構造用I形ビームの自動車用サスペンションアーム
車両用サスペンションコントロールアームを有する構造要素が、複雑なシングルピースのシートメタルのスタンプされた構成部品から構成され、該構成部品は均一な厚さの材料から形成される。スタンピングは、的確な平面図形状を有するように構成され、かつ、中央のウェブ部分および2つのフランジ部分を有するI形ビーム横断面となるように形成される。中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さとして構成され、かつ、フランジ部分は、上へ立った閉断面と下へ立った閉断面とを有し、連続的な二重折れしたセグメントを伴っている。シートメタルの開端部は、中央のウェブ部分においてまたはその近くで終了し、該ウェブ部分に対して、および、代替的な実施形態では該連続的な二重折れしたセグメントに対しても溶接され、それにより、フランジ部分がウェブ部分の2倍の厚さである好ましい構造用I形ビーム断面が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、シートメタル(sheet metal、板金)から形成される構造要素の製造プロセスに適用され、より詳細には、重量に対する高い剛性と、荷重配分比(weight ratios)に対する強度とを必要とするそれらの構成部品に適用される。本発明は、特に、自動車用サスペンションアームに適用される。
【背景技術】
【0002】
先行技術の説明
現代のほとんどの道路車両(road vehicles)は、路面の凹凸によって引き起こされるホイールの外乱から乗員室(passenger compartment)を隔離するために、何らかの形態のサスペンションシステムを利用している。これらのサスペンションシステムは通常、バネなどの何らかの形態のエネルギー蓄積手段と、バネの動作を制御するための減衰器などの装置と、ホイールの運動のキネマティクス(kinematics)を制御するためのリンク機構とを備えている。この構成部品の組合せは、車両のホイールがコントロールされた態様にて上方へ動いて道路の凹凸を越えていくことを可能とするように構成される。リンク機構の最も一般的な形態は四棒リンク(four-bar linkage)構造であり、該構造は、スピンドル組立体、車両本体、および、ピボット回転する2つの構造要素(通常、コントロールアームと呼ばれる)から構成される。
【0003】
図1は、一般的な先行技術の四棒リンク構造を示している。コントロールアーム(1)(2)は、車両本体(4)に対して、スピンドル組立体(3)の動作を位置付け、ガイドする。スピンドル組立体は、ホイール、タイヤ、ベアリング組立体、およびブレーキ組立体を担持し、これらは、車両のバネ下質量(unsprung mass、ばねした質量)(5)と総じて呼ばれる。このバネ下質量には、コントロールアームの重量部分も含まれる。路面からの外乱に対してバネ下質量を移動させるには相当なエネルギーが必要になるので、可能な限りこのサブ組立体の総重量を低減することが好ましい。加えて、車両のハンドリング特性はバネ下構成部品の制御された動作に直接左右されるので、コントロールアームは、それらに付与されるかなりの荷重に耐えるためのかなりの剛性および強度を有することが必須となる。
【0004】
従って、サスペンションコントロールアームは、荷重を受けた時に十分に機能するための強度と剛性とを有し、かつ、バネ下質量を低減するために軽量であることが重要である。重量を低減すると、通常、強度と剛性の両方が低下する。重量は低減されているが性能上の特性は同等であるという部品を設計するには、創意工夫が大いに必要である。サスペンションコントロールアーム(複数)に付与される作動荷重(複数)は個別であり、また良く理解されており、当該用途に必要とされる方向と位置に、選択的な剛性と強度とを提供する均一でない構造を開発することができるようになっている。車両用サスペンションコントロールアームは、スピンドルと本体取付け具との関係の構成に応じて、概しては、平面図において「A」形状または「L」形状のいずれかに構成される。いずれの場合も、主たる誘導荷重(induced load)は、「A」または「L」フォーメーションの面内にあり、そのため、高い面内剛性が要求される。これらの誘導荷重に耐えるための最も効果的な形状においては、「A」または「L」フォーメーションの縁部(エッジ)周辺に、大きく集中させた材料を位置させて、面内の断面二次モーメント(second moment of area)の値を最大化することが必要とされる。図2は、一般的な先行技術の「L」形状サスペンションコントロールアーム(8)を示しており、このサスペンションコントロールアーム(8)は、該構造の縁部の周りに材料を大きく集中させたものとなっており、鋳造製造プロセスによって容易に作られる。この構造は、一般の構造的な断面の慣例と合致しており、I形ビーム(I-beams)が曲げ荷重を支える最も効果的な方法であると考えられている。I形ビームの構成では、図心または中立軸から離れた断面の末端部に材料が集中する。図2Aは、典型的な先行技術のI形ビーム、すなわち、図2の鋳造「L」形状サスペンションコントロールアームの横断面図である。I形ビームの互いに反対側にある末端部はフランジ(6)と呼ばれ、一方、単独の中央の構成部分はウェブ(7)と呼ばれる。I形ビームの構造上の利点を十分に具現化するためには、ウェブよりも厚いフランジを有することが有益である。
【0005】
最適なコントロールアーム構造に求められていることが均一でない形状であることから、数多くの複雑な製造プロセスが使用されてきた。車両用コントロールアーム構造に関連する最も一般的な製造方法は、鋳造、鍛造、および、サブ組立体になっているプレス形成された金属スタンピング(press formed metal stamping)の溶接である。複雑な形状を伴うことが原因で、単純なプレス形成された金属スタンピングから、最適な車両用コントロールアームを製造することは非常に困難である。
【0006】
製造の際にプレス形成された金属スタンピングを利用する大部分のサスペンションコントロールアームは、閉じた箱の断面として構成される。図3は、2つのU形状にプレス形成した金属スタンピングから構成された、典型的なサスペンションコントロールアームの断面を示している。この種の構造断面は、面内の曲げ荷重への耐性について、I形ビームよりもはるかに効率が低く、また、必要とされる隅肉溶接接合を容易にするためには、材料のかなりのオーバラップ(重なり合い)を必要とする。この材料のオーバラップは、結局は構造的に余剰(redundant)になり、代替的な鋳造または鍛造構造よりも重量が大きい解決方法となる。
【0007】
Kusamaらに対して発行された米国特許第5,662,348号には、プレス形成部品のみから製造されるサスペンションアームが開示されている。Kusamaは、広範な異なる断面構造を請求(クレーム)しており、それらは全て、誘導荷重と適合する様式で車両用サスペンションコントロールアームを強固にすることを目的としている。しかしながら、Kusamaは、プレス形成技術を用いた真のI形ビーム断面を形成するための方法を教示していない。
【0008】
I形ビーム断面を使用することは、サスペンションアームの技術においては知られており、通常、図2および2Aに示すとおり、鋳造または鍛造技術を用いた製造を伴う。しかしながら、2つのカップ形状(cup-shaped)のプレス形成されたスタンピングを用いることも良く行われており、それらのスタンピングは、背面同士を合わせてプロジェクション溶接され、必要とされる平面図形状を有するI形ビーム断面が形成される。I形ビーム断面は、このようにして2つの比較的単純なスタンピングを組み合わせることによって形成されてきたが、フランジがウェブの半分の厚さであったため、構造性能が低くなっていた。図4は、2つのカップ形状のプレス形成されたスタンピングから構成された典型的な先行技術のI形ビームサスペンションコントロールアームの横断面図を示している。先行技術の製造プロセスが、フランジが1枚(single、単一)の材料の厚さのものでありながら、ウェブが2重(double)の材料の厚さのものである、ということを押し付けていることに留意するのも重要である。これは、最適な構造的構成ではない。
【0009】
Laymanに対して発行された米国特許第1,380,659号は、リンクおよびレバーなどに関し、より詳細には、シートメタルから形成された場合のそのような物品に関する。Laymanは、自動車用サスペンションコントロールアームについて言及しておらず、また、該発明の目的は該発明が関するようなリンクまたはレバーなどについて製造コストを安くすることであると明示的に述べている。自動車用サスペンションコントロールアームに付随する、誘導荷重の理解についての示唆はなく、また、図は一般的なリンクおよびレバーに関する。Laymanは、シートメタルから形成され得るであろう数多くの可能性のある横断面を示しているが、一つのみが、真のI形ビーム断面を表していると解釈され得るであろう。しかしながら、このI形ビーム断面は、自動車用サスペンションコントロールアームの文脈で示されておらず、また、必要とされる構成部品の個数、溶接などのシートメタルを繋げる何らかのジョイントまたは方法について示していない。この観点から、LaymanのI形ビーム断面は、実施可能な程度まで十分に記載されていない。最後に、LaymanのI形ビーム断面は、フランジとウェブとが同等の材料の厚さであることを示している。これは、最適な構造的構成ではない。
【0010】
Howellらの米国特許出願第US2005/0104315A1には、プレス形成(press formed)されたシートメタル構成部品を使用して構成された真のI形ビーム断面の車両用サスペンションアームが開示されている。Laymanとは異なり、Howellには、実現可能なI形ビーム自動車用コントロールアームを形成するために、スタンプされた金属構成部品を連結するための方法論が十分記載されている。しかしながら、HowellのI形ビーム断面は、フランジとウェブとが同等の材料の厚さであるという点で、Laymanと同様の制限を抱えている。加えて、Howellでは、真のI形ビーム断面を形成するために2つのスタンプされた構成部品が連結されることを必要としている。
【発明の概要】
【0011】
発明の要旨
従って、シートメタルプレス形成などの低コストの製造技術を使用して、比較的低質量を維持しながら、高い固有の剛性および強度を提供し得るサスペンションコントロールアームを開発することが有利であろう。自動車産業が必然的に要求するような大きな体積の用途のためには、シートメタルプレス形成が最もコスト効率の良い構造部品の製造方法であることは証明されてきた。現在生産されているほぼ全ての車両において、プレス形成技術(press-forming techniques)を使用して製造されたアルミニウムまたはスチール(鋼)のスタンピングのいずれかからほぼ全体が構成された本体構造および選択されたサブフレームが用いられている。それゆえ、本発明の目的は、車両用サスペンションコントロールアームの製造において金属プレス形成を用いることである。
【0012】
本発明の一つの実施形態では、車両用サスペンションコントロールアームを有する構造要素は、均一な厚さの材料から形成された、複雑な(complex)、シングルピースの、シートメタルのスタンプされた構成部品(sheet metal stamped component)から構成される。スタンピングは、妥当な平面図形状、すなわち「A」形状、「L」形状、または、当該用途のために適切な他の形状を有するように構成され、かつ、中央のウェブ部分と、2つのフランジ部分とを有するI形ビーム横断面(I-beam cross section)へと形成される。中央のウェブ部分は、単一の材料厚さとして構成され、かつ、フランジ部分は、上へ立った閉断面(upstanding closed section)と、下へ立った閉断面(downstanding closed section)とを有する。上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、均一な厚さのシートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、ウェブ部分の厚さの2倍となっている。該シートメタルの開端部(open end)は、中央のウェブ部分に当たって終了するように構成され、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段を用いてウェブ部分に溶接される。フランジ部分がウェブ部分の2倍の厚さであるため、最終的な組立体は、好ましい構造用I形ビーム断面を有する。
【0013】
従って、車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素は、均一な厚さの材料から形成されるシートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分を有し、前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、シートメタルの開端部は、中央のウェブ部分に当たって終了するように、および、不動に固定されるように構成されて、当該構造要素はI形ビーム断面で作ったものとなっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている。
【0014】
本発明のさらなる態様では、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品(sheet metal stamped component)は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または同様のシートメタル材料からプレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成されており、
c)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、
d)上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
e)シートメタルのトリム端部(trim ends)は、前記中央のウェブ部分に当たって終了するように構成され、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、前記中央のウェブ部分に不動に固定されるように構成されており、
f)前記フランジ部分に、少なくとも1つの途切れ部が導入され、それにより、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されている。
【0015】
本発明の一つの好ましい実施形態では、必要とされる平面図形状、すなわち「A」、「L」、または、当該用途のために適切な他の形状は、MIG、TIG、アーク(ARC)もしくはレーザー溶接、または、同様の手段を使用して、ブッシング支持構造体を主(メイン)アーム構成部品に不動に取付けることにより形成される。主アーム構成部品は、先に記載したシートメタルのスタンプされた構成部品と同様にして構成されるが、完全に分岐した構造よりも製造が容易な、より単純な平面図形状である。ブッシング支持構造体は、開(open)または閉(closed)のいずれかの断面の単純な金属スタンピングとして構成され、かつ、丸形のブッシング支持体を受け入れるように構成される。このようにして、車両のサスペンションの幾何学的形状の必要性によってしばしば必然的に要求される非常に複雑な平面図形状に対して、比較的単純な平面図形状のシートメタルのスタンプされた構成部品を用いて対応することができ、それと同時に、先に記載した優れたI形ビーム断面の全ての利点が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、一般的な四棒リンクの車両用サスペンションシステムの斜視図である。
【図2】図2は、典型的な鋳造の先行技術のサスペンションコントロールアームの斜視図である。
【図2A】図2Aは、図2の典型的な先行技術のサスペンションコントロールアームの断面図である。
【図3】図3は、典型的なスタンプされた先行技術のサスペンションコントロールアームの断面図である。
【図4】図4は、典型的なスタンプされた、I形ビーム断面の先行技術のサスペンションコントロールアームの断面図である。
【図5】図5は、本発明のサスペンションコントロールアームの斜視図である。
【図6】図6は、本発明のサスペンションコントロールアームの断面斜視図である。
【図7】図7は、本発明のサスペンションコントロールアームの分解斜視図である。
【図8】図8は、本発明のサスペンションコントロールアームの一つの好ましい実施形態の典型的な断面図である。
【図9】図9は、図8の本発明のサスペンションコントロールアームの該好ましい実施形態の典型的な断面図であり、溶接された接合部の詳細を含んでいる。
【図10】図10は、本発明のサスペンションコントロールアームの代替的な実施形態の断面図である。
【図11】図11は、図10の本発明のサスペンションコントロールアームの該代替的な実施形態の断面図であり、溶接された接合部の詳細を含んでいる。
【図12】図12は、本発明のサスペンションコントロールアームのさらなる代替的な実施形態の斜視図である。
【図12A】図12Aは、図12の本発明のサスペンションコントロールアームの該さらなる代替的な実施形態の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
図5、6、7および8を参照すると、車両用サスペンションコントロールアーム(10)が、複雑な(complex)単一ピースであるシートメタルのスタンプされた(sheet metal stamped)構成部品(11)と、丸形のブッシング支持体(18)と、インラインピン・ブッシング支持体(19)と、ボールジョイント(27)とから実質的に構成されている。シートメタルのスタンプされた構成部品(11)は、鋼、アルミニウムもしくは他の好適な金属(例、チタン、タングステンなど)または合金の、均一な厚さの平面状シートを、必要とされる平面図の形状(plan view shape)へとプレス形成することによって製造され、平面図の形状は、車両のサスペンションの幾何学的形状の必要性によって必然的に要求される形状である。付加的には、該スタンプされた構成部品は、プレス形成工程の間に、一枚の材料厚さのウェブ部分(12)を有し、かつ、中央のウェブ部分(12)の互いに反対側にある2つのフランジ部分(13)を有するように構成される。各フランジ部分(13)は、上へ立った閉断面(14)と、下へ立った閉断面(15)とを含み、これらの断面は、連続して折り返されたセグメント(16)を持って形成され、該セグメント(segment)は、閉断面のうちの一つで二重折れ(double returned、全折れ)して、トリム端部(trim end)(17)が中央のウェブ部分(12)に当たって終了するようになっており、それが、この領域における断面の厚さを効果的に2倍にしている。これら、2倍の材料厚さのフランジ部分(13)は、スタンプされた構成部品の周囲全体をとりまいているが、車両本体アタッチメント(即ち、丸型のブッシング支持体(18)およびインラインのブッシング支持体(19)、およびボールジョイント(27))を助けるために特殊な形成を必要とする局所的な領域は除く。
【0018】
最終的なサスペンションコントロールアーム構造体(10)は、MIG(メタル・イナート・ガス、Metal Inert Gas)、TIG(タングステン・イナート・ガス、Tungsten Inert Gas)、アーク(Arc)もしくはレーザー溶接、または、同様の手段を使用して、該二重折れシートメタル断面(double returned sheet metal section)のトリム端部(17)を中央のウェブ部分(12)に不動に取り付けることによって完成される。記載した形成および取付け工程から生じる典型的な断面を、図9の横断面図に示す。溶接のすみ肉(fillet)(22)は、連続的または間欠的のいずれかで構成され、かつ、該二重折れシートメタル断面のトリム端部(17)を、中央のウェブ部分(12)に不動に取付けるように構成される。このようにして、非常に効果的なI形ビーム断面が形成され、フランジ部分(13)の厚さ(T1)が中央のウェブ部分(12)の厚さ(T2)の2倍となり、従って、図4に示した先行技術の断面よりも構造的に優れたものとなる。
【0019】
図10および11は、本発明の代替的な実施形態を示してり、該実施形態では、二重折れシートメタル断面のトリム端部(17)は、中央のウェブ部分(12)からわずかに離れて終了し、間隙(D1)を形成する。この間隙(D1)は、MIGまたは同様の溶接手段によって形成される3材料の溶接接合を容易するように構成される。結果として得られる溶接すみ肉(23)は、トリム端部(17)と、中央のウェブ部分(12)と、フランジ部分(13)の連続的に折り返されたセグメント(16)とを、いっしょにして、単一の構造的な接合部になるように不動(rigidly)に取付ける。このようにして、フランジ部分(13)の閉断面は、中央のウェブ部分(12)に対して非常に効果的に接続される。
【0020】
図5および7を参照すると、当該サスペンションコントロールアーム(10)は、ボールジョイント(27)を受け入れるのに適した、押出された(extruded)開口部(20)を有するように構成されている。この押出された開口部(20)は、シートメタルのスタンプされた構成部品(11)の中央のウェブ部分(12)に、パンチングで穴を開けて、その穴に押出し(extrusion)をプレス形成することによって形成される。当該サスペンションコントロールアーム(10)は、また、フランジ部分に少なくとも1つの途切れ部(discontinuity、連続のとぎれ)を有するように構成されており、車両本体アタッチメント(18)(19)がうまく助けられ得るようになっている。この途切れ部は、直立的に配向された丸形のブッシング支持体(18)を受け入れるように構成された複雑な形状であっても良いし、あるいは、インラインピン(19)を受け入れるように構成された単純な直線状の切断であっても良い。
【0021】
図12は、本発明の代替的な好ましい実施形態を示しており、該実施形態では、サスペンションコントロールアーム(10)の必要とされる平面図形状は、MIG、TIG、アークもしくはレーザーによる溶接または同様の手段を使用して、ブッシング支持構造体(30)を主アーム構成部品(31)に不動に取付けることによって形成される。該主アーム構成部品(31)は、先に記載したシートメタルのスタンプされた構成部品(11)と同様にして構成される。ブッシング支持構造体(30)は、開断面または閉断面のいずれかの単純な金属スタンピングとして構成され、かつ、丸形のブッシング支持体(18)を受け入れるように構成される。このようにして、車両のサスペンションの幾何学的形状の必要性によってしばしば必然的に要求される非常に複雑な平面図形状に対して、比較的単純な平面図形状ではあるが先に記載したシートメタルのスタンプされた構成部品(11)と同様にして構成される主アーム構成部品(31)を用いて対応することができ、それと同時に、先に記載した優れたI形ビーム断面の全ての利点が維持される。
【0022】
本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、示した構造の変形または改良が本発明の精神または範囲から離れることなく為され得ることは当業者に明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、シートメタル(sheet metal、板金)から形成される構造要素の製造プロセスに適用され、より詳細には、重量に対する高い剛性と、荷重配分比(weight ratios)に対する強度とを必要とするそれらの構成部品に適用される。本発明は、特に、自動車用サスペンションアームに適用される。
【背景技術】
【0002】
先行技術の説明
現代のほとんどの道路車両(road vehicles)は、路面の凹凸によって引き起こされるホイールの外乱から乗員室(passenger compartment)を隔離するために、何らかの形態のサスペンションシステムを利用している。これらのサスペンションシステムは通常、バネなどの何らかの形態のエネルギー蓄積手段と、バネの動作を制御するための減衰器などの装置と、ホイールの運動のキネマティクス(kinematics)を制御するためのリンク機構とを備えている。この構成部品の組合せは、車両のホイールがコントロールされた態様にて上方へ動いて道路の凹凸を越えていくことを可能とするように構成される。リンク機構の最も一般的な形態は四棒リンク(four-bar linkage)構造であり、該構造は、スピンドル組立体、車両本体、および、ピボット回転する2つの構造要素(通常、コントロールアームと呼ばれる)から構成される。
【0003】
図1は、一般的な先行技術の四棒リンク構造を示している。コントロールアーム(1)(2)は、車両本体(4)に対して、スピンドル組立体(3)の動作を位置付け、ガイドする。スピンドル組立体は、ホイール、タイヤ、ベアリング組立体、およびブレーキ組立体を担持し、これらは、車両のバネ下質量(unsprung mass、ばねした質量)(5)と総じて呼ばれる。このバネ下質量には、コントロールアームの重量部分も含まれる。路面からの外乱に対してバネ下質量を移動させるには相当なエネルギーが必要になるので、可能な限りこのサブ組立体の総重量を低減することが好ましい。加えて、車両のハンドリング特性はバネ下構成部品の制御された動作に直接左右されるので、コントロールアームは、それらに付与されるかなりの荷重に耐えるためのかなりの剛性および強度を有することが必須となる。
【0004】
従って、サスペンションコントロールアームは、荷重を受けた時に十分に機能するための強度と剛性とを有し、かつ、バネ下質量を低減するために軽量であることが重要である。重量を低減すると、通常、強度と剛性の両方が低下する。重量は低減されているが性能上の特性は同等であるという部品を設計するには、創意工夫が大いに必要である。サスペンションコントロールアーム(複数)に付与される作動荷重(複数)は個別であり、また良く理解されており、当該用途に必要とされる方向と位置に、選択的な剛性と強度とを提供する均一でない構造を開発することができるようになっている。車両用サスペンションコントロールアームは、スピンドルと本体取付け具との関係の構成に応じて、概しては、平面図において「A」形状または「L」形状のいずれかに構成される。いずれの場合も、主たる誘導荷重(induced load)は、「A」または「L」フォーメーションの面内にあり、そのため、高い面内剛性が要求される。これらの誘導荷重に耐えるための最も効果的な形状においては、「A」または「L」フォーメーションの縁部(エッジ)周辺に、大きく集中させた材料を位置させて、面内の断面二次モーメント(second moment of area)の値を最大化することが必要とされる。図2は、一般的な先行技術の「L」形状サスペンションコントロールアーム(8)を示しており、このサスペンションコントロールアーム(8)は、該構造の縁部の周りに材料を大きく集中させたものとなっており、鋳造製造プロセスによって容易に作られる。この構造は、一般の構造的な断面の慣例と合致しており、I形ビーム(I-beams)が曲げ荷重を支える最も効果的な方法であると考えられている。I形ビームの構成では、図心または中立軸から離れた断面の末端部に材料が集中する。図2Aは、典型的な先行技術のI形ビーム、すなわち、図2の鋳造「L」形状サスペンションコントロールアームの横断面図である。I形ビームの互いに反対側にある末端部はフランジ(6)と呼ばれ、一方、単独の中央の構成部分はウェブ(7)と呼ばれる。I形ビームの構造上の利点を十分に具現化するためには、ウェブよりも厚いフランジを有することが有益である。
【0005】
最適なコントロールアーム構造に求められていることが均一でない形状であることから、数多くの複雑な製造プロセスが使用されてきた。車両用コントロールアーム構造に関連する最も一般的な製造方法は、鋳造、鍛造、および、サブ組立体になっているプレス形成された金属スタンピング(press formed metal stamping)の溶接である。複雑な形状を伴うことが原因で、単純なプレス形成された金属スタンピングから、最適な車両用コントロールアームを製造することは非常に困難である。
【0006】
製造の際にプレス形成された金属スタンピングを利用する大部分のサスペンションコントロールアームは、閉じた箱の断面として構成される。図3は、2つのU形状にプレス形成した金属スタンピングから構成された、典型的なサスペンションコントロールアームの断面を示している。この種の構造断面は、面内の曲げ荷重への耐性について、I形ビームよりもはるかに効率が低く、また、必要とされる隅肉溶接接合を容易にするためには、材料のかなりのオーバラップ(重なり合い)を必要とする。この材料のオーバラップは、結局は構造的に余剰(redundant)になり、代替的な鋳造または鍛造構造よりも重量が大きい解決方法となる。
【0007】
Kusamaらに対して発行された米国特許第5,662,348号には、プレス形成部品のみから製造されるサスペンションアームが開示されている。Kusamaは、広範な異なる断面構造を請求(クレーム)しており、それらは全て、誘導荷重と適合する様式で車両用サスペンションコントロールアームを強固にすることを目的としている。しかしながら、Kusamaは、プレス形成技術を用いた真のI形ビーム断面を形成するための方法を教示していない。
【0008】
I形ビーム断面を使用することは、サスペンションアームの技術においては知られており、通常、図2および2Aに示すとおり、鋳造または鍛造技術を用いた製造を伴う。しかしながら、2つのカップ形状(cup-shaped)のプレス形成されたスタンピングを用いることも良く行われており、それらのスタンピングは、背面同士を合わせてプロジェクション溶接され、必要とされる平面図形状を有するI形ビーム断面が形成される。I形ビーム断面は、このようにして2つの比較的単純なスタンピングを組み合わせることによって形成されてきたが、フランジがウェブの半分の厚さであったため、構造性能が低くなっていた。図4は、2つのカップ形状のプレス形成されたスタンピングから構成された典型的な先行技術のI形ビームサスペンションコントロールアームの横断面図を示している。先行技術の製造プロセスが、フランジが1枚(single、単一)の材料の厚さのものでありながら、ウェブが2重(double)の材料の厚さのものである、ということを押し付けていることに留意するのも重要である。これは、最適な構造的構成ではない。
【0009】
Laymanに対して発行された米国特許第1,380,659号は、リンクおよびレバーなどに関し、より詳細には、シートメタルから形成された場合のそのような物品に関する。Laymanは、自動車用サスペンションコントロールアームについて言及しておらず、また、該発明の目的は該発明が関するようなリンクまたはレバーなどについて製造コストを安くすることであると明示的に述べている。自動車用サスペンションコントロールアームに付随する、誘導荷重の理解についての示唆はなく、また、図は一般的なリンクおよびレバーに関する。Laymanは、シートメタルから形成され得るであろう数多くの可能性のある横断面を示しているが、一つのみが、真のI形ビーム断面を表していると解釈され得るであろう。しかしながら、このI形ビーム断面は、自動車用サスペンションコントロールアームの文脈で示されておらず、また、必要とされる構成部品の個数、溶接などのシートメタルを繋げる何らかのジョイントまたは方法について示していない。この観点から、LaymanのI形ビーム断面は、実施可能な程度まで十分に記載されていない。最後に、LaymanのI形ビーム断面は、フランジとウェブとが同等の材料の厚さであることを示している。これは、最適な構造的構成ではない。
【0010】
Howellらの米国特許出願第US2005/0104315A1には、プレス形成(press formed)されたシートメタル構成部品を使用して構成された真のI形ビーム断面の車両用サスペンションアームが開示されている。Laymanとは異なり、Howellには、実現可能なI形ビーム自動車用コントロールアームを形成するために、スタンプされた金属構成部品を連結するための方法論が十分記載されている。しかしながら、HowellのI形ビーム断面は、フランジとウェブとが同等の材料の厚さであるという点で、Laymanと同様の制限を抱えている。加えて、Howellでは、真のI形ビーム断面を形成するために2つのスタンプされた構成部品が連結されることを必要としている。
【発明の概要】
【0011】
発明の要旨
従って、シートメタルプレス形成などの低コストの製造技術を使用して、比較的低質量を維持しながら、高い固有の剛性および強度を提供し得るサスペンションコントロールアームを開発することが有利であろう。自動車産業が必然的に要求するような大きな体積の用途のためには、シートメタルプレス形成が最もコスト効率の良い構造部品の製造方法であることは証明されてきた。現在生産されているほぼ全ての車両において、プレス形成技術(press-forming techniques)を使用して製造されたアルミニウムまたはスチール(鋼)のスタンピングのいずれかからほぼ全体が構成された本体構造および選択されたサブフレームが用いられている。それゆえ、本発明の目的は、車両用サスペンションコントロールアームの製造において金属プレス形成を用いることである。
【0012】
本発明の一つの実施形態では、車両用サスペンションコントロールアームを有する構造要素は、均一な厚さの材料から形成された、複雑な(complex)、シングルピースの、シートメタルのスタンプされた構成部品(sheet metal stamped component)から構成される。スタンピングは、妥当な平面図形状、すなわち「A」形状、「L」形状、または、当該用途のために適切な他の形状を有するように構成され、かつ、中央のウェブ部分と、2つのフランジ部分とを有するI形ビーム横断面(I-beam cross section)へと形成される。中央のウェブ部分は、単一の材料厚さとして構成され、かつ、フランジ部分は、上へ立った閉断面(upstanding closed section)と、下へ立った閉断面(downstanding closed section)とを有する。上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、均一な厚さのシートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、ウェブ部分の厚さの2倍となっている。該シートメタルの開端部(open end)は、中央のウェブ部分に当たって終了するように構成され、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段を用いてウェブ部分に溶接される。フランジ部分がウェブ部分の2倍の厚さであるため、最終的な組立体は、好ましい構造用I形ビーム断面を有する。
【0013】
従って、車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素は、均一な厚さの材料から形成されるシートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分を有し、前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、シートメタルの開端部は、中央のウェブ部分に当たって終了するように、および、不動に固定されるように構成されて、当該構造要素はI形ビーム断面で作ったものとなっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている。
【0014】
本発明のさらなる態様では、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品(sheet metal stamped component)は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または同様のシートメタル材料からプレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成されており、
c)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、
d)上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
e)シートメタルのトリム端部(trim ends)は、前記中央のウェブ部分に当たって終了するように構成され、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、前記中央のウェブ部分に不動に固定されるように構成されており、
f)前記フランジ部分に、少なくとも1つの途切れ部が導入され、それにより、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されている。
【0015】
本発明の一つの好ましい実施形態では、必要とされる平面図形状、すなわち「A」、「L」、または、当該用途のために適切な他の形状は、MIG、TIG、アーク(ARC)もしくはレーザー溶接、または、同様の手段を使用して、ブッシング支持構造体を主(メイン)アーム構成部品に不動に取付けることにより形成される。主アーム構成部品は、先に記載したシートメタルのスタンプされた構成部品と同様にして構成されるが、完全に分岐した構造よりも製造が容易な、より単純な平面図形状である。ブッシング支持構造体は、開(open)または閉(closed)のいずれかの断面の単純な金属スタンピングとして構成され、かつ、丸形のブッシング支持体を受け入れるように構成される。このようにして、車両のサスペンションの幾何学的形状の必要性によってしばしば必然的に要求される非常に複雑な平面図形状に対して、比較的単純な平面図形状のシートメタルのスタンプされた構成部品を用いて対応することができ、それと同時に、先に記載した優れたI形ビーム断面の全ての利点が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、一般的な四棒リンクの車両用サスペンションシステムの斜視図である。
【図2】図2は、典型的な鋳造の先行技術のサスペンションコントロールアームの斜視図である。
【図2A】図2Aは、図2の典型的な先行技術のサスペンションコントロールアームの断面図である。
【図3】図3は、典型的なスタンプされた先行技術のサスペンションコントロールアームの断面図である。
【図4】図4は、典型的なスタンプされた、I形ビーム断面の先行技術のサスペンションコントロールアームの断面図である。
【図5】図5は、本発明のサスペンションコントロールアームの斜視図である。
【図6】図6は、本発明のサスペンションコントロールアームの断面斜視図である。
【図7】図7は、本発明のサスペンションコントロールアームの分解斜視図である。
【図8】図8は、本発明のサスペンションコントロールアームの一つの好ましい実施形態の典型的な断面図である。
【図9】図9は、図8の本発明のサスペンションコントロールアームの該好ましい実施形態の典型的な断面図であり、溶接された接合部の詳細を含んでいる。
【図10】図10は、本発明のサスペンションコントロールアームの代替的な実施形態の断面図である。
【図11】図11は、図10の本発明のサスペンションコントロールアームの該代替的な実施形態の断面図であり、溶接された接合部の詳細を含んでいる。
【図12】図12は、本発明のサスペンションコントロールアームのさらなる代替的な実施形態の斜視図である。
【図12A】図12Aは、図12の本発明のサスペンションコントロールアームの該さらなる代替的な実施形態の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
図5、6、7および8を参照すると、車両用サスペンションコントロールアーム(10)が、複雑な(complex)単一ピースであるシートメタルのスタンプされた(sheet metal stamped)構成部品(11)と、丸形のブッシング支持体(18)と、インラインピン・ブッシング支持体(19)と、ボールジョイント(27)とから実質的に構成されている。シートメタルのスタンプされた構成部品(11)は、鋼、アルミニウムもしくは他の好適な金属(例、チタン、タングステンなど)または合金の、均一な厚さの平面状シートを、必要とされる平面図の形状(plan view shape)へとプレス形成することによって製造され、平面図の形状は、車両のサスペンションの幾何学的形状の必要性によって必然的に要求される形状である。付加的には、該スタンプされた構成部品は、プレス形成工程の間に、一枚の材料厚さのウェブ部分(12)を有し、かつ、中央のウェブ部分(12)の互いに反対側にある2つのフランジ部分(13)を有するように構成される。各フランジ部分(13)は、上へ立った閉断面(14)と、下へ立った閉断面(15)とを含み、これらの断面は、連続して折り返されたセグメント(16)を持って形成され、該セグメント(segment)は、閉断面のうちの一つで二重折れ(double returned、全折れ)して、トリム端部(trim end)(17)が中央のウェブ部分(12)に当たって終了するようになっており、それが、この領域における断面の厚さを効果的に2倍にしている。これら、2倍の材料厚さのフランジ部分(13)は、スタンプされた構成部品の周囲全体をとりまいているが、車両本体アタッチメント(即ち、丸型のブッシング支持体(18)およびインラインのブッシング支持体(19)、およびボールジョイント(27))を助けるために特殊な形成を必要とする局所的な領域は除く。
【0018】
最終的なサスペンションコントロールアーム構造体(10)は、MIG(メタル・イナート・ガス、Metal Inert Gas)、TIG(タングステン・イナート・ガス、Tungsten Inert Gas)、アーク(Arc)もしくはレーザー溶接、または、同様の手段を使用して、該二重折れシートメタル断面(double returned sheet metal section)のトリム端部(17)を中央のウェブ部分(12)に不動に取り付けることによって完成される。記載した形成および取付け工程から生じる典型的な断面を、図9の横断面図に示す。溶接のすみ肉(fillet)(22)は、連続的または間欠的のいずれかで構成され、かつ、該二重折れシートメタル断面のトリム端部(17)を、中央のウェブ部分(12)に不動に取付けるように構成される。このようにして、非常に効果的なI形ビーム断面が形成され、フランジ部分(13)の厚さ(T1)が中央のウェブ部分(12)の厚さ(T2)の2倍となり、従って、図4に示した先行技術の断面よりも構造的に優れたものとなる。
【0019】
図10および11は、本発明の代替的な実施形態を示してり、該実施形態では、二重折れシートメタル断面のトリム端部(17)は、中央のウェブ部分(12)からわずかに離れて終了し、間隙(D1)を形成する。この間隙(D1)は、MIGまたは同様の溶接手段によって形成される3材料の溶接接合を容易するように構成される。結果として得られる溶接すみ肉(23)は、トリム端部(17)と、中央のウェブ部分(12)と、フランジ部分(13)の連続的に折り返されたセグメント(16)とを、いっしょにして、単一の構造的な接合部になるように不動(rigidly)に取付ける。このようにして、フランジ部分(13)の閉断面は、中央のウェブ部分(12)に対して非常に効果的に接続される。
【0020】
図5および7を参照すると、当該サスペンションコントロールアーム(10)は、ボールジョイント(27)を受け入れるのに適した、押出された(extruded)開口部(20)を有するように構成されている。この押出された開口部(20)は、シートメタルのスタンプされた構成部品(11)の中央のウェブ部分(12)に、パンチングで穴を開けて、その穴に押出し(extrusion)をプレス形成することによって形成される。当該サスペンションコントロールアーム(10)は、また、フランジ部分に少なくとも1つの途切れ部(discontinuity、連続のとぎれ)を有するように構成されており、車両本体アタッチメント(18)(19)がうまく助けられ得るようになっている。この途切れ部は、直立的に配向された丸形のブッシング支持体(18)を受け入れるように構成された複雑な形状であっても良いし、あるいは、インラインピン(19)を受け入れるように構成された単純な直線状の切断であっても良い。
【0021】
図12は、本発明の代替的な好ましい実施形態を示しており、該実施形態では、サスペンションコントロールアーム(10)の必要とされる平面図形状は、MIG、TIG、アークもしくはレーザーによる溶接または同様の手段を使用して、ブッシング支持構造体(30)を主アーム構成部品(31)に不動に取付けることによって形成される。該主アーム構成部品(31)は、先に記載したシートメタルのスタンプされた構成部品(11)と同様にして構成される。ブッシング支持構造体(30)は、開断面または閉断面のいずれかの単純な金属スタンピングとして構成され、かつ、丸形のブッシング支持体(18)を受け入れるように構成される。このようにして、車両のサスペンションの幾何学的形状の必要性によってしばしば必然的に要求される非常に複雑な平面図形状に対して、比較的単純な平面図形状ではあるが先に記載したシートメタルのスタンプされた構成部品(11)と同様にして構成される主アーム構成部品(31)を用いて対応することができ、それと同時に、先に記載した優れたI形ビーム断面の全ての利点が維持される。
【0022】
本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、示した構造の変形または改良が本発明の精神または範囲から離れることなく為され得ることは当業者に明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素であって、
当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さの材料から形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、
c)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、
d)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分に当たって終了するように、および、不動に固定されるように構成されて、当該構造要素はI形ビーム断面で作ったものとなっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【請求項2】
シートメタルのスタンプされた構成部品が、シートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料から、プレス形成されたものである、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項3】
シートメタルのスタンプされた構成部品のトリム端部が、中央のウェブ部分に当たって終了し、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分に不動に固定されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項4】
シートメタルのスタンプされた構成部品のトリム端部が、中央のウェブ部分から少し離れて終了して間隙を形成し、かつ、該トリム端部が、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分と、連続的な二重折れしたセグメントとの両方に不動に固定されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項5】
シートメタルのスタンプされた構成部品が、中央のウェブ部分のうちの予め定められた位置に、押出された開口部を有するように構成され、それにより、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造が形成されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項6】
フランジ部分に、少なくとも1つの途切れ部が導入され、それにより、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項7】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素であって、
当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料から、プレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成されており、
c)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、かつ、少なくとも1つの途切れ部を有して、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されており、
d)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分に当たって終了し、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分に不動に固定されて、当該構造要素はI形ビーム断面となっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【請求項8】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素であって、
当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料からプレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成され;
c)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、かつ、少なくとも1つの途切れ部を有して、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造を形成しており、
d)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分から少し離れて終了して間隙を形成し、かつ、該トリム端部は、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分と、連続的な二重折れしたセグメントとの両方に不動に固定されて、当該構造要素はI形ビーム断面で作ったものとなっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【請求項9】
ブッシング支持構造体が、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、シートメタルのスタンプされた構成部品に不動に取付けられるように構成され、かつ、該ブッシング支持構造体が、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるように構成されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項10】
シートメタルのスタンプされた構成部品およびブッシング支持構造体が、シートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料から、プレス形成されたものである、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項11】
シートメタルのスタンプされた構成部品のトリム端部が、中央のウェブ部分に当たって終了し、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分に不動に固定されている、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項12】
シートメタルのスタンプされた構成部品のトリム端部が、中央のウェブ部分から少し離れて終了して間隙を形成し、かつ、該トリム端部が、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分と、連続的な二重折れしたセグメントとの両方に不動に固定されている、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項13】
シートメタルのスタンプされた構成部品が、中央のウェブ部分のうちの予め定められた位置に、押出された開口部を有するように構成され、それにより、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造が形成されている、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項14】
フランジ部分に、少なくとも1つの途切れ部が導入され、それにより、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されている、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項15】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素であって、
当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料からプレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)ブッシング支持構造体を有し、該ブッシング支持構造体は、前記シートメタルのスタンプされた構成部品と同様の材料からプレス形成され、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、前記シートメタルのスタンプされた構成部品に不動に取付けられるように構成されており、
c)前記ブッシング支持構造体は、単純な開断面または閉断面として構成され、かつ、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるように構成されており、
d)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成されており、
e)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、かつ、少なくとも1つの途切れ部を有して、さらなる車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されており、
f)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分に当たって終了し、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分に不動に固定されて、当該構造要素はI形ビーム断面となっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【請求項16】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成される構造要素であって、当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料からプレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分を有し、
b)ブッシング支持構造体を有し、該ブッシング支持構造体は、前記シートメタルのスタンプされた構成部品と同様の材料からプレス形成され、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、前記シートメタルのスタンプされた構成部品に不動に取付けられるように構成されており、
c)前記ブッシング支持構造体は、単純な開断面または閉断面として構成され、かつ、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるように構成されており、
d)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成されており、
e)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、かつ、少なくとも1つの途切れ部を有して、さらなる車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されており、
f)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分から少し離れて終了して間隙を形成し、かつ、該トリム端部は、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分と、連続的な二重折れしたセグメントとの両方に不動に固定されて、当該構造要素はI形ビーム断面で作ったものとなっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【請求項1】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素であって、
当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さの材料から形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、
c)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、
d)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分に当たって終了するように、および、不動に固定されるように構成されて、当該構造要素はI形ビーム断面で作ったものとなっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【請求項2】
シートメタルのスタンプされた構成部品が、シートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料から、プレス形成されたものである、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項3】
シートメタルのスタンプされた構成部品のトリム端部が、中央のウェブ部分に当たって終了し、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分に不動に固定されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項4】
シートメタルのスタンプされた構成部品のトリム端部が、中央のウェブ部分から少し離れて終了して間隙を形成し、かつ、該トリム端部が、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分と、連続的な二重折れしたセグメントとの両方に不動に固定されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項5】
シートメタルのスタンプされた構成部品が、中央のウェブ部分のうちの予め定められた位置に、押出された開口部を有するように構成され、それにより、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造が形成されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項6】
フランジ部分に、少なくとも1つの途切れ部が導入され、それにより、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項7】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素であって、
当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料から、プレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成されており、
c)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、かつ、少なくとも1つの途切れ部を有して、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されており、
d)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分に当たって終了し、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分に不動に固定されて、当該構造要素はI形ビーム断面となっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【請求項8】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素であって、
当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料からプレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成され;
c)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、かつ、少なくとも1つの途切れ部を有して、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造を形成しており、
d)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分から少し離れて終了して間隙を形成し、かつ、該トリム端部は、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分と、連続的な二重折れしたセグメントとの両方に不動に固定されて、当該構造要素はI形ビーム断面で作ったものとなっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【請求項9】
ブッシング支持構造体が、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、シートメタルのスタンプされた構成部品に不動に取付けられるように構成され、かつ、該ブッシング支持構造体が、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるように構成されている、請求項1記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項10】
シートメタルのスタンプされた構成部品およびブッシング支持構造体が、シートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料から、プレス形成されたものである、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項11】
シートメタルのスタンプされた構成部品のトリム端部が、中央のウェブ部分に当たって終了し、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分に不動に固定されている、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項12】
シートメタルのスタンプされた構成部品のトリム端部が、中央のウェブ部分から少し離れて終了して間隙を形成し、かつ、該トリム端部が、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分と、連続的な二重折れしたセグメントとの両方に不動に固定されている、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項13】
シートメタルのスタンプされた構成部品が、中央のウェブ部分のうちの予め定められた位置に、押出された開口部を有するように構成され、それにより、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造が形成されている、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項14】
フランジ部分に、少なくとも1つの途切れ部が導入され、それにより、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されている、請求項9記載の車両用サスペンションアームを有する構造要素。
【請求項15】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成された構造要素であって、
当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料からプレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分とを有し、
b)ブッシング支持構造体を有し、該ブッシング支持構造体は、前記シートメタルのスタンプされた構成部品と同様の材料からプレス形成され、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、前記シートメタルのスタンプされた構成部品に不動に取付けられるように構成されており、
c)前記ブッシング支持構造体は、単純な開断面または閉断面として構成され、かつ、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるように構成されており、
d)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成されており、
e)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、かつ、少なくとも1つの途切れ部を有して、さらなる車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されており、
f)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分に当たって終了し、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分に不動に固定されて、当該構造要素はI形ビーム断面となっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【請求項16】
車両用サスペンションアームを有し、シートメタルから形成される構造要素であって、当該構造要素は、
a)シートメタルのスタンプされた構成部品を有し、該構成部品は、均一な厚さのシートアルミニウム、シート鋼、または、同様のシートメタル材料からプレス形成され、中央のウェブ部分と、前記中央のウェブ部分のうちの互いに反対の側にある2つのフランジ部分を有し、
b)ブッシング支持構造体を有し、該ブッシング支持構造体は、前記シートメタルのスタンプされた構成部品と同様の材料からプレス形成され、かつ、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、前記シートメタルのスタンプされた構成部品に不動に取付けられるように構成されており、
c)前記ブッシング支持構造体は、単純な開断面または閉断面として構成され、かつ、車両本体アタッチメントの細部を受け入れるように構成されており、
d)前記中央のウェブ部分は、一枚の材料厚さであるように構成され、かつ、予め定められた位置に、押出された開口部を有し、該開口部は、スピンドル組立体のボールジョイントを受け入れるために適した構造を形成するように構成されており、
e)前記フランジ部分は、上へ立った閉断面と、下へ立った閉断面とを有し、かつ、少なくとも1つの途切れ部を有して、さらなる車両本体アタッチメントの細部を受け入れるために適した構造が形成されており、
f)前記の上へ立った閉断面と下へ立った閉断面は、シートメタルの連続的な二重折れしたセグメントを有するように構成され、それにより、各フランジ部分の厚さは、前記中央のウェブ部分の厚さの2倍となっており、
シートメタルのトリム端部は、中央のウェブ部分から少し離れて終了して間隙を形成し、かつ、該トリム端部は、MIG、TIG、アークもしくはレーザー溶接、または、同様の手段によって、該中央のウェブ部分と、連続的な二重折れしたセグメントとの両方に不動に固定されて、当該構造要素はI形ビーム断面で作ったものとなっており、それにより、各フランジ部分の厚さが、中央のウェブ部分の厚さの2倍となっている、
前記構造要素。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【公表番号】特表2012−509800(P2012−509800A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533404(P2010−533404)
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/CA2008/002065
【国際公開番号】WO2009/065228
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(597005820)マルティマティック インコーポレイティッド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/CA2008/002065
【国際公開番号】WO2009/065228
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(597005820)マルティマティック インコーポレイティッド (6)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]