説明

構造物狭窄部の表面処理装置

【課題】手が入らない等の理由により補修等が実質的に行われていなかった構造物狭窄部に対し、構造物の通常使用状態を維持したまま、高い精度での表面処理を実施可能な構造物狭窄部の表面処理装置を提供すること。
【解決手段】被処理面Sfに、はつり等の表面処理を行うための作業治具1と、この作業治具1を移動させる移動装置とを備え、移動装置は、構造物Sの被処理面Sfに向かって少なくとも左右方向に、構造物狭窄部G内を移動可能な治具支持部41を備え、治具支持部41に支持された作業治具1を、移動装置によって、構造物狭窄部Gの左右両端間において移動させることのできる構造物狭窄部の表面処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高架道路等を構成する構造物、特にコンクリート構造物の継ぎ目部分、すなわち、構造物伸縮継ぎ手および構造目地部分に存在する隙間である、構造物狭窄部の表面処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−299042
【特許文献2】特開2003−311691
【特許文献3】特開2003−166212
【0003】
高架道路や橋梁等を構成するコンクリート構造物は、地上や川床上に構築された橋脚の上面に、支承を介して桁部材が配置された構造とされており、この桁部材の上面が舗装されて車両の走行等に用いられる。
【0004】
ここで、各桁部材の継ぎ目部分、すなわち、構造物伸縮継ぎ手および構造目地部分には構造上隙間が設けられている。この隙間を構造物狭窄部と称する。この構造物狭窄部における各桁部材の端面間の寸法は、20mm〜100mmと狭窄である。また、このように狭窄で風通しが悪い故に、この構造物狭窄部は湿潤状態となりやすい。また、これに加え、冬季において舗装面に凍結防止剤(塩化ナトリウム・塩化カルシウム等)が散布使用され、この凍結防止剤が水溶液となって流れ込むことが原因で、各桁部材の端面におけるコンクリートの劣化を引き起こしたり、コンクリート中の鉄筋に悪影響が生じたりしやすい。つまり、構造物に塩化物イオンが供給され、この塩化物イオンの影響により、鉄筋が発錆して膨張し、コンクリートの変状破壊やひび割れ等の変状、表面の劣化等をきたす(塩害)。また、現在使用されている凍結防止剤の大部分を占める塩化ナトリウムによる、コンクリート自体の劣化も問題視されている(アルカリ骨材反応)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から、この構造物狭窄部がコンクリート構造物にとって悪い環境にあること、そして、補修の必要性は認識されていたが、非常に狭窄であることから、物理的、人為的に手が入らない等の関係で、補修はほとんど施工されていなかった。
【0006】
この構造物狭窄部については、最近では、構造物の新規構築時に表面被覆が行われることがあるが、過去に構築された構造物においては、そのようなことは行われておらず、端面が劣化したまま使用されているのが現状である。
【0007】
一方、従来から、ウオータージェット(超高圧水)によって、コンクリート構造物の表面にはつり等の処理を行うことは、例えば特許文献1〜3に示されたように公知である。
しかしながら、上記のように構造物狭窄部は非常に狭窄であり、構造物によっては20mm程度の隙間しかなく、上記公知の方法を施工することは不可能であった。よって、細長い棒状の治具を差し込むこと等により施工するぐらいしか方法がなく、多くの時間と費用を要し、また、施工精度も悪かったため、実質的には放置しているに等しいものであった。よって、各桁部材の端面の劣化が進行してしまった場合、最終手段として、桁部材自体の取替え等が必要となることもあり、莫大な損失を招く恐れがあった。
【0008】
また、劣化した端面部分のみを破壊して再構築することも選択肢の一つとして考えられるが、道路構造物等、実際に供用中の構造物でそのような工事を行うことは、工事中に構造物の通常使用が不可能となるため、全く現実的でない。
【0009】
上記の問題に鑑み、本発明は、手が入らない等の理由により補修等が実質的に行われていなかった構造物狭窄部に対し、高い精度での表面処理を実施可能な、構造物狭窄部の表面処理装置を提供することを課題とする。また、構造物の通常使用状態を維持したまま、構造物の被処理面の表面処理を可能とする、構造物狭窄部の表面処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、高架道路等を構成する構造物Sの継ぎ目部分、すなわち、構造物伸縮継ぎ手および構造目地部分に存在する、構造物Sの端面である被処理面Sf間の隙間である構造物狭窄部の表面処理装置において、上記の被処理面Sfに、はつり等の表面処理を行うための作業治具1と、この作業治具1を移動させる移動装置とを備え、移動装置は、構造物Sの被処理面Sfに向かって少なくとも左右方向に、構造物狭窄部G内を移動可能な治具支持部41を備え、治具支持部41に支持された作業治具1を、移動装置によって、構造物狭窄部Gの左右両端間において移動させることにより、構造物S上の交通等、構造物Sの通常使用状態を維持したまま、構造物Sの被処理面Sfの表面処理を可能にしたことを特徴とする、構造物狭窄部の表面処理装置を提供する。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、構造物狭窄部Gの左右両端よりも外側において、構造物Sに固定された一対のレール部材2を備えたものであり、上記の移動装置は、少なくとも、移動台3と長尺索状体4とからなるものであって、上記の移動台3は、上記のレール部材2に上下移動可能に設けられたものであり、上記の長尺索状体4は、左右の各移動台3によって支持されたものであって、上記の治具支持部41を有し、この治具支持部41が構造物狭窄部Gの左右両端間を移動可能とされたものであり、上記の作業治具1は、長尺索状体4の治具支持部41に取り付けられたものであり、移動台3のうちの少なくとも一つは、長尺索状体4の張力を調整するための張力調整装置5を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の、構造物狭窄部の表面処理装置を提供する。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、上記の長尺索状体4としてワイヤロープが用いられたものであり、このワイヤロープ4は、少なくとも、移動台3に設けられた滑車31,51によって支持されており、上記の張力調整装置5が、上記の滑車のうちの少なくとも一つであり、移動台3に対し左右方向に移動可能とされた張力調整用滑車51と、この張力調整用滑車51を左右方向に移動させるためのエアシリンダー52とを備えたことを特徴とする、請求項2に記載の、構造物狭窄部の表面処理装置を提供する。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、レール部材2には、移動台3を移動させるためのサーボモーター21が設けられており、移動台3には、長尺索状体4の移動量を測定するロータリーエンコーダー32が設けられており、サーボモーター21からの信号とロータリーエンコーダー32からの信号とを基にして、構造物Sに対する作業治具1の位置を検出することを特徴とする、請求項2または3に記載の、構造物狭窄部の表面処理装置を提供する。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、上記の作業治具1が、ウオータージェット(超高圧水)を噴出できるノズルヘッドであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の、構造物狭窄部の表面処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、構造物狭窄部G内を移動可能な治具支持部41と、これに支持された作業治具1とを備えたことにより、従来狭窄であるために表面処理の施工が困難であった構造物狭窄部において安全な施工が可能な、構造物狭窄部の表面処理装置を提供できたものである。また、構造物Sの通常使用状態を維持したまま、構造物Sの被処理面Sfの表面処理を可能とする構造物狭窄部の表面処理装置を提供できたものである。
そして特に、請求項4に記載の発明にあっては、上記の効果に加え、サーボモーター21からの信号とロータリーエンコーダー32からの信号とを基にして、構造物Sに対する作業治具1の位置を正確に検出することにより、高い精度での施工が可能な構造物狭窄部の表面処理装置を提供できたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例の一つをとりあげて説明する。図1及び図2は、本実施例の構造物狭窄部の表面処理装置を構造物狭窄部に配置した状態を示す。
なお、下記の説明における上下左右の表現は、図1に示した、コンクリート構造物Sの被処理面Sfに向かっての方向を示すものである。
【0017】
本実施例の構造物狭窄部の表面処理装置は、コンクリート構造物Sの表面処理、例えば、道路橋、鉄道橋、人道橋、水路橋等のコンクリート橋梁をはじめとする、コンクリート構造物Sの端面であり、構造物狭窄部Gにおける表面である、被処理面Sfの、はつり等の表面処理を行うためのものである。
このコンクリート構造物Sは、例えば、図1に示すように、橋脚S1の上面に、支承S2を介して桁部材S3が配置された構造とされており、この桁部材S3の上部には一体に上部部材S4が設けられたものである。本実施例では、桁部材S3における被処理面Sfに対して構造物狭窄部の表面処理装置を適用する。
【0018】
本実施例の構造物狭窄部の表面処理装置は、構造物狭窄部G内を移動可能とした、被処理面Sfの処理を行うための作業治具1と、この作業治具1を移動させるための移動装置とを備える。この移動装置は、上下方向への移動を担当するレール部材2及びレール部材2に設けられた移動台3と、水平方向への移動を担当するものであり上記の移動台3に支持された長尺索状体としてのワイヤロープ4とからなる。このワイヤロープ4に作業治具1が取り付けられている。
【0019】
作業治具1は、本実施例では、100MPa〜250MPaのウオータージェット(超高圧水)を噴出できるノズルヘッドとされている。このノズルヘッド1は、構造物狭窄部Gの内部に配位可能な大きさのものとされており、後述するように、ワイヤロープ4の治具支持部(ワイヤ固定連結器)41に取り付けられる。ノズルヘッド1には、ウオータージェット(超高圧水)を供給するための、超高圧ホース11が接続されている。また、図示はしないが、この超高圧ホース11には、超高圧ポンプ12が接続されており、これにより、ウオータージェット(超高圧水)がノズルヘッド1へ供給される。
このノズルヘッド1から噴出されるウオータージェット(超高圧水)の圧力により、被処理面Sfのはつり取り又は、劣化物やごみ等を除去するウオータージェット施工が可能である。そして、治具支持部41の移動に伴って被処理面Sfを順次処理していくことができる。
【0020】
なお、このノズルヘッド1は、ウオータージェット(超高圧水)を噴出させる以外に、塗料や樹脂の塗布、モルタル等のセメント製品の塗布、鉄筋用防錆剤の塗布等、種々のコンクリート補修材料の施工に用いるノズルとして用いることも可能なものとされており、本実施例のようなウオータージェット施工に用途が限定されるものではない。
また、本発明において使用される作業治具1には、他に、ワイヤブラシやディスクグラインダー等の機械的加工手段や、ヒーター等の加熱手段等、構造物狭窄部Gに内部に配位可能な大きさであることを条件に、被処理面Sfを処理するための種々のものを用いることが可能である。また、作業治具1に一体に組み込むか、あるいは併用する形でファイバースコープ、カメラ等を設けておき、被処理面Sfの状況を遠隔監視できるようにしても良い。
【0021】
レール部材2は、構造物狭窄部Gの左右両端よりも外側であるコンクリート構造物Sの左右側に配位されたものである。本実施例では、図1に示したように、橋脚S1と上部部材S4とにアンカーボルト等によってそれぞれ固定された、平行した一対の左側レール部材2Lと右側レール部材2Rとからなる。
【0022】
レール部材2には移動台3が設けられている。この移動台3は、フレームに、レール部材2に沿って円滑に移動しうる複数のローラー(図示していない)、そして複数のワイヤロープ用滑車31が設けられたものである。上記のローラーがレール部材2に沿って転動することにより、図1に矢印で示したように、移動台3がレール部材2に対して上下移動可能とされている。また、レール部材2には、後述する三軸制御装置7によって制御された駆動装置21と、駆動装置21の動力を移動台3に伝達するための動力伝達手段22とが設けられており、これにより、上記の移動台3を、三軸制御装置7を介して自由に上下移動させることができる。左右の各レール部材2にそれぞれ設けられた駆動装置21は、作動が同期するように制御されるものであり、これにより、ワイヤロープ4を上下方向に平行移動させることができる。
なお、本実施例における駆動装置21には電動のサーボモーターを使用しているが、油圧モーターやエアーモーター等を用いることができ、電動モーターに限定されるものではない。
また、動力伝達手段22としてはローラーチェーンが用いられている。ローラーチェーン22と移動台3とは環状に接続されている。駆動装置21の出力軸には、このローラーチェーン22と噛み合うスプロケットが設けられている。これにより、駆動装置21の駆動力を、ローラーチェーン22を介して移動台3に伝達することができる。
なお、本実施例における動力伝達手段22としてはローラーチェーンが用いられたものとしたが、ラック・ピニオンギアの組み合わせ、歯付きベルト、スクリュー・ナットの組み合わせ等が使用でき、ローラーチェーンに限定されるものではない。
【0023】
本実施例における左側レール部材2Lに設けられた左側移動台3Lには、ワイヤロープ4を移動させるためのワイヤドライブ装置6が設けられている。ワイヤドライブ装置6は、電動モーター61と、電動モーター61の出力軸に取り付けられた、エンドレスドラム62から構成されている。
【0024】
ここで、本実施例におけるワイヤロープ4は、所定長さに切断され、両端に治具支持部としてのワイヤ固定連結器41を取り付けたものである。これを、左側移動台3Lに設けられたワイヤロープ用滑車31を経由させて、同じく左側移動台3Lに設けられたエンドレスドラム62に数回巻き付けて、右側移動台3Rに設けられたワイヤロープ用滑車31を経由させ、後述するように、右側移動台3Rに設けられた張力調整装置5の張力調整用滑車51を経由して、両端部のワイヤ固定連結器41をノズルヘッド1の両端に接続し、全体が環状となるように構成されている。つまり、本実施例でのワイヤロープ4は、各移動台3における、ワイヤロープ用滑車31、張力調整用滑車51、エンドレスドラム62によって支持されている。
なお、本発明における長尺索状体は、本実施例のようなワイヤロープ4に限定されるものではなく、ローラーチェーン等、種々の手段が選択可能である。
【0025】
上記のように環状とされたワイヤロープ4は、上記のワイヤドライブ装置6によって環状に運動させることができる。よって、ワイヤ固定連結器41を、被処理面Sfに向かって左右方向に、構造物狭窄部G内において移動可能である。そして、ワイヤ固定連結器41に連結されたノズルヘッド1を、図1に矢印で示したように、構造物狭窄部Gの左右両端間において移動させることができる。また、上記のように、移動台3は上下方向に移動するため、結局、構造物狭窄部Gに対して上下左右にノズルヘッド1を移動させることができ、被処理面Sfに対して面状に表面処理を行うことができる。
【0026】
一方、本実施例における右側レール部材2Rに設けられた右側移動台3Rには、張力調整装置5が設けられている。この張力調整装置5は、張力調整用滑車51と、張力調整用滑車51に接続され張力調整用滑車51を左右方向に移動させることのできるエアシリンダー52、そして、エアシリンダー52に圧縮空気を供給するためのエアーコンプレッサー53及びエアー圧力調整器54から構成され、上記のように環状に設置したワイヤロープ4を常に一定張力に保つと共に、左側レール部材2Lと右側レール部材2Rとの設置時に生じる距離間歪みの調節機能を有する。
また、張力調整用滑車51には、これと連動するものであって、ワイヤロープ4の移動量を測定するためのロータリーエンコーダー32が取り付けられている。
【0027】
本実施例の構造物狭窄部の表面処理装置は、レール部材2に設けられた駆動装置である電動のサーボモーター21からの信号及び、張力調整装置5の張力調整用滑車51に取り付けられたロータリーエンコーダー32のパルス信号を取り込み、これらを基にしてノズルヘッド1の位置を検出することができる。この検出結果に応じ、入出力を制御しうる三軸制御装置7を用いて運転がなされる。この三軸制御装置7は、移動台3とワイヤドライブ装置6とを単独、若しくは連動させてノズルヘッド1を1mm単位で制御運転することができる。また、ノズルヘッド1の移動速度も各々別個に連続的に変える事が可能である。
【0028】
以上に説明したように、本発明に係る構造物狭窄部の表面処理装置によれば、従来狭窄であるために施工が困難な箇所で安全且つ精度の高い施工が可能となる。
【0029】
なお、本実施例では、コンクリート構造物Sに対して適用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、鉄骨構造物における狭窄部に対して適用することもできるものであり、処理対象の構造物が限定されるものではない。
【0030】
また、本実施例では、移動装置における移動台3が上下方向への移動を担当し、ワイヤロープ4が水平方向への移動を別個に担当する構成としたが、上下左右共に移動可能な一つの構成をとっても良い。また、移動装置は、可動アーム等による構成、ラックとピニオンギアとを組み合わせたもの、ウォームギアの利用、リニアモーターの利用等、種々の構成をとることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例に係る構造物狭窄部の表面処理装置の全体概略図である。
【図2】構造物に対して本発明の実施例に係る構造物狭窄部の表面処理装置を適用した状態を示す、斜視の概略図である。
【符号の説明】
【0032】
1 作業治具、ノズルヘッド
2 レール部材
21 駆動装置、サーボモーター
3 移動台
31 ワイヤロープ用滑車
32 ロータリーエンコーダー
4 長尺索状体、ワイヤロープ
41 治具支持部、ワイヤ固定連結器
5 張力調整装置
51 張力調整用滑車
G 構造物狭窄部
S 構造物
Sf 構造物の被処理面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架道路等を構成する構造物(S)の継ぎ目部分、すなわち、構造物伸縮継ぎ手および構造目地部分に存在する、構造物(S)の端面である被処理面(Sf)間の隙間である構造物狭窄部の表面処理装置において、
上記の被処理面(Sf)に、はつり等の表面処理を行うための作業治具(1)と、この作業治具(1)を移動させる移動装置とを備え、
移動装置は、構造物(S)の被処理面(Sf)に向かって少なくとも左右方向に、構造物狭窄部(G)内を移動可能な治具支持部(41)を備え、
治具支持部(41)に支持された作業治具(1)を、移動装置によって、構造物狭窄部(G)の左右両端間において移動させることにより、構造物(S)上の交通等、構造物(S)の通常使用状態を維持したまま、構造物(S)の被処理面(Sf)の表面処理を可能にしたことを特徴とする、構造物狭窄部の表面処理装置。
【請求項2】
構造物狭窄部(G)の左右両端よりも外側において、構造物(S)に固定された一対のレール部材(2)を備えたものであり、
上記の移動装置は、少なくとも、移動台(3)と長尺索状体(4)とからなるものであって、
上記の移動台(3)は、上記のレール部材(2)に上下移動可能に設けられたものであり、
上記の長尺索状体(4)は、左右の各移動台(3)によって支持されたものであって、上記の治具支持部(41)を有し、この治具支持部(41)が構造物狭窄部(G)の左右両端間を移動可能とされたものであり、
上記の作業治具(1)は、長尺索状体(4)の治具支持部(41)に取り付けられたものであり、
移動台(3)のうちの少なくとも一つは、長尺索状体(4)の張力を調整するための張力調整装置(5)を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の、構造物狭窄部の表面処理装置。
【請求項3】
上記の長尺索状体(4)としてワイヤロープが用いられたものであり、
このワイヤロープ(4)は、少なくとも、移動台(3)に設けられた滑車(31,51)によって支持されており、
上記の張力調整装置(5)が、
上記の滑車のうちの少なくとも一つであり、移動台(3)に対し左右方向に移動可能とされた張力調整用滑車(51)と、
この張力調整用滑車(51)を左右方向に移動させるためのエアシリンダー(52)とを備えたことを特徴とする、請求項2に記載の、構造物狭窄部の表面処理装置。
【請求項4】
レール部材(2)には、移動台(3)を移動させるためのサーボモーター(21)が設けられており、
移動台(3)には、長尺索状体(4)の移動量を測定するロータリーエンコーダー(32)が設けられており、
サーボモーター(21)からの信号とロータリーエンコーダー(32)からの信号とを基にして、構造物(S)に対する作業治具(1)の位置を検出することを特徴とする、請求項2または3に記載の、構造物狭窄部の表面処理装置。
【請求項5】
上記の作業治具(1)が、ウオータージェット(超高圧水)を噴出できるノズルヘッドであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の、構造物狭窄部の表面処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−289585(P2006−289585A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−116440(P2005−116440)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(500403309)株式会社ケミカル工事 (10)
【Fターム(参考)】