾール、およびそれらの組み合わせから選択することができ、あるいは、少なくとも1種類の反応物モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸およびそれらの組み合わせから選択することができ、あるいは、少なくとも1種類の反応物モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、およびそれらの組み合わせから選択することができる。
【0034】
本発明の方法のある実施形態においては、溶媒は、水性溶媒系および非水性溶媒系、ならびにそれらの組み合わせから選択することができる。本発明に使用すると好適な溶媒としては、たとえば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル、エステル、水、アルコール、およびそれらの混合物を挙げることができ、あるいは、溶媒は、エステル、エーテル、アルコール、水、およびそれらの混合物から選択することができ、あるいは、溶媒は、エステル、アルコール、水、およびそれらの混合物から選択することができ、あるいは、溶媒は、ドデカン、デカン、メシチレン、キシレン、ジフェニルエーテル、酢酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アルキルアルコール、およびそれらの混合物から選択することができ、あるいは、溶媒は、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アルキルアルコール、水、およびそれらの混合物から選択することができ、あるいは、溶媒は、イソプロパノール、およびイソプロパノールと水との混合物から選択することができる。
【0035】
本発明の方法のある実施形態においては、少なくとも1種類の架橋性モノマーは、たとえば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、およびトリエチレングリコールジメタクリレートから選択することができ、あるいは、少なくとも1種類の架橋性モノマーは、TMPTA、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートから選択することができ、あるいは、少なくとも1種類の架橋性モノマーはTMPTAであってよい。
【0036】
本発明の方法のある実施形態においては、予想されるまたは実際の架橋されたポリマー粒子は、平均粒径が≦100nm、あるいは≦50nm、あるいは≦40nm、あるいは≦35nm、あるいは≦30nm、あるいは≦25nm、あるいは≦20nm、あるいは≦15nm、あるいは≦10nm、あるいは≦8nm、あるいは≦5nm、あるいは≦4nm、あるいは≦2nm、あるいは≦1nmを示すことができる。
【0037】
本発明の架橋されたポリマー粒子の平均粒径は、分析技術、たとえば、標準的な動的光散乱、小角中性子散乱、NMR拡散、X線散乱、およびゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定することができる。
【0038】
本発明の架橋されたポリマー粒子のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による溶出時間は、その平均粒径の指標を与えうる。架橋されたポリマー粒子のサイズは、架橋されたポリマー粒子を既知の分子量および流体力学的半径を有するポリスチレン標準と比較することによって決定することができる。使用されるゲル浸透クロマトグラフィー法では、10ミクロンのPLゲルを含むカラムを使用して、架橋されたポリマー粒子の溶出時間をポリスチレン標準の溶出時間と比較する。
【0039】
本発明の予測方法のある実施形態において、予測した重合反応の産出物は、任意の固形分レベルを示すことができ、あるいは≧30重量%、あるいは≧35重量%、あるいは≧40重量%、あるいは>40重量%、あるいは≧45重量%、あるいは>45重量%、あるいは>47重量%、あるいは≧50重量%、あるいは≧55重量%、あるいは≧60重量%、あるいは≧65重量%を示すことができる。
【0040】
本発明の調製方法のある実施形態においては、実際の重合反応の産出物が、>40重量%、あるいは≧45重量%、あるいは>45重量%、あるいは>47重量%、あるいは≧50重量%、あるいは≧55重量%、あるいは≧60重量%、あるいは≧65重量%の架橋されたポリマー粒子の固形分レベルを示すことができる。
【0041】
秤量した最終溶液試料を固形分用の天秤上にのせ、揮発分が発生しなくなるまで試料を160℃に加熱し、蒸発した揮発性非固形分物質の重量を測定することにより、本発明の調製方法によって生成した架橋されたポリマー粒子の最終溶液の固形分レベルを測定することで、架橋されたポリマー粒子の固形分レベルを決定することができる。初期重量から減少重量を引いた値を初期重量で割り100を掛けることで、調製方法で生成した架橋されたポリマー粒子の最終溶液の重量%固形分レベルが与えられる。
【0042】
本発明の方法のある実施形態においては、少なくとも1種類の反応物モノマーおよび少なくとも1種類の架橋性モノマーのシミュレートされた供給または実際の供給は、たとえば、連続、漸次添加、段階的、一定時間ごと、またはパルス;あるいは連続または漸次添加;あるいは漸次添加であってよい。
【0043】
連続供給の一例は、重合反応の進行全体にわたる反応物の連続的添加である。連続供給の組成は、重合反応の進行にわたって変化させることができる。
【0044】
漸次添加供給の一例は、重合反応が進行している間全体にわたる反応物の反応容器への反応物の漸次的な添加である。ある実施形態においては、少なくとも1種類の反応物モノマーと少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含む供給が反応容器に、少なくとも30分、あるいは少なくとも40分、あるいは少なくとも50分、あるいは少なくとも1時間、あるいは少なくとも2時間、あるいは少なくとも3時間かけて徐々に加えられ得る。
【0045】
ある実施形態においては、本発明の重合方法の全反応時間は、たとえば、2秒〜24時間、あるいは1時間〜20時間、あるいは1〜3時間、あるいは3〜15時間であり得る。
【0046】
パルス供給の一例は、反応物が反応容器に複数回添加され、その各添加が反応物が供給されない時間間隔によって分断されるパルス添加である。各添加の間の時間間隔は、同じ場合もあるし、異なる場合もある。また、反応物の各添加の実際の体積および組成も、同じ場合もあるし、異なる場合もある。
【0047】
ある実施形態においては、本発明の調製方法における反応混合物を、重合反応全体で与えられた温度に維持することができる。あるいは、反応混合物の温度を、重合反応進行中に変化させることもできる。本発明の調製方法においては、反応混合物は、典型的には−30℃〜150℃の間、あるいは0℃〜120℃の間、あるいは30℃〜90℃の間の与えられた温度に維持される。
【0048】
本発明の予測方法のある実施形態においては、現存モノマー濃度Bを、たとえば動的重合シミュレーションを用いて予測することができる。すなわち、反応物モノマー、架橋性モノマー、供給速度、反応混合物中の全成分の質量などを含む対象の重合の反応条件が与えられると、一連の対になった微分方程式が誘導され、反応混合物中の異なる成分の質量が経時によりどのように変化するかを予測することができる。次にこれらの対になった微分方程式を、例えばAspen Custom Modeler(登録商標)バージョン11.1(マサチューセッツ州ケンブリッジのアスペン・テクノロジー・インコーポレイテッド(Aspen Technology,Inc.,Cambridge,MA)より商業的に入手可能)をはじめとする動的シミュレーションツールを使用して時間で前方に数値積分して、重合反応中の任意の時間における反応混合物中の成分の質量を予測することができる。
【0049】
反応混合物中の各不活性成分(たとえば、溶媒、反応しない他の添加物)に関する式は以下のように誘導される:
【0050】
【数1】

【0051】
(上式中、流れ(S)は、質量/単位時間の単位での反応容器への不活性成分Sの供給速度である)。
【0052】
反応混合物中に含まれる各不活性成分ごとに、タイプ(1)の式が1つ誘導される。
【0053】
反応混合物中に含まれる開始剤に関する式は以下のように誘導される:
【0054】
【数2】

【0055】
(式中、「流れ(I)」は開始剤の供給速度であり、kは開始剤の分解速度定数であり、fcat_effは開始剤効率であり、[I]はモル/リットルの単位での開始剤のモル濃度であり、MWは開始剤の分子量であり、「体積」は反応混合物の全成分の体積の合計である)。
【0056】
反応混合物中に含まれる各開始剤ごとに、タイプ(2)の式が1つ誘導される。
【0057】
反応混合物中に含まれる反応物モノマーおよび架橋性モノマーのための式は以下のように誘導される:
【0058】
【数3】

【0059】
(式中、「流れ(M)」はモノマーjの供給速度であり、kprop(i,j)は、モノマーjに付加するタイプiのラジカルについての速度定数であり、kTr_Mon(i,j)は、モノマーjに移行するタイプiのラジカルについての速度定数であり、λは全体のラジカルの濃度であり、f(i)はタイプiのラジカルの分率であり、[M]はモノマーjのモル濃度であり、MWM(j)はモノマーjの分子量である)。
【0060】
反応混合物中に含まれる各反応物モノマーおよび架橋性モノマーごとに、タイプ(3)の式が1つ誘導される。
【0061】
タイプ(3)の各式中に含まれるλに関する式は以下のように誘導される:
【0062】
【数4】

【0063】
(式中、kterm,combおよびkterm,dispは、それぞれ連結および不均化による反応停止についての速度定数であり、他の変数は前記定義の通りである)。
【0064】
タイプ(3)の各式中に含まれる各f(i)項に関する式は、以下のように誘導される式(5)の組を使用して決定される。
【0065】
組のパートAは、鎖末端に位置するモノマーベースのラジカルに対するものである。k番目のモノマーについて誘導される式は以下の通りである:
【0066】
【数5】

【0067】
(式中、kTr_A(k,i)は、タイプiの連鎖移動剤に移行するタイプkのラジカルについての速度定数であり、[CTA]は連鎖移動剤iのモル濃度であり、[DB]はペンダント二重結合mのモル濃度であり、他の変数は前記定義の通りである)。
【0068】
反応混合物中に含まれる各反応物モノマーおよび架橋性モノマーごとにタイプ(5a)の式が1つ誘導される。
【0069】
組のパートBは、反応してラジカルになるペンダント二重結合に対するものである。k番目のペンダント二重結合について誘導される式は以下の通りである:
【0070】
【数6】

【0071】
(式中の変数は前記定義の通りである)。
【0072】
反応混合物中に含まれる各ペンダント二重結合ごとにタイプ(5b)の式が1つ誘導される。
【0073】
組のパートCは、反応してラジカルになる連鎖移動剤に対するものである。k番目の連鎖移動剤について誘導される式は以下の通りである:
【0074】
【数7】

【0075】
(式(5c)中の変数は前記定義の通りである)。
【0076】
反応混合物中に含まれる各連鎖移動剤ごとにタイプ(5c)の式が1つ誘導される。
【0077】
タイプ(5a)、(5b)、および(5c)の式は、任意の開始剤のラジカルを除いた反応混合物中のすべての種類のラジカルを考慮している。
【0078】
反応混合物中の開始剤のラジカルの分率に関する式は、条件から以下のように誘導することができる。
【0079】
【数8】

【0080】
反応混合物中の連鎖移動剤に関する式は以下のように誘導される:
【0081】
【数9】

【0082】
(式中、「流れ(CTA)」は連鎖移動剤jの供給速度であり、MWCTA(j)は連鎖移動剤jの分子量であり、他の変数は前記定義の通りである)。
【0083】
反応混合物の体積に関する式は以下のように誘導される:
【0084】
【数10】

【0085】
(式中、d(i)は成分iの密度である)。
【0086】
反応混合物中に存在する異なる種類のポリマーセグメントの質量に関する式は以下のように誘導することができる。
【0087】
開始剤フラグメント由来のポリマーセグメントに関する式は以下のように誘導される:
【0088】
【数11】

【0089】
(式中、質量 セグメント(I)は開始剤フラグメント由来のポリマーセグメントの質量であり、MWInit−fragは開始剤フラグメント由来のポリマーセグメントの分子量である)。
【0090】
架橋していないモノマーに由来するポリマーセグメントに関する式は以下のように誘導される:
【0091】
【数12】

【0092】
(式中の変数は前記定義の通りである)。
【0093】
反応混合物中に含まれる架橋していない各反応物モノマーごとにタイプ(8)の式が1つ誘導される。
【0094】
架橋性モノマーに関しては複数の式を誘導することができる。かかるモノマーが異なる種類のポリマーセグメントを生成するのであれば、所与の架橋性モノマーに関して複数の式を誘導する必要がある場合がある。
【0095】
さらに反応可能な架橋性モノマー由来のポリマーセグメントに関する一般式は以下のように誘導される:
【0096】
【数13】

【0097】
(式中、質量 セグメント(DB)は、タイプjのさらに反応可能な架橋性モノマーに由来するポリマーセグメントの質量であり、[DBP]はDB前駆体のモル濃度であり、MWDB(j)はDBの分子量であり、他の変数は前記定義の通りである)。
【0098】
さらに反応することはできない架橋性モノマーに由来するポリマーセグメントに関する式は以下のように誘導される:
【0099】
【数14】

【0100】
(式中の変数は前記定義の通りである)。
【0101】
式(10a)および(10b)の誘導をさらに説明するために、架橋性モノマーTMPTAについて考えてみる。TMPTAは三官能性架橋性モノマーである。したがって、TMPTAからは、3種類のポリマーセグメント、すなわち、DB(すなわち、2つのペンダント二重結合を有するポリマーセグメント)、DB(すなわち、1つのペンダント二重結合を有するポリマーセグメント)、およびDB(すなわち、ペンダント二重結合が存在しないポリマーセグメント)が生じる。タイプDBおよびDBのポリマーセグメントは、タイプ10aの式で表される。タイプDBのポリマーセグメントは、タイプ10bの式で表される。架橋性モノマーとしてTMPTAを使用するこの例では、ポリマーセグメントDBの前駆体が架橋性モノマーTMPTAであり、ポリマーセグメントDBの前駆体がDBであり、DBの前駆体がDBであることに注意されたい。
【0102】
式(1)〜(10)の組は、与えられた反応条件の組に対して誘導することができる。次に、これらの式は、動的シミュレーションツール(たとえばAspen Custom Modeler(登録商標))を使用して解いて数値積分することで、反応混合物Bのkg当たりの現存モノマーのモル数で重合過程全体にわたる任意の時間における現存モノマーレベルを予測することができる。
【実施例】
【0103】
これより、本発明の幾つかの実施形態を、以下の実施例において詳細に説明する。
【0104】
実施例1:予測方法
約45重量%の固形分レベルにおいて、架橋されたポリマー粒子を形成するための重合反応を以下のようにシミュレートした。
【0105】
シミュレートした反応条件は、20重量%のアクリル酸(AA)、35重量%のアクリル酸ブチル(BA)、35重量%のメタクリル酸メチル(MMA)、および10重量%のTMPTAの全反応物供給材料と、溶媒としてのイソプロパノールとを含んだ。
【0106】
AおよびCの値は、全反応物供給材料から以下のように決定することができる。全供給材料の重量基準は、以下のようにモル基準に変換することができる(全モノマーを100gと仮定)。
AAのモル数=20/72=0.2778、
BAのモル数=35/128=0.2734、
MMAのモル数=35/100=0.35、および
TMPTAのモル数=10/298=0.0336
これらの値の合計から全モル数(全モノマーを100gと仮定)が0.9348と求められる。したがって種々の反応物モノマーおよび架橋性モノマーのモル分率を以下のように計算した。
AAのモル分率=0.2778/0.9348=0.2972、
BAのモル分率=0.2734/0.9348=0.2925、
MMAのモル分率=0.35/0.9348=0.3744、および
TMPTAのモル分率=0.0336/0.9348=0.0359
【0107】
したがって、シミュレートした重合のAは以下のように計算することができる。
A=100×(0.0359)×(3−1)=7.18
【0108】
また、以上からCを決定することができ、これはMMAのモル分率の0.3744である。
【0109】
シミュレートした重合反応は、456gの溶媒イソプロパノールを含む反応容器で開始し、次いで、反応物モノマーおよび架橋性モノマーを以下のように漸次添加した(単位はg/時間)。
【0110】
【表1】

【0111】
以下の開始剤分解パラメータを式中に使用した。すなわち:
【0112】
【表2】

【0113】
以下の成長速度定数を式中に使用した(すべてリットル/{モル×時間}の単位)。
【0114】
【表3】

【0115】
モノマーへの全連鎖移動の速度定数kTr_monは、1リットル/{モル×時間}でに等しかった。
【0116】
続いて、以下のイソプロパノールへの連鎖移動速度定数を使用した(すべてリットル/{モル×時間}の単位)。
【0117】
【表4】

【0118】
すべての反応停止速度定数kterm,combは3.6×1011リットル/{モル×時間}に等しかった。
【0119】
すべての反応停止速度定数kterm,dispは1リットル/{モル×時間}に等しかった。
【0120】
シミュレートした反応混合物中の種々の成分の分子量は以下通りであった(単位はg/モル)。
【0121】
【表5】

【0122】
シミュレートした反応混合物中の種々の成分の密度は以下の通りであった(単位はg/cm)。
【0123】
【表6】

【0124】
上述のすべての定数の値は、便覧および公開文献をはじめとする標準的な情報源に見いだすことができる。にもかかわらず、当業者は、実際の実験観察に基づいてかかる定数の値を調整することができると認識している。TMPTA単独重合の場合の速度定数k、kterm,comb、およびkpropは、15重量%固形分における実際の実験から得られた結果に基づいてわずかに調整したことに留意する。
【0125】
前述のシミュレートしたプロセスパラメータおよび速度定数で、本明細書に記載されたように誘導した式(1)〜(10)の組をAspen Custom Modeler(登録商標)に入力すると、最大現存モノマーレベルが、シミュレートした供給材料中で45分において実現されると予測され、最大現存モノマーレベル(単位ppm)は以下の通りである。
【0126】
【表7】

【0127】
これらのシミュレートした現存モノマーレベルは下式の係数を掛けることによって、以下の表のように単位(DBモル/反応混合物kg)に変換することができる。
【0128】
【数15】

【0129】
【表8】

【0130】
したがって、シミュレートした重合反応の値Bは以下のように計算することができる。
B=0.2646+0.2604+0.1791+0.0437
=0.7478mol/反応混合物のkg
【0131】
したがって、上記のシミュレートした重合方法の場合、
A×B×C=7.18×0.7478×0.3744=2.01<2.18
である。
【0132】
本発明の予測方法によると、対象であるシミュレートした重合反応はゲルを形成しない。対象であるシミュレートした重合反応を実際に行うと(実施例9参照)、本発明の予測方法によって予測されるように、ゲルの形成は見られなかった。
【0133】
実施例2〜29:重合
以下の実施例はすべて、反応容器として4口の3,000mL丸底フラスコを使用して実施した。窒素パージガス流出口を有する水冷式還流冷却器、IRトウTCアダプター・モデルTCA/1(IR Tow TC Adapter Model TCA/1)温度制御装置に接続された熱電対、Fisher Maxima(商標)デジタル撹拌モータによって制御されるガラス製Cスターラー、および1/4インチ管を取り付けたQG−50 FMIポンプによって制御されるモノマー供給ラインを、対象のフラスコに取り付けた。スタコ・エナジー・プロダクツ(Staco Energy Products)の120Vバリアック・タイプ3PN1010モデル(120V Variac Type 3PN1010)、またはスーペリア・エレクトリック・カンパニー(Superior Electric Company)のタイプ3PN16Cモデル(Type 3PN16C)のいずれかと接続したマントルヒーターを使用して、反応容器の内容物を加熱した。使用した全反応物は、メトラーPC8000(Metler PC 8000)天秤を使用して秤量した。
【0134】
個々の実施例の処方、供給速度、および重合時間を表1に示す。
【0135】
実施例2〜29のそれぞれについて以下の基本手順を使用した。
【0136】
ヒールチャージを反応容器に加え、窒素スイープ下で凝縮器に水を流しながら79℃まで加熱した。この温度で、反応物混合物(表1に記載の反応物モノマー、架橋性モノマー、開始剤、および追加の溶媒)を、表1に記載の供給時間にわたって一定速度で、反応容器に供給した。
【0137】
反応物混合物供給開始から10分、15分、およびこの後15分ごとに、5mLのサンプルを反応容器から採取した。これらの5mLアリコートの反応混合物は、サムコ(Samco)263トランスファーピペットを使用して反応器からそれぞれ抜き取り、約10mgのMEHQが入った1オンスのガラス瓶に移し、続いて氷冷してさらなる重合を停止させた。反応物混合物供給終了時点で、さらにその温度で30分反応を維持し、続いて表1に記載の追加の開始剤チェイスを一度に加え、その温度でさらに150分維持した。
【0138】
実施例2〜29のそれぞれで実施した重合で、ゲルが形成されたかどうかを決定するため観察した。これらの観察の結果を表2に示す。
【0139】
また、実施例2〜29で実施した重合反応から採取した5mLのサンプルの全てについて、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーまたは液体注入ガスクロマトグラフィーのいづれかによって、現存モノマー含有率をそれぞれ分析した。実施例2〜29のそれぞれで測定した最大現存モノマー含有率を表2に示す。また、実施例2〜29のそれぞれのAおよびCの値もA×B×Cの積とともに表2に示している。また、各実施例の重合の固形分も表2に示している。
【0140】
【表9】

【0141】
【表10】

【0142】
【表11】

【0143】
【表12】

【0144】
【表13】

【0145】
【表14】

【0146】
【表15】

【0147】
【表16】

【0148】
【表17】

【0149】
【表18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋されたポリマー粒子を形成するための重合反応の反応条件の選択が、ゲルを形成する可能性を示すかどうかを予測する方法であって;前記反応条件が、少なくとも1種類の反応物モノマーと少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含む反応混合物を含み;前記少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;エマルジョンを含有しない重合反応を提供するように反応条件が選択され;
a)反応条件の選択がなされた重合反応中のある時点において、式(1)が満たされるかどうかを予測することを含む方法:
2.18<A×B×C<2.9 (1)
(式中、
Aは、式2により定義される潜在的ペンダント二重結合の全分率であり、
A=100×(架橋性モノマーの全モル分率)×(N−1) (2)
(式中、Nは、架橋性モノマー当たりの重合性二重結合の数である);
Bは、反応混合物のkg当たりの現存モノマーのモル数であり;及び
Cは、反応混合物中のメタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、メタクリルアミドモノマー、ノルボルネンモノマー、および置換ノルボルネンモノマーの全モル分率である)。
【請求項2】
重合反応が、架橋されたポリマー粒子の固形分レベル>40重量%を生じさせる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
重合反応の反応条件の選択が、ゲル形成を生じさせないかどうかを予測する方法であって;前記反応条件が、少なくとも1種類の溶媒と、少なくとも1種類の反応物モノマーと、少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含む反応混合物を含み;前記少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;エマルジョンを含有せず、かつ架橋されたポリマー粒子を生成する重合反応を提供するように、前記反応条件が選択され;
a)反応条件の選択がなされた重合反応全体にわたって、式(1)が満たされるかどうかを予測することを含む方法:
A×B×C<2.18; (1)
(式中、
Aは、式2で定義される潜在的ペンダント二重結合の全分率であり、
A=100×(架橋性モノマーの全モル分率)×(N−1) (2)
(式中、Nは、架橋性モノマー当たりの重合性二重結合の数である);
Bは、反応混合物のkg当たりの現存モノマーのモル数であり;さらに
Cは、反応混合物中のメタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、メタクリルアミドモノマー、ノルボルネンモノマー、および置換ノルボルネンモノマーの全モル分率である)。
【請求項4】
重合反応が、架橋されたポリマー粒子の固形分レベル>40重量%を生じさせる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
重合反応の反応条件の選択が、ゲル形成を生じさせるかどうかを予測する方法であって;前記反応条件が、少なくとも1種類の反応物モノマーと、少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含む反応混合物を含み;前記少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;エマルジョンを含有せず、かつ架橋されたポリマー粒子を生成する重合反応を提供するように、前記反応条件が選択され;
a)反応条件の選択がなされた重合反応全体にわたって、式(1)が満たされるかどうかを予測することを含む方法:
A×B×C>2.9; (1)
(式中、
Aは、式2で定義される潜在的ペンダント二重結合の全分率であり、
A=100×(架橋性モノマーの全モル分率)×(N−1) (2)
(式中、Nは、架橋性モノマー当たりの重合性二重結合の数である);
Bは、反応混合物のkg当たりの現存モノマーのモル数であり;
Cは、反応混合物中のメタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、メタクリルアミドモノマー、ノルボルネンモノマー、および置換ノルボルネンモノマーの全モル分率である)。
【請求項6】
重合反応の反応条件を選択するための請求項3記載の方法の使用。
【請求項7】
架橋されたポリマー粒子を調製する方法であって、溶媒と反応物とを容器に加えて反応混合物を形成する工程と、反応物を反応させて、架橋されたポリマー粒子を形成する工程とを含み;溶媒が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル、エステル、水、アルコール、およびそれらの混合物から選択され;反応物が、少なくとも1種類の反応物モノマーと、少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含み;前記少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;前記少なくとも1種類の架橋性モノマーが、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、およびトリエチレングリコールジメタクリレートから選択され;反応物が、少なくとも30分の期間にわたって徐々に容器に供給され;架橋されたポリマー粒子が≦50nmの平均粒径を有し;該方法は、架橋されたポリマー粒子の固形分レベル>40重量%を生じさせ;さらに、該方法はエマルジョンを含有しない、方法。
【請求項8】
架橋されたポリマー粒子の固形分レベル>47重量%を生じさせる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
反応物が、少なくとも1時間の期間にわたって徐々に容器に供給される、請求項7記載の方法。
【請求項10】
架橋されたポリマー粒子を調製する方法であって、溶媒と反応物とを容器に加えて反応混合物を形成する工程と、反応物を反応させて、架橋されたポリマー粒子を形成する工程とを含み;溶媒が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル、エステル、水、アルコール、およびそれらの混合物から選択され;反応物が、少なくとも1種類の反応物モノマーと、少なくとも1種類の架橋性モノマーとを含み;式(1)が方法全体にわたって満たされるように、前記反応物およびプロセス条件の選択が行われ、
A×B×C<2.18; (1)
(式中、
Aは、式2で定義される潜在的ペンダント二重結合の全分率であり、
A=100×(架橋性モノマーの全モル分率)×(N−1) (2)
(式中、Nは、反応物モノマー中の架橋性モノマー当たりの重合性二重結合の数である);
Bは、反応混合物のkg当たりの現存モノマーのモル数であり;
Cは、反応混合物中のメタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、メタクリルアミドモノマー、ノルボルネンモノマー、および置換ノルボルネンモノマーの全モル分率である);
少なくとも1種類の反応物モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルケニル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アルキルアリール、アミン含有(メタ)アクリレート、リン含有(メタ)アクリレート、硫黄含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、置換エチレンモノマー、ビニルイミダゾール、ノルボルネン、置換ノルボルネン、オレフィン、およびそれらの組み合わせから選択され;少なくとも1種類の架橋性モノマーが、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、およびトリエチレングリコールジメタクリレートから選択され;前記反応物が、少なくとも30分の期間にわたって徐々に前記容器に供給され;架橋されたポリマー粒子が≦50nmの平均粒径を有し;該方法が、架橋されたポリマー粒子の固形分レベル>40重量%を生じさせ;さらに該方法がエマルジョンを含有しない、方法。

【公開番号】特開2006−131908(P2006−131908A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−319031(P2005−319031)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】