説明

植物繊維系断熱マットの製造方法

【課題】取り扱い性に優れるパルプ繊維製断熱マット42を提供すること。
【解決手段】通気性を有する第1の面材M1の上にパルプ繊維を接着剤と共に積層して第1のパルプ繊維層S1を形成し圧縮する。第1のパルプ繊維層S1の上に、通気性を有する第2の面材M2を載置する。第2の面材M2の上にパルプ繊維を接着剤と共に積層して第2のパルプ繊維層S2を形成し圧縮する。このような手順により4つのパルプ繊維層が積層された積層体34を形成する。次に、積層体34を乾燥炉14に搬入し乾燥させる。これによりパルプ繊維製断熱マット42が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物繊維系(パルプ繊維(再生パルプ繊維を含む)、木材繊維、麻繊維、竹繊維など)断熱マットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の断熱材に使用されている材料は、主に石油を原料とする発泡樹脂系および鉱物繊維系の断熱材である。発泡樹脂系の断熱材の施工方法は、吹付け工法、充填工法、押出マット成形等の施工法である。鉱物繊維系の断熱材の施工方法は、主にマット状にした施工方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−127872
【特許文献2】特開2007−230228
【特許文献3】特開2000−160713
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、石油を原料とする発泡樹脂系および鉱物繊維系の断熱材では下記の不具合が生じる。
発泡樹脂系断熱材の施工時のフロンガス使用による地球環境破壊の問題
発泡樹脂系断熱材の火災時の有害ガス発生の問題
鉱物繊維系断熱材の粉塵(ハウスダスト等)発生の懸念に関する問題
発泡樹脂系および鉱物繊維系断熱材の製造時CO2排出量の増大による環境破壊問題
【0005】
上述の問題を解決するためパルプ繊維(新聞残紙等をリサイクルし綿状、繊維状にして再生した再生パルプ繊維を含む)などの植物繊維を用いることが考えられる。
しかしながら、植物繊維の主な適用分野は、建築物の断熱材としての用途が主流であった。
また、植物繊維の主な施工方法は、吹付け工法、吹込み工法、充填工法の3種類であった。
そこで、本発明者は、植物繊維の断熱材としての適用範囲を拡大する為に、植物繊維をマット状およびボード状(以下マットと略記)に成型する技術を発明することにより、より広範囲な市場への適用を目指す。
なお、本発明の植物繊維断熱材のマット状に施工する方法は、湿式工法と乾式工法の2種類がある。
【0006】
植物繊維をマット状に成形する技術を発明することにより、断熱材としての適用範囲を拡大し、建築分野以外の新たな分野への断熱工法の提案を可能にした。例えば、輸送用冷凍コンテナ、事務所ビル用不燃区画、クリーンルーム、家電製品、自動車などの断熱材として応用が考えられる。
したがって、本発明の目的は、建物の省エネと火災安全の問題を考慮して、植物繊維を用いて、次世代の断熱工法を実現することを目指したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明の植物繊維製断熱マットの製造方法は、可撓性および通気性を有する第1の面材を平面上に展開する工程と、前記第1の面材上に、植物繊維を、単位面積当たりの重量が予め定められた値となりかつ高さが均一になるように接着剤と共に積層して第1の植物繊維層を形成する工程と、前記第1の植物繊維層の上に可撓性および通気性を有する第2の面材を載置する工程と、前記第2の面材の上に、植物繊維を、単位面積当たりの重量が予め定められた値となりかつ高さが均一になるように接着剤と共に積層して第2の植物繊維層を形成する工程と、このような工程により複数の植物繊維層を積層した積層体を形成する工程と、前記植物繊維層を形成する工程毎にそれら植物繊維層を圧縮する、または、前記積層体を圧縮する工程と、前記積層体を一定の厚さに維持した状態で乾燥させ植物繊維製断熱マットを得る工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法によれば、植物繊維が面材と絡み合い、植物繊維層が剥がれにくい植物繊維製断熱マットが得られ、得られた植物繊維製断熱マットは、取り扱い性に優れたものとなる。
したがって、本発明の製造方法によれば、取り扱い性に優れた植物繊維製断熱マットが得られることから、植物繊維製の断熱材としての適用範囲を拡大し、建築分野以外の新たな分野への断熱工法への応用が可能となり、次の効果が奏される。
植物繊維断熱材の施工にはフロンガスを使用しない(ノンフロン工法)。
防燃処理を施した植物繊維断熱材は、不燃材料または難燃材料としての性能を有し火災時に有害ガスが発生しない。
植物繊維の中でも再生パルプ繊維を用いた場合には、再生パルプ繊維は、新聞紙等の古紙を再び繊維状、綿状にしたものを主原料とし、地球資源の有限を考慮した高環境対応型の断熱材料である(リサイクル材料)。
鉱物繊維系のような粉塵の発生が少ない。
すなわち、環境問題と火災安全を考慮した技術革新性の高い付加価値を有する植物繊維製断熱マットを用いた様々な断熱工法が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】植物繊維製断熱マットの製造装置の平面図である。
【図2】植物繊維製断熱マットの製造装置の正面図である。
【図3】搬送路の上に第1の面材を載置し、その上に第1のパルプ繊維層を形成した状態の断面図である。
【図4】第1のパルプ繊維層の上に第2の面材を載置した状態の断面図である。
【図5】第2の面材の上に第2のパルプ繊維層を形成した状態の断面図である。
【図6】搬送路の上に第1乃至第4のパルプ繊維層からなる積層体を形成した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
なお、本実施の形態では、パルプ繊維(再生パルプ繊維を含む)、木材繊維、麻繊維、竹繊維などの植物繊維のうち、パルプ繊維を用いた場合について説明する。
また、本実施の形態の製造方法を植物繊維製断熱マット42の製造装置と共に説明する。
製造装置10は、搬送路12、第1〜第4のステーションST1〜ST4、乾燥炉14などを含んで構成されている。
第1〜第4のステーションST1〜ST4は、それぞれ繰り出しロール16、ガイドローラ18、攪拌機20、均しローラ22、圧縮ローラ24などを含んで構成されている。
【0011】
搬送路12は、被搬送物を上流部から下流部に向けて搬送させるものである。
本実施の形態では、駆動ローラ26と従動ローラ28とにわたってベルト(下側搬送部材)30が掛け渡されており、搬送路12は、上側に位置するベルト30の上面で構成されている。
ベルト30は、その厚さ方向に空気が流通するように通気性を有している。
【0012】
搬送路12の上流端に第1のステーションST1が配置されている。
第1のステーションST1の繰り出しロール16は、搬送路12の上流端の上方に配置されている。
繰り出しロール16には、一定幅の長尺な第1の面材M1が巻回されている。
第1の面材M1は、可撓性および通気性を有している。
このような面材M1として、合成樹脂製繊維やガラス繊維など、従来公知の様々な材料からなる不織布やネットが使用可能である。
ガイドローラ18は繰り出しロール16の下方の箇所に配置されている。
搬送路12の搬送と共に、第1の面材M1が繰り出しロール16から繰り出され、ガイドローラ18により搬送路12上で平面的に展開され、第1の面材M1は搬送路12と共に下流へと搬送されていく。
【0013】
第1のステーションST1の攪拌機20は、搬送路12上で繰り出しロール16よりも下流の箇所に設けられている。
攪拌機20は、搬送路12の上方に設けられ、攪拌機20からは、単位面積当たりについて予め定められた重量のパルプ繊維が、第1の面材M1上での高さが均一になるように接着剤と共に落下される。
これにより、図3に示すように、第1の面材M1の上にパルプ繊維が積層され、第1のパルプ繊維層(第1の植物繊維層)S1が形成される。
落下量は、本実施の形態では、パルプ繊維の密度が20〜100Kg/mになるように調整した。
【0014】
吹き付けるパルプ繊維として市販品が使用可能であり、例えば、王子製袋株式会社製の商品名「ダンパック」が使用可能である。
また、湿式工法の場合、パルプ繊維と接着剤を同時に落下させるか、予めパルプ繊維に接着剤を混ぜ合わせた材料を水と一緒に落下させる。
接着剤は、水性接着剤や水溶性接着剤などが好適である。
また、乾式工法の場合には、予めパルプ繊維に接着剤を混ぜ合わせた材料を落下させる。
接着剤は、熱溶融性のものが好適である。
【0015】
本実施の形態では、攪拌機20の下方に位置する上側のベルト30の下面に、この下面との間に閉塞空間を形成するケース32が設けられ、植物繊維の積層時に、このケース32内の空気を吸引することで、第1の面材M1上の空気を吸引するようにしている。
このように、植物繊維の積層時に、第1の面材M1上の空気を吸引すると、粉塵の飛散を抑制でき、作業環境を向上する上で有利となることは無論のこと、パルプ繊維を均一に積層する上でも有利となり、パルプ繊維を第1の面材M1と絡み合わせる上でも有利となる。
【0016】
第1のステーションST1の均しローラ22は、搬送路12上で攪拌機20よりも下流の箇所に設けられている。
均しローラ22は、第1のパルプ繊維層S1の上面を均し、略均一の高さの略平面に均す。
【0017】
第1のステーションST1の圧縮ローラ24は、搬送路12上で均しローラ22よりも下流の箇所に設けられている。
圧縮ローラ24は、搬送路12の上面からの第1のパルプ繊維層S1の高さ(厚さ)を25mmに圧縮する。
【0018】
搬送路12上で第1のステーションST1の下流の箇所に第2のステーションST2が配置されている。
第2のステーションST2の繰り出しロール16は、搬送路12の上方に配置されている。
繰り出しロール16には、一定幅の長尺な第2の面材M2が巻回されている。
第2の面材M2は、可撓性および通気性を有し、第1の面材と同様な部材が使用可能である。
ガイドローラ18は繰り出しロール16の下方の箇所に配置されている。
搬送路12の搬送と共に、すなわち、第1の面材M1を含む第1のパルプ繊維層S1の搬送と共に、図4に示すように、第2の面材M2が繰り出しロール16から第1のパルプ繊維層S1の上面に繰り出される。そして、第2の面材M2は、ガイドローラ18により搬送路12上に展開され、第2の面材M2は第1のパルプ繊維層S1と共に下流へと搬送されていく。
【0019】
第2のステーションST2の攪拌機20は、搬送路12上で繰り出しロール16よりも下流の箇所に設けられている。
攪拌機20は、搬送路12の上方に設けられ、攪拌機20からは、単位面積当たりについて予め定められた重量のパルプ繊維が、第2の面材M2上での高さが均一になるように接着剤と共に落下される。
これにより、図5に示すように、第2の面材M2の上にパルプ繊維が積層され、第2のパルプ繊維層(第2の植物繊維層)S2が形成される。
落下量は、本実施の形態では、パルプ繊維の密度が20〜100Kg/mになるように調整した。
また、第2の面材M2の上に、第1のパルプ繊維層S1と同じ厚さでパルプ繊維を積層して第2のパルプ繊維層S2を形成した。
用いるパルプ繊維、接着剤は、第1のパルプ繊維層S1に用いるパルプ繊維と同様である。
【0020】
また、第1のステーションST1と同様に、攪拌機20の下方に位置する上側のベルト30の下面に、この下面との間に閉塞空間を形成するケース32が設けられ、植物繊維の積層時に、このケース32内の空気を吸引することで、第1の面材および第1のパルプ繊維層S1を通して第2の面材M2上の空気を吸引するようにしており、作業環境を向上する上で有利となり、パルプ繊維を均一に積層する上でも有利となり、パルプ繊維を第2の面材M2と絡み合わせる上でも有利となる。
【0021】
第2のステーションST2の均しローラ22は、搬送路12上で攪拌機20よりも下流の箇所に設けられている。
均しローラ22は、第2のパルプ繊維層S2の上面を均し、略均一の高さの略平面に均す。
【0022】
第2のステーションST2の圧縮ローラ24は、搬送路12上で均しローラ22よりも下流の箇所に設けられている。
圧縮ローラ24は、搬送路12の上面からの第2のパルプ繊維層S2の高さを50mmに圧縮する。
【0023】
搬送路12上で第2のステーションST2の下流の箇所に第3のステーションST3が配置され、第3のステーションST3の下流の箇所に第4のステーションST4が配置されている。
第3、第4のステーションST3、ST4の構成は第1、第2のステーションST1、ST2と同様である。
すなわち、第3のステーションST3では、第2のパルプ繊維層S2の上に、繰り出しロール16から第3の面材M3が繰り出され、第3の面材M3の上に第3のパルプ繊維層(第3の植物繊維層)S3が形成される。
第3の面材M3は、可撓性および通気性を有し、第1の面材と同様な部材が使用可能である。
攪拌機20からのパルプ繊維の落下量は、本実施の形態では、パルプ繊維の密度が20〜100Kg/mになるように調整され、また、第3の面材M3の上に、第1のパルプ繊維層S1と同じ厚さでパルプ繊維を積層して第3のパルプ繊維層S3を形成した。
用いるパルプ繊維、接着剤は、第1のパルプ繊維層S1に用いるパルプ繊維と同様である。
なお、植物繊維の積層時に、第1、第2のステーションST1、ST2と同様に、ケース32内の空気を吸引する。
そして、均しローラ22により第3のパルプ繊維層S3の上面が均され、圧縮ローラ24により、搬送路12の上面からの第3のパルプ繊維層S3の高さが75mmに圧縮される。
【0024】
また、第4のステーションST4では、第3のパルプ繊維層S3の上に、繰り出しロール16から第4の面材M4が繰り出され、第4の面材M4の上に第4のパルプ繊維層(第4の植物繊維層)S4が形成される。
第4の面材M4は、可撓性および通気性を有し、第1の面材と同様な部材が使用可能である。
攪拌機20からのパルプ繊維の落下量は、本実施の形態では、パルプ繊維の密度が20〜100Kg/mになるように調整され、また、第4の面材M4の上に、第1のパルプ繊維層S1と同じ厚さでパルプ繊維を積層して第4のパルプ繊維層S4を形成した。
用いるパルプ繊維、接着剤は、第1のパルプ繊維層S1に用いるパルプ繊維と同様である。
なお、植物繊維の積層時に、第1、第2のステーションST1、ST2と同様に、ケース32内の空気を吸引する。
そして、均しローラ22により第4のパルプ繊維層S4の上面が均され、圧縮ローラ24により、搬送路12の上面からの第4のパルプ繊維層S4の高さが100mmに圧縮される。
このように第1の面材M1上に、第1のパルプ繊維層S1、第2の面材M2、第2のパルプ繊維層S2、第3の面材M3、第3のパルプ繊維層S3、第4の面材M4、第4のパルプ繊維層S4が積層されることで、図6に示す積層体34が構成される。
なお、第1乃至第4のパルプ繊維層S1〜S4の厚さを、それぞれ異なる値に設定しても良いことは無論のことであるが、この実施の形態のように等しい厚さで形成しておくと、面の全域にわたり均一な断熱性能を発揮させる上で有利となり、また、意匠上も有利となる。
【0025】
搬送路12上で第4のステーションST4の下流の箇所に乾燥炉14が配置されている。
乾燥炉14は、熱風を発生させる方式など、従来公知の様々な形式の乾燥機が使用可能である。
本実施の形態では、乾燥炉14に、駆動ローラ36と、従動ローラ38と、複数のガイドローラ39と、それらローラ36、38、39に掛け渡されたベルト(上側搬送部材)40が設けられ、このベルト40は、搬送路12のベルトと同一の速度で移動するように構成されている。
ベルト40は、その厚さ方向に空気が流通するように通気性を有している。
そして、下側に位置するベルト40が積層体34の上面に当接され、積層体34は一定の厚さに維持した状態で乾燥される。
積層体34がこのように乾燥されることで植物繊維製断熱マット42が得られる。
得られた植物繊維製断熱マット42は、所望の大きさに切断して使用される。
【0026】
得られた植物繊維製断熱マット42は、パルプ繊維が第1乃至第4の面材M1、M2、M3、M4と絡み合い、パルプ繊維層が剥がれにくい構造となっており、したがって、取り扱い性に優れた植物繊維製断熱マット42が得られる。
また、本実施の形態では、ベルト40が通気性を有する部材で構成されているので、乾燥炉14において熱風が積層体34の厚さ方向にも通過しやすくなり、乾燥効率を高める上で有利となる。
また、得られた植物繊維製断熱マット42は防音マットとしても使用可能である。
【0027】
なお、パルプ繊維の積層は、攪拌機20からのパルプ繊維、接着剤の落下に限定されず、例えば、吹き付けガン、ポンプなどを用いて手動操作により、あるいは、ロボットなどを用いて自動的にパルプ繊維、接着剤を吹き付けることで行うようにしてもよい。
また、本実施の形態では、各パルプ繊維層S1、S2、S3、S4を形成する毎に圧縮する場合について説明したが、積層体34を形成したのち圧縮してもよい。但し、各パルプ繊維層S1、S2、S3、S4を形成する毎に圧縮を行なうと、面材M2、M3、M4の平坦性を確保する上で有利となる。
また、積層体34を構成するパルプ繊維層の数は無論任意である。
また、用途に応じ、植物繊維製断熱マット42に防燃処理を施すなど任意である。
また、本実施の形態では、植物繊維としてパルプ繊維を用いた場合について説明したが、本発明は、木材繊維、麻繊維、竹繊維などその他の植物繊維に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
12……搬送路、ST1〜ST4……第1〜第4のステーション、14……乾燥炉、34……積層体、42……植物繊維製断熱マット、M1……第1の面材、M2……第2の面材、M3……第3の面材、M4……第4の面材、S1……第1のパルプ繊維層、S2……第2のパルプ繊維層、S3……第3のパルプ繊維層、S4……第4のパルプ繊維層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性および通気性を有する第1の面材を平面上に展開する工程と、
前記第1の面材上に、植物繊維を、単位面積当たりの重量が予め定められた値となりかつ高さが均一になるように接着剤と共に積層して第1の植物繊維層を形成する工程と、
前記第1の植物繊維層の上に可撓性および通気性を有する第2の面材を載置する工程と、
前記第2の面材の上に、植物繊維を、単位面積当たりの重量が予め定められた値となりかつ高さが均一になるように接着剤と共に積層して第2の植物繊維層を形成する工程と、
このような工程により複数の植物繊維層を積層した積層体を形成する工程と、
前記植物繊維層を形成する工程毎にそれら植物繊維層を圧縮する、または、前記積層体を圧縮する工程と、
前記積層体を一定の厚さに維持した状態で乾燥させ植物繊維製断熱マットを得る工程と、
を備えることを特徴とする植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項2】
被搬送物を上流部から下流部に向けて搬送させる搬送路が設けられ、
前記第1の面材は前記搬送路の上流部に載置され、
前記第1の面材を水平面上に展開する工程を含む前記積層体を形成する工程が前記搬送路の上流側で行なわれ、前記乾燥させ植物繊維製断熱マットを得る工程が前記搬送路の下流側で行なわれる、
ことを特徴とする請求項1記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項3】
前記第1、第2の面材を含む面材はそれぞれ繰り出しロール上に巻回された長尺な部材であり、
前記面材はそれらの繰り出しロールから前記搬送路上に連続して繰り出される、
ことを特徴とする請求項2記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項4】
前記搬送路は、通気性を有し前記第1の面材が載置される下側搬送部材を含んで構成され、
前記植物繊維の積層時に、前記下側搬送部材の下方から前記第1の面材上の空気を吸引する、
ことを特徴とする請求項2または3記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項5】
前記乾燥させる工程において、通気性を有する上側搬送部材が前記積層体の上面に当接され、前記上側搬送部材は前記下側搬送部材と同一の速度で移動する、
ことを特徴とする請求項4記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項6】
前記複数の植物繊維層は、前記植物繊維が同じ厚さで積層される、
ことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−69007(P2011−69007A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220077(P2009−220077)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【出願人】(591033261)王子製袋株式会社 (9)
【Fターム(参考)】