説明

樹脂成形品の仕上げ加工方法、及び、樹脂成形品の仕上げ加工装置

【課題】樹脂成形品の取出しから仕上げ加工までを自動化することにより、仕上げ加工における位置決め工程を削減し、コストを低減させ、省スペースによる加工を可能とする、樹脂成形品の仕上げ加工方法、及び、樹脂成形品の仕上げ加工装置を提案する。
【解決手段】取出しロボット11と、搬送装置13と、の間に、仕上げ加工ユニット12が配設され、該仕上げ加工ユニット12は、前記取出しロボット11から樹脂成形品Wが位置決め状態で移載され、該樹脂成形品Wを前記搬送装置13へと移載する、位置決め装置21a付きの汎用受具ロボット21と、前記樹脂成形品Wが、前記取出しロボット11、又は、前記汎用受具ロボット21、のいずれかに支持されている時間内に、前記樹脂成形品Wのゲートカット処理を行う、ゲートカットロボット31と、で構成される、樹脂成形品の仕上げ加工装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品の仕上げ加工方法、及び、樹脂成形品の仕上げ加工装置に関し、詳細には、樹脂成形品に施す仕上げ加工処理の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型の樹脂成形品に対するゲートカット・エッジ処理等の仕上げ加工工程において、自動による仕上げ加工装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
しかし自動車のバンパーやインストルメントパネル等に代表される大型の樹脂成形品の場合は、加工対象である樹脂成形品を金型から取出した後に仕上げ加工装置に搬送する必要がある。即ち、該樹脂成形品をコンベヤ等の位置決め保証の無い搬送装置に載置する工程が発生するため、改めて該仕上げ加工装置において、人又は高度なロボット等によるワークセットと位置決め作業が必要となっていた。
【0004】
つまり従来技術においては、樹脂成形品の取出しから仕上げ加工までを自動化することは難しかったため、仕上げ加工において上記位置決めが発生することによって工程が増え、コスト増に繋がっていた。また、取出し装置と仕上げ加工装置とが離れているため、作業場のスペースを大きくとる必要があった。
【特許文献1】特開2003−236896号公報
【特許文献2】特開2005−88437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に鑑み、本発明では、樹脂成形品の取出しから仕上げ加工までを自動化することにより、仕上げ加工における位置決め工程を削減し、コストを低減させ、省スペースによる加工を可能とする、樹脂成形品の仕上げ加工方法、及び、樹脂成形品の仕上げ加工装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、取出しロボットにより樹脂成形品を位置決め状態で支持して金型から取出す取出し工程と、前記金型から取出された樹脂成形品を搬送装置により搬送する搬送工程と、を備える、樹脂成形品の仕上げ加工方法であって、前記取出し工程と、前記搬送工程と、の間に、前記樹脂成形品の仕上げ加工を行う仕上げ加工工程を備えるものである。
【0008】
請求項2においては、前記仕上げ加工工程は、前記樹脂成形品が前記取出しロボットに支持されている時間内に、ゲートカットロボットが前記樹脂成形品のゲートカット処理を行う、第1ゲートカット処理工程と、前記取出しロボットが、前記樹脂成形品を位置決め装置付きの汎用受具ロボットへ位置決めしながら移載する、第1移載工程と、前記汎用受具ロボットに移載された前記樹脂成形品が該汎用受具ロボットに支持されている時間内に、ゲートカットロボットが前記樹脂成形品のゲートカット処理を行う、第2ゲートカット処理工程と、前記汎用受具ロボットが、前記樹脂成形品を前記搬送装置へと移載する、第2移載工程と、を備えるものである。
【0009】
請求項3においては、前記仕上げ加工工程は、前記第1移載工程と前記第2移載工程との間で、前記樹脂成形品が前記汎用受具ロボットに支持されている時間内に、エッジ処理ロボットが火炎によって前記樹脂成形品のエッジ処理を行うエッジ処理工程を、さらに備えるものである。
【0010】
請求項4においては、樹脂成形品を位置決め状態で支持して金型から取出す取出しロボットと、前記金型から取出された樹脂成形品を搬送する搬送装置と、を備える、樹脂成形品の仕上げ加工装置であって、前記取出しロボットから前記搬送装置への樹脂成形品の移載経路の途中部に配置され、前記取出しロボットにより金型から取出されるとともに、前記搬送装置へ移載される前の樹脂成形品に対して、仕上げ加工を行う仕上げ加工ユニットが配設されるものである。
【0011】
請求項5においては、前記仕上げ加工ユニットは、前記取出しロボットから前記樹脂成形品が位置決め状態で移載され、該樹脂成形品を前記搬送装置へと移載する、位置決め装置付きの汎用受具ロボットと、前記樹脂成形品が、前記取出しロボット、又は、前記汎用受具ロボット、のいずれかに支持されている時間内に、前記樹脂成形品のゲートカット処理を行う、ゲートカットロボットと、で構成されるものである。
【0012】
請求項6においては、前記仕上げ加工ユニットは、前記樹脂成形品が、前記汎用受具ロボットに支持されている時間内に、火炎によって前記樹脂成形品のエッジ処理を行う、エッジ処理ロボットをさらに備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
本発明によれば、樹脂成形品の取出しから仕上げ加工までを自動化することにより、仕上げ加工における位置決め工程を削減し、コストを低減させ、省スペースによる加工を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置(第1ゲートカット工程)を示す概略側面図である。
図2は同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第1移載工程)を示す概略側面図である。
図3は同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第2ゲートカット工程)を示す概略側面図である。
図4は同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第2移載工程)を示す概略側面図である。
図5は本発明の実施例2に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置(第1ゲートカット工程)を示す概略側面図である。
図6は同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第1移載工程)を示す概略側面図である。
図7は同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第2ゲートカット工程及びエッジ処理工程)を示す概略側面図である。
図8は同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第2移載工程)を示す概略側面図である。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【0016】
以下に、本発明に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置について説明する。
【0017】
[樹脂成形品の仕上げ加工装置の実施例1]
まず、本発明の実施例1に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置1について、図1を用いて説明する。図1は本発明に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置1を示す概略側面図である。
【0018】
本実施例に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置1は、樹脂成形品Wを金型から取出す取出しロボット11と、前記樹脂成形品Wを搬送する搬送装置13と、を備え、前記取出しロボット11と前記搬送装置13との間に、仕上げ加工ユニット12が配設される。つまり、前記仕上げ加工ユニット12は、前記取出しロボット11から前記搬送装置13への樹脂成形品Wの搬送経路の途中部に配置されている。
【0019】
前記仕上げ加工ユニット12は、前記取出しロボット11から前記樹脂成形品Wが移載され、該樹脂成形品Wを前記搬送装置13へと移載する、位置決め装置21a付きの汎用受具ロボット21と、前記樹脂成形品Wが、前記取出しロボット11、又は、前記汎用受具ロボット21、のいずれかに支持されている時間内に、前記樹脂成形品WのゲートGのカット処理を行う、ゲートカットロボット31と、で構成される。
前記汎用受具ロボット21は、前記取出しロボット11から前記樹脂成形品Wが移載されてから、該樹脂成形品Wを前記搬送装置13へ移載するまでの間、樹脂成型品Wを位置決めした状態で支持する。
【0020】
前記取出しロボット11、汎用受具ロボット21、及びゲートカットロボット31は、それぞれの先端に工具が備えられる。即ち、取出しロボット11には前記樹脂成形品Wを把持して支持するチャック11aが、汎用受具ロボット21には前記樹脂成形品Wを位置決めした状態で支持する位置決め装置21aが、ゲートカットロボット31には樹脂成形品Wのゲートカット処理を行うゲートカッター31aが、それぞれの先端に配設されるのである。
【0021】
また、それぞれのロボット11・21・31は、前記の各工具(11a・21a・31a)を把持する工具ホルダー、該工具ホルダーを固定したロボットアーム、前記工具を作動・回転させたり、ひねりを加えたりするためのサーボモータ、およびパルスエンコーダを有するロボット本体と、このロボット本体を教示および再生するための記憶装置、演算装置などを有するロボット制御装置とからなる。
【0022】
そして、それぞれのロボット11・21・31に配設されたロボット制御装置に対し、工具11a・21a・31aの作動工程が入力され、入力された作動工程に基づいて工具ホルダー、ロボットアーム、サーボモータ、およびパルスエンコーダが作動することにより、工具11a・21a・31aが取出し・移載・及び仕上げ加工を行うのである。
【0023】
前記搬送装置13はコンベヤであるが、AGVなどの無人搬送車等を使用することも可能である。
【0024】
[樹脂成形品の仕上げ加工方法]
次に、本発明の実施例1に係る樹脂成形品の仕上げ加工方法について、図1〜図4を用いて説明する。
まず、取出しロボット11がチャック11aにより位置決めした状態で樹脂成形品Wを把持し、金型から取出す(取出し工程)。
【0025】
次に、前記仕上げ加工ユニット12が、仕上げ加工を行う(仕上げ加工工程)。
該仕上げ加工工程では、前記樹脂成形品Wが前記取出しロボット11に支持されている時間内に、図1に示すように、ゲートカットロボット31が前記樹脂成形品WのゲートGのカット処理を行う(第1ゲートカット処理工程)。ここでは、樹脂成形品Wはチャック11aにより位置決め状態で把持されており、取出しロボット11によって位置決め精度が保証されているため、ゲートカットロボット31による樹脂成形品Wに対する自動でのゲートカット処理が可能となる。
【0026】
次に、図2に示すように、前記取出しロボット11が、前記樹脂成形品Wを位置決め装置21a付きの汎用受具ロボット21へと、位置決めした状態を保持しながら移載する(第1移載工程)。ここで、汎用受具ロボット21は樹脂成形品Wの外周を避けた部分で位置決めしながら支持するように構成されている。具体的には、例えば樹脂成形品Wがバンパーの場合は、バンパーの内周部分から外側に向かって位置決め装置21aを突出させることによって位置決め状態で支持するのである。このため、樹脂成形品Wが汎用受具ロボット21に支持される間に、樹脂成形品Wの外周部分に位置するゲートGのカット処理やエッジ処理を自動で行うことが可能となるのである。
【0027】
次に、図3に示すように、前記樹脂成形品Wが前記汎用受具ロボット21に支持されている時間内に、ゲートカットロボット31が前記樹脂成形品WのゲートGのカット処理を行う(第2ゲートカット処理工程)。ここでも、前記取出しロボット11における位置決め精度が位置決め装置21a付きの汎用受具ロボット21でも再現されているため、ゲートカットロボット31による樹脂成形品Wに対するゲートカット処理が可能となるのである。
【0028】
次に、図4に示すように、前記汎用受具ロボット21が、前記樹脂成形品Wを前記搬送装置13へと移載する(第2移載工程)。なお、この時には取出しロボット11がチャック11aで次の加工対象物である樹脂成形品W´を金型から取出している(次の取出し工程)。即ち、取出しロボット11は樹脂成形品Wを汎用受具ロボット21に移載すると、次の加工対象物である樹脂成形品W´の取出し工程に入るのである。
【0029】
その後、搬送装置13が前記樹脂成形品Wを、図4中矢印Fの方向へと搬送するのである(搬送工程)。
【0030】
以上のように、本発明は取出しロボット11が樹脂成形品Wを金型から取出す取出し工程と、搬送装置13が前記樹脂成形品Wを搬送する搬送工程と、を備える、樹脂成形品の仕上げ加工方法であって、前記取出し工程と、前記搬送工程と、の間に、仕上げ加工工程を備え、該仕上げ加工工程では、前記樹脂成形品Wが前記取出しロボット11に支持されている時間内に、ゲートカットロボット31が前記樹脂成形品Wのゲートカット処理を行う、第1ゲートカット処理工程と、前記取出しロボット11が、前記樹脂成形品Wを位置決め装置21a付きの汎用受具ロボット21へ位置決めしながら移載する、第1移載工程と、前記汎用受具ロボット21に移載された前記樹脂成形品Wが前記汎用受具ロボット21に支持されている時間内に、ゲートカットロボット31が前記樹脂成形品WのゲートGのカット処理を行う、第2ゲートカット処理工程と、前記汎用受具ロボット21が、前記樹脂成形品Wを前記搬送装置13へと移載する、第2移載工程と、を備える。
【0031】
以上のように構成することにより、樹脂成形品Wの取出しから仕上げ加工までを自動化することができるのである。即ち、取出し工程における樹脂成形品Wの位置決め精度を仕上げ加工時に保証することにより、仕上げ加工時の再度の位置決め工程を削減することができるのである。これにより、仕上げ加工にかかるコストを低減させるとともに、樹脂成形品の仕上げ加工ユニット12を取出し装置と同一の工程スペース内に配設することによって省スペースによる加工が可能となる。また、樹脂成形品の仕上げ加工ユニット12が故障した場合などは加工をパスして次の工程に搬送することも可能であるため、成形工程全体を停止する必要がなくなる。
【0032】
[樹脂成形品の仕上げ加工装置の実施例2]
次に、本発明の実施例2に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置101について、図5を用いて説明する。図5は本発明に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置101を示す概略側面図である。なお、以下に説明する樹脂成形品の仕上げ加工装置101について、上述の実施例1と共通する部分については、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
本実施例に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置101は、前述の実施例1と同様に、樹脂成形品Wを金型から取出す取出しロボット11と、前記樹脂成形品Wを搬送する搬送装置13と、を備え、前記取出しロボット11と前記搬送装置13との間に、仕上げ加工ユニット112が配設される。つまり、前記仕上げ加工ユニット112は、前記取出しロボット11から前記搬送装置13への樹脂成形品Wの搬送経路の途中部に配置されている。
【0034】
そして、本実施例における前記仕上げ加工ユニット112は、前記位置決め装置21a付きの前記汎用受具ロボット21、前記ゲートカットロボット31に加え、前記樹脂成形品Wが、前記汎用受具ロボット21に支持されている時間内に、火炎によって前記樹脂成形品Wのエッジ処理を行う、エッジ処理ロボット41がさらに備えられる。
【0035】
また、前記取出しロボット11には前記チャック11aが、汎用受具ロボット21には前記位置決め装置21aが、ゲートカットロボット31には前記ゲートカッター31aが、それぞれの先端に配設されるのと同様に、前記エッジ処理ロボット41には樹脂成形品Wまたはその近傍に火炎を吹き付けるバーナー41aが配設されるのである。
【0036】
そして、それぞれのロボット11・21・31・41に配設されたロボット制御装置に対し、工具11a・21a・31a・41aの作動工程が入力され、入力された作動工程に基づいて工具ホルダー、ロボットアーム、サーボモータ、およびパルスエンコーダが作動することにより、工具11a・21a・31a・41aが取出し・移載・及び仕上げ加工を行うのである。
【0037】
[樹脂成形品の仕上げ加工方法]
次に、本発明の実施例2に係る樹脂成形品の仕上げ加工方法について、図5〜図8を用いて説明する。
まず、実施例1と同様に、取出しロボット11がチャック11aにより位置決めした状態で樹脂成形品Wを把持し、金型から取出す(取出し工程)。
【0038】
次に、前記仕上げ加工ユニット112が、仕上げ加工を行う(仕上げ加工工程)。
仕上げ加工工程では、前記樹脂成形品Wが前記取出しロボット11に支持されている時間内に、図5に示すように、ゲートカットロボット31が前記樹脂成形品WのゲートGのカット処理を行う(第1ゲートカット処理工程)。
次に、図6に示すように、前記取出しロボット11が、前記樹脂成形品Wを位置決め装置21a付きの汎用受具ロボット21へと、位置決めした状態を保持しながら移載する(第1移載工程)。
【0039】
次に、図7に示すように、前記樹脂成形品Wが前記汎用受具ロボット21に支持されている時間内に、ゲートカットロボット31が前記樹脂成形品WのゲートGのカット処理を行う(第2ゲートカット処理工程)。さらに、本実施例では、前記樹脂成形品Wが、前記汎用受具ロボット21に支持されている時間内に、エッジ処理ロボット41が火炎による前記樹脂成形品Wのエッジ処理を行う(エッジ処理工程)。この場合、火炎によるエッジ処理は、前記エッジ処理ロボット41のバーナー41aから樹脂成形品Wのエッジ部またはその近傍に火炎を吹き付けることで行われ、これにより樹脂成形品Wのエッジ部が軟化して丸められることとなる。
ここで、本実施例においても、前記取出しロボット11における位置決め精度が位置決め装置21a付きの汎用受具ロボット21でも再現されているため、樹脂成形品Wに対するゲートカット処理及びエッジ処理が自動で可能となるのである。
【0040】
次に、図8に示すように、前記汎用受具ロボット21が、前記樹脂成形品Wを前記搬送装置13へと移載する(第2移載工程)。なお、この時には実施例1と同様に、取出しロボット11がチャック11aで次の加工対象物である樹脂成形品W´を金型から取出している(次の取出し工程)。
【0041】
その後、搬送装置13が前記樹脂成形品Wを、図8中矢印Fの方向へと搬送するのである(搬送工程)。
【0042】
以上のように、本発明は取出しロボット11が樹脂成形品Wを金型から取出す取出し工程と、搬送装置13が前記樹脂成形品Wを搬送する搬送工程と、を備える、樹脂成形品の仕上げ加工方法であって、前記取出し工程と、前記搬送工程と、の間に、仕上げ加工工程を備え、該仕上げ加工工程では、前記樹脂成形品Wが前記取出しロボット11に支持されている時間内に、ゲートカットロボット31が前記樹脂成形品Wのゲートカット処理を行う第1ゲートカット処理工程と、前記取出しロボット11が前記樹脂成形品Wを位置決め装置21a付きの汎用受具ロボット21へ位置決めしながら移載する第1移載工程と、前記汎用受具ロボット21に移載された前記樹脂成形品Wが前記汎用受具ロボット21に支持されている時間内に、ゲートカットロボット31が前記樹脂成形品WのゲートGのカット処理を行う第2ゲートカット処理工程と、前記汎用受具ロボット21が前記樹脂成形品Wを前記搬送装置13へと移載する第2移載工程と、前記第1移載工程と前記第2移載工程との間で、前記樹脂成形品Wが前記汎用受具ロボット21に支持されている時間内に、エッジ処理ロボット41が火炎によって前記樹脂成形品Wのエッジ処理を行うエッジ処理工程とを、さらに備える。
【0043】
以上のように構成することにより、樹脂成形品Wの取出しから仕上げ加工までを自動化することができるのである。即ち、取出し工程における樹脂成形品Wの位置決め精度を仕上げ加工時に保証することにより、仕上げ加工時の再度の位置決め工程を削減することができるのである。これにより、仕上げ加工にかかるコストを低減させるとともに、樹脂成形品の仕上げ加工装置を取出し装置と同一の工程スペース内に配設することによって省スペースによる加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例1に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置(第1ゲートカット工程)を示す概略側面図。
【図2】同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第1移載工程)を示す概略側面図。
【図3】同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第2ゲートカット工程)を示す概略側面図。
【図4】同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第2移載工程)を示す概略側面図。
【図5】本発明の実施例2に係る樹脂成形品の仕上げ加工装置(第1ゲートカット工程)を示す概略側面図。
【図6】同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第1移載工程)を示す概略側面図。
【図7】同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第2ゲートカット工程及びエッジ処理工程)を示す概略側面図。
【図8】同じく樹脂成形品の仕上げ加工装置(第2移載工程)を示す概略側面図。
【符号の説明】
【0045】
1 樹脂成形品の仕上げ加工装置
11 取出しロボット
12 仕上げ加工ユニット
13 搬送装置
21 汎用受具ロボット
21a 位置決め装置
31 ゲートカットロボット
41 エッジ処理ロボット
W 樹脂成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取出しロボットにより樹脂成形品を位置決め状態で支持して金型から取出す取出し工程と、
前記金型から取出された樹脂成形品を搬送装置により搬送する搬送工程と、を備える、
樹脂成形品の仕上げ加工方法であって、
前記取出し工程と、前記搬送工程と、の間に、
前記樹脂成形品の仕上げ加工を行う仕上げ加工工程を備える、
ことを特徴とする、樹脂成形品の仕上げ加工方法。
【請求項2】
前記仕上げ加工工程は、
前記樹脂成形品が前記取出しロボットに支持されている時間内に、ゲートカットロボットが前記樹脂成形品のゲートカット処理を行う、第1ゲートカット処理工程と、
前記取出しロボットが、前記樹脂成形品を位置決め装置付きの汎用受具ロボットへ位置決めしながら移載する、第1移載工程と、
前記汎用受具ロボットに移載された前記樹脂成形品が該汎用受具ロボットに支持されている時間内に、ゲートカットロボットが前記樹脂成形品のゲートカット処理を行う、第2ゲートカット処理工程と、
前記汎用受具ロボットが、前記樹脂成形品を前記搬送装置へと移載する、第2移載工程と、を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂成形品の仕上げ加工方法。
【請求項3】
前記仕上げ加工工程は、
前記第1移載工程と前記第2移載工程との間で、前記樹脂成形品が前記汎用受具ロボットに支持されている時間内に、エッジ処理ロボットが火炎によって前記樹脂成形品のエッジ処理を行うエッジ処理工程を、さらに備える、
ことを特徴とする、請求項2に記載の樹脂成形品の仕上げ加工方法。
【請求項4】
樹脂成形品を位置決め状態で支持して金型から取出す取出しロボットと、
前記金型から取出された樹脂成形品を搬送する搬送装置と、を備える、
樹脂成形品の仕上げ加工装置であって、
前記取出しロボットから前記搬送装置への樹脂成形品の移載経路の途中部に配置され、前記取出しロボットにより金型から取出されるとともに、前記搬送装置へ移載される前の樹脂成形品に対して、仕上げ加工を行う仕上げ加工ユニットが配設される、
ことを特徴とする、樹脂成形品の仕上げ加工装置。
【請求項5】
前記仕上げ加工ユニットは、
前記取出しロボットから前記樹脂成形品が位置決め状態で移載され、該樹脂成形品を前記搬送装置へと移載する、位置決め装置付きの汎用受具ロボットと、
前記樹脂成形品が、前記取出しロボット、又は、前記汎用受具ロボット、のいずれかに支持されている時間内に、前記樹脂成形品のゲートカット処理を行う、ゲートカットロボットと、で構成される、
ことを特徴とする、請求項4に記載の樹脂成形品の仕上げ加工装置。
【請求項6】
前記仕上げ加工ユニットは、
前記樹脂成形品が、前記汎用受具ロボットに支持されている時間内に、火炎によって前記樹脂成形品のエッジ処理を行う、エッジ処理ロボットをさらに備える、
ことを特徴とする、請求項5に記載の樹脂成形品の仕上げ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−241504(P2009−241504A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−93118(P2008−93118)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】