説明

機能性芳香物質前駆体

本発明は、X−OHとアルデヒドまたはケトンとの反応から誘導された化合物のうちの1つ以上を含み、式X−O−C(R)(R)(OR**)[式中、Rは、C6−24アルキル基、C6−24アラルキル基またはC6−24アルカリール基であり;Rは、HまたはC6−24アルキル基、C6−24アラルキル基またはC6−24アルカリール基であり;R**は、HまたはXであり;X−Oは、X−OHから誘導された部分を表し、ここでX−OHは、界面活性剤、布帛柔軟剤、柔軟剤前駆体エステルアミン、柔軟剤前駆体アミドアミン、ヘアコンディショナー、スキンコンディショニング剤、糖及びポリマーからなる群から選択される化合物である。]を有する芳香物質前駆体化合物のクラスに関する。第2の態様においては、本発明は、このような前駆体の製造方法に関する。さらに本発明は、本発明の前駆体を含む組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは繊維、皮膚、毛髪及び硬質表面のような表面で芳香効果を作り出すために使用される化合物のクラス、特に芳香物質前駆体化合物の群に関する。特に、本発明は、上記に略述した表面で分解し、この結果として香料を放出する芳香物質前駆体化合物の群に関する。好適な具体例においては、本発明は、特定のヘミアセタール及びアセタール化合物に関する。香料または芳香物質は、本発明の化合物が分解した時に放出されるだけなので、本発明の化合物は長期持続芳香効果を提供できる。すなわち、本発明の化合物は、芳香物質の持続放出に対処したものである。
【0002】
さらなる態様においては、本発明は、こうした前駆体化合物の製造方法に関する。芳香物質前駆体化合物は、芳香物質原料と、表面保護、表面コンディショニング、及び/または表面清浄化のような利益を提供する機能性化合物の例えば界面活性剤、ポリマー等とからなる。
【0003】
加えて、本発明は、拡大された芳香利益を提供する本発明の化合物を含む組成物、及び芳香物質原料送達システムに関する。
【背景技術】
【0004】
WO-00/72816においては、以下のもののうちの少なくとも2つから選択されるプロ芳香物質またはプロアコードを含む芳香物質送達システムが説明されている:(i)アルデヒド及びケトン放出プロ芳香物質であって、とりわけ、好ましくはオキサゾリジンを含むプロ芳香物質;(ii)β−アミノプロ芳香物質;及び(iii)オルトエステルプロアコード。説明されているプロ芳香物質は、芳香物質原料アルデヒド及びケトンを特にヒトの皮膚に送達できる。さらに詳細には、前記国際特許出願は、特定のアルデヒド芳香物質原料の例えばパラ−t−ブシナール、シマール及びリリアル(lillial)を特定の複素環式プロ芳香物質から特に皮膚に制御可能に放出することができるという発見に基づく。
【0005】
洗濯用製品の例えば布帛柔軟剤または洗剤においては、一般に、前記製品を消費者にとってより審美的に快いものにする香料添加剤が存在する。製品は快く香り、このようにして、購買意識を増大させるのみならず、製品を用いて処理された繊維または布帛に、快い、好ましくは長期にわたって持続する芳香を与えるべきである。当業者が直面する問題のうちの1つは、香料キャリーオーバーの量がかなりわずかであり;多くの芳香物質が洗浄の最中に失われ、無駄に消えてしまうという点である。香料または芳香物質を、繊維、布帛及び織物により有効に送達する様式を見い出し、より長い期間芳香効果を実現することは非常に望ましいと思われる。
【0006】
コルゲート・パーモリブ(Colgate-Palmolive)の出願WO02/057400は、布帛柔軟化組成物から柔軟化すべき布帛への芳香物質送達を向上する、5〜100モル%の陽イオン性ビニル付加モノマー、0〜95モル%のアクリルアミド、及び70〜300ppmの二官能ビニル付加モノマー架橋剤の重合から誘導された水溶性架橋済み陽イオン性ポリマーを説明している。
【0007】
2001年6月27日に出願された同時係属のコルゲート・パーモリブの米国出願第9/893,117号においては、陽イオン柔軟化化合物と;非制限芳香油と;少なくとも1つの布帛または皮膚有益成分(skin beneficiating ingredient)の例えば芳香油と;を含み、感圧マイクロカプセル内部に含まれて布帛へのこのような有益成分の向上された送達を提供する布帛ケア組成物を説明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1の目的は、代替芳香物質前駆体またはプロ芳香物質を提供することにある。
別の目的は、表面への芳香物質または香料のより効果的な送達システムを提供することにある。
【0009】
さらなる目的は、特に繊維含有材料の例えば布帛及び洗濯物に長期持続芳香利益を与える機能性芳香物質前駆体化合物を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、より長い期間芳香物質を放出する制御または持続放出系を提供することにある。
【0010】
なおさらなる目的は、芳香物質の持続放出を提供できる消費者用製品組成物を提供することにある。
他の目的は、以下の説明を読むことで明瞭になろうし、特に洗濯用製品、パーソナルケア製品、硬質表面ケア製品、口腔用製品等に関して得られる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、多数の上記に特定した目的に少なくとも適合する製品及び方法の基礎を形成する化合物のクラス、特に芳香物質前駆体化合物のクラスが見い出された。
より詳細には、本発明は、周囲条件下で分解でき、ヒドロキシル化合物(X−OH)とアルデヒドまたはケトンとの間の反応の反応生成物である芳香物質前駆体化合物を提供する。さらに詳細には、本発明は、X−OHとアルデヒドまたはケトンとの反応から誘導された化合物のうちの1つ以上を含み、式X−O−C(R)(R)(OR**)[式中、Rは、C6−24アルキル基、C6−24アラルキル基またはC6−24アルカリール基であり;Rは、HまたはC6−24アルキル基、C6−24アラルキル基またはC6−24アルカリール基であり;R**は、HまたはXであり;X−Oは、X−OHから誘導された部分を表し、ここでX−OHは、界面活性剤、布帛柔軟剤、柔軟剤前駆体エステルアミン、柔軟剤前駆体アミドアミン、ヘアコンディショナー、スキンコンディショニング剤、糖及びポリマーからなる群から選択される化合物である。]を有する芳香物質前駆体化合物に関する。
【0012】
好適な具体例においては、X−OHは以下の構造を有する:
【0013】
【化1】

【0014】
[式中、R及びRは各々独立して、Hまたは:
(a)式−(CHを有するC〜C22アルキレンカルボキシ部分であり、ここでRは、−NHCOR;または−OCOR;または−NRCORであり;ここでR及びRは各々独立して、C〜C22アルキルまたはアルケニルであり;eは1〜22の整数であるか;または
(b)C〜C22線状若しくは枝分れアルキルであるか;または
(c)C〜C22線状若しくは枝分れアルケニルであるか;または
(d)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシであるか;または
(e)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアルキルであるか;または
(f)C〜C22置換若しくは未置換アリールオキシであるか;または
(g)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンアリールであるか;または
(h)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアリールであるか;または
(i)C〜C22オキシアルキレンアリールであるか;または
(j)式:
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、Rは、−SOM、−OSOM、−POM、−OPOM、Clまたはこれらの混合物であり、ここでMは、水素、若しくは電荷バランスを満足させるのに十分な1つ以上の塩形成陽イオン、またはこれらの混合物であり;
yは1〜約22の整数である。)
を有する陰イオン単位であるか;または
(k)(a)〜(j)のうちの少なくとも2つを含む混合物であり;
qは0〜約22の整数であり;mは0〜約22の整数であり;Qは(CHまたは(CHCHRO)であり;Rは独立して、水素、メチル、エチル、プロピルまたはベンジルであり;BはHまたはOHであり;YはCRまたはNである。]
【0017】
【化3】

【0018】
[式中、R及びRは独立して、C12〜C30脂肪族炭化水素基を表し、Rは、(CHCHO)H、CHまたはHを表し;TはNHを表し;nは1〜5の整数であり;mは1〜5の整数であり、pは1〜10の整数である。]
【0019】
【化4】

【0020】
[式中、Rは、Hまたは:
(a)式:−(CHを有するC〜C22アルキレンカルボキシ部分であり、ここでRは、−NHCOR;または−OCOR;または−NRCORであり;ここでR及びRは各々独立して、C〜C22アルキルまたはアルケニルであり;eは1〜22の整数であるか;または
(b)C〜C22線状若しくは枝分れアルキルであるか;または
(c)C〜C22線状若しくは枝分れアルケニルであるか;または
(d)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシであるか;または
(e)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアルキルであるか;または
(f)C〜C22置換若しくは未置換アリールオキシであるか;または
(g)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンアリールであるか;または
(h)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアリールであるか;または
(i)C〜C22オキシアルキレンアリールであるか;または
(j)式:
【0021】
【化5】

【0022】
(式中、Rは、−SOM、−OSOM、−POM、−OPOM、Clまたはこれらの混合物であり、ここでMは、水素、若しくは電荷バランスを満足させるのに十分な1つ以上の塩形成陽イオン、またはこれらの混合物であり;yは1〜約22の整数である。)
を有する陰イオン単位であり;及び
(k)(a)〜(j)のうちの少なくとも2つを含む混合物であり;
qは0〜約22の整数であり;mは0〜約22の整数であり;Qは(CH、または(CHCHRO)であり;Rは独立して、水素、メチル、エチル、プロピルまたはベンジルであり;BはHまたはOHであり;YはOまたはSである。]
【0023】
【化6】

【0024】
[式中、R及びRは各々独立して、Hまたは:
(a)式:−(CHを有するC〜C22アルキレンカルボキシ部分であり、ここでRは、−NHCOR;または−OCOR;または−NRCORであり;ここでR及びRは各々独立して、C〜C22アルキルまたはアルケニルであり;eは1〜22の整数であるか;または
(b)C〜C22線状若しくは枝分れアルキルであるか;または
(c)C〜C22線状若しくは枝分れアルケニルであるか;または
(d)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシであるか;または
(e)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアルキルであるか;または
(f)C〜C22置換若しくは未置換アリールオキシであるか;または
(g)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンアリールであるか;または
(h)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアリールであるか;または
(i)C〜C22オキシアルキレンアリールであるか;または
(j)式:
【0025】
【化7】

【0026】
(式中、Rは、−SOM、−OSOM、−POM、−OPOM、Clまたはこれらの混合物であり、ここでMは、水素、若しくは電荷バランスを満足させるのに十分な1つ以上の塩形成陽イオン、またはこれらの混合物であり;Rはまたコロライド(choloride)としてよく;yは1〜約22の整数である。)
を有する陰イオン単位であり;及び
(k)(a)〜(j)のうちの少なくとも2つを含む混合物であり;
qは0〜約22の整数であり;mは0〜約22の整数であり;Qは(CHまたは(CHCHRO)であり;Rは独立して、水素、メチル、エチル、プロピルまたはベンジル;及びこれらの混合物であり;BはHまたはOHであり;YはCまたはNであり;Rは、HまたはC〜Cアルキルであり;Zは対陰イオンであり、好ましくは塩化物、または硫酸メチルである。]
【0027】
【化8】

【0028】
[式中、R及びRはIにおいて定義される通りであり;R’及びR”は各々独立して、OHまたはRであり、但し、R’及びR”のうちの少なくとも1つはOHである。]
第2の態様においては、本発明は、アルデヒド及び/またはケトンと化合物X−OHとを反応させることを含む、本発明の製品の製造方法に関する。X−OHは上記に定義した。
【0029】
第3の態様においては、本発明は、本発明による反応生成物のうちの1つ以上を含む芳香物質送達のための水性組成物に関する。好ましくは、前記組成物は布帛柔軟剤を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本明細書において上記に言及したように、本発明は、X−OHとアルデヒドまたはケトンとの間の反応の反応生成物に関する。この反応のアルデヒドまたはケトン出発化合物において、C6−24アルキル部分は、1つ以上の不飽和を有することができる線状及び枝分れアルキル基を包含する。このような基は、アルデヒドまたはケトンの芳香活性に悪影響を及ぼすことがない置換基で置換することができる。このような置換基の例は、F、Cl及びOHを包含する。
【0031】
6−24アルカリール及びアラルキル部分はまた、枝分れとすることができ、芳香特性に悪影響を及ぼすことがない置換基を含む。
より好適な具体例においては、X−OHは好ましくは以下の構造を有する:
【0032】
【化9】

【0033】
[式中、R及びRは各々独立して、Hまたは:
(a)式−(CHを有するC〜C22アルキレンカルボキシ部分であり、ここでRは、−NHCOR;または−OCOR;または−NRCORであり;ここでR及びRは各々独立して、C〜C22アルキルまたはアルケニルであり;eは1〜22の整数であるか;または
(b)C〜C22線状若しくは枝分れアルキルであるか;または
(c)C〜C22線状若しくは枝分れアルケニルであるか;または
(d)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシであるか;または
(e)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアルキルであるか;または
(f)C〜C22置換若しくは未置換アリールオキシであるか;または
(g)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンアリールであるか;または
(h)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアリールであるか;または
(i)C〜C22オキシアルキレンアリールであるか;または
(j)式:
【0034】
【化10】

【0035】
(式中、Rは、−SOM、−OSOM、−POM、−OPOM、Clまたはこれらの混合物であり、ここでMは、水素、若しくは電荷バランスを満足させるのに十分な1つ以上の塩形成陽イオン、またはこれらの混合物であり;yは1〜約22の整数である。)
を有する陰イオン単位であるか;または
(k)(a)〜(j)のうちの少なくとも2つを含む混合物であり;
qは0〜約22の整数であり;mは0〜約22の整数であり;Qは(CHまたは(CHCHRO)であり;Rは独立して、水素、メチル、エチル、プロピルまたはベンジルであり;BはHまたはOHであり;YはCRまたはNである。]
本発明において有用なアルデヒドは、アルデヒドの以下の群のうちの1つ以上とすることができるが、これらに限定されるものではない:
(a)フェニルアセトアルデヒド;または
(b)p−メチルフェニルアセトアルデヒド;または
(c)p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド;または
(d)メチルノニルアセトアルデヒド;または
(e)フェニルプロパナール;または
(f)3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール;または
(g)3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール;または
(h)3−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパナール;または
(i)3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール;または
(j)3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール;または
(k)3−(4−エチルフェニル)−2,2ジメチルプロパナール;または
(1)フェニルブタナール;または
(m)3−メチル−5−フェニルペンタナール;または
(n)ヘキサナール;または
(o)トランス−2−ヘキセナール;または
(p)シス−ヘキス−3−エナール;または
(q)ヘプタナール;または
(r)シス−4−ヘプテナール;または
(s)2−エチル−2−ヘプテナール;または
(t)2,6−ジメチルプロパナール;または
(u)2,4−ヘプタジエナール;または
(v)オクタナール;または
(w)2−オクテナール;または
(x)3,7−ジメチルオクタナール;または
(y)3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール;または
(z)3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−アール;または
(aa)3,7−ジメチル−6−オクテナール;または
(bb)3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクタン−1−アール;または
(cc)ノナナール;または
(dd)6−ノネナール;または
(ee)2,4−ノナジエナール;または
(ff)2,6−ノナジエナール;または
(gg)デカナール;または
(hh)2−メチルデカナール;または
(ii)4−デセナール;または
(jj)9−デセナール;または
(kk)2,4−デカジエナール;または
(ll)ウンデカナール;または
(mm)2−メチルデカナール;または
(nn)2−メチルウンデカナール;または
(oo)2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール;または
(pp)ウンデク−10−エニルアルデヒド;または
(qq)ウンデク−8−エナナール;または
(rr)ドデカナール;または
(ss)トリデカナール;または
(tt)テトラデカナール;または
(uu)アニスアルデヒド;または
(vv)ブルゲノナール;または
(ww)シンナミックアルデヒド;または
(xx)α−アミルシンナムアルデヒド;または
(yy)α−ヘキシルシンナムアルデヒド;または
(zz)メトキシシンナムアルデヒド;または
(aaa)シトロネラール;または
(bbb)ヒドロキシ−シトロネラール;または
(ccc)イソシクロシトラール;または
(ddd)シトロネリルオキシアセトアルデヒド;または
(eee)コルテクスアルデヒド;または
(fff)カミニックアルデヒド;または
(ggg)シクラメムアルデヒド;または
(hhh)フロルヒドラール;または
(iii)ヘリオトロピン;または
(jjj)ヒドロトロピックアルデヒド;または
(kkk)リリアル(lilial);または
(lll)バニリン;または
(mmm)エチルバニリン;または
(nnn)ベンズアルデヒド;または
(ooo)p−メチルベンズアルデヒド;または
(ppp)3,4−ジメトキシベンズアルデヒド;または
(qqq)3−及び4−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カロキスアルデヒド;または
(rrr)2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド;または
(sss)1−メチル−3−4−メチルペンチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド;及び
(ttt)p−メチルフェノキシアセトアルデヒド
アルデヒドを使用する場合、本発明の前駆体はアセタールまたはヘミアセタールである。
【0036】
本発明において有用なケトンは、以下のケトンの群のうちの1つ以上とすることができるが、これらに限定されるものではない:
(a)アルファ−ダマスコン;または
(b)ベータ−ダマスコン;または
(c)デルタ−ダマスコン;または
(d)ベータ−ダマセノン;または
(e)ムスコン;または
(f)6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン;または
(g)カシュメラン;または
(h)シス−ジャスモン;または
(i)ジヒドロジャスモン;または
(j)アルファ−イオノン;または
(k)ベータ−イオノン;または
(1)ジヒドロ−ベータ−イオノン;または
(m)ガンマ−メチルイオノン;または
(n)アルファ−イソ−メチルイオノン;または
(o)4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ブタン−2−オン;または
(p)4−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン−2−オン;または
(q)メチルベータ−ナフチルケトン;または
(r)メチルセドリルケトン;または
(s)6−アセチル−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチルテトラリン(トナリド(Tonalid));または
(t)1−カルボン;または
(u)5−シクロヘキサデセン−1−オン;または
(v)アセトフェノン;または
(w)デカトン;または
(x)2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン;または
(y)2−sec−ブチルシクロヘキサノン;または
(z)ベータ−ジヒドロイオノン;または
(aa)アリルイオノン;または
(bb)アルファ−イロン;または
(cc)アルファ−セトン;または
(dd)アルファ−イリソン;または
(ee)アセトアニソール;または
(ff)ゲラニルアセトン;または
(gg)1−(2−メチル−5−イソプロピル−2−シクロヘキセニル)−1−プロパノン;または
(hh)アセチルジイソアミレン;または
(ii)メチルシクロシトロン;または
(jj)4−t−ペンチルシクロヘキサノン;または
(kk)p−t−ブチルシクロヘキサノン;または
(ll)o−t−ブチルシクロヘキサノン;または
(mm)エチルアミルケトン;または
(nn)エチルペンチルケトン;または
(oo)メントン;または
(pp)メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン;または
(qq)フェンコン;または
(rr)メチルナフチルケトン;または
(ss)プロピルナフチルケトン;及び
(tt)メチルヒドロキシナフチルケトン
本発明の芳香物質前駆体化合物は、特に繊維、皮膚、毛髪及び硬質表面のような表面、特に布帛及び洗濯物に施用した場合、長期持続芳香利益のための源として働くことが見い出された。特に、本発明は、繊維、皮膚、毛髪及び硬質表面のような表面、特に布帛及び洗濯物で分解し、この結果として香料を放出する芳香物質前駆体化合物に関する。
【0037】
香料または芳香物質は、本発明の化合物が分解した時に放出されるだけなので、本発明の化合物は長期持続芳香効果を提供できる。すなわち、本発明の化合物は、芳香物質の持続放出に対処したものである。
【0038】
本発明によれば、芳香物質を形成するための芳香物質前駆体化合物の分解の程度と芳香物質の強度との間にバランスが存在する。芳香物質の強度は実質的に、形成された芳香物質に基づく。
【0039】
数日後の、例えば5日後の、好ましくは7日後の芳香物質の放出も保証するためには、芳香物質は、本発明の芳香物質前駆体化合物の制御された分解によって放出されなければならない。すなわち、芳香物質前駆体化合物と芳香物質を含む成分との間の平衡は、好ましくは何日もの間十分な芳香物質を放出するようなものでなければならない。この平衡は、アルデヒド及び/またはケトンのタイプ及び化合物X−OHの性質に依存する。
【0040】
本発明の別の具体例においては、本発明の芳香物質前駆体化合物は、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールエステル及び多糖からなる群から選択される化合物X−OHから誘導される。好ましくは、ポリアルキレングリコールまたはこのエステルは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリ(エチレン/プロピレン)グリコールに基づく。
【0041】
本発明の芳香物質前駆体化合物は特に、組成物中に取り入れて、繊維、皮膚、毛髪及び硬質表面のような表面、特に布帛及び洗濯物を処理することを目的とする。この観点から、このような材料を処理するために使用される組成物と適合するのみならず、このような組成物において有用な特性を有すると思われる入手可能な化合物を有することが非常に望ましいと思われる。この点で、特に好適な具体例においては、本発明は、本明細書において上記に説明したタイプの芳香物質前駆体化合物(ここでX−OHは、Iとして本明細書において上記に説明した界面活性剤である)に関する。好ましい構造は、式(R−(CH−N−(CH−OHを有し、ここで、Rは独立して、式AlkC(O)NH−を有する脂肪アミドアミン部分、式AlkC(O)Oを有する部分、式Alk−O−を有する部分からなる群から選択され、ここで、Alkは、所望により1つ以上のヒドロキシル基、ニトロ基、アミン基、及び/またはハロゲン原子で置換された線状若しくは枝分れC〜C24アルキル若しくはアルキレン基であるか、またはCHOH−R基を表す。z及びyは独立して、0〜10、好ましくは0〜5、より好ましくは1〜3の値を有する整数であり;xは2または3を表す。
【0042】
こうした芳香物質前駆体化合物は、例えば元来布帛柔軟化特性を有する脂肪またはジ−脂肪アミドアミンに基づく。このような脂肪アミドアミンの例は、例えばUS-A-5,501,806において言及されているようにバリソフト(Varisoft)、例えばバリソフト510(ゴルトシュミット(Goldschmidt)製、ドイツ)という商品名で販売されている布帛柔軟剤である。本明細書における下記の実施例から理解されるように、ジ−脂肪アミドアミン(バリソフト510)とC6−12アルデヒドとの間の反応生成物は、1週間を超えた後までアルデヒドの連続放出を与えるプロ芳香物質を与える。
【0043】
本発明の芳香物質前駆体化合物は、アルデヒド及び/またはケトン芳香物質と化合物X−OHとを反応させることによって得ることができ;X−OHは、界面活性剤、布帛柔軟剤、柔軟剤前駆体エステルアミンまたはアミドアミン、ヘア及びスキンコンディショナー並びにポリマーからなる群から選択される。これは、本発明のさらなる態様を形成する。
【0044】
実際に、アセタール、ヘミアセタール、及び/またはケタールの形成は、少なくとも1つの求核性遊離−OH基を含む化合物及びアルデヒド及び/またはケトンを含む。この反応は、それ自体周知である。好ましくは、この反応は、水溶液中、酸または触媒の存在下で実行される。
【0045】
図1において、例として、アミドアミンとC10アルデヒドとの間の反応が示される。アミドアミン出発化合物の例は、バリソフト510である。この反応から得た生成物は、濯ぎサイクル布帛柔軟剤のような製品配合物中に非常に適切に取り入れることができ、前記配合物から表面に送達されて、長期持続芳香を与える。
【0046】
遊離ヒドロキシル基の数に依存して、1つ以上のアルデヒド及び/またはケトン分子をXOH分子にカップリングすることができる。これは、放出すべき芳香物質の容量をある程度制御することができる。
【0047】
なおさらなる態様においては、本発明は、本発明による1つ以上の芳香物質前駆体化合物を含む芳香物質送達のための水性組成物に関する。好ましい前記水性組成物は、布帛柔軟剤組成物であり、特に濯ぎサイクル布帛柔軟剤組成物である。
【0048】
水性組成物中に、組成物の総重量を基準として0.001〜10重量%の本発明の芳香物質前駆体を取り入れた場合に、良好な結果が得られる。好ましくは0.01〜35重量%、より好ましくは2〜15重量%の任意の布帛柔軟化活性成分が存在する。好ましい陽イオン柔軟剤は、以下の構造式を有するエステルクアト柔軟剤である:
【0049】
【化11】

【0050】
[式中、R4は、8〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、R2及びR3は、(CH−Rを表し、ここで、Rは、8〜22個の炭素原子を含むアルコキシカルボニル基、ベンジル、フェニル、(C1−C4)−アルキル置換フェニル、OHまたはHを表し;q、s、及びtは各々独立して、1〜3の整数を表し;Xは柔軟剤適合性陰イオンである。]
本発明を、本発明を限定せず、単に本発明を示す以下の実施例においてより詳細に説明する。特に断らない限り、全てのパーセントは、最終組成物の重量を基準とする重量による。
【実施例】
【0051】
実施例1
芳香物質前駆体は、バリソフト510(3.0g)をデシルアルデヒド(1.8ml)、水(0.2ml)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(20mg)と合わせること(これは好ましいが、これに限定されるものではない)によって形成できる。次に反応を、60℃、油浴中で撹拌しながら一晩空気にさらして加熱した。次いで反応を室温に冷却し、放置によって凝固させた。図4において、バリソフト510及びC10アルデヒドと反応したバリソフト510のプロトン−及び13C−NMRスペクトルを与える。図5は、反応生成物の質量スペクトルを示す。
【0052】
芳香物質前駆体はまた、水を加えずに上記の反応(これは好ましいが、これに限定されるものではない)によって形成できる。
実施例2
布帛柔軟剤組成物を製造し、これは、以下の構造式:
【0053】
【化12】

【0054】
[式中、R4は、8〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、R2及びR3は、(CH−Rを表し、ここで、Rは、8〜22個の炭素原子を含むアルコキシカルボニル基、ベンジル、フェニル、(C1−C4)−アルキル置換フェニル、OHまたはHを表し;q、s、及びtは各々独立して、1〜3の整数を表し;Xは柔軟剤適合性陰イオンである。]
を有する5重量%のエステルクアト、製造された1重量%のアミドアミン芳香物質前駆体化合物、及び94重量%の水を含む。製造された布帛柔軟剤組成物を用いて布帛を処理し、芳香物質の放出を、1日後及び5日後にGC/MSと結合した固相マイクロ抽出(solid phase micro extraction)(SPME)によって測定した。C10アルデヒドの場合、1日目及び5日目に放出された芳香物質の量はほぼ同じだった。布帛表面からの芳香物質の所望の持続放出を示す。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ジ−脂肪アミドアミンとC10アルデヒドとの間の反応を示す。
【図2】C、C及びC10アルデヒドの場合の、本発明の芳香物質前駆体化合物を含む布帛柔軟剤を用いて処理した布帛からの1日後及び5日後の芳香物質の放出を固相マイクロ抽出GC/MSによって示す。
【図3】純C10アルデヒド、並びにC10アルデヒド及びバリソフト510に基づく芳香物質前駆体化合物を用いて処理した布から放出された化合物のGC/MSスペクトルを示す。
【図4a】図4aは、バリソフト510のプロトン−NMRスペクトルを示す。
【図4b】図4bは、バリソフト510の13C−NMRスペクトルを示す。
【図4c】図4cは、C10アルデヒドと反応したバリソフト510のプロトン−NMRスペクトルを示す。
【図4d】図4dは、C10アルデヒドと反応したバリソフト510の13C−NMRスペクトルを示す。
【図5a】図5aは、バリソフト510とC10アルデヒドとの反応生成物の質量スペクトルを示す。
【図5b】図5bは、バリソフト510とC10アルデヒドとの反応生成物の質量スペクトルを示す。
【図5c】図5cは、バリソフト510とC10アルデヒドとの反応生成物の質量スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X−OHとアルデヒドまたはケトンとの反応から誘導された化合物のうちの1つ以上を含み、式X−O−C(R)(R)(OR**)[式中、Rは、C6−24アルキル基、C6−24アラルキル基またはC6−24アルカリール基であり;Rは、HまたはC6−24アルキル基、C6−24アラルキル基またはC6−24アルカリール基であり;R**は、HまたはXであり;X−Oは、X−OHから誘導された部分を表し、ここでX−OHは、界面活性剤、布帛柔軟剤、柔軟剤前駆体エステルアミン、柔軟剤前駆体アミドアミン、ヘアコンディショナー、スキンコンディショニング剤、糖及びポリマーからなる群から選択される化合物である。]を有する芳香物質前駆体化合物。
【請求項2】
X−OHは以下の構造:
【化1】

[式中、R及びRは各々独立して、Hまたは:
(a)式−(CHを有するC〜C22アルキレンカルボキシ部分であり、ここでRは、−NHCOR;または−OCOR;または−NRCORであり;ここでR及びRは各々独立して、C〜C22アルキルまたはアルケニルであり;eは1〜22の整数であるか;または
(b)C〜C22線状若しくは枝分れアルキルであるか;または
(c)C〜C22線状若しくは枝分れアルケニルであるか;または
(d)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシであるか;または
(e)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアルキルであるか;または
(f)C〜C22置換若しくは未置換アリールオキシであるか;または
(g)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンアリールであるか;または
(h)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアリールであるか;または
(i)C〜C22オキシアルキレンアリールであるか;または
(j)式:
【化2】

(式中、Rは、−SOM、−OSOM、−POM、−OPOM、Clまたはこれらの混合物であり、ここでMは、水素、若しくは電荷バランスを満足させるのに十分な1つ以上の塩形成陽イオン、またはこれらの混合物であり;
yは1〜約22の整数である。)
を有する陰イオン単位であるか;または
(k)(a)〜(j)のうちの少なくとも2つを含む混合物であり;
qは0〜約22の整数であり;mは0〜約22の整数であり;Qは(CHまたは(CHCHRO)であり;Rは独立して、水素、メチル、エチル、プロピルまたはベンジルであり;BはHまたはOHであり;YはCRまたはNである。]
を有する、請求項1に記載の芳香物質前駆体。
【請求項3】
X−OHは以下の構造:
【化3】

[式中、R及びRは独立して、C12〜C30脂肪族炭化水素基を表し、Rは、(CHCHO)H、CHまたはHを表し;TはNHを表し;nは1〜5の整数であり;mは1〜5の整数であり、pは1〜10の整数である。]
を有する、請求項1に記載の芳香物質前駆体。
【請求項4】
は、(CHCHO)Hを表し;nは2であり;mは2であり;pは1.5〜10の値を有する、請求項3に記載の芳香物質前駆体。
【請求項5】
X−OHは以下の構造:
【化4】

[式中、Rは、Hまたは:
(a)式:−(CHを有するC〜C22アルキレンカルボキシ部分であり、ここでRは、−NHCOR;または−OCOR;または−NRCORであり;ここでR及びRは各々独立して、C〜C22アルキルまたはアルケニルであり;eは1〜22の整数であるか;または
(b)C〜C22線状若しくは枝分れアルキルであるか;または
(c)C〜C22線状若しくは枝分れアルケニルであるか;または
(d)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシであるか;または
(e)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアルキルであるか;または
(f)C〜C22置換若しくは未置換アリールオキシであるか;または
(g)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンアリールであるか;または
(h)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアリールであるか;または
(i)C〜C22オキシアルキレンアリールであるか;または
(j)式:
【化5】

(式中、Rは、−SOM、−OSOM、−POM、−OPOM、Clまたはこれらの混合物であり、ここでMは、水素、若しくは電荷バランスを満足させるのに十分な1つ以上の塩形成陽イオン、またはこれらの混合物であり;
yは1〜約22の整数である。)
を有する陰イオン単位であり;及び
(k)(a)〜(j)のうちの少なくとも2つを含む混合物であり;
qは0〜約22の整数であり;mは0〜約22の整数であり;Qは(CH、または(CHCHRO)であり;Rは独立して、水素、メチル、エチル、プロピルまたはベンジルであり;BはHまたはOHであり;YはOまたはSである。]
を有する、請求項1に記載の芳香物質前駆体。
【請求項6】
X−OHは以下の構造:
【化6】

[式中、R及びRは各々独立して、Hまたは:
(a)式:−(CHを有するC〜C22アルキレンカルボキシ部分であり、ここでRは、−NHCOR;または−OCOR;または−NRCORであり;ここでR及びRは各々独立して、C〜C22アルキルまたはアルケニルであり;eは1〜22の整数であるか;または
(b)C〜C22線状若しくは枝分れアルキルであるか;または
(c)C〜C22線状若しくは枝分れアルケニルであるか;または
(d)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシであるか;または
(e)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアルキルであるか;または
(f)C〜C22置換若しくは未置換アリールオキシであるか;または
(g)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンアリールであるか;または
(h)C〜C22置換若しくは未置換アルキレンオキシアリールであるか;または
(i)C〜C22オキシアルキレンアリールであるか;または
(j)式:
【化7】

(式中、Rは、−SOM、−OSOM、−POM、−OPOM、Clまたはこれらの混合物であり、ここでMは、水素、若しくは電荷バランスを満足させるのに十分な1つ以上の塩形成陽イオン、またはこれらの混合物であり;Rはまたコロライドとしてよく;yは1〜約22の整数である。)
を有する陰イオン単位であり;及び
(k)(a)〜(j)のうちの少なくとも2つを含む混合物であり;
qは0〜約22の整数であり;mは0〜約22の整数であり;Qは(CHまたは(CHCHRO)であり;Rは独立して、水素、メチル、エチル、プロピルまたはベンジル;及びこれらの混合物であり;BはHまたはOHであり;YはCまたはNであり;Rは、HまたはC〜Cアルキルであり;Zは対陰イオンであり、好ましくは塩化物、または硫酸メチルである。]
を有する、請求項1に記載の芳香物質前駆体。
【請求項7】
X−OHはポリオールである、請求項1に記載の芳香物質前駆体。
【請求項8】
X−OHは以下の構造:
【化8】

[式中、R及びRは請求項1において定義される通りであり;R’及びR”は各々独立して、OHまたはRであり、但し、R’及びR”のうちの少なくとも1つはOHである。]
を有する、請求項1に記載の芳香物質前駆体。
【請求項9】
部分−C(R)(OR**)(R)は、以下のアルデヒド:
(a)フェニルアセトアルデヒド;または
(b)p−メチルフェニルアセトアルデヒド;または
(c)p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド;または
(d)メチルノニルアセトアルデヒド;または
(e)フェニルプロパナール;または
(f)3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール;または
(g)3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール;または
(h)3−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパナール;または
(i)3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール;または
(j)3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール;または
(k)3−(4−エチルフェニル)−2,2ジメチルプロパナール;または
(1)フェニルブタナール;または
(m)3−メチル−5−フェニルペンタナール;または
(n)ヘキサナール;または
(o)トランス−2−ヘキセナール;または
(p)シス−ヘキス−3−エナール;または
(q)ヘプタナール;または
(r)シス−4−ヘプテナール;または
(s)2−エチル−2−ヘプテナール;または
(t)2,6−ジメチルプロパナール;または
(u)2,4−ヘプタジエナール;または
(v)オクタナール;または
(w)2−オクテナール;または
(x)3,7−ジメチルオクタナール;または
(y)3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール;または
(z)3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−アール;または
(aa)3,7−ジメチル−6−オクテナール;または
(bb)3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクタン−1−アール;または
(cc)ノナナール;または
(dd)6−ノネナール;または
(ee)2,4−ノナジエナール;または
(ff)2,6−ノナジエナール;または
(gg)デカナール;または
(hh)2−メチルデカナール;または
(ii)4−デセナール;または
(jj)9−デセナール;または
(kk)2,4−デカジエナール;または
(ll)ウンデカナール;または
(mm)2−メチルデカナール;または
(nn)2−メチルウンデカナール;または
(oo)2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール;または
(pp)ウンデク−10−エニルアルデヒド;または
(qq)ウンデク−8−エナナール;または
(rr)ドデカナール;または
(ss)トリデカナール;または
(tt)テトラデカナール;または
(uu)アニスアルデヒド;または
(vv)ブルゲノナール;または
(ww)シンナミックアルデヒド;または
(xx)α−アミルシンナムアルデヒド;または
(yy)α−ヘキシルシンナムアルデヒド;または
(zz)メトキシシンナムアルデヒド;または
(aaa)シトロネラール;または
(bbb)ヒドロキシ−シトロネラール;または
(ccc)イソシクロシトラール;または
(ddd)シトロネリルオキシアセトアルデヒド;または
(eee)コルテクスアルデヒド;または
(fff)カミニックアルデヒド;または
(ggg)シクラメムアルデヒド;または
(hhh)フロルヒドラール;または
(iii)ヘリオトロピン;または
(jjj)ヒドロトロピックアルデヒド;または
(kkk)リリアル;または
(lll)バニリン;または
(mmm)エチルバニリン;または
(nnn)ベンズアルデヒド;または
(ooo)p−メチルベンズアルデヒド;または
(ppp)3,4−ジメトキシベンズアルデヒド;または
(qqq)3−及び4−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カロキスアルデヒド;または
(rrr)2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド;または
(sss)1−メチル−3−4−メチルペンチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド;及び
(ttt)p−メチルフェノキシアセトアルデヒド;
のうちの1つ以上から誘導される、請求項1に記載の芳香物質前駆体。
【請求項10】
部分−CHOR−Rは、以下のケトン:
(a)アルファ−ダマスコン;または
(b)ベータ−ダマスコン;または
(c)デルタ−ダマスコン;または
(d)ベータ−ダマセノン;または
(e)ムスコン;または
(f)6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン;または
(g)カシュメラン;または
(h)シス−ジャスモン;または
(i)ジヒドロジャスモン;または
(j)アルファ−イオノン;または
(k)ベータ−イオノン;または
(1)ジヒドロ−ベータ−イオノン;または
(m)ガンマ−メチルイオノン;または
(n)アルファ−イソ−メチルイオノン;または
(o)4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ブタン−2−オン;または
(p)4−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン−2−オン;または
(q)メチルベータ−ナフチルケトン;または
(r)メチルセドリルケトン;または
(s)6−アセチル−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチルテトラリン(トナリド);または
(t)1−カルボン;または
(u)5−シクロヘキサデセン−1−オン;または
(v)アセトフェノン;または
(w)デカトン;または
(x)2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン;または
(y)2−sec−ブチルシクロヘキサノン;または
(z)ベータ−ジヒドロイオノン;または
(aa)アリルイオノン;または
(bb)アルファ−イロン;または
(cc)アルファ−セトン;または
(dd)アルファ−イリソン;または
(ee)アセトアニソール;または
(ff)ゲラニルアセトン;または
(gg)1−(2−メチル−5−イソプロピル−2−シクロヘキセニル)−1−プロパノン;または
(hh)アセチルジイソアミレン;または
(ii)メチルシクロシトロン;または
(jj)4−t−ペンチルシクロヘキサノン;または
(kk)p−t−ブチルシクロヘキサノン;または
(ll)o−t−ブチルシクロヘキサノン;または
(mm)エチルアミルケトン;または
(nn)エチルペンチルケトン;または
(oo)メントン;または
(pp)メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン;または
(qq)フェンコン;または
(rr)メチルナフチルケトン;または
(ss)プロピルナフチルケトン;及び
(tt)メチルヒドロキシナフチルケトン;
のうちの1つ以上から誘導される、請求項1に記載の芳香物質前駆体。
【請求項11】
(a)(i)芳香物質原料を放出できる請求項1に記載の芳香物質前駆体化合物;または
(ii)芳香物質原料;
を含む少なくとも約0.001重量%の芳香物質前駆体複合体と;
(b)残部のキャリア及び付随的成分と;
を含む芳香物質前駆体化合物送達システム。
【請求項12】
(a)(i)芳香物質原料を放出できる請求項1に記載の芳香物質前駆体化合物;または
(ii)芳香物質原料;
を含む少なくとも約0.001重量%の芳香物質前駆体複合体と;
(b)有効な量の洗浄性界面活性剤と;
(c)残部のキャリア及び付随的成分と;
を含む洗濯用洗剤。
【請求項13】
(a)(i)芳香物質原料を放出できる請求項1に記載の芳香物質前駆体化合物;または
(ii)芳香物質原料;
を含む少なくとも約0.001重量%の芳香物質前駆体複合体と;
(b)有効な量の布帛柔軟化化合物と;
(c)残部のキャリア及び付随的成分と;
を含む布帛柔軟剤または布帛柔軟化ドライヤーシート。
【請求項14】
(a)(i)芳香物質原料を放出できる請求項1に記載の芳香物質前駆体化合物;または
(ii)芳香物質原料;
を含む少なくとも約0.001重量%の芳香物質前駆体複合体と;
(c)少なくとも約0.01〜約99重量%の芳香物質原料の混和物と;
(d)残部のキャリア及び付随的成分と;
を含む香料または上質の芳香物質。
【請求項15】
(a)(i)芳香物質原料を放出できる請求項1に記載の芳香物質前駆体化合物;または
(ii)芳香物質原料;
を含む約0.001重量%の芳香物質前駆体複合体と;
(b)パーソナルケアまたは口腔用ケアまたは硬質表面ケア製品において使用するのに適した約0.1重量%の界面活性剤、または皮膚軟化剤または研磨材または抗菌剤と;
(c)残部のキャリア及び付随的成分と;
を含むパーソナルケア製品、または口腔用ケア製品または硬質表面ケア製品。
【請求項16】
前記キャリア及び付随的成分は、ビルダー、蛍光増白剤、漂白剤、漂白剤ブースター、漂白触媒、漂白剤活性化剤、汚れ放出ポリマー、染料転移剤、分散剤、酵素、泡抑制剤、染料、香料、着色剤、充填剤塩、ヒドロトロープ、光活性化剤、螢光剤、布帛コンディショナー、加水分解可能な界面活性剤、保存剤、抗酸化剤、キレート化剤、安定剤、抗収縮剤、抗しわ剤、殺菌剤、抗真菌剤、耐食剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項11、12、13、14または15に記載の組成物。
【請求項17】
式X−O−C(R)(R)(OR**)[式中、Rは、C6−24アルキル基、C6−24アラルキル基またはC6−24アルカリール基であり;Rは、HまたはC6−24アルキル基、C6−24アラルキル基またはC6−24アルカリール基であり;R**は、HまたはXであり;X−Oは、X−OHから誘導された部分を表し、ここでX−OHは、界面活性剤、布帛柔軟剤、柔軟剤前駆体エステルアミン、柔軟剤前駆体アミドアミン、ヘアコンディショナー、スキンコンディショニング剤、糖及びポリマーからなる群から選択される化合物である。]を有する芳香物質前駆体化合物の製造方法であって、式R−C(O)Rを有するアルデヒドまたはケトン芳香物質とX−OHによって表される化合物とを反応させることを含む方法。
【請求項18】
反応は酸触媒される、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【公表番号】特表2006−516308(P2006−516308A)
【公表日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555495(P2004−555495)
【出願日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/036964
【国際公開番号】WO2004/047788
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】