説明

架橋された射出成形品の作製方法

A.1.シラン官能化ポリエチレン、2.湿気供給源、例えば湿気を含有する充填剤(湿気供給源は、アルコールを除く)、および3.縮合触媒を含む湿気硬化性組成物を形成するステップと、B.組成物を金型内に射出するステップと、C.1.湿気供給源から湿気を放出し、2.組成物を部分的に硬化するのに十分な条件に組成物を曝すステップと、D.部分的に硬化した組成物を金型から取り出すステップと、E.金型の外で組成物の硬化を継続するステップとを含む、プラスチック物品を作製するための射出成形方法。この方法は、ワイヤーおよびケーブルのエラストマーコネクタなどの厚肉部品の製造に特に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる2009年9月18日出願の米国特許出願第61/243,724号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、射出成形品の作製方法に関する。一態様では、本発明は、湿気硬化性組成物を金型内に射出し、部分硬化条件に曝す方法に関し、別の態様では、本発明は、金型の外で硬化を完了することに関する。さらに別の態様では、本発明は、厚肉射出成形品の作製に関する。
【背景技術】
【0003】
有機ペルオキシドの使用を介する架橋を必要とする成形品の作製に使用される熱可塑性組成物、例えばシラン官能化ポリオレフィン、特にシラン官能化ポリエチレンは、金型内で部品を形成する前の早計の架橋を回避するために、溶融状態での低温による加工を必要とする。さらに、多くのかかる組成物は、補強または他の特性(例えば導電性)のために充填剤を含有する。かかる充填剤は、一般に化合物の粘度を実質的に上昇させるものであり、すなわち加工しにくくなり、粘性エネルギーの散逸に起因してより発熱しやすくなる。これにより早計のスコーチが生じる可能性が増大し、したがって許容されない温度に達するのを防止するために、低速で溶融加工操作を実施する必要がある。射出成形方法の最中に一度物品が形成されると、完全な架橋を達成するために、その物品を適切なペルオキシド分解温度において十分な時間にわたって金型内で保持する必要がある。これは一つには、特に電気コネクタなどの厚肉部品の場合、物品壁部を介する伝熱不足に起因する。早計のスコーチという問題と長い成形硬化時間という問題とが組み合わさると、製造サイクルが長くなり、したがって生産性(時間当たりの単位)が低下するという問題が生じる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、本発明は、
A.1.シラン官能化ポリエチレン、
2.湿気供給源(湿気供給源は、アルコールを除く)、および
3.縮合触媒
を含む湿気硬化性組成物を形成するステップと、
B.組成物を金型内に射出するステップと、
C.1.湿気供給源から湿気を放出し、
2.組成物を部分的に硬化する
のに十分な条件に組成物を曝すステップと、
D.部分的に硬化した組成物を金型から取り出すステップと、
E.金型の外で組成物の硬化を継続するステップと
を含む、プラスチック物品を作製するための射出成形方法である。
一実施形態では、湿気を含有する供給源は、湿気を含有する充填剤であり、別の実施形態では、湿気は、塩(例えば、シュウ酸マグネシウム二水和物)からなどの物理的な放出または化学反応を介して発生する。
【0005】
ワイヤーおよびケーブルのエラストマーコネクタなどの厚肉部品の製造に使用される組成物は、高い粘度を有する充填系であり、したがってスコーチを受けやすいことから、本発明はこれらの部品の作製に特に適している。しかしこの厚さによって、これらの部品は、経時的に部品内に散乱し、したがって硬化を金型の外で継続させ完了させることができる内部から発生する湿気を使用する湿気硬化に適している。部品外部から発生する湿気に頼る湿気硬化系は、部品を浴または蒸気チャンバーに通過させるなどの追加の装置および方法ステップを必要とする。
【0006】
一実施形態では、本発明は、ペルオキシドを用いて金型内の部分的な架橋を誘発して、離型(部品の幾何形状の完全性)を促進した後、金型外での湿気硬化(金型内で開始することもできる)を促進する。これによって金型の外で硬化ステップが完了するので、金型でより多くの部品を自由に作製することができる。この手法は、製造サイクルを改善し、より高い生産性を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1〜3に関する相対的なトルクの増加を示すグラフである。
【図2】実施例2の架橋温度プロファイルを示すグラフである。
【図3】実施例3の架橋温度プロファイルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
反対が示されず文脈から暗黙でない限り、または当技術分野の慣習により、すべての部およびパーセントは重量に基づき、すべての試験方法は本開示の出願日時点で最新のものである。米国特許実務の目的のために、任意の参照特許、特許出願または刊行物の内容は、特に合成技術の開示、定義(本開示で具体的に提供されている任意の定義と矛盾しない程度に)、および当技術分野で一般的な知識に関して、それらの全体が参照によって組み込まれる(またはその等価な米国版が、参照によってそのように組み込まれる)。
【0009】
本開示の数値範囲は近似であり、したがって、別段指定されない限りその範囲外の値を含み得る。数値範囲は、小さい方の値および大きい方の値を含みすべての値を1単位ずつ含むが、小さい方の任意の値および大きい方の任意の値の間の少なくとも2つの単位は別々である。一例として、例えば分子量、粘度、メルトインデックスなどの組成上、物理上または他の特性が100〜1,000である場合、100、101、102などのすべての個々の値および100〜144、155〜170、197〜200などの下位の範囲が、明確に列挙されているものとする。1未満の値を含有するか、または1を超える小数(例えば、1.1、1.5等)を含有する範囲について、1単位は、必要に応じて0.0001、0.001、0.01または0.1であるとみなされる。10未満の1桁数値を含有する範囲(例えば、1〜5)について、1単位は、一般に0.1とみなされる。これらは、具体的に企図されるものの単なる例であり、列挙されている下限値と上限値の間の数値のあらゆる可能な組合せが本開示に明確に記載されているとみなすべきである。数値範囲は、本開示においては、中でも組成物の構成要素の量および様々な方法パラメータについて提供される。
【0010】
「ケーブル」および類似の用語は、保護用絶縁体、ジャケットまたはシース内の少なくとも1つのワイヤーまたは光ファイバーを意味する。一般にケーブルは、一般に共通の保護用絶縁体、ジャケットまたはシース内に一緒になって結合した2つ以上のワイヤーまたは光ファイバーである。ジャケット内の個々のワイヤーまたは繊維は、むき出しであっても、カバーされていても、絶縁されていてもよい。組合せのケーブルは、電気的なワイヤーおよび光ファイバーの両方を含有することができる。ケーブル等は、低電圧、中電圧および高電圧適用に合わせて設計することができる。一般的なケーブルの設計は、米国特許第5,246,783号、同第6,496,629号および同第6,714,707号に例示されている。
【0011】
「ポリマー」は、同種異種に関わらずモノマーを反応させる(すなわち重合する)ことによって調製された化合物を意味する。したがってポリマーという総称は、通常1種類のみのモノマーから調製されたポリマーを指すために使用される用語「ホモポリマー」、および以下に定義する用語「インターポリマー」を包含する。
【0012】
「インターポリマー」および「コポリマー」は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されたポリマーを意味する。これらの一般用語は、従来のコポリマー、すなわち2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーと、3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されたポリマー、例えば、ターポリマー、テトラポリマー等の両方を含む。
【0013】
「エチレンポリマー」、「ポリエチレン」および類似の用語は、エチレン由来の単位を含有するポリマーを意味する。エチレンポリマーは、一般に、エチレン由来の単位を少なくとも50モルパーセント(mol%)含む。
【0014】
「エチレン−ビニルシランポリマー」および類似の用語は、シラン官能基を含むエチレンポリマーを意味する。シラン官能基は、エチレンをビニルシラン、例えばビニルトリアルコキシシランコモノマーと重合するか、または例えば米国特許第3,646,155号もしくは同第6,048,935号に記載の通り、かかるコモノマーをエチレンポリマー主鎖上にグラフトすることによって得ることができる。
【0015】
「ブレンド」、「ポリマーブレンド」および類似の用語は、2つ以上のポリマーのブレンドを意味する。かかるブレンドは、混和性であってもそうでなくてもよい。かかるブレンドは、相分離していてもそうでなくてもよい。かかるブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱および当技術分野で公知の任意の他の方法によって決定される通り、1つまたは複数のドメイン構成を含有していてもそうでなくてもよい。
【0016】
「組成物」および類似の用語は、2つ以上の構成要素の混合物またはブレンドを意味する。例えば、シラングラフト化エチレンポリマーの調製の状況下では、組成物は、少なくとも1つのエチレンポリマー、少なくとも1つのビニルシランおよび少なくとも1つのフリーラジカル開始剤を含み得る。ケーブルシースまたは他の製造物品の調製の状況下では、組成物は、エチレン−ビニルシランコポリマー、触媒硬化系、および滑沢剤、充填剤、抗酸化剤などの任意の所望の添加剤を含み得る。
【0017】
「周囲条件」および類似の用語は、23℃の温度および大気圧を意味する。
【0018】
「触媒量」は、エチレン−ビニルシランポリマーの架橋を、検出可能なレベルまで、好ましくは商業的に許容されるレベルまで促進するのに必要な触媒の量を意味する。
【0019】
「架橋された」、「硬化した」および類似の用語は、ある物品に成形される前または成形された後のポリマーが、架橋を誘発する処理にかけられているか、または曝露されており、90重量パーセント以下のキシレンまたはデカレン抽出可能物を有する(すなわち、ゲル含量が10重量パーセント以上である)ことを意味する。
【0020】
「架橋性」、「硬化性」および類似の用語は、ある物品に成形される前または成形された後のポリマーが、硬化または架橋されておらず、実質的な架橋を誘発する処理にかけられるかまたは曝露される(例えば水への曝露)際に実質的な架橋を引き起こすまたは促進することになる添加剤(複数可)または官能基を含んでいるにもかかわらず、未だかかる処理にかけられていないか、または曝露されていないことを意味する。
【0021】
エチレンポリマー
本発明の実施において使用されるポリエチレン、すなわち共重合化シラン官能基を含有するか、または後にシランによりグラフトされるポリエチレンは、従来のポリエチレン重合技術、例えば、高圧、チーグラー−ナッタ、メタロセンまたは幾何拘束型(constrained geometry)触媒作用を使用して生成することができる。一実施形態では、ポリエチレンは、高圧法を使用して生成される。別の実施形態では、ポリエチレンは、モノ−もしくはビス−シクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニル遷移金属(好ましくは第4属)触媒または幾何拘束型触媒(CGC)を、活性化因子と組み合わせて使用して、溶液、スラリーまたは気相重合法で生成される。触媒は、好ましくはモノ−シクロペンタジエニル、モノ−インデニルまたはモノ−フルオレニルCGCである。溶液法が好ましい。米国特許第5,064,802号、WO93/19104およびWO95/00526は、幾何拘束型金属錯体およびそれらの調製方法を開示している。金属錯体を含有する様々に置換されているインデニルは、WO95/14024およびWO98/49212において教示されている。
【0022】
一般に、重合化は、チーグラー−ナッタまたはKaminsky−Sinn型重合化反応について当技術分野で周知の条件、すなわち0〜250℃、好ましくは30〜200℃の温度および大気圧〜10,000気圧(1013メガパスカル(MPa))の圧力で達成することができる。所望に応じて、懸濁液、溶液、スラリー、気相、固体状態の粉末重合または他の方法条件を使用することもできる。触媒は担持されていてもそうでなくてもよく、担持体の組成は、広範に変わり得る。シリカ、アルミナまたはポリマー(特にポリ(テトラフルオロエチレン)またはポリオレフィン)は、代表的な担持体であり、望ましくは、担持体は気相重合法で触媒が使用される場合に用いられる。担持体は、好ましくは、触媒を(金属に対して)1:100,000〜1:10、より好ましくは1:50,000〜1:20、最も好ましくは1:10,000〜1:30の範囲内の重合比で担持するのに十分な量で使用される。ほとんどの重合反応では、使用される触媒と重合可能な化合物のモル比は、10−12:1〜10−1:1、より好ましくは10−9:1〜10−5:1である。
【0023】
不活性な液体は、重合に適した溶媒として働く。その例には、イソブタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびその混合物などの直鎖および分岐鎖炭化水素;シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタンおよびその混合物などの環式および脂環式炭化水素;全フッ素置換されたC4〜10アルカンなどの全フッ素置換された炭化水素;ならびにベンゼン、トルエン、キシレンおよびエチルベンゼンなどの芳香族およびアルキル置換芳香族化合物が含まれる。
【0024】
本発明の実施において有用なエチレンポリマーには、インターポリマーの重量に対して約15wt%、好ましくは少なくとも約20wt%、さらにより好ましくは少なくとも約25wt%のα−オレフィン含量を有する、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが含まれる。これらのインターポリマーは、一般に、インターポリマーの重量に対して約50wt%未満、好ましくは約45wt%未満、より好ましくは約40wt%未満、さらにより好ましくは約35wt%未満のα−オレフィン含量を有する。α−オレフィン含量は、13C核磁気共鳴(NMR)分光法によって、Randall(Rev. Macromol. Chem. Phys.、C29(2&3))に記載の手順を使用して測定される。一般に、インターポリマーのα−オレフィン含量が多いほど、インターポリマーの密度が低くなり、非晶質度が高くなるが、このことは、架橋された射出成形品にとって望ましい物理特性および化学特性をもたらすことになる。
【0025】
α−オレフィンは、好ましくはC3〜20直鎖、分岐または環式α−オレフィンである。C3〜20α−オレフィンの例には、プロペン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセンおよび1−オクタデセンが含まれる。α−オレフィンは、シクロヘキサンまたはシクロペンタンなどの環式構造を含有することもでき、したがって3−シクロヘキシル−1−プロペン(アリルシクロヘキサン)およびビニルシクロヘキサンなどのα−オレフィンが得られる。α−オレフィンという用語は、本発明の目的により従来の意味ではないが、ノルボルネンおよび関連のオレフィン、特に5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの特定の環式オレフィンをα−オレフィンとし、前述のα−オレフィンのいくつかまたはすべての代わりに使用することができる。同様に、スチレンおよびその関連のオレフィン(例えば、α−メチルスチレン等)も、本発明の目的に合ったα−オレフィンである。例示的なエチレンポリマーには、エチレン/プロピレン、エチレン/ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/スチレン等が含まれる。例示的なターポリマーには、エチレン/プロピレン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ブテン、エチレン/ブテン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ジエンモノマー(EPDM)およびエチレン/ブテン/スチレンが含まれる。コポリマーは、ランダムまたはブロックであってよい。
【0026】
本発明の実施において使用されるエチレンポリマーは、単独で使用することができ、または1つもしくは複数の他のエチレンポリマーと組み合わせて、例えば、モノマーの組成および含量、触媒による調製方法などによって互いに異なっている2つ以上のエチレンポリマーのブレンドで使用することができる。エチレンポリマーが2つ以上のエチレンポリマーのブレンドである場合、エチレンポリマーは、反応器内または反応器後の任意の方法によってブレンドすることができる。反応器内ブレンド法は、反応器後のブレンド法よりも好ましく、反応器内ブレンド法では、直列接続された複数の反応器を使用する方法が好ましい。これらの反応器は、同じ触媒を入れて、異なる条件、例えば異なる反応物濃度、温度、圧力等で操作することができ、または同じ条件で異なる触媒を入れて操作することができる。
【0027】
高圧法を用いて製造されるエチレンポリマーの例には、(それに限定されるものではないが)低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレンシラン反応器コポリマー(The Dow Chemical Companyから製造されているSiLINK(登録商標)など)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレンエチルアクリレートコポリマー(EEA)、およびエチレンシランアクリレートターポリマーが含まれる。
【0028】
シラン官能基によってグラフトすることができるエチレンポリマーの例には、超低密度ポリエチレン(VLDPE)(例えば、The Dow Chemical Companyによって製造されているFLEXOMER(登録商標)エチレン/1−ヘキセンポリエチレン)、均一に分岐した線状エチレン/α−オレフィンコポリマー(例えば、Mitsui Petrochemicals Company LimitedのTAFMER(登録商標)およびExxon Chemical CompanyのEXACT(登録商標))、均一に分岐した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンポリマー(例えば、The Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITY(登録商標)およびENGAGE(登録商標)ポリエチレン)、およびエチレンブロックコポリマー(例えば、The Dow Chemical Companyから入手可能なINFUSE(登録商標)ポリエチレン)が含まれる。より好ましいエチレンポリマーは、均一に分岐した線状および実質的に線状のエチレンコポリマーである。実質的に線状のエチレンコポリマーが特に好ましく、これらは米国特許第5,272,236号、同第5,278,272号および同第5,986,028号に、より完全に記載されている。
【0029】
シラン官能基
有効にエチレンと共重合し、またはエチレンポリマーにグラフトしそれを架橋する任意のシランを、本発明の実施において使用することができ、次式によって記載のものがその一例である。
【0030】
【化1】

式中、Rは、水素原子またはメチル基であり;xおよびyは、0または1であり、但しxが1である場合、yは1であり;mおよびnは、独立に、1〜12(端数を含む)、好ましくは1〜4の整数であり、各R’’は、独立に、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アラルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ)、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ)、アミノ基もしくは置換アミノ基(アルキルアミノ、アリールアミノ)、または1〜6個(端数を含む)の炭素原子を有する低級アルキル基などの加水分解性有機基であり、但し、3つのR基のうち1つ以下はアルキルである。かかるシランは、高圧法などの反応器内でエチレンと共重合することができる。かかるシランは、成形または成形操作の前またはその最中に適量の有機ペルオキシドを使用することによって、適切なエチレンポリマーにグラフトすることもできる。熱および光安定剤、顔料などの追加の成分も、調合物に含まれ得る。架橋を生成する方法の相は、一般に「硬化相」と呼ばれ、その方法自体は、一般に「硬化」と呼ばれる。また、メルカプトプロピルトリアルコキシシランなど、フリーラジカル法を介してポリマーの不飽和に添加されるシランが含まれる。
【0031】
適切なシランには、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルまたはγ−(メタ)アクリルオキシアリル基などのエチレン性不飽和ヒドロカルビル基、および例えば、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルボニルオキシまたはヒドロカルビルアミノ基などの加水分解性基を含む不飽和シランが含まれる。加水分解性基の例には、メトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロプリオニルオキシ(proprionyloxy)、およびアルキルまたはアリールアミノ基が含まれる。好ましいシランは、ポリマー上にグラフトすることができ、または反応器内で他のモノマー(エチレンおよびアクリレートなど)と共重合することができる不飽和アルコキシシランである。これらのシランおよびそれらの調製方法は、Meverdenらの米国特許第5,266,627号に、より完全に記載されている。ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよびこれらのシランの混合物は、本発明における使用に好ましいシラン架橋剤である。充填剤が存在する場合、架橋剤は、好ましくはビニルトリアルコキシシランを含む。
【0032】
本発明の実施において使用されるシラン架橋剤の量は、ポリマー、シランの性質、加工または反応器条件、グラフトまたは共重合効率、最終用途、および類似の因子に応じて広範に変わり得るが、一般に少なくとも0.5重量パーセント、好ましくは少なくとも0.7重量パーセントが使用される。利便性および経済性を考慮すると、これらの2つによって本発明の実施において使用されるシラン架橋剤の最大量が主に制限されるが、シラン架橋剤の最大量は、一般に5重量パーセントを超えず、好ましくは3重量パーセントを超えない。
【0033】
シラン架橋剤は、任意の従来の方法によって、一般にフリーラジカル開始剤、例えばペルオキシドおよびアゾ化合物の存在下で、または電離放射線等によってポリマーにグラフトされる。ペルオキシド開始剤、例えば、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、t−ブチル過安息香酸、ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、メチルエチルケトンペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ラウリルペルオキシド、およびtert−ブチルペルアセテートのいずれか1つなどの有機開始剤が好ましい。適切なアゾ化合物は、2,2−アゾビスイソブチロニトリルである。開始剤の量は変わり得るが、一般に、樹脂100(phr)当たり少なくとも0.04、好ましくは少なくとも0.06部の量で存在する。一般に開始剤は、0.15wt.%を超えず、好ましくは約0.10phrを超えない。シラン架橋剤と開始剤の重量比も広範に変わり得るが、架橋剤:開始剤の一般的な重量比は、10:1〜500:1、好ましくは18:1〜250:1である。樹脂100当たりの部またはphrで使用される場合、「樹脂」はオレフィン性ポリマーを意味する。
【0034】
シラン架橋剤をポリオレフィンポリマーにグラフトするために、任意の従来の方法を使用することができるが、ある好ましい方法は、Buss混練機などの反応器押出機の第1段階で、その2つを開始剤とブレンドするものである。グラフト条件は変わり得るが、溶融温度は、滞留時間および開始剤の半減期に応じて、一般に160〜260℃、好ましくは190〜230℃である。
【0035】
ビニルトリアルコキシシラン架橋剤とエチレンおよび他のモノマーとの共重合は、エチレンホモポリマーならびに酢酸ビニルおよびアクリレートとのコポリマーの製造に使用される高圧反応器内で実施することができる。
【0036】
湿気供給源
本発明の実施において使用される湿気供給源には、湿気を含有する充填剤、または熱への曝露時もしくは別の化合物との反応時に湿気を放出する化合物の少なくとも1つを含む。
【0037】
本発明の実施において湿気供給源として使用され得る充填剤には、それらに限定されるものではないが、タルク、炭酸カルシウム、有機粘土、ガラス繊維、大理石粉末、セメント粉末、長石、シリカまたはガラス、ヒュームドシリカ、ケイ酸塩、アルミナ、様々なリン化合物、臭化アンモニウム、アンチモン三酸化物、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫酸バリウム、シリコーン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、ガラスミクロスフェア、チョーク、雲母、粘土、珪灰石、オクタモリブデン酸アンモニウム、膨張性化合物、膨張性黒鉛、およびこれらの材料の2つ以上の混合物が含まれる。充填剤は、シラン、脂肪酸などの様々な表面コーティングまたは処理剤を担持または含有することができる。ハロゲン化有機化合物には、塩素化パラフィンなどのハロゲン化炭化水素、ペンタブロモトルエン、デカブロモジフェニルオキシド、デカブロモジフェニルエタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、デクロランプラスなどのハロゲン化芳香族化合物および他のハロゲンを含有する難燃剤が含まれる。当業者によって、組成物の所望の能力に合致する適切なハロゲン剤が認識され、選択されよう。成形後の湿気硬化のための実際の湿気供給源として働くために、充填剤の湿気含量は、充填剤の総重量に対して、一般に少なくとも0.1重量パーセント、より一般的には少なくとも1重量パーセント、さらにより一般的には少なくとも10重量パーセントである。
【0038】
存在する場合、湿気を含有する充填剤は、一般に組成物の少なくとも1wt%、より一般的には少なくとも10wt%、さらにより一般的には少なくとも25wt%を構成する。組成物中の湿気を含有する充填剤の最大量は、充填剤を保持するエチレン−ビニルシランコポリマーマトリックスの能力のみによって制限されるが、一般に全般的な最大量は、組成物の70wt%未満、より一般的には65wt%未満、さらにより一般的には60未満wt%を構成する。
【0039】
熱への曝露時または別の化合物との反応時に湿気を放出する化合物には、それらに限定されるものではないが、有機酸および塩、エステル等が含まれる。本発明の目的では、アルコールは湿気供給源ではない。湿気を発生させる反応には、それらに限定されるものではないが、ピナコール転位(酸触媒型)、エステル化、アミド合成および分解、ホフマン分解が含まれる。これらの化合物は、存在する場合には(分解もしくはそれ自体との反応、例えばホフマン分解もしくはピナコール転位によって湿気が生じる場合には単独で、または化合物が互いに反応する、例えばエステル化の場合には一緒になって)、一般に組成物の少なくとも0.2wt%、より一般的には少なくとも0.5wt%、さらにより一般的には少なくとも1wt%を構成する。組成物中のこれらの化合物の最大量は、組成物から作製された射出成形品の他の特性に対するそれらの影響のみによって制限されるが、一般に全般的な最大量は、組成物の10wt%未満、より一般的には5wt%未満、さらにより一般的には2wt%未満を構成する。
【0040】
縮合触媒
本発明の実施において使用される縮合触媒は、一般に、ルイスまたはブレンステッド酸または塩基である。ルイス酸は、ルイス酸は、ルイス塩基から電子対を受け取ることができる化学種(分子またはイオン)である。ルイス塩基は、電子対をルイス酸に供与することができる化学種(分子またはイオン)である。本発明の実施において使用され得るルイス酸には、ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL)、オレイン酸ジメチルヒドロキシスズ、マレイン酸ジオクチルスズ、マレイン酸ジ−n−ブチルスズ、二酢酸ジブチルスズ、ジオクタン酸ジブチルスズ、酢酸第一スズ、オクタン酸第一スズなどのカルボン酸スズ、ならびにナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛およびナフテン酸コバルトなどの様々な他の有機金属化合物が含まれる。DBTDLが好ましいルイス酸である。本発明の実施において使用され得るルイス塩基には、それらに限定されるものではないが、第一級、第二級および第三級アミンが含まれる。
【0041】
ブレンステッド酸は、水素イオン(プロトン)を喪失し、またはブレンステッド塩基に供与することができる化学種(分子またはイオン)である。ブレンステッド塩基は、ブレンステッド酸から水素イオンを獲得し、または受け取ることができる化学種(分子またはイオン)である。本発明の実施において使用され得るブレンステッド酸には、スルホン酸が含まれる。
【0042】
本発明の実施において使用される縮合触媒の最小量は、触媒量である。一般にこの量は、エチレン−ビニルシランポリマーおよび触媒の混合重量の少なくとも0.01重量パーセント、好ましくは少なくとも0.02重量パーセント、より好ましくは少なくとも0.03重量パーセント(wt%)である。エチレンポリマーにおける縮合触媒の最大量に対する制限は、経済性および実用性(例えば収穫逓減)のみによって付与されるが、一般に全般的な最大量は、エチレンポリマーおよび縮合触媒の混合重量の5wt%未満、好ましくは3wt%未満、より好ましくは2wt%未満を構成する。
【0043】
硬化が金型内で開始される本発明の実施形態では、一般に、金型内の硬化を促進するためにフリーラジカル開始剤が使用される。適切なフリーラジカル開始剤には、有機ペルオキシドが含まれ、より適切には、120℃を超える温度で1時間の半減期を有するものが含まれる。有用な有機ペルオキシドの例には、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチル−クミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシドおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシンが含まれる。ジクミルペルオキシドが好ましい架橋剤である。有機ペルオキシド架橋剤に関するさらなる教示は、上記のHandbook of Polymer Foams and Technology、198〜204頁で利用可能である。ペルオキシドは、それに限定されるものではないが、充填剤および縮合触媒とコンパウンドする前にポリマーに吸収させることを含む、いくつかの異なる技術の任意の1つによって、ポリマーに添加することができる。
【0044】
添加剤
本発明の組成物はまた、例えば抗酸化剤(例えば、Ciba Specialty Chemicalsの登録商標であるIRGANOX(商標)1010などの、例えばヒンダードフェノール)、亜リン酸塩(例えば、Ciba Specialty Chemicalsの登録商標であるIRGAFOS(商標)168)、UV安定剤、粘着添加剤(cling additive)、光安定剤(ヒンダードアミンなど)、可塑剤(ジオクチルフタレートまたはエポキシ化大豆油など)、熱安定剤、離型剤、粘着付与剤(炭化水素粘着付与剤など)、ワックス(ポリエチレンワックスなど)、加工助剤(油、ステアリン酸などの有機酸、有機酸の金属塩など)、着色剤または顔料などの1つまたは複数の添加剤を、それらが本発明の組成物の所望の物理特性または機械特性を妨げない程度まで含有することができる。これらの添加剤は、公知の量および公知の方法で使用される。
【0045】
コンパウンディング/作製
シラン官能化エチレンポリマー、湿気供給源、もしあれば縮合触媒および添加剤のコンパウンディングは、当業者に公知の標準手段によって実施することができる。コンパウンディング装置の例は、バンバリーまたはBolling密閉型ミキサーなどの密閉型バッチミキサーである。あるいは、Farrel連続ミキサー、WernerおよびPfleiderer2軸ミキサー、またはBuss連続混練押出機などの単軸または2軸連続ミキサーを使用することができる。利用するミキサーの種類およびミキサーの操作条件は、粘度、体積抵抗率および押出成形表面の平滑度などの組成物の特性に影響を及ぼす。
【0046】
組成物の構成要素は、一般に、混合物を完全に均質化するのに十分であるが、材料をゲル化するには満たない温度および時間で混合される(すなわち架橋される)。縮合触媒は、一般にエチレン−ビニルシランポリマーに添加されるが、もしあれば添加剤の前、それと同時またはその後に添加することができる。一般に、構成要素は、溶融混合装置内で一緒に混合される。次いで、混合物は、例えば射出成形によって最終物品に成形される。コンパウンディングおよび物品作製の温度は、エチレン−ビニルシランポリマー融点を超え、約250℃未満にすべきである。
【0047】
いくつかの実施形態では、縮合触媒および添加剤のいずれかまたはその両方は、予め混合したマスターバッチとして添加される。かかるマスターバッチは、一般に、縮合触媒および/または添加剤を不活性なプラスチック樹脂、例えば低密度ポリエチレンに分散させることによって形成される。マスターバッチは、好都合には溶融コンパウンディング法によって形成される。
【0048】
組成物は、一度調合されると金型に射出され、そこで物品の形状の完全性および/または他のその物理的特性に損害を与えることなく小片を離型することができる時点まで、組成物を少なくとも部分的に硬化させるのに十分な時間にわたって、硬化条件に曝される。次いで形成された物品は、一般に物品が所望の架橋度を達成するまで、周囲温度からポリマーの融点未満までの温度で行われる成形後硬化の期間に曝される。一般に、成形後硬化の時間および条件は、物品が実際に使用される前に物品の湿気硬化が完了するような時間および条件である。
【0049】
製造物品
本発明のポリマー組成物から調製することができる、特に厚肉の、例えば少なくとも0.2ミリメートル(mm)、より一般には少なくとも0.5ミリメートル、さらにより一般には少なくとも1ミリメートルの厚さの射出成形品には、電気コネクタ、シール、ガスケット、発泡体、フットウェアおよびベローズが含まれる。一実施形態では、これらの物品はエラストマーである。これらの物品は、公知の装置および技術を使用して製造することができる。
【0050】
本発明を、以下の実施例によってより完全に記載する。別段示されない限り、すべての部および百分率は重量によるものとする。
【実施例】
【0051】
〔実施例1〕
エチレンポリマーのシラングラフト化
ビニルトリメトキシシラン(VTMS)およびLUPEROX 101ペルオキシド(Arkemaから入手可能な2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン)を別のものと混合する。ENGAGE 8200(The Dow Chemical Companyから利用可能なエチレン−ブテンコポリマー、メルトインデックス(MI)5、密度0.875g/cm)およびVTMS/ペルオキシド混合物を、250グラムの2つのバッチを得るのに十分な量で、PDLブラベンダーミキサーに入れる。バッチの各構成要素の相対量を、表1に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
ブラベンダーミキサーの温度を100℃に設定し、ポリマー樹脂を入れ、最初に流動体にし、VTMS/ペルオキシド混合物を添加し、次いでミキサーの内容物全体を1分当たり15回転(rpm)で5分間混合する。次いで、ミキサーの温度を180℃に上昇させ、コンテクスト(context)を30rpmでさらに10分間混合する。次いで、混合物を収集し、室温で加圧してプラークにし、アルミニウムホイルバッグに入れて封止する。
【0054】
完全調合物のコンパウンディング
完全調合物(40g)を、先のステップ1で調製したシラングラフト化ポリマー樹脂と、以下の表2で同定した残りの構成要素とを使用して、PDLブラベンダーミキサー内で調合する。ブラベンダーミキサーの温度を100℃に設定し、最初にシラングラフト化ポリマー樹脂を入れた後、充填剤を入れ、次いでミキサーの内容物全体を15rpmで10分間混合する。M&T Chemicalsから入手可能なFASTCAT 4202ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL)を添加し、内容物全体を15rpmでさらに5分間混合する。混合物の温度を130℃未満に維持する。次いで調合物を収集し、室温で加圧してプラークにし、アルミニウムホイルバッグに入れて封止する。試料をさらなる試験まで凍結させる。
【0055】
【表2】

【0056】
Alpha Technologies Rheometer MDRモデル2000ユニットを使用して、移動ダイレオメーター(MDR)分析を実施する。試験は、ASTM D−5289「Standard Test Method for Rubber-Property Vulcanization Using Rotorless Cure Meters」に基づいて行う。4〜5グラムの材料を使用してMDR分析を実施する。試料を、140℃、160℃、180℃および200℃において60分間にわたり、5度のアーク振動で試験する。図1は、実施例1、2および3に関する相対的なトルクの増加を示す。実施例1は、DBTDLの存在下でのシラングラフト化系の挙動を示す。すべての温度において、時間と共にトルクがわずかしか増加しないが、このことは特に水/湿気の不足に起因して架橋が制限されることを示している。実施例2および3の場合、シュウ酸マグネシウム二水和物およびMARTINOL OL111またはアルミニウム三水和物(ATH)の存在に起因して、水分子が利用可能になるにつれて架橋が進行する(それぞれ図2および3)。水和物充填剤による湿気放出温度によって架橋が始まる温度が決まり、シュウ酸マグネシウム脱水物(dehydrate)については160℃であり、MARTINOL OL111またはATHについては200℃である。
【0057】
本発明を、先行の具体的な実施形態によって特に詳細に説明してきたが、この詳細は主に例示することを目的とする。当業者は、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更および改変を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.1.シラン官能化ポリエチレン、
2.湿気供給源(湿気供給源は、アルコールを除く)、および
3.縮合触媒
を含む湿気硬化性組成物を形成するステップと、
B.組成物を金型内に射出するステップと、
C.1.湿気供給源から湿気を放出し、
2.組成物を部分的に硬化する
のに十分な条件に組成物を曝すステップと、
D.部分的に硬化した組成物を金型から取り出すステップと、
E.金型の外で組成物の硬化を継続するステップと
を含む、プラスチック物品を作製するための射出成形方法。
【請求項2】
プラスチック物品が厚肉である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シラン官能化ポリエチレンが、シラングラフト化EPDMまたはEPDM/POEブレンドである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
湿気供給源が、湿気を含有する充填剤、および加熱時または別の化合物との相互作用時に湿気を放出する化合物の少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
縮合触媒が、ルイス酸またはルイス塩基である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
湿気硬化性組成物が可塑剤をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(a)湿気硬化性組成物が、加熱時または別の化合物との相互作用時に湿気を放出する化合物を含み、(b)組成物が、(i)コンパウンドされ、溶融され、射出用金型内に供給され、(ii)湿気供給源からの湿気の放出を開始するのに十分な温度に加熱される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
湿気硬化性組成物が、射出用金型内に供給される前に乾燥条件に曝される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
湿気硬化性組成物が、
A.1〜70wt%の湿気供給源、および
B.0.01〜5wt%の縮合触媒
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
湿気硬化性組成物が可塑剤をさらに含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−505330(P2013−505330A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529824(P2012−529824)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/048704
【国際公開番号】WO2011/034833
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(591123001)ユニオン カーバイド ケミカルズ アンド プラスティックス テクノロジー エルエルシー (85)
【Fターム(参考)】