説明

植物繊維質ボード用バインダー組成物及びこれを用いた植物繊維質ボードの製造方法

【課題】 製造の際の離型性が良好で、膨潤率、吸水率などの耐水性や剥離強度、曲げ強度などの機械物性に優れた植物繊維質ボードを製造する方法、及びそれに用いるバインダー組成物を提供する。
【解決手段】 (A)有機イソシアネートと、(B)マレイン酸系化合物と、場合により更に(C)分子内に二重結合を有する脂肪酸エステル化合物と(D)ラジカル重合開始剤の一方又は双方とからなる植物繊維質ボード用バインダー組成物である。また、このバインダー組成物を用いた植物繊維質ボードの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離型性と耐水性が良好で機械物性に優れた植物繊維質ボードの製造方法、及びそれに使用するバインダー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
木材チップ又は繊維をバインダーで結合させたパーティクルボード又はファイバーボード等のボードは、家具材、建築の内装材、屋根板材などとして古くは1950年頃から工業的に生産されている。その製造に使用されるバインダーとしては、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、有機ポリイソシアネート等が用いられている。
ところが、前記ボード用バインダーとして有機ポリイソシアネートを用いた場合、接着力及び耐水性が他の樹脂系のバインダーより優れ、かつ熱圧締時に有害なホルムアルデヒドを放出しない等の利点がある反面、熱圧締時に金属製の熱盤、コウル板、金型等に製品ボードが強く付着し、製品の取り出しが困難になるという欠点がある。
この欠点は、圧締に先立って熱盤、コウル板、金型等に予め離型性シートを挿入するか又は離型剤を各熱圧締工程毎に塗布することによりある程度解決できるが、かえって製造工程が複雑となるので実用的ではない。
【0003】
また、親水性ウレタンプレポリマーを用いて多層パーティクルボードを製造する方法も提案されているが(特許文献1参照。)、得られるボードは耐水性、具体的には水浸積時の膨潤率が大きいという問題がある。
【0004】
更に、熱圧締時における離型性の問題を解決するため、木質チップ又は繊維とウレタン樹脂系のバインダーを用いてパーティクルボード又はファイバーボードを製造する方法が提案されているが(特許文献2参照。)、得られるボードの剥離強度などの機械物性が実用上充分でないという問題がある。
【特許文献1】特開昭62−59004号公報
【特許文献2】特開平2−214602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来公知技術の問題点を解決して、製造の際の離型性が良好で耐水性や機械物性に優れた植物繊維質ボードを製造する方法、及びそれに用いるバインダー組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討した結果、有機ポリイソシアネートにマレイン酸系化合物を併用することにより、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、次の(A)及び(B)からなること、を特徴とする植物繊維質ボード用バインダー組成物である。
(A)有機イソシアネート
(B)マレイン酸系化合物
【0008】
本発明は、次の(A)、(B)及び(C)からなること、を特徴とする植物繊維質ボード用バインダー組成物である。
(A)有機イソシアネート
(B)マレイン酸系化合物
(C)分子内に二重結合を有する脂肪酸エステル化合物
【0009】
本発明は、次の(A)、(B)及び(D)からなること、を特徴とする植物繊維質ボード用バインダー組成物である。
(A)有機イソシアネート
(B)マレイン酸系化合物
(D)ラジカル重合開始剤
【0010】
本発明は、次の(A)、(B)、(C)及び(D)からなること、を特徴とする植物繊維質ボード用バインダー組成物である。
(A)有機イソシアネート
(B)マレイン酸系化合物
(C)分子内に二重結合を有する脂肪酸エステル化合物
(D)ラジカル重合開始剤
【0011】
また本発明は、植物繊維質材料に前記の各植物繊維質ボード用バインダー組成物を混合し、次いで該混合物をボード状に成形し、ラジカル重合させること、を特徴とする植物繊維質ボードの製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によりはじめて、製造の際の離型性が良好で、膨潤率、吸水率などの耐水性や剥離強度、曲げ強度などの機械物性に優れた植物繊維質ボードを製造する方法、及びそれに用いるバインダー組成物を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明において用いられる(A)有機イソシアネートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物を30〜70質量%と三核体を主成分とする多核体を70〜30質量%含有するポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(以下、ポリメックMDIという。)等のジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート、更には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートといった芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。これらのうち、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートが好ましく、更に、その蒸気圧の低いことや低温時に結晶化が起こりにくいことから、ポリメリックMDIが好ましい。
その他に、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートも挙げられる。
これらのイソシアネート基の一部をビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトンイミン、イソシアヌレート(3量体)、ウレトジオン(2量体)、オキサゾリドン、アミド、イミド等に変性したものも使用することができる。
また、これらを水乳化タイプに変性したものも使用することができる。
これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0014】
本発明において用いられる(B)マレイン酸系化合物としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸などのマレイン酸の誘導体が挙げられる。これらのうち、無水マレイン酸が好ましい。
これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0015】
本発明において用いられる(C)分子内に二重結合を有する脂肪酸エステル化合物としては、例えば、ひまし油及びそのアルキレンオキシド付加物、ひまし油を原料とする多価アルコールとのエステル交換物、多価アルコールのリシノール酸エステル若しくはリシノール酸エステルポリオール、ひまし油の部分脱水物、脱水物、部分アシル化物若しくは部分酸化物、桐油、大豆油、亜麻仁油、多価アルコールのオレイン酸エステル、多価アルコールのリノール酸エステル、多価アルコールのリノレン酸エステル、これらを主成分とするポリオール若しくはアクリルポリオールといった高級不飽和脂肪酸のエステルが挙げられる。また、エチレングリコールなどのグリコール類を代表とする多価アルコールとマレイン酸やフマル酸などの不飽和ポリカルボン酸とを縮合させて得られる、分子内に二重結合を有する不飽和ポリエステルも挙げられ、更に、不飽和ポリエステルにスチレン、フタル酸ジアリル、ジビニルベンゼンなどのビニル系モノマーを併用したものも挙げられる。また、これらを水乳化タイプに変性したものも使用することができる。これらのうち、高級不飽和脂肪酸のエステル、特にグリセリドが好ましい。
これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0016】
本発明において用いられる(D)ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスシアノ吉草酸、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、トルイルベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α′−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキシルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等の有機過酸化物が挙げられる。また、これらを水乳化タイプに変性したものも使用することができる。
これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0017】
本発明のバインダー組成物において、(B)マレイン酸系化合物は、(A)有機イソシアネート100質量部に対して0.01〜100質量部、更に0.1〜50質量部、特に0.5〜20質量部使用するのが好ましい。(C)脂肪酸エステル化合物は、(A)有機イソシアネート100質量部に対して500質量部以下、更に10〜250質量部、特に20〜150質量部使用するのが好ましい。(D)ラジカル重合開始剤は、(A)有機イソシアネートと(B)マレイン酸系化合物と(C)脂肪酸エステル化合物の合計量100質量部に対して10質量部以下、更に0.1〜5質量部使用するのが好ましい。
【0018】
本発明において用いられる植物繊維質材料としては、例えば、木材(例えばラワン材)、樹皮、木質繊維、籾殻、藁(麦藁、稲藁、穀物藁など)、バカス、コルク、竹、亜麻、ジュート(貴麻)が挙げられる。これらの形状に付いては特に制限はないが、チップ状にして使用するのが好ましい。これらのうち、経済性の点からは、藁が最も有利である。
これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0019】
本発明のバインダー組成物は、ボード形成時において内部まで十分に熱が伝わるような厚さ・形状をした植物繊維質材料に適用して集成材(例えばOSBなど)を製造することもできる。
【0020】
本発明においてバインダー組成物の植物繊維質材料への混合方法は、状況に応じ任意に選択できるが、例えば、(イ)(A)有機イソシアネートと(B)マレイン酸系化合物と場合により更に(C)脂肪酸エステル化合物と(D)ラジカル重合開始剤を使用前に予め混合してから植物繊維質材料に配合する、または(ロ)植物繊維質材料に(B)マレイン酸系化合物を予めブレンドしておいてから(A)有機イソシアネートと場合により更に(C)脂肪酸エステル化合物と(D)ラジカル重合開始剤を任意の順で配合してもよい。
なお、(A)有機イソシアネートと(B)マレイン酸系化合物と場合により更に(C)脂肪酸エステル化合物と(D)ラジカル重合開始剤は、水や有機系の溶剤で希釈したり分散させてスプレーすることもできる。
【0021】
本発明の植物繊維質ボードの製造方法において、バインダー組成物は、植物繊維質材料100質量部に対して0.1〜50質量部、更に0.5〜25質量部、特に1〜10質量部配合するのが好ましい。
【0022】
本発明の植物繊維質ボードの製造におけるラジカル重合は、成形したボード製造用混合物をホットプレスなどの加圧、加熱条件で、具体的には例えば50kg/cm以下、100〜250℃の条件で5〜1000秒間処理することにより行なうのが好ましい。
前記加圧、加熱条件でボード製造用混合物を処理することにより、(A)有機イソシアネートは藁中の水分や藁と(C)脂肪酸エステル化合物の分子内に存在する水酸基に反応して、また、(C)脂肪酸エステル化合物の分子内の二重結合がラジカル重合して、更に、(B)マレイン酸系化合物は(C)脂肪酸エステル化合物の共役二重結合に反応し(Diels−Alder反応)、(B)マレイン酸系化合物は(A)有機イソシアネートに反応し(マレイン酸イミド生成反応)、(B)マレイン酸系化合物は(C)脂肪酸エステル化合物の二重結合に反応して(α−Hとの加成反応)、ボードを形成することができる。
【実施例】
【0023】
以下、実施例などにより本発明を更に詳しく説明する。
実施例1
藁チップ1000gを回転ブレンダードラム中に入れ、回転させながらポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業(株)製WC−220)40gと無水マレイン酸0.5gの混合物をスプレーした。藁チップの粒度分布は図1に示す。
混合処理した藁チップをコウル板上に乗せた木枠(300×300×150mm)中に均一な厚さに充填し、木枠を除去後、加圧熱盤で160℃、20kg/cmの条件で5分間熱締してボードを製造した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性をJIS A5908に準じて測定した結果を原料組成と併せて表1に示す。
【0024】
実施例2
実施例1において、無水マレイン酸0.5gの代わりに無水マレイン酸1.0gを用いた以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表1に示す。
【0025】
実施例3
実施例1において、ポリメリックMDI40gと無水マレイン酸0.5gの代わりにポリメリックMDI30gと無水マレイン酸0.3gとひまし油30gを用いた以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表1に示す。
【0026】
実施例4
実施例1において、ポリメリックMDI40gと無水マレイン酸0.5gの代わりにポリメリックMDI30gと無水マレイン酸0.3gとジクミルパーオキサイド0.3gを用いた以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表1に示す。
【0027】
実施例5
実施例4において、ポリメリックMDI30gの代わりに50gを用いた以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表1に示す。
【0028】
実施例6
実施例4において、更にひまし油30gを用いた以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表2に示す。
【0029】
実施例7
実施例6において、無水マレイン酸0.3gの代りに1.5gを用いた以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表2に示す。
【0030】
実施例8
実施例6において、無水マレイン酸0.3gの代りに3.0gを用いた以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表2に示す。
【0031】
実施例9
実施例6において、ひまし油30gの代わりに桐油30gを用いた以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表2に示す。
【0032】
実施例10
実施例9において、ひまし油30gの代りにグリセロールトリオレート30gを用いた以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表2に示す。
【0033】
比較例1
実施例4において、無水マレイン酸を使用しない以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表3に示す。
【0034】
比較例2
実施例5において、無水マレイン酸を使用しない以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表3に示す。
【0035】
比較例3
実施例10において、無水マレイン酸を使用しない以外は同様にして、ボードを製造し、物性を測定した。
得られたボードはコウル板から容易に離型できた。
このボードの物性及び原料組成を表3に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1〜10及び比較例1〜3で使用した藁チップの粒度分布を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(A)及び(B)からなること、を特徴とする植物繊維質ボード用バインダー組成物。
(A)有機イソシアネート
(B)マレイン酸系化合物
【請求項2】
次の(A)、(B)及び(C)からなること、を特徴とする植物繊維質ボード用バインダー組成物。
(A)有機イソシアネート
(B)マレイン酸系化合物
(C)分子内に二重結合を有する脂肪酸エステル化合物
【請求項3】
次の(A)、(B)及び(D)からなること、を特徴とする植物繊維質ボード用バインダー組成物。
(A)有機イソシアネート
(B)マレイン酸系化合物
(D)ラジカル重合開始剤
【請求項4】
次の(A)、(B)、(C)及び(D)からなること、を特徴とする植物繊維質ボード用バインダー組成物。
(A)有機イソシアネート
(B)マレイン酸系化合物
(C)分子内に二重結合を有する脂肪酸エステル化合物
(D)ラジカル重合開始剤
【請求項5】
植物繊維質材料に請求項1〜4のいずれか一項に記載の植物繊維質ボード用バインダー組成物を混合し、次いで該混合物をボード状に成形し、ラジカル重合させること、を特徴とする植物繊維質ボードの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−8971(P2006−8971A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291601(P2004−291601)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000230135)日本ポリウレタン工業株式会社 (222)
【Fターム(参考)】