説明

機能シート

【課題】 高周波デバイスの追加又はマザー回路基板に設計変更があってもフィルタ回路等を容易に追加することが可能な機能シートを提供すること。
【解決手段】 複数の誘電体フィルム2〜5を積層してなる積層体1Aの各電極間に設けた導電層6A〜6Eを所定の形状にパターン形成することにより、コンデンサC1,C2が形成されるとともに導電層6Cにはコイル7が形成されている。各誘電体フィルム内に形成したビアホール8a〜8cの導体8Aを用いてコンデンサC1、コイル7および各電極1a〜1c間を接続すると、ローパスフィルタが形成される。第1,第4層に高い誘電率εHからなる誘電体フィルム2を、第2,3層に低い誘電率εLからなる誘電体フィルム3,4をそれぞれ積層して積層体1Aを形成すると、ハイパスフィルタ等のそれ以外の回路も形成することができる。機能シート10Aを高周波デバイスとマザー回路基板との間に配置することにより、フィルタ回路等を容易に追加することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波デバイスが実装されるマザー回路基板上に設けられて、高周波デバイスに対してフィルタ機能を提供する機能シートに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの電子機器においては、例えば高周波増幅器(RFアンプ)などの高周波デバイスを備えるが、このような高周波デバイスから放出される高周波ノイズがマザー回路基板上に配線された信号線に重畳すると誤動作を生じる虞があることから、マザー回路基板上には複数のフィルタ回路を設けておくことが一般的である。
【0003】
この種のフィルタ回路は、チップ型のコンデンサとコイルを組み合わせて形成されるが、マザー回路基板上に設けられた複数の各部門(端子)ごとに複数のチップ部品を搭載すると、小型化、薄型化または軽量化などの妨げになるとともに、製造コストを低減しにくいという問題がある。
【0004】
そこで、以下の特許文献に示すように、従来においては多層配線技術を用いて、フィルタ回路を構成するコンデンサやコイルを、積層基板の内部に形成するようにしている。
【特許文献1】特開平6−20870号公報
【特許文献2】特開2000−349225号公報
【特許文献3】特開2003−37465号公報
【特許文献4】特開2004−289195号公報
【特許文献5】特開2004−356264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、高周波デバイスとマザー回路基板とは別々に設計されることが多い。しかもフィルタ回路は一つのマザー回路基板上の複数の位置に実装されることから、マザー回路基板ごとにフィルタ回路の設計を行う必要がある。
【0006】
このため、高周波デバイスを追加する設計変更又はマザー回路基板自体の設計変更があると、フィルタ回路についても煩雑な設計変更作業を強いられるという問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、高周波デバイスの追加又はマザー回路基板に設計変更があってもフィルタ回路等を容易に追加することが可能な機能シートを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の誘電体フィルムが積層された積層体と、各誘電体フィルムの上下の面上にそれぞれ所定のパターンで形成された導電層と、を備えた機能シートであって、
前記積層体の最上層と最下層が、それ以外の層よりも高い誘電率からなる誘電体フィルムで形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、フィルタなどの各種の回路を、フィルムの中に形成し、高周波デバイスとマザー回路基板との間に挟み込む構成としたこと、および小径のビアホールと、微細導体パターンからなる高密度化により、高周波デバイスとマザー回路基板との接続を行うランドを同程度の面積で構成したことなどにより、機能シートの内部に複数のフィルタ回路を形成することができる。このため、高周波デバイスおよびマザー回路基板の設計変更を行うことなく、必要なフィルタ回路を配置することができる。これにより、高周波デバイスの汎用化を図ることができる。
【0010】
前記積層体の複数の箇所に、コンデンサとコイルの一方または双方が形成されているものが好ましく、さらに前記コンデンサは、少なくとも1つ以上の誘電フィルムを挟んで対向配置された導電層によって形成されるものが好ましい。
上記において、前記積層体が4層構造であるものが好ましい。
【0011】
上記手段では、一枚の積層体の複数の箇所にコンデンサとコイルを配置することができる。このため、フィルタ回路の個々の設計を最適化することができるようになる。よって、高周波デバイスと特定のマザー回路基板との間に生じる相互の影響を小さくすることができ、製品の性能の向上と、性能の安定化を図ることができる。
【0012】
また前記積層体の最上層と最下層が、それ以外の層よりも薄く形成されているものが好ましい。
上記手段では、コンデンサの容量を大きくすることができる。
【0013】
また前記コイルが平面螺旋状であるものが好ましい。
上記手段では、薄型の機能シートの中にインダクタンスを形成することとができる。
【0014】
前記コイルが、前記最上層及び前記最下層以外の層とのみ接するように形成されているものが好ましい。
【0015】
上記手段では、寄生容量を小さくでき、インダクタンスとして有効に機能させることが可能となる。
【0016】
また前記誘電体フィルムには、内部に導体が埋設されたビアホールが形成されており、前記コンデンサの一端と前記コイルの一端とが、前記ビアホール内の導体を介して導通接続されるものが好ましい。
上記構成ではコンデンサとコイルとを電気的に導通接続することとができる。
【0017】
複数の前記コンデンサと複数の前記コイルとにより、複数のフィルタ回路が設けられているのが好ましく、例えば前記フィルタ回路は、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、トラップのいずれかを含むものである。
【0018】
また前記最上層の積層体の外面に形成された導電層には、他の基板との入出力に用いる入出力電極が形成されており、前記最下層の積層体の外面に形成された導電層には、前記入出力電極に対応する位置に、別の基板との入出力に用いる入出力電極が形成されているものが好ましい。
【0019】
マザー基板と他の基板と接続したときに、これらの間のインピーダンスを容易にマッチングさせることができる。
【0020】
さらには、前記積層体の最上層または最下層の内面に形成され、前記入出力電極とコンデンサを形成する前記導電層の少なくとも一部がグランド端子と接続されているものが好ましい。
上記手段では、多様なフィルタを形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、誘電体フィルムからなる積層体上に複数のコンデンサやコイルを形成することができ、任意の箇所にフィルタ回路が配置された機能シートを提供することができる。
【0022】
このため、マザー回路基板上にフィルタ回路を形成するためのスペースを確保する必要がなくなる。しかも多数のチップ部品を配置する必要がなくなるため、高周波デバイスを備えたマザー回路基板を小型化、薄型化または軽量化することができる。
【0023】
また高周波デバイスの追加又はマザー回路基板に設計変更があってもフィルタ回路の追加等を容易に追加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、機能シートについて図面を参照しつつ説明する
(基本的構成)
図1は本発明の機能シート10の基本的構成を示す断面図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の機能シート10は、第1層から第4層からなる複数の誘電体フィルム2,3,4,5を厚さ(Z)方向に積層することにより形成された積層体1Aが設けられ、各誘電体フィルム2,3,4,5の上下の面上には薄膜状の導電層6A,6B,6C,6D,6Eがパターンニングされている。導電層6A,6B,6C,6D,6Eには、金、銀、銅、またはこれらの合金などの導電性材料を用いることにより、微細導体パターン(図示せず)が形成されている。
【0026】
本発明として示す機能シート10は、積層体の最下層に位置する誘電体フィルム2と最上層に位置する誘電体フィルム5の誘電率が高く(εH)、これらの間に配置された誘電体フィルム3,4の誘電率は低く(εL)形成されている。あるいは積層体の最下層(誘電体フィルム2)および最上層(誘電体フィルム5)の厚み寸法が、それ以外の層である誘電体フィルム3,4の厚み寸法よりも薄く形成されている。
【0027】
各導電層6Aないし6Eは、各誘電体フィルム2,3,4,5の面上に、スクリーン印刷処理工程により、またはエッチング処理工程などを経ることにより、所定の形状にパターン形成されている。
【0028】
このような機能シート10は全体としても薄いシート状であり、機能シート10の任意の箇所に様々な特性からなるフィルタ回路が形成されている。このような機能シート10はマザー回路基板上に固定され、機能シート10上の回路パターンと高周波デバイス回路との間に接続されて目的とする回路特性を発揮する。
【0029】
以下には、上記基本的構成を有する機能シート10内に形成される回路について説明する。
【0030】
(第1の実施の形態)
図2は本発明の第1の実施の形態としての機能シートに形成されたローパスフィルタ(LPF)を示し、(A)はローパスフィルタの等価回路図、(B)は機能シートの断面図である。
【0031】
図2(A)に第1の実施の形態として示す機能シート10Aは、一例としてローパスフィルタ(LPF)を示している。このようなローパスフィルタは、機能シート10Aの一部の領域に形成されている。
【0032】
図2(A)に示すように、ローパスフィルタ(LPF)10Aは,入力端子1aとグランド端子1cとの間に設けられたコンデンサC1と、入力端子1aと出力端子1bとの間に設けられたコイルL1とを有している。
【0033】
図2(B)に示すように、積層体1Aの下面、すなわち最下層である第1層を形成する誘電体フィルム2の下面には導電層6Aをパターン形成することにより形成された入力電極6aとグランド電極6cが形成されている。同様に、積層体1Aの上面、すなわち最上層である第4層の上面には導電層6Eをパターン形成することにより形成された出力電極6bが形成されている。
【0034】
入力電極6a、出力電極6bおよびグランド電極6cは所定の面積を有し、例えば円形または四角形などの形状で形成されている。図2(B)に示す入力電極6aが図2(A)に示す入力端子1aを形成し、同様に出力電極6bが出力端子1bを形成し、グランド電極6cがグランド端子1cを形成している。
【0035】
図2(B)に示すように、入力端子1aを形成する入力電極6a、さらにはグランド端子1cを形成するグランド電極6cには、例えば半田ボール11,11が形成されている。
【0036】
入力電極6aは、最下層の誘電体フィルム2の上側に設けられた導電層6Bの一部で形成される対向電極6dに対向しており、この間にコンデンサC1が形成されている。すなわち、コンデンサC1は、積層体1Aの下面に形成された導電層6Aの一部である入力電極6aと、その上層側に設けられた導電層6Bの一部に設けられた対向電極6dと、これらの間に設けられた高い誘電率εHの誘電体フィルム2とからなる平行平板型のコンデンサとして形成されている。
【0037】
積層体1Aの中間部に設けられた導電層6Cには、平面螺旋状からなる平面コイル7がパターン形成されている。平面コイル7の中心側には端子7aが形成され、外周側には端子7bが形成されている。この平面コイル7が、図2(A)に示す等価回路上のコイルL1を形成している。
【0038】
導電層6B上で、且つ平面コイル7の端子7aと対向する位置には、貫通孔6B1が形成されており、この貫通孔6B1の内部には第2層である誘電体フィルム2と第3層である誘電体フィルム3とを板厚(Z)方向に貫通するビアホール8aが形成されている。ビアホール8aの下端は導電層6Aに達し、上端は導電層6Cまで延びている。ビアホール8aの内部には金、銀、銅、またはこれらの合金などからなる導体8Aが埋設されている。この導体8Aにより、導電層6Aに形成された入力電極6a(入力端子1a)と導電層6Cに形成された平面コイル7の中心側の端子7aとの間が導通接続されている。
【0039】
また誘電体フィルム2の他の箇所には、導電層6Bと導電層6Aに形成されたグランド電極6cとの間を貫通するビアホール8bが形成され、その内部には導体8Aが埋設されている。この導体8Aにより、導電層6Bとグランド電極6c(グランド端子1c)との間が導通接続されている。
【0040】
同様に、第3層を形成する誘電体フィルム4と第4層を形成する誘電体フィルム5との間にも板厚方向に貫通するビアホール8cが形成されており、この内部には導体8Aが埋設されている。
【0041】
導電層6Dには貫通孔6D1が形成されており、この貫通孔6D1の内部には、誘電体フィルム4と誘電体フィルム5とを板厚(Z)方向に貫通するビアホール8cが形成されている。ビアホール8cの内部には導体8Aが埋設されている。この導体8Aにより、平面コイル7の外周側の端子7bと出力電極6b(出力端子6b)との間が導通接続されている。なお、導電層6Dはいずれにも接続されておらず、電気的には浮いた状態に設定されている。
【0042】
このようにして形成された機能シート10Aにおいては、最下層(第1層)に位置する誘電体フィルム2と最上層(第4層)に位置する誘電体フィルム5の誘電率(εH)が、これらの間に配置された第2層の誘電体フィルム3および第3層の誘電体フィルム4の誘電率(εL)よりも高い。
【0043】
このため、入力電極6aと対向電極6dとの間に形成されたコンデンサC1の静電容量を大きくすることができる。一方、平面コイル7は、低い誘電率(εL)からなる第3,4層の誘電体フィルム3,4の間に形成されている。このため、平面コイル7は最下層(第1層の誘電体フィルム2)および最上層(第4層の誘電体フィルム5)以外の誘電率の低い層とのみ接するようになるため、平面コイル7に結合される寄生容量を小さくすることが可能となり、コイルL1としての機能、さらにはローパスフィルタ(LPF)としての機能を充分に発揮することが可能となる。これにより、図2(A)に実線で示すようなLPFを有する機能シート10Aとすることができる。
【0044】
なお、2以上のLPFを連結させることで形成されるローパスフィルタの等価回路は、図2(A)に点線で示すように出力端子1bとグランド端子1cとの間にコンデンサC2を配置したπ型となる。このようなπ型のローパスフィルタとするには、図2(B)に点線で示すように導電層6Dと導電層6Bとの間を導通接続し、導電層6Dがグランド電極6c(グランド端子1c)に接続されるように配線すると、導電層6Dと出力電極6b(出力端子6b)との間にコンデンサC2を形成することができる。具体的には、第3,4層の誘電体フィルム3,4の間に上記同様のビアホール8dを形成し、その内部に埋設した導体8Aによって導電層6Dと導電層6Bとの間を導通接続すればよい。
【0045】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態としての機能シートに形成されたハイパスフィルタ(HPF)を示し、(A)はハイパスフィルタの等価回路図、(B)は機能シートの断面図である。
【0046】
図3(A)に示すように、第2の実施の形態に示す機能シート10Bには、入力端子1aとグランド端子1cとの間に設けられたコイル7と、入力端子1aと出力端子1bとの間に設けられたコンデンサC1が形成されている。このようなハイパスフィルタHPFは、機能シート10B上の領域内の複数の箇所に形成されている。
【0047】
図3(B)に示すように、機能シート10Bは、5層からなる導電層6A,6B,6C,6D,6Eの間に、第1層から第4層までの誘電体フィルム2,3,4,5がそれぞれ配置された構成である。
【0048】
最下層の導電層6Aに入力端子1aを形成する入力電極6aが設けられ、最上層の導電層6Eに出力端子1bを形成する出力電極6bが形成されている。この実施の形態でも、最下層(第1層)に位置する誘電体フィルム2と最上層(第4層)に位置する誘電体フィルム5の誘電率(εH)が、これらの間に配置された第2層の誘電体フィルム3および第3層の誘電体フィルム4の誘電率(εL)よりも高くなるように形成されている。
【0049】
第4層の誘電体フィルム5の下面に位置する導電層6Dには、出力電極6bとの間で平行平板型のコンデンサC1を形成する対向電極6dが形成されている。この対向電極6dと入力電極6aとの間には第1ないし第3の誘電体フィルム2,3、4が配置されており、これらの誘電体フィルム2,3,4には板厚(Z)方向に連続して貫通するビアホール8a,8b,8cがそれぞれ形成されている。これらのビアホール8a,8b,8cの内部には導体8Aがそれぞれ埋設されており、入力電極6aとコンデンサC1の一方の端子である対向電極6dとの間が導通接続されている。
【0050】
図3(B)に示すように、積層体1Aの中間に設けられた導電層6Cには、第1の実施の形態同様の平面螺旋状からなる平面コイル7が形成されている。なお、この平面コイル7が図3(A)の等価回路上のコイルL1を形成している。
【0051】
そして、この平面コイル7の中心側の端子7aは、上下の面がビアホール8b内に埋設された導体8A、およびビアホール8c内に埋設された導体8Aにそれぞれ導通接続されている。また平面コイル7の外周側の端子7bは、第2層の誘電体フィルム3に形成されたビアホール8d内の導体8A、導電層6Bの一部に形成された中継部9および第1層の誘電体フィルム2に形成されたビアホール8e内の導体8Aを介して、積層体1Aの最下面である導電層6Aに形成されたグランド端子1cであるグランド電極6cに導通接続されている。
【0052】
この実施の形態でも、高い誘電率(εH)からなる第4層の誘電体フィルム5が、コンデンサC1を形成する一対の出力電極6bと対向電極6dとの間に介在するように形成されている。このため、コンデンサC1の静電容量を大きくすることができる。
【0053】
さらに平面コイル7は、低い誘電率(εL)からなる第2,3層の誘電体フィルム3,4の間に形成され、高い誘電率(εH)からなる第1層および第4層の誘電フィルム2,5には接しない構成である。このため、平面コイル7に結合される寄生容量を小さくすることができ、コイルL1として、さらにはハイパスフィルタとしての充分な機能を発揮することが可能である。
【0054】
(第3の実施の形態)
図4は本発明の第3の実施の形態として機能シートに形成されたハイパスフィルタ(HPF)を示し、(A)はハイパスフィルタの等価回路図、(B)は機能シートの断面図である。
【0055】
第3の実施の形態に示す機能シート10Cには、T型のハイパスフィルタが形成されている。すなわち、図4(A)に示すように、このハイパスフィルタは、入力端子1aと出力端子1bとの間にコンデンサC1,C2が直列に接続され、コンデンサC1とコンデンサC2とが接続された接続部とグランド端子1cとの間にコイルL1が設けられた構成である。
【0056】
図4(B)に示すように、この機能シート10Cも上記同様に5層からなる導電層6A,6B,6C,6D,6Eの間に、第1層ないし第4層からなる誘電体フィルム2,3,4,5がそれぞれ配置された構成である。そして、最下層(第1層)に位置する誘電体フィルム2と最上層(第4層)に位置する誘電体フィルム5の誘電率(εH)が、これらの間に配置された第2層の誘電体フィルム3および第3層の誘電体フィルム4の誘電率(εL)よりも高くなるように形成されている点も上記同様である。
【0057】
最下層(第1層)の誘電体フィルム2の一方の面に形成された導電層6Aに入力端子1aを形成する入力電極6aが設けられ、他方の面に形成された導電層6Bに第1の対向電極6dが設けられており、これらにより平行平板型のコンデンサC1が形成されている。同様に、最上層(第4層)の誘電体フィルム5の一方の面に形成された導電層6Eに出力端子1bを形成する出力電極6bが設けられ、他方の面に形成された導電層6Dに第2の対向電極6eが設けられており、これらにより平行平板型のコンデンサC2が形成されている。そして、第2層の誘電体フィルム3と第3層の誘電体フィルム4との間にコイルL1を形成する平面コイル7が設けられている。
【0058】
コンデンサC1を形成する第1の対向電極6dと平面コイル7の中心側の端子7aとの間、およびコンデンサC2を形成する第2の対向電極6eと平面コイル7の中心側の端子7aとの間が、ビアホール8a,8bおよびこれらの内部に埋設された導体8A,8Aによりそれぞれ導通接続されている。
【0059】
平面コイル7の外周側の端子7bは、第2層の誘電体フィルム3に形成されたビアホール8cの導体8A、導電層6Bに形成された中継部9、第1層の誘電体フィルム2に形成されたビアホール8dの導体8Aを介してグランド端子1cを形成するグランド電極6cに接続されている。
【0060】
この実施の形態でも、コンデンサC1,C2を誘電率の高い誘電体フィルム2,5からなる第1,第4層の上下の面に設けた一対の電極により形成されるようにしたため、コンデンサC1,C2の静電容量を大きくすることができる。
【0061】
さらに平面コイル7は、低い誘電率(εL)の誘電体フィルム3,4の間に形成され、高い誘電率(εH)の第1層および第4層の誘電フィルム2,5には接しない構成である。このため、平面コイル7に結合される寄生容量を小さくすることが可能となり、コイルL1として、さらにはハイパスフィルタとして充分な機能を発揮することができる。
【0062】
(第4の実施の形態)
図5は本発明の第4の実施の形態として機能シートに形成されたバンドパスフィルタ(BPF)の一部を示しており、(A)はバンドパスフィルタの一部の等価回路図、(B)は機能シートの断面図である。
【0063】
図5(A)に示すように、この機能シート10Dには、入力端子1aと出力端子1bとを結ぶ信号ラインとグランド端子1cと間にコンデンサC1とコイルL1とが並列に接続されてなるバンドパスフィルタ(BPF)が設けられている。
【0064】
図5(B)に示すように、この機能シート10Dも上記同様に5層からなる導電層6A,6B,6C,6D,6Eの間に、第1ないし第4層からなる誘電体フィルム2,3,4,5がそれぞれ配置された構成である。そして、最下層(第1層)に位置する誘電体フィルム2と最上層(第4層)に位置する誘電体フィルム5の誘電率(εH)が、これらの間に配置された第2層の誘電体フィルム3および第3層の誘電体フィルム4の誘電率(εL)よりも高くなるように形成されている点も上記同様である。
【0065】
第1層の誘電体フィルム2の一方の下面に設けられた導電層6Aに入力端子1aを形成する入力電極6aとグランド端子1cを形成するグランド電極6cとが設けられ、第4層の誘電体フィルム5の一方の上面に設けられた導電層6Eに出力端子1bを形成する出力電極6bが形成されている。
【0066】
そして、第1層の誘電体フィルム2と第2層の誘電体フィルム3との間には導電層6Bが設けられており、これらの間に設けられた高い誘電率からなる誘電体フィルム2を介して対向する部分に平行平板型のコンデンサC1が形成されている。
【0067】
入力電極6aと出力電極6bとの間は、積層体1Aを形成する第1層ないし第4層の誘電体フィルム2,3,4,5に板厚方向に形成されたビアホール8a,8b,8cおよび8dとこれらの内部に埋設された導体8A,8Aにより導通接続されている。なお、導電層6Bには貫通孔6B1が形成されており、ビアホール8a,8bは貫通孔6B1内に形成されている。したがって、ビアホール8a,8bの導体8Aと導電層6Bとは絶縁された状態にある。
【0068】
また第2層の誘電体フィルム3と第3層の誘電体フィルム4との間に設けられた導電層6Cには、コイルL1を形成する螺旋状の平面コイル7が設けられている。平面コイル7の中心側の一方の端子はビアホール8b,8c内に埋設された導体8A,8Aに導通接続されている。そして、平面コイル7の外周側に位置する他方の端子7bは、第2層である誘電体フィルム3に形成された導電層6Bにビアホール8dおよび導体8Aを介して接続され、さらに第1層である誘電体フィルム2に形成されたグランド電極6cにビアホール8eおよび導体8Aを介して接続されている。
【0069】
この実施の形態でもコンデンサC1は、高い誘電率(εH)を有する第1層の誘電体フィルム2の上下の面に一対の電極をそれぞれ対向配置することにより形成されるため、コンデンサC1,C2の静電容量を大きくすることができる。
【0070】
さらに平面コイル7を、低い誘電率(εL)を有する第2,3層の誘電体フィルム3,4の間に形成するようにしたため、平面コイル7のコイルL1に結合される寄生容量を小さくすることができ、コイルC1としての機能、さらにはバンドパスフィルタ(BPF)としての機能を十分に発揮することが可能である。
【0071】
(第5の実施の形態)
図6は本発明の第5の実施の形態として機能シートに形成されたトラップ回路を示しており、(A)はトラップ回路の等価回路図、(B)は機能シートの断面図である。
【0072】
図6(A)に示すように、この機能シート10Eには、入力端子1aと出力端子1bとを結ぶ信号ラインとグランド端子1cと間にコンデンサC1とコイルL1とが直列に接続されてなるトラップ回路が形成されている。
【0073】
図6(B)に示すように、この機能シート10Eも上記同様に5層の導電層6A,6B,6C,6D,6Eの間に、第1ないし第4の誘電体フィルム2,3,4,5がそれぞれ配置された構成である。そして、最下層(第1層)に位置する誘電体フィルム2と最上層(第4層)に位置する誘電体フィルム5の誘電率(εH)が、これらの間に配置された第2層の誘電体フィルム3および第3層の誘電体フィルム4の誘電率(εL)よりも高くなるように形成されている点も上記同様である。
【0074】
第1層の誘電体フィルム2の一方の下面に設けられた導電層6Aに入力端子1aを形成する入力電極6aとグランド端子1cを形成するグランド電極6cとが設けられ、第4層の誘電体フィルム5の一方の上面に設けられた導電層6Eに出力端子1bを形成する出力電極6bが形成されている。
【0075】
入力電極6aと出力電極6bとの間は、積層体1Aを形成する第1層ないし第4層である誘電体フィルム2,3,4,5に板厚方向に形成されたビアホール8a,8b,8cおよび8dとこれらの内部に埋設された導体8A,8Aにより導通接続されている。
【0076】
なお、第1層の誘電体フィルム2と第2層の誘電体フィルム3との間に形成された導電層6Bには貫通孔6B1が形成されており、ビアホール8a,8bはこの中を通っている。同様に、第3層の誘電体フィルム4と第4層の誘電体フィルム5との間に形成された導電層6Dにも貫通孔6D1が形成されており、ビアホール8c,8dはこの中を通っている。したがって、ビアホール8a,8bの導体8Aと導電層6Bとは絶縁された状態にあり、同様にビアホール8c,8dの導体8Aと導電層6Dとは絶縁された状態にある。
【0077】
また第2層の誘電体フィルム3と第3層の誘電体フィルム4との間に設けられた導電層6Cには、コイルL1を形成する螺旋状の平面コイル7が設けられている。平面コイル7の中心側の一方の端子7aの上下の面は、ビアホール8b,8c内の導体8A,8Aにそれぞれ導通接続されている。そして、平面コイル7の外周側に位置する他方の端子7bは、同じ導電層6Cに形成された平面電極7Aに接続されている。な、平面コイル7の端子7bは平面電極7Aの一部を形成している。すなわち、平面電極7Aは,平面コイル7の他方の端子7bに連続するとともに比較的広い面積を有して形成されている。このため、平面電極7Aの下面と第2層の誘電体フィルム3を介して対向する導電部6Bの上面との間にはコンデンサC11が形成され、同じく平面電極7Aの上面と第3層の誘電体フィルム4を介して対向する導電部6Dの下面との間にはコンデンサC12が形成されている。
【0078】
導電層6Bと導電層6Dとは、ビアホール8eおよび導体8Aを介して互いに接続されてグランド端子1cを形成するグランド電極6cに接続されている。このため、コンデンサC11とコンデンサC12とは並列接続されており、これにより1つのコンデンサC1(=C11+C12)が形成されている。
【0079】
この実施の形態では、平面電極7Aと、その上下に位置する誘電率の低い誘電体フィルム3,4を挟んで対向する導電層6B,6Dと間にコンデンサC11とコンデンサC12がそれぞれ形成されているが、これらを並列接続する構成とすることにより、結果としてコンデンサC1の静電容量を大きくすることが可能である。
【0080】
また平面コイル7は、上記同様に低い誘電率(εL)の誘電体フィルム3,4の間に形成されているため、平旋状コイル7に結合される寄生容量が大きくなることがなく、トラップ回路として十分な機能を発揮することが可能である
【0081】
(第6の実施の形態)
図7は本発明の第6の実施の形態として機能シートに形成された貫通コンデンサを示しており、(A)は貫通コンデンサの等価回路図、(B)は機能シートの断面図である。
【0082】
図7(A)に示すように、この機能シート10Fには、入力端子1aと出力端子1bとを結ぶ信号ラインとグランド端子1cと間にコンデンサC1を接続することにより形成される貫通コンデンサが形成されている。
【0083】
図7(B)に示すように、この機能シート10Fも上記同様に5層の導電層6A,6B,6C,6D,6Eの間に、第1層ないし第3層からなる誘電体フィルム2,3,4,5がそれぞれ配置された構成である。さらに最下層(第1層)に位置する誘電体フィルム2と最上層(第4層)に位置する誘電体フィルム5の誘電率(εH)が、これらの間に配置された第2層の誘電体フィルム3および第3層の誘電体フィルム4の誘電率(εL)よりも高くなるように形成されている点も上記同様である。
【0084】
第1層の誘電体フィルム2の一方の下面に設けられた導電層6Aに入力端子1aを形成する入力電極6aが設けられ、第4層の誘電体フィルム5の一方の上面に設けられた導電層6Eに出力端子1bを形成する出力電極6bが形成されている。
【0085】
入力電極6aと出力電極6bとの間は、積層体1Aを形成する第1層ないし第4層の誘電体フィルム2,3,4,5を板厚方向に貫いて形成されたビアホール8a,8b,8c,dと,これらの内部に埋設された導体8A,8Aにより導通接続されている。
【0086】
なお、第1層の誘電体フィルム2と第2層の誘電体フィルム3との間に形成された導電層6Bには貫通孔6B1が形成されており、ビアホール8a,8bはこの中を通っている。同様に、第3層の誘電体フィルム4と第4層の誘電体フィルム5との間に形成されたの導電層6Dには貫通孔6D1が形成されており、ビアホール8c,8dこの中を通っている。したがって、ビアホール8a,8bの導体8Aと導電層6Bとは絶縁された状態にあり、同様にビアホール8c,8dの導体8Aと導電層6Dとは絶縁された状態にある。
【0087】
また第2層の誘電体フィルム3と第3層の誘電体フィルム4との間に形成された導電層6Cには平面電極6fが形成されている。この平面電極6fの下面にはビアホール8bの導体8Aが接続され、平面電極6fの上面にはビアホール8cの導体8Aが接続されている。したがって、入力電極6a、平面電極6fおよび出力電極6bは同電位に設定されている。
【0088】
そして、入力電極6aと導電層6Bとが第1層の誘電体フィルム2を介して対向する領域にコンデンサC11が形成され、導電層6Bと平面電極6fとが第2層の誘電体フィルム3を介して対向する領域にコンデンサC12が形成され、平面電極6fと導電層6Dとが第3層の誘電体フィルム4を介して対向する領域にコンデンサC13が形成され、導電層6Dと出力電極6bが第4層の誘電体フィルム5を介して対向する領域にコンデンサC14が形成されている。
【0089】
そして、導電層6Bと導電層6Dが、ビアホール8a,8bの導体8A,8Aによりグランド端子1cを形成するグランド電極6cに接続されることにより、コンデンサC11、C12、C13、C14が並列接続されて1つのコンデンサC1が形成されている。
【0090】
この実施の形態では、第1層と第4層に誘電率の高い誘電体フィルム2,5による静電容量の大きなコンデンサC11とコンデンサC14が形成され、第2層と第3層に誘電率の低い誘電体フィルム3,4による静電容量の小さなコンデンサC12とコンデンサC13が形成されている。この貫通コンデンサC1の全体容量は、C1=C11+C12+C13+C14となり、静電容量の大きな貫通コンデンサとすることが可能である。
【0091】
以上のように本願発明では、積層体1Aの内部に様々な積層構造とすることにより、一枚の機能シート10に様々な電気回路を備えることができる。
【0092】
次に、機能シート10の使用方法について説明する。
図8は機能シートの使用状態の一例を示す斜視図である。
【0093】
図8に示すように、機能シート10は、マザー回路基板30と高周波デバイス20との間に設置されて使用される。すなわち、マザー回路基板30の上に機能シート10が固定され、機能シート10の上に高周波デバイス20が固定される。マザー回路基板30と機能シート10との固定は、マザー回路基板30上に形成されている接続電極31と、機能シート10Aの下面側に設けられた入力電極6aまたはグランド電極6cとの間が半田ボール11,11を介してそれぞれ半田付けされる。
【0094】
また機能シート10と高周波デバイス20との間は、高周波デバイス20の底面に設けられた半田ボール21が機能シート10Aの上面側に設けられた出力電極6bに半田付けされることにより固定される。
【0095】
このように、マザー回路基板30と高周波デバイス20との間に機能シート10を介在させるだけで、高周波デバイス20の各端子とマザー回路基板30上の端子との間に上記実施の形態に示したいずれかの回路を配置することができ、フィルタ回路を形成するチップ部品を搭載するためのスペースを確保する必要がなくなる。このため、高周波デバイス20を搭載したマザー回路基板全体の小型化、薄型化または軽量化することができる。しかも高周波デバイス20やマザー回路基板30の仕様が変更された場合であっても、介在させる機能シート10を選択し直すだけで必要な回路を容易に提供することができる。
【0096】
また本発明では、第1,4層を誘電率の高い誘電体フィルム2,5とし、第2,3層を誘電率の低い誘電体フィルム3,4とした積層体1Aとすることにより、上述したような複数種類の回路を一枚の機能シート上に配設することが可能である。
【0097】
このため、このような一枚の機能シートをマザー回路基板上に設置するだけで、マザー回路基板30上の必要な箇所に必要な回路を容易に提供することが可能となる。
【0098】
このため、マザー回路基板とマザー回路基板の設置される他の電子部品、またはマザー回路基板に接続されるその他の回路基板との間のインピーダンスとを容易にマッチングさせることが可能となる。またマザー回路基板自体の設計変更や高周波デバイスの追加などによる設計変更があっても、柔軟に対処することができるようになる。
【0099】
なお、上記各実施の形態では積層体1Aが、第1ないし第4の誘電体フィルムからなるものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、それ以上の多層構造であってもよい。
【0100】
また上記各実施の形態では、グランド端子1cを形成するグランド電極6cを、機能シート10の下面(最下層の下面)側に設けた構成を示して説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、グランド電極6cは機能シート10の上面(最上層の上面)側に設けた構成とするものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の機能シート1の基本的構成を示す断面図、
【図2】本発明の第1の実施の形態としての機能シートに形成されたローパスフィルタ(LPF)を示し、(A)はローパスフィルタの等価回路図、(B)は機能シートの断面図、
【図3】本発明の第2の実施の形態としての機能シートに形成されたハイパスフィルタ(HPF)を示し、(A)はハイパスフィルタの等価回路図、(B)は機能シートの断面図、
【図4】本発明の第3の実施の形態として機能シートに形成されたハイパスフィルタ(HPF)を示し、(A)はハイパスフィルタの等価回路図、(B)は機能シートの断面図、
【図5】本発明の第4の実施の形態として機能シートに形成されたバンドパスフィルタ(BPF)の一部を示しており、(A)はバンドパスフィルタの一部の等価回路図、(B)は機能シートの断面図、
【図6】本発明の第5の実施の形態として機能シートに形成されたトラップ回路を示しており、(A)はトラップ回路の等価回路図、(B)は機能シートの断面図、
【図7】本発明の第6の実施の形態として機能シートに形成された貫通コンデンサを示しており、(A)は貫通コンデンサの等価回路図、(B)は機能シートの断面図、
【図8】機能シートの使用状態の一例を示す斜視図、
【符号の説明】
【0102】
1A 積層体
1a 入力端子
1b 出力端子
1c グランド端子
2 誘電率の高い誘電体フィルム(第1層)
3 誘電率の低い誘電体フィルム(第2層)
4 誘電率の低い誘電体フィルム(第3層)
5 誘電率の高い誘電体フィルム(第4層)
6A,6B,6C,6D,6E 導電層
6a 入力電極
6b 出力電極
6c グランド電極
7 平面コイル
7a コイルの中心側の端部
7b コイルの外周側の端部
8a,8b,8c,8d,8e ビアホール
8A ビアホール内の導体
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F 機能シート
20 高周波デバイス
30 マザー回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体フィルムが積層された積層体と、各誘電体フィルムの上下の面上にそれぞれ所定のパターンで形成された導電層と、を備えた機能シートであって、
前記積層体の最上層と最下層が、それ以外の層よりも高い誘電率からなる誘電体フィルムで形成されていることを特徴とする機能シート。
【請求項2】
前記積層体が4層構造である請求項1記載の機能シート。
【請求項3】
前記積層体の最上層と最下層が、それ以外の層よりも薄く形成されている請求項1または2記載の機能シート。
【請求項4】
前記積層体の複数の箇所に、コンデンサとコイルの一方または双方が形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の機能シート。
【請求項5】
前記コンデンサは、少なくとも1つ以上の誘電フィルムを挟んで対向配置された導電層によって形成される請求項4記載の機能シート。
【請求項6】
前記コイルが平面螺旋状である請求項4記載の機能シート。
【請求項7】
前記コイルが、前記最上層及び前記最下層以外の層とのみ接するように形成されている請求項6記載の機能シート。
【請求項8】
前記誘電体フィルムには、内部に導体が埋設されたビアホールが形成されており、前記コンデンサの一端と前記コイルの一端とが、前記ビアホール内の導体を介して導通接続される請求項4ないし7のいずれかに記載の機能シート。
【請求項9】
複数の前記コンデンサと複数の前記コイルとにより、複数のフィルタ回路が設けられている請求項4ないし8のいずれかに記載の機能シート。
【請求項10】
前記フィルタ回路は、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、トラップのいずれかを含む請求項9記載の機能シート。
【請求項11】
前記最上層の積層体の外面に形成された導電層には、他の基板との入出力に用いる入出力電極が形成されており、前記最下層の積層体の外面に形成された導電層には、前記入出力電極に対応する位置に、別の基板との入出力に用いる入出力電極が形成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の機能シート。
【請求項12】
前記積層体の最上層または最下層の内面に形成され、前記入出力電極とコンデンサを形成する前記導電層の少なくとも一部がグランド端子と接続されている請求項11記載の機能シート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−194567(P2009−194567A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32327(P2008−32327)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】