説明

樹脂成型品

【課題】 アンアダーカットを有する成形品を無理抜きしても、その成形品の弾性率によって割れや白化の度合いが異なり、欠陥が生じていた。ポリカーボネート樹脂は無理抜きして離間できても、アクリロニトリル・エチレン樹脂は割れてしまうと言った問題が発生していた。成形樹脂の弾性率と相対して無理抜きのアンアダーカット量が異なり、成形樹脂と成形品との相関関係に影響するが、そのことが把握されておらず、現状では、量産金型を製作し生産が開始された後に、成形品のめくれや白化などの、欠陥が生じ、連続成形ができないと言った問題が発生していた。
【解決手段】 軸筒の内面に凸部を形成し、その凸部が金型装置のコアピンによって成形される樹脂成型品であって、前記コアピンは軸筒に対して直線状に引き抜かれると共に、前記軸筒の曲げ弾性率が1900MPa〜3600MPaであり、かつ、前記凸部の伸び率が105%以下である樹脂成型品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸筒の内面に凸部を形成し、その凸部が金型装置のコアピンによって成形される樹脂成型品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、金型によって成形された合成樹脂製の筆記具の軸筒や先金、キャップなどの構成部材に一体的に成形された雌ねじ部を、金型のコアピンを回転させることで、離間させ成形することが知られている。しかしながら、この成形方法は、金型がギャードモータまたは、サーブモータなどと連動する歯車や、その歯車と連結される軸体を軸受けベアリングなどで構成するため構造が複雑になると共に、成形時にはコアピンの回転速度と、型開速度を同調させ、金型から成形品を離間させるためるため、成形サイクルが長くなっていたことから、金型製作及び成形コストの高いものと成っている。
【0003】
また、金型のコアピンを回転させず成形品の雌ねじ部を離間する方法として、コアピンを同一方向からの2重構造とし、中側コアピンを先に抜きことで、外側のコアピンを内側に撓ませ、雌ねじ部を容易に離間させる方法も知られている。
さらに、実開平5−76721では、前記先行技術を固定側と可動側にコアピンを分割し、金型が型開することで、雄コアが先抜きされた後、雌コアに形成された成形品がアンダーカットから離脱する方法がある。
【0004】
しかりながら、前記構造の雄コアは、スリーブ状を成しており、更に、スリット部を形成することで、成形品の剛性よりも弱い弾性力で内側に撓ませている。しかし、こうした弱い弾性部材では、雄コアが挿入された際、多少の位置ずれによって外径側に変形し膨らみ易いと言った欠点もある。また、雄ネジと雌ネジの合わせ精度が要求され、更に、雄コアのリブ状部で形成される成形品の雌ネジ部は、連続した螺合形状が形成できない。更に、アンダーカット1にスリット3が形成されているため、そのアンダーカット1とスリット3で形成する稜線は、ネジ山の傾斜面と前記稜線を具備したアンダーカット1となるため鋭角となってしまい、離間時に成形品に傷を付けると言った問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−76721
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、アンアダーカットを有する成形品に対して、コアピンを無理に引き抜いてしまう考案がなされた。しかし、アンアダーカットを有する成形品を無理抜きしても、その成形品の弾性率によって割れや白化の度合いが異なり、欠陥が生じていた。例えば、ポリカーボネート樹脂は無理抜きして離間できても、アクリロニトリル・エチレン樹脂は割れてしまうと言った問題が発生していた。成形樹脂の弾性率と相対して無理抜きのアンアダーカット量が異なり、成形樹脂と成形品との相関関係に影響するが、そのことが把握されておらず、現状では、量産金型を製作し生産が開始された後に、成形品のめくれや白化などの、欠陥が生じ、連続成形ができないと言った問題が発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、軸筒の内面に凸部を形成し、その凸部が金型装置のコアピンによって成形される樹脂成型品であって、前記コアピンは軸筒に対して直線状に引き抜かれると共に、前記軸筒の曲げ弾性率が1900MPa〜3600MPaであり、かつ、前記凸部の伸び率が105%以下であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、軸筒の内面に凸部を形成し、その凸部が金型装置のコアピンによって成形される樹脂成型品であって、前記コアピンは軸筒に対して直線状に引き抜かれると共に、前記軸筒の曲げ弾性率が1900MPa〜3600MPaであり、かつ、前記凸部の伸び率が105%以下としたので、単純構造で且つ安価で耐久性に優れた金型で、雌ねじを有した成形品を無理抜きで外観及び寸法を損ねることなく成形できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】成形品(製品)断面図。
【図2】図1の成形品を成形する金型装置の概略図。
【図3】無理抜き試験片(成形品)を成形する金型装置の概略図。
【図4】無理抜き試験片(成形品)の仕様展開断面図。
【図5】図4の要部拡大図。
【図6】図4の要部拡大図。
【図7】コアピンの交換工程を示す金型装置の概略図。
【図8】コアピンの交換工程を示す金型装置の概略図。
【図9】割型の交換工程を示す金型装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態は、図を参照しながら説明する。図1と図2は、本発明が対象としている樹脂射出成形品(成形品)1と、その樹脂射出成形品1を成形する金型装置2である。この金型装置2は、成形品1の内形を形成するためのコアピン6が挿着されている。前記成形品1の軸筒部3の内側には、雌ねじ部4が形成されており、その雌ねじ4に相対したアンダーカット形状5が前記コアピン6に形成されている。
本実施例では、その軸筒部3の内側には、雌ねじ部4が形成され、この雌ねじ4に相対したアンダーカット形状5をコアピン6に形成したが、例えば、キャップと軸本体とを着脱自在に連結するときの、全周状または、間欠的なリブを形成しても良く、その全周状または、間欠的なリブを形成すためのアンダーカットをコアピン6に形成しても良い。
コアピン6に密着している成形品1は、コアピンストリッパーブッシュ7、或いは、スリーブピンで離間し無理抜きされる。
本実施例では、コアピン6が可動側8に形成されているが、コアピンを固定側9に形成しストリッパブッシュも固定側9に形成しても良い。
また、本実施例では、成形品1の軸筒外径10を割型11で形成しているが、固定側に一体のブッシュとして形成しても良い。
【0011】
本実施例では、簡易金型試作装置12を製作し、試験片13(成形品)の軸筒である外径部14を割型15で形成し、その内面16に雌ねじ17を形成し、その雌ねじ17と相対するアンダーカット(雄ねじ)18をコアピン19に形成した。更に、そのコアピン19の外周20と当接するようにストリッパブッシュ21を形成し、固定側22に固定側ピン23を形成した。
前記割型15の内面と、固定側ピン23とコアピン19とストリッパブッシュ成形品側端面24で構成され得られた空間に成形樹脂25を充填し、無理抜き試験片13(成形品)を成形した。
試験片13は、全長50ミリ、肉厚1ミリ、雌ねじの有効長を8ミリ、ピッチ1.8ミリ、ねじ山の無理抜き角度を33°とし、内径寸法26を直径8ミリ・直径9ミリ・直径10ミリとし、外径寸法27も肉厚が1ミリとなるよう、内径寸法26に相対し直径10・直径11・直径12とした。
また、雌ねじのねじ山高さ28を0.025ミリから0.025ミリごとに0.30ミリまで変位させた試験片13(成形品)とし、この試験片13の内面16と相対するようにコアピン19にアンダーカット(雄ねじ)18を変位させて形成し、成形実験を実施した。
成形後、コアピン19から試験片13(成形品)を無理抜きし、無理抜き時の成形樹脂25の弾性率と、コアピン19のアンダーカット量(雄ねじ山高さ)と変形量29と膨出量と外観状態30の関係性から無理抜き可能な伸び率を測定した。
尚、成形された試験片13の雌ねじのねじ山高さ28は、コアピン19のアンダーカット量と同等となる。
膨出量は、試験片13の内周における直径であり、コアピン19のアンダーカット量(雄ねじ山高さ)の2倍となる。
更に、実験方法について説明する。コアピン19を簡易金型試作装置12に挿入し、遊嵌係着させるため、コアピン19の下端部にはDカット31を有するコアピンプレートとの係合部32が形成されている。そのDカット31のカット面と円周で接するアンアダーカット溝33を軸径周方向に形成した。
簡易金型試作装置12のコアピンプレート34には、前記コアピン19のアンアダーカット溝33と係合する係合凸部35が形成されているが、その係合凸部35はコアピン19のDカット31と相対する位置に形成されている。
前記コアピン19をコアピンのDカット31に沿ってコアピンプレート34に挿入し、挿入規制がなされた時点でコアピン19を90°以上回転させる。この動作によって、コアピン19のアンダーカット溝33がコアピンプレート係合凸部35に係合されることになり、コアピン19が簡易金型試作装置12に確実に固定されることになる。
また、コアピン19を離脱させる場合は、コアピン19のDカット31と、コアピンプレート34の係合凸部35が同位置になるようコアピン19を回転させる。即ち、コアピン19のアンアダーカット溝33がコアピンプレート34の係合凸部35と、互いが干渉しない位置にすることで固定が解除される。
この様に、本実験装置においては、成形機に簡易金型試作装置12を取り付けたままの状態で、コアピン19を自在に交換できる様、ワンタッチ脱着方式とした。
更に、簡易金型試作装置12の割型スライドブロック36には、割型15が割型ロックボルト37で脱着自在に固定されている。割型15を着脱自在にすることによって、成形機に簡易金型試作装置12を取り付けたままの状態で、その割型15を容易に交換できるようにしている。
【0012】
前記簡易金型試作装置12で前記試験片13を成形し実験を実施した。
尚、下記の膨出量とは、コアピン19に形成されたアンアダーカット(雌ねじ部)18を試験片(成形品)13から離間する瞬間に外側方向に膨らむ量である。変形量とは、試験片13が完全にコアピン19から離脱し、60分後における試験片(成形品)13の内径寸法29(膨出後)と膨出する前の内径寸法26との差である。変形のない状態では変形量が0.00ミリになっている。伸び率とは、試験片13の内径に対する前記膨出量を比率で表したものである。
尚、前記膨出する前の内径寸法26とは、試験片13の内面16を形成するコアピン19のアンダーカット18を形成しないで試験片13を成形し、60分後に測定した内径寸法である。
【0013】
実施例1
曲げ弾性率2300MPaである、ユーピロンH3000R・三菱エンジニアリングプラスチック(株)製のポリカーボネート樹脂(PC樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.63%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を 0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.25%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を 0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.88%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を 0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで伸び率が102.50%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
5)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を 0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリで伸び率が103.13%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
6)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さを)0.15ミリとした。膨出量が0.3ミリで伸び率が103.75%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
7)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.175ミリとした。膨出量が0.35ミリで伸び率が104.38%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
8)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さを)0.2ミリとした。膨出量が0.4ミリで伸び率が105.00%、変形量が0.02ミリの実験結果が得られた。
実施例2
曲げ弾性率2300MPaである、ユーピロンH3000R・三菱エンジニアリングプラスチック(株)製のポリカーボネート樹脂(PC樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.56%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が1.11%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.67%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで伸び率が102.22%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
5)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリで伸び率が102.78%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
6)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さを)0.15ミリとした。膨出量が0.3ミリ・で伸び率が103.33%、で変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
7)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.175ミリとした。膨出量が0.35ミリで伸び率が103.89%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
8)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.2ミリとした。膨出量が0.4ミリ・で伸び率が104.44%、変形量が0.02ミリの実験結果が得られた。
9)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.225ミリ膨出量が0.45ミリで伸び率が105.00%、変形量が0.02ミリの実験結果が得られた。
【0014】
実施例3
曲げ弾性率2300MPaである、ユーピロンH3000R・三菱エンジニアリングプラスチック(株)製のポリカーボネート樹脂(PC樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.50%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリ・で伸び率が1.00%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.50%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで伸び率が102.00%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
5)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリで伸び率が102.50%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
6)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.15ミリとした。膨出量が0.3ミリで伸び率が103.00%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
7)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.175ミリとした。膨出量が0.35ミリで伸び率が103.50%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
8)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.2ミリとした。膨出量が0.4ミリ・で伸び率が104.00%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
9)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.225ミリとした。膨出量が0.45ミリで伸び率が104.50%、変形量が0.02ミリの実験結果が得られた。
10)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.25ミリとした。膨出量が0.5ミリで伸び率が105.00%、変形量が0.02ミリの実験結果が得られた。
【0015】
実施例4
曲げ弾性率1900MPaである、アクリペットIRD50・三菱レイヨン(株)製のポリメタクリル酸メチル樹脂(メタクリル樹脂・アクリル樹脂)(PMMA樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリでは伸び率が100.63%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.25%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.88%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで伸び率が102.50%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
5)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリで伸び率が103.13%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
6)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.15ミリとした。膨出量が0.3ミリで伸び率が103.75%、変形量が0.02ミリの実験結果が得られた。
7)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.175ミリとした。膨出量が0.35ミリで伸び率が104.38%、変形量が0.02ミリの実験結果が得られた。
【0016】
実施例5
曲げ弾性率1900MPaである、アクリペットIRD50・三菱レイヨン(株)製のポリメタクリル酸メチル樹脂(メタクリル樹脂・アクリル樹脂)(PMMA樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.56%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.11%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.67%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで伸び率が102.22%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
5)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリでは伸び率が102.78%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
6)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.15ミリとした。膨出量が0.3ミリで伸び率が103.33%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
7)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.175ミリとした。膨出量が0.35ミリで伸び率が103.89%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
【0017】
実施例6
曲げ弾性率1900MPaである、アクリペットIRD50・三菱レイヨン(株)製のポリメタクリル酸メチル樹脂(メタクリル樹脂・アクリル樹脂)(PMMA樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.50%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.00%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.50%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで伸び率が102.00%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
5)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリで伸び率が102.50%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
6)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.15ミリとした。膨出量が0.3ミリで伸び率が103.00%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
7)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.175ミリとした。膨出量が0.35ミリで伸び率が103.50%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
【0018】
実施例7
曲げ弾性率2700MPaである、セビアンV510SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.63%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.25%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.88%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで伸び率が102.50%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
5)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリで伸び率が103.13%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
【0019】
実施例8
曲げ弾性率2700MPaである、セビアンV510SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.56%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.11%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.67%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。 膨出量が0.2ミリで伸び率が102.22%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
5)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。 膨出量が0.25ミリで伸び率が102.78%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
【0020】
実施例9
曲げ弾性率2700MPaである、セビアンV510SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.50%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.00%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.50%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで伸び率が102.00%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
5)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリで伸び率が102.50%、変形量が0.02ミリの実験結果が得られた。
6)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.15ミリとした。膨出量が0.3ミリで伸び率が103.00%、変形量が0.02ミリの実験結果が得られた。
【0021】
実施例10
曲げ弾性率3600MPaである、セビアンN050SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・スチレン樹脂またはSAN(AS樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.63%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.25%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
【0022】
実施例11
曲げ弾性率3600MPaである、セビアンN050SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・スチレン樹脂またはSAN(AS樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリ膨出量が0.05ミリで伸び率が100.56%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.11%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.67%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
【0023】
実施例12
曲げ弾性率3600MPaである、セビアンN050SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・スチレン樹脂またはSAN(AS樹脂)での無理抜き実験を行った。
尚、上記に条件に加え、コアピンのアンダーカット量を以下のように変化させた。
1)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.025ミリとした。膨出量が0.05ミリで伸び率が100.50%、変形量が0.00ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.05ミリとした。膨出量が0.1ミリで伸び率が101.00%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで伸び率が101.50%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで伸び率が102.00%、変形量が0.01ミリの実験結果が得られた。
【0024】
比較例1
曲げ弾性率2300MPaである、ユーピロンH3000R・三菱エンジニアリングプラスチック(株)製のポリカーボネート樹脂(PC樹脂)での無理抜き実験を行った。
1)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.225ミリとした。膨出量が0.45ミリで伸び率が105.63%、変形量が0.05ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.25ミリとした。膨出量が0.50ミリで伸び率が106.25%、変形量が0.07ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.275ミリとした。膨出量が0.55ミリで伸び率が106.88%、変形量が0.08ミリの実験結果が得られた。
4)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.30ミリとした。膨出量が0.60ミリで伸び率が107.50%、変形量が0.09ミリの実験結果が得られた。
【0025】
比較例2
曲げ弾性率2300MPaである、ユーピロンH3000R・三菱エンジニアリングプラスチック(株)製のポリカーボネート樹脂(PC樹脂)での無理抜き実験を行った。
1)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.25ミリとした。膨出量が0.5ミリで伸び率が105.56%、変形量が0.05ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.275ミリとした。膨出量が0.55ミリで伸び率が106.11%、変形量が0.07ミリの実験結果が得られた。
3)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.30ミリとした。膨出量が0.60ミリで伸び率が106.67%、変形量が0.08ミリの実験結果が得られた。
【0026】
比較例3
曲げ弾性率2300MPaである、ユーピロンH3000R・三菱エンジニアリングプラスチック(株)製のポリカーボネート樹脂(PC樹脂)での無理抜き実験を行った。
1)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.275ミリとした。膨出量が0.55ミリで伸び率が105.50%、変形量が0.05ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.3ミリとした。膨出量が0.60ミリで伸び率が106.00%、変形量が0.07ミリの実験結果が得られた。
【0027】
比較例4
曲げ弾性率1900MPaである、アクリペットIRD50・三菱レイヨン(株)製のポリメタクリル酸メチル樹脂(メタクリル樹脂・アクリル樹脂)(PMMA樹脂)での無理抜き実験を行った。
1)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.2ミリとした。膨出量が0.4ミリで伸び率が105.00%、変形量が0.04ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.225ミリとした。 膨出量が0.45ミリで伸び率が105.63%、変形量が0.08ミリの実験結果が得られた。
【0028】
比較例5
曲げ弾性率1900MPaである、アクリペットIRD50・三菱レイヨン(株)製のポリメタクリル酸メチル樹脂(メタクリル樹脂・アクリル樹脂)(PMMA樹脂)での無理抜き実験を行った。
1)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.2ミリとした。膨出量が0.4ミリで伸び率が104.44%、変形量が0.03ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.225ミリとした。膨出量が0.45ミリで伸び率が105.00%、変形量が0.07ミリの実験結果が得られた。
【0029】
比較例6
曲げ弾性率1900MPaである、アクリペットIRD50・三菱レイヨン(株)製のポリメタクリル酸メチル樹脂(メタクリル樹脂・アクリル樹脂)(PMMA樹脂)での無理抜き実験を行った。
1)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.2ミリとした。膨出量が0.4ミリで伸び率が104.00%、変形量が0.03ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.225ミリとした。膨出量が0.45ミリで伸び率が104.50%、変形量が0.07ミリの実験結果が得られた。
【0030】
比較例7
曲げ弾性率2700MPaである、セビアンV510SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)での無理抜き実験を行った。
1)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.15ミリとした。膨出量が0.3ミリで伸び率が103.75%、変形量が0.08ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.175ミリとした。膨出量が0.35ミリで伸び率が103.48%、変形量が0.13ミリの実験結果が得られた。
【0031】
比較例8
曲げ弾性率2700MPaである、セビアンV510SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)での無理抜き実験を行った。
1)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.15ミリとした。膨出量が0.3ミリで伸び率が103.33%、変形量が0.07ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.175ミリとした。膨出量が0.35ミリで伸び率が103.89%、変形量が0.12ミリの実験結果が得られた。
【0032】
比較例9
曲げ弾性率2700MPaである、セビアンV510SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)での無理抜き実験を行った。
1)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.175ミリとした。膨出量が0.35ミリで伸び率が103.50%、変形量が0.06ミリの実験結果が得られた。
2)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.20ミリとした。膨出量が0.40ミリで伸び率が104.00%、変形量が0.11ミリの実験結果が得られた。
【0033】
比較例10
曲げ弾性率3600MPaである、セビアンN050SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・スチレン樹脂またはSAN(AS樹脂)での無理抜き実験結果を示す。
1)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.075ミリとした。膨出量が0.15ミリで割れて測定不能となった実験結果を得た。
2)試験片の内径が8ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.20ミリで割れて測定不能となった実験結果を得た。
【0034】
比較例11
曲げ弾性率3600MPaである、セビアンN050SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・スチレン樹脂またはSAN(AS樹脂)での無理抜き実験結果を示す。
1)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.10ミリとした。膨出量が0.2ミリで割れて測定不能となった実験結果を得た。
2)試験片の内径が9ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリで割れて測定不能となった実験結果を得た。
【0035】
比較例12
曲げ弾性率3600MPaである、セビアンN050SF・ダイセルポリマー(株)製のアクリロニトリル・スチレン樹脂またはSAN(AS樹脂)での無理抜き実験結果を示す。
1)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.125ミリとした。膨出量が0.25ミリで割れて測定不能となった実験結果を得た。
2)試験片の内径が10ミリで、そのコアピンアンダーカット量(試験片雌ねじ山高さ)を0.15ミリとした。膨出量が0.30ミリで割れて測定不能となった実験結果を得た。
【0036】
前記実験結果を表1〜表2にまとめた。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
前記実験結果から、曲げ弾性率2300MPaであるPC樹脂(ポリカ)において、以下のことが判った。
1)内径が8ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が105.0%以下である。
2)内径が9ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が105.0%以下である。
3)内径が10ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が105.0%以下である。
【0041】
曲げ弾性率1900MPaであるPMMA樹脂(アクリル)において、以下のことが判った。
1)内径が8ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が104.4%以下である。
2)内径が9ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が103.9%以下である。
3)内径が10ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が103.5%以下である。
【0042】
曲げ弾性率2700MPaであるABS樹脂において、以下のことが判った。
1)内径が8ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が103.1%以下である。
2)内径が9ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が102.8%以下である。
3)内径が10ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が103.0%以下である。
【0043】
曲げ弾性率3600MPaである、AS樹脂において、以下のことが判った。
1)内径が8ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が101.3%以下である。
2)内径が9ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が101.7%以下である。
3)内径が10ミリの肉厚1ミリの雌ねじを形成した成形品に対する無理抜きできる膨出量の限界は、伸び率が102%以下である。
【0044】
したがって、伸び率の1/2以下になるよう成形品の雌ねじのねじ山の高さを設定し、この雌ねじと相対するアンアダーカットをコアピンに形成したことで、単純構造で安価であり耐久性優れた、雌ねじ部の白化やめくれや割れのない成形品が成形できる金型装置とした。
【産業上の利用可能性】
【0045】
軸筒状の製品の雌ねじを成形する場合、ねじコアピンを回転することで、金型としての耐久性や加工精度が要求され、金型の構造が複雑になることから、製作コストと納期が掛かっていた。また、更に、ねじコアピンは回転しても成形品は回転しないように回り止めが必要であり、その回り止めも離間ストロークと同調させながら作用させる高度な技術的要素を含んでいた。ともすると、ねじコアピンを回転すると同時に、成形品が同調し回転してしまい、ねじ抜けないと言った不具合もあった。
また、ねじコアピンを2重構造とし、中側コアピンと外側コアピンで形成し、中コアピンを先抜きすることで、外コアピンを内側に弾性変形させることで、ねじコアピンを回転することなく、成形を離間する方法は公知である。しかし、この方法においても、特に外コアピンと中コアピンの加工合わせ精度が必要となる。また、成形品の形状が小さくなるに伴い、外コアピンの剛性や耐久性に問題が発生する。ややもすると、外コアピンが外径側に反り返ってしまう懸念があった。そこで、本実施例は、そうした問題点を成形樹脂と成形品形状との相関関係を探ることで、雌ねじの無理抜きを単純な金型構造でも成形できる。
【符号の説明】
【0046】
1 樹脂射出成形品(成形品)
2 金型装置
3 軸筒部
4 雌ねじ部
5 アンダーカット形状
6 コアピン
7 コアピンストリッパーブッシュ
8 可動側
9 固定側
10 軸筒外径
11 割型
12 簡易金型試作装置
13 試験片
14 外径部
15 割型
16 内面
17 雌ねじ
18 アンダーカット(雄ねじ)
19 コアピン
20 外周
21 ストリッパブッシュ
22 固定側
23 固定側ピン
24 ストリッパブッシュ成形品側端面
25 成形樹脂
26 内径寸法
27 外径寸法
28 雌ねじのねじ山高さ
29 内径寸法
30 外観状態
31 Dカット
32 つば部
33 アンアダーカット溝
34 コアピンプレート
35 系合凸部
36 割型スライドブロック
37 割型ロックボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒の内面に凸部を形成し、その凸部が金型装置のコアピンによって成形される樹脂成型品であって、前記コアピンは軸筒に対して直線状に引き抜かれると共に、前記軸筒の曲げ弾性率が1900MPa〜3600MPaであり、かつ、前記凸部の伸び率が105%以下である樹脂成型品。
【請求項2】
前記軸筒の内面に形成される凸部を螺旋状に形成した請求項1記載の樹脂成型品。
【請求項3】
前記軸筒の内面に形成される凸部を部分的に形成した請求項1、或いは、請求項2に記載の樹脂成型品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−201651(P2010−201651A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47262(P2009−47262)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】