説明

樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置

【課題】 破砕された樹脂製シート等が回転軸に絡まないような洗浄装置を提供する。
【解決手段】 異物により汚染された樹脂製シート等の投入口と、投入樹脂製シート等が滑る傾斜板23dとを有するホッパーと、水平方向に長さを有し、一端側には該ホッパーと連通した開口を有するとともに、内部は上記汚染樹脂製シート等を洗浄する円筒状の処理槽と、該処理槽内に配設された回転軸と、基端が回転軸に固定され、先端が該処理槽の内周面側に位置し、該処理槽の長さ方向と同じ方向に長さを有する複数の回転羽根と、該処理槽内に洗浄液を噴射する噴射ノズルと、異物および洗浄液の排出口と、該処理槽の他端側に形成された洗浄後の樹脂製シート等の排出路とを備え、上記傾斜板の処理槽側端部は上記複数の回転羽根が水平とされた状態において、該回転羽根の上面よりも上方に位置し、該複数回転羽根の傾斜板側端部は回転方向に傾斜してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみ袋やビニールハウスの壁材或いは畑等の土壌の表面の被覆に使用され、こぼれた飲料或いは土壌等の異物により汚染された樹脂製シート又は樹脂製包装材を洗浄するために使用される樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、包装材によって包装された食品等(以下、包装食品という。)を、包装材と食品等とを分離する分離装置が提案されている(特許文献1、2参照)。これらの特許文献に開示された分離装置は、包装食品が投入されるホッパーと、このホッパーに連通してなるドラムと、このドラム内に配置されてなるとともに該ドラム内で回転駆動する破砕羽根とを備えてなるものであり、上記ホッパーからドラム内に移動した包装食品は、回転する上記破砕羽根の回転駆動により破砕され、この結果、包装材と食品とが分離され、包装材と粉々となった食品とは、別個の排出口から排出される。
【0003】
ところで、近年では、多量の樹脂製シート又は樹脂製包装材(以下、樹脂製シート等という。)が使用されており、これらの樹脂製シート等が産業廃棄物として廃棄される量も膨大なものとなっているのが実情である。例えば、ゴミ袋やビニールハウスの壁材、或いは、農家で使用される園芸用のシートは、毎年多量に廃棄され、これらは焼却処分されているのが実情であるが、一方において、資源として再利用されることが望まれている。しかしながら、これらの樹脂製シート等は、腐食した飲料水や土壌,塵埃等の異物が付着し、且つそれらから悪臭が放たれている場合が多い。そこで、こうした異物により汚染された樹脂シート等を、上記特許文献1に開示された処理装置を用いて洗浄する方法が考えられる。
【特許文献1】特開2001−327893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記樹脂製シート等は上記分離装置を構成するドラムの長さよりも長尺なものが多く、上記回転軸に絡まり、駆動手段に高い負荷をかけ、分離装置が頻繁に停止し、或いは、故障する場合が多い。なお、こうした事態を解消するために、回転軸近傍の隙間を何らかの部材により塞ぐ手段が考えられるが、完全に上記隙間を塞ぐことは物理的に不可能であり、僅かな隙間が形成されている場合には、その隙間から回転軸に絡み、やはり上記課題を有効に解決することはできない。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来の処理装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、樹脂製シート等が回転軸に絡まることを有効に防ぐ樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、異物により汚染された樹脂製シート又は樹脂製包装材が投入される投入口と、該投入口から投入された樹脂製シート又は樹脂製包装材が滑る傾斜板と、を有するホッパーと、水平方向に長さを有するように配設され、一端側には上記ホッパーと連通した開口が形成されてなるとともに、内部において上記汚染された樹脂製シート又は樹脂製包装材を洗浄する円筒状の処理槽と、上記処理槽内に配設され、駆動装置により回転動作する回転軸と、基端が上記回転軸に固定され、先端が上記処理槽の内周面側に位置するとともに、該処理槽の長さ方向と同じ方向に長さを有する複数の回転羽根と、上記処理槽内に洗浄液を噴射する噴射ノズルと、上記処理槽に形成され、上記異物が洗浄液とともに排出される排出口と、上記処理槽の他端側に形成され、洗浄後の樹脂製シート又は樹脂製包装材が排出される排出路と、を備え、上記傾斜板の処理槽側端部は、上記複数の回転羽根が水平とされた状態において、該回転羽根の上面よりも上方に位置してなるとともに、上記複数の回転羽根の傾斜板側端部は、回転方向に傾斜してなることを特徴とするものである。
【0007】
この第1の発明では、傾斜板の処理槽側端部は、上記複数の回転羽根が水平とされた状態において、該回転羽根の上面よりも上方に位置してなる一方、上記複数の回転羽根の傾斜板側端部は、回転方向に傾斜してなることから、駆動装置により複数の回転羽根が回転駆動すると、該回転羽根の傾斜板側端部近傍の空気は処理槽側に送られ、こうした空気の流れによって、樹脂製シート又は樹脂製包装材(以下、樹脂製シート等という。)が処理槽の他端側に移動される。すなわち、本発明は、回転羽根の回転駆動により、回転軸近傍に形成された僅かな隙間内に空気が移動することを低減し、ホッパーから流入した空気が効果的に処理槽の他端側に移動するよう、回転羽根のホッパー側端部を傾斜させたことに特徴を有するものである。なお、この回転羽根のホッパー側端部は、該回転羽根の回転方向に傾斜していれば良く、その傾斜角度は特に限定されるものではない。
【0008】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、異物により汚染された樹脂製シート又は樹脂製包装材が投入される投入口と、該投入口から投入された樹脂製シート又は樹脂製包装材が滑る傾斜板と、を有するホッパーと、水平方向に長さを有するように配設され、一端側には上記ホッパーと連通した開口が形成されてなるとともに、内部において上記汚染された樹脂製シート又は樹脂製包装材を洗浄する円筒状の処理槽と、上記処理槽内に配設され、駆動装置により回転動作する回転軸と、基端が上記回転軸に固定され、先端が上記処理槽の内周面側に位置するとともに、該処理槽の長さ方向と同じ方向に長さを有する複数の回転羽根と、上記処理槽内に洗浄液を噴射する噴射ノズルと、上記処理槽に形成され、上記異物が洗浄液とともに排出される排出口と、上記処理槽の他端側に形成され、洗浄後の樹脂製シート又は樹脂製包装材が排出される排出路と、を備え、上記傾斜板の処理槽側端部は、上記複数の回転羽根が水平とされた状態において、該回転羽根の上面よりも上方に位置してなる一方、上記複数の回転羽根は、それぞれ平板状に成形された羽根本体と、基端は上記羽根本体のホッパー側端部に着脱可能に固定され先端側には該羽根本体の回転方向に傾斜した傾斜部が形成されたブレードが固定されてなることを特徴とするものである。
【0009】
この第2の発明は、複数の回転羽根は、羽根本体と、ブレードとから構成され、このブレードは、基端が上記羽根本体のホッパー側端部に着脱可能に固定され先端側には該羽根本体の回転方向に傾斜した傾斜部が形成されてなることに特徴を有するものである。なお、このブレードは、少なくとも回転羽根本体に対して着脱可能に固定されていれば、特にその固定方法が限定されるものではない。また、このブレードに形成された傾斜部の傾斜角度は、特に限定されるものではなく、回転羽根の回転により空気を処理槽の他端側に移動できるものであれば良い。
【0010】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の何れかの発明において、前記回転羽根の傾斜板側端部又は前記ブレードを構成する傾斜部の先端は、先鋭状とされてなることを特徴とするものである。
【0011】
この第3の発明では、前述したように、樹脂製シート等がホッパーを構成する傾斜板上を通過し、回転羽根の傾斜板側端部に至ると、前記傾斜板側端部により処理槽の他端側に移動させられるとともに、先鋭状とされた先端により中途部が切断される。
【0012】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第1,第2又は第3の発明の何れかにおいて、前記ホッパーを構成する傾斜板の処理槽側端部には、前記回転軸が挿通された開口が形成されてなる垂直板が連続してなるとともに、前記各回転羽根の傾斜板側端部又は前記ブレードを構成する傾斜部の傾斜板側端部には、それぞれ切欠き部が形成され、この切欠き部には、上記垂直板に対向するとともに該垂直板との対向面は、上記各回転羽根の傾斜板側端部又はブレードを構成する傾斜部の傾斜板側端面と面一とされた円板状の絡み防止部材が固定され、この絡み防止部材の半径は、上記回転軸から傾斜板の処理槽側端部までの長さと同じか或いは短いものとされてなることを特徴とするものである。
【0013】
この第4の発明では、円板状の絡み防止部材は、各回転羽根の傾斜板側端部に形成された切欠き部に固定され、且つ、該回転羽根の傾斜板側端部又はブレードを構成する傾斜部の傾斜板側端面と面一とされていることから、樹脂製シート等が係合する部位がなく、しかも隣り合う回転羽根と回転羽根との基端側は、絡み防止部材により閉塞されることから、一旦回転羽根の傾斜板側端部又はブレードを構成する傾斜部の傾斜板側端面を通過した樹脂製シートが空気の乱流により該回転羽根の基端側から逆流した場合であっても、この絡み防止部材により遮蔽される。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明(請求項1記載の発明)によれば、回転羽根の回転駆動により、回転軸近傍に形成された僅かな隙間内に空気が移動することを低減することができ、ホッパーから流入した空気を効果的に処理槽の他端側に移動させることができるので、樹脂製シート等が回転軸に絡む危険性を有効に防止することができる。
【0015】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)では、ブレードは、基端が上記羽根本体の傾斜板側端部に着脱可能に固定され先端側には該羽根本体の回転方向に傾斜した傾斜部が形成されてなることから、上記第1の発明と同じように、樹脂製シート等が回転軸に絡む危険性を有効に防止することができるとともに、該ブレードは、回転羽根本体に着脱可能に固定されていることから、万が一回転軸に樹脂製シート等が絡んだ場合であっても、その樹脂製シート等を迅速に取り除くことができる。
【0016】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)では、樹脂製シート等がホッパーを構成する傾斜板上を通過し、回転羽根の傾斜板側端部に至ると、前記傾斜した該回転羽根の傾斜板側端部により処理槽の他端側に移動させられるとともに、中途部が切断されることから、長尺な樹脂製シート等がホッパーから投入された場合であっても、回転軸に絡みつく危険性を効果的に防止することができる。
【0017】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)では、円板状の絡み防止部材は、各回転羽根の傾斜板側端部に形成された切欠き部に固定され、且つ、該回転羽根の傾斜板側端部又はブレードを構成する傾斜部の傾斜板側端面と面一とされていることから、樹脂製シート等が係合する部位がなく、しかも隣り合う回転羽根と回転羽根との基端側は、絡み防止部材により閉塞されることから、一旦回転羽根の傾斜板側端部又はブレードを構成する傾斜部の傾斜板側端面を通過した樹脂製シートが、空気の乱流により該回転羽根の基端側から逆流した場合であっても、この絡み防止部材により遮蔽され、より一層回転軸に樹脂製シート等が絡みつく危険性を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態に係る樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置(以下、洗浄装置という。)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
この実施の形態に係る洗浄装置1は、図1に示すように、下部には、4つのキャスター2を備え、略直方体状に成形された筐体3を外側に備えてなるものであり、この筐体3の正面の中央よりもやや左側には、正面カバー4が着脱可能に配設され、この正面カバー4の右側には、図示しない蝶番を介して開閉可能な正面側開閉扉5が設けられている。そして、この正面側開閉扉5の左端側には、開閉操作する際に使用者により把持される把手6が固定され、正面右側には、排出管部7が形成されている。なお、この排出管部7は、上記筐体3内に配設された後述する処理槽31の排出路69に連通してなるのであり、図2に示すように、上面には、上記処理槽31内部で洗浄処理された樹脂製シート等の排出状況をこの排出管部7の上方から確認することができるように透明樹脂からなる透明板8が配設され、先端側下面には、下方に向いた排出口7aが形成されている。また、図1に示すように、この正面側開閉扉5の下方には、長方形状の切欠き5aが形成されている。この切欠き5aは、後述する処理槽31の下方に配設されたトレー54が出し入れされる部位である。なお、上記正面側開閉扉5の反対側には、この正面側開閉扉5と同じ大きさとなされた図示しない背面側開閉扉が配設されている。この背面側開閉扉は、把手が固定され、この把手を把持しながら蝶番を介して開閉可能とされ、また、この背面側開閉扉の側方には、図3に示すように、上記正面カバー4に対向してなる背面カバー9が着脱可能に配設されている。
【0020】
また、図5に示すように、この洗浄装置1の左側上部には、分別処理される図示しない飲料水や土壌により汚染された樹脂製シート等が投入される投入口11が形成されている。この投入口11は、図4に示すように、下方に向けて開放され、上記筐体3の上面よりもやや高い位置に設置される蓋部材13の上面に形成されてなるものである。また、上記筐体3の左側板3aであって、上記投入口11のやや下方には、図5に示すように、左開閉扉14が形成され、この左開閉扉14に閉塞された部位には、制御盤15やスイッチ類16が配設されている。また、上記左開閉扉14の近傍には、上記制御盤15等に電気的に接続され、この洗浄装置1の駆動を開始する始動スイッチ17及び停止スイッチ18が設けられている。
【0021】
また、上記正面カバー4と背面カバー9との間には、図4に示すように、駆動モータ21が載置台22上に固定されている。この駆動モータ21は、本発明を構成する駆動装置であり、上記制御盤15に電気的に接続されている。また、この駆動モータ21の上方には、上記投入口11に連通してなるホッパー23が形成されている。このホッパー23は、上記正面カバー4と対向する図示しない正面側板部と、上記背面カバー9と対向する図示しない背面側板部と、底板部23aと、上記左側板3aに対向してなる仕切り板24とから構成されている。そして、上記底板部23aは、前方にかけて徐々に低くなるように傾斜してなる第1の傾斜底板部23bと、この第1の傾斜底板部23bの前方から垂下してなる垂下板部23cと、この垂下板部23cの下端から前方側にかけて徐々に低くなるように傾斜してなる第2の傾斜底板部23dとから構成されている。なお、この第2の傾斜底板部23dは、本発明を構成する傾斜板である。そして、この第2の傾斜底板部23dの下端(後述する処理槽31側端部)は、垂直板部27が連続しており、この垂直板部27の下端側中途部には、後述する回転軸72が挿通された開口(符号は省略する。)が形成されている。
【0022】
また、図4及び図6に示すように、上記筐体3内であって、上記正面側開閉扉5と図示しない背面側開閉扉との間には、本発明を構成する処理槽31が配設されている。この処理槽31は、上方が開放されてなる処理槽本体32と、この処理槽本体32に図3に示す蝶番41を介して開閉自在に連結され、該処理槽本体32の上方を閉塞する蓋体33とを備えてなるものであり、処理槽本体32と蓋体33とを合わせた全体形状は、水平方向に長さを有する円筒状に成形されている。上記処理槽本体32は、半円筒状に成形された底板部32a(図7及び図8参照)と、左側(投入口11側)に形成され半円状に成形された左側半円板部32b(図6,図10及び図11参照)と、この左側半円板部32bに対向してなる第1の右側半円板部32c(図10及び図11参照)と、から構成されている。また、上記蓋体33は、半円筒状に成形された天板部33a(図7及び図8参照)と、閉塞されることにより上記処理槽本体32を構成する第1の右側半円板部32cと同一平面上に位置する第2の右側半円板部33b(それぞれ図10又は図11参照)と、この右側半円板部33bより左側にこの蓋体33の左右長さの約五分の一の幅に渡って形成された排出路69と、後述する本体側洗浄液ダクト34と対応し、この排出路69の左端より左側にこの蓋体33の左右長さの約五分の一程度の幅に渡って形成された蓋側洗浄液ダクト35と、から構成されている。なお、図6に示すように、上記仕切り板24の下方には、上記蓋体33の曲率に対応した曲率を有する半円状の開口部25が形成され、この開口部25の周囲には、上記蓋体33が処理槽本体32を閉塞した状態において処理槽31内に僅かに突出した円弧状の突出片25aが形成されている。したがって、上記投入口11から投入された樹脂製シート等は、自重により上記ホッパー23内を通過し、上記仕切り板24に形成された開口部25を通って上記処理槽31内に充填される。
【0023】
なお、上記処理槽本体32は、正面側においては、図8に示すように、正面側水平板部36aが上端に折曲形成された正面側垂直固定板36により支持固定され、背面側においては、背面側水平板部37aが上端に折曲形成された背面側垂直固定板37により支持固定されている。なお、この正面側垂直固定板36の正面側には、上記蓋側洗浄液ダクト35と対応する角管状の本体側洗浄液ダクト34が形成されており、また、正面側水平板部36aには、図6に示すように、本体側洗浄液ダクト34と連通する開口36bが形成されている。一方、上記蓋体33の正面には、図6に示すように、上記正面側水平板部36aと同じ長さ幅に成形され該正面側水平板部36a上に載置される蓋側水平板部38aと、この蓋側水平板部38aの基端から略直角に折曲され上記蓋体33の正面に固定されてなる固定板部38bと、上記蓋側水平板部38aの先端から下方に折曲されてなりこの蓋体33を開閉操作する際の把手39が溶接されてなる垂下板部38cとから構成され、側面形状がクランク状に成形された把手固定部材38が溶接されている。そして、この把手固定部材38を構成する蓋側水平板部38aには、図6に示すように、蓋側洗浄液ダクト35と連通する開口38dが形成されており、上記蓋体33が処理槽本体32を閉塞した状態において、この開口38dは上記の開口36bと連通している。なお、正面側水平板部36aの上面及び蓋側水平板部38aそれぞれの下面には、蓋体33が処理槽本体32を閉塞した状態において処理槽31内及び開口36b,38d内の洗浄液及び洗浄液が外部に漏れることを防ぐパッキンとして図示しない不織布が貼付されている。また、この把手固定部材38を構成する垂下板部38cの左右には、係止部(符号は省略する。)が固定され、上記正面側垂直固定板36には、この係止部に係止される係止片を有して上記蓋体33と処理槽本体32とをロックするロック用金具40が左右それぞれ配設されている。また、図3に示すように、上記背面側垂直固定板29の上端に形成された背面側水平板部37aの左右両側には、処理槽本体32と蓋体33とを回動可能に連結する蝶番41が固定されている。したがって、ロック用金具40によるロック状態を解除し、図4に示す状態から、作業者が上記把手39を把持しながら蓋体33を上方に持ち上げることにより、該蓋体33は、上記左右の蝶番41を介して回動し、こうした操作により処理槽本体32は、図6に示すように、開放される。また、上記ロック用金具40の左側のものの近傍には、リミットスイッチ40aが固定されている。このリミットスイッチ40aは、蓋体33が閉塞しているか否かを判別する検知手段であって、上記制御板15と電気的に接続されており、危険防止の為に上記蓋体33の開放時に駆動モータ21が作動することを防ぎ、或いは、該駆動モータ21が作動中に上記蓋体33を開放した場合に該駆動モータ21を緊急停止するためのものである。
【0024】
また、図4及び図6に示すように、上記把手固定部材38を構成する垂下板部38cの略中央には、パイプ支持金具42が固定され、このパイプ支持金具42上には、洗浄液が流通するパイプ43が配管されている。そして、このパイプ43は4つの端部に分岐しており、それぞれの端部は、蓋体33に形成された図示しない挿通孔に挿通されているとともに、図7又は図8に示すように、蓋体33の内側に臨む第1乃至第4の噴霧ノズル44・・・47が固定されている。これら第1乃至第4の噴霧ノズル44・・・47は、それぞれ処理槽31の左側(投入口11側)から右側に順に固定されている。そして、上記パイプ43の中途部であって上記第1乃至第4の噴霧ノズル44・・・47それぞれの近傍には、該第1乃至第4の噴霧ノズル44・・・47から噴霧される洗浄液の噴霧量を調節する調節用摘み48・・・51が形成されている。また、上記パイプ43には、該パイプ43に洗浄液を供給する給液ホース52の一端が固定され、この給液ホース52の他端側は、図6に示すように、上記仕切り板24に形成された図示しない貫通孔に挿通されるとともに、図5に示すように、左側板3aに固定された給液金具53に接続されている。なお、この給液金具53は、図示しないホースを介して上水道や洗浄液のタンクと接続されるものであり、水量調節用のコック53aが形成されている。したがって、このコック53aを回動操作することにより、洗浄液は、図示しないホース及び図4に示す給液ホース52を介してパイプ43内に供給され、図7又は図8に示す第1乃至第4の噴霧ノズル44・・・47の何れか又は全てから処理槽31内に噴霧される。
【0025】
また、上記処理槽本体32を構成する半円筒状に成形された底板部32aには、図9に示すように、多数の円形状の排出口32dが穿設されている。これらの排出口32dは、後述する第1乃至第4の回転羽根57・・・60の回転により破砕及び洗浄された異物と、上記第1乃至第4の噴霧ノズル44・・・47から噴霧された洗浄液とが排出される部位である。なお、上記処理槽本体32の下側には、図1に示すように、上記排出口32d及び本体側洗浄液ダクト34から排出された異物及び洗浄液が収容されるトレー54が配設されている。また、上記蓋体33の内周には、図6及び図11に示すように、第1乃至第6のガイドリブ61・・・66が取り付けられている。これら第1乃至第6のガイドリブ61・・・66は、後述する第1乃至第4の回転羽根57・・・60及び第1乃至第4の送風羽根86・・・89の回転によって投入口11より吸入される上記処理槽31内の空気が左側から右側にガイドされるように、図10に示すようにそれぞれの背面側端部よりも正面側端部が右側に位置してやや傾斜されている。なお、これら第1乃至第6のガイドリブ61・・・66の内、第1乃至第4のガイドリブ61・・・64は、蓋体33にそれぞれ4箇所でボルト61a・・・64aにより着脱可能に固定されており、第5及び第6のガイドリブ65,66は、蓋体33の後述する排出孔35aが形成された箇所に対して溶接により固定されている。そして、第1の噴霧ノズル44と第2の噴霧ノズル45の間に第1のガイドリブ61が位置しており、第2の噴霧ノズル45と第3の噴霧ノズル46の間に第2のガイドリブ62が位置しており、第3の噴霧ノズル46と第4の噴霧ノズル47の間に第3のガイドリブ63が位置しており、また、第4の噴霧ノズル47の右側に第4のガイドリブ64が位置している。また、第1乃至第4のガイドリブ61・・・64の蓋体33の内周面と対向する上端部には、図7に示すように、それぞれ小径の切欠き部61b・・・64bが形成されている。これは、第1乃至第4の回転羽根57・・・60の回転動作により蓋体33の内周面であって各第1乃至第4のガイドリブ61・・・64間に滞留した洗浄液を、上記処理槽31内の空気の流れによって図10中右側に流通させ、後述する排出孔35a内に流入させるものである。また、これら第1乃至第4のガイドリブ61・・・64の上記回転軸72と対向する内周端は、図7に示すように、のこぎりの刃状に凹凸が連続する切断刃61c・・・64cが形成されている。これらの切断刃61c・・・64cは、処理槽31内の樹脂製シート等をより効果的により小さく切断するものであり、これによって上記回転軸72に樹脂製シート等が絡まる危険性をより効果的に防ぐことができる。
【0026】
また、こうした第1乃至第6のガイドリブ61・・・66が取り付けられた上記蓋体33の右側には、処理槽31内において破砕(切断)及び洗浄された図示しない樹脂製シート等が排出される排出路69の基端が固定されている。この排出路69の基端は、図8に示すように、上記処理槽31と連通してなるものであり、先端は、正面側に突出しており、前記正面側開閉扉5が閉塞されることにより、図2に示すように、該正面側開閉扉5に形成された排出管部7の基端側に挿入されて連通されるように構成されている。なお、この排出路69の後方及び上方には、図11に示すように多数の円形状の排出孔69aが穿設されている。このため、この処理槽31内より排出される樹脂製シート等が空気の流れによって排出路69内を通る際に、これらの樹脂製シート等に付着した洗浄液がこれらの排出孔69aより筐体3内に効果的に分離(乾燥)され、排出される樹脂製シート等のよりリサイクルに適した状態に脱水をすることができる。同様に、蓋体33の内周面上であって、この蓋体33の外周に形成される蓋側洗浄液ダクト35に対応する箇所にも、多数の排出孔35aが形成されており、上記排出孔69aと同様に樹脂製シート等に付着した洗浄液を効果的に分離(乾燥)することができ、排出される樹脂製シート等のよりリサイクルに適した状態に脱水することができる。なお、この排出孔69aから飛散した洗浄液は、上記蓋側洗浄液ダクト35内を通り、把手固定部材38の開口38d及び正面側垂直固定板36の開口36bを介して本体側洗浄液ダクト34を通り、トレー54内に収容される。
【0027】
そして、上述のように構成された処理槽31内には、図4に示すように、前記駆動モータ21の出力軸21aに連結部材71を介して連結された回転軸72が水平方向に配設されている。この回転軸72は、左側中途部が前記垂直板部27の左側面に固定された一方の軸受73に回転自在に支持され、右側は、前記第1の右側半円板部32cに固定された他方の軸受74に回転自在に支持されてなるとともに、左側中途部は、上記垂直板部27に形成された図示しない開口に挿通されている。なお、この洗浄装置1では、上記垂直板部27の上端(第2の傾斜底板部23dの下端)から上記回転軸72までの長さはやや離間しており、後述する第1乃至第4の回転羽根81・・・84が水平とされた状態において、上記第2の傾斜底板部23dの下端から該第1乃至第4の回転羽根81・・・84までの落差が大きくなるように構成されている。そして、この回転軸72には、上記処理槽31内において、図4及び図7に示すように、回転駆動する第1乃至第4の回転羽根81・・・84の基端が固定されてなるとともに、図8に示すように、第1乃至第4の送風羽根86・・・89の基端が固定されている。
【0028】
そして、上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84は、図7に示すように、上記回転軸72の回転方向に90度ずつ等間隔にそれぞれボルト(符号は省略する。)により固定されてなるものであり、本実施の形態においては、それぞれ回転軸72から先端までの長さ(幅)は同一とされている。また、これら第1乃至第4の回転羽根81・・・84の先端(処理槽31の内周面側)には、図7に示すように、該第1乃至第4の回転羽根81・・・84の長さと略同じ長さに成形された細長い長方形状の先端側破砕刃91・・・94が着脱可能に固定されている。この先端側破砕刃91・・・94は、一側が上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84の先端よりも処理槽31の内周側に突出してなるものであり、先端側固定板96・・・99と第1乃至第4の回転羽根81・・・84とに挟まれた状態でボルト(符号は省略する。)により着脱可能に固定されている。これらの先端側破砕刃91・・・94は、合成樹脂により成形されたものであり、上記ボルトが挿入され幅方向に長さを有する長孔91a・・・94aが、それぞれ一端側から他端側に亘って4つ並んで形成されており、先端が上記処理槽31の内周(底板部32a及び第1乃至第6のガイドリブ61・・・66)に近接した状態で固定されている。また、上記第1乃至第4の送風羽根86・・・89は、図8に示すように、それぞれ同一形状に成形されてなるものであり、上記回転軸72の他端側(排出路69側)にてボルト(符号は省略する。)により固定されている。なお、これら第1乃至第4の送風羽根86・・・89は、図10に示すように、上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84に同一平面状に並んでそれぞれ固定されている。また、上記第1乃至第4の送風羽根86・・・89の先端には、先端が上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84の先端に固定された先端側破砕刃91・・・94先端よりも処理槽31の内周面に近接して固定された送風板101・・・104がボルト(符号は省略する。)により着脱可能に固定されている。そして、これらの送風板101・・・104には、上記ボルトが挿通される長孔101a・・・104aが2つ並んで形成され、それぞれ上記回転軸72方向から処理槽31の内周面側に突出する長さが調節可能とされている。
【0029】
また、上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84は、図10に示すように、該第1乃至第4の回転羽根81・・・84の一端(仕切板24側)にボルト(符号は省略する。)を介して着脱可能に固定されてなるとともに該第1乃至第4の回転羽根81・・・84の幅と略同じ長さに成形された細長い長方形状のブレード111・・・114を備えている。これらのブレード111・・・114は、鉄又はステンレススチールのような金属により成形されてなるものであり、上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84に上記ボルトにより固定された固定板部111a・・・114aと、この固定板部111a・・・114aから折曲部(符号は省略する。)を介して折曲された傾斜板部111b・・・114bとから構成され、この傾斜板部111b・・・114bの端面(上記垂直板部27側)は、先鋭状とされている。この傾斜板部111b・・・114bは、それぞれ上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84が、図13に示す第4の回転羽根84のように、第2の傾斜底板部23dにガイドされて下ってきた樹脂製シート等を受ける受け面(符号は省略する。)が水平状態とされた場合、この受け面よりも上方に位置する該傾斜底板部23dの端部に徐々に接近するように傾斜されてなるものであり、本実施の形態においては、第1乃至第4の回転羽根81・・・84と該傾斜底板部23dの傾斜角度と同じ傾斜角度とされている。すなわち、上記各ブレード111・・・114には、第1乃至第4の回転羽根81・・・84の回転方向に傾斜した傾斜板部111b・・・114bが形成されている。また、これらのブレード111・・・114を構成する各傾斜板部111b・・・114bの先端面であって上記回転軸72側は、該傾斜板部111b・・・114bの長さ方向に長さを有する切欠き部(符号は省略する。)が形成され、これらの切欠き部には、固定金具115を介して円板状の絡み防止部材116が固定されている。この絡み防止部材116の中心は、上記回転軸72の中心と同一とされてなるとともに、肉厚は上記各切欠き部の幅と同一とされている。すなわち、上記ブレード111・・・114を構成する傾斜板部111b・・・114bの傾斜板23d側端面と上記絡み防止部材116の外側面(前記垂直板部27に対向する面)とは面一とされている。また、この絡み防止部材116を上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84に固定する各固定金具115は、ボルト(符号は省略する。)により該第1乃至第4の回転羽根81・・・84に固定されてなるとともに、上記各ブレード111・・・114には溶接されている。また、この絡み防止部材116の半径は、図7に示すように、回転軸72から上記第2の傾斜底板部23dと垂直板部27との境までの距離と同じかやや短いものとされている。また、この実施の形態に係る洗浄装置1においては、図8及び図10に示すように、上記回転軸72には、第2の絡み防止部材117が固定されている。この第2の絡み防止部材117は、上記回転軸72の中心と同じ中心を有してなる円板状に成形されてなるものであり、上記第1乃至第4の送風羽根86・・・89の基端側側面にも固定されている。
【0030】
したがって、上述した実施の形態に係る洗浄装置1では、図5に示す始動スイッチ17をオン操作すると、図4に示す駆動モータ21の駆動が開始され、これに伴い上記処理槽31内に設けられた第1乃至第4の回転羽根81・・・84及び第1乃至第4の送風羽根86・・・89が、回転駆動する。また、給液金具53に図示しないホースを介して上水道や洗浄液のタンクと接続し上記コック53aを開き、更に第1乃至第4の噴霧ノズル44・・・47を回動操作すると、処理槽31内に洗浄液が噴霧される。この状態において、この洗浄装置1の投入口11から、異物により汚染された樹脂製シート等として、例えば飲み残しのジュースや土砂等の異物が付着して汚染されたごみ袋やビニールシート等のビニール類を、このごみ袋内に入った空き缶のプルトップやビニールシートに付着し或いは入り込んだ土等の異物とともに投入する。これら投入された異物により汚染されたビニール類と、空き缶のプルトップや土等の異物は、ともに第1の傾斜底板部23b上及び第2の傾斜底板部23d上を滑って、上記仕切り板24の下方に形成された開口部25から処理槽31内に充填される。このとき、上記ビニール類及び異物は、上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84を構成するブレード111・・・114の傾斜板部111b・・・114bにより、該ブレード111・・・114近傍の空気は処理槽31側に送られ、こうした空気の流れによって、上記異物が付着して汚染されたごみ袋やビニールシート等のビニール類は処理槽の他端側に移動されるとともに、該ブレード111・・・114を構成する傾斜板部111b・・・114bの先端や第1乃至第4のガイドリブ61・・・64の切断刃61c・・・64cの当接乃至は衝突により、切断乃至は破砕されながらビニール類と内部の異物とが分離される。この際、空き缶のプルトップや土等の異物は、先端側破砕刃91・・・94及びガイドリブ61・・・64により排出孔26bを通ることができる程度の大きさまで破砕され、この破砕された細かい破砕物は、上記排出孔26bから排出され、上記トレー54内に収容される。また、上記異物と分離されたごみ袋やビニールシート等のビニール類は、上記傾斜板部111b・・・114b及び第1乃至第4の送風羽根86・・・89の回転駆動による風圧と、上記蓋体33の内周に固定された第1乃至第6のガイドリブ61・・・66により、上記排出路69内に流入し、さらに前記正面側開閉扉5に形成された排出管部7内を通過して外部に排出される。そして、このビニール類に付着したジュースや土砂等の異物は、処理槽31内において、第1乃至第4の噴霧ノズル44・・・47から噴霧される洗浄液によって、洗浄される。この洗浄液による洗浄は、特に上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84(及び先端側破砕刃91・・・94)及び第1乃至第6のガイドリブ61・・・66との当接乃至は衝突することによって、より効果的に洗浄される。また、洗浄により洗浄液が付着したビニール類は、処理槽31内を他端側に移動するにつれて、上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84(及び先端側破砕刃91・・・94)と処理槽31の内周面との当接乃至は衝突によって、異物を含んだ洗浄液とビニール類とは分離される。すなわち、ビニール類から分離した洗浄液は、開口38d及び排出孔69aより処理槽31の外部に飛び散り、或いは、排出口32d及び蓋側洗浄液ダクト35と本体側洗浄液ダクト34を介してトレー54内に集められ、ビニール類は洗浄液が取り除かれて、いわば脱水された状態とされ、排出路69、排出管部7を介して外部に取り出される。なお、この実施の形態に係る洗浄装置1では、ホッパー23を構成する底板部23aは、上記投入口11を形成する要素とされた第1の傾斜底板部23bと、垂下板部23cと、第2の傾斜底板部23dとから構成されていることから、処理槽31内に充填され第1乃至第4の回転羽根81・・・84に衝突した際に飛散したビニール類及び異物は、上記垂下板部23cに当接することとなるので、上記投入口11まで逆流することを有効に防止することができる。このように、この洗浄装置1によれば、異物により汚染されたビニール類を異物とともに投入することにより、ビニール類と異物とを分別及び破砕し、また、ビニール類を汚染する異物を該ビニール類より洗浄し、適当な大きさに破砕されるとともに、洗浄液が付着せず資源ごみとしてリサイクルに適したビニール類を得ることができる。
【0031】
このように、上記実施の形態に係る洗浄装置1によれば、上記回転駆動するブレード111・・・114の傾斜板部111b・・・114bにより、該ブレード111・・・114近傍の空気は処理槽31側に送られ、こうした空気の流れによって、上記異物が付着して汚染されたごみ袋やビニールシート等のビニール類は処理槽31の排出管部7側に移動され、垂直板部27と該傾斜板部111b・・・114bとの間に形成された隙間に移動する危険性を有効に防止することができる。したがって、上記ビニール類等が、上記回転軸72に絡まることを防止することができる。さらに、上記ビニール等が長尺である場合には、上記傾斜板部111b・・・114bの先端により切断されることから、より回転軸72に絡まることを防止することができる。またさらに、この洗浄装置1では、上記ブレード111・・・114に、絡み防止部材116が固定されていることから、一旦処理槽31内に充填されたビニール等が、上記第1乃至第4の回転羽根81・・・84の回転駆動による空気の乱流により、該第1乃至第4の回転羽根81・・・84の基端側から逆流した場合であっても、この絡み防止部材116に遮蔽されることから、より一層空気の逆流を原因とした回転軸72に対するビニール類の絡み付きを防止することができる。しかも、上記絡み防止部材116の外側面(垂直板部27に対向する面)は、上記ブレード111・・・114の端面と面一とされており、段差が形成されていないことから、より確実にビニール等が回転軸72に絡みつくことを防止することができる。また、この洗浄装置1では、上記先端側破砕刃91・・・94及び各ブレード111・・・114は、第1乃至第4の回転羽根81・・・84に対して着脱可能に固定されていることから、長期間の使用により磨耗し変形し或いは割れた場合であっても、簡単に交換することが可能であり、メンテナンスが極めて簡単となる。さらにまた、この洗浄装置1では、上記第2の絡み防止部材117が固定されていることから、処理槽31内で破砕されたビニール類は、この第2の絡み防止部材117により遮蔽され、回転軸72に絡みつくことがない。
【0032】
なお、上記実施の形態に係る洗浄装置1では、第1乃至第4の回転羽根81・・・84にブレード111・・・114を着脱可能に固定し、これらのブレード111・・・114に傾斜板部111b・・・114bを形成したが、本発明は、このように、第1乃至第4の回転羽根81・・・84とブレード111・・・114とを別体とすることなく、該第1乃至第4の回転羽根81・・・84の各端部を回転方向に傾斜させたものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係る樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置の正面図である。
【図2】図1に示す樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置を構成する排出管部を一部破断して示す右側面図である。
【図3】背面側開閉扉を取り外した状態における樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置の背面図である。
【図4】正面側開閉扉及び正面カバーを取り外した状態における樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置の正面図である。
【図5】樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置を左側面から示す斜視図である。
【図6】蓋体を開放した状態を示す樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置の斜視図である。
【図7】処理槽の内部構造の左側の要部を示す右側断面図である。
【図8】処理槽の内部構造の右側の要部を示す右側断面図である。
【図9】処理槽を構成する処理槽本体の構成を示す正面図である。
【図10】処理槽内部の構成を示す正面図である。
【図11】処理槽の蓋部の内周面を示す正面図である。
【図12】処理槽の内部構造の要部を示す斜視図である。
【図13】処理槽の内部構造の要部を示すものであって、回転羽根が水平とされた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 洗浄装置
11 投入口
21 駆動モータ
23 ホッパー
23b 第1の傾斜底板部
23d 第2の傾斜底板部
25 開口部
27 垂直板部
31 処理槽
32d 排出口
35a 排出孔
44・・・47 第1乃至第4の噴霧ノズル
61・・・66 第1乃至第6のガイドリブ
61a・・・64a ボルト
61b・・・64b 切欠き部
61c・・・64c 切断刃
69 排出路
69a 排出孔
72 回転軸
81・・・84 第1乃至第4の回転羽根
111・・・114 ブレード
111b・・・114b 傾斜板部
116 絡み防止部材
117 (第2の)絡み防止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異物により汚染された樹脂製シート又は樹脂製包装材が投入される投入口と、該投入口から投入された樹脂製シート又は樹脂製包装材が滑る傾斜板と、を有するホッパーと、
水平方向に長さを有するように配設され、一端側には上記ホッパーと連通した開口が形成されてなるとともに、内部において上記汚染された樹脂製シート又は樹脂製包装材を洗浄する円筒状の処理槽と、
上記処理槽内に配設され、駆動装置により回転動作する回転軸と、
基端が上記回転軸に固定され、先端が上記処理槽の内周面側に位置するとともに、該処理槽の長さ方向と同じ方向に長さを有する複数の回転羽根と、
上記処理槽内に洗浄液を噴射する噴射ノズルと、
上記処理槽に形成され、上記異物が洗浄液とともに排出される排出口と、
上記処理槽の他端側に形成され、洗浄後の樹脂製シート又は樹脂製包装材が排出される排出路と、を備え、
上記傾斜板の処理槽側端部は、上記複数の回転羽根が水平とされた状態において、該回転羽根の上面よりも上方に位置してなるとともに、上記複数の回転羽根の傾斜板側端部は、回転方向に傾斜してなることを特徴とする樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置。
【請求項2】
異物により汚染された樹脂製シート又は樹脂製包装材が投入される投入口と、該投入口から投入された樹脂製シート又は樹脂製包装材が滑る傾斜板と、を有するホッパーと、
水平方向に長さを有するように配設され、一端側には上記ホッパーと連通した開口が形成されてなるとともに、内部において上記汚染された樹脂製シート又は樹脂製包装材を洗浄する円筒状の処理槽と、
上記処理槽内に配設され、駆動装置により回転動作する回転軸と、
基端が上記回転軸に固定され、先端が上記処理槽の内周面側に位置するとともに、該処理槽の長さ方向と同じ方向に長さを有する複数の回転羽根と、
上記処理槽内に洗浄液を噴射する噴射ノズルと、
上記処理槽に形成され、上記異物が洗浄液とともに排出される排出口と、
上記処理槽の他端側に形成され、洗浄後の樹脂製シート又は樹脂製包装材が排出される排出路と、を備え、
上記傾斜板の処理槽側端部は、上記複数の回転羽根が水平とされた状態において、該回転羽根の上面よりも上方に位置してなる一方、
上記複数の回転羽根は、それぞれ平板状に成形された羽根本体と、基端は上記羽根本体のホッパー側端部に着脱可能に固定され先端側には該羽根本体の回転方向に傾斜した傾斜部が形成されたブレードが固定されてなることを特徴とする樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置。
【請求項3】
前記回転羽根の傾斜板側端部又は前記ブレードを構成する傾斜部の先端は、先鋭状とされてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置。
【請求項4】
前記ホッパーを構成する傾斜板の処理槽側端部には、前記回転軸が挿通された開口が形成されてなる垂直板が連続してなるとともに、前記各回転羽根の傾斜板側端部又は前記ブレードを構成する傾斜部の傾斜板側端部には、それぞれ切欠き部が形成され、この切欠き部には、上記垂直板に対向するとともに該垂直板との対向面は、上記各回転羽根の傾斜板側端部又はブレードを構成する傾斜部の傾斜板側端面と面一とされた円板状の絡み防止部材が固定され、この絡み防止部材の半径は、上記回転軸から傾斜板の処理槽側端部までの長さと同じか或いは短いものとされてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載の何れかの樹脂製シート又は樹脂製包装材の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−82457(P2006−82457A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270844(P2004−270844)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(502161391)株式会社カネミヤ (7)
【Fターム(参考)】