説明

機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法、機器管理プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、機器が取得する動作異常の異常情報を有効活用する機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法、機器管理プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】機器管理システム1は、機器管理装置CKが、動作状態の異常を検出して異常情報として収集する複数の機器Ka〜Knに通信網NWを介して接続して、各機器Ka〜Knから該異常情報を取得し、取得した異常情報を所定の分類基準に基づいて分類して不揮発性メモリに保管する。機器管理装置CKは、該不揮発性メモリに分類保管されている異常情報に基づいて所定種類の機器Ka〜Knに共通する共通異常状態の発生を予測し、各機器Ka〜Knに共通異常状態予測情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法、機器管理プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、複合装置、複写装置、プリンタ装置、スキャナ装置等の機器の異常を効果的に管理する機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法、機器管理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からファクシミリ装置、複写装置、複合装置、プリンタ装置、スキャナ装置等の機器においては、その消耗品の保守管理や機器のメンテナンス、機器の故障に対する対応を容易なものとするために、機器と該機器のメーカのサービスセンタ等に設置されている機器管理装置とを有線または無線の通信回線で接続して、機器が異常事象等の通報要因が発生すると、機器管理装置にその通報要因を送信し、機器管理装置側で機器の異常の有無が分かるようにした機器管理技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−296982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、管理対象の機器の異常有無の情報を機器管理装置側に通報するのみであり、該異常有無情報の利用については、考慮されておらず、より効果的な機器管理を行う上で、改良の必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、管理対象の機器についての機器管理情報を有効利用して効果的な機器管理を行う機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法、機器管理プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、動作状態の異常を検出して異常情報として収集する複数の機器に所定の通信網を介して接続して、該各機器から該異常情報を取得し、取得した異常情報を所定の分類基準に基づいて分類して異常情報保管手段に保管して、該異常情報保管手段に分類保管されている異常情報に基づいて所定種類の機器に共通する共通異常状態の発生を予測することを特徴としている。
【0007】
また、本発明は、前記各機器から取得した異常情報を、前記分類基準としての異常種別によって予め設定されている異常レベル基準に基づいて複数段階の異常レベルに分類するとともに、該異常種別毎における該異常種別の異常情報の取得数及び該取得数の異常情報を取得するのに要した取得時間を前記異常情報保管手段に保管し、該各異常レベルにおける該異常種別毎の異常情報の取得数及び取得時間から前記共通異常状態を予測することを特徴としてもよい。
【0008】
さらに、本発明は、前記共通異常状態の発生を予測すると、前記通信網に接続されている前記機器のうち該共通異常状態に関係する全ての機器に、該共通異常状態の発生予測に関する共通異常状態予測情報を送信することを特徴としてもよい。
【0009】
また、この共通異常状態予測情報として、前記共通異常状態に関する前記機器の機能動作を禁止を指示する機能動作禁止情報を含む前記共通異常状態予測情報を送信することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、機器の検出した異常状態を示す異常情報を有効利用して効果的な機器管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0012】
図1〜図4は、本発明の機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法、機器管理プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法、機器管理プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した機器管理システム1のシステム構成図である。
【0013】
図1において、機器管理システム1は、機器管理装置CKと複数の機器Ka〜Knがインターネット等の通信網NWによって接続されており、機器管理装置CKと各機器Ka〜Knとの間で、通信網NWを介して双方向に情報の交換が可能となっている。機器管理システム1は、図2に示すように、ブロック構成されており、図2は、機器Ka〜Knが、複合装置である場合のブロック構成となっているが、機器としては、複合装置に限るものではなく、複写装置、プリンタ装置、ファクシミリ装置、スキャナ装置等の画像形成装置やコンピュータ等の情報機器等の各種機器が含まれる。
【0014】
図2において、機器Ka〜Knは、スキャナ部11、プロッタ部12、CPU(Central Processing Unit )13、SAF(Store And Forward )メモリ14、符号化・復号化部15、操作表示制御部16、通信制御部(CCU)17、NCU(Network Control Unit)18、モデム19、ROM(Read Only Memory)20、RAM(Random Access Memory)21、ネットワークインタフェース制御部22及び異常管理部23等を備えており、上記主要各部は、バス24に接続されている。
【0015】
ROM20には、機器Ka〜Knの基本処理プログラムや後述する機器管理処理プログラム及びこれらの各プログラムを実行するのに必要な各種データやシステムデータ等が格納されており、RAM21は、CPU13のワークメモリとして使用される。
【0016】
CPU13は、ROM20内のプログラムに基づいてRAM21をワークメモリとして使用しつつ、機器Ka〜Knの各部を制御し、機器Ka〜Knとしての基本処理や異常情報(管理情報)を取得する異常情報取得処理を行う。
【0017】
スキャナ部11は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を利用したイメージスキャナが利用され、CPU13の制御下で動作して、原稿を走査して原稿の画像を所定の解像度で読み取る。
【0018】
プロッタ部12は、例えば、電子写真式記録装置等が使用されており、機器Ka〜Knのファクシミリ機能で受信した画像データやスキャナ部11が読み取った原稿の画像データ及びネットワークインタフェース制御部22から受信したデータに基づいて画像を用紙に記録出力する。
【0019】
符号化・復号化部15は、画像データの図示しない画像メモリへの蓄積の効率化及び伝送時間の短縮化を図るためのものであり、所定の符号化方式に従って画像データを符号化し、また、符号化された画像データを復号化する。
【0020】
操作表示制御部16には、図示しない操作表示部が接続され、操作表示部は、テンキーやスタートキー等の各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。操作表示制御部16は、操作表示部の操作キーで入力された操作内容をCPU13に通知し、CPU13からの表示データを操作表示部のディスプレイに表示出力させる。特に、操作表示部には、後述する機器管理処理で必要な各種情報を表示する。
【0021】
通信制御部17には、NCU18とモデム19が接続されており、NCU18には、回線L、例えば、公衆電話回線あるいは専用回線が接続されている。NCU18は、回線Lからの発呼に対して自動着呼し、また、回線への自動発呼処理を行う。モデム19は、送信信号の変調及び受信信号の復調を行い、通信制御部17は、相手ファクシミリ装置との間でファクシミリ制御信号を交換して、ファクシミリ通信手順を実行する。
【0022】
ネットワークインタフェース制御部22には、上記機器管理装置CKの接続されている通信網NWが接続され、ネットワークインタフェース制御部22は、CPU13の制御下で、通信網NWを介して接続されている機器管理装置CK等との端末との間で各種情報の授受を行う。
【0023】
異常管理部23は、CPU13の制御下で動作して、機器Ka〜Knの状態を監視し、機器Ka〜Knの動作状態情報、異常状態情報、異常状態時間(異常発生日時、継続時間等)等の管理情報を取得して、該動作状態を内部メモリまたはSAF14等を管理情報保管メモリとして該管理情報保管メモリに保管する。異常管理部23は、異常情報取得タイミング等の所定タイミングに、該管理情報を保管メモリから読み出してネットワークインタフェース制御部22から通信網NWを介して機器管理装置CKに送信する。
【0024】
機器管理装置CKは、コンピュータ等が用いられており、ネットワークインタフェース制御部31、CPU32、ROM33、RAM34及び異常情報管理部35等を備えていて、各部は、バス36により接続されている。
【0025】
ネットワークインタフェース制御部(通信手段)31には、機器Ka〜Knの接続されている通信網NWが接続され、ネットワークインタフェース制御部31は、CPU32の制御下で、通信網NWを介して接続されている機器Ka〜Kn等との端末との間で各種情報の授受を行う。
【0026】
ROM33には、機器管理装置CKの基本処理プログラムや後述する機器管理プログラム及びこれらの各プログラムを実行するのに必要な各種データやシステムデータ等が格納されており、RAM34は、CPU32のワークメモリとして使用される。
【0027】
CPU32は、ROM33内のプログラムに基づいてRAM34をワークメモリとして使用しつつ、機器管理装置CKの各部を制御し、機器管理装置CKとしての基本処理や機器管理処理を行う。
【0028】
すなわち、機器管理装置CKは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の機器管理方法を実行する機器管理プログラムを読み込んでROM33や図示しないハードディスク等に導入することで、後述する機器管理方法を実行する機器管理装置CKとして構築されている。この機器管理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0029】
異常情報管理部(異常情報取得手段、保管管理手段、異常状態予測手段、異常状態管理手段)35は、SRAM(Static RAM )等の不揮発性メモリ(異常情報保管手段)を内蔵している。異常情報管理部35は、CPU32の制御下で動作して、各機器Ka〜Knから受け取った機器管理情報を該不揮発性メモリに保管し、該機器管理情報に基づいて機器Ka〜Knの管理を行う機器管理処理を実行する。すなわち、異常情報管理部35は、ネットワークインタフェース制御部31を介して各機器Ka〜Knから異常情報を取得して、各機器Ka〜Knから取得した異常情報を所定の分類基準に基づいて分類して不揮発性メモリに保管し、不揮発性メモリに分類保管されている異常情報に基づいて所定種類の機器Ka〜Knに共通する共通異常状態の発生を予測する。さらに、異常情報管理部35は、発生を予測した該共通異常状態に関する機器Ka〜Knの機能動作を禁止を指示する機能動作禁止情報を含む共通異常状態予測情報を送信する。
【0030】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の機器管理装置CKは、異常情報の取得機能を有する機器Ka〜Knから機器管理装置CKが該異常情報を取得し、該異常情報に基づいて機器Ka〜Knの異常レベル毎に共通異常状態の発生予測を行って、該共通異常状態の発生予測に基づいた機器管理を行う。
【0031】
機器Ka〜Knは、スキャナ部11を使用した原稿画像の読み取り動作、プロッタ部12を使用した画像データの用紙への記録出力動作、通信制御部17、NCU18及びモデム19を使用した画像データのファクシミリ送信やファクシミリ受信を行うファクシミリ通信動作、ネットワークインタフェース制御部22を使用した通信網NWに接続されている他の機器Ka〜Knとの間での画像データの送受信動作等の各種動作処理を行い、異常管理部23が、この各種動作処理における動作状態を該動作状態の発生時間等の管理時間とともに異常情報として取得して、該異常情報を管理情報保管メモリに保管する。特に、異常管理部23は、機器Ka〜Knに、プロッタ部12における用紙ジャム、画像形成材料の残量無し、画像形成機構の劣化、画像形成不良等の画像形成異常、スキャナ部11における原稿ジャム、光源劣化、CCD(Charge Coupled Device )等の光電変換素子の劣化等の読み取り異常、通信制御部17の通信異常等の動作異常が発生すると、該動作異常状態及び異常発生時間や異常継続時間等の異常関連時間を異常情報として取得して管理情報保管メモリに保管する。そして、異常管理部23は、所定タイミング、例えば、異常情報取得タイミングや予め設定された時刻、所定時間間隔、機器管理装置CKからの異常情報の要求等のタイミングに、管理情報保管メモリに保管した異常情報を読み出して、ネットワークインタフェース制御部22を介して機器管理装置CKに送信する。
【0032】
特に、異常管理部23は、図3に示すように、異常が発生すると、該異常情報を取得して管理情報保管メモリに保管し(ステップS101)、該異常情報をネットワークインタフェース制御部22を介して機器管理装置CKに送信する(ステップS102)。
【0033】
機器管理装置CKは、異常情報が送信されてくると、ネットワークインタフェース制御部31により該異常情報を受信し、受信した異常情報をCPU32の制御下で、異常情報管理部35が不揮発性メモリに蓄積する(ステップS201)。機器管理装置CKは、機器Ka〜Knから異常情報が送信されてくる毎に、該異常情報を受信して不揮発メモリに蓄積し、異常情報管理部35が、該異常情報を、例えば、図4に示すように、異常レベルL1〜Ln毎及び異常種類毎に分類して、各異常レベルL1〜Lnに属する異常種類毎に、異常発生数と該異常発生数に達するまでに要した時間(図4では、記載を省略している。)を蓄積する。ここで、異常レベルL1〜Lnは、異常レベルL1が最も異常の重要性のレベルが高く、異常レベルLnが最も異常の重要性のレベルが低く、例えば、人体に影響を及ぼす可能性のある異常であれば、異常の重要性の高いレベルが設定され、ユーザによる部品交換で修復できる程度の異常であれば、低いレベルが設定される。
【0034】
そして、異常情報管理部35は、不揮発性メモリに格納した各機器Ka〜Kn毎の異常情報に基づいて、機器Ka〜Kn毎に、及び、異常レベルL1〜Ln毎に、その異常情報の種類、異常情報の数、該異常情報の数になるまでに要した時間情報等の異常情報から、所定種類の機器Ka〜Knに共通する所定種類の異常状態(共通異常状態)が存在するか否か予測する(ステップS202)。例えば、機器Ka〜Knが、プリンタ装置等の画像形成装置である場合に、所定種類の用紙を使用して印刷したときに発生する異常、一定枚数以上印刷したときに顕著に発生する異常、所定の時間帯で使用している画像形成装置で顕著に発生する異常等に対して、異常情報管理部35が、各々のケースによって対応する機能障害等を特定するような方法で共通異常状態の発生予測を行い、この異常による機能障害に対する危険度や障害内容等から他の機器Ka〜Knにまで影響が及ぶ異常(共通異常)であるかどうか、機能停止を行う必要のある異常であるかどうか等を総合的に判断する(ステップS203)。異常情報管理部35は、該異常が所定種類の機器Ka〜Knに共通する異常(共通異常)でないと判断すると、次の機器Ka〜Knの異常情報について上記同様に、異常情報の受信・蓄積及び異常の全体性についての判断を行う(ステップS201〜S203)。そして、異常情報管理部35は、ステップS203で、該異常が所定種類の機器Ka〜Knに共通する異常(共通異常)であると予測すると、ネットワークインタフェース制御部31を介して管理対象の全ての機器Ka〜Knに対して通信網NWを介して、該異常判断の判断結果(機器停止指示等)を示す共通異常状態予測情報を該所定種類の全ての機器Ka〜Knに送信して通知する。
【0035】
各機器Ka〜Knは、機器管理装置CKから通信網NWを介して機器停止指示等の共通異常状態予測情報の通知が送信されてくると、ネットワークインタフェース制御部22を介して受信し(ステップS103)、異常管理部23が、該機器Ka〜Knに現在異常が発生しているか否かに関わらず、該共通異常状態予測情報を解析して、機器Ka〜Knの機能停止等の該共通異常状態予測情報の指示に応じた機器動作を実行するとともに、必要に応じて、操作表示部制御部16を介して該共通異常状態予測情報で指示されている機能の動作を、操作表示部の操作を制限する等の方法で禁止状態とする(ステップS104)。異常管理部23は、この操作禁止を、例えば、操作表示部のディスプレイへの該禁止対象の機能の操作表示を停止させること等によって実現する。この機能の利用禁止処理では、共通異常状態予測情報により停止させる機能が、1対1でない場合がある。例えば、機器Ka〜Knが両面印刷機能を備えた画像形成装置であって、両面機構が異常の場合に両面機能の動作禁止が機器管理装置CKから共通異常状態予測情報によって各機器Ka〜Knに通知するが、この場合、給紙段の3段目が異常のであると、4段目も使用不可とする必要がある等の必然的に動作禁止を行う場合、あるいは、該異常には直接関係ないが、停止することが望まれる機能等のように通常は必然とは思えない場合がある。この場合、各機器Ka〜Knの異常管理部23が、機器管理装置CKから通知される共通異常状態予測情報により、動作停止が必要な機能を自動的に判断し、該機能の動作を停止させる。
【0036】
なお、上記説明では、機器管理装置CKの異常情報管理部35は、異常情報から該異常情報の示している異常状態が通信網NWに接続されている機器Ka〜knのうち該異常情報と同じ機種等の所定の機器Ka〜Knに共通する異常であるか否かの機器共通異常の有無を判断しているが、機器共通異常としては、通信網NWに接続されている全ての機器Ka〜Knに関する異常か否かに限るものではなく、例えば、異常の発生している機器Ka〜Knの機種に限って共通する異常であるか否かを判断してもよい。
【0037】
このように、本実施例の機器管理システム1は、機器管理装置CKが、動作状態の異常を検出して異常情報として収集する複数の機器Ka〜Knに通信網NWを介して接続して、各機器Ka〜Knから該異常情報を取得し、該取得した異常情報を所定の分類基準に基づいて分類して不揮発性メモリに保管して、該不揮発性メモリに分類保管されている異常情報に基づいて所定種類の機器Ka〜Knに共通する共通異常状態の発生を予測している。
【0038】
したがって、機器管理装置CKが通信網NWに接続されている複数の機器Ka〜Knを管理する場合に、各機器Ka〜Knが検出して収集した該機器Ka〜Knの異常情報に基づいて、発生した動作異常が該機器Ka〜Knに個別の異常であるのか、機器Ka〜Knに共通する共通異常であるのかを判別して、共通異常状態の発生の予測を行うことができ、機器Ka〜Knの検出した異常状態を示す異常情報を有効利用して効果的な機器管理を行うことができる。
【0039】
また、本実施例の機器管理システム1の機器管理装置CKは、異常情報管理部35が、各機器Ka〜Knから取得した異常情報を、分類基準としての異常種別によって予め設定されている異常レベル基準(人体に影響する異常であるか等)に基づいて複数段階の異常レベルL1〜Lnに分類するとともに、該異常種別毎における該異常種別の異常情報の取得数及び該取得数の異常情報を取得するのに要した取得時間を不揮発性メモリに保管し、該各異常レベルL1〜Lnにおける該異常種別毎の異常情報の取得数及び取得時間から共通異常状態を予測している。
【0040】
したがって、発生した異常が、該機器Ka〜Knに個別の異常であるのか、機器Ka〜Knに共通する共通異常であるのかをより適切に判別して、共通異常状態の予測をより一層適切に行うことができ、機器Ka〜Knの検出した異常状態を示す異常情報を有効利用してより効果的な機器管理を行うことができる。
【0041】
さらに、本実施例の機器管理システム1の機器管理装置CKは、操作表示部から異常情報を分類する分類基準を設定可能とし、設定された該分類基準に基づいて異常情報を分類している。
【0042】
したがって、サービスマン等が機器Ka〜Knの機種、予め分かっている製造上の特質等に応じて異常情報の分類基準(例えば、異常レベル基準等)を適宜設定して、異常情報を分類することができ、機器Ka〜Kn等により一層適切な異常判別を行って、共通異常状態の予測をより一層適切に行って、機器Ka〜Knの検出した異常状態を示す異常情報を有効利用してより効果的な機器管理を行うことができる。
【0043】
また、本実施例の機器管理システム1の機器管理装置CKは、共通異常状態の発生を予測すると、通信網NWに接続されている機器Ka〜Knのうち該共通異常状態に関係する全ての機器Ka〜Knに、該共通異常状態の発生予測に関する共通異常状態予測情報を送信している。
【0044】
したがって、共通異常状態の発生予測を関連する機器Ka〜Knで共有することができ、機器Ka〜Knに対する適切な管理と利用を図って、安全性と利用性を向上させることができる。
【0045】
さらに、本実施例の機器管理システム1の機器管理装置CKは、共通異常状態の発生予測に関する共通異常状態予測情報として、共通異常状態に関する機器Ka〜Knの機能動作を禁止を指示する機能動作禁止情報を含む共通異常状態予測情報を送信している。
【0046】
したがって、予測した共通異常状態が機器Ka〜Knの該機能動作によって人体の安全性に影響を及ぼす場合等において、該機器Ka〜Knの該機能動作を禁止することができ、安全性をより一層向上させることができる。
【0047】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写装置、複合装置、スキャナ装置、コンピュータ等の機器が取得する動作異常の異常情報を有効活用する機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法、機器管理プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施例を適用した機器管理システムのシステム構成図。
【図2】機器管理システムのブロック構成図。
【図3】機器異常管理処理を示すフローチャート。
【図4】異常情報の蓄積状況の一例を示す図。
【符号の説明】
【0050】
1 機器管理システム
CK 機器管理装置
Ka〜Kn 機器
NW 通信網
11 スキャナ部
12 プロッタ部
13 CPU
14 SAFメモリ
15 符号化・復号化部
16 操作表示制御部
17 通信制御部(CCU)
18 NCU
19 モデム
20 ROM
21 RAM
22 ネットワークインタフェース制御部
23 異常管理部
24 バス
31 ネットワークインタフェース制御部
32 CPU
33 ROM
34 RAM
35 異常情報管理部
36 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作状態の異常を検出して異常情報として収集する複数の機器に所定の通信網を介して接続する通信手段と、該通信手段を介して該各機器から該異常情報を取得する異常情報取得手段と、異常情報を保管する異常情報保管手段と、該各機器から取得した異常情報を所定の分類基準に基づいて分類して該異常情報保管手段に保管させる保管管理手段と、該異常情報保管手段に分類保管されている異常情報に基づいて所定種類の前記機器に共通する共通異常状態の発生を予測する異常状態予測手段と、を備えていることを特徴とする機器管理装置。
【請求項2】
前記保管管理手段は、前記各機器から取得した異常情報を、前記分類基準としての異常種別によって予め設定されている異常レベル基準に基づいて複数段階の異常レベルに分類するとともに、該異常種別毎における該異常種別の異常情報の取得数及び該取得数の異常情報を取得するのに要した取得時間を前記異常情報保管手段に保管させ、前記異常状態予測手段は、該各異常レベルにおける該異常種別毎の異常情報の取得数及び取得時間から前記共通異常状態を予測することを特徴とする請求項1記載の機器管理装置。
【請求項3】
前記機器管理装置は、前記異常情報を分類する分類基準を設定する分類基準設定手段を備えており、前記保管管理手段は、該分類基準設定手段で設定された分類基準に基づいて前記異常情報を分類することを特徴とする請求項1または請求項2記載の機器管理装置。
【請求項4】
前記機器管理装置は、前記異常状態予測手段が前記共通異常状態の発生を予測すると、前記通信手段を介して前記通信網に接続されている前記機器のうち該共通異常状態に関係する全ての機器に、該共通異常状態の発生予測に関する共通異常状態予測情報を送信する異常状態管理手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の機器管理装置。
【請求項5】
前記異常状態管理手段は、前記共通異常状態に関する前記機器の機能動作を禁止を指示する機能動作禁止情報を含む前記共通異常状態予測情報を送信することを特徴とする請求項4記載の機器管理装置。
【請求項6】
動作状態の異常を検出して異常情報として収集する複数の機器と該機器を管理する機器管理装置が所定の通信網で接続されている機器管理システムであって、前記機器管理装置は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の機器管理装置であることを特徴とする機器管理システム。
【請求項7】
動作状態の異常を検出して異常情報として収集する複数の機器に所定の通信網を介して接続する通信処理ステップと、該各機器から該異常情報を取得する異常情報取得処理ステップと、該各機器から取得した異常情報を所定の分類基準で分類して異常情報保管手段に保管させる保管管理処理ステップと、該異常情報保管手段に分類保管されている異常情報に基づいて所定種類の前記機器に共通する共通異常状態の発生を予測する異常状態予測処理ステップと、を有していることを特徴とする機器管理方法。
【請求項8】
前記保管管理処理ステップは、前記各機器から取得した異常情報を、前記分類基準としての異常種別によって予め設定されている異常レベル基準に基づいて複数段階の異常レベルに分類するとともに、該異常種別毎における該異常種別の異常情報の取得数及び該取得数の異常情報を取得するのに要した取得時間を前記異常情報保管手段に保管させ、前記異常状態予測処理ステップは、該各異常レベルにおける該異常種別毎の異常情報の取得数及び取得時間から前記共通異常状態を予測することを特徴とする請求項7記載の機器管理方法。
【請求項9】
前記機器管理方法は、前記異常情報を分類する分類基準を設定する分類基準設定処理ステップを有し、前記保管管理処理ステップは、該分類基準設定処理ステップで設定された分類基準に基づいて前記異常情報を分類することを特徴とする請求項7または請求項8記載の機器管理方法。
【請求項10】
前記機器管理方法は、前記異常状態予測処理ステップが前記共通異常状態の発生を予測すると、前記通信処理ステップによって前記通信網に接続されている前記機器のうち該共通異常状態に関係する全ての機器に、該共通異常状態の発生予測に関する共通異常状態予測情報を送信する異常状態管理処理ステップを有していることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の機器管理方法。
【請求項11】
前記異常状態管理処理ステップは、前記共通異常状態に関する前記機器の機能動作を禁止を指示する機能動作禁止情報を含む前記共通異常状態予測情報を送信することを特徴とする請求項10記載の機器管理方法。
【請求項12】
コンピュータに、動作状態の異常を検出して異常情報として収集する複数の機器に所定の通信網を介して接続する通信処理と、該各機器から該異常情報を取得する異常情報取得処理と、該各機器から取得した異常情報を所定の分類基準で分類して異常情報保管手段に保管させる保管管理処理と、該異常情報保管手段に分類保管されている異常情報に基づいて所定種類の前記機器に共通する共通異常状態の発生を予測する異常状態予測処理と、を実行させることを特徴とする機器管理プログラム。
【請求項13】
請求項12記載の機器管理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−147822(P2010−147822A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323037(P2008−323037)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】