説明

樹脂流体ディスペンス装置

【課題】気泡が存在することを抑制して樹脂流体をディスペンスする樹脂流体ディスペンス装置を提供する。
【解決手段】樹脂流体ディスペンス装置は、樹脂流体が位置する貯蔵部、前記貯蔵部と連結される第1連結部、前記第1連結部を通じて前記樹脂流体が移動して位置する加圧チャンバ、前記樹脂流体を加圧する加圧部、前記加圧チャンバと連結される第2連結部、及び前記第2連結部を通じて前記樹脂流体が移動して位置するディスペンサを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂流体ディスペンス装置に関し、より詳細には、脱気(degassing)された樹脂流体をディスペンス(dispense)する樹脂流体ディスペンス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機発光表示装置(organic light emitting diode display)などのような平板表示装置を備えた携帯電話機などのようなモバイルデバイスは、外部から平板表示装置に異物が流入することを防止すると共に、外部の衝撃から平板表示装置を保護するために、平板表示装置上に離隔空間を置いて透明なウィンドウ(window)を追加的に備える。
【0003】
最近では、ウィンドウと平板表示装置との間に樹脂(resin)を介在させ、ウィンドウと一体化した平板表示装置が開発されている。このように、ウィンドウと平板表示装置が一体化した場合、ウィンドウと平板表示装置との間に介在させる樹脂が外部の衝撃を吸収する役割を果たし、さらに、外部の衝撃から平板表示装置が破損することを防止する役割も果たす。
【0004】
上述したウィンドウが一体化した平板表示装置は、ディスペンス装置を利用してウィンドウまたは平板表示装置に樹脂流体を塗布した後、樹脂流体を利用してウィンドウと平板表示装置とを合着し、樹脂流体を硬化して形成される。この時、樹脂流体内に気泡が存在しないように制御しなければならない。万一、ウィンドウと平板表示装置との間の硬化した樹脂内に気泡が存在すると、気泡内の空気の屈折率は、気泡を取り囲んだ樹脂の屈折率と異なるため、平板表示装置から発生した光が樹脂内の気泡によって屈折する問題が発生する。
【0005】
この問題を解決するために、従来のディスペンス装置は、樹脂流体に気泡が存在することを防止するための脱気工程を行っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のディスペンス装置では、脱気された樹脂流体がディスペンス装置内の流路を通るうちに外部から樹脂流体内に空気が浸透して、ウィンドウまたは平板表示装置に塗布された直後に樹脂流体内に気泡が存在する問題点があった。特に、脱気された樹脂流体を加圧するための手段として、空気圧を利用する場合、この空気圧に使用されたガスが樹脂流体内に侵入して樹脂流体内に気泡として存在する問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、気泡が存在することを抑制して樹脂流体をディスペンスすることが可能な、新規かつ改良された樹脂流体ディスペンス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、樹脂流体が位置する第1空間を含み、前記樹脂流体を脱気する貯蔵部と、前記貯蔵部と連結され、前記第1空間と連通する第1連結部と、前記第1連結部と連結され、前記第1連結部を通じて前記樹脂流体が前記第1空間から移動して位置する第2空間を含む加圧チャンバと、前記加圧チャンバに支持され、前記第2空間で前記樹脂流体と物理的に直接接触し、往復運動を通じて前記樹脂流体を加圧する加圧部と、前記加圧チャンバと連結され、前記第2空間と連通する第2連結部と、前記第2連結部と連結され、前記第2連結部を通じて前記樹脂流体が前記第2空間から移動して位置する第3空間を含むディスペンサと、を含み、前記第2空間及び前記第3空間は外部に対して密閉される、樹脂流体ディスペンス装置が提供される。
【0009】
また、前記加圧部は、前記加圧チャンバの第2空間で前記樹脂流体と物理的に直接接触する加圧板と、前記加圧板から前記加圧チャンバの外部に延長された加圧棒と、を含み、前記加圧板と前記加圧チャンバとの間及び前記加圧棒と前記加圧チャンバとの間に位置する第1弾性部をさらに含んでもよい。
【0010】
また、前記加圧チャンバと前記第1連結部との間及び前記加圧チャンバと前記第2連結部との間に位置する第2弾性部をさらに含んでも良い。
【0011】
また、前記ディスペンサと前記第2連結部との間に位置する第3弾性部をさらに含んでもよい。
【0012】
また、前記加圧チャンバは、前記第2空間の上側に位置し、前記加圧棒が貫通して前記加圧棒をガイドするガイド板、及び前記ガイド板によって前記第2空間と分離され、オイルが満たされているオイル空間をさらに含んでもよい。
【0013】
また、前記加圧チャンバは、前記加圧チャンバから第1空間側に突き出され、前記加圧部の前記往復運動を止めるストッパー部をさらに含んでもよい。
【0014】
また、前記第1連結部及び前記第2連結部は、前記ストッパー部の下側に位置し、前記加圧チャンバの第2空間と連通してもよい。
【0015】
また、前記第1連結部は、前記ガイド板を貫通して前記加圧板に連結され、前記加圧チャンバの第2空間と連通し、前記第2連結部は、前記ストッパー部の下側に位置し、前記加圧チャンバの第2空間と連通してもよい。
【0016】
また、前記加圧チャンバの一部以上は透明材質で構成してもよい。
【0017】
また、前記貯蔵部は、前記樹脂流体を脱気する脱気部をさらに含んでもよい。
【0018】
また、前記脱気部は、真空ポンプまたは遠心分離機である構成としてもよい。
【0019】
また、前記貯蔵部の前記第1空間の一部分に前記樹脂流体が貯蔵され、前記貯蔵部と連結して前記第1空間の残りの部分と連通するガス排出部をさらに含んでもよい。
【0020】
また、前記第1連結部に連結され、前記第1空間に位置する樹脂流体を前記第2空間に移動させるロータリーポンプをさらに含んでもよい。
【0021】
また、前記ディスペンサは、前記ディスペンサの端部に位置し、テーパ状のシリンジをさらに含んでもよい。
【0022】
また、前記ディスペンサの一部以上は透明材質で構成してもよい。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、樹脂流体ディスペンス装置は、気泡が存在することを抑制して樹脂流体をディスペンスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態による樹脂流体ディスペンス装置を概略的に示した図面である。
【図2】図1に示した加圧チャンバを示した図面である。
【図3】図1に示したディスペンサを示した図面である。
【図4】本発明の第2実施形態による樹脂流体ディスペンス装置の加圧チャンバを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の種々の実施形態について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の相異な形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0026】
また、種々の実施形態において、同一の構成を有する構成要素に対しては同一の符号を付けて代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態では第1実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0027】
本発明を明確に説明するために、説明上不必要な部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付ける。
【0028】
また、図面において、各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で表したので、本発明が必ずしも図示したものに限られない。
【0029】
一部分が他の部分の“上側に”または“下側に”あるという時、これはそれぞれ一部分が他の部分“下側に”または“上側に”ある場合も含む。
【0030】
以下、図1乃至図3を参照して、本発明の第1実施形態による樹脂流体ディスペンス装置について説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1実施形態による樹脂流体ディスペンス装置を概略的に示した断面図である。
【0032】
図1に示したように、本発明の第1実施形態による樹脂流体ディスペンス装置101は、樹脂流体RFをディスペンスし、貯蔵部100、ガス排出部200、第1連結部300、ロータリーポンプ400、加圧チャンバ500、加圧部600、第1弾性部700、第2弾性部800、第2連結部900、ディスペンサ1000、及び第3弾性部1100を含む。
【0033】
貯蔵部100は、樹脂流体RFを装置内で最初に貯蔵する空間であり、第1空間110及び脱気部120を含む。
【0034】
第1空間110は、貯蔵部100が形成する空間であり、第1空間110には樹脂流体RFが位置している。第1空間110の一部分には、樹脂流体RFが脱気部120によって脱気されるために位置しており、第1空間110の残りの部分には、樹脂流体RFから脱気されたガスが位置するようになる。
【0035】
脱気部120は、樹脂流体RFを脱気し、真空ポンプまたは遠心分離機を含む。脱気部120は、第1空間110の内部で樹脂流体RFを脱気する。一方、脱気部120は、貯蔵部100の外側に位置することができ、この場合、チューブなどの連結部が脱気部120と貯蔵部100の第1空間110との間を連結して、第1空間110の樹脂流体RFが脱気部120に移動して脱気されるようにする。
【0036】
ガス排出部200は、貯蔵部100と連結されており、貯蔵部100の第1空間110で樹脂流体RFから脱気されたガスが位置する部分(残りの部分)と連通している。ガス排出部200は、第1空間110の残りの部分と連通し、樹脂流体RFから脱気されたガスを外部に露出させることにより、脱気されたガスを外部に排出する。ガス排出部200の開閉は、ガス排出部200に連結された第1バルブVによって行われる。
【0037】
第1連結部300は、貯蔵部100と連結されており、貯蔵部100の第1空間110と連通する。第1連結部300は、貯蔵部100と加圧チャンバ500との間を連結しており、貯蔵部100の第1空間110と加圧チャンバ500の第2空間510との間を連通する。より詳細には、第1連結部300にはロータリーポンプ400が連結されており、第1連結部300は、ロータリーポンプ400と貯蔵部100の第1空間110との間、及びロータリーポンプ400と加圧チャンバ500の第2空間510との間を連通する。第1連結部300の開閉は、第1連結部300に連結された第1バルブVによって行われ、第1連結部300による貯蔵部100と加圧チャンバ500との連通により、貯蔵部100の第1空間110に位置する脱気された樹脂流体RFが、第1連結部300を通じて加圧チャンバ500の第2空間510に移動して位置する。第1連結部300と加圧チャンバ500との間には後述する第2弾性部800が位置しており、第2弾性部800によって第1連結部300と加圧チャンバ500の第2空間510が外部から密閉される。
【0038】
ロータリーポンプ400は、第1連結部300に連結され、ポンピング(pumping)によって樹脂流体RFを貯蔵部100の第1空間110から、第1連結部300を通じて加圧チャンバ500の第2空間510に移動させる。ロータリーポンプ400は図1に示したように、第1連結部300の中間領域に位置するか、または追加的な連結部によって第1連結部300と連結されて、第1空間110から第2空間510に樹脂流体RFを移動させる。
【0039】
以下、図2を参照して、加圧チャンバ500について説明する。
【0040】
図2は、図1に示した加圧チャンバを示した図面である。
【0041】
図2に示したように、加圧チャンバ500は、第2空間510、ガイド板520、オイル空間530、ストッパー部540、及びチャンバ窓550を含む。
【0042】
第2空間510は、加圧チャンバ500が形成する空間である。第2空間510は、第1連結部300と連通して、第1連結部300を通じて貯蔵部100の第1空間110から脱気された樹脂流体RFが移動して位置する。第2空間510は、後述する第2連結部900と連通している。
【0043】
ガイド板520は、第2空間510の上側に位置し、後述する加圧部600の加圧棒620が貫通する。ガイド板520は、加圧棒620の往復運動をガイドする。ガイド板520の上側には、ガイド板520によって第2空間510と分離されるオイル空間530が位置し、ガイド板520と加圧棒620との間には、第2空間510を外部から密閉する後述する第1弾性部700が位置しており、第1弾性部700によって第2空間510とオイル空間530のそれぞれが相互に対して密閉される。
【0044】
オイル空間530は、ガイド板520によって第2空間510と分離されており、シリコンオイル(silicon oil)などのようなオイルOが満たされている。オイル空間530に満たされているオイルOは、第2空間510を外部に対してより密閉する役割を果たすと同時に、加圧部600の加圧棒620が往復運動する時、加圧棒620の表面に塗られて、加圧棒620と加圧チャンバ500との間に位置する第1弾性部700と加圧棒620と間の摩擦力を減少させる役割を果たす。また、オイル空間530に位置するオイルOは、加圧部600の往復運動によって外部から加圧部600と第1弾性部700との間隙を通じ第2空間510に流入し得る空気を遮断する役割を果たす。
【0045】
ストッパー部540は、加圧チャンバ500から第2空間510側に突き出されており、加圧部600の往復運動を止める役割を果たす。ストッパー部540は、第1連結部300と第2連結部900の上側に位置しており、ストッパー部540に加圧部600が接触すれば、第1連結部300を通じて貯蔵部100の第1空間110から脱気された樹脂流体RFが加圧チャンバ500の第2空間510に満たされる。
【0046】
チャンバ窓550は、加圧チャンバ500の一部を透明な材質で構成して成るものであり、チャンバ窓550によって加圧チャンバ500の第2空間510に位置する樹脂流体RF内に気泡が存在するか否かを確認することができる。
【0047】
他の実施形態においては、加圧チャンバ500の外郭を構成する材質全体が透明な材質で構成され、加圧チャンバ500内の全体を観察することができる。
【0048】
加圧部600は、加圧チャンバ500に支持され、第2空間510に位置する樹脂流体RFを加圧し、加圧板610、加圧棒620、及び加圧ハンドル630を含む。
【0049】
加圧板610は、加圧チャンバ500の第2空間510内で、第2空間510に位置する樹脂流体RFと物理的に直接接触する。加圧板610は、加圧棒620の往復運動によって樹脂流体RFを直接的に加圧する。加圧板610と加圧チャンバ500との間には第1弾性部700が位置しており、この第1弾性部700で、加圧板610の加圧によって縮小される第2空間510を外部から密閉する。
【0050】
加圧棒620は、加圧板610から加圧チャンバ500を貫通して外部に延長されている。加圧棒620と加圧チャンバ500との間には第1弾性部700が位置しており、第1弾性部700によってオイル空間530及び第2空間510が外部から密閉される。
【0051】
加圧ハンドル630は、外部に延長された加圧棒620の端部に位置し、空気圧または機械的加圧手段によって加圧される。加圧ハンドル630が加圧手段によって加圧されることにより、加圧棒620が往復運動を行い、第2空間510内に位置した加圧板610が樹脂流体RFに物理的に直接接触して樹脂流体RFを加圧する。
【0052】
以上のように、加圧部600は、加圧チャンバ500の第2空間510に位置する樹脂流体RFと物理的に直接接触して、往復運動によって樹脂流体RFを加圧し、加圧部600と加圧チャンバ500との間には第1弾性部700が位置して、外部から第2空間510に空気が流入することを遮断する。また、加圧部600の加圧棒620が外部からオイル空間530を経て加圧チャンバ500の第2空間510に往復運動する時、オイル空間530のオイルOが加圧棒620の表面に塗られるので、加圧棒620と第1弾性部700と間の摩擦力が減少し、そのため加圧チャンバ500に対する加圧部600の往復運動がスムースに行われると同時に、加圧棒620の往復運動によって外部から第2空間510に流入し得る空気が、オイル空間530に位置するオイルOによって遮断される。
【0053】
また、加圧部600が、往復運動によって樹脂流体RFを加圧することで、加圧部600の移動距離によってディスペンサ1000から塗布される樹脂流体RFの量が増加する。つまり、加圧部600の往復運動に応じて樹脂流体RFの塗布量が線形的に増加するので、加圧部600の往復運動を調節して樹脂流体RFの塗布量を調節することができる。
【0054】
このような加圧部600と加圧チャンバ500との間には、第1弾性部700が位置している。
【0055】
第1弾性部700は、ゴムのように弾性を有する材質からなり、加圧チャンバ500と加圧部600との間に位置して、加圧チャンバ500の第2空間510を外部から密閉する役割を果たす。より詳細には、第1弾性部700は、加圧棒620と加圧チャンバ500を形成する外郭の間、加圧棒620とガイド板520の間、加圧板610と加圧チャンバ500の間に位置している。
【0056】
第2弾性部800は、ゴムのように弾性を有する材質からなり、加圧チャンバ500と第1連結部300との間、及び加圧チャンバ500と第2連結部900との間に位置して、加圧チャンバ500の第2空間510を外部から密閉する役割を果たす。
【0057】
再び図1を参照すると、第2連結部900は、加圧チャンバ500と連結されており、加圧チャンバ500の第2空間510と連通する。第2連結部900は、加圧チャンバ500とディスペンサ1000との間を連結しており、加圧チャンバ500の第2空間510とディスペンサ1000の第3空間1010との間を連通する。第2連結部900の開閉は、第2バルブVによって行われ、第2連結部900による加圧チャンバ500とディスペンサ1000との連通により、加圧チャンバ500の第2空間510に位置し、加圧部600の往復運動によって加圧された樹脂流体RFが、第2連結部900を通じてディスペンサ1000の第3空間1010に移動して位置する。第2連結部900と加圧チャンバ500との間には第2弾性部800が位置しており、第2弾性部800によって第2連結部900と加圧チャンバ500の第2空間510とが外部から密閉される。
【0058】
以下、図3を参照して、ディスペンサ1000について説明する。
【0059】
図3は、図1に示したディスペンサを示した図面である。
【0060】
図3に示したように、ディスペンサ1000は、第2連結部900と連結され、第3空間1010及びシリンジ1020を含む。
【0061】
第3空間1010は、ディスペンサ1000が形成する空間である。第3空間1010は、第2連結部900と連通し、第2連結部900を通じて加圧チャンバ500の第2空間510で加圧部600によって加圧された樹脂流体RFが移動して位置する。ディスペンサ1000の端部にはシリンジ(syringe)1020が位置している。
【0062】
シリンジ1020は、第3空間1010に位置する樹脂流体RFを観察することができるように、一部または全体が透明材質で構成される。シリンジ1020は、樹脂流体RFを外部にディスペンスし、樹脂流体RFをディスペンスする方向にテーパ(taper)状になっている。
【0063】
ディスペンサ1000と第2連結部900との間には、第3弾性部1100が位置している。
【0064】
第3弾性部1100は、ゴムのように弾性を有する材質からなり、ディスペンサ1000と第2連結部900との間に位置して、ディスペンサ1000の第3空間1010を外部から密閉する役割を果たす。
【0065】
以上のように、本発明の第1実施形態による樹脂流体ディスペンス装置101は、第1空間110で脱気された樹脂流体RFが、外部から密閉された第2空間510で物理的に直接接触されて加圧され、外部から密閉された第3空間1010に移動してディスペンスされることにより、ディスペンスされた樹脂流体RFの内部に気泡が存在しないようになる。特に、樹脂流体RFを加圧する加圧手段が、空気圧でない物理的に樹脂流体RFと直接接触する加圧部600であるので、加圧手段によって樹脂流体RF内に気泡が発生しない。
【0066】
また、第2空間510の上に第2空間510と分離されたオイル空間530が位置し、このオイル空間530にオイルOが満たされているので、樹脂流体RFに対する加圧のための加圧部600の往復運動時、オイル空間530に満たされたオイルOが加圧部600の往復運動による外部から第2空間510への空気流入を遮断する。つまり、加圧手段の加圧部600の往復運動によって樹脂流体RF内に気泡が発生しない。
【0067】
以下、本発明の第1実施形態による樹脂流体ディスペンス装置101を利用したウィンドウ一体型平板表示装置の製造方法について説明する。
【0068】
以下、平板表示装置として有機発光表示装置を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、平板表示装置として、液晶表示装置(liquid crystal display device)、プラズマ表示パネル(plasma display panel)または電界放出ディスプレイ(field emission display)などを使用することができる。
【0069】
まず、有機発光表示装置と、その上に合着できるウィンドウを備える。
【0070】
ここで、ウィンドウは、プラスチックまたはガラスなどのような透明材質からなる。
【0071】
次に、有機発光表示装置またはウィンドウの表面に樹脂流体ディスペンス装置101のディスペンサ1000を利用して樹脂流体RFをディスペンスする。
【0072】
以下、樹脂流体ディスペンス装置101を利用した樹脂流体RFのディスペンス方法について具体的に説明する。
【0073】
まず、第1連結部300に連結された第1バルブVを閉じ、ガス排出部200に連結された第1バルブVを開けた状態で、貯蔵部100の第1空間110に位置した樹脂流体RFを、脱気部120を作動させて脱気する。この時、樹脂流体RFに対する脱気は、樹脂流体RF内に気泡が存在しないように十分に行い、樹脂流体RFから脱気されたガスはガス排出部200を通じて外部に排出する。
【0074】
次に、ガス排出部200に連結された第1バルブVを閉じ、第1連結部300に連結された第1バルブVを開けた状態で、ロータリーポンプ400を作動させて、脱気された樹脂流体RFを貯蔵部100の第1空間110から第1バルブVを通じて加圧チャンバ500の第2空間510に移動させる。
【0075】
次に、加圧チャンバ500の第2空間510に脱気された樹脂流体RFが満たされると、第1連結部300に連結された第1バルブVを閉じ、第2バルブVを開けた状態で、加圧部600を往復運動させて加圧チャンバ500の第2空間510に満たされた樹脂流体RFを加圧する。加圧部600による加圧により、樹脂流体RFは加圧チャンバ500の第2空間510から第2連結部900を経てディスペンサ1000の第3空間1010に移動すると同時に、ディスペンサ1000から有機発光表示装置またはウィンドウの表面に塗布される。この時、加圧部600の往復運動による加圧部600の移動距離により、ディスペンサ1000から塗布される樹脂流体RFの量が調節される。つまり、加圧部600の移動距離に応じてディスペンサ1000から塗布される樹脂流体RFの量が線形的に増加する。
【0076】
以上のような工程により、有機発光表示装置またはウィンドウの表面に脱気された樹脂流体RFが塗布される。
【0077】
次に、有機発光表示装置とウィンドウとの間に樹脂流体RFが介在した状態で、有機発光表示装置とウィンドウとを合着した後、樹脂流体RFを硬化する。
【0078】
以上のような工程によって、ウィンドウ一体型平板表示装置が製造される。
【0079】
このように、本発明の第1実施形態による樹脂流体ディスペンス装置101を利用して、有機発光表示装置またはウィンドウの表面に塗布された樹脂流体RFには、樹脂流体RF内に気泡が存在しないので、ウィンドウと平板表示装置との間に介在して硬化した樹脂にも気泡が存在しないようになる。つまり、本発明の第1実施形態による樹脂流体ディスペンス装置101を利用すれば、ウィンドウ一体型平板表示装置で樹脂内に存在する気泡による光の屈折が防止される。
【0080】
以下、図4を参照して、本発明の第2実施形態による樹脂流体ディスペンス装置について説明する。
【0081】
図4は、本発明の第2実施形態による樹脂流体ディスペンス装置の加圧チャンバを示した図面である。
【0082】
本発明の第2実施形態による樹脂流体ディスペンス装置101の第1連結部300は、加圧チャンバ500のオイル空間530及びガイド板520を貫通して、加圧部600の加圧板610と連結されている。第1連結部300は、加圧板610と連結されて加圧チャンバ500の第2空間510と連通する。第1連結部300と加圧チャンバ500との間には第2弾性部800が位置し、第2空間510を外部から密閉する。
【0083】
以上のような本発明の第2実施形態による樹脂流体ディスペンス装置101は、第1連結部300が加圧チャンバ500の上側に位置し、第2連結部900が加圧チャンバ500の下側に位置することにより、外部から空気が第2空間510に流入した場合でも、流入した空気が第2連結部900を通じてディスペンサ1000の第3空間1010に移動することを遮断する。
【0084】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0085】
100 貯蔵部
101 ディスペンス装置
110 第1空間
120 脱気部
200 ガス排出部
300 第1連結部
400 ロータリーポンプ
500 加圧チャンバ
510 第2空間
520 ガイド板
530 オイル空間
540 ストッパー部
550 チャンバ窓
600 加圧部
610 加圧板
620 加圧棒
630 加圧ハンドル
700 第1弾性部
800 第2弾性部
900 第2連結部
1000 ディスペンサ
1100 第3弾性部
1010 第3空間
1020 シリンジ
RF 樹脂流体
V 第1、2バルブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂流体が位置する第1空間を含み、前記樹脂流体を脱気する貯蔵部と、
前記貯蔵部と連結され、前記第1空間と連通する第1連結部と、
前記第1連結部と連結され、前記第1連結部を通じて前記樹脂流体が前記第1空間から移動して位置する第2空間を含む加圧チャンバと、
前記加圧チャンバに支持され、前記第2空間で前記樹脂流体と物理的に直接接触し、往復運動を通じて前記樹脂流体を加圧する加圧部と、
前記加圧チャンバと連結され、前記第2空間と連通する第2連結部と、
前記第2連結部と連結され、前記第2連結部を通じて前記樹脂流体が前記第2空間から移動して位置する第3空間を含むディスペンサと、
を含み、
前記第2空間及び前記第3空間は外部に対して密閉される、樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項2】
前記加圧部は、前記加圧チャンバの第2空間で前記樹脂流体と物理的に直接接触する加圧板と、
前記加圧板から前記加圧チャンバの外部に延長された加圧棒と、
を含み、
前記加圧板と前記加圧チャンバとの間及び前記加圧棒と前記加圧チャンバとの間に位置する第1弾性部をさらに含む、請求項1に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項3】
前記加圧チャンバと前記第1連結部との間及び前記加圧チャンバと前記第2連結部との間に位置する第2弾性部をさらに含む、請求項2に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項4】
前記ディスペンサと前記第2連結部との間に位置する第3弾性部をさらに含む、請求項3に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項5】
前記加圧チャンバは、
前記第2空間の上側に位置し、前記加圧棒が貫通して前記加圧棒をガイドするガイド板と、
前記ガイド板によって前記第2空間と分離され、オイルが満たされているオイル空間と、
をさらに含む、請求項4に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項6】
前記加圧チャンバは、
前記加圧チャンバから第1空間側に突き出されて、前記加圧部の前記往復運動を止めるストッパー部をさらに含む、請求項5に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項7】
前記第1連結部及び前記第2連結部は、前記ストッパー部の下側に位置して前記加圧チャンバの第2空間と連通する、請求項6に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項8】
前記第1連結部は、前記ガイド板を貫通して前記加圧板に連結され、前記加圧チャンバの第2空間と連通し、
前記第2連結部は、前記ストッパー部の下側に位置して前記加圧チャンバの第2空間と連通する、請求項6に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項9】
前記加圧チャンバの一部以上は透明材質で構成される、請求項1に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項10】
前記貯蔵部は、前記樹脂流体を脱気する脱気部をさらに含む、請求項1に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項11】
前記脱気部は、真空ポンプまたは遠心分離機である、請求項10に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項12】
前記貯蔵部の前記第1空間の一部分に前記樹脂流体が貯蔵され、
前記貯蔵部と連結され、前記第1空間の残りの部分と連通するガス排出部をさらに含む、請求項1に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項13】
前記第1連結部に連結され、前記第1空間に位置する樹脂流体を前記第2空間に移動させるロータリーポンプをさらに含む、請求項1に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項14】
前記ディスペンサは、前記ディスペンサの端部に位置し、テーパ状のシリンジをさらに含む、請求項1に記載の樹脂流体ディスペンス装置。
【請求項15】
前記ディスペンサの一部以上は透明材質で構成される、請求項14に記載の樹脂流体ディスペンス装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−45870(P2011−45870A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143657(P2010−143657)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】