説明

機器の簡易認証方式

【課題】 正式な認証の運用開始までのつなぎや保持メモリサイズに制限のあるパーソナル機器に適した機器の簡易認証方式を提供する。
【解決手段】 機器の電源ON時、または立ち上げ中、または立ち上がった後に、機器が認証設定されているかどうか判断し、認証未設定の場合にその旨操作表示部8を介して通知するようシステム制御部1で制御する機器の簡易認証方式。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの各種機器の簡易認証方式に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル機器やビジネス機器を利用者に提供するまでに、機器を組み立てた後に動作確認を行ったり、またビジネス機器では設置した時に使用者に操作説明を行うことが一般的である。当然その際は機器の起動(電源ON)が伴う。パーソナル機器の場合も同様である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで各種機器においては不正使用されないように様様な認証が行われている。しかし、機器の設置後に自身で目的に従ったネットワーク認証などの設定(無線以外の場合には物理的な接続も必要)を行うまでセキュリティの未設定の状態である。設置時に最終設定まで行えばいいが、早期の立ち上げは難しいという現実がある。
本発明は、正式な認証の運用開始までのつなぎや保持メモリサイズに制限のあるパーソナル機器に適した機器の簡易認証方式を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、機器の電源ON時、または立ち上げ中、または立ち上がった後において前記機器が認証設定されているか否かを判断する認証判断手段と、前記判断が認証未設定の場合にその旨を通知する通知手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、更に簡易認証を行なうか否かを判断する簡易認証判断手段と、簡易認証する場合には、一定時間特別な簡易パスワードを表示する文字列表示手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記簡易認証を行なった場合に、次回の電源ON時に前記簡易パスワードを入力する入力手段と、前期保持内容と比較する比較手段と、一致した場合のみ以後の操作を有効とする操作有効手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3において使用した簡易パスワードを1回のみ有効とし、入力したパスワードが保持しているパスワードに一致した後、次回のパスワードを一定時間表示する一定時間表示手段を備えたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3において使用した簡易パスワードを恒久的に有効とし、次回も利用可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、認証の運用開始までのつなぎや保持メモリサイズに制限のあるパーソナル機器に適した簡易認証を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は簡易認証が行われる機器としてのファクシミリ装置の機能ブロック図である。
システム制御部1は、各部の制御処理及びファクシミリ電送制御を行う。システムメモリ2は、システム制御部1がプログラムを実行するときに必要なデータを記憶したり、ワークエリアとして利用する。システム制御上必要なパラメータやユーザ操作などで得られるデータを登録する。
スキャナ3は所定の解像度で原稿を読み取る。プロッタ4は、所定の解像度で画像またはリスト、レポート類を印刷する。接続制御部5は、公衆回線網に接続する制御部、ISDN回線網に接続する制御部、メールやIPファクスに接続する制御部を総称する。
画像メモリ6は、必要に応じて送信画像や受信画像を記憶しておくためのものである。符号化復号化部7は、生画像を定められた符号に圧縮したり、符号化された画像を元の生画像に伸長するものである。操作表示部8は、通信操作や登録操作を行うもので、各種のキーや表示器から構成される。
図2(1)〜(3)は操作表示部の表示例を示す図である。その内容に付いては以下のフローの説明中で述べる。
【0007】
図3は本発明の簡易認証方式における第1の制御例を示すフローチャートである。認証機能を有する機器(本実施形態ではファクシミリ装置)の場合、設置時(S1)(厳密には設置時でなくても機器の認証がなされていない場合)に、その状態を判断し(S2)、認証が行われている場合は通常操作へ移行する(S4)。認証が未設定の場合、その旨を一定時間、操作表示部8で通知し(S3)通常操作へ移行する(S4)。
通知は例えば図2の(1)に示すように行う。なお、一定時間通知としたがキー操作で抜けてもいいし、音声や印刷で通知しても構わない。また通常操作に際しては、図2の(2)に示すような表示を行う。
図4は本発明の簡易認証方式における第2の制御例を示すフローチャートである。認証機能を有する機器(本実施形態ではファクシミリ装置)の場合、設置時(S1)(厳密には設置時でなくても機器の認証がなされていない場合)に、その状態を判断し(S2)、認証が行われている場合は通常操作へ移行する(S6)。
認証が未設定の場合、その旨を一定時間、操作表示部8で通知すると共に(S3)、簡易認証を行うか操作表示部8で問い合わせる(S4)。簡易認証しない場合は通常操作へ移行する(S6)。簡易認証する場合は更に一定時間、操作表示部8でパスワードを通知する(S5)。その後通常操作へ移行する(S6)。
ここでパスワード通知は例えば図2の(2)に示すように行う。また一定時間通知としたがキー操作で抜けてもいい(操作例ではそうなっている)し、音声や印刷で通知視しても構わない。簡易認証選択時はその結果と通知するパスワードはシステムメモリ2に保持するものとする。
【0008】
図5は本発明の簡易認証方式における第3の制御例を示すフローチャートである。パスワードを通知した後における機器の立ち上がりの場合(S1)、まず簡易認証中か判断し(S2)、簡易認証中の場合、認証操作を行う必要がある。ここで操作者は前回表示されたパスワードを操作表示部8で入力すればよい(S3)。
その内容とシステムメモリ2に保持した内容を比較し(S4)、一致しない場合は再度入力を行う。一致すれば通常操作へ移行する(S5)。何度も入力を誤った場合は電源を落とすとか、キーをロック状態にするなどしても構わない。また簡易認証しない場合は通常操作へ移行するように省略しているが、図4に示すように再度簡易認証するか判断してもよい。
図6は本発明の簡易認証方式における第4の制御例を示すフローチャートである。パスワードを通知した後における機器の立ち上がりの場合(S1)、まず簡易認証中か判断し(S2)、簡易認証中の場合認証操作を行う必要がある。ここで操作者は前回表示されたパスワードを入力すればよい(S3)。
その内容とシステムメモリ2に保持した内容を比較し(S4)、一致しない場合は再度入力を行う。一致した場合に次回のパスワードを操作表示部8に表示し(S5)、通常操作へ移行する(S6)。何度も入力を誤った場合は電源を落とすとか、キーをロック状態にするなどしても構わない。また簡易認証しない場合は通常操作へ移行するように省略しているが、図4に示すように再度簡易認証するか判断してもよい。
ここで利用するパスワードであるが、同一機種で同一なものにすると記憶ミスなど回避することができるが、場合によって問題が起きることが考えられる。そこで簡易パスワードとはいえ現在時刻やシステム上における特定の位置のデータを元にするなど、特定のアルゴリズムで毎回異なるものが生成されるように構成してもよい。
【0009】
図7は本発明の簡易認証方式における第5の制御例を示すフローチャートである。パスワードを通知した後における機器の立ち上がりの場合(S1)、まず簡易認証中か判断し(S2)、簡易認証中の場合認証操作を行う必要がある。ここで操作者は前回表示されたパスワードを入力すればよい(S3)。
その内容とシステムメモリ2に保持した内容を比較し(S4)、一致しない場合は再度入力を行う。一致した場合に次回も利用するか操作表示部8で選択させる(S5)。利用しない場合、次回のパスワードを操作表示部8に表示し(S6)、通常操作へ移行する(S7)。
その他として、簡易認証後に、機器の持つ正規の認証機能が設定された場合は簡易認証機能をスキップする手段を有してもいいし、簡易パスワード利用と判断した後は、電源ON後だけではなく省エネ復帰時も同様な認証機能を提供できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】簡易認証が行われる機器としてのファクシミリ装置の機能ブロック図である。
【図2】操作表示部の表示例を示す図である。
【図3】本発明の簡易認証方式における第1の制御例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の簡易認証方式における第2の制御例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の簡易認証方式における第3の制御例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の簡易認証方式における第4の制御例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の簡易認証方式における第5の制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0011】
1 システム制御部、2 システムメモリ、3 スキャナ、4 プロッタ、5 接続制御部、6 画像メモリ、7 符号化復号化部、8 操作表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の電源ON時、または立ち上げ中、または立ち上がった後において前記機器が認証設定されているか否かを判断する認証判断手段と、前記判断が認証未設定の場合にその旨を通知する通知手段と、を備えたことを特徴とする機器の簡易認証方式。
【請求項2】
更に簡易認証を行なうか否かを判断する簡易認証判断手段と、簡易認証する場合には、一定時間特別な簡易パスワードを表示する文字列表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の機器の簡易認証方式。
【請求項3】
前記簡易認証を行なった場合に、次回の電源ON時に前記簡易パスワードを入力する入力手段と、前期保持内容と比較する比較手段と、一致した場合のみ以後の操作を有効とする操作有効手段と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の機器の簡易認証方式。
【請求項4】
請求項3において使用した簡易パスワードを1回のみ有効とし、入力したパスワードが保持しているパスワードに一致した後、次回のパスワードを一定時間表示する一定時間表示手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の機器の簡易認証方式。
【請求項5】
請求項3において使用した簡易パスワードを恒久的に有効とし、次回も利用可能としたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の機器の簡易認証方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−34345(P2007−34345A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211976(P2005−211976)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】