椅子
【課題】点滴用の椅子において、停止時及び移動時とも高い安定性を確保する。
【手段】椅子は、座1と背もたれ2とレッグレスト4とフットレスト3とを有すしている。背もたれ2及びレッグレスト4は水平状に姿勢まで回動し、かつ、フットレスト3はレッグレスト4の下端に連結されていて、レッグレスト4の跳ね上げ回動によって座1と同じ高さまで上昇する。座1の左右両側にはサイドパネル5が配置されている。椅子はフレーム構造の本体17を有している。本体17は座1の手前に延びる左右の前向き部19aを有しており、前向き部19aに前輪6を取り付けている。また、フットレスト3は前向き部19aで支持されている。本体17は後ろ向き部18aも有しており、後ろ向き部18aに後輪7を取り付けている。前輪6を前向き部19aに取り付けているため安定性が高い。
【手段】椅子は、座1と背もたれ2とレッグレスト4とフットレスト3とを有すしている。背もたれ2及びレッグレスト4は水平状に姿勢まで回動し、かつ、フットレスト3はレッグレスト4の下端に連結されていて、レッグレスト4の跳ね上げ回動によって座1と同じ高さまで上昇する。座1の左右両側にはサイドパネル5が配置されている。椅子はフレーム構造の本体17を有している。本体17は座1の手前に延びる左右の前向き部19aを有しており、前向き部19aに前輪6を取り付けている。また、フットレスト3は前向き部19aで支持されている。本体17は後ろ向き部18aも有しており、後ろ向き部18aに後輪7を取り付けている。前輪6を前向き部19aに取り付けているため安定性が高い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、点滴や透析のような病気治療に使用するのに好適な(すなわち医療用に好適な)椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
点滴・透析に使用する椅子の一例として特許文献1がある。この特許文献1の椅子は、座と背もたれとフットレスト(足載せ台)とレッグレスト(すね当て体)、及び、これらを支持するフレーム構造の本体部とを有している。本体部には前輪と後輪とが取り付けられている。
【0003】
背もたれは起倒自在となるようにその下端部が座の後端部に連結されており、レッグレストは座と略同じ高さで水平状の姿勢となるようにその上端部が座の前端部に回動自在に連結されており、更に、フットレストはレッグレストの回動によって高さが変わるようにその後端部がレッグレストの下端部に連結されている。背もたれは第1をアクチェータで回動され、レッグレストは第2のアクチェータで回動される。
【0004】
レッグレストの下端には下向きに延びる第2係合板が固定されており、レッグレストを起こし回動すると第2係合板がフットレストに下方から当たり、これによってフットレストは下方から上昇位置に高さが変わる。フットレストが下降した切った状態ではフットレストは第2係合板で支持されてはおらず、そこで、フットレストには下降し切った状態で床に接地する補助輪を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平3−34179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
点滴は種々の目的で行われており、患者に対する危険性の程度も様々である。栄養補給を目的とした点滴は危険性が低いと言えるが、例えばガン治療の一つとして実施されている高濃度ビタミンC点滴療法のように治療として行われる場合は、点滴中に患者の容体が急変することがあって危険性が高いことが多い。
【0007】
他方、点滴自体は危険な行為ではないため一般に医師や看護士が始終付き添うことはなく、患者は点滴室やロビーのような非治療室においてリラックスした状態で点滴を受けている。そこで、点滴中に患者の容体が急変した場合は、患者を治療室に急送せねばならない。この点、特許文献1の椅子は前後のキャスタが付いているため、背もたれを倒すと共にレッグレストを起こしてストレッチャー化することで患者を治療室に急送することができる利点がある。
【0008】
しかし、特許文献1の椅子には幾つかの問題点も見られる。例えば、特許文献1ではフットレストの前端部に補助輪を取り付けており、このため使用者がフットレストに載ると荷重(使用者の体重)はフットレストの後端を下向きに押し下げるように作用することになり、その結果、フットレストとレッグレストとの連結部及びレッグレストと座との連結部に大きな荷重が掛かって、それら連結部が破断しやすくなる虞がある。この点、一つの問題である。
【0009】
また、特許文献1ではフットレストを支持するため補助輪を設けているが、フットレストを上昇させるとこれが人(移動や治療のために集まった看護士や医師)の衣服に接触し、衣服を汚す虞がある問題もあった。また、人が腰掛けた状態のままで椅子を押し引きして移動させることもあるが、この場合は左右の前輪及び後輪に加えて補助輪も床に接地する6輪状態になるため、方向変換させにくくなったり真っ直ぐ走行しなかったりする問題もあった。
【0010】
更に、患者を寝かせて移動させるには、安定性の点から前後キャスタ(車輪)の間隔はできるだけ広いのが好ましいが、特許文献1では前輪は座の前端部の位置に配置されているため、レッグレストとフットレストとが前輪の前方に大きく張り出すことになり、その結果、走行に際しての安定性が低いという問題もあった。
【0011】
更にまた、特許文献1の本体部はフレーム材で四角形のカゴ形に構成されており、カゴ形構造の本体の前端と後端とにキャスタを取り付けているが、安定性を高めるために本体部の後端を座よりもかなり後ろに延ばしており、そのため、本体部が相当に嵩張っているという問題もあった。
【0012】
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、医療用として好適なリクライニング方式椅子を、より改善された形態で提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明は幾つかの構成を含んでいる。第1の発明(請求項1の発明)は最も上位概念を成すもので、この発明は、左右の前輪及び左右の後輪が取り付けられた本体により、座と背もたれとフットレストとを支持しているという椅子において、前記本体には前記フットレストを支持し得る前向き部が設けられており、この前向き部に前記前輪を取り付けている。
【0014】
第2の発明(請求項2)は第1の発明を具体化したものであり、この発明では、前記背もたれは、着座した人の頭を支持する高さであって起きた姿勢から寝た姿勢まで角度調節可能な状態に前記本体又は座で支持されている一方、座の前端部とフットレストの後端部との間には着座した人のふくらはぎを支持し得るレッグレストが配置されており、前記レッグレストとフットレストとは、着座状態の人の脚を支持する状態から寝た状態の人の脚を支持する略水平状の姿勢まで姿勢変更自在になっている。
【0015】
第3の発明(請求項3の発明)は第1の発明又は第2の発明を具体化したもので、この発明では、前記後輪は座の後端よりも後ろに配置されており、前記背もたれの上端には人が手で掴むことのできる把手を設けており、更に、点滴用輸液バッグの吊り下げ用支柱を着脱自在な支柱支持部が設けられている。
【0016】
第4の発明(請求項4の発明)は第1〜第3の発明を具体化したものであり、この発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記本体は主として座の下方に位置した基部を有しており、前記基部の前端から下方に下がってから手前に延びる状態で前記前向き部が設けられている一方、前記座の左右両側には肘当て部を有するサイドパネルが配置されていてこのサイドパネルの下端は本体における基部の下面と略同じ程度の高さに設定しており、更に、前記本体の基部にはその下端部から前記サイドパネルの後方に延びるフレーム状の左右後ろ向き部が設けられており、前記左右の後ろ向き部の後端に設けた下向きの足部に前記後輪を取り付けている。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明では、フットレストは本体の前向き部で支持されているため、椅子への乗り降りに際してフットレストに大きな荷重が掛かってもその荷重は部材の連結部に作用することはない。従って、堅牢性に優れている。また、人が腰掛けた状態のままで椅子を移動させる場合、移動は左右の前輪と後輪との回転によって行われるため、方向変換をスムースに行うことができると共に直進性にも優れている。更に、前輪の位置が座の手前位置しているため、例えば後輪の位置が特許文献1と同じ程度であっても前輪と後輪との間隔を広げることができ、その結果、走行安定性を向上できる。
【0018】
フットレストには補助輪は不要であるため、第2の発明(請求項2の発明)のようにリクライニング方式に適用すると、フットレストを上昇させて椅子をストレッチャー状又はベッド状(寝台車状)と成した状態で補助輪が周囲の人の衣服に触れるような不具合は全くない。
【0019】
使用者を寝かせた状態で椅子を看護士が移動(搬送)させる場合、ベッド状に伸ばした椅子の前方と後方とに一人ずつ(或いは二人ずつ)配置して、前に位置した人は椅子の前部を引き、後ろに位置した人は椅子を後ろから押す、という方法が取られる。この場合、前で引く人は身体を前方に向けながら椅子を掴まねばならないため片手で掴むのが合理的である。そして、第3の発明を採用すると、背もたれを倒して人を寝かせた状態で移動するにおいて、前で引く人は、身体は前を向きながら片手で把手を掴む体制を無理なく採ることができるため、ベッド状(或いはストレッチャー状)に伸ばした椅子の移動を、看護士に負担を欠けることなく素早く行うことができる。
【0020】
また、第3の発明(請求項3の発明)によると、椅子に点滴用バッグを吊支できるため、どこでも点滴を行うことができて便利である。また、輸液バッグの吊支用支柱は着脱自在であるため、トイレ等の用足しも支障なく行える。
【0021】
第4の発明(請求項4の発明)では、本体における基部と床との間には大きな空間が空くことになるため、モップで床を掃除するに際してモップを本体の下方に奥まで簡単に出し入れすることができる。このため一々椅子を動かさなくても楽に掃除することができて便利である。更に、本体の基部はサイドパネルの後ろに延びる後ろ向き部を有していてこの後ろ向き部に後輪を取り付けているため、前輪と後輪との間隔を大きく取ることができて椅子の安定性を確保することができ、しかも、本体の後ろ向き部はフレーム状になっていてサイドパネルの後ろに露出しているため、高い安定性を保持しつつ全体としてスッキリとしている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態の椅子を前から見た斜視図である。
【図2】実施形態の椅子を後ろから見た斜視図である。
【図3】実施形態の椅子をベッド状に伸ばした状態での分離斜視図である。
【図4】本体の斜視図である。
【図5】側断面図である。
【図6】ベッド状に伸ばした状態での側断面図であり、(A)は前部を除いた部分の図、(B)は前部の図である。
【図7】(A)は概略分離平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図、(D)は(C)と同じ箇所の別例図、(E)は(A)のE−E視断面図である。
【図8】(A)は本体と背もたれとの関係を示す概略分離平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
【図9】サイドパネルを分離した状態での一部破断側面図である。
【図10】(A)は図9の XA-XA視断面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
【図11】(A)は肘当ての高さ調節機構を示し縦断正面図、(B)は(A)のB−B視図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【図12】椅子とワゴンと平面図である。
【図13】ワゴンの斜視図である。
【図14】図12の XIV-XIV視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は病院で点滴療法を施療するのに好適な医療用椅子に適用している。
【0024】
(1).椅子の概略
例えば図1〜図3に示すように、椅子は、人が腰掛ける座1、着座した人がもたれ掛かる背もたれ2、着座した人が足を載せるフットレスト3、着座した人のふくらはぎが当たり得るレッグレスト4、座1の左右両側に配置されたサイドパネル(サイドサポート)5、左右の前輪(前キャスタ)6と左右の後輪(後キャスタ)7とを備えている。前輪6と後輪7とのうちいずれか一方又は両方にはロック機構を備えている。サイドパネル5の下には、当該サイドパネル5が載るベースパネル8を配置している。ベースパネル8は左右に一連に広がる形態になっている。
【0025】
詳しい機構は後述するが、図3に示すように、背もたれ2は略水平姿勢まで寝かせることができる一方、レッグレスト4はその上端部を中心にして回動させることで水平状の姿勢に起こすことができ、かつ、フットレスト3は着座した人が足を載せる下降位置から座1と略同じ高さの上昇位置まで昇降させることができる。
【0026】
背もたれ2の上部前面にはヘッドレスト(枕)9を配置している。ヘッドレスト9はシート10に固定されており、シート10と背もたれ2とには係脱自在な面ファスナー(図示せず)を設けている。このため、ヘッドレスト9は背もたれ2に対して着脱自在である。背もたれ2の上端面には左右横長のトップ把手11を固定しており、また、背もたれ2の背面のうち上端寄りの箇所には左右横長のバック把手12を固定している。
【0027】
椅子はかなりの重量があるが、図1,2のように背もたれ2を起こした姿勢ではバック把手12に手を掛けることで簡単に引き移動させることができ、また、図3のように背もたれ2を寝かせて寝台車状(或いはストレッチャー状)と成した状態ではトップ把手11に手を掛けることで容易に引き移動させることができる。トップ把手11が請求項に記載した把手に該当する。なお、把手11,12は例えばT型等の他の形態を採用することも可能であり、また、左右2個ずつ配置することも可能である。
【0028】
サイドパネル5の上端は座1よりも高い高さになっており、このため着座した人が座1の左右外側に落ちることを防止できる。また、サイドパネル5には、着座した人が一の腕を安定した状態で載せ得るアームレスト(肘当て)13を取り付けている。アームレスト13は正面視コの字形の形態を成していてサイドパネル5に上から被さる状態で嵌まっている。図3に示すように左右のサイドパネル5は取り外すことができる。このため、患者をベッドBに移し替ることが容易に行える。アームレスト13は、サイドパネル5に対して段階的又は無段階的に高さ調節できるように取り付けられている。
【0029】
背もたれ2の左右横幅は左右サイドパネル5の外面間の間隔と略同じ寸法に設定しているが、下部はサイドパネル5との緩衝を回避するために巾狭と成しており、このため、下部の左右両側部には段部2aが存在している。また、図2に示すように、背もたれ2の背面のうち下部には後ろ向きに突出したバックカバー14を取り付けている(その意義は後述する。)。椅子は、付属品として輸液バッグの吊り下げ用支柱15を備えている。
【0030】
(2).本体の構造
椅子は、基幹要素として図4に明瞭に示す本体17を備えている(本体は、本体部又は木枠部と呼ぶことも可能である。)。次に、この本体17を主として図4に基づいて説明する。本体17は、その下部を構成する前後長手の左右下部サイドフレーム18、下部サイドフレーム18の前端に溶接で固着された側面視L形の前フレーム19、左右下部サイドフレーム18をその前部において連結する前部下ステー20、左右下部サイドフレーム18を前後中間位置よりも僅かに手前の部位で連結する後部下ステー21を有している。
【0031】
左右下部サイドフレーム18の内側部には後部下ステー21の後ろに近接した状態でリア支柱22が固着されており、リア支柱22の上端とフロントフレーム19の上端とは前後長手の上部サイドフレーム23で連結されており、更に、左右の上部上部サイドフレーム23の前部は金属板より成る左右横長の前部支持体24で連結され、左右の上部サイドフレーム23の後部は左右横長の後部支持体25で連結されている。敢えて述べるまでもないが、本体部は板金製とするなど様々の構造を採用できる。
【0032】
下部サイドフレーム18の略前半部と上部サイドフレーム23、各ステー20,21フロントフレーム19の後部起立部、リア支柱22、前後の支持板24,25の各部材によって略直方体状のフレーム構造体を成しており、このフレーム構造体で請求項に記載した基部26が構成されている。フロントフレーム19は下部サイドフレーム18よりも下方において手前に向けて延びる前向き部19aを有しており、この前向き部19aの前部に前輪6を水平旋回自在に取り付けている。
【0033】
他方、下部サイドフレーム18は基部26(或いはリア支柱22)よりも後ろに大きく延びる後ろ向き部18aを有しており、この後ろ向き部18aの後端に下向きの足部18bを曲げ形成し、足部18bの下端に後端7を水平旋回自在に取り付けている。
【0034】
例えば図1〜3や図5に示すように、本体17を構成するフロントフレーム18の前向き部19aは座1及びレッグレスト4の前端よりも手前に張り出しており、このため前輪6も座1の手前に位置している。また、後輪7は座1の後ろに大きく張り出した後ろ向き部19aに取り付けており、このため前輪6と後輪7との間隔を大きくとることができ、その結果、椅子の安定性を高くして移動も安全に行える。
【0035】
下部サイドフレーム18における後ろ向き部18bの内側部には、輸液バッグ用支柱15を支持する底付きで上下長手の支持筒27が固着されている。支持筒27は背もたれ2の左右外面よりも左右内側に位置しているが、輸液バッグ用支柱15は背もたれ2の左右外側に配置しているのが好ましい。そこで、図2に示すように輸液バッグ用支柱15の下部はクランク状に折り曲げている。敢えて述べるまでもないが、輸液バッグ用支柱15は左右の支持筒27のいずれにも付け替えできる。
【0036】
左右の上部サイドフレーム23には、サイドパネル5の支持部材として、左右外側に張り出すサイドサポート28を固着しており、このサイドサポート28の前後両端に上下開口のサイド支持筒29を固着している(サイドパネル5の取り付け構造は後述する。)。本体17を構成する部材は鋼材からなっており、下部サイドフレーム18とフロントフレーム19とは丸パイプを使用し、前後ステー20,21とリア支柱22と上部サイドフレーム23とは角パイプを使用している。もちろん、他の形態の材料を使用することも可能である。
【0037】
(3).座等の構造及びリクライニング機構
次に、図5〜8を中心にして座1等の構造とリクライニング機構とを説明する。例えば図5に示すように、座1と背もたれ2とレッグレスト4とフットレスト3とは合板等の基板30,31,32,33にクッション材34を張った構造になっている(敢えて述べるまでもないが、クッション材34はレザーやクロス等の表皮材で覆われている。)。座1の基板30は本体17における基部26の上面にビス等で固定されている。
【0038】
本体17を構成する後部支持体25の後端部は上向きに起立しており、この起立部の左右両端部には左右開口の第1軸受け筒36が固着されている一方、図5や図8に明示するように、背もたれ2における基板31の下端部裏面には金属板製の第1支持体37が固定されており、第1支持板37の下端を背もたれ2の下端面に重なるように折り曲げ、その折り曲げ部の左右両端部に第1軸受け筒36と一直線に並ぶ第2軸受け筒38を溶接等で固定し、第1軸受け筒36と第2軸受け筒38とに第1支軸39を挿通している。従って、背もたれ2は第1支軸39を中心にして前後に自在に回動し得る。
【0039】
そして、図5や図6に示すように、本体17を構成するフロントステー20に第1ブラケット40を固着している一方、背もたれ2における基板31の下部には後ろ向きに大きく張り出した第2ブラケット41をビス等で固定し、第1ブラケット40と第2ブラケット41とに、アクチェータの一例としての第1電動シリンダ42がピンで相対回動自在に連結されている。第1電動シリンダ42はモータ43を備えており、モータ43を正逆回転させるとロッド42aが前後動し、その結果、背もたれ2を起立姿勢から水平状に寝た姿勢まで任意の角度に傾動(回動)させることができる。
【0040】
背もたれ2に固定した第2ブラケット41はバックカバー14で覆われている。このため安全性が確保されている。図5,6に示すように、ベースパネル8は板材で中空状に形成されている。椅子は背もたれ2を起こした状態で移動させることもあるが、この場合、ベースパネル8の後端に足を当てて押すことも可能である。
【0041】
(4).レッグレスト及びフットレスト駆動機構
本体17を構成する前部支持体24の前半部は斜め上向きの傾斜部24aになっており、傾斜部24aの左右両端部に、左右に開口した第3軸受け筒44が溶接等で固着されて(或いは曲げ形成されて)いる一方、レッグレスト4における基板32の上端部には支持金属板製の第2支持体45がビス止め等で固定されており、第2支持体45に前部支持体24の傾斜部に下方から重なる傾斜部45aを曲げ形成し、傾斜部45aの左右両端部に、第3軸受け筒44と一直線に並ぶ第4軸受け筒46を溶接等で固着し、第3軸受け筒44と第4軸受け筒46とに第2支軸47を挿通している。従って、レッグレスト4は第2支軸47を中心にして回動し得る。
【0042】
図5に明示するように、前部支持体24の傾斜部24aと第2支持体45の傾斜部45aとは側面視で水平に対して略45度程度の角度になっている。また、座1及びレッグレスト4とも、支持体24,45における傾斜部24a,45aの先端よりも先の部分はクッション34のみからなっている。このため、レッグレスト4はクッション34を圧縮変形させることで図6のように水平状の姿勢に回動し得る。
【0043】
レッグレスト4の回動はアクチェータの一例としての第2電動シリンダ49で行われ。図4,5,7等に示すように、第2電動シリンダ49は、後部ステー25に溶接等で設けた第3ブラケット50と第2支持体45に設けた第4ブラケット51とにピンで相対回動自在に連結されている。第4ブラケット51は、図7(C)に示すように第2支持板45に切り起こしによって形成することも可能であるし、図7(D)に示すように別体の部材にして第2支持体45に溶接等で固着しても良い。
【0044】
図7(A)に示すように、第2電動シリンダ49もモータ52を有しており、モータ52を正逆回転させてロッド49aを前後動させることでレッグレスト4を下向き姿勢から水平状姿勢まで任意の回動角度に回動させることができる。そして、第1電動シリンダ42と第2電動シリンダ49とは椅子の縦長中心線を挟んだ左右両側に振り分けて配置している。この場合、両電動シリンダ42,49のモータ43,52を互いに逆向きに突出させることにより、両電動シリンダ42,49をできるだけ近接させている。その結果、重量が重い電動シリンダ42,49を椅子の左右中間部に寄せることができて、椅子の安定性を向上できる。
【0045】
レッグレスト4における基板32の下端部には鋼板より成る第3支持板53がビス等で固定されており、この第3支持体53にレッグレスト4の下端面に向けて45°程度で傾斜した傾斜部53aを曲げ形成し、傾斜部53aの左右両端部に左右開口の第5軸受け筒54を溶接等で設けている。一方、フットレスト3における基板33には鋼板製の第4支持体55を固定しており、第4支持体55の左右両端部に、第5軸受け筒54と一直線に並ぶ第6軸受け筒56を設けて、第5軸受け筒54と第6軸受け筒56とに第3支軸57を挿通している。従って、フットレスト3とレッグレスト4とは第3支軸57を中心にして相対回動し得る。
【0046】
既述のようにレッグレスト4は第2電動シリンダ49で駆動されるが、フットレスト3はレッグレスト4に連動して昇降する。この連動は図5,6,7に示すリンク58を介して行われる。リンク58の後端は図7(A)(B)に示す第5ブラケット59にピンで回動自在に連結されており、リンク58の後端は図5や図7(A)(E)に示す第6ブラケット60にピン60′で回動自在に連結されている。第5ブラケット59は前部支持体24の下面に溶接で固着されており、第6ブラケット60はフットレスト3の第3支持体53に固定されている。
【0047】
フットレスト3はレッグレスト4よりも薄くなっている。このため、図6(B)に示すように、フットレスト3を上昇させ切った状態では、フットレスト3の下面はレッグレスト4の下面よりも上に位置している。また、フットレスト3はは下降させ切った状態でその後端がレッグレスト4の後端面よりも手前に位置している。そこで、リンク58が略鉛直姿勢から水平姿勢まで回動することを可能ならしめるため、第6ブラケット60はフットレスト3の下方に大きく突出すると共に後方に大きく張り出す形態にしている。図5から理解できるように、フットレスト3は下降させ切った状態でフロントフレーム19の前向き部19aで支持されている。
【0048】
(5).以上のまとめ・補足
患者は椅子に腰掛けて片方の腕をアームレスト13に載せ、その状態で点滴を受ける。点滴治療は相当の時間が掛かるため(ガン治療の場合は、10時間以上に及ぶこともある。)。そこで、背もたれ2の角度やレッグレスト4の角度、フットレスト3の高さなどを調節することにより、患者は体格や好み等に合わせて安楽状態を確保する。これらの調節は、図1に簡単に表示しているコントローラ(リモコン)61で行う。図示のコントローラ61は有線方式になっているが、無線方式とすることも可能である。
【0049】
図1,2に示すように、左右サイドパネル5の外面には、コントローラ61を係止するフック62が設けられている。また、図2に示すように、背もたれ2の背面部にはコントローラ61の収納ポケット63を設けている。患者の容体が急変して治療室に急送する場合は、コントローラ61は収納ポケット63に収納したら良い。
【0050】
点滴は長時間を要するので、患者はリラックスするために靴を脱ぐのが好ましい。この点、本実施形態ではフットレスト3にクッション34を設けているため、靴を脱いだ状態でも違和感なく足を載せることができる。また、フットレスト3は下降し切った状態で前向き部19aで支持されているため、乗り降りに際して椅子は安定した状態に保持されている。例えば図1に示すように、サイドパネル5の前上部は後傾状にカットされている。このため乗り降りに際して身体がサイドパネル5に当たることを防止できる。また、サイドパネル5の後ろ上部も斜めにカットしており、このため、背もたれ2を起こした状態であってもサイドフレーム18を簡単に取り外すことができる。
【0051】
既述のとおり、患者の容体が急変したら、背もたれ2を倒すと共に、レッグレスト4の起こしとフットレスト3の上昇とを行って、治療室に移動させることになる。その場合、左右のサイドパネル5が存在するため、廊下を曲がるに際して患者に遠心力が働いても、患者が椅子から落ちるようなことは全くない。また、背もたれ2を倒して患者を寝かせた状態にした場合、両腕は背もたれ2の左右両側部に載るが、背もたれ2はその下端部を除いて左右サイドフレーム18の外面間の間隔寸法と略同じ程度の横幅になっているため、腕が背もたれ2の外側で垂れ下がることを防止できる。
【0052】
(6).サイドパネルの着脱構造・アームレストの高さ調節機構
次に、サイドパネル5の着脱機構とアームレスト13の上下高さ調節機構とを主として図9〜図11に基づいて説明する。既述のようにサイドパネル5は本体17に設けたサイドサポート28で支持される。そこで、図9や図11(図3も参照)に示すように、サイドパネル5の内面部にはサイドサポート28に上方から嵌まる側面視四角形の切欠き部65を形成している。
【0053】
図1に示すように、サイドパネル5は大まかには内外の芯板66,67の外面にクッション68を張った構造になっており、内芯板66とこれに張ったクッション68とを切除することで切欠き部65を形成している。内外の芯板66,67はスペーサ69で間隔が保持されている。そして、内外の芯板66,67で形成された空間のうち切欠き部65の上方部に上向き開口コの字形のスペーサブラケット70を固定し、このスペーサブラケット70に、サイドサポート28のサイド支持筒29に嵌まる支持ピン71を固定している。
【0054】
従って、支持ピン71をサイド支持筒29に抜き差しすることにより、サイドパネル5を本体17に着脱することができる。サイドパネル5は座1の基板30に取り付けることも可能である。支持ピン71をサイドサポート28に設けて、支持筒29をサイドパネル5に設けることも可能である。また、他の着脱機構を採用することも可能である。
【0055】
図11(A)に示すように、アームレスト13は下向き開口コの字形の芯材13aにクッション13bを張った構造になっている。アームレスト13の内側部は座1との関係で高さは規制されるが、外側部の高さは座1で規制されることはない。このため外側部を内側部より下方に長く延びるように大きな高さに設定している。このため、アームレスト13は高さを高くした状態であっても高い安定性が確保される。支持ピン71は上向きに大きく延びている一方、アームレスト13の芯材72には支持ピン71に嵌まるガイド筒74を固定している。このためアームレスト13をスムースに上下動させることができる。
【0056】
図11に示すように、アームレスト13における芯材13aの前後中間部には下向きに長く延びるロッド75を設けており、ロッド75の下端部に、高さ調節機構を構成する左右一対のラチェット爪72が取り付けられている。ラチェット爪72は板ばね製又は樹脂製であり、サイドパネル5におけるスペーサブラケット70の内側面に向けて正面視で斜め下向きに延びている。また、左右のラチェット爪72はロッド75に貫通した左右長手のスライド軸76に固定されており、かつ、スライド軸76はロッド75に設けた前後ガイド穴77に前後スライド自在に嵌まっている。
【0057】
そして、スペーサブラケット70には、ラチェット爪72が上昇動する係合溝78とラチェット爪72が下降動する逃がし溝79が隣り合わせて形成されており、係合溝78にはラチェット爪72を下向き動不能に保持する係合穴80が複数段形成されている。また、係合溝78と逃がし溝79とは上下の傾斜溝81を介して繋がっている。スペーサブラケット70のうち傾斜溝81の近傍部には、スライド軸76を案内するガイド溝(図示せず)が形成されており、このガイド溝の作用により、アームレスト13を上昇させ切るとラチェット爪72は係合溝79から逃がし溝79に移行し、アームレスト13を下降させ切るとラチェット爪72は逃がし溝79から係合溝78に移行する。
【0058】
アームレスト13を高さ調節するための機構としては、ハート形カムを利用したワンウエイ方式ラチェット機構など様々の構成を採用できる。また、無段階的に調節可能とすることも可能である。
【0059】
高さ調節機構としてロック解除ボタンをアームレスト13の外面に配置して、解除ボタンを押して高さ調節することも可能である。他方、アームレスト13には点滴のために腕を載せており、このため、アームレスト13がずり下がるような不測の事態は避けるべきであるが、ロック解除ボタンがアームレスト13の外面にあると、誤ってロック解除ボタンを押してアームレスト13が下降してしまう虞がある。これに対して、本実施形態のように持ち上げることのみで高さ調節する構成を採用すると、アームレスト13が意図することなく下降してしまう不測の事態を確実に回避できる利点がある。
【0060】
(7).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば背もたれやレッグレストは座に連結してもよい。座を昇降式とすることも可能である。背もたれ等を駆動するアクチェータとしては電動シリンダに限らず、エアシリンダや油圧シリンダのような各種のものを使用できる。ガスシリンダを使用した手動式とすることも可能である。
【0061】
(8).ワゴンの説明
次に、図12〜図14を参照してワゴン(或いはキャビネット)83を説明する。図12の配置例から理解できるように、このワゴン83は本実施形態の椅子とセットで使用するのに好適なものである。
【0062】
ワゴン83は平面視長方形になっており、天板84と底板85と背板86とを備えており、左右側面部のうち一方の部分は第1側板87で全体が覆われて、左右側面部のうち他方の部分は、上寄りの部分のみが固定式の第2側板88で覆われて、第2側板88の下方の部分はサイド開口部となっていて、この開口部に水平回動式のサイド扉89を取り付けている。
【0063】
また、ワゴン83の内部はおおよそ左右中間部のあたりに配置した中間仕切り板90で左右に仕切られており、中間仕切り板90と第2側板88及び扉89とで挟まれた空間のうち上部には、スライド天板91が図示しないガイドレールで前後引き出し動自在に取り付けられている。そして、スライド天板91の下方には、スライド天板91の近傍から下方に延びる補助仕切り板92と、補助仕切り板92の下端と中間仕切り板90とに固定した補助棚板93とが配置されている。
【0064】
補助仕切り板21と補助棚板93とは正面視でL形の形態を成しており、かつ、補助棚板93と底板85との間にはある程度の間隔が空いている。従って、スライド天板91の下方の空間は、正面視でL形の主空間94と矩形のサブ空間95とに区分されている。主空間94の前面部は正面視L形の固定前板96で塞がれており、従って、主空間94は側方のみに開口している。また、サブ空間95は手前に開口しているが、上側の適宜範囲が開口したままとなるように水平回動式の前扉97を取り付けている。
【0065】
高濃度ビタミンC点滴療法は特に乳ガンの治療として普及しつつあり、従って、その場合の椅子の使用者(患者)は女性になる。そして、特に冬場の場合は女性はブーツを履くことが多いが、ワゴン83の主空間94をL形とすることにより、高さの高いブーツbも変形させることなく収納できる。また、主空間94をブーツbの収納に使用した場合、ブーツbはL形であるため、主空間94が正面視で矩形であるとデッドスペースが生じるが、本実施形態では、ブーツbの収納を阻害しない状態でサブ空間95を形成しており、このためサブ空間95を他の物品の収納部として利用できる。
【0066】
サブ空間95の使用例としてゴミ箱gを置いている。前扉97の上方は開口しているため、一々前扉97を開閉しなくてもゴミをごみ箱gに投入することができる。サブ空間95の全体を前扉97で塞いでもよいし、逆に、前扉97を設けずにサブ空間95を完全なオープン式とすることも可能である。主空間94も、サイド扉89を設けずにオープン方式とすることも可能である。第2側板88を設けずに、サイド扉89で主空間94の全高を覆うことや、主空間94を全高にわたってオープン方式とすること、或いは、主空間94を前面に開口させることも可能である。
【0067】
第1側板87と若干の間隔を空けてエンド仕切り板98を配置しており、かつ、エンド仕切り板98と中間仕切り板90との間の空間には適宜段数の棚板(図面では2枚)の棚板99を配置している。第1側板87とエンド仕切り板98とで挟まれた縦長空間100には板材のような細長い部材を収納できる。本実施形態では、椅子の左右アームレスト13に跨がった状態に載せる作業テーブル101を収納している。作業テーブル101はアームレスト13の内側面の箇所に位置するストッパー101aを設けており、このため左右ずれ不能の状態で使用できる。作業テーブル101を使用することにより、食事、パソコン操作、読書等の様々な作業を行える。なお、点滴を受ける腕は作業テーブル101の上に載せるこになる。
【0068】
天板84の背面寄り部位には薄い目隠しパネル(スクリーン)102を取り付けている。目隠しパネル102は完全な遮光性のものでも良いし、スリガラス状の不透明で透光性のあるものや色付きの半透明のものなど、その特性や素材は任意に選択できる。
【0069】
天板84には、テレビ等の物品を支持できるアーム装置103を固定することができる。アーム装置103は支柱104とアーム105とを有しており、アーム105は支柱103に水平旋回自在に取り付けられている。また、アーム105は複数の部材からなっており、屈曲することでテレビT等の物品の位置を自在に調節できる。第2側板88には衣服用ハンガーを掛けるハンガーフック106を設けている。底板85の四隅部にはキャスタ107を取り付けている。
【0070】
さて、ワゴン(或いはキャビネット)は前面のみ開口したものや四方にオープンしたものなど、様々の形態のものがある(例えば特開2005−137744号公報など。)。内部の仕切り構造としては、縦長の仕切り板と横長の棚板との組み合わせによっており、従って、単位収納空間は矩形の形態になっている。
【0071】
他方、ワゴンに収納する物品の形態は様々であり、ブーツのようにL形のものもある。このようなL形の物品を収納する場合、矩形の空間ではデッドスペースが生じることなり、空間の収納効率が悪くなる。
【0072】
そこで本願発明者たちは、上記実施形態のように、「全体として正面視矩形の空間をL形の主空間と矩形のサブ空間と区分する」という着想に至った。この場合、ワゴン83やキャビネットの内部空間を1つの主空間と1つのサブ空間との2つの空間のみで構成することも可能であるし、上記実施形態のように、ワゴンやキャビネットの空間を複数のエリアに区分し、1つのエリアのみをL形の主空間と矩形のサブ空間とに区分しても良い。主空間及びサブ空間とも、開口させたままでも良いし扉やカバーを設けてもよい。主空間とサブ区間との容積の比率に限定はなく、必要に応じて設定したらよい。矩形のサブ空間を複数に区分することも可能である。
【0073】
このように矩形の収納空間をL形の主空間と矩形のサブ空間とに区分することにより、L形の物品を的確に収容しつつ、スペースを有効利用できる。また、L形の主空間には丈の低い物と丈の高いものとを収納することも可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 座
2 背もたれ
3 フットレスト
4 レッグレスト
5 サイドパネル
6 前輪
7 後輪
8 ベースパネル
13 アームレスト
11 トップ把手
15 輸液バッグ支持用支柱
17 本体
18 下部サイドフレーム
18a 後ろ向き部
18b 足部
19 フロントフレーム
19a 前向き部
26 本体の基部
【技術分野】
【0001】
本願発明は、点滴や透析のような病気治療に使用するのに好適な(すなわち医療用に好適な)椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
点滴・透析に使用する椅子の一例として特許文献1がある。この特許文献1の椅子は、座と背もたれとフットレスト(足載せ台)とレッグレスト(すね当て体)、及び、これらを支持するフレーム構造の本体部とを有している。本体部には前輪と後輪とが取り付けられている。
【0003】
背もたれは起倒自在となるようにその下端部が座の後端部に連結されており、レッグレストは座と略同じ高さで水平状の姿勢となるようにその上端部が座の前端部に回動自在に連結されており、更に、フットレストはレッグレストの回動によって高さが変わるようにその後端部がレッグレストの下端部に連結されている。背もたれは第1をアクチェータで回動され、レッグレストは第2のアクチェータで回動される。
【0004】
レッグレストの下端には下向きに延びる第2係合板が固定されており、レッグレストを起こし回動すると第2係合板がフットレストに下方から当たり、これによってフットレストは下方から上昇位置に高さが変わる。フットレストが下降した切った状態ではフットレストは第2係合板で支持されてはおらず、そこで、フットレストには下降し切った状態で床に接地する補助輪を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平3−34179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
点滴は種々の目的で行われており、患者に対する危険性の程度も様々である。栄養補給を目的とした点滴は危険性が低いと言えるが、例えばガン治療の一つとして実施されている高濃度ビタミンC点滴療法のように治療として行われる場合は、点滴中に患者の容体が急変することがあって危険性が高いことが多い。
【0007】
他方、点滴自体は危険な行為ではないため一般に医師や看護士が始終付き添うことはなく、患者は点滴室やロビーのような非治療室においてリラックスした状態で点滴を受けている。そこで、点滴中に患者の容体が急変した場合は、患者を治療室に急送せねばならない。この点、特許文献1の椅子は前後のキャスタが付いているため、背もたれを倒すと共にレッグレストを起こしてストレッチャー化することで患者を治療室に急送することができる利点がある。
【0008】
しかし、特許文献1の椅子には幾つかの問題点も見られる。例えば、特許文献1ではフットレストの前端部に補助輪を取り付けており、このため使用者がフットレストに載ると荷重(使用者の体重)はフットレストの後端を下向きに押し下げるように作用することになり、その結果、フットレストとレッグレストとの連結部及びレッグレストと座との連結部に大きな荷重が掛かって、それら連結部が破断しやすくなる虞がある。この点、一つの問題である。
【0009】
また、特許文献1ではフットレストを支持するため補助輪を設けているが、フットレストを上昇させるとこれが人(移動や治療のために集まった看護士や医師)の衣服に接触し、衣服を汚す虞がある問題もあった。また、人が腰掛けた状態のままで椅子を押し引きして移動させることもあるが、この場合は左右の前輪及び後輪に加えて補助輪も床に接地する6輪状態になるため、方向変換させにくくなったり真っ直ぐ走行しなかったりする問題もあった。
【0010】
更に、患者を寝かせて移動させるには、安定性の点から前後キャスタ(車輪)の間隔はできるだけ広いのが好ましいが、特許文献1では前輪は座の前端部の位置に配置されているため、レッグレストとフットレストとが前輪の前方に大きく張り出すことになり、その結果、走行に際しての安定性が低いという問題もあった。
【0011】
更にまた、特許文献1の本体部はフレーム材で四角形のカゴ形に構成されており、カゴ形構造の本体の前端と後端とにキャスタを取り付けているが、安定性を高めるために本体部の後端を座よりもかなり後ろに延ばしており、そのため、本体部が相当に嵩張っているという問題もあった。
【0012】
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、医療用として好適なリクライニング方式椅子を、より改善された形態で提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明は幾つかの構成を含んでいる。第1の発明(請求項1の発明)は最も上位概念を成すもので、この発明は、左右の前輪及び左右の後輪が取り付けられた本体により、座と背もたれとフットレストとを支持しているという椅子において、前記本体には前記フットレストを支持し得る前向き部が設けられており、この前向き部に前記前輪を取り付けている。
【0014】
第2の発明(請求項2)は第1の発明を具体化したものであり、この発明では、前記背もたれは、着座した人の頭を支持する高さであって起きた姿勢から寝た姿勢まで角度調節可能な状態に前記本体又は座で支持されている一方、座の前端部とフットレストの後端部との間には着座した人のふくらはぎを支持し得るレッグレストが配置されており、前記レッグレストとフットレストとは、着座状態の人の脚を支持する状態から寝た状態の人の脚を支持する略水平状の姿勢まで姿勢変更自在になっている。
【0015】
第3の発明(請求項3の発明)は第1の発明又は第2の発明を具体化したもので、この発明では、前記後輪は座の後端よりも後ろに配置されており、前記背もたれの上端には人が手で掴むことのできる把手を設けており、更に、点滴用輸液バッグの吊り下げ用支柱を着脱自在な支柱支持部が設けられている。
【0016】
第4の発明(請求項4の発明)は第1〜第3の発明を具体化したものであり、この発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記本体は主として座の下方に位置した基部を有しており、前記基部の前端から下方に下がってから手前に延びる状態で前記前向き部が設けられている一方、前記座の左右両側には肘当て部を有するサイドパネルが配置されていてこのサイドパネルの下端は本体における基部の下面と略同じ程度の高さに設定しており、更に、前記本体の基部にはその下端部から前記サイドパネルの後方に延びるフレーム状の左右後ろ向き部が設けられており、前記左右の後ろ向き部の後端に設けた下向きの足部に前記後輪を取り付けている。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明では、フットレストは本体の前向き部で支持されているため、椅子への乗り降りに際してフットレストに大きな荷重が掛かってもその荷重は部材の連結部に作用することはない。従って、堅牢性に優れている。また、人が腰掛けた状態のままで椅子を移動させる場合、移動は左右の前輪と後輪との回転によって行われるため、方向変換をスムースに行うことができると共に直進性にも優れている。更に、前輪の位置が座の手前位置しているため、例えば後輪の位置が特許文献1と同じ程度であっても前輪と後輪との間隔を広げることができ、その結果、走行安定性を向上できる。
【0018】
フットレストには補助輪は不要であるため、第2の発明(請求項2の発明)のようにリクライニング方式に適用すると、フットレストを上昇させて椅子をストレッチャー状又はベッド状(寝台車状)と成した状態で補助輪が周囲の人の衣服に触れるような不具合は全くない。
【0019】
使用者を寝かせた状態で椅子を看護士が移動(搬送)させる場合、ベッド状に伸ばした椅子の前方と後方とに一人ずつ(或いは二人ずつ)配置して、前に位置した人は椅子の前部を引き、後ろに位置した人は椅子を後ろから押す、という方法が取られる。この場合、前で引く人は身体を前方に向けながら椅子を掴まねばならないため片手で掴むのが合理的である。そして、第3の発明を採用すると、背もたれを倒して人を寝かせた状態で移動するにおいて、前で引く人は、身体は前を向きながら片手で把手を掴む体制を無理なく採ることができるため、ベッド状(或いはストレッチャー状)に伸ばした椅子の移動を、看護士に負担を欠けることなく素早く行うことができる。
【0020】
また、第3の発明(請求項3の発明)によると、椅子に点滴用バッグを吊支できるため、どこでも点滴を行うことができて便利である。また、輸液バッグの吊支用支柱は着脱自在であるため、トイレ等の用足しも支障なく行える。
【0021】
第4の発明(請求項4の発明)では、本体における基部と床との間には大きな空間が空くことになるため、モップで床を掃除するに際してモップを本体の下方に奥まで簡単に出し入れすることができる。このため一々椅子を動かさなくても楽に掃除することができて便利である。更に、本体の基部はサイドパネルの後ろに延びる後ろ向き部を有していてこの後ろ向き部に後輪を取り付けているため、前輪と後輪との間隔を大きく取ることができて椅子の安定性を確保することができ、しかも、本体の後ろ向き部はフレーム状になっていてサイドパネルの後ろに露出しているため、高い安定性を保持しつつ全体としてスッキリとしている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態の椅子を前から見た斜視図である。
【図2】実施形態の椅子を後ろから見た斜視図である。
【図3】実施形態の椅子をベッド状に伸ばした状態での分離斜視図である。
【図4】本体の斜視図である。
【図5】側断面図である。
【図6】ベッド状に伸ばした状態での側断面図であり、(A)は前部を除いた部分の図、(B)は前部の図である。
【図7】(A)は概略分離平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図、(D)は(C)と同じ箇所の別例図、(E)は(A)のE−E視断面図である。
【図8】(A)は本体と背もたれとの関係を示す概略分離平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
【図9】サイドパネルを分離した状態での一部破断側面図である。
【図10】(A)は図9の XA-XA視断面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
【図11】(A)は肘当ての高さ調節機構を示し縦断正面図、(B)は(A)のB−B視図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【図12】椅子とワゴンと平面図である。
【図13】ワゴンの斜視図である。
【図14】図12の XIV-XIV視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は病院で点滴療法を施療するのに好適な医療用椅子に適用している。
【0024】
(1).椅子の概略
例えば図1〜図3に示すように、椅子は、人が腰掛ける座1、着座した人がもたれ掛かる背もたれ2、着座した人が足を載せるフットレスト3、着座した人のふくらはぎが当たり得るレッグレスト4、座1の左右両側に配置されたサイドパネル(サイドサポート)5、左右の前輪(前キャスタ)6と左右の後輪(後キャスタ)7とを備えている。前輪6と後輪7とのうちいずれか一方又は両方にはロック機構を備えている。サイドパネル5の下には、当該サイドパネル5が載るベースパネル8を配置している。ベースパネル8は左右に一連に広がる形態になっている。
【0025】
詳しい機構は後述するが、図3に示すように、背もたれ2は略水平姿勢まで寝かせることができる一方、レッグレスト4はその上端部を中心にして回動させることで水平状の姿勢に起こすことができ、かつ、フットレスト3は着座した人が足を載せる下降位置から座1と略同じ高さの上昇位置まで昇降させることができる。
【0026】
背もたれ2の上部前面にはヘッドレスト(枕)9を配置している。ヘッドレスト9はシート10に固定されており、シート10と背もたれ2とには係脱自在な面ファスナー(図示せず)を設けている。このため、ヘッドレスト9は背もたれ2に対して着脱自在である。背もたれ2の上端面には左右横長のトップ把手11を固定しており、また、背もたれ2の背面のうち上端寄りの箇所には左右横長のバック把手12を固定している。
【0027】
椅子はかなりの重量があるが、図1,2のように背もたれ2を起こした姿勢ではバック把手12に手を掛けることで簡単に引き移動させることができ、また、図3のように背もたれ2を寝かせて寝台車状(或いはストレッチャー状)と成した状態ではトップ把手11に手を掛けることで容易に引き移動させることができる。トップ把手11が請求項に記載した把手に該当する。なお、把手11,12は例えばT型等の他の形態を採用することも可能であり、また、左右2個ずつ配置することも可能である。
【0028】
サイドパネル5の上端は座1よりも高い高さになっており、このため着座した人が座1の左右外側に落ちることを防止できる。また、サイドパネル5には、着座した人が一の腕を安定した状態で載せ得るアームレスト(肘当て)13を取り付けている。アームレスト13は正面視コの字形の形態を成していてサイドパネル5に上から被さる状態で嵌まっている。図3に示すように左右のサイドパネル5は取り外すことができる。このため、患者をベッドBに移し替ることが容易に行える。アームレスト13は、サイドパネル5に対して段階的又は無段階的に高さ調節できるように取り付けられている。
【0029】
背もたれ2の左右横幅は左右サイドパネル5の外面間の間隔と略同じ寸法に設定しているが、下部はサイドパネル5との緩衝を回避するために巾狭と成しており、このため、下部の左右両側部には段部2aが存在している。また、図2に示すように、背もたれ2の背面のうち下部には後ろ向きに突出したバックカバー14を取り付けている(その意義は後述する。)。椅子は、付属品として輸液バッグの吊り下げ用支柱15を備えている。
【0030】
(2).本体の構造
椅子は、基幹要素として図4に明瞭に示す本体17を備えている(本体は、本体部又は木枠部と呼ぶことも可能である。)。次に、この本体17を主として図4に基づいて説明する。本体17は、その下部を構成する前後長手の左右下部サイドフレーム18、下部サイドフレーム18の前端に溶接で固着された側面視L形の前フレーム19、左右下部サイドフレーム18をその前部において連結する前部下ステー20、左右下部サイドフレーム18を前後中間位置よりも僅かに手前の部位で連結する後部下ステー21を有している。
【0031】
左右下部サイドフレーム18の内側部には後部下ステー21の後ろに近接した状態でリア支柱22が固着されており、リア支柱22の上端とフロントフレーム19の上端とは前後長手の上部サイドフレーム23で連結されており、更に、左右の上部上部サイドフレーム23の前部は金属板より成る左右横長の前部支持体24で連結され、左右の上部サイドフレーム23の後部は左右横長の後部支持体25で連結されている。敢えて述べるまでもないが、本体部は板金製とするなど様々の構造を採用できる。
【0032】
下部サイドフレーム18の略前半部と上部サイドフレーム23、各ステー20,21フロントフレーム19の後部起立部、リア支柱22、前後の支持板24,25の各部材によって略直方体状のフレーム構造体を成しており、このフレーム構造体で請求項に記載した基部26が構成されている。フロントフレーム19は下部サイドフレーム18よりも下方において手前に向けて延びる前向き部19aを有しており、この前向き部19aの前部に前輪6を水平旋回自在に取り付けている。
【0033】
他方、下部サイドフレーム18は基部26(或いはリア支柱22)よりも後ろに大きく延びる後ろ向き部18aを有しており、この後ろ向き部18aの後端に下向きの足部18bを曲げ形成し、足部18bの下端に後端7を水平旋回自在に取り付けている。
【0034】
例えば図1〜3や図5に示すように、本体17を構成するフロントフレーム18の前向き部19aは座1及びレッグレスト4の前端よりも手前に張り出しており、このため前輪6も座1の手前に位置している。また、後輪7は座1の後ろに大きく張り出した後ろ向き部19aに取り付けており、このため前輪6と後輪7との間隔を大きくとることができ、その結果、椅子の安定性を高くして移動も安全に行える。
【0035】
下部サイドフレーム18における後ろ向き部18bの内側部には、輸液バッグ用支柱15を支持する底付きで上下長手の支持筒27が固着されている。支持筒27は背もたれ2の左右外面よりも左右内側に位置しているが、輸液バッグ用支柱15は背もたれ2の左右外側に配置しているのが好ましい。そこで、図2に示すように輸液バッグ用支柱15の下部はクランク状に折り曲げている。敢えて述べるまでもないが、輸液バッグ用支柱15は左右の支持筒27のいずれにも付け替えできる。
【0036】
左右の上部サイドフレーム23には、サイドパネル5の支持部材として、左右外側に張り出すサイドサポート28を固着しており、このサイドサポート28の前後両端に上下開口のサイド支持筒29を固着している(サイドパネル5の取り付け構造は後述する。)。本体17を構成する部材は鋼材からなっており、下部サイドフレーム18とフロントフレーム19とは丸パイプを使用し、前後ステー20,21とリア支柱22と上部サイドフレーム23とは角パイプを使用している。もちろん、他の形態の材料を使用することも可能である。
【0037】
(3).座等の構造及びリクライニング機構
次に、図5〜8を中心にして座1等の構造とリクライニング機構とを説明する。例えば図5に示すように、座1と背もたれ2とレッグレスト4とフットレスト3とは合板等の基板30,31,32,33にクッション材34を張った構造になっている(敢えて述べるまでもないが、クッション材34はレザーやクロス等の表皮材で覆われている。)。座1の基板30は本体17における基部26の上面にビス等で固定されている。
【0038】
本体17を構成する後部支持体25の後端部は上向きに起立しており、この起立部の左右両端部には左右開口の第1軸受け筒36が固着されている一方、図5や図8に明示するように、背もたれ2における基板31の下端部裏面には金属板製の第1支持体37が固定されており、第1支持板37の下端を背もたれ2の下端面に重なるように折り曲げ、その折り曲げ部の左右両端部に第1軸受け筒36と一直線に並ぶ第2軸受け筒38を溶接等で固定し、第1軸受け筒36と第2軸受け筒38とに第1支軸39を挿通している。従って、背もたれ2は第1支軸39を中心にして前後に自在に回動し得る。
【0039】
そして、図5や図6に示すように、本体17を構成するフロントステー20に第1ブラケット40を固着している一方、背もたれ2における基板31の下部には後ろ向きに大きく張り出した第2ブラケット41をビス等で固定し、第1ブラケット40と第2ブラケット41とに、アクチェータの一例としての第1電動シリンダ42がピンで相対回動自在に連結されている。第1電動シリンダ42はモータ43を備えており、モータ43を正逆回転させるとロッド42aが前後動し、その結果、背もたれ2を起立姿勢から水平状に寝た姿勢まで任意の角度に傾動(回動)させることができる。
【0040】
背もたれ2に固定した第2ブラケット41はバックカバー14で覆われている。このため安全性が確保されている。図5,6に示すように、ベースパネル8は板材で中空状に形成されている。椅子は背もたれ2を起こした状態で移動させることもあるが、この場合、ベースパネル8の後端に足を当てて押すことも可能である。
【0041】
(4).レッグレスト及びフットレスト駆動機構
本体17を構成する前部支持体24の前半部は斜め上向きの傾斜部24aになっており、傾斜部24aの左右両端部に、左右に開口した第3軸受け筒44が溶接等で固着されて(或いは曲げ形成されて)いる一方、レッグレスト4における基板32の上端部には支持金属板製の第2支持体45がビス止め等で固定されており、第2支持体45に前部支持体24の傾斜部に下方から重なる傾斜部45aを曲げ形成し、傾斜部45aの左右両端部に、第3軸受け筒44と一直線に並ぶ第4軸受け筒46を溶接等で固着し、第3軸受け筒44と第4軸受け筒46とに第2支軸47を挿通している。従って、レッグレスト4は第2支軸47を中心にして回動し得る。
【0042】
図5に明示するように、前部支持体24の傾斜部24aと第2支持体45の傾斜部45aとは側面視で水平に対して略45度程度の角度になっている。また、座1及びレッグレスト4とも、支持体24,45における傾斜部24a,45aの先端よりも先の部分はクッション34のみからなっている。このため、レッグレスト4はクッション34を圧縮変形させることで図6のように水平状の姿勢に回動し得る。
【0043】
レッグレスト4の回動はアクチェータの一例としての第2電動シリンダ49で行われ。図4,5,7等に示すように、第2電動シリンダ49は、後部ステー25に溶接等で設けた第3ブラケット50と第2支持体45に設けた第4ブラケット51とにピンで相対回動自在に連結されている。第4ブラケット51は、図7(C)に示すように第2支持板45に切り起こしによって形成することも可能であるし、図7(D)に示すように別体の部材にして第2支持体45に溶接等で固着しても良い。
【0044】
図7(A)に示すように、第2電動シリンダ49もモータ52を有しており、モータ52を正逆回転させてロッド49aを前後動させることでレッグレスト4を下向き姿勢から水平状姿勢まで任意の回動角度に回動させることができる。そして、第1電動シリンダ42と第2電動シリンダ49とは椅子の縦長中心線を挟んだ左右両側に振り分けて配置している。この場合、両電動シリンダ42,49のモータ43,52を互いに逆向きに突出させることにより、両電動シリンダ42,49をできるだけ近接させている。その結果、重量が重い電動シリンダ42,49を椅子の左右中間部に寄せることができて、椅子の安定性を向上できる。
【0045】
レッグレスト4における基板32の下端部には鋼板より成る第3支持板53がビス等で固定されており、この第3支持体53にレッグレスト4の下端面に向けて45°程度で傾斜した傾斜部53aを曲げ形成し、傾斜部53aの左右両端部に左右開口の第5軸受け筒54を溶接等で設けている。一方、フットレスト3における基板33には鋼板製の第4支持体55を固定しており、第4支持体55の左右両端部に、第5軸受け筒54と一直線に並ぶ第6軸受け筒56を設けて、第5軸受け筒54と第6軸受け筒56とに第3支軸57を挿通している。従って、フットレスト3とレッグレスト4とは第3支軸57を中心にして相対回動し得る。
【0046】
既述のようにレッグレスト4は第2電動シリンダ49で駆動されるが、フットレスト3はレッグレスト4に連動して昇降する。この連動は図5,6,7に示すリンク58を介して行われる。リンク58の後端は図7(A)(B)に示す第5ブラケット59にピンで回動自在に連結されており、リンク58の後端は図5や図7(A)(E)に示す第6ブラケット60にピン60′で回動自在に連結されている。第5ブラケット59は前部支持体24の下面に溶接で固着されており、第6ブラケット60はフットレスト3の第3支持体53に固定されている。
【0047】
フットレスト3はレッグレスト4よりも薄くなっている。このため、図6(B)に示すように、フットレスト3を上昇させ切った状態では、フットレスト3の下面はレッグレスト4の下面よりも上に位置している。また、フットレスト3はは下降させ切った状態でその後端がレッグレスト4の後端面よりも手前に位置している。そこで、リンク58が略鉛直姿勢から水平姿勢まで回動することを可能ならしめるため、第6ブラケット60はフットレスト3の下方に大きく突出すると共に後方に大きく張り出す形態にしている。図5から理解できるように、フットレスト3は下降させ切った状態でフロントフレーム19の前向き部19aで支持されている。
【0048】
(5).以上のまとめ・補足
患者は椅子に腰掛けて片方の腕をアームレスト13に載せ、その状態で点滴を受ける。点滴治療は相当の時間が掛かるため(ガン治療の場合は、10時間以上に及ぶこともある。)。そこで、背もたれ2の角度やレッグレスト4の角度、フットレスト3の高さなどを調節することにより、患者は体格や好み等に合わせて安楽状態を確保する。これらの調節は、図1に簡単に表示しているコントローラ(リモコン)61で行う。図示のコントローラ61は有線方式になっているが、無線方式とすることも可能である。
【0049】
図1,2に示すように、左右サイドパネル5の外面には、コントローラ61を係止するフック62が設けられている。また、図2に示すように、背もたれ2の背面部にはコントローラ61の収納ポケット63を設けている。患者の容体が急変して治療室に急送する場合は、コントローラ61は収納ポケット63に収納したら良い。
【0050】
点滴は長時間を要するので、患者はリラックスするために靴を脱ぐのが好ましい。この点、本実施形態ではフットレスト3にクッション34を設けているため、靴を脱いだ状態でも違和感なく足を載せることができる。また、フットレスト3は下降し切った状態で前向き部19aで支持されているため、乗り降りに際して椅子は安定した状態に保持されている。例えば図1に示すように、サイドパネル5の前上部は後傾状にカットされている。このため乗り降りに際して身体がサイドパネル5に当たることを防止できる。また、サイドパネル5の後ろ上部も斜めにカットしており、このため、背もたれ2を起こした状態であってもサイドフレーム18を簡単に取り外すことができる。
【0051】
既述のとおり、患者の容体が急変したら、背もたれ2を倒すと共に、レッグレスト4の起こしとフットレスト3の上昇とを行って、治療室に移動させることになる。その場合、左右のサイドパネル5が存在するため、廊下を曲がるに際して患者に遠心力が働いても、患者が椅子から落ちるようなことは全くない。また、背もたれ2を倒して患者を寝かせた状態にした場合、両腕は背もたれ2の左右両側部に載るが、背もたれ2はその下端部を除いて左右サイドフレーム18の外面間の間隔寸法と略同じ程度の横幅になっているため、腕が背もたれ2の外側で垂れ下がることを防止できる。
【0052】
(6).サイドパネルの着脱構造・アームレストの高さ調節機構
次に、サイドパネル5の着脱機構とアームレスト13の上下高さ調節機構とを主として図9〜図11に基づいて説明する。既述のようにサイドパネル5は本体17に設けたサイドサポート28で支持される。そこで、図9や図11(図3も参照)に示すように、サイドパネル5の内面部にはサイドサポート28に上方から嵌まる側面視四角形の切欠き部65を形成している。
【0053】
図1に示すように、サイドパネル5は大まかには内外の芯板66,67の外面にクッション68を張った構造になっており、内芯板66とこれに張ったクッション68とを切除することで切欠き部65を形成している。内外の芯板66,67はスペーサ69で間隔が保持されている。そして、内外の芯板66,67で形成された空間のうち切欠き部65の上方部に上向き開口コの字形のスペーサブラケット70を固定し、このスペーサブラケット70に、サイドサポート28のサイド支持筒29に嵌まる支持ピン71を固定している。
【0054】
従って、支持ピン71をサイド支持筒29に抜き差しすることにより、サイドパネル5を本体17に着脱することができる。サイドパネル5は座1の基板30に取り付けることも可能である。支持ピン71をサイドサポート28に設けて、支持筒29をサイドパネル5に設けることも可能である。また、他の着脱機構を採用することも可能である。
【0055】
図11(A)に示すように、アームレスト13は下向き開口コの字形の芯材13aにクッション13bを張った構造になっている。アームレスト13の内側部は座1との関係で高さは規制されるが、外側部の高さは座1で規制されることはない。このため外側部を内側部より下方に長く延びるように大きな高さに設定している。このため、アームレスト13は高さを高くした状態であっても高い安定性が確保される。支持ピン71は上向きに大きく延びている一方、アームレスト13の芯材72には支持ピン71に嵌まるガイド筒74を固定している。このためアームレスト13をスムースに上下動させることができる。
【0056】
図11に示すように、アームレスト13における芯材13aの前後中間部には下向きに長く延びるロッド75を設けており、ロッド75の下端部に、高さ調節機構を構成する左右一対のラチェット爪72が取り付けられている。ラチェット爪72は板ばね製又は樹脂製であり、サイドパネル5におけるスペーサブラケット70の内側面に向けて正面視で斜め下向きに延びている。また、左右のラチェット爪72はロッド75に貫通した左右長手のスライド軸76に固定されており、かつ、スライド軸76はロッド75に設けた前後ガイド穴77に前後スライド自在に嵌まっている。
【0057】
そして、スペーサブラケット70には、ラチェット爪72が上昇動する係合溝78とラチェット爪72が下降動する逃がし溝79が隣り合わせて形成されており、係合溝78にはラチェット爪72を下向き動不能に保持する係合穴80が複数段形成されている。また、係合溝78と逃がし溝79とは上下の傾斜溝81を介して繋がっている。スペーサブラケット70のうち傾斜溝81の近傍部には、スライド軸76を案内するガイド溝(図示せず)が形成されており、このガイド溝の作用により、アームレスト13を上昇させ切るとラチェット爪72は係合溝79から逃がし溝79に移行し、アームレスト13を下降させ切るとラチェット爪72は逃がし溝79から係合溝78に移行する。
【0058】
アームレスト13を高さ調節するための機構としては、ハート形カムを利用したワンウエイ方式ラチェット機構など様々の構成を採用できる。また、無段階的に調節可能とすることも可能である。
【0059】
高さ調節機構としてロック解除ボタンをアームレスト13の外面に配置して、解除ボタンを押して高さ調節することも可能である。他方、アームレスト13には点滴のために腕を載せており、このため、アームレスト13がずり下がるような不測の事態は避けるべきであるが、ロック解除ボタンがアームレスト13の外面にあると、誤ってロック解除ボタンを押してアームレスト13が下降してしまう虞がある。これに対して、本実施形態のように持ち上げることのみで高さ調節する構成を採用すると、アームレスト13が意図することなく下降してしまう不測の事態を確実に回避できる利点がある。
【0060】
(7).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば背もたれやレッグレストは座に連結してもよい。座を昇降式とすることも可能である。背もたれ等を駆動するアクチェータとしては電動シリンダに限らず、エアシリンダや油圧シリンダのような各種のものを使用できる。ガスシリンダを使用した手動式とすることも可能である。
【0061】
(8).ワゴンの説明
次に、図12〜図14を参照してワゴン(或いはキャビネット)83を説明する。図12の配置例から理解できるように、このワゴン83は本実施形態の椅子とセットで使用するのに好適なものである。
【0062】
ワゴン83は平面視長方形になっており、天板84と底板85と背板86とを備えており、左右側面部のうち一方の部分は第1側板87で全体が覆われて、左右側面部のうち他方の部分は、上寄りの部分のみが固定式の第2側板88で覆われて、第2側板88の下方の部分はサイド開口部となっていて、この開口部に水平回動式のサイド扉89を取り付けている。
【0063】
また、ワゴン83の内部はおおよそ左右中間部のあたりに配置した中間仕切り板90で左右に仕切られており、中間仕切り板90と第2側板88及び扉89とで挟まれた空間のうち上部には、スライド天板91が図示しないガイドレールで前後引き出し動自在に取り付けられている。そして、スライド天板91の下方には、スライド天板91の近傍から下方に延びる補助仕切り板92と、補助仕切り板92の下端と中間仕切り板90とに固定した補助棚板93とが配置されている。
【0064】
補助仕切り板21と補助棚板93とは正面視でL形の形態を成しており、かつ、補助棚板93と底板85との間にはある程度の間隔が空いている。従って、スライド天板91の下方の空間は、正面視でL形の主空間94と矩形のサブ空間95とに区分されている。主空間94の前面部は正面視L形の固定前板96で塞がれており、従って、主空間94は側方のみに開口している。また、サブ空間95は手前に開口しているが、上側の適宜範囲が開口したままとなるように水平回動式の前扉97を取り付けている。
【0065】
高濃度ビタミンC点滴療法は特に乳ガンの治療として普及しつつあり、従って、その場合の椅子の使用者(患者)は女性になる。そして、特に冬場の場合は女性はブーツを履くことが多いが、ワゴン83の主空間94をL形とすることにより、高さの高いブーツbも変形させることなく収納できる。また、主空間94をブーツbの収納に使用した場合、ブーツbはL形であるため、主空間94が正面視で矩形であるとデッドスペースが生じるが、本実施形態では、ブーツbの収納を阻害しない状態でサブ空間95を形成しており、このためサブ空間95を他の物品の収納部として利用できる。
【0066】
サブ空間95の使用例としてゴミ箱gを置いている。前扉97の上方は開口しているため、一々前扉97を開閉しなくてもゴミをごみ箱gに投入することができる。サブ空間95の全体を前扉97で塞いでもよいし、逆に、前扉97を設けずにサブ空間95を完全なオープン式とすることも可能である。主空間94も、サイド扉89を設けずにオープン方式とすることも可能である。第2側板88を設けずに、サイド扉89で主空間94の全高を覆うことや、主空間94を全高にわたってオープン方式とすること、或いは、主空間94を前面に開口させることも可能である。
【0067】
第1側板87と若干の間隔を空けてエンド仕切り板98を配置しており、かつ、エンド仕切り板98と中間仕切り板90との間の空間には適宜段数の棚板(図面では2枚)の棚板99を配置している。第1側板87とエンド仕切り板98とで挟まれた縦長空間100には板材のような細長い部材を収納できる。本実施形態では、椅子の左右アームレスト13に跨がった状態に載せる作業テーブル101を収納している。作業テーブル101はアームレスト13の内側面の箇所に位置するストッパー101aを設けており、このため左右ずれ不能の状態で使用できる。作業テーブル101を使用することにより、食事、パソコン操作、読書等の様々な作業を行える。なお、点滴を受ける腕は作業テーブル101の上に載せるこになる。
【0068】
天板84の背面寄り部位には薄い目隠しパネル(スクリーン)102を取り付けている。目隠しパネル102は完全な遮光性のものでも良いし、スリガラス状の不透明で透光性のあるものや色付きの半透明のものなど、その特性や素材は任意に選択できる。
【0069】
天板84には、テレビ等の物品を支持できるアーム装置103を固定することができる。アーム装置103は支柱104とアーム105とを有しており、アーム105は支柱103に水平旋回自在に取り付けられている。また、アーム105は複数の部材からなっており、屈曲することでテレビT等の物品の位置を自在に調節できる。第2側板88には衣服用ハンガーを掛けるハンガーフック106を設けている。底板85の四隅部にはキャスタ107を取り付けている。
【0070】
さて、ワゴン(或いはキャビネット)は前面のみ開口したものや四方にオープンしたものなど、様々の形態のものがある(例えば特開2005−137744号公報など。)。内部の仕切り構造としては、縦長の仕切り板と横長の棚板との組み合わせによっており、従って、単位収納空間は矩形の形態になっている。
【0071】
他方、ワゴンに収納する物品の形態は様々であり、ブーツのようにL形のものもある。このようなL形の物品を収納する場合、矩形の空間ではデッドスペースが生じることなり、空間の収納効率が悪くなる。
【0072】
そこで本願発明者たちは、上記実施形態のように、「全体として正面視矩形の空間をL形の主空間と矩形のサブ空間と区分する」という着想に至った。この場合、ワゴン83やキャビネットの内部空間を1つの主空間と1つのサブ空間との2つの空間のみで構成することも可能であるし、上記実施形態のように、ワゴンやキャビネットの空間を複数のエリアに区分し、1つのエリアのみをL形の主空間と矩形のサブ空間とに区分しても良い。主空間及びサブ空間とも、開口させたままでも良いし扉やカバーを設けてもよい。主空間とサブ区間との容積の比率に限定はなく、必要に応じて設定したらよい。矩形のサブ空間を複数に区分することも可能である。
【0073】
このように矩形の収納空間をL形の主空間と矩形のサブ空間とに区分することにより、L形の物品を的確に収容しつつ、スペースを有効利用できる。また、L形の主空間には丈の低い物と丈の高いものとを収納することも可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 座
2 背もたれ
3 フットレスト
4 レッグレスト
5 サイドパネル
6 前輪
7 後輪
8 ベースパネル
13 アームレスト
11 トップ把手
15 輸液バッグ支持用支柱
17 本体
18 下部サイドフレーム
18a 後ろ向き部
18b 足部
19 フロントフレーム
19a 前向き部
26 本体の基部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の前輪及び左右の後輪が取り付けられた本体により、座と背もたれとフットレストとを支持している椅子であって、
前記本体には前記フットレストを支持し得る前向き部が設けられており、この前向き部に前記前輪を取り付けている、
椅子。
【請求項2】
前記背もたれは、着座した人の頭を支持する高さであって起きた姿勢から寝た姿勢まで角度調節可能な状態に前記本体又は座で支持されている一方、座の前端部とフットレストの後端部との間には着座した人のふくらはぎを支持し得るレッグレストが配置されており、前記レッグレストとフットレストとは、着座状態の人の脚を支持する状態から寝た状態の人の脚を支持する略水平状の姿勢まで姿勢変更自在になっている、
請求項1に記載した椅子。
【請求項3】
前記後輪は座の後端よりも後ろに配置されており、前記背もたれの上端には人が手で掴むことのできる把手を設けており、更に、点滴用輸液バッグの吊り下げ用支柱を着脱自在な支柱支持部が設けられている、
請求項1又は2に記載した椅子。
【請求項4】
前記本体は主として座の下方に位置した基部を有しており、前記基部の前端から下方に下がってから手前に延びる状態で前記前向き部が設けられている一方、前記座の左右両側には肘当て部を有するサイドパネルが配置されていてこのサイドパネルの下端は本体における基部の下面と略同じ程度の高さに設定しており、更に、前記本体の基部にはその下端部から前記サイドパネルの後方に延びるフレーム状の左右後ろ向き部が設けられており、前記左右の後ろ向き部の後端に設けた下向きの足部に前記後輪を取り付けている、
請求項1〜3のうちのいずれかに記載した椅子。
【請求項1】
左右の前輪及び左右の後輪が取り付けられた本体により、座と背もたれとフットレストとを支持している椅子であって、
前記本体には前記フットレストを支持し得る前向き部が設けられており、この前向き部に前記前輪を取り付けている、
椅子。
【請求項2】
前記背もたれは、着座した人の頭を支持する高さであって起きた姿勢から寝た姿勢まで角度調節可能な状態に前記本体又は座で支持されている一方、座の前端部とフットレストの後端部との間には着座した人のふくらはぎを支持し得るレッグレストが配置されており、前記レッグレストとフットレストとは、着座状態の人の脚を支持する状態から寝た状態の人の脚を支持する略水平状の姿勢まで姿勢変更自在になっている、
請求項1に記載した椅子。
【請求項3】
前記後輪は座の後端よりも後ろに配置されており、前記背もたれの上端には人が手で掴むことのできる把手を設けており、更に、点滴用輸液バッグの吊り下げ用支柱を着脱自在な支柱支持部が設けられている、
請求項1又は2に記載した椅子。
【請求項4】
前記本体は主として座の下方に位置した基部を有しており、前記基部の前端から下方に下がってから手前に延びる状態で前記前向き部が設けられている一方、前記座の左右両側には肘当て部を有するサイドパネルが配置されていてこのサイドパネルの下端は本体における基部の下面と略同じ程度の高さに設定しており、更に、前記本体の基部にはその下端部から前記サイドパネルの後方に延びるフレーム状の左右後ろ向き部が設けられており、前記左右の後ろ向き部の後端に設けた下向きの足部に前記後輪を取り付けている、
請求項1〜3のうちのいずれかに記載した椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−227389(P2010−227389A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79909(P2009−79909)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
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