説明

検査冶具

【課題】コネクタ、特にBtoBコネクタを搭載しているFPCの着脱に際して、コンタクトを垂直方向に取り外すことができるコンタクトリリース手段を設けた構造にしたことにより、検査対象物の夫々に取り付けるFPCのBtoBコネクタにこじり等が発生しないで取り外すことが可能で、コネクタ自体の損傷を未然に防止できることに加えて、着脱する際のガイドも兼ねた構造となっている検査冶具を提供する。
【解決手段】検査冶具は、コネクタを取り付けた検査基板と、該検査基板の前端側に設けた検査用コンタクトと、を備えた検査冶具であって、前記検査用コンタクトに差し込む被対象物のコンタクトを垂直方向に押し上げて前記検査用コンタクトに装着されているコンタクトをリリースさせるコンタクトリリース手段を備えたことである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検査冶具に関し、詳しくは、BtoBコネクタを介在させた電子機器の検査をする検査冶具において、BtoBコネクタへのFPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブルプリント基板)の脱着を容易に且つ迅速安全に取り外すためにFPCに取り付けられているBtoBコネクタを垂直方向に取り外す手段を備えた検査冶具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における検査冶具として、特にBtoBコネクタを介在させた電子機器を検査する検査冶具として、図6に示すように、検査基板11に取り付けられている雌型コンタクト12にFPC13の雄型コンタクト14を装着し、検査終了後に、装着したFPC13を摘んで上方向に引っ張る等して取り外すというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−12310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術で説明した検査冶具においては、BtoBコネクタが搭載されているFPCを検査冶具から抜いて外すときに、BtoBコネクタを掴んで上方向に引っ張る等しなければならず、抜き差しするとき、特に抜くときにコンタクト同士に捩れやこじりが発生してコネクタ自体に損傷を及ぼすという問題がある。
従って、検査冶具に使用されるコネクタの抜き差しの際にコンタクトに損傷を及ぼさないようにすることに解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明の検査冶具は、次に示す構成にすることである。
【0006】
(1)検査冶具は、コネクタを取り付けた検査基板と、該検査基板の前端側に設けた検査用コンタクトと、を備えた検査冶具であって、前記検査用コンタクトに差し込む被対象物のコンタクトを垂直方向に押し上げて前記検査用コンタクトに装着されているコンタクトをリリースさせるコンタクトリリース手段を備えたことである。
(2)前記コンタクトリリース手段は、前記検査基板に取り付けられている前記検査用コンタクトを臨ませるコンタクト係合窓を設けたコネクタガイド部の上面から被対象物のコンタクトを前記検査用コンタクトに装着させ、取り外すときに前記コネクタガイド部を垂直方向に持ち上げることで前記被対象物のコンタクトを取り外すことを特徴とする(1)に記載の検査冶具。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る検査冶具は、コネクタ、特にBtoBコネクタを搭載しているFPCの着脱に際して、コンタクトを垂直方向に取り外すことができるコンタクトリリース手段を設けた構造にしたことにより、検査対象物の夫々に取り付けるFPCのBtoBコネクタにこじり等が発生しないで取り外すことが可能で、コネクタ自体の損傷を未然に防止できることに加えて、着脱する際のガイドも兼ねた構造となっているために着脱が円滑に行うことができ、時間的なロスを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る検査冶具の斜視図である。
【図2】本発明に係る検査冶具をガイド部側からみた斜視図である。
【図3】本発明に係るFPCを装着した検査冶具の斜視図である。
【図4】本発明に係る検査冶具のFPCを装着した様子を示す断面図である。
【図5】本発明に係る検査冶具のFPCを取り外した様子を示す断面図である。
【図6】従来技術の検査冶具の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願発明に係る検査冶具の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
本発明に係る検査冶具は、図1乃至図3、図4及び図5に示すように、検査基板11の後端部にコネクタ15を取り付け、前端部であってBtoB雌型コンタクト12を取り付けた位置にBtoB雄型コンタクトを備えたFPCのコンタクトを取り外すコンタクトリリース手段を備えた構成になっている。
【0011】
コンタクトリリース手段は、検査基板に取り付けられている検査用コンタクトであるBtoB雌型コンタクト12にコネクトされているFPC13のBtoB雄型コンタクト14を垂直方向に引き抜くもので、略コ字型形状に形成され、コンタクトリリース部16を回動自在に載置する台座17と、雌型コンタクト12を臨ませる大きさに切欠いたコンタクト係合窓19を設け、このコンタクト係合窓19を設けた回りにFPC13の先端側に設けた雄型コンタクト14の位置決め及びガイドも兼ねたコネクタガイド部18を備えた構成になっている。
【0012】
コンタクトリリース部16は、略中央位置に回動軸を挿通させる軸穴を設け、後端側に復帰バネ21を係合するバネ係合部22を設け、先端側にコネクタガイド部18を設けた構造となっている。
【0013】
コネクタガイド部18は、略中央位置に雌型コンタクト12を臨ませるコンタクト係合窓19を設け、その周囲が平面の載置部で奥行き及び両側が壁で覆われた構造となっている。この奥行きの壁と両側の壁はFPC13が装着し易いようにテーパーになっている。
【0014】
コンタクト係合窓19は、長方形の雌型コンタクト12を収容できる大きさに開口され、開口した四方面の面取り加工を施した構成となっている。
【0015】
このような構造のコンタクトリリース手段を備えた検査冶具において、特に図4に示すように、FPC13を装着するときに、FPC13の雄型コンタクト14をコネクタガイド部18に載せるようにして臨んでいる雌型コンタクト12に装着する。
【0016】
次に、特に図5に示すように、装着したFPC13の検査が終了した後には、FPC13を取り外すために、コンタクトリリース部16の復帰バネ21が装着している箇所を押すことで、軸を中心にして回動し、コネクタガイド部18が垂直方向に押し上げられる。そうするとFPC13の雄型コンタクト14が垂直上方向に押し上げられ雌型コンタクト12に装着されている状態が取り外される。
【産業上の利用可能性】
【0017】
コネクタ、特にBtoBコネクタを搭載しているFPCの着脱に際して、コンタクトを垂直方向に取り外すことができるコンタクトリリース手段を設けた構造にしたことにより、検査対象物の夫々に取り付けるFPCのBtoBコネクタにこじり等が発生しないで取り外すことが可能で、コネクタ自体の損傷を未然に防止できることに加えて、着脱する際のガイドも兼ねた構造となっている検査冶具を提供する。
【符号の説明】
【0018】
11 検査基板
12 雌型コンタクト
13 FPC
14 雄型コンタクト
15 コネクタ
16 コンタクトリリース部
17 台座
18 コネクタガイド部
19 コンタクト係合窓
21 復帰バネ
22 バネ係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタを取り付けた検査基板と、
該検査基板の前端側に設けた検査用コンタクトと、
を備えた検査冶具であって、
前記検査用コンタクトに差し込む被対象物のコンタクトを垂直方向に押し上げて前記検査用コンタクトに装着されているコンタクトをリリースさせるコンタクトリリース手段を備えたことを特徴とする検査冶具。
【請求項2】
前記コンタクトリリース手段は、前記検査基板に取り付けられている前記検査用コンタクトを臨ませるコンタクト係合窓を設けたコネクタガイド部の上面から被対象物のコンタクトを前記検査用コンタクトに装着させ、取り外すときに前記コネクタガイド部を垂直方向に持ち上げることで前記被対象物のコンタクトを取り外すことを特徴とする請求項1に記載の検査冶具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−237183(P2011−237183A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106258(P2010−106258)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(392026800)株式会社トキワ計測器 (2)
【Fターム(参考)】