説明

構成管理装置

【課題】管理対象となる複数の装置におけるそれぞれ複数の構成部品を、各構成部品の実装位置と共に管理できること。
【解決手段】管理対象となる複数の装置21のそれぞれについて、装置筐体1及び実装品2、3、4a、4b、5a〜5f、6の電子タグ7a〜7lのIDが、それぞれ電子タグに対応して個別に設置された複数のアンテナ8a〜8lを用いて電子タグリーダライタ装置9により読み取られ、電子タグリーダライタ装置及び構成管理サーバマシン12が、電子タグのIDと、この電子タグのIDを読み取ったアンテナの設置位置を示す番号とを組として情報処理し、構成管理データベース13に、電子タグのIDに関連付けられた装置筐体及び実装品の情報と、この電子タグのIDを読み取ったアンテナの設置位置を示す番号に関連付けられた実装位置の情報とが、組となって記憶されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理対象となる複数の装置のそれぞれについて、複数の構成部品、たとえば装置筐体及びこの装置筐体内に実装された実装品のそれぞれを管理する構成管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、構成管理装置においては、構成管理装置が管理する装置の装置筐体内に組み込まれる電子機器等の実装品及び装置筐体を管理するため為に、電子タグを実装品及び装置筐体に貼り付けて、この電子タグに記憶されている固有の識別コードを読み取り、この識別コードを実装品及び装置筐体に関連付けて、ネットワーク上のサーバマシンのデータベースにて管理する製品管理支援システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、物品管理システムとして、書籍に取り付けられた無線ICカードの情報を、カードリーダを用いて読み取って書籍の所在を管理し、また、無線ICカードへ情報の書き込みを可能として、書籍の不正な持ち出しを防止するものがある(特許文献2参照)。
【0004】
更に、物品管理システムとして、棚に取り付けられたアンテナにて書籍が近くにあることを書籍のRFタグにて検知し、この検知した書籍のRFタグのIDを基にデータベースから返却先の棚位置を取得してその棚位置のLEDを点滅させ、書籍がその位置に返却されて格納されたときに、格納位置に取り付けられたアンテナが該当書籍のRFタグを検知してLEDを点灯させ、一定時間後にこのLEDを消灯して、書籍が不適当な場所に格納されることを防止するものがある(特許文献3参照)。
【0005】
また、図書類の保管管理システムとして、図書類の読み取り範囲を区分するために遮蔽板を使用して、図書類に取り付けられたRF‐ID素子の情報を正確に読み取るようにしたものがある(特許文献4参照)。
【0006】
また、製品管理システムとして、製品の修理情報、改造情報、検査情報を含む製造履歴情報が記憶された記憶媒体を製品に具備させ、データベースサーバと端末と製品の記憶媒体とを通信可能に結合し、端末にて、データベースサーバ及び製品の記憶媒体にデータの読み書きを実施させるものがある(特許文献5参照)。
【特許文献1】特開2005−85228号公報
【特許文献2】特開2001−101285号公報
【特許文献3】特開2006−8301号公報
【特許文献4】特開2004−59320号公報
【特許文献5】特開2002−324143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の製品管理支援システムにおいては、装置に組み込まれた電子機器等の実装品が何かは分かるが、その実装品が装置の何処に組み込まれているかが分からないため、装置内の正しい場所に実装品が組み込まれているか否かを確認することができなかった。
【0008】
また、特許文献2、3及び4に記載の各システムでは、図書類に関し、この図書類に取り付けられた電子タグ(無線ICカード、RFタグ、RF‐ID素子)の情報を読み取って、一つの図書館において図書類の所在や位置などを管理するものであり、複数の装置のそれぞれについて、装置筐体内の実装品とその実装位置を管理することはできない。
【0009】
更に、特許文献5に記載の製品管理システムでは、製品の一品ずつの情報管理であり、製品の中に実装されている実装品についての実装位置を含めた構成管理は考慮されていない。
【0010】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、管理対象となる複数の装置におけるそれぞれ複数の構成部品を、各構成部品の実装位置と共に管理することができる構成管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、管理対象となる複数の装置のそれぞれについて、複数の構成部品のそれぞれに貼り付けられた電子タグの識別コードに関連付けられた上記構成部品の情報を、構成管理サーバマシンを用いて構成管理データベースに記憶することにより、複数の前記装置の前記構成部品を管理する構成管理装置であって、前記各構成部品の前記電子タグの識別コードが、それぞれの電子タグに対応して個別に配置された複数のアンテナを用いて電子タグリーダライタ装置により読み取られ、当該電子タグリーダライタ装置及び前記構成管理サーバマシンが、前記電子タグの識別コードと、この電子タグの識別コードを読み取った前記アンテナの設置位置を示す識別コードとを組として情報処理し、前記構成管理データベースに、前記電子タグの識別コードに関連付けられた構成部品の情報と、この電子タグの識別コードを読み取った前記アンテナの設置位置を示す識別コードに関連付けられた実装位置の情報とが、組となって記憶されるよう構成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、構成部品の実装位置を認識できるので、複数の装置におけるそれぞれ複数の構成部品を、その実装位置と共に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0014】
[A]第1の実施の形態(図1)
図1は、本発明に係る構成管理装置の第1の実施の形態を示す構成図である。この第1の実施の形態の構成管理装置20は、管理対象となる複数の装置21のそれぞれについて、その装置21を構成する構成部品としての装置筐体1と、この装置筐体1内に実装された同じく構成部品としての実装品(例えば後述の冷却ファン2、電源装置3、ベイエリア実装装置4a,4b、拡張インターフェイスカード機器5a〜5f、マザーボード6等)との構成を管理するものである。
【0015】
この構成管理装置20は、電子タグリーダライタ装置9と、この電子タグリーダライタ装置9のアンテナ8a〜8lと、可搬端末装置10と、ネットワーク装置11と、構成管理サーバマシン12と、構成管理データベース13とを有して構成される。
【0016】
装置21の装置筐体1内に、アンテナ8a〜8lと電子タグリーダライタ装置9とが接続された状態で組み込まれる。また、可搬端末装置10は、電子タグリーダライタ装置9及びネットワーク装置11と接続または切り離し可能に構成される。この可搬端末装置10は、ネットワーク装置11を介さずに構成管理サーバマシン12に接続されてもよい。構成管理サーバマシン12は、ネットワーク装置11と構成管理データベース13に接続される。
【0017】
複数の装置21におけるそれぞれの装置筐体1内には、冷却ファン2、電源装置3、ベイエリア実装装置4a,4b、拡張インターフェイスカード機器5a〜5f、マザーボード6等の装置や機器(つまり実装品)が実装されている。これらの各実装品に、固有のIDが識別コードとして記憶された電子タグ(RFID)7a〜7kが貼り付けられている。このRFIDは、Radio Frequency IDentificationの略称であり、半導体とアンテナが内蔵されて、外部と無線で通信可能に設けられたものである。また、装置筐体1にも、固有のIDが識別コードとして記憶された電子タグ(RFID)7lが貼り付けられている。
【0018】
ベイエリア実装装置4a,4bは、例えばHDD装置や光ディスク装置やFDD装置などである。また、拡張インターフェイスカード機器5a〜5fは、例えばグラフィックカードやLANカードなどである。
【0019】
電子タグリーダライタ装置9のアンテナ8a〜8lは、装置筐体1に貼り付けられた電子タグ7l、及び装置筐体1内の各実装品に貼り付けられている電子タグ7a〜7kの貼り付け位置にそれぞれ対応して対向配置されている。
【0020】
また、電子タグ7a〜7lが冷却ファン2、電源装置3、ベイエリア実装装置4a,4b、拡張インターフェイスカード機器5a〜5f、マザーボード6などの実装品及び装置筐体1に貼り付けられた後に、これらの電子タグ7a〜7lの固有のIDがアンテナ8a〜8lを用いて電子タグリーダライタ装置9により読み取られる。読み取られた電子タグ7a〜7lの固有のIDと、貼り付け先の冷却ファン2、電源装置3、ベイエリア実装装置4a,4b、拡張インターフェイスカード機器5a〜5f、マザーボード6などの実装品及び装置筐体1との対応関係が、構成管理データベース13に予め記憶される。また、アンテナ8a〜8lが装置筐体1内に設置される位置(場所)を示す識別コードとしての固有の番号と、その設置位置の情報とが、構成管理データベース13に予め記憶される。
【0021】
つまり、可搬端末装置10は、電子タグリーダライタ装置9へ、アンテナ8a〜8lを用いて電子タグ7a〜7lに記憶されたIDを読み取るための指令を送信する。
【0022】
指令を受信した電子タグリーダライタ装置9は、アンテナ8a〜8lを順次に切替えながら、冷却ファン2、電源装置3、ベイエリア実装装置4a,4b、拡張インターフェイスカード機器5a〜5f、マザーボード6の各実装品及び装置筐体1に貼り付けられた電子タグ7a〜7lからIDをひとつずつ読み取る。このとき、アンテナ8a〜8lからID読み取り用の電磁波を発生する。電子タグ7a〜7lはこの電磁波により誘導され、起電力が発生して動作し、IDを送信する。このIDをアンテナ8a〜8lが受信する。
【0023】
アンテナ8a〜8lには、予め装置筐体1に設置される位置(場所)を示す固有の番号が付されているので、電子タグリーダライタ装置9は、読み取った電子タグ7a〜7lのIDと、読み取りを行ったアンテナ8a〜8lの固有の番号とを組にして、可搬端末装置10へ通知する。
【0024】
可搬端末装置10は、通知された電子タグ7a〜7lのIDと、アンテナ8a〜8lの固有の番号とを組の状態で、ネットワーク装置11を経由して構成管理サーバマシン12へ通知する。
【0025】
構成管理サーバマシン12は、通知された電子タグ7a〜7lのIDとアンテナ8a〜8lの固有の番号とを使用して、電子タグ7a〜7lのIDから、この電子タグ7a〜7lが貼り付けられた実装品及び装置筐体1を特定し、またアンテナ8a〜8lの固有の番号から、その電子タグ7a〜7lが貼り付けられた実装品及び装置筐体1の実装位置を特定する。
【0026】
この構成管理サーバマシン12は、更に、電子タグリーダライタ装置9に接続された全てのアンテナ8a〜8jから読み取った結果の、電子タグ7a〜7lのIDとアンテナ8a〜8lの番号の全ての組について、実装品及び装置筐体1の実装位置の特定を実施し、これら全ての組の情報(実装品及び装置筐体1の情報とその実装位置の情報)を、1つの装置21の構成情報として構成管理データベース13に記憶させる。
【0027】
その際、構成管理サーバマシン12は、個々の装置21の構成情報を管理するためのIDとして、装置筐体1に貼り付けられた電子タグ7lのIDを構成情報管理用の固有のID(つまりキーコード)として構成情報に割り付け、この構成情報管理用のIDに、装置21の名称、納入先、納入日などの情報を付加情報として付加して、構成管理データベース13に記憶させる。尚、構成情報管理用のID(キーコード)は、アンテナ8a〜8lの固有の番号のうちの一つを使用してもよい。
【0028】
また、他の装置21についても同様に、可搬端末装置10は、他の装置21の装置筐体1に配置された電子タグリーダライタ装置9に接続されて、電子タグ7a〜7lのIDとアンテナ8a〜8lの固有の番号との組を電子タグリーダライタ装置9から得、ネットワーク装置11を経由して構成管理サーバマシン12へ通知することで、この他の装置21の構成情報及び付加情報が構成管理データベース13に記憶される。
【0029】
次に、構成管理装置20の作用を説明する。
【0030】
構成管理サーバマシン12は、構成管理データベース13に記憶されている構成情報に付加された付加情報を基に検索して、装置筐体1の構成情報の固有ID(キーコード)を特定して指定することにより、またはこの構成情報の固有ID(キーコード)を直接指定することにより、構成管理データベース13に記憶されている構成情報の電子タグ7a〜7lのIDとアンテナ8a〜8lの番号とを基に、装置筐体1に実装されている実装品及び装置筐体1の情報と実装位置の情報とを、構成管理データベース13から付加情報と共に取り出して、自己の表示装置16に表示する。
【0031】
同様に、可搬端末装置10は、ネットワーク装置11を経由し構成管理サーバマシン12を介して、構成管理データベース13に記憶されている構成情報に付加された付加情報を基に検索して、装置筐体1の構成情報の固有ID(キーコード)を特定して構成管理サーバマシン12へ指定する。これにより、構成管理サーバマシン12は、構成管理データベース13に記憶されている構成情報の電子タグ7a〜7lのIDとアンテナ8a〜8jの番号とを基に、装置筐体1に実装されている実装品及び装置筐体1の情報とその実装位置の情報とを、構成管理データベース13から付加情報と共に取り出し、電子タグ7a〜7lのIDとアンテナ8a〜8lの番号と共に、ネットワーク装置11を経由して可搬端末装置10へ通知する。可搬端末装置10は、通知された装置筐体1内の実装品及び装置筐体1の情報と実装位置の情報と付加情報とを、自己の記憶装置18に記憶すると共に、自己の表示装置17に表示する。
【0032】
また、可搬端末装置10は、装置筐体1の電子タグ7lのIDを読み取るように電子タグリーダライタ装置9へ指示を行い、読み取った上記IDを基にネットワーク装置11を経由して構成管理サーバマシン12へ通知し、このIDに対応した構成情報を返信するように構成管理サーバマシン12に対して要求する。構成管理サーバマシン12は、要求された上記IDに対応した装置筐体1の構成情報を構成管理データベース13から、上記IDをキーコードとして取り出し、この構成情報における実装品及び装置筐体1の情報と実装位置の情報とを、付加情報と、電子タグ7a〜7lのID及びアンテナ8a〜8lの番号と共に、ネットワーク装置11を経由して可搬端末装置10に通知する。可搬端末装置10は、構成管理サーバマシン12から通知された装置筐体1内の実装品及び装置筐体1の情報と実装位置の情報と付加情報とを自己の記憶装置18に記憶すると共に、自己の表示装置17に表示する。
【0033】
可搬端末装置10は、ネットワーク装置11から切り離された後に、自己の記憶装置18に記憶された構成情報及び付加情報について、装置筐体1の電子タグ7lのIDが指定されることで、そのIDに対応した構成情報及び付加情報を自己の表示装置17に表示する。
【0034】
可搬端末装置10は、構成管理サーバマシン12から通知された構成情報及び付加情報を自己の記憶装置18に記憶しておき、接続されている装置筐体1内の実装品及び装置筐体1に貼り付けられた電子タグ7a〜7lのIDを、電子タグリーダライタ装置9を経由して、実装位置を示すアンテナ8a〜8lの番号と共に組として読み取る。そして、可搬端末装置10は、この組として読み取った電子タグ7a〜7lのID及びアンテナ8a〜8lの番号と、自己の記憶装置18に記憶されている、前述の読み取ったID、番号にそれぞれ対応する実装品及び装置筐体1の電子タグ7a〜7lのID、実装位置を示すアンテナ8a〜8lの番号とを比較して、自己の表示装置17に表示する。
【0035】
この比較表示は、読み取ったアンテナ8a〜8lの番号に対応する番号を、可搬端末装置10の記憶装置18に記憶された構成情報から検索し、この検索したアンテナ8a〜8lの番号と組になっている記憶された電子タグ7a〜7lのIDと、読み取った電子タグ7a〜7lのIDとを比較して表示してもよい。
【0036】
この比較表示の際に、可搬端末装置10は、自己の記憶装置18に記憶されている構成情報のうち、比較表示の対象となった電子タグ7a〜7l及びアンテナ8a〜8lに関して、電子タグ7a〜7lのIDに関連付けられた実装品及び装置筐体1の情報と、アンテナ8a〜8lの設置位置に関する番号に関連付けられた実装位置の情報とを対応付けて、付加情報と共に自己の表示装置17に表示する。
【0037】
可搬端末装置10は、電子タグリーダライタ装置9へアンテナ8a〜8lの番号を指定し、この指定した番号のアンテナ8a〜8lを使用して電子タグリーダライタ装置9により、電子タグ7a〜7lのID及びその電子タグ7a〜7lのメモリー内容を読み取らせ、指定した番号のアンテナ8a〜8lの装置筐体1内での設置位置と共に、電子タグ7a〜7lから読み取った情報を自己の表示装置17に表示する。
【0038】
また、可搬端末装置10は、電子タグリーダライタ装置9へアンテナ8a〜8lの番号を指定して、この電子タグリーダライタ装置9により、指定した番号のアンテナを用いて、このアンテナに対向配置された電子タグ7a〜7lのメモリーへの情報の書込みを実施させる。
【0039】
本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(6)を奏する。
【0040】
(1)装置筐体1、及びこの装置筐体1内の実装品である冷却ファン2、電源装置3、ベイエリア実装装置4a,4b、拡張インターフェイスカード機器5a〜5f、マザーボード6に一つずつ貼り付けられた電子タグ7a〜7lの固有のIDが、読み取ったアンテナ8a〜8lの番号と組となって情報処理され、構成管理データベース13に、電子タグ7a〜7lのIDに関連付けられた実施品及び装置筐体1の情報と、この電子タグ7a〜7lのIDを読み取ったアンテナ8a〜8lの設置位置を示す番号に関連付けられた実装位置の情報とが、組として記憶される。このため、実装品及び装置筐体1に貼り付けられた電子タグ7a〜7lのIDを読み取ったアンテナ8a〜8lの番号により、例えば装置筐体1内の何処に実装された実装品であるかが分かり、複数の装置21のそれぞれについて、装置筐体1内に実装されている実装品の実装位置を含めた構成情報を管理することができる。この結果、製造、出荷、納入、保守点検時に、実装品や装置筐体1の構成管理の確認や実装位置の確認を的確に実施することができる。
【0041】
(2)可搬端末装置10は、構成管理サーバマシン12及びネットワーク装置11を経由して、構成管理データベース13に記憶された、各装置21の装置筐体1に実装された実装品及び装置筐体1に関する構成情報及び付加情報を表示できるので、ネットワーク環境があればどんな場所からも、各装置21の装置筐体1、及びこの装置筐体1に実装された実装品に関する構成情報及び付加情報を確認することができる。
【0042】
(3)可搬端末装置10は、各装置21の装置筐体1に実装された実装品及び装置筐体1に関する構成情報及び付加情報を記憶可能に設けられているので、ネットワーク装置11に接続されていない状態でも、装置筐体1と共に、この装置筐体1に実装されている実装品の構成情報及び付加情報を確認することができる。
【0043】
(4)可搬端末装置10は、実際の装置筐体1から電子タグリーダライタ装置9を用いて読み取った電子タグ7a〜7lのID、アンテナ8a〜8lの番号を、記憶された構成情報のうちの電子タグ7a〜7lのID、アンテナ8a〜8lの番号と比較して、その差異を自己の表示装置17に表示可能に設けられているので、実装品を取り外しての保守時や交換保守時に実装品の再実装先が間違っていないかを的確に確認することができる。
【0044】
(5)可搬端末装置10は、アンテナ8a〜8lの番号を指定して、そのアンテナ8a〜8lに対向配置された電子タグ7a〜7lのID及びその電子タグ7a〜7lのメモリー内容を読み込み、その内容を自己の表示装置17に表示可能に設けられているので、装置筐体1内の特定の実装位置を指定して、その実装位置に実装されている実装品を確認することができる。
【0045】
(6)可搬端末装置10は、アンテナ8a〜8lの番号を指定して、そのアンテナ8a〜8lに対向配置された電子タグ7a〜7lのメモリーに情報を書き込み可能に設けられているので、装置筐体1の特定の実装位置に実装された実装品に貼り付けられている電子タグ7a〜7lのメモリーに、例えば保守内容を示す情報を書き込むことができる。
【0046】
[B]第2の実施の形態(図2)
図2は、本発明に係る構成管理装置の第2の実施の形態を示す構成図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
【0047】
第2の実施の形態の構成管理装置22は、前記第1の実施の形態の構成管理装置20の構成にアンテナコネクタ14を追加したものである。つまり、電子タグリーダライタ装置9のアンテナ8a〜8lとアンテナコネクタ14は、接続されて装置筐体1内に組み込まれている。電子タグリーダライタ装置9は、装置筐体1内には組み込まれず、装置筐体1の外側に配置されて、アンテナコネクタ14と接続または切り離し可能に構成される。更に、この電子タグリーダライタ装置9は、可搬端末装置10とも接続または切り離し可能に構成される。
【0048】
このように構成された本実施の形態において、電子タグリーダライタ装置9を可搬端末装置10とアンテナコネクタ14に接続する。可搬端末装置10は、電子タグタグリーダライタ装置9、アンテナコネクタ14、アンテナ8a〜8lを経由して、電子タグ7a〜7lのIDとアンテナ8a〜8lの番号とを組として読み込む。
【0049】
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(6)と同様な効果を奏するほか、次の効果(7)及び(8)を奏する。
【0050】
(7)電子タグリーダライタ装置9を装置筐体1の外側に設けたので、装置筐体1内に組み込まれる機器が減り、装置筐体1の実装領域が増加して、実装の効率化を図ることができる。また、装置筐体1内に組み込まれる機器が減るので、その機器の価格分をコストダウンすることができる。
【0051】
(8)電子タグ7a〜7lの通信手順仕様が異なるときに、その通信手順仕様に合致した電子タグリーダライタ装置9をアンテナコネクタ14に接続して、電子タグ7a〜7lのIDを確実に読み取ることができる。
【0052】
[C]第3の実施の形態(図3)
図3は、本発明に係る構成管理装置の第3の実施の形態を示す構成図である。この第3の実施の形態において、前記第2の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
【0053】
前記第2の実施の形態の構成管理装置22が、アンテナ8a〜8lとアンテナコネクタ14を装置筐体1内に組み込んだものであるのに対し、本実施の形態の構成管理装置23では、冷却ファン2、電源装置3、ベイエリア実装装置4a,4b、拡張インターフェイスカード機器5a〜5f、マザーボード6等の実装品、及び装置筐体1にそれぞれ貼り付けられる電子タグ7a〜7lの貼り付け位置が装置筐体1の壁面付近で、好ましくは外側に露出し、また、電子タグリーダライタ装置9が装置筐体1に外側に配置されると共に、そのアンテナ8a〜8lが装置筐体1の外側で、電子タグ7a〜7lに接近する位置に配置されている。そして、このアンテナ8a〜8lは、装置筐体1の外側に配置されたアンテナコネクタ14を介して電子タグリーダライタ装置9に接続される。
【0054】
このように構成された本実施の形態において、電子タグリーダライタ装置9とアンテナ8a〜8lは、アンテナコネクタ14により接続されるので、第2の実施の形態の構成管理装置22と同様に作用する。
【0055】
従って、本実施の形態によれば、前記第1及び第2の実施の形態の効果(1)〜(8)と同様な効果を奏するほか、次の効果(9)を奏する。
【0056】
(9)装置筐体1内にアンテナ8a〜8l及びアンテナコネクタ14が組み込まれていないので、装置筐体1内の実装効率を、前記第2の実施の形態の構成管理装置22よりも一層向上させることができ、更に既存の装置筐体1をそのまま使用できる。
【0057】
[D]第4の実施の形態(図4)
図4は、本発明に係る構成管理装置の第4の実施の形態を示す構成図である。この第4の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
【0058】
本実施の形態の構成管理装置24は、第1の実施の形態の構成管理装置20の構成に、電磁波を吸収あるいは遮蔽する防磁シールド15a〜15lが追加されたものである。電子タグリーダライタ装置9の各アンテナ8a〜8lが各電子タグ7a〜7lと対となって通信する間に、その対となっている各アンテナ8a〜8l及び各電子タグ7a〜7l以外の他の部分に対して、防磁シールド15a〜15lによりアンテナ8a〜8lからの電磁波が遮断される。この防磁シールド15a〜15lは、例えば電磁波を反射あるいは吸収するフェライトコアや磁性シートなどが用いられる。
【0059】
このように構成された構成管理装置24においては、各アンテナ8a〜8lから発信された電磁波は、防磁シールド15a〜15lが設置されている部分以上には届かず、防磁シールド15a〜15lが設置されていない部分を通り、その先にある所望の各電子タグ7a〜7lと通信する。電子タグ7a〜7lよりも更に先には、他のアンテナ8a〜8lの防磁シールド15a〜15lが設置されているため、それより先へ電磁波が至ることはない。
【0060】
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(6)と同様な効果を奏するほか、次の効果(10)を奏する。
【0061】
(10)アンテナ8a〜8lから発信される電磁波の出力が大きく、対となっている電子タグ7a〜7l以外の電子タグ7a〜7lまで電磁波が影響する距離であっても、防磁シールド15a〜15lによりそれより先へ電磁波が届かず、他の電子タグ7a〜7lへ電磁波が至らないので、各アンテナ8a〜8lは、所望の対となっている各電子タグ7a〜7lのみと確実な通信を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る構成管理装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係る構成管理装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図3】本発明に係る構成管理装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図4】本発明に係る構成管理装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
【0063】
1 装置筐体(構成部品)
2 冷却ファン装置(構成部品;実装品)
3 電源装置(構成部品;実装品)
4a,4b ベイエリア実装装置(構成部品;実装品)
5a〜5f 拡張インターフェイスカード機器(構成部品;実装品)
6 マザーボード(構成部品;実装品)
7a〜7l 電子タグ
8a〜8l アンテナ
9 電子タグリーダライタ装置
10 可搬端末装置(端末装置)
11 ネットワーク装置
12 構成管理サーバマシン
13 構成管理データベース
14 アンテナコネクタ
15a〜15l 防磁シールド
16 表示装置
17 表示装置
18 記憶装置
20、22、23、24 構成管理装置
21 装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象となる複数の装置のそれぞれについて、複数の構成部品のそれぞれに貼り付けられた電子タグの識別コードに関連付けられた上記構成部品の情報を、構成管理サーバマシンを用いて構成管理データベースに記憶することにより、複数の前記装置の前記構成部品を管理する構成管理装置であって、
前記各構成部品の前記電子タグの識別コードが、それぞれの電子タグに対応して個別に配置された複数のアンテナを用いて電子タグリーダライタ装置により読み取られ、
当該電子タグリーダライタ装置及び前記構成管理サーバマシンが、前記電子タグの識別コードと、この電子タグの識別コードを読み取った前記アンテナの設置位置を示す識別コードとを組として情報処理し、
前記構成管理データベースに、前記電子タグの識別コードに関連付けられた構成部品の情報と、この電子タグの識別コードを読み取った前記アンテナの設置位置を示す識別コードに関連付けられた実装位置の情報とが、組となって記憶されるよう構成されたことを特徴とする構成管理装置。
【請求項2】
前記構成部品が装置筐体と、この装置筐体内に実装される実装品とからなり、この装置筐体内に前記アンテナ及び電子タグリーダライタ装置が設置されたことを特徴とする請求項1に記載の構成管理装置。
【請求項3】
前記電子タグリーダライタ装置には、この電子タグリーダライタ装置に指令を送信する端末装置が接続され、この端末装置がインターネット装置を介して構成管理サーバマシンに接続可能に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の構成管理装置。
【請求項4】
前記構成管理データベースには、前記構成部品に貼り付けられた電子タグの識別コードに関連付けられた上記構成部品の情報と、この電子タグの識別コードを読み取ったアンテナの設置位置を示す識別コードに関連付けられた実装位置の情報とが組となり、一つの装置の全ての構成部品について、前記組となった情報が一つにまとめられて構成情報として記憶されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の構成管理装置。
【請求項5】
前記構成管理サーバマシンは、一つの装置を構成する複数の前記構成部品のそれぞれに貼り付けられた電子タグの識別コードのうち一つの識別コードを、構成情報管理用のキーコードとして処理するよう構成されたことを特徴とする請求項4に記載の構成管理装置。
【請求項6】
前記構成管理サーバマシンは、一つの装置について、前記構成部品とその実装位置の複数組の情報からなる構成情報に、追加情報を追加して前記構成管理データベースに記憶させるよう構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載の構成管理装置。
【請求項7】
前記構成管理サーバマシンは、前記構成管理データベースに記憶された構成情報を読み取り、この構成情報に組として情報化されている、電子タグの識別コードに関連付けられた構成部品の情報と、この電子タグの識別コードを読み取ったアンテナの設置位置を示す識別コードに関連付けられた実装位置の情報とを対応付けて、付加情報と共に自己の表示装置に表示可能に構成されたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の構成管理装置。
【請求項8】
前記端末装置は、前記構成管理サーバマシンを介して構成管理データベースに記憶された構成情報を読み取り、この構成情報に組として情報化されている、電子タグの識別コードに関連付けられた構成部品の情報と、この電子タグの識別コードを読み取ったアンテナの設置位置を示す識別コードに関連付けられた実装位置の情報とを対応付けて、付加情報と共に入力して、自己の記憶装置に記憶可能に構成されたことを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の構成管理装置。
【請求項9】
前記端末装置は、前記ネットワーク装置から切離された後に、自己の記憶装置に記憶された構成情報の、電子タグの識別コードに関連付けられた構成部品の情報と、この電子タグの識別コードを読み取ったアンテナの設置位置を示す識別コードに関連付けられた実装位置の情報とを対応付けて、付加情報と共に自己の表示装置に表示可能に構成されたことを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の構成管理装置。
【請求項10】
前記端末装置は、前記電子タグリーダライタ装置から、前記構成部品に貼り付けられた電子タグの識別コードと、この電子タグの識別コードを読み取ったアンテナの設置位置を示す識別コードとを組として読み取り、この組として読み取られた各識別コードと、自己の記憶装置に記憶されている、前述の組として読み取られた各識別コードに対応する構成部品及びその実装位置に関する識別コードとを比較して表示可能に構成されたことを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載の構成管理装置。
【請求項11】
前記端末装置は、前記構成部品に貼り付けられた電子タグへの情報の書き込み処理を、当該電子タグに対応して設置されたアンテナの設置位置を電子タグリーダライタ装置に指定して、このアンテナを用い前記電子タグリーダライタ装置により実施させるよう構成されたことを特徴とする請求項3乃至10のいずれかに記載の構成管理装置。
【請求項12】
前記端末装置は、前記構成部品に貼り付けられた電子タグからの情報の読み取り処理を、前記電子タグに対応して設置されたアンテナの設置位置を示す識別コードを電子タグリーダライタ装置に指定して、このアンテナを用い前記電子タグリーダライタ装置により実施させるよう構成されたことを特徴とする請求項3乃至11のいずれかに記載の構成管理装置。
【請求項13】
前記構成部品が装置筐体と、この装置筐体内に実装される実装品とからなり、前記電子タグリーダライタ装置が前記装置筐体の外部に設置され、前記アンテナと上記電子タグリーダライタ装置とに接続されるアンテナコネクタが前記装置筐体内に組み込まれて構成されたことを特徴とする請求項1または3乃至12のいずれかに記載の構成管理装置。
【請求項14】
前記構成部品が装置筐体と、この装置筐体内に実装される実装品とからなり、前記装置筐体の外部に電子タグリーダライタ装置が設置され、上記実装品に貼り付けられた電子タグが前記装置筐体の壁面近辺に位置付けられ、アンテナが前記装置筐体の外側で、前記電子タグに接近する位置に設置されたことを特徴とする請求項1または3乃至12のいずれかに記載の構成管理装置。
【請求項15】
前記構成部品に貼り付けられた電子タグに対応して設置された前記アンテナ近辺には、これら通信を実施する一対の電子タグ及びアンテナ以外への電磁波を遮断するシールドが設置されたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の構成管理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−305183(P2008−305183A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151924(P2007−151924)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】