説明

機能性部材及びその製造方法

【課題】 繊維を植毛したブラシと同等以上のブラシ効果を得る一方で低コストに製造することを可能にした機能性部材を提供する。
【解決手段】 繊維11が厚み方向に配向した繊維構造体1の表面をブラシ面として構成する。例えば、シート状をした繊維構造体1の少なくとも一部を厚み方向に湾曲させ、スポンジ等の主材2の周面に貼り付けてブラシB1を構成する。繊維構造体1は外側に湾曲した部分の繊維11の配向が放射状となり、たわしのようなブラシとして機能させることができる。繊維を植毛した素材が不要であり、低コスト化が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繊維構造体を用いたブラシ機能を有する機能性部材に関し、特に画像形成装置を構成している各種ローラ部材に用いて好適な機能性部材及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には各種のローラ部材が設けられる。例えば、感光ドラムに帯電を行うための帯電ローラ部材、感光ドラムに形成された静電潜像にトナーを付着して現像を行うための現像ローラ部材、現像ローラ部材にトナーを供給しあるいは回収するためのトナー供給・回収ローラ部材、現像されたトナーを記録用紙等に転写するための転写ローラ部材、感光ドラムに残存するトナーを除去して清浄化するためのクリーニングローラ部材、感光ドラムに残留する電荷を消去するための除電ローラ部材等である。これらのローラ部材は円柱状をしたブラシとして構成されていることが多く、例えば特許文献1では、円柱ロッド状をした支軸の周面に帯状をしたベロアを巻き付け、かつ貼り付けて構成している。この帯状のベロアは、シート状をなす基布上に所定の繊維からなる毛羽を備え、これを帯状に裁断したものであり、この帯状のベロアを支軸の周面に螺旋状に巻き付けて貼り付けることにより、支軸の周面に毛羽が放射状に配設されて円柱状のブラシとして構成されるものである。
【特許文献1】特開2000−293013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のロッド状をしたブラシにおいては、支軸の周面に貼り付けるシート状をしたベロアは基布の表面に多数本の繊維を植毛したものであるため、植毛の工数が多く極めて高価なものにつく。そのため、ベロアに代えて表面が粗面に形成されている不織布を用いて低コスト化を図っているが、不織布は繊維が水平方向に積層されているものであるためロッド状をしたブラシとして形成したときには繊維が円周面に沿った方向に向けられてしまい、ベロアを用いたブラシに比較するとブラシとしての効果が十分でないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、従来の植毛により形成したと同等以上のブラシ効果を得る一方で低コストに製造することを可能にした機能性部材及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の機能性部材は、主材と、この主材に支持されて繊維が厚み方向に配向した繊維構造体とで構成され、繊維構造体の表面をブラシ面として構成する。例えば、繊維構造体の少なくとも一部を厚み方向に湾曲させ、湾曲された表面をブラシ面として構成する。あるいは、繊維構造体を表面が曲面となるように削成し、削成された曲面をブラシ面として構成する。本発明の機能性部材は、例えば、画像形成装置の帯電ローラ部材、現像ローラ部材、トナー供給・回収ローラ部材、転写ローラ部材、クリーニングローラ部材、除電ローラ部材の少なくとも一つとして構成する。
【0006】
また、本発明の機能性部材の製造方法は、繊維が厚み方向に配向した繊維構造体に当該配向方向と直交する方向に穴を形成し、この穴内にロッド状の主材を挿入して一体化する工程と、前記繊維構造体を前記主材を中心とする円柱状に削成する工程とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の機能性部材は、繊維が厚み方向に配向した繊維構造体の表面をブラシ面として構成することで、各繊維の端部がブラシ面として機能するため、繊維を植毛した素材が不要であり、低コスト化が実現できる。特に、繊維が厚み方向に配向した繊維構造体を湾曲すると外側に湾曲した部分の表面において繊維を放射状に向けたブラシとして構成でき、ブラッシングする対象物の形状にかかわらずブラシ効果の高い機能性部材として構成できる。また、本発明の製造方法は、円柱状のブラシを形成する際には、ロッド状の主材を一体化した上で繊維構造体を円柱状に削成することにより形成でき、製造コストを低減する。
【実施例1】
【0008】
次に、本発明の実施例1を図面を参照して説明する。図1は本発明の機能性部材にかかる繊維構造体1の概念図である。この繊維構造体1は厚み方向に配向された極めて多数本のポリエステル等の細い繊維11によって構成されており、隣接する繊維11の各一部が熱溶着等によって相互に連結され、全体としてシート状に一体化されたものである。すなわち、大部分の繊維11は厚み方向(縦方向)に配向されているが、一部の繊維11aは厚み方向に対して交差する方向に向けられているため、厚み方向に配向された繊維11は隣接する繊維11が互いに接触する部位において、あるいは交差方向の繊維11aと交差する部位において相互に熱溶着されている。そのため、繊維構造体1は各繊維11が連結されて一体の繊維構造体1を構成しているが、その厚み方向の表面においては縦方向に配向された各繊維11の端部は隣接する繊維の端部とは独立した状態となっている。
【0009】
この繊維構造体1は、例えば図2(a)に示すように、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維等からなる細くて長い長繊維111を一方向に並ぶように積層して帯状またはシート状とした布地10を形成し、この布地10を図2(b)のようにつづら折りに曲げて所要の厚みの構造体10Aに形成し、この状態で構造体10Aを加熱して各長繊維111が隣接する繊維と交差接触している部分で熱溶着させる。しかる上で、鎖線C1,C2に示すように、折り曲げた部分を含む両表面側を所要の厚さで裁断(スライス)する。これにより、図2(c)のように、裁断により短くされた繊維11は縦方向に配向された構造となり、図1の繊維構造体1が形成される。各繊維11の厚み方向の両端部はそれぞれが独立した構造となり、この両端部の構造のみを見れば基布に多数の繊維を植毛した構造とほぼ同じ構造であると言える。あるいは、図2(d)に示すように、前記長繊維111を一方向に並ぶようにして薄いシート(布地)10’を形成し、このシート10’を所要の寸法でつづら折り加工して繊維方向を厚み方向に揃えた上で熱溶着を行うことによっても当該所要の寸法の厚みを有して繊維が縦方向に配向された繊維構造体1’を形成することができる。ただし、この繊維構造体1’の場合には、厚み方向の両端、すなわち繊維構造体1’の表面と裏面ではそれぞれ繊維11(111)が折り曲げられた構造になる。
【0010】
この繊維構造体1は長繊維111を積層した布地10を折り曲げ、かつ加熱処理を行った後に裁断を行なうだけで、あるいは裁断を行うことなく単にシート10’を折り曲げて加熱処理を行うだけで製造できるため、連続加工が可能であり、広い面積を有する繊維構造体1を短時間に製造できる。そのため、特許文献1のベロアのように基布に多数本の毛羽を植毛する工程が不要となり極めて低コストに製造できる。
【0011】
このように構成された繊維構造体を、例えば図3のように断面が楕円又は長円に近い形状をしたウレタン等のスポンジで構成された主材2の周面に、同図には表れない接着剤あるいは粘着テープにより貼り付けてブラシB1を構成する。このとき繊維構造体1は主材2の周面に沿って湾曲された状態となるため、縦方向に配向されている各繊維11は放射状に向けられた配向になり、特に外周側の端部が放射状とされるため、いわゆる「たわし」に類似した構造のブラシとして形成される。
【0012】
このブラシB1は、繊維構造体1が植毛したものよりも低コストであるので、ブラシB1全体を極めて低コストに製造できる。また、ブラシB1の円周の表面には独立した多数の繊維11が存在するので、清浄する対象物の表面に付着した異物を剥ぎ取る効果が高く、繊維が横方向に配向された不織布で形成されたブラシよりも洗浄効果の高いブラシとなる。また、各繊維11は厚み方向に配向されてブラシB1の内側から外側に方向付けられているため通気性や通水性が高く、特に洗浄液や水等を用いた洗浄時には、洗浄液や水が繊維間を通して容易に除去でき、ブラシ内に残留することは少ない。さらに、繊維をポリエステル等の柔軟な材料で形成すれば、対象物に対して傷を付けることもない。特に、図2(d)の方法で形成した繊維構造体1’の場合には繊維がパイル状をしていて表面に繊維の端部が露呈されないので、対象物に対する柔軟性を高めることができる。また、その一方で隣接する各繊維11は互いに連結されているので、変形される際には隣接する繊維が一体的に変形されることになり、弾接力の高い、いわゆる腰の強い、すなわち耐久性に優れたブラシとして機能する。
【0013】
ブラシB1においては、繊維構造体1を外側に向けて湾曲させることで、各繊維11の外側端部が放射状に広がるため、隣接する繊維11の端部の間隔が広がり、清浄時に対象物に接触させて移動させたときに各繊維11の端部が移動する範囲が広がって弾性復帰力が生じ易くなり、対象物の表面に付着している異物の剥ぎ取り力が高められ、同時に剥ぎ取った異物を繊維間に吸収保持し易くなり、清浄効果を高める上で有効である。このブラシB1は、主材2の寸法や形状を適宜に設計し、また繊維構造体の厚みを1cmから2cm程度の厚みに形成することで、従来から提供されている台所用洗浄スポンジ、浴用洗浄スポンジ、自動車洗浄用スポンジに代えて使用可能である。
【0014】
本発明の機能性部材は、図4のように、主材2Aを角部に丸みを付けた直方体に近い形状とし、その一面を除く他の周面に繊維構造体1を貼り付け、繊維構造体1の縁部を隠すように主材2Aの一面に化粧板3を取着することで、従来の不織布を用いている各種クリーナ、例えばホワイトボード用クリーナに代えて使用することが可能なブラシB2としても構成できる。あるいは、図5のように、所要の長さのロッド4と、このロッド4の一端部に取着した主材としての円筒状のスポンジ2Bとを設け、このスポンジ2Bの周面に繊維構造体1を貼り付けることでコップ洗浄用ブラシ、あるいは試験官洗浄用ブラシ等の容器洗浄用ブラシB3としても構成できる。特に、ブラシB2では、繊維構造体1の表面の殆どが平面状態になっているが、このように平面状態で使用しても繊維構造体1の表面には多数の繊維11の端部が配列されていてブラシ面として機能するので、当該平面部においてもブラシとしての効果を得ることができる。
【実施例2】
【0015】
図6は本発明を画像形成装置用ローラ部材として用いられるブラシに適用した実施例2の概略構成図である。画像形成装置は例えばレーザプリンタとして提供されているものであり、ここでは図示及び詳細な説明は省略するが、本発明の画像形成装置用ローラ部材(ローラブラシ)B4は、感光ドラムに静電気を帯電させるための帯電ローラ部材、感光ドラムに形成された静電潜像にトナーを付着して現像を行うための現像ローラ部材、現像ブラシにトナーを供給しあるいは回収するためのトナー供給ローラ部材、現像されたトナーを記録用紙等に転写するための転写ローラ部材、感光ドラムに残存するトナーを除去して清浄化するためのクリーニングローラ部材、感光ドラムに残留する電荷を消去するための除電ローラ部材に適用可能である。
【0016】
図6において、図1に示した繊維構造体1を細長い帯状繊維構造体1Aに形成し、この帯状繊維構造体1Aを円柱ロッド状をした支軸5の周面に螺旋状に隙間なく巻き付けている。帯状繊維構造体1Aの内側面には両面テープ6を貼り付けておき、この両面テープ6によって帯状繊維構造体1Aの内側の面を支軸5の周面に接着固定する。このようにすることで、帯状繊維構造体1Aは支軸5に巻き付けた全長にわたって円弧状に湾曲されるため、縦方向に配向されている全ての繊維11は支軸5を中心にした放射状になり、細長い円柱状をしたブラシからなる画像形成装置用ローラ部材B4が構成される。
【0017】
このように、本発明をこの種のローラ部材に適用したときには、繊維構造体を構成している各繊維は基本的には独立しているため各繊維の端部や折り曲げ端部が独立してブラシ作用を行う一方で、各繊維は隣接繊維が互いに連結されているので、各繊維が変形される際には隣接繊維が一体的に変形されることになり、弾接力の高い、いわゆる腰の強い繊維として機能し、これらによりブラシ効果を高めることができる。また、このように繊維構造体を構成している各繊維が互いに連結された箇所では隣接する繊維間の隙間が閉じられた状態となるため、現像トナー、特に小粒径の球形トナーが繊維間を通過し難くなり、トナーのシール性を高めることも可能になる。さらに、図2(d)の繊維構造体1’を用いれば繊維11がパイル状をしていることから表面の柔軟性が高められ、感光ドラム等に対するダメージを抑制する上で有効になる。
【0018】
なお、帯状の繊維構造体1Aを螺旋状に巻き付けるときには、支軸5の長さ方向に隣接配置される繊維構造体の側辺が互いに密接するように巻き付ければ、これらの隣接する繊維構造体の各繊維も密接した状態となる。また、巻き付けるときに帯状繊維構造体1Aを弾性復帰可能な範囲で長さ方向に引っ張るようにすればその帯状繊維構造体1Aの幅寸法が縮幅し、そのとき両側辺に沿った繊維11の外側の端部は反作用によって幅方向に広がるため、隣接する帯状繊維構造体1Aのつなぎ目に繊維11の隙間が生じることが防止できる。
【0019】
ここで、矩形シート状をした繊維構造体1を支軸5の周面に単純に1巻きすれば同様な形状をしたブラシとしてのローラ部材が形成できるが、この場合には繊維構造体1のつなぎ目が支軸5の軸方向に生じてしまい、このつなぎ目が画像形成装置に用いたときの画像品質に影響を与えることがある。そのため、実施例2では繊維構造体のつなぎ目が螺旋状になるようにして画像品質の劣化を防止している。なお、図7に示すように、平行四辺形のシート状をした繊維構造体1Bを形成し、この繊維構造体1Bを支軸5に対して1巻きするだけで繊維構造体1Bの対向する斜辺が密接された状態となるように支軸5に巻き付けてブラシとしてのローラ部材B5を形成することができる。繊維構造体のつなぎ目が問題にならないようなローラ部材に適用する場合に有効である。
【実施例3】
【0020】
図8は本発明を画像形成装置用ローラ部材として形成した実施例3の外観斜視図である。実施例2と同様にロッド状をした支軸5を主材とし、この支軸5の周囲に繊維構造体1Cを支持させてローラ部材B6を形成しているが、ここでは繊維構造体1Cの繊維は支軸5の軸方向に対してこれと直交する一方向、すなわち図の上下方向に配向された構成となっている。図9はこのローラ部材B6の製造方法を示す図である。先ず、図9(a)のように、形成しようとするローラ部材の外径寸法よりも大きな厚み寸法及び幅寸法で、形成しようとするローラ部材の長さに略等しい長さ寸法の直方体をした繊維構造体1Cを形成する。この繊維構造体1Cは厚み方向に繊維が配向されていることは実施例1と同じであり、またその製造方法は図2に示した繊維構造体1の製造方法でよい。そして、繊維構造体1Cの長さ方向に沿って、すなわち繊維の配向方向と直交する方向に支軸5の外径寸法にほぼ等しい円形穴Hを開ける。次いで、図9(b)のように、繊維構造体C1に開けた穴Hに支軸5を貫通し、接着剤や両面テープ等によって支軸5と繊維構造体1Cを一体化する。しかる後、図9(c)のように、旋盤等の研削装置を用いて支軸5を軸回りに回転させながら切削ツールTを軸方向に移動させて繊維構造体1Cを円柱状に切削加工する。これにより、図8に示したような支軸5を中心軸としてその周囲に繊維構造体1Cを一体に有する円柱状のブラシ構成のローラ部材B6が形成できる。
【0021】
このローラ部材B6では、繊維構造体1Cの繊維は支軸5に対して一方向(図8の上下方向)に向けられた構成とされている。すなわち、図8において上下に向けられた繊維の配向方向の両側に相当する円周領域Xでは繊維の端部が露呈された状態で配列されてブラシ状の表面とされているが、これと直交する図8の左右に向けられた円周領域Yでは繊維の腹部が露呈されて不織布状の表面とされている。このローラ部材B6を画像形成装置の各種ローラ部材として用いると、ローラ部材B6の支軸5を中心とした回転に伴ってブラシ状の円周領域Xと不織布状の円周領域Yとが交互に画像形成装置の感光ドラムの表面に接触されることになる。そのため、感光ドラムに対してブラシ状の円周領域Xが接触したときにはハードなブラシとして機能するが、不織布状の円周領域Yが接触したときにはソフトな清浄布として機能することになる。これにより、全周面がブラシ状をした実施例2のローラ部材B4,B5よりも感光ドラムの表面に対するダメージを緩和したローラ部材として構成でき、感光ドラムの表面の磨耗を抑制し、また表面の損傷を抑制することが可能になり、画像形成装置の長寿命化を図る上で有利になる。なお、繊維構造体1Cを構成している繊維は隣接繊維が連結されているので、円周領域Yの繊維が脱落するようなことはない。
【0022】
実施例2,3の画像形成装置用ローラ部材として、繊維構造体1,1’,1A,1B,1Cの繊維11を全て絶縁性の繊維で形成すれば、導電性ローラ部材ではない現像ローラ部材やクリーニングローラ部材として適用できる。また、繊維11の一部に導電性繊維を混入させた繊維構造体を形成すれば、導電性ローラ部材としての帯電ローラ部材、転写ローラ部材、除電ローラ部材として適用できる。例えば、電気抵抗値が103〜1010Ω・cmとなるように導電性を保有させればよい。また、絶縁性繊維を用いた繊維構造体でローラ部材を形成した場合には、当該繊維構造体を導電性粒子(カーボンブラック,グラファイト等)とラテックスを混合してなる導電性樹脂溶液に含浸させて繊維表面に導電性樹脂をコーティングして導電性を持たせることによって導電性ローラを構成することも可能である。
【0023】
本発明は前記各実施例で説明したブラシに限られるものではなく、種々の用途のブラシに適用できることは言うまでもない。特に、本発明は繊維構造体の一部又は全ての面が湾曲されている必要はなく、繊維構造体の一部の面が湾曲し、他の一部の面が平面に構成されたブラシとしても実現可能である。また、構成しようとするブラシの用途や種類によって繊維構造体の厚さや、繊維の材質を任意に設定することが可能である。さらに、繊維構造体を貼り付ける主材がポリウレタン等の柔軟な材料を用いれば、ブラシを使用するときに主材が変形することで繊維構造体の表面が湾曲することになり、高いブラシ効果が得られる。本発明は繊維の端部においてブラシ効果を有するものであれば、ブラシとして称される機能性部材に限定されるものでないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明にかかる繊維構造体の概念構成を示す斜視図である。
【図2】繊維構造体を製造する方法の一例を説明するための図である。
【図3】本発明にかかる機能性部材(ブラシ)B1の斜視図である。
【図4】本発明にかかる機能性部材(ブラシ)B2の斜視図である。
【図5】本発明にかかる機能性部材(ブラシ)B3の斜視図である。
【図6】本発明にかかる画像形成装置用ローラ部材B4の斜視図である。
【図7】本発明にかかる画像形成装置用ローラ部材B5の斜視図である。
【図8】本発明にかかる画像形成装置用ローラ部材B6の斜視図である。
【図9】ローラ部材B6の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0025】
1,1’,1A,1B,1C 繊維構造体
10,10’ 布地(シート)
11 繊維
11a 交差繊維
111 長繊維
2,2A,2B 主材
3 化粧板
4 ロッド
5 支軸(主材)
6 両面テープ
B1〜B6 ブラシ(ロッド部材)
H 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主材と、この主材に支持されて繊維が厚み方向に配向した繊維構造体とで構成され、前記繊維構造体の表面をブラシ面として構成したことを特徴とする機能性部材。
【請求項2】
前記繊維構造体の少なくとも一部を厚み方向に湾曲させ、湾曲された表面をブラシ面として構成したことを特徴とする請求項1に記載の機能性部材。
【請求項3】
前記繊維構造体を表面が曲面となるように削成し、削成された曲面をブラシ面として構成したことを特徴とする請求項1に記載の機能性部材。
【請求項4】
前記機能性部材は画像形成装置の帯電ローラ部材、現像ローラ部材、トナー供給・回収ローラ部材、転写ローラ部材、クリーニングローラ部材、除電ローラ部材の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の機能性部材。
【請求項5】
繊維が厚み方向に配向した繊維構造体に当該配向方向と直交する方向に穴を形成し、前記穴内にロッド状の主材を挿入して一体化する工程と、前記繊維構造体を前記主材を中心とする円柱状に削成する工程とを備えることを特徴とする機能性部材の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−78118(P2009−78118A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310484(P2007−310484)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(597115738)株式会社栄和 (6)
【Fターム(参考)】