説明

樹脂成形補助システム

【課題】設備購入コストを減少することができ、且つ設備の設置スペースを減少可能である樹脂成形補助システムを提供する。
【解決手段】電気エネルギー変換器と電気的に連接し、少なくとも一つの樹脂加工設備の近隣に設けられ、複数の電気エネルギー変換ヒーターと、電気エネルギー切替え制御設備を含む樹脂成形補助システムにおいて、複数の電気エネルギー変換ヒーターは、樹脂加工設備の金型に応じて設けられる。電気エネルギー切替え制御設備は、電気エネルギー変換器と電気的に連接し、制御モジュールと、電気エネルギー分配モジュールとを含み、制御モジュールは、樹脂加工設備と通信的にカップリングし、樹脂加工設備からの工作請求信号を受取り、電気エネルギー分配信号を発し、電気エネルギー分配モジュールは、制御モジュール及びこれらの電気エネルギー変換ヒーターと電気的に連接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形補助システムに関し、特に、樹脂成形補助システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、樹脂加工技術の発展に従って、樹脂加工技術は、高粘度樹脂、超薄肉厚成形、高複写表面、結合ラインレス(ウエルドラインの解消)や高度艶(光沢度)表面などの加工分野に適用され、なお良く知られる従来の樹脂加工プロセスは、射出成形(Injection Molding)、ブロー成形(Blow Molding)と熱圧成形( Thermo Forming)である。
【0003】
これらの樹脂加工プロセスは、金型を快速に加熱する工程がある。例えば特許文献1では、金型を快速に加熱する方法が提案された。この方法は、移動可能式の誘導コイルを金型の両側に移動して、誘導コイルにより高周波磁界を発生することにより、金型の表面が先に加熱され、金型に対する加熱が樹脂充填工事を終了するときに終わるため、溶融している樹脂は、キャビディに進入した後も、樹脂充填工事が終了するまで、その表面が高温に保持される。
【0004】
また、特許文献2でも金型を快速に加熱する方法が提案された。この方法は、誘導コイルを金型の内部に嵌め込むことにより金型の一部になり、高周波またはマイクロウェーブの電流により樹脂充填工事が終了するまで金型が高温のままである。
【0005】
一方、従来の技術の一つに電熱式金型温度制御技術(E-Mold)があり、この方法は、電気ヒーターを金型に入れて電流を流すことにより金型を加熱し、金型に対する加熱が樹脂充填工事を終了するときに終わるため、溶融している樹脂は、キャビディに進入した後も、樹脂充填工事を終了するまで、その表面が高温に保持される。
【0006】
また、従来の樹脂成形システムの中で、各樹脂加工設備がそれぞれ少なくとも一台の電気エネルギー変換加熱設備に対応することが必要である。図1を参照する。図1は従来の樹脂成形システムを示すブロック図である。従来の樹脂成形システムは、複数の電気エネルギー変換加熱設備21a、21b及び21cから構成される樹脂成形補助システムである200と、複数の樹脂加工設備31a、31b及び31cとを含む。電気エネルギー変換加熱設備21a、21b及び21cは、それぞれ電気エネルギー変換器100a、100b及び100cと電気的に連接することにより、必要な工作電気エネルギーI1、I2及びI3を得る。
【0007】
その中で電気エネルギー変換加熱設備21a、21b及び21cは電気エネルギー変換ヒーター211a、211b及び211cを含んでおり、電源スイッチモジュール212a、212b及び212cと、制御モジュール213a、213b及び213cと、をそれぞれ含む。中でも電気エネルギー変換ヒーター211a、211b及び211cは、それぞれ電源スイッチモジュール212a、212b及び212cと電気的に連接する。制御モジュール213a、213b及び213cは、それぞれ電源スイッチモジュール212a、212b及び212cと電気的に連接する。
【0008】
樹脂加工設備31a、31b及び31cの内部には金型311a、311b及び311cと、工作信号コミュニケーションモジュール312a、312b及び312cらが設けられている。さらに樹脂加工設備31a、31b及び31cは、それぞれ制御モジュール213a、213b及び213cと通信的にカップリングする。工作信号コミュニケーションモジュール312a、312b及び312cがそれに対応する電気エネルギー変換ヒーター211a、211b及び211cを起動して金型311a、311b及び311cを加熱することが必要だと判断したときには、工作信号コミュニケーションモジュール312a、312b及び312cからの工作請求信号S1、S2及びS3が制御モジュール213a、213b及び213cに伝送され、制御モジュール213a、213b及び213cが工作請求信号S1、S2及びS3によって電源スイッチモジュール212a、212b及び212cを制御することにより、電熱変換工作電気エネルギーI4、I5及びI6を電気エネルギー変換ヒーター211a、211b及び211cに供給する。
【0009】
しかし、各電気エネルギー変換加熱設備21a、21b及び21cの内部には、電気エネルギー変換ヒーター211a、211b及び211c以外に、電源スイッチモジュール212a、212b及び212cと、制御モジュール213a、213b及び213cと、を設けることも必要であり、その体積が大きく、且つ樹脂加工設備31a、31b及び31cに電気エネルギー変換加熱設備21a、21b及び21cを加えることが必要である場合に、電源スイッチモジュール212a、212b及び212cと、制御モジュール213a、213b及び213cと、を追加することも必要であり、そして各電気エネルギー変換加熱設備21a、21b及び21cには、少なくとも一台の電気エネルギー変換器100a、100b及び100cを用意することが必要である。だがコストも大幅に増加する。
【0010】
例えば図1に示す樹脂成形補助システム200を使用し、樹脂成形補助システムが3台の樹脂加工設備31a、31b及び31cを有する場合には、樹脂成形補助システム200は、3台の電気エネルギー変換加熱設備21a、21b及び21cの他に、少なくとも3台の電気エネルギー変換器100a、100b及び100cを用意することが必要である。すなわち、全部の樹脂成形システムは9台の大型設備を用意することが必要であるため、購入コストが増加し、設備のスペースも浪費する。
【0011】
その他にも、従来の電気エネルギー変換加熱設備は、電気エネルギーから熱エネルギーに変換する過程で大量の電気エネルギーが消費し、且つ各電気エネルギー変換加熱設備は独自に運転する。もし同時に複数の加工設備が電気エネルギー変換加熱設備を同時に起動する場合には、電気エネルギー変換器100a、100b及び100cを確保する以外電気的に連接する電源供給端(図示せず)は、全部の電気エネルギー変換ヒーター211a、211b及び211cと樹脂加工設備31a、31b及び31cを同時に起動するときの需要な工作電気エネルギーの供給を確保できることが必要である。
【0012】
例えば樹脂加工メーカーが3台の樹脂加工設備と3台の電気エネルギー変換加熱設備を有する樹脂成形補助システム200により樹脂加工プロセスを実施する場合、各電気エネルギー変換ヒーターの起動時の最大電力消費量をAワットとし、各樹脂加工設備の稼動時の最大電力消費量をBワットとすれば、電源供給端は(A+B)*3ワットの電力を供給できる能力を有することが必要であり、全部の電気エネルギー変換ヒーターと樹脂加工設備を同時に起動するときの需要な工作電気エネルギーの供給量でもある。
【0013】
しかし、一般の樹脂加工プロセスにおいて、金型加熱ステップの必要な時間は全加工プロセスの約10%だけを占める。すなわち、大部分の時間では、電気エネルギー変換器の(A+B)*3ワットの電力供給能力がフルロード状態ではなく、電気エネルギーの利用は不経済であるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第6960746号明細書
【特許文献2】米国特許第5762972号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、これは次のような欠点があった。上記より以下の事柄が述べられる。
(1)従来の樹脂成形補助システム200は、各電気エネルギー変換加熱設備の内部に、電気エネルギー変換ヒーターの他に、電源スイッチモジュールを設けることが必要があり、且つ各樹脂加工設備は少なくとも1台の電気エネルギー変換加熱設備に対応することが必要であり、各電気エネルギー変換加熱設備は1台の電気エネルギー変換器に対応することが必要であるため、購入コストが増加し、設備のスペースも浪費する。
(2)各電気エネルギー変換加熱設備が独立に運転するため、複数の加工設備が電気エネルギー変換加熱設備を同時に起動する場合に、電源供給端は必ず全電気エネルギー変換ヒーターと樹脂加工設備を同時に起動するときの需要な工作電気エネルギーの供給を確保できることが必要である。
【0016】
本発明の主な目的は、1台の電気エネルギー切替え制御設備によって複数台の電気エネルギー変換ヒーターに対応でき、複数台の電気エネルギー変換ヒーターの需要な電熱変換工作電気エネルギーを切り替えることにより、樹脂成形システムの必要な大型設備の台数を減少することもでき、そにより、設備購入コストを減少すると共に、設備のスペースを減少することもできる樹脂成形補助システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の樹脂成形補助システムによると、電気エネルギー変換器と電気的に連接し、少なくとも一つの樹脂加工設備の付近に設置され、並びに樹脂加工設備が工作請求信号を発した後、前記樹脂加工設備の少なくとも一つの金型が必要な電熱変換工作電気エネルギーを提供する。複数の電気エネルギー変換ヒーターと、電気エネルギー切替え制御設備と、を含む樹脂成形補助システムにおいて、前記複数の電気エネルギー変換ヒーターは、前記樹脂加工設備の前記金型に応じて設置され、及び前記電気エネルギー切替え制御設備は、前記電気エネルギー変換器と電気的に連接し、制御モジュールと、電気エネルギー分配モジュールとを含む。前記制御モジュールは、前記樹脂加工設備と通信的にカップリングし、前記樹脂加工設備からの工作請求信号を受取り、電気エネルギー分配信号を発信する。前記電気エネルギー分配モジュールは、前記制御モジュールとこれらの前記電気エネルギー変換ヒーターと電気的に連接し、前記制御モジュールからの前記電気エネルギー分配信号を受取り、前記工作請求信号を発した前記樹脂加工設備に対応し、少なくとも一つの前記電気エネルギー変換ヒーターに電熱変換工作電気エネルギーを供給することを特徴とする。
【0018】
本発明の樹脂成形補助システムによると、前記樹脂加工設備は工作信号コミュニケーションモジュールを備え、設定時間内に前記制御モジュールまで前記工作請求信号を発することができることを特徴とする。
【0019】
本発明の樹脂成形補助システムによると、前記樹脂加工設備は工作信号コミュニケーションモジュールを備え、前記樹脂成型設備の工作状況をもとに前記制御モジュールまで前記工作請求信号を発することができることを特徴とする。
【0020】
本発明の樹脂成形補助システムによると、前記工作信号コミュニケーションモジュールは、前記樹脂成形設備の少なくとも一つの工作状況によって、前記工作請求信号を前記制御モジュールに伝送することを特徴とする。
【0021】
本発明の樹脂成形補助システムによると、前記工作状況は、射出速度と、圧力保持時間と、保持圧力と、充填速度と、キャビティ圧力と、のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の樹脂成形補助システムによると、前記工作請求信号の伝送するパラメータは、加熱開始時間と、総加熱時間と、加熱終了時間と、のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の樹脂成形補助システムによると、前記電気エネルギー分配モジュールは、一つの時点で一つだけの前記電気エネルギー変換ヒーターに必要な電熱変換工作電気エネルギーを供給可能であることを特徴とする。
【0024】
本発明の樹脂成形補助システムによると、前記制御モジュールは、接収した前記工作請求信号を記録するためのものであり、接収の順次によって前記電気エネルギー分配信号を発し、これにより、前記電気エネルギー分配モジュールは、目前の前記工作請求信号に対応する前記電気エネルギー変換ヒーターに前記電熱変換工作電気エネルギーを供給することを特徴とする。
【0025】
本発明の樹脂成形補助システムによると、これらの前記電気エネルギー変換ヒーターは、電気抵抗式ヒーターと、電磁誘導式ヒーターと、高周波誘導ヒーターと、中周波誘導ヒーターと、低周波誘導ヒーターと、マイクロウェーブヒーターと、赤外線誘導ヒーターと、のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の樹脂成形補助システムによれば、次のような効果がある。
(1)従来の樹脂成形補助システムと比べ、1台の電気エネルギー切替え制御設備によって複数台の電気エネルギー変換ヒーターに対応でき、複数台の電気エネルギー変換ヒーターの需要な電熱変換工作電気エネルギーを切り替えることにより、樹脂成形システムの必要な大型設備の台数を減少することもでき、それにより、設備購入コストを減少すると共に、設備のスペースを減少することもできる樹脂成形補助システムを提供することである。
(2)本発明に係る制御モジュールは、先にスケジュールを予約して電気エネルギー分配信号を発送することにより、電気エネルギー切替えモジュールが一つの時間帯で一つだけの電気エネルギー変換ヒーターに電熱変換工作電気エネルギーを供給するため、単独時間帯でのフルロード状態にある樹脂成形設備の個数を減少でき、電源供給端の電力供給能力の減少することもでき、電気エネルギーの利用が経済的になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来の樹脂成形システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の樹脂成形補助システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図2を参照する。図2は本発明の樹脂成形補助システムを示すブロック図である。本発明の樹脂成形補助システム400は、電気エネルギー変換器100´と電気的に連接して稼動時に需要な総工作電気エネルギーI7とし、樹脂成形補助システム400が少なくとも一つの樹脂加工設備31a、31b及び31cの付近に設置され、樹脂加工設備31a、31b及び31cが工作請求信号S4、S5及びS6を発した後、樹脂加工設備31a、31b及び31cの少なくとも一つの金型311a、311b及び311cに必要な電熱変換工作電気エネルギーI8、I9及びI10を供給する。その中で電気エネルギー変換器100´は、電圧または電流のレベルまたは状態を変換可能な何れかの装置である。電気エネルギー変換器100´は、市の電力または発電機などの電気エネルギーからを供給可能な電源供給端から電気エネルギーを得る。
【0029】
樹脂成形補助システム400は、複数の電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cと、電気エネルギー切替え制御設備42を含む。本実施例では、3台の樹脂加工設備31a、31b及び31cと、3台の電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cと、を例にして本発明を説明する。
【0030】
各樹脂加工設備31a、31b及び31cは、それぞれ少なくとも一つの金型311a、311b及び311cを有し、工作請求信号S4、S5及びS6を電気エネルギー切替え制御設備42に伝送する。更に、工作信号コミュニケーションモジュール312a、312b及び312cは、ケーブル通信、赤外線伝送、ブルートゥース伝送とRF電波信号伝送のうちの少なくとも一つの方法によって工作請求信号S4、S5及びS6を伝送する。
【0031】
電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cは、それぞれ樹脂加工設備31a、31b及び31cの金型311a、311b及び311cに対応して設置される。その中で電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cは、電気エネルギーを金型311a、311b及び311cが需要な熱に変換可能な何れかのヒーターである。電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cは、電気抵抗式ヒーターと、電磁誘導式ヒーターと、高周波誘導ヒーターと、中周波誘導ヒーターと、低周波誘導ヒーターと、マイクロウェーブヒーターと、赤外線誘導ヒーターと、のうちの少なくとも一つを含む。
【0032】
電気エネルギー切替え制御設備42は、制御モジュール421と、電気エネルギー分配モジュール422を含む。制御モジュール421は、樹脂加工設備31a、31b及び31cと通信的にカップリングし、樹脂加工設備31a、31b及び31cからの工作請求信号S4、S5及びS6を受取り、電気エネルギー分配信号S7を発する。
【0033】
電気エネルギー分配モジュール422は、制御モジュール421及び電気エネルギー変換ヒーター41a、41b、41cと電気的に連接することにより、制御モジュール421からの電気エネルギー分配信号S7を受取り、電気エネルギー分配信号S7によって、工作請求信号S4、S5及びS6を発する樹脂加工設備31a、31b及び31cに対応し、少なくとも一つの電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cに、電熱変換工作電気エネルギーI8、I9及びI10を供給する。
【0034】
本発明の樹脂成形補助システム400は、一つの電気エネルギー切替え制御設備42を利用して複数の電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cへの電熱変換工作電気エネルギーI8、I9及びI10を切り替えるため、複数の電気エネルギー変換加熱設備21a、21b及び21cと、複数の電気エネルギー変換器100a、100b及び100cと、を設けることが必要なくなり、樹脂成形補助システム400の必要な大型設備の台数を減少することができ、また設備購入コストを減少することもでき、設備のスペースを減少することもできる。
【0035】
例えば樹脂加工メーカーが3台の樹脂加工設備31a、31b及び31cを有する樹脂成形補助システム400により樹脂加工工事を実施する場合には、一つの電気エネルギー切替え制御設備42と、一つの電気エネルギー変換器100´と、三つの電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cとを用意することが必要である。すなわち樹脂成形補助システム400は5台の大型設備と3台の小型設備だけを用意すればよく、設備購入コストを減少すると共に、設備の設置スペースを減少することもできる。
【0036】
更に、制御モジュール421は、受取ったあらゆる工作請求信号S4、S5及びS6を記録することができ、受取りの順次によって電気エネルギー分配信号S7を発し、これにより、電気エネルギー分配モジュール422は、目前の工作請求信号S4、S5及びS6に対応する電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cに電熱変換工作電気エネルギーI8、I9及びI10を供給する。
【0037】
この他に制御モジュール421の制御により、電気エネルギー分配モジュール422は、同一時点で一つだけの電気エネルギー変換ヒーターに必要な電熱変換工作電気エネルギーを供給可能であるため、同一時点での総工作電気エネルギーI7の最大値は、電熱変換工作電気エネルギーI8、I9及びI10のうちの一つに電気エネルギー切替え制御設備42の需要する基礎電気エネルギーを加える値である。
【0038】
このように、制御モジュール421の制御により、電気エネルギー分配モジュール422は、同一時点で一つだけの電気エネルギー変換ヒーターに必要な電熱変換工作電気エネルギーを供給可能であることにより、電源供給端の最大電力供給能力を減少することができ、電気エネルギーの利用も経済的になる。
【0039】
例えば電気エネルギー変換ヒーターの各一台が起動時の最大電力消費量をAワットとし、樹脂加工設備の各一台が稼動時の最大電力消費量をBワットとすれば、電気エネルギー分配モジュール422は、同一時点で一台だけの電気エネルギー変換ヒーターに必要な電熱変換工作電気エネルギーを供給する。そのため電源供給端はただA+B*3ワットの電気エネルギー負荷量だけ必要であり、従来の樹脂成型システム100は(A+B)*3ワットと比べ、電気エネルギーの利用が明確的に低減される。
【0040】
また、本実施例では、電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cがそれぞれ各自に優先権順序の予約ができ、総工作電気エネルギーI7が予定の電源供給端の最大電力供給能力上限を超えるときに、電気エネルギー分配モジュール422は、これらの電気エネルギー変換ヒーターの優先権順序によって、電熱変換工作電気エネルギーI8、I9及びI10のうちの少なくとも一つの電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cへの供給を停止することができる。
【0041】
このように、本発明では、電気エネルギー切替え制御設備42によって電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cの電熱変換工作電気エネルギーI8、I9及びI10を切り替えることにより、総工作電気エネルギーI7を大きく超えず、電源供給端のオーバーロードも防止でき、樹脂成形システムの安定性が更に向上できる。
【0042】
更に、上記の工作信号コミュニケーションモジュール312a、312b及び312cは、樹脂成形設備31a、31b及び31cの工作状況によって、工作請求信号S4、S5及びS6を制御モジュール421に伝送する。樹脂成形設備31a、31b及び31cの工作状況は、射出速度、圧力保持時間、保持圧力、充填速度、キャビティ圧力、型締め時間または射出終了時間のうちの少なくとも一つである。また、工作請求信号S4、S5及びS6は、加熱開始時間、総加熱時間または加熱終了時間のうちの少なくとも一つを含む。
【0043】
又は、工作信号コミュニケーションモジュール312a、312b及び312cは、予定の工作スケジュールによって、工作請求信号S4、S5及びS6を制御モジュール421に伝送できる。その中で予定の工作スケジュールは、電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cを複数の工作グループに分けてもよく、且つ一つの時点で一つの工作グループだけの電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cがフルロード状態にある。
【0044】
このように、工作信号コミュニケーションモジュール312a、312b及び312cは、予定の工作スケジュールによって、工作請求信号S4、S5及びS6を制御モジュール421に伝送することができ、各時間点で一つの工作グループだけの電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cがフルロード状態を確保でき、そのため電源供給端の最大電力供給能力を減少することができ、電気エネルギーの利用も効率よく且つ経済的になる。
【0045】
以上をまとめると、本発明の樹脂成形補助システム400は、一つの電気エネルギー切替え制御設備42を利用して複数の電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cへの電熱変換工作電気エネルギーI8、I9及びI10を切り替えることにより、部分設備の重複投資を防止し、樹脂成形補助システム400の必要する大型設備の台数も減少することができ、設備購入コストの減少及び樹脂成形補助システム400の設置スペースを減少することもできる。そして本発明の樹脂成形補助システム400を利用して制御モジュール421によって電気エネルギー分配モジュール422を制御し、同一時点で電気エネルギー変換ヒーター41a、41b及び41cのうちの何れかの一つだけに電熱変換工作電気エネルギーI8、I9又はI10を供給するため、電源供給端の電力供給能力を減少することができ、電気エネルギーの利用が経済的になる。
【0046】
このように、本発明が、特定の例を参照して説明したが、それは本発明を更に詳しく明確に特徴が述べるためであり、本発明を限定するものではない。また、この分野に通常の知識を有する者には、本発明の要旨および特許請求の範囲を逸脱することなく、ここで開示された実施例に変更、追加、または、削除を施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、樹脂成形システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
I7 総工作電気エネルギー
21a,21b,21c 電気エネルギー変換加熱設備
31a,31b,31c 樹脂加工設備
41a,41b,41c 電気エネルギー変換ヒーター
42 電気エネルギー切替え制御設備
100a,100b,100c,100´ 電気エネルギー変換器
200 樹脂成形補助システム
211a,211b,211c 電気エネルギー変換ヒーター
212a,212b,212c 電源スイッチモジュール
213a,213b,213c 制御モジュール
311a,311b,311c 金型
312a,312b,312c 工作信号コミュニケーションモジュール
400 樹脂成形補助システム
421 制御モジュール
422 電気エネルギー分配モジュール
I1,I2,I3 工作電気エネルギー
I4,I5,I6 電熱変換工作電気エネルギー
I8,I9,I10 電熱変換工作電気エネルギー
S1,S2,S3 工作請求信号
S4,S5,S6 工作請求信号
S7 電気エネルギー分配信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギー変換器と電気的に連接し、少なくとも一つの樹脂加工設備の近隣に設けられ、前記樹脂加工設備が工作請求信号を発した後、前記樹脂加工設備の少なくとも一つの金型に必要な電熱変換工作電気エネルギーを提供し、複数の電気エネルギー変換ヒーターと、電気エネルギー切替え制御設備とを含む樹脂成形補助システムにおいて、
前記複数の電気エネルギー変換ヒーターは、前記樹脂加工設備の前記金型に応じて設けられ、
前記電気エネルギー切替え制御設備は、前記電気エネルギー変換器と電気的に連接し、制御モジュールと、電気エネルギー分配モジュールとを含み、
前記制御モジュールは、前記樹脂加工設備と通信的にカップリングし、前記樹脂加工設備からの工作請求信号を受取り、電気エネルギー分配信号を発し、
前記電気エネルギー分配モジュールは、前記制御モジュール及びこれらの前記電気エネルギー変換ヒーターと電気的に連接し、前記制御モジュールからの前記電気エネルギー分配信号を受取り、前記工作請求信号を発した前記樹脂加工設備に対応する少なくとも一つの前記電気エネルギー変換ヒーターに電熱変換工作電気エネルギーを供給することを特徴とする樹脂成形補助システム。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂成形補助システムでは、前記樹脂加工設備は、前記制御モジュールに伝送される前記工作請求信号を発するための工作信号コミュニケーションモジュールを有することを特徴とする樹脂成形補助システム。
【請求項3】
請求項2に記載の樹脂成形補助システムでは、前記工作信号コミュニケーションモジュールは、予定の工作スケジュールによって前記工作請求信号を前記制御モジュールに伝送することを特徴とする樹脂成形補助システム。
【請求項4】
請求項2に記載の樹脂成形補助システムでは、前記工作信号コミュニケーションモジュールは、前記樹脂成形設備の少なくとも一つの工作状況によって、前記工作請求信号を前記制御モジュールに伝送することを特徴とする樹脂成形補助システム。
【請求項5】
請求項4に記載の樹脂成形補助システムでは、前記工作状況は、射出速度と、圧力保持時間と、保持圧力と、充填速度と、キャビティ圧力と、のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする樹脂成形補助システム。
【請求項6】
請求項1に記載の樹脂成形補助システムでは、前記工作請求信号の伝送するパラメータは、加熱開始時間と、総加熱時間と、加熱終了時間と、のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする樹脂成形補助システム。
【請求項7】
請求項1に記載の樹脂成形補助システムでは、同一時点で一つだけの前記電気エネルギー変換ヒーターに必要な電熱変換工作電気エネルギーを供給可能であることを特徴とする樹脂成形補助システム。
【請求項8】
請求項1に記載の樹脂成形補助システムでは、前記制御モジュールは、受取った前記工作請求信号を記録するためのものであり、受取りの順次によって前記電気エネルギー分配信号を発し、これにより前記電気エネルギー分配モジュールは、目前の前記工作請求信号に対応する前記電気エネルギー変換ヒーターに前記電熱変換工作電気エネルギーを供給することを特徴とする樹脂成形補助システム。
【請求項9】
請求項1に記載の樹脂成形補助システムでは、これらの前記電気エネルギー変換ヒーターは、電気抵抗式ヒーターと、電磁誘導式ヒーターと、高周波誘導ヒーターと、中周波誘導ヒーターと、低周波誘導ヒーターと、マイクロウェーブヒーターと、赤外線誘導ヒーターのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする樹脂成形補助システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−161776(P2011−161776A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26899(P2010−26899)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(510037008)龍生工業股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】