説明

植物由来の有機結合剤を含有している石の凝塊物によって形成されているパネルまたはスラブ

本発明は、植物由来の成分を含んでいる有機結合剤の使用を包含している製品である、石の凝塊物によって形成されるパネルまたはスラブに関する。このようなパネルまたはスラブは、その後に結合剤、より詳細には植物由来の1つ以上のポリオールを含んでいる有機樹脂によって凝塊形成される、顆粒の石の材料またはその類似物から形成される。さらに、廃棄物、ならびに中古製品および/または再生製品に由来する材料をともなった上記結合剤の使用を介して、非常に高い含有量の再生材料または再生可能な原材料を有している良好な性質を示す材料を得ることが可能である。植物由来の樹脂を部分的に含んでいる生成されたパネルまたはスラブは、屋内における使用(例えば、台所の表面、浴室の表面または任意の加工物の表面)の他にも、床張り材またはパネル用材としての使用にとって特に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来の成分を含んでいる有機結合剤が使用される製品のための石の凝塊物によって形成されるパネルまたはスラブに関する。本発明の目的である上記パネルまたはスラブは、粒状化され、続いて結合剤によって凝塊形成される石の材料などから形成されている。上記結合剤は、特に植物由来の1つ以上のポリオールを含んでいる有機の樹脂である。
【0002】
さらに、廃棄物ならびに中古の製品および/または再生製品から得られる材料とともに上記結合剤を使用することによって、非常に高い含有量の再生材料または再生可能な由来の材料を有しており、良好な特性を示す材料を入手し得る。
【0003】
本発明の植物由来の樹脂部分を含んでいる、製造されるパネルまたはスラブは、台所の調理台、化粧室の流し台または任意の加工物の表面としての屋内における使用、ならびにフローリング材またはパネル用材としての使用にとって特に好適である。
【背景技術】
【0004】
ブレントンストーンとして商業的に知られている石材ブロックの製造プロセスは、米国特許第4,698,010号に記載されており、よく知られている。上記プロセスによって、公知の粒径の無機充填物、色素もしくは染料、有機結合剤、および添加剤の集合物が、減圧下における圧縮および振動の同時の作用によって上記材料の形成を可能にする好適な量において形成される。
【0005】
現在、石の材料からスラブを得るプロセスについて記載されている種々の特許文献がある(例えば、米国特許出願公開第2006/0162618号、ES2166947 T3、国際公開第2005/111126号、国際公開第99/23045号)。当該石の材料は、ほとんどの場合に結合剤によって凝塊形成される、一般的に粒状化されている材料である。上記結合剤は、通常、ある量の合成希釈剤(例えば、スチレン、トルエン、キシレンなど)を有しているポリエステル、エポキシまたはアクリル系の有機の熱硬化性樹脂であり、任意の場合に石油化学製の重合体であり、他の添加剤を含み得る。
【0006】
本願と同一の出願人によるES2187313 A1には、混合物から得られる、装飾に適用され得る人工石のスラブを製造する方法について記載されている。上記混合物は、異なる粒径を有している破砕されている材料および7重量%〜14重量%のポリエステル樹脂、ならびに他の添加剤の混合物である。上記材料は、シリカ、ガラス、花崗岩、フェロシリコン、石英、大理石または他の材料である。上記添加剤は、例えば、染料、ならびに上記樹脂に対して作用する触媒、カップリング剤および反応促進剤である。また、同じ出願人による国際公開第2005/014256号には、天然石の材料および6重量%〜30重量%のポリエステル樹脂の混合物から形成されている、天然石の外観を有している材料について記載されている。上記材料には、その表面に対して、細菌または微生物の増殖を抑制するために抗菌剤が加えられており、得られた当該材料は、家庭内(特に浴室、および台所の調理台)における使用に好適である。同様に、国際公開第2006/134179号において、上述の2つの文献と同様に減圧下における振動圧縮技術を使用することによって、人工石および重合可能な樹脂(4%〜15%のポリエステル)の、石目が付与されているスラブが得られている。
【0007】
また、本願と同じ出願人による欧州特許出願公開第2011632号には、上述の文献に記載の混合物と同様の混合物および5%〜15%のポリエステル樹脂を有しているスラブの製造方法について記載されている。上記製造方法は、上記樹脂を硬化させる硬化プロセスがマイクロ波照射によって実施され、炭酸カルシウムまたは硫酸カルシウムが上記プロセスを容易にするための触媒として上記樹脂に加えられていることを特徴としている。
【0008】
近年、台所の調理台、化粧室の流し台または一般的な加工物の表面、ならびにフローリング材または壁被覆材としてそれらを使用する石の凝塊物の消費が大幅に増大しており、当該凝集物は非常に普及率の高い製品であり、したがって生産レベルおよび樹脂の消費量が著しく増大している。
【0009】
結果として、この分野における研究の重要な部分が、環境により優しく、プロセスの全体をより清潔かつ効率的にすると同時に、優れた機械的な特性および美的外観を有している材料の製造を可能にする再生可能な原料および/または再利用される原料をもたらす成分の探索に傾けられている。
【0010】
したがって、建築物から得られる石材廃棄物、再生ガラス、工業廃棄物などに由来する原料が、種々の特許文献に記載されている。当該特許文献は、例えば、一般に建築物から得られる石灰石および廃棄物を用いた建築材料(例えば、レンガ、ブロック、タイルなど)の製造について記載されているKR20020051443である。ES2249163 A1には、使い捨て用品のアラバスターの廃棄物を使用するシステムについて記載されている。上記廃棄物を、振動させることによって沈殿プロセスが実施され、続いてポリエステル樹脂が注がれ、その組み合わせが減圧下において混合される容器において使用する。使用される上記樹脂は、アラバスターまたはドロマイトの粉末と混合したポリエステル樹脂であることが好ましい。
【0011】
廃棄物を利用する他の文献は、例えば、人工石を製造するために廃棄ガラスを使用する国際公開第00/44686号、およびセメント凝塊物を製造するために破砕した再生ガラスを使用するES2121529 A1である。また、国際公開第89/11457号において、再生ガラスおよび新しいガラス、特に天然の外観を有している人工石を得るための材料をともなう、合成樹脂を使用している。
【0012】
米国特許出願公開第2006/0051598号には、シリコンの粉末または粒状の形態における断片、ならびに電子産業においてマイクロチップを支持するウエハとしてこれまでに使用されていた純粋なシリコンのタブレットおよびプリント回路のシリコンのタブレットを含んでおり、所望の製品を得るための凝集剤および染料とともにすべての成分を混合しているスラブまたはブロックについて記載されている。
【0013】
また、環境に対する影響を抑えた樹脂、または樹脂を一般に含有している反応性の溶媒が除去されている樹脂の使用について記載している、当該技術の状況を示す文献がある。国際公開第2007/138529号の場合のように、当該文献には、反応性の希釈剤を含んでいない(スチレンなしの)ポリエチレン樹脂の使用に基づく石の凝塊物の製造について記載されている。上記凝塊物は、エポキシド化されたトリグリセリドと少なくとも1つのカルボン酸無水物との反応によって形成され、必要とされるトリグリセリドは、植物性または動物性の脂肪から開始して、入手され得る。この方法は、米国特許第3,296,202号およびDE19627165に示されるような他の領域分野においてすでに公知であり、この方法によれば、それ自体がポリエステル樹脂ではなく、むしろ部分的にエポキシド化されている系である樹脂が得られる。これらの樹脂の物理的かつ機械的な特性が十分に良好であるにもかかわらず、当該樹脂の使用にともなう主な問題は、脂肪酸をエポキシド化し、当該樹脂を得るために好適な製造設備を有している必要がある点である。さらに、この樹脂を重合させるために必要な触媒系は、現在、使用されている触媒系と全く異なり、すでに実施されているプロセスの機序を実質的に変更する必要がある。これは、経済的な投資をともない、現行のシステムを再利用する可能性を排除する。
【0014】
樹脂とともに使用されるスチレンの除去に代わる他の可能性は、植物由来の成分から上記樹脂を得ることであろう。したがって、米国特許第6,222,005号には、以下の二段階:(a)および(b)によってポリエステル樹脂を調製するプロセスについて記載されている。(a)少なくとも2つのカルボキシル基を含んでいるカルボン酸または1価のエチレン性不飽和基を含んでいる対応する無水物を、モノエステルを得るために十分な量における150℃未満の沸点を有している飽和の一価アルコールと反応させること、および、(b)上記(a)において得られたモノエステルを、45%以下において存在し得る1価の不飽和基を有している油または対応する脂肪酸の存在下においてポリオールと反応させる。上記油は、ひまし油、ピーナッツ油、オリーブ油、綿実油、ダイズ油およびナタネ油からなる群から選択される。上記不飽和油の使用によって、石油副生成物の使用を低減可能である。このようにして得られた樹脂は、農業設備、船舶設備および輸送設備のための複合材料の製造に使用される。
【0015】
したがって、石油化学物質由来のグリコールが植物由来のグリコールを用いて部分的に置換されている石英凝塊物の製造用の、石油副生成物に由来するポリエステル樹脂の開発に対する必要性が依然として存在している。ここで、上記石英凝塊物の製造のための触媒は、典型的に使用されている触媒であり、プロセスの機序の変更を必要とせず、これまでに得られている石英凝塊物と同等以上の特性を有している石英凝塊物を得られるものである。
【0016】
したがって、本発明は、植物由来(例えば、トウモロコシ由来)のポリオールを用いて部分的に置換されているポリエステル樹脂から形成されるパネルまたはスラブについて説明する。さらに、植物由来のポリオールを含んでいる樹脂が、上記パネルまたはスラブを製造するプロセスに完全に適していることを、意外にも見出している。ここで、当該パネルまたはスラブにおいて、従来の無機の凝塊物が、異なる工業プロセスまたは他の用途から生じる他のものに、部分的に若しくは全体的に置き換えられている。当該他のものは、例えば、再生ボトルから得られる破砕されたガラス、ガラス製造工業から得られる平坦なガラス、磁器を製造するプロセスにおける廃棄物プロセスから得られる磁器材料などである。したがって、植物由来の樹脂を有しており、高い原料含有量において再生可能な原料および/または再生原料をさらに有している、したがって環境に優しいパネルまたはスラブが得られる。
【発明の概要】
【0017】
〔発明の目的〕
本発明の目的は、屋内における使用に特に好適な人工石のパネルまたはスラブを製造する方法に関する。上記方法は、充填物を形成する粒径の異なる材料を破砕する段階と、触媒および必要に応じて他の添加剤とともに凝集剤を含める他の段階と、上記材料および上記凝集剤が均質になるまで上記段階において混合する段階と、減圧下における振動圧縮によって、得られたパルプを成型し、圧縮する段階と、加熱による上記凝集剤の重合によって硬化させる段階とを包含しており、冷却し、研磨する段階をもって終了する。上記方法は、上記凝集剤が、12%〜30%のポリオールが植物由来のポリオールに置換されているポリエステル樹脂によって構成されていることを特徴としている。
【0018】
特定の実施形態において、本発明の第1の目的を構成する上記方法の間に使用される上記凝集剤が、凝塊物において5%〜18%存在している。
【0019】
使用される上記凝集剤は、12%〜30%の植物由来のポリオールを含んでいるポリエステル樹脂であることが好ましく、当該ポリオールはトウモロコシに由来する植物由来のポリオールであることが好ましい。特定の実施形態において、上記ポリオールは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、およびポリオキシプロピレングリコールからなる群のうちの1つ以上から選択される。使用される上記ポリオールは、1,2−プロパンジオールおよび/または1,3−プロパンジオールであることがより好ましい。
【0020】
他の特定の実施形態において、人工石のパネルまたはスラブを製造する上記方法は、組成物の部分を形成する材料が、例えば大理石、ドロマイト、不透明な石英、結晶性の石英、シリカ、ガラス、ミラー、クリストバライト、花崗岩、長石、玄武岩、フェロシリコンなどであり得ることを特徴とする。
【0021】
他の特定の実施形態において、本発明の目的の上記方法は、組成物の部分を形成する材料が、種々の粒径であり得、再生廃棄物または残留廃棄物から部分的に若しくは全体的にもたらされていることを特徴とする。
【0022】
他の特定の実施形態では、本発明の目的である上記方法は、上記充填物の部分を形成する少なくとも1つの材料の約40%〜90%が、類似の廃棄物または再生材料に置き換えられていることを特徴とする。上記充填物の部分を形成する少なくとも1つの材料の50%が、類似の廃棄物または再生材料に置き換えられていることが好ましい。上記充填物の部分を形成する少なくとも1つの材料の90%が、類似の廃棄物または再生材料に置き換えられていることがより好ましい。
【0023】
したがって、本発明の目的は、上述の方法にしたがって製造される、屋内における使用に特に好適なパネルまたはスラブに関する。上記パネルまたはスラブにおいて、上記凝集剤は、12%〜30%のポリオールが植物由来のポリオールに置換されている5%〜18%のポリエステル樹脂によって構成されており、上記パネルまたはスラブは、再生材料をさらに含有し得る。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔本発明の説明〕
本発明は、これまで使用されている石油化学物質由来のポリオールが、例えばトウモロコシなどに由来する植物性物質の発酵によって得られるポリオールに部分的に置換されているポリエステル樹脂を製造工程に用いて、パネルまたはスラブの形態の石の凝塊物を得ることからなる。
【0025】
石油化学物質由来のポリエステル樹脂の割合が高い(例えば35%)ポリエステル樹脂を用いてパネルまたはスラブを製造する一般的なプロセスが、本発明に基づいて、検討される場合、12%〜30%までの上記樹脂が、植物由来のポリオールを用いて置換され得る。
【0026】
植物由来の任意のポリオールが好適であり、好ましいポリオールはトウモロコシ由来のポリオールである。本発明において好ましいポリオールは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、およびポリオキシプロピレングリコールである。より好ましくは、再生可能な由来のポリオールは、1,2−プロパンジオールおよび/または1,3−プロパンジオールである。
【0027】
このようにして得られる上記樹脂の主な物理化学的パラメータを、以下の表に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
上記石英凝塊物を製造するためにしたがった方法は、公知の粒径の凝集物の混合物が結合剤として作用する樹脂と混合されて製造用の集合物を形成する、この種の材料にとっての従来の方法である。さらに、添加剤(例えば、染料および色素、抗菌性添加剤、カップリング剤、紫外線フィルタ、ならびに重合のための反応促進剤および触媒)が、この製造用の集合物に加えられ得る。
【0030】
〔本発明の好ましい実施形態〕
本発明の場合、使用される上記樹脂は、植物性物質から得られる12%〜30%のポリオールを含んでいる不飽和ポリエステル樹脂である。好ましいポリオールは、1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオールである。
【0031】
従来の凝集物の一例としては、大理石、ドロマイト、不透明な石英、結晶性の石英、シリカ、ガラス、ミラー、クリストバライト、花崗岩、長石、玄武岩、フェロシリコンなどが挙げられ得る。
【0032】
さらに、材料(例えば、再生ガラス(最終消費者によって再循環されたガラス、および工業プロセスからの廃棄物再生されるガラスに由来する)、脱工業化廃棄物から生じる破砕されたミラー、セラミック産業から生じる産業廃棄物、および/またはガラス化した灰分から生じるケイ酸アルミニウム)が取り入れられる場合、この樹脂を用いて、再生材料の高い含有量を有している凝塊物を得ることが可能であることが分かっている。従来の石の凝塊物の製造にこれまで使用されている原料をこれらの材料と組み合わせることによって、上述のように、環境に優しい再生材料の含有量が高い材料が得られる。
【0033】
実験的に確認されている通り、本発明の凝塊物の混合物において好ましい割合(重量%)は以下の通りである。
再生ガラス:35%〜90%
廃棄物から生じる破砕されたミラー:10%〜90%
セラミック産業から生じる廃棄物:10%〜30%
ガラス化した灰分から生じるケイ酸アルミニウム:6%〜35%。
【0034】
そして、凝塊物の樹脂の含有量は5%〜18%であり、より好ましくは7%〜13%である。
【0035】
調合物における特定の成分およびその割合に応じて、新しい材料の量のすべてまたはその一部のみを、上述の割合にしたがって廃棄物または再生した材料に置き換えることが、好都合である。ある割合のみが置き換えられ、まったく同じ成分(新しい成分および廃棄物の成分)が使用される場合、得られるべき最終製品の特性にしたがって、すでに所望の形態(ペレット、粉末など)になっているそれらの両方が、あらかじめ混合され、続いて当該成分の残部と混合される。
【0036】
本発明によれば、上記石の凝塊物を得るための凝集材料は、合成樹脂の混合物、詳細には植物由来(好ましくはトウモロコシ由来)のポリオールとともに石油化学物質由来のポリオールを含んでいるポリエステル樹脂であり、あらかじめ混合されており、混合後に重合段階および最終製品にとっての通常の添加剤が加えられている。当該添加剤は、好ましくは、固体または液体の状態である反応促進剤、触媒、カップリング剤、および1つ以上の色素もしくは染料である。また、抗菌剤(例えばトリクロサン)が添加剤として加えられ得る。
【0037】
本発明は、非限定的な本発明の実施例によって以下に例示される。
【実施例】
【0038】
凝塊物の調製物の4つの実施例を、その結果にあわせて異なる成分およびそれらの割合を用いて調合している。
【0039】
〔実施例1および実施例2〕
実施例1および実施例2において、現在、使用されている樹脂(石油化学物質由来の35%のポリオール)を、植物由来の22%のポリオールおよび石油化学物質由来の11%のポリオールを含んでいる樹脂に置き換えて、これまで使用されている凝集物とまったく同じの材料が、調合されており、以下の表に例示されている。
【0040】
【表2】

【0041】
石の凝塊物の曲げ強さを決定するための、UNE EN−14617−2標準物質にしたがう、上記材料の機械的な特性は以下の通りである。
【0042】
【表3】

【0043】
植物ポリオールの含有量の適切な調節によって、これまで使用されている樹脂を用いて得られる結果でさえ、意外にもある程度まで改善され得ることが、上述の結果から推測される。
【0044】
〔実施例3および実施例4〕
実施例3および実施例4において、異なるポリオールを有している樹脂に加えて、新しい材料および再生材料の異なる比率を用いている。上記新しい材料および再生材料は、混合物に加えられる前に、あらかじめ個々に混合されている。
【0045】
【表4】

【0046】
得られた凝集物スラブの機械的な特性を以下の表に示す。
【0047】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填物を形成する粒径の異なる材料を破砕する段階と、
触媒および必要に応じて他の添加剤とともに凝集剤を含める他の段階と、
上記材料および上記凝集剤が均質になるまで上記段階において混合する段階と、
減圧下における振動圧縮によって、得られたパルプを成型し、圧縮する段階と、
加熱による上記凝集剤の重合によって硬化させる段階とを包含している人工石のパネルまたはスラブを製造する方法であって、
上記凝集剤が、12%〜30%のポリオールが植物由来のポリオールに置換されているポリエステル樹脂によって構成されていることを特徴とする、人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項2】
上記凝集剤が凝塊物において5%〜18%存在していることを特徴とする、請求項1に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項3】
上記凝集剤が、12%〜30%の植物由来のポリオールを有しているポリエステル樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項4】
植物由来の上記ポリオールがトウモロコシに由来することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項5】
植物由来の上記ポリオールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、およびポリオキシプロピレングリコールからなる群のうちの1つ以上から好ましく選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項6】
上記ポリオールは、好ましくは1,2−プロパンジオールおよび/または1,3−プロパンジオールであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項7】
組成物の部分を形成する材料が、特に、大理石、ドロマイト、不透明な石英、結晶性の石英、シリカ、ガラス、ミラー、クリストバライト、花崗岩、長石、玄武岩、フェロシリコンなどであり得ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項8】
組成物の部分を形成する材料は、種々の粒径であり得、再生廃棄物または残留廃棄物から部分的に若しくは全体的にもたらされていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項9】
上記充填物の部分を形成する少なくとも1つの材料の40%〜100%が、類似の廃棄物または再生材料に置き換えられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項10】
上記充填物の部分を形成する少なくとも1つの材料の45%〜55%が、類似の廃棄物または再生材料に置き換えられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項11】
上記充填物の部分を形成する少なくとも1つの材料の85%〜95%が、類似の廃棄物または再生材料に置き換えられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項12】
上記充填物の部分を形成する材料の1つ以上が、再生ガラス、廃棄物から生じる破砕されたミラー、セラミック産業から生じる廃棄物、およびガラス化した灰分から生じるケイ酸アルミニウムからなる群のいずれかから得られることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項13】
再生ガラスが使用されることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項14】
廃棄物から生じる破砕されたミラーが使用されることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項15】
セラミック産業から生じる廃棄物が使用されることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項16】
ガラス化した灰分から生じるケイ酸アルミニウムが使用されることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の人工石のパネルまたはスラブを製造する方法。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法によって製造される、屋内における使用にとって特に好適なパネルまたはスラブであって、
上記凝集剤が、石油化学物質由来の12%〜30%のポリオールが植物由来のポリオールに置換されている、5%〜18%のポリエステル樹脂によって構成されていることを特徴とする、パネルまたはスラブ。

【公表番号】特表2012−520820(P2012−520820A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500278(P2012−500278)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【国際出願番号】PCT/ES2009/000153
【国際公開番号】WO2010/106196
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(511227451)コセンティノ,ソシエダッド アノニマ (1)
【氏名又は名称原語表記】COSENTINO,S.A.
【住所又は居所原語表記】Ctra.A−334 Km.59,04850 Cantoria(Almeria)Spain
【Fターム(参考)】