説明

検査装置及びPTP包装機

【課題】撮像タイミングをより最適なタイミングに設定することのできる検査装置及びPTP包装機を提供する。
【解決手段】外観検査装置21は、撮像装置23、画像処理装置24、モニタ25等を備えている。画像処理装置24は、画像メモリ41、PTPフィルム20の適正撮像位置を検出する適正撮像位置検出手段42、撮像されたPTPフィルム20の撮像対象位置を検出する撮像対象位置検出手段43、撮像タイミングを算出する撮像タイミング算出手段44等を備えている。そして、外観検査装置21は、撮像装置23により撮像された画像を基に、撮像装置23による適正撮像位置と、PTPフィルム20の撮像対象位置との位置ズレ量を算出し、前記画像の撮像タイミングと前記位置ズレ量とを基に適正な撮像タイミングを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTPシートの製造に際し用いられる検査装置及び該検査装置を備えたPTP包装機を含む技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシートは、錠剤等が充填されるポケット部が形成された樹脂製の包装用フィルムと、その包装用フィルムにポケット部の開口側を密封するように前記包装用フィルムに取着されるアルミニウム製のカバーフィルムとから構成されている。
【0003】
PTPシートの製造に際しては、ポケット部に錠剤等が充填された後、錠剤の欠け等に関する異常、或いは、包装用フィルム(シート部分)に関する異常を検査することが行われる。当該検査においては、例えば照射手段から光が照射され、その透過光をカメラにて撮像し、この撮像された画像を基に錠剤の形状やシート上の異物などが検査されたりする。
【0004】
一般的に、カメラによる撮像は、包装用フィルムを所定量搬送するごとにシート単位(例えば打ち抜かれるPTPシート単位)で行われる。つまり、所定のシート対応部分がカメラの下に移動したタイミングにおいて、当該カメラによる撮像が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、撮像タイミングを設定する際には、例えば搬送速度の比較的遅い低速モードで包装用フィルムをゆっくり搬送し、この状態で作業者がモニタを見ながら適正なタイミングを見計らって包装用フィルムを止め、この止めた位置に対応するタイミングを撮像タイミングとして登録する。
【特許文献1】特開2004−317187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、包装用フィルムのシート対応部分をカメラの撮像位置に合わせて適正位置に止める作業は非常に困難であり、撮像タイミングに作業者ごとの個人差が生じるおそれもある。さらには、撮像タイミングの設定作業のやり直しを何度も強いられるおそれもあり、非常に手間のかかる作業となる。ひいては包装用フィルム(PTPシート)の無駄も多くなる。
【0007】
包装用フィルムの搬送速度を限りなく遅くすれば、カメラの撮像位置に限りなく近い位置にシート対応部分を止めることも可能であるが、これでは時間がかかり過ぎる。これに対し、ある程度速い速度で設定しようとすると、上述のようにどうしてもシート対応部分の停止位置とカメラの撮像位置とにズレが生じてしまう。
【0008】
上述のように上記従来技術では、撮像タイミングの設定作業が難しく、設定時間の長期化、生産コストの増加及び生産効率の低下等を招くおそれがある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、撮像タイミングをより最適なタイミングに設定することができ、ひいては設定時間の短縮、設定作業の簡素化、生産コストの低減及び生産効率の向上等を図ることのできる検査装置及びPTP包装機を提供することを主たる目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0011】
手段1.搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、当該ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムが取着されるPTPシートの製造に際し用いられ、
前記錠剤の収容された前記包装用フィルムに対して所定の光を照射する照明手段と、
光の照射された前記包装用フィルムを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理手段とを備えた検査装置であって、
前記撮像手段により撮像された画像を基に、前記撮像手段による適正撮像位置と、前記包装用フィルムの撮像対象位置との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出手段と、
前記画像の撮像タイミングと前記位置ズレ量とを基に適正な撮像タイミングを算出する撮像タイミング算出手段とを備えたことを特徴とする検査装置。
【0012】
上記手段1によれば、PTPシートの製造過程においては、例えば、搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤(カプセル錠を含む)が収容された後、光の照射された錠剤及び包装用フィルムが撮像手段により撮像され、画像処理手段によって撮像手段から出力される画像信号が処理され、画像信号から得られた画像に基づき各種検査が行われる。さらに、適正な検査を行うために撮像手段の撮像タイミングを調整する処理が行われる。すなわち、撮像手段により撮像された画像を基に、撮像手段による適正撮像位置と、包装用フィルムの撮像対象位置との位置ズレ量を算出し、前記画像の撮像されたタイミングと前記位置ズレ量とを基に、撮像手段にとって適正な撮像タイミング、すなわち包装用フィルムの撮像対象位置が撮像手段の適正撮像位置に位置するタイミングを算出する。これにより、撮像タイミングの設定作業を何度も繰り返し行う必要もなく、より簡単にPTPシートの製造過程における検査時の撮像タイミングをより最適なタイミングに設定することができる。さらには、包装用フィルム(PTPシート)の無駄を少なくできる。結果として、設定時間の短縮、設定作業の簡素化、生産コストの低減及び生産効率の向上を図ることができる。なお、上記「包装用フィルムの撮像対象位置」としては、例えば打ち抜かれるPTPシートに対応したシート対応部分(撮像対象)の位置が挙げられる。また、上記撮像タイミングは、包装用フィルムの所定位置が撮像手段の適正撮像位置に位置するタイミングといった意味を含んでおり、包装用フィルムの所定位置に対応する値で表すことができる。つまり、撮像手段の適正撮像位置に位置する包装用フィルムの所定位置に対応する値を上記撮像タイミングということができ、包装用フィルムの搬送中のみならず、包装用フィルムが停止している場合でも撮像タイミングとして求めることができる。例えば、包装用フィルムの各位置に対応するように、当該包装用フィルムの所定長毎に一周期分ずつ割り当てられる位相角度で撮像タイミングを表すことができる。例えば前記所定長の中間点では180度となる。この場合、所定の撮像タイミング(所定の位相角度)を設定すれば、包装用フィルムが所定長搬送され、包装用フィルムの前記撮像タイミングに対応する位置が撮像手段の適正撮像位置を通過する毎に撮像が行われることとなる。
【0013】
手段2.搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、当該ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムが取着されるPTPシートの製造に際し用いられ、
前記錠剤の収容された前記包装用フィルムに対して所定の光を照射する照明手段と、
光の照射された前記包装用フィルムを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像タイミングを制御するタイミング制御手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理手段とを備え、
前記包装用フィルムが所定長搬送される毎に、前記包装用フィルムの撮像対象が前記撮像手段により撮像されるよう構成された検査装置であって、
前記撮像手段により撮像された画像を基に前記撮像手段による適正撮像位置を検出する適正撮像位置検出手段と、
前記画像を基に前記撮像対象の位置である撮像対象位置を検出する撮像対象位置検出手段と、
前記適正撮像位置と前記撮像対象位置との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出手段と、
前記画像の撮像タイミングと前記位置ズレ量とを基に適正な撮像タイミングを算出する撮像タイミング算出手段とを備えたことを特徴とする検査装置。
【0014】
上記手段2によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。なお、包装用フィルムの所定長の態様例としてはシート送り長が挙げられる。シート送り長とはPTPシート一つ分の送り長であり、PTPシートの搬送方向のシート長にスクラップ分を加えた値がシート送り長となる。但し、スクラップがない場合には搬送方向のシート長がシート送り長となる。また、適正撮像位置及び撮像対象位置は、例えば座標データとして検出される。
【0015】
手段3.前記位置ズレ量を算出するための画像である設定用画像を、前記包装用フィルムを停止させた状態で撮像するよう構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の検査装置。
【0016】
上記手段3によれば、包装用フィルムを低速モード等で動かして設定を行う場合に比べて、成形不良による包装用フィルム(PTPシート)の無駄を少なくできるとともに、撮像タイミング設定後に包装用フィルム等を設定し直す必要もないため、撮像タイミング設定後そのままPTPシートの製造過程へ移行することも可能となる。結果として、生産コストの低減及び生産効率の向上を図ることができる。
【0017】
手段4.少なくとも前記位置ズレ量を算出するための画像である設定用画像を表示可能な表示手段と、
前記表示手段に表示される前記設定用画像に対し前記撮像対象位置を設定可能な撮像対象位置設定手段とを備えていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の検査装置。
【0018】
上記手段4によれば、作業者が表示手段を見ながら撮像対象位置を設定(位置決め)できる。従って、例えばポケット部の間隔、スクラップの有無、包装用フィルム上の印刷の有無などからPTPシートの区切りとなる部分を確認して撮像対象位置を各シート対応部分などに合わせて設定することができる。一つのPTPシートに複数列のポケット部が形成される場合にはポケット部の位置特定だけではシートの区切りが特定できないため、作業者が設定用画像を見ながら撮像対象位置を設定しないと、例えばポケット部一列分ずれた位置に撮像対象位置が設定されてしまうおそれもある。その点、本手段では、そのような不具合を防止することができ、より適正な位置(例えばPTPシート単位)での撮像をより確実に行うことができる。なお、錠剤用とシート用に2回撮像する場合(撮像手段が搬送方向に沿って2箇所に設置される場合)には、各撮像手段の撮像位置の中間が撮像手段の適正撮像位置となるように設定することもできる。
【0019】
手段5.前記撮像対象位置の設定に際し、当該位置に前記包装用フィルムの搬送方向に所定幅を有する枠体を設定可能としたことを特徴とする手段4に記載の検査装置。
【0020】
上記手段5によれば、上記手段4の作用効果をさらに高めることができる。
【0021】
手段6.前記設定用画像に対し前記適正撮像位置を設定可能な適正撮像位置設定手段を備えていることを特徴とする手段4又は5に記載の検査装置。
【0022】
上記手段6によれば、適正撮像位置と撮像対象位置との位置ズレ量を表示手段において確認することができ、撮像タイミングの設定作業をより正確に行うことができる。もちろん、撮像手段の中心位置など予め定められた基準位置に適正撮像位置が自動的に設定(位置決め)される構成としてもよいし、作業者が表示手段を見ながら適正撮像位置を設定する構成としてもよい。
【0023】
手段7.前記適正撮像位置の設定に際し、当該位置に前記包装用フィルムの搬送方向に所定幅を有する枠体を設定可能としたことを特徴とする手段6に記載の検査装置。
【0024】
上記手段7によれば、上記手段5と同様の作用効果が奏される。
【0025】
手段8.前記位置ズレ量をタイミングズレ量に換算するズレ量換算手段を備えていることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の検査装置。
【0026】
上記手段8によれば、撮像手段により撮像された画像からタイミングズレ量を求めることができるようになり、ひいては適正な撮像タイミングを設定することができるようになる。もちろん、タイミングズレ量も、上記撮像タイミングと同様に、例えば位相角度差などで表すことができる。
【0027】
手段9.前記ズレ量換算手段は、
前記撮像手段の分解能及び前記包装用フィルムの所定長から、前記撮像手段により撮像される画像における前記所定長に対応する画素数を算出し、
前記撮像手段により撮像される画像における前記位置ズレ量に対応する画素数を算出し、
前記両画素数を基に前記タイミングズレ量を算出するよう構成されていることを特徴とする手段8に記載の検査装置。
【0028】
上記手段9によれば、撮像手段により撮像される画像における画素数を基にタイミングズレ量を算出するよう構成されているため、より正確なタイミングズレ量を算出することができる。
【0029】
手段10.前記撮像手段により撮像される画像を基に前記撮像手段の視野幅を算出し、当該視野幅を基に前記撮像手段の分解能を算出することを特徴する手段9に記載の検査装置。
【0030】
上記手段10によれば、撮像手段により撮像される画像を基に撮像手段の視野幅を算出しているため、実測した視野幅を登録しこれを基に分解能を算出する場合に比べて、より正確な視野幅ひいては分解能を算出することができ、より正確な検査を実施することができる。
【0031】
手段11.手段1乃至10のいずれかに記載の検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
【0032】
手段11のように、検査装置をPTP包装機に備えることで、PTPシートの製造過程において不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0034】
本実施形態では、外観検査装置をPTP包装機に装備することによって、PTP包装機においてPTPシートの外観不良が検査されるようになっている。図2(a),(b)に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた包装用フィルムとしての容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルムとしての密封用フィルム4とを有している。容器フィルム3は、例えば、PP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の比較的硬質で所定の剛性を有する熱可塑性樹脂材料によって構成され、光透過性を有している(ここでは、透明を呈している)。密封用フィルム4は、アルミニウムによって構成されている。また、各ポケット部2には被充填物としての錠剤(カプセル錠も含まれる)5が1つずつ収容されている。
【0035】
図1に示すように、PTP包装機7は、錠剤5を容器フィルム3に自動的に包装するものである。具体的には、PP、PVCなどの帯状の樹脂フィルムをフィルム送りロール9とテンションロール10,11とで、加熱装置12及び成形装置13に送り込み、錠剤5充填用のポケット部2を樹脂フィルムに成形する。そして、樹脂フィルムにポケット部2の成形された容器フィルム3が、充填装置14の下まで送られてくると、充填装置14が各ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する。
【0036】
一方、帯状に形成された密封用フィルム4は、テンションロール16,17を介してフィルム受けロール18の方へと案内されている。フィルム受けロール18には、加熱ロール19が圧接可能となっており、該加熱ロール19の外周面には、僅かに凸状に形成された格子状の線(図示略)が設けられている。そして、両ロール18,19間に、容器フィルム3及び密封用フィルム4が送り込まれるようになっている。両フィルム3,4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着される。これによって、錠剤5が各ポケット部2に充填された長尺状のPTPフィルム20が製造される。
【0037】
さて、前記充填装置14の下流側、かつ、前記フィルム受けロール18及び加熱ロール19の上流側には、容器フィルム3の移送経路に沿って、容器フィルム3(充填された錠剤5及びシート部分)の外観不良を検査するための外観検査装置21が配設されている。当該外観検査装置21は、ポケット部2に充填された錠剤5の異常として錠剤5の有無、割れ、欠け等の異常の検出、及び、ポケット部2以外のシート部の異常としてシート部上に存在する毛髪等の異物(以下、「シート異物」と称する)の検出を主目的とする透過式検査を行うものである。
【0038】
上記検査を経て、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着された後、PTPフィルム20は、図示しない打抜装置によってPTPシート1単位に裁断される。なお、外観検査装置21によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0039】
さて、PTP包装機7の概略は以上のとおりであるが、以下においては図1,3に基づき、外観検査装置21についてより具体的に説明する。
【0040】
外観検査装置21は、照明手段としての照明装置22、撮像手段としての撮像装置23、画像処理手段としての画像処理装置24、表示手段としてのモニタ25、並びに入力手段としての入力装置26等を備えている。
【0041】
図1に示すように、照明装置22は容器フィルム3のポケット部2突出側に設けられている。撮像装置23は、PTPフィルム20の平面に対して、略垂直方向から撮像可能となっている。そして、照明装置22から照射された光が容器フィルム3を透過し、撮像装置23によって撮像されるように構成されている。撮像装置23によって撮像された画像(画像データ)は、撮像装置23内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で画像処理装置24に入力されるようになっている。なお、本実施形態における撮像装置23は、PTPフィルム20の幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って並設された2つのカメラより構成されている。
【0042】
さて、上述した画像処理装置24は、図3に示すように、撮像装置23に対応した画像メモリ41、PTPフィルム20の適正撮像位置を検出する適正撮像位置検出手段42、撮像されたPTPフィルム20の撮像対象位置を検出する撮像対象位置検出手段43、撮像タイミングを算出する撮像タイミング算出手段44、上記検査を実施するための検査手段45、タイミング制御手段としてのカメラタイミング制御手段46、並びに、CPU及び入出力インターフェース47などから構成され、後述するような画像の処理や、外観不良の判定等を実施可能なっている。
【0043】
検査手段45は、マスキング手段、二値化手段、判定用メモリ、並びに、外観検査結果及び統計データメモリなどから構成されている。通常、撮像装置23で撮像された画像は、デジタル信号に変換された後、画像メモリ41に記憶される。また、画像は、検査時においてマスキング手段によりマスキング処理が行われた後、再度画像メモリ41に記憶され、同様に、二値化手段により二値化された後、再度画像メモリ41に記憶される。
【0044】
CPU及び入出力インターフェース47は、各種処理プログラムを上記判定用メモリの記憶内容などを使用しつつ実行するとともに、PTP包装機7に制御信号を送出し又はPTP包装機7から動作信号などの各種信号を送受信するためのものである。これによって、例えば、PTP包装機7の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU及び入出力インターフェース47は、モニタ25に表示データを送出する機能をも有する。かかる機能により、各種画像や外観検査結果などを、モニタ25に表示させることができるようになっている。さらに、CPU及び入出力インターフェース47は、入力装置26からのデータを入力する機能をも有する。入力装置26には、キーボード、マウス、タッチパネル等が利用される。
【0045】
また、上記外観検査結果及び統計データメモリは、画像に関する座標等のデータ、外観検査結果データ、及び、該外観検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの外観検査結果データや統計データは、CPU及び入出力インターフェース47の制御に基づき、適宜モニタ25に表示させることができる。また、これらの外観検査結果データや統計データに基づいてCPU及び入出力インターフェース47がPTP包装機7に制御信号を送出することもできる。
【0046】
カメラタイミング制御手段46は、撮像装置23が撮像する画像を、各画像メモリ41に取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機7に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、PTPフィルム20を所定量送るごとに撮像装置23によってシート単位(本実施形態では、打ち抜かれるPTPシート1単位)で撮像が行われる。つまり、所定のシート対応部分(撮像対象)が撮像装置23の下に移動したタイミングにおいて、当該撮像装置23による撮像が行われる。
【0047】
次に、上記PTPフィルム20の外観検査の手順について説明する。まず、外観検査に先だって事前に実行される撮像タイミング設定処理としての「撮像タイミング設定ルーチン」について図4のフローチャートに従って説明する。なお、当該検査においてPTPフィルム20と称しているのは、ポケット部2に錠剤5が充填され後、密封用フィルム4が取着される前段階の容器フィルム3のことである。
【0048】
同ルーチンにおいては、先ずステップS101において、撮像装置23の視野幅の登録を行う。詳しくは、まずPTPフィルム20の搬送を停止させた状態(PTP包装機7を停止した状態)で、図5に示すようにPTPフィルム20上に当該PTPフィルム20の幅方向に沿って透明又は半透明の定規50を載せ、当該PTPフィルム20を撮像し、濃淡画像を取得する。なお、PTPフィルム20の幅方向中央部には搬送方向に沿ってセンターライン51が予め記されており、このセンターライン51に合わせて定規50が載置される。次に、撮像装置23の2つのカメラのうち手前側(図5右側)に設置されたカメラにより撮像されモニタ25に映し出された画像G1を基に、当該画像G1に映った領域の手前側端部よりセンターライン51までの視野幅X1を求める。また、画像G1を基に、当該画像G1に映った領域の奥側(図5左側)端部よりセンターライン51までの視野幅X2を求める。そして、視野幅X1と視野幅X2とを合計した値を撮像装置(各カメラ)23の視野幅として登録する。
【0049】
ステップS102において、ステップS101で取得した画像G1を基に撮像装置(各カメラ)23の分解能Aを下式(1)から算出する。
【0050】
視野幅(mm)/画像水平画素数(dot)=分解能A(mm/dot)…(1)
例えば視野幅が160(mm)、画像水平画素数が1280(dot)の場合には、分解能Aは0.125(mm/dot)となる。画像の1画素は縦横比が決まっていることから(通常は縦横同寸法)、上記分解能Aを基にPTPフィルム20の搬送方向における視野幅を求めることもできる。
【0051】
ステップS103においてシート送り長W(mm)を登録する。シート送り長WはPTPシート1一つ分の送り長である。本実施形態では、PTPシート1の搬送方向のシート長にスクラップ分を加えた値がシート送り長Wとして登録される。但し、スクラップがない場合には搬送方向のシート長がシート送り長となる。
【0052】
ステップS104において画像G1におけるシート送り長Wに対応する画素数(シート送り量)Sを下式(2)から算出する。
【0053】
シート送り長W(mm)/分解能A(mm/dot)=画素数S(dot)…(2)
次に、ステップS105において上記定規50を載せず、上記同様にPTPフィルム20の搬送を停止させた状態でPTPフィルム20を撮像し、設定用画像(濃淡画像)を取得する(図6参照)。なお、図6では、撮像装置23の2つのカメラのうち手前側に設置されたカメラにより撮像されモニタ25に映し出された画像G3のみ図示している。また、モニタ25の表示画面25aには、当該表示画面25aを上下左右略均等に区分けするように撮像装置23の基準位置に合わせて垂直中央線55及び水平中央線56が表示される。
【0054】
ステップS106において設定用画像における適正撮像位置に枠体としての基準枠D1を設定する。本実施形態では、モニタ25に設定用画像が映し出されるのに合わせて、予め定められた撮像装置23の基準位置(水平中央線56)が適正撮像位置検出手段42により検出され、当該基準位置に基準枠D1(図6の点線枠参照)が自動的に設定されるように構成されている。これに限らず、作業者が表示手段を見ながら上記入力装置26を操作することにより基準枠D1を設定する構成としてもよい。従って、当該ステップS106の機能や入力装置26によって本実施形態における適正撮像位置設定手段が構成される。基準枠D1は、PTPフィルム20の搬送方向に対して、シート長と略同一長となっている。
【0055】
ステップS107において設定用画像における撮像対象位置に枠体としての計測枠D2を設定する。本実施形態では、まず上記基準枠D1が表示されるのに合わせて、当該基準枠D1とややずれた位置に計測枠D2が表示される。そして、この計測枠D2を上記入力装置26の操作により移動させ、シート対応部分が計測枠D2内に納まるように当該計測枠D2を位置決めする(図6の実線枠参照)。従って、当該ステップS107の機能や入力装置26によって本実施形態における撮像対象位置設定手段が構成される。
【0056】
ステップS108において基準枠D1と計測枠D2との位置ズレ量を両者の座標データを基に算出する。つまり、適正撮像位置検出手段42により検出された適正撮像位置と、撮像対象位置検出手段43により検出された撮像対象位置との位置ズレ量が算出される。当該ステップS108の機能が本実施形態における位置ズレ量算出手段を構成する。
【0057】
ステップS109において基準枠D1及び計測枠D2の位置ズレ量に対応する画素数D(dot)を算出する。
【0058】
ステップS110において、ステップS109で取得した画素数Dを基に角度ズレ量αを下式(3)から算出する。
【0059】
360(度)×画素数D/画素数S=角度ズレ量α(度)…(3)
ここで求められる角度ズレ量αは、上記シート送り長W毎に一周期分(360度)ずつ割り当てられる位相角度の位置ズレ量に対応するズレ量である。本実施形態では、例えばフィルム送りロール9の回転角度を基にPTPフィルム20の位置を特定できるよう構成されている。詳しくは、フィルム送りロール9が所定角度変化する毎にPTPフィルム20が上記シート送り長W分だけ進むことに基づいて、エンコーダにより上記シート送り長W毎に一周期分(360度)ずつ割り当てられる位相角度でPTPフィルム20の各位置が表される。さらには、PTPフィルム20の所定位置が撮像装置23の適正撮像位置に位置するタイミングを撮像装置23により撮像が行われる撮像タイミングと考え、当該撮像タイミングをPTPフィルム20の所定位置に対応する位相角度の値(例えば273度)で設定するようになっている。従って、角度ズレ量はタイミングズレ量に相当する。また、上記ステップS105において取得した設定用画像の撮像タイミングT1も所定の位相角度で取得することができる。なお、角度ズレ量αや撮像タイミングT1はモニタ25の表示画面に適宜表示される。
【0060】
ステップS111において適正な撮像タイミングT2を下式(4)から算出する。
【0061】
撮像タイミングT2(度)=撮像タイミングT1(度)+角度ズレ量α(度)…(4)
例えば、設定用画像を取得した際の撮像タイミングT1が273度で、PTPフィルム20の撮像対象位置が進行方向とは逆方向へ31度ずれている場合には、撮像タイミングT2は304度となる。なお、角度ズレ量αの値は、PTPフィルム20の撮像対象位置が進行方向にずれている場合には「−」となり、逆方向にずれている場合には「+」となる。
【0062】
ステップS112において、カメラタイミング制御手段46の制御信号の出力タイミングとして上記適正な撮像タイミングT2を登録する。これにより、PTPフィルム20の撮像タイミングT2に対応する位置が撮像装置23の適正撮像位置を通過する毎に撮像が行われることとなる。
【0063】
上記一連のステップは主として上記CPU及び入出力インターフェース47や撮像タイミング算出手段44等により実行される。特に、ステップS104、ステップS109及びステップS110の機能が本実施形態におけるズレ量換算手段を構成する。
【0064】
次に、透過式検査について図7のフローチャートに従って説明する。本実施形態では、透過式検査において錠剤部及びシート部の検査を行うこととしている。
【0065】
図7の「透過式検査ルーチン」に示すように、検査に際しては、先ずステップS301において、全ポケット部2の錠剤良品フラグをそれぞれ0に設定する。
【0066】
ステップS302において、検査対象たるPTPフィルム20の検査濃淡画像を取得する。
【0067】
ステップS303において、ステップS302で取得した検査濃淡画像をシェーディング補正し、ステップS304において当該検査濃淡画像を錠剤検知レベルで二値化し、当該二値化画像データを画像メモリ41に格納する(後述する錠剤部検査に用いられる)。これとともに、ステップS302で取得した検査濃淡画像をシート異物検知レベルで二値化し、当該二値化画像データを画像メモリ41に格納する(後述するシート部検査に用いられる)。
【0068】
次に、ステップS305で各二値化画像データにラベリング処理(塊処理)を行い、当該二値化画像データに対し予め設定された錠剤ウインドウPWを重ねる処理を行う。この際、当該二値化画像データからポケット部2の中心位置を割り出し、当該ポケット部2の中心位置に錠剤ウインドウPWの中心位置を合わせるようにして当該錠剤ウインドウPWを位置決めする。錠剤ウインドウPWは、ポケット部2内の領域(ポケット部領域)と、ポケット部2外のシート部の領域(シート部領域)とを区別するための境界とされるものであり、図2(c)に示すように、ポケット部2の円と同心円をなし、かつ、直径が一回り(例えば約1mm)大きく設定される。そして、当該錠剤ウインドウPWを用いて、ポケット部領域とシート部領域に区別し、以下のステップS306〜ステップS312においてポケット部領域における錠剤部検査を実行し、ステップS313においてシート部領域におけるシート部検査を実行する。なお、前記各検査においては、錠剤ウインドウPWによって区別された各領域のうち、検査対象外となる部分にマスキングを施す処理が行われる。例えば、錠剤部検査が実行される際にはシート部領域にマスキングが施され、シート部検査が実行される際には、ポケット部領域にマスキングが施される。
【0069】
錠剤部検査に際しては、まずステップS306において、ポケット番号カウンタ値C1(以下、単にポケット番号C1という)に1を設定する。そして、ステップS307においてポケット番号C1の値が一検査あたり(一シートあたり)のポケット数N以下であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS308において、ポケット番号C1に対応するポケット部2において、錠剤面積値が基準錠剤面積値Lo以上の塊を抽出する(Lo未満の塊を除去する)。その後、ステップS309では、前記ポケット部2における塊個数が「1」であるか否かを判定し、否定判定された場合には、ステップS312においてポケット番号C1の値に1を加え、再びステップS307へ移行する。
【0070】
これに対し、塊個数が「1」である場合には、ステップS310において、錠剤ウインドウPW内における錠剤5の形状、長さ、面積等が適正であるか否かを判断する。ここで、当該錠剤5に関し不適正判定された場合にはステップS312へ移行する。一方、適正判定された場合には、ステップS311において、錠剤5が良品であるものとして、ポケット番号C1に対応した錠剤良品フラグに1を設定し、ステップS312へ移行する。
【0071】
さて、上記ステップS307において否定判定された場合、すなわちポケット番号C1の値が一検査あたり(一シートあたり)のポケット数Nを超えたと判定された場合には、ステップS313においてシート部検査を行う。
【0072】
次に、ステップS314においてシート部が良品であるか否か、例えばシート部領域内にシート異物が存在しないか否か等を判定する。ここで肯定判定されるとステップS315において一検査あたり(一シートあたり)の全ポケット部2に関して錠剤良品フラグに1が設定されているか否かを判定する。ここで肯定判定されるとステップS316において良品判定を行い、本処理を一旦終了する。これに対し、ステップS314又はステップS315において否定判定された場合には、ステップS317において不良品判定を行い、本処理を一旦終了する。これらの検査結果は、モニタ25やPTP包装機7(不良シート排出機構を含む)に出力される。
【0073】
以上詳述したように、本実施形態によれば、適正な検査を行うために撮像装置23の撮像タイミングを調整する処理が行われる。すなわち、撮像装置23により撮像された画像を基に、撮像装置23による適正撮像位置と、PTPフィルム20の撮像対象位置(シート対応部分)との位置ズレ量を算出し、前記画像の撮像されたタイミングと前記位置ズレ量とを基に、撮像装置23にとって適正な撮像タイミング、すなわちPTPフィルム20の撮像対象位置が撮像装置23の適正撮像位置に位置するタイミングを算出する。これにより、撮像タイミングの設定作業を何度も繰り返し行う必要もなく、より簡単にPTPシート1の製造過程における検査時の撮像タイミングをより最適なタイミングに設定することができる。さらには、PTPフィルム20(PTPシート1)の無駄を少なくできる。結果として、設定時間の短縮、設定作業の簡素化、生産コストの低減及び生産効率の向上を図ることができる。
【0074】
さらに、位置ズレ量を算出するための画像である設定用画像を、PTPフィルム20を停止させた状態で撮像するよう構成されている。従って、PTPフィルム20を低速モード等で動かして設定を行う場合に比べて、成形不良によるPTPフィルム20(PTPシート1)の無駄を少なくできるとともに、撮像タイミング設定後にPTPフィルム20等を設定し直す必要もないため、撮像タイミング設定後そのままPTPシート1の製造過程へ移行することも可能となる。結果として、生産コストの低減及び生産効率の向上を図ることができる。
【0075】
また、作業者がモニタ25を見ながら撮像対象位置を設定できる。従って、例えばポケット部2の間隔、スクラップの有無、PTPフィルム20上の印刷の有無などからPTPシート1の区切りとなる部分を確認して撮像対象位置を各シート対応部分に合わせて設定することができる。一つのPTPシート1に複数列のポケット部2が形成される場合にはポケット部2の位置特定だけではシートの区切りが特定できないため、作業者が設定用画像を見ながら撮像対象位置を設定しないと、例えばポケット部2一列分ずれた位置に撮像対象位置が設定されてしまうおそれもある。その点、本実施形態では、そのような不具合を防止することができ、より適正な位置(例えばPTPシート1単位)での撮像をより確実に行うことができる。
【0076】
以上説明した実施形態において、例えば、次のように構成の一部を適宜変更して実施することも可能である。勿論、以下において例示しない他の変更例も当然可能である。
【0077】
(a)上記実施形態では、検査対象となる錠剤の態様例としてタブレット錠が挙げられているが、錠剤の種類はこれに限られるものではなく、例えばカプセル錠等であってもよい。
【0078】
(b)上記実施形態では、透過式検査を行う外観検査装置に具現化しているが、他の検査装置にも具現化できる。例えば、色識別検査などの反射式検査を行う外観検査装置や、カプセル錠内の薬剤の有無を検査する不良品検査装置等に具現化してもよい。
【0079】
(c)上記実施形態では、位置ズレ量を算出するため設定用画像を、PTPフィルム20を停止させた状態で撮像するよう構成されているが、これに限らず、PTPフィルム20を動かして設定用画像を撮像する構成としてもよい。PTPシートの製造時の搬送速度でPTPフィルム20を搬送させて設定用画像を撮像し、撮像タイミングの設定作業を行うことも可能である。
【0080】
(d)上記実施形態では、モニタ25を見ながら撮像対象位置の設定等を行う構成となっているが、これに限らず、例えば設定用画像の二値化画像からポケット部の位置を把握し、当該ポケット部の位置を基に撮像対象位置を自動的に算出する構成としてもよい。ひいては自動的に位置ズレ量の算出や適正な撮像タイミングの登録を行う構成としてもよい。
【0081】
(e)適正撮像位置や撮像対象位置は上記実施形態に限られるものではない。例えば錠剤用とシート用に2回撮像する場合(撮像装置が搬送方向に沿って2箇所に設置される場合)には、各撮像装置の撮像位置の中間が適正撮像位置となる。
【0082】
(f)上記実施形態では、撮像タイミングをPTPフィルム20の所定位置に対応する位相角度の値で設定するようになっているが、もちろん、撮像タイミングの表し方はこれに限られるものではない。例えばシート搬送周期(時間)やPTPフィルム20の所定位置に対応する他の値で表してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】一実施形態におけるPTP包装機等の概略構成を示す模式図である。
【図2】(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPシートを示す部分拡大断面図であり、(c)は錠剤ウインドウの概念を説明するための平面模式図である。
【図3】外観検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】「撮像タイミング設定ルーチン」を示すフローチャートである。
【図5】視野幅等の概念を説明するための平面模式図である。
【図6】PTPフィルム20の位置ズレ等の概念を説明するための平面模式図である。
【図7】「透過式検査ルーチン」を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…包装用フィルムとしての容器フィルム、4…カバーフィルムとしての密封用フィルム、5…錠剤、7…PTP包装機、20…PTPフィルム、21…外観検査装置、23…撮像手段としての撮像装置、25…表示手段としてのモニタ、26…入力装置、42…適正撮像位置検出手段、43…撮像対象位置検出手段、44…撮像タイミング算出手段、45…検査手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、当該ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムが取着されるPTPシートの製造に際し用いられ、
前記錠剤の収容された前記包装用フィルムに対して所定の光を照射する照明手段と、
光の照射された前記包装用フィルムを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理手段とを備えた検査装置であって、
前記撮像手段により撮像された画像を基に、前記撮像手段による適正撮像位置と、前記包装用フィルムの撮像対象位置との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出手段と、
前記画像の撮像タイミングと前記位置ズレ量とを基に適正な撮像タイミングを算出する撮像タイミング算出手段とを備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、当該ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムが取着されるPTPシートの製造に際し用いられ、
前記錠剤の収容された前記包装用フィルムに対して所定の光を照射する照明手段と、
光の照射された前記包装用フィルムを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像タイミングを制御するタイミング制御手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理手段とを備え、
前記包装用フィルムが所定長搬送される毎に、前記包装用フィルムの撮像対象が前記撮像手段により撮像されるよう構成された検査装置であって、
前記撮像手段により撮像された画像を基に前記撮像手段による適正撮像位置を検出する適正撮像位置検出手段と、
前記画像を基に前記撮像対象の位置である撮像対象位置を検出する撮像対象位置検出手段と、
前記適正撮像位置と前記撮像対象位置との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出手段と、
前記画像の撮像タイミングと前記位置ズレ量とを基に適正な撮像タイミングを算出する撮像タイミング算出手段とを備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項3】
前記位置ズレ量を算出するための画像である設定用画像を、前記包装用フィルムを停止させた状態で撮像するよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
少なくとも前記位置ズレ量を算出するための画像である設定用画像を表示可能な表示手段と、
前記表示手段に表示される前記設定用画像に対し前記撮像対象位置を設定可能な撮像対象位置設定手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の検査装置。
【請求項5】
前記撮像対象位置の設定に際し、当該位置に前記包装用フィルムの搬送方向に所定幅を有する枠体を設定可能としたことを特徴とする請求項4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記設定用画像に対し前記適正撮像位置を設定可能な適正撮像位置設定手段を備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記適正撮像位置の設定に際し、当該位置に前記包装用フィルムの搬送方向に所定幅を有する枠体を設定可能としたことを特徴とする請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記位置ズレ量をタイミングズレ量に換算するズレ量換算手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の検査装置。
【請求項9】
前記ズレ量換算手段は、
前記撮像手段の分解能及び前記包装用フィルムの所定長から、前記撮像手段により撮像される画像における前記所定長に対応する画素数を算出し、
前記撮像手段により撮像される画像における前記位置ズレ量に対応する画素数を算出し、
前記両画素数を基に前記タイミングズレ量を算出するよう構成されていることを特徴とする請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
前記撮像手段により撮像される画像を基に前記撮像手段の視野幅を算出し、当該視野幅を基に前記撮像手段の分解能を算出することを特徴する請求項9に記載の検査装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−208209(P2006−208209A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−21041(P2005−21041)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】