説明

機能設定装置、機能設定方法、機能設定プログラムおよび記録媒体

【課題】 機能の設定順序に関わらず、ユーザにとって優先度の高い機能の設定が容易である機能設定装置を実現する。
【解決手段】 ホスト装置1は、複数の機能の中から少なくとも1つの機能を使用して印刷処理を実行するプリンタ2に対して、処理を実行する際に使用する機能の設定を行うものであり、少なくとも一つの機能を選択して、選択した機能の詳細条件を設定する機能設定部13と、機能について設定できない詳細条件、または、互いに両立しない複数の機能およびその詳細条件を示す機能制限情報を、内蔵された機能制限情報データベース15から取得し、機能設定部13が設定完了した全ての機能の中から、取得した機能制限情報と一致する設定内容が設定された機能を抽出するデータベース検索部16と、抽出した全ての機能について、設定不可能であることを示す警告マークを表示装置3に表示させる警告情報表示処理部17とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能の中から少なくとも1つの機能を用いて処理を実行する処理装置を制御し、該処理装置が処理を実行する際に用いる機能の設定を行う機能設定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタの印刷処理が多機能化してきている。これら多数の機能の中には、その設定内容に応じて、もしくは、その設定内容に関わらず、互いに両立しない機能の組み合わせが存在する。例えば、排出トレイ「トレイ1」には用紙サイズ「はがき」の用紙が排出できないプリンタの場合、設定内容が「トレイ1」の機能「排出トレイ設定機能」と、設定内容「はがき」の機能「用紙サイズ設定機能」とは互いに両立しない。
【0003】
そこで、特許文献1には、印刷処理の機能の設定内容を入力するときに、既に設定されている機能と同時に実行可能な機能のみ選択可能にする技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、既に設定された機能と両立しない機能に対して、選択不可能であることを示す警告表示を行う技術が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、ある機能の設定を行うときに、当該機能と両立しない設定済みの機能に対して警告マークを表示する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平1−164965号公報(1989年6月29日公開)
【特許文献2】特開平9−198191号公報(1997年7月31日公開)
【特許文献3】特開2001−195166号公報(2001年7月19日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、ユーザが機能を選択する場合、その選択順序は様々である。すなわち、ユーザは、優先度の低い機能を設定した後、最も使用したい機能を設定する場合もあれば、先に最も使用したい機能を設定した後、優先度の低い機能を設定する場合もある。
【0007】
前者の場合、つまり、優先度の低い機能を設定した後、最も使用したい機能を設定する場合、特許文献1に記載の技術では、既に設定された機能と両立しない機能が表示されないため、ユーザは、最も使用したい機能を選択できなくなる可能性がある。また、特許文献2においても、既に設定された機能と両立しない機能に対して、選択不可能であることを示す警告表示が行われるため、ユーザは、最も使用したい機能を選択しようとしたとき、当該機能に警告表示がなされ、選択できなくなる場合がある。さらに、特許文献3においても、最も使用したい機能を設定しようとしたとき、当該機能と両立しない設定済みの機能に対して警告マークが表示されるため、ユーザは、設定しようとした機能の選択を躊躇してしまうおそれがある。
【0008】
また、後者の場合、つまり、先に最も使用したい機能を設定した後、優先度の低い機能を設定する場合、特許文献3の技術では次にような問題がある。つまり、優先度の低い機能の設定を行うときに、当該機能と両立しない、先に設定済みの最も使用したい機能に対して警告マークが表示され、当該機能の設定変更を促される。そのため、ユーザは、先に設定した最も使用したい機能の設定変更をしなければならなくなる。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、機能の設定順序に関わらず、ユーザにとって優先度の高い機能の設定が容易である機能設定装置、機能設定方法、機能設定プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の機能設定装置は、上記の課題を解決するために、複数の機能の中から少なくとも1つの機能を使用して処理を実行する処理装置に対して、処理を実行する際に使用する機能の設定を行う機能設定装置であって、少なくとも一つの機能を選択して、選択した機能の詳細条件を設定する機能設定手段と、上記機能ごとの設定不可能な詳細条件、互いに両立しない複数の機能、または設定された詳細条件によって複数の機能が互いに両立しない場合のそれら機能の詳細条件を示す機能制限情報を取得し、機能設定手段が設定完了した全ての機能の中から、取得した機能制限情報が示す機能と一致する機能、または取得した機能制限情報が示す詳細条件と一致する詳細条件が設定された機能を抽出する抽出手段と、抽出手段が抽出した全ての機能について設定できないことを示す警告情報を出力する出力手段とを備えていることをを特徴とする。
【0011】
また、本発明の機能設定方法は、複数の機能の中から少なくとも1つの機能を使用して処理を実行する処理装置に対して、処理を実行する際に使用する機能の設定を行う機能設定装置における機能設定方法であって、少なくとも一つの機能を選択して、選択した機能の詳細条件を設定する機能設定ステップと、上記機能ごとの設定不可能な詳細条件、互いに両立しない複数の機能、または設定された詳細条件によって複数の機能が互いに両立しない場合のそれら機能の詳細条件を示す機能制限情報を取得し、機能設定手段が設定完了した全ての機能の中から、取得した機能制限情報が示す機能と一致する機能、または取得した機能制限情報が示す詳細条件と一致する詳細条件が設定された機能を抽出する抽出ステップと、抽出した全ての機能について設定できないことを示す警告を出力する出力ステップとを備えていることを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、設定完了した機能の中から、機能について設定不可能な詳細条件、または、互いに両立しない複数の機能およびその詳細条件を示す機能制限情報に一致する機能を抽出する。そして、抽出した全ての機能について、詳細条件が設定不可能であること、または、互いに両立しない機能であることを示す警告情報を出力する。
【0013】
このように、設定完了した機能の中から機能制限情報に一致する機能を抽出するため、未設定の機能に対して警告情報が出力されることがなく、ユーザは、優先度の高い機能が未設定であっても、当該機能の選択・設定指示を機能設定装置に対して躊躇することなく行うことができる。
【0014】
また、抽出された全ての機能について警告情報が出力されることから、ユーザは、警告された機能の中から優先度の低い機能を選択して、選択した機能の設定変更の指示を機能設定装置に対して行うことができる。すなわち、ユーザは、優先度の高い機能の設定変更を行う必要がなくなる。
【0015】
以上のように、上記構成によれば、機能の設定順序に関わらず、ユーザにとって優先度の高い機能の設定が容易となる。
【0016】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記抽出手段は、複数の機能制限情報を取得し、機能制限情報ごとに当該機能制限情報と一致する機能を抽出し、上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに上記警告情報を個別に出力することが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに警告情報が個別に出力される。これにより、ユーザは、どの機能の詳細条件が設定できないのか、もしくは、どの機能とどの機能との組み合わせが互いに両立しないのかを容易に認識することができる。その結果、ユーザは、どの機能を設定変更すればよいのかを即座に判断することができる。また、ユーザは、互いに両立しない複数の機能の組み合わせを熟知しておく必要がない。
【0018】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに上記警告情報を所定時間ずつ順次出力することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、上記警告が、当該機能制限情報ごとに所定時間ずつ順次出力される。これにより、ユーザは、所定時間に第1の機能制限情報と一致した機能を確認した後、次の所定時間では別の第2の機能制限情報と一致した機能を確認することとなる。その結果、ユーザは、どの機能の詳細条件が設定できないのか、もしくは、どの機能とどの機能とが互いに両立しないのかを容易に認識することができる。つまり、ユーザは、ある時間に警告が出力された機能のうちいずれかを設定変更することで、当該時間に出力された警告に対応する機能制限情報を回避することができる。
【0020】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、ユーザからの指示に応じて、当該機能制限情報ごとに上記警告情報を順次出力することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、ユーザの指示に応じて、上記警告が当該機能制限情報ごとに順次出力される。これにより、ユーザは、自身に適した速度で、機能制限情報ごとに対応する警告を順次確認することができる。
【0022】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに異なる上記警告情報を出力することが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに異なる警告情報が出力される。これにより、ユーザは、どの機能とどの機能との組み合わせが互いに両立しないのかを容易に認識することができる。その結果、ユーザは、どの機能の詳細条件が設定できないのか、もしくは、どの機能とどの機能とが互いに両立しないのかを容易に認識することができる。
【0024】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記機能設定手段が設定完了した各機能を示す設定済み機能画像を表示装置に表示させる設定済み機能画像表示制御手段を備え、上記出力制御手段は、設定済み機能画像表示手段が表示させる設定済み機能画像の中から、上記抽出手段が抽出した機能に対応する設定済み機能画像を特定し、特定した設定済み機能画像の上に警告マークを付加させることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、機能設定手段が設定完了した各機能を示す設定済み機能画像を表示装置に表示させるため、ユーザは、視覚によって、設定完了した機能の一覧を容易に確認することができる。
【0026】
そして、設定済み機能画像の中から、抽出手段が抽出した機能に対応する特定設定済み機能画像の上に警告マークを付加される。これにより、ユーザは、設定済みの機能の中で、警告マークが付加された機能のいずれかの設定変更が必要であるかを視覚的に容易に認識することができる。
【0027】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記機能設定手段が設定完了した各機能を示す設定済み機能画像を表示装置に表示させる設定済み機能画像表示制御手段を備え、上記出力制御手段は、設定済み機能画像表示手段が表示させた設定済み機能画像の中から、上記抽出手段が抽出した機能に対応する設定済み機能画像を特定し、特定した特定設定済み機能画像を変更させることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、設定済み機能画像の中から、抽出手段が抽出した機能に対応する特定設定済み機能画像が変更される。これにより、ユーザは、設定済みの機能の中で、変更された設定済み機能画像に対応する機能のいずれかの設定変更が必要であるかを視覚的に容易に認識することができる。
【0029】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記出力制御手段は、上記特定設定済み機能画像の色、枠線のうち少なくとも一つを変更させることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、色や枠線のような目立つ表示が変更されるため、ユーザが設定変更が必要な機能を認識し易くなる。
【0031】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記出力制御手段は、上記特定済み機能画像を点滅させることが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、特定済み機能画像が点滅するため、ユーザが設定変更が必要な機能を認識し易くなる。
【0033】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記処理装置が上記外部記憶装置を備えており、上記抽出手段は、上記処理装置から、上記機能制限情報を取得することが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、処理装置が自身の処理能力に応じた機能制限情報を記憶しておけばよい。これにより、機能設定装置が機能制限情報を記憶する必要がなくなる。また、処理装置において、装着される周辺装置や故障状況に応じて機能制限情報が更新される場合、機能設定装置は、処理装置の現在の状況に応じた機能制限情報を取得することができる。
【0035】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記処理装置が複数あり、上記機能制限情報は、上記各処理装置の処理能力に応じて予め定められており、上記抽出手段は、上記機能制限情報とともに、当該機能制限情報に対応する処理装置を識別する処理装置識別情報を取得し、上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、上記警告情報を出力する際、当該機能制限情報に対応付けられた処理装置識別情報を出力することが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、ユーザは、どの処理装置において、どの機能の設定変更が必要であるかを認識することができる。
【0037】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記抽出手段は、各処理装置から、当該処理装置に対して定められた機能制限情報と上記処理装置識別情報とを取得することが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、各処理装置が自身の処理能力に応じた機能制限情報と自身を識別する処理装置識別情報とを記憶しておけばよい。これにより、機能設定装置が機能制限情報を記憶する必要がなくなる。また、処理装置において、装着される周辺装置や故障状況に応じて機能制限情報が更新される場合、機能設定装置は、処理装置の現在の状況に応じた機能制限情報を取得することができる。
【0039】
さらに、本発明の機能設定装置は、上記の構成に加えて、上記処理装置が印刷装置であり、印刷処理の機能を設定することが好ましい。
【0040】
近年、印刷装置の機能は多様化してきており、互いに両立しない機能の組み合わせが多くあるが、ユーザは、十分にその旨を把握できていない。しかしながら、上記の構成によれば、ユーザは、互いに両立しない機能を認識することができる。
【0041】
なお、上記機能設定装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより機能設定装置をコンピュータにて実現させる機能設定プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0042】
本発明の機能設定装置は、以上のように、少なくとも一つの機能を選択して、選択した機能の詳細条件を設定する機能設定手段と、機能について設定できない詳細条件、または、互いに両立しない複数の機能およびその詳細条件を示す機能制限情報を、内蔵された記憶部または外部記憶装置から取得し、機能設定手段が設定完了した全ての機能の中から、取得した機能制限情報と一致する詳細条件が設定された機能を抽出する抽出手段と、抽出手段が抽出した全ての機能について、設定できないことを示す警告を出力装置に出力させる出力制御手段とを備えている。
【0043】
それゆえ、機能の設定順序に関わらず、ユーザにとって優先度の高い機能の設定が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明は、複数の機能の中から少なくとも1つの機能を用いて処理を実行する処理装置を制御し、該処理装置が処理を実行する際に用いる機能の設定を行うインターフェイスを備えた機能設定装置に係るものである。本発明に係る機能設定装置が設定する機能は、例えば、プリンタにおける印刷処理や、各種のアプリケーション(文書作成ソフトや画像編集ソフトなど)における情報処理、製造装置に対する制御処理などに関するものである。なお、以下では、本発明の実施形態として、プリンタにおける印刷処理に関する複数の機能の設定を行うインターフェイスを具体例として説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【0045】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。
【0046】
(プリントシステムの全体構成)
図1は、本実施形態に係るプリントシステムの構成を示すブロック図である。図1で示されるように、本実施形態のプリントシステムは、例えばパーソナルコンピュータであるホスト装置(機能設定装置)1、プリンタ(処理装置)2、表示装置(出力装置)3および入力装置4を備えている。
【0047】
ホスト装置1は、文書作成ソフトや画像編集ソフト等で作成された画像に対応する印刷データおよび該印刷データを印刷する際の処理命令を生成し、生成した印刷データおよび処理命令を含む印刷ジョブをプリンタ2に出力する。プリンタ2は、ホスト装置1から受けた印刷ジョブに応じた画像を用紙等の記録媒体に形成し、該記録媒体を排出する。なお、ホスト装置1とプリンタ2とは、USB等のケーブルで接続されている。
【0048】
表示装置3は、例えば液晶ディスプレイであり、ホスト装置1の制御に従った画像を表示する。また、入力装置4は、例えばマウスおよびキーボードであり、ユーザによって入力された信号をホスト装置1に出力する。
【0049】
(ホスト装置の詳細構成)
図1に示されるように、ホスト装置1は、アプリケーション部11とプリンタドライバ部12とを備えている。なお、ホスト装置1は、図示しないオペレーティングシステム(OS)を備えており、該オペレーティングシステムを介して、各ブロック間のデータや指示のやり取りが実現されている。
【0050】
アプリケーション部11は、文書作成ソフト、表計算ソフト、画像編集ソフト等に従った処理を行い、文書、表、画像などを作成する。なお、以下では、アプリケーション部11は、文書作成ソフトに従って文書データを作成するものとする。
【0051】
さらに、アプリケーション部11は、入力装置4から印刷設定指示を受けると、プリンタドライバ部12を起動させるとともに、印刷設定指示のあった文書データをプリンタドライバ部12に出力する。
【0052】
アプリケーション部11は、文書データをプリンタドライバ部12に出力する際に、印刷処理の機能の詳細条件(設定内容)の入力を促す表示を行い、入力指示に従って、使用する機能およびその設定内容を示す機能設定情報をプリンタドライバ部12に出力することもできる。なお、後述するように、プリンタドライバ部12も印刷処理の機能とその設定内容の入力を受け付けることができる。ユーザは、使用する印刷処理の機能およびその設定内容の入力を、アプリケーション部11およびプリンタドライバ部12のいずれかを適宜選択して行えばよい。
【0053】
プリンタドライバ部12は、プリンタ2に対応したプリンタドライバであり、アプリケーション部11から出力された文書データをプリンタ2に適した印刷データに加工するとともに、印刷する際の処理命令を生成し、該印刷データおよび処理命令を含む印刷ジョブをプリンタ2に出力する。
【0054】
図1に示されるように、プリンタドライバ部12は、機能設定部(機能設定手段)13と、機能設定内容記憶部14、機能制限情報データベース(記憶部)15と、データベース検索部(抽出手段)16と、警告情報表示処理部(出力制御手段)17と、設定済み機能表示処理部(設定済み機能画像表示制御手段)18と、印刷要求部19とを備えている。
【0055】
機能設定部13は、プリンタ2における印刷処理の機能の選択ならびに選択した機能の詳細条件(設定内容)の設定を行うものである。
【0056】
なお、プリンタ2における印刷処理の機能には、例えば、以下のようなものがある。
・印刷部数設定機能:印刷する部数を設定する機能
・両面印刷機能:用紙の両面で印刷する機能
・用紙サイズ設定機能:印刷する用紙のサイズを設定する機能
・出力トレイ設定機能:印刷した用紙を排出する際の排出先トレイを設定する機能
・N−UP印刷機能:複数(N)ページを1枚の用紙にまとめて印刷する機能
・ポスター印刷機能:1ページの画像を複数に分割し、分割した画像を異なる用紙に印刷する機能
・ウォーターマーク機能:「極秘」「重要」等のすかし文字を印刷する機能
・パンチ機能:印刷された用紙の端部にパンチ孔を形成する機能
・ステープル機能:印刷された複数枚の用紙をステープラーで綴じる機能
などがある。
【0057】
機能設定部13は、起動時において所定の機能項目についてデフォルトの設定内容を設定し、設定した機能項目およびその設定内容を機能設定内容記憶部14に格納する。また、機能設定部13は、アプリケーション部11から上記機能設定情報を受け取った場合には、当該機能設定情報に従って機能項目およびその設定内容を設定し、機能設定内容記憶部14に格納する。さらに、機能設定部13は、表示装置13に各機能項目を表示し、ユーザに対して機能の選択を促すとともに、ユーザによって選択された機能項目の設定内容の入力指示を表示する。そして、機能設定部13は、入力された設定内容とその機能項目とを機能設定内容記憶部14に格納する。
【0058】
また、機能設定部13は、機能設定内容記憶部14に対する機能項目および設定内容の格納更新処理が終了すると更新完了信号を設定済み機能表示処理部18およびデータベース検索部16に出力する。
【0059】
機能設定内容記憶部14は、設定済みの機能について、該機能を識別する機能識別情報(ここでは、機能項目)とその設定内容とを対応付けて記憶するものである。なお、機能設定内容記憶部14が記憶する機能項目および設定内容は、上記機能設定部13によって更新される。
【0060】
設定済み機能表示処理部18は、設定が完了した機能の一覧を表示装置3に表示する処理を行うものである。設定済み機能表示処理部18は、機能設定部13から更新完了信号を受けると、機能設定内容記憶部14が記憶する各機能項目およびその設定内容に対応する設定済み機能画像を表示する。
【0061】
なお、本実施形態では、設定済み機能表示処理部18は、機能設定内容記憶部14から読み出した各機能項目および設定内容に基づいて、設定済み機能画像を生成するものとする・しかしながら、設定済み機能表示処理部18は、各機能項目および設定内容に対応する設定済み機能画像を予め記憶していてもよい。
【0062】
機能制限情報データベース15は、機能ごとの設定不可能な設定内容(詳細条件)、互いに両立しない複数の機能、または、設定された設定内容によって複数の機能が互いに両立しない場合のそれら機能の設定内容を示す複数の機能制限情報を制限IDと対応付けて記憶するものである。
【0063】
各々の機能制限情報は、同じ制限IDを有する少なくとも1つの機能項目の集合であり、当該集合に含まれる全ての機能項目およびその設定内容を満たす場合に、使用できないことを意味している。当該集合に含まれる機能項目のいずれか一つでも機能制限情報を満たさない場合、残りの機能は使用できる。
【0064】
図2は、機能制限情報データベース15における一記憶例を示す図である。図2は、プリンタ2が1から999までの部数を印刷することが可能であり、出力トレイ「トレイ1」に用紙サイズ「A6」および「はがき」の用紙を排出できず、用紙サイズ「はがき」の用紙に両面印刷「横綴じまたは縦綴じ」ができない場合の例である。
【0065】
図2に示されるように、機能制限情報データベース15は、制限ID「1」に対して、設定内容「1未満または1000以上」の機能項目「印刷部数」を記憶している。この場合、印刷部数は、1未満および1000以上の値を設定することができないことを意味している。このように、単独の機能の設定内容に制限がある場合には、単独の当該機能項目の機能制限情報に対して制限IDが付与される。
【0066】
また、機能制限情報データベース15は、制限ID「2」に対して、設定内容「A6またははがき」の機能項目「用紙サイズ」と、設定内容「トレイ1」の機能項目「出力トレイ」とを対応付けて記憶している。この場合、設定内容「A6またははがき」の機能項目「用紙サイズ」と、設定内容「トレイ1」の機能項目「出力トレイ」とを同時に利用することができないことを意味している。
【0067】
また、図示していないが、機能制限情報データベース15は、例えば、機能項目「中綴じ印刷」と機能項目「両面印刷」とが互いに両立しない機能であることを示す機能制限情報を記憶していてもよい。
【0068】
データベース検索部16は、設定済みの全ての機能項目および設定内容の中から、上記機能制限情報に該当するものがあるか否かを判断し、ある場合には当該機能制限情報に対応する制限IDを出力するものである。
【0069】
具体的には、データベース検索部16は、機能設定部13から機能設定の更新完了信号を受け、機能設定内容記憶部14から全ての機能項目とその設定内容とを読み出す。さらに、データベース検索部16は、機能制限情報データベース15が記憶する各制限IDの機能制限情報が示す全ての機能と、機能設定内容記憶部14から読み出した機能とが一致するか否か、あるいは、機能制限情報データベース15が記憶する各制限IDの機能制限情報が示す全ての機能の設定内容と、機能設定内容記憶部14から読み出した機能の設定内容とが一致するか否かを判断する。そして、データベース検索部16は、合致した機能制限情報の制限IDを警告情報表示処理部17に出力する。
【0070】
警告情報表示処理部17は、設定不可能な設定がされた全ての機能項目およびその設定内容について、その設定が不可能であることを示す警告情報を表示装置3に表示する処理を行うものである。具体的には、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16から受けた制限IDに含まれる全ての機能項目およびその設定内容が設定不可能なことを示す警告マークを表示装置3に表示する。
【0071】
印刷要求部19は、アプリケーション部11から受けた文書データをプリンタ2に適した印刷データに加工するとともに、機能設定内容記憶部14が記憶する機能項目およびその設定内容に応じた処理命令を生成し、該印刷データおよび処理命令を含む印刷ジョブをプリンタ2に出力するものである。
【0072】
(プリンタドライバ部における処理全体の流れ)
次に、プリンタドライバ部12における処理全体の流れの概要について図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0073】
まず、アプリケーション部11から印刷設定の起動指示を受けたプリンタドライバ部12は、表示装置3に印刷設定画面を表示して、起動時処理を行う(S1)。なお、該起動時処理の詳細な内容については後述する。
【0074】
次に、機能設定部13は、入力装置4に機能の設定指示が入力されたか否かを判断する(S2)。機能の設定指示が入力された場合(S2でYes)、機能設定部13を含むプリンタドライバ部12は、機能設定処理を行う(S3)。なお、S3の機能設定処理の詳細な内容については後述する。
【0075】
その後、S4において、印刷要求部19は、印刷開始指示が入力装置4に入力されたか否かを判断する。印刷開始指示が入力されない場合(S4でNo)、S2の処理に戻る。一方、印刷開始指示が入力された場合(S4でYes)、印刷要求部19は、アプリケーション部11から受けた文書データをプリンタ2に適した印刷データに加工するとともに、機能設定内容に格納された機能項目およびその設定内容に対応する処理命令を生成し、生成した印刷データおよび処理命令を含む印刷ジョブをプリンタ2に出力する(S5)。その後、処理を終了する。これにより、ユーザ所望の印刷処理が開始される。
【0076】
(起動時処理について)
次に上記S1で示した起動時処理について図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0077】
まず、アプリケーション部11からの起動指示を受けた機能設定部13は、例えば図5に示されるように、利用可能な機能の一覧を表示するための領域Aと、設定済み機能内容の一覧を表示するための領域Bとを備えた印刷設定画面を表示装置3に表示する。そして、機能設定部13は、プリンタ2が印刷処理を行う際に使用可能な機能項目を予め記憶しておき、当該機能項目の一覧を領域Aに表示する(S11)。
【0078】
そして、機能設定部13は、プリンタ2が印刷処理を行う際に必ず使用する所定の機能(例えば、印刷部数など)についてデフォルトの設定内容を設定する(S12)。ただし、アプリケーション部11から機能設定情報を受けた場合、該機能設定情報に従って、機能項目の設定内容を設定する。そして、機能設定部13は、設定した機能項目およびその設定内容を機能設定内容記憶部14に格納するとともに、機能設定内容記憶部14の格納処理が終了したこと示す更新完了信号を設定済み機能表示処理部18およびデータベース検索部16に出力する。
【0079】
次に、設定済み機能表示処理部18は、更新完了信号を受けて、機能設定内容記憶部14から設定済みの全ての機能項目およびその設定内容を読み出し、読み出した各機能項目および設定内容に対応する設定済み機能画像Pを印刷設定画面の領域B(図5参照)に表示する(S13)。
【0080】
次に、更新完了信号を受けたデータベース検索部16は、機能設定内容記憶部14が記憶する機能項目および設定内容と合致する機能制限情報を検索する(S14)。このとき、データベース検索部16は、検索した機能制限情報に対応する制限IDを警告情報表示処理部17に出力する。なお、当該検索処理の詳細な説明は後述する。
【0081】
次に、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16から制限IDを取得したか否かを判断する(S15)。
【0082】
制限IDを取得した場合(S15でYes)、警告情報表示処理部17は、取得した制限IDに従って、警告情報の表示処理を行う(S16)。これにより、ユーザは、表示された制限情報を確認することで、設定不可能な機能項目および設定内容を認識することができる。なお、S16の制限情報の表示処理の詳細については後述する。
【0083】
(機能設定処理)
次に、上記S3に示した機能設定処理の詳細について図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0084】
まず、機能設定部13は、入力装置4に入力された指示に従って、設定する機能を選択する(S21)。具体的には、機能設定部13は、印刷設定画面の領域A(図5参照)に表示している機能項目のうち、クリックされた機能項目を設定する機能として選択する。
【0085】
次に、機能設定部13は、選択した機能項目に対応する設定内容入力ダイアログボックスを表示し、当該機能の設定内容の入力をユーザに促す。そして、機能設定部13は、入力装置4から設定内容を取得する(S22)。
【0086】
その後、機能設定部13は、S21で選択した機能項目とS22で取得した設定内容とを対応付けて、機能設定内容記憶部14に格納する(S23)。そして、機能設定部13は、機能設定内容記憶部14に対する機能項目および設定内容の格納処理が終了すると、更新完了信号を設定済み機能表示処理部18およびデータベース検索部16に出力する。
【0087】
その後、上記S14〜S16の処理を行う。
【0088】
(機能制限情報の検索処理)
次に、上記S14に示した機能制限情報の検索処理の詳細について図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0089】
まず、データベース検索部16は、機能制限情報データベース15から、各制限IDごとに対応する機能制限情報である全ての機能項目およびその設定内容を読み出す(S31)。
【0090】
そして、データベース検索部16は、機能制限情報データベース15が記憶する各制限IDの機能制限情報が示す全ての機能と、機能設定内容記憶部14から読み出した機能とが一致するか否か、あるいは、機能制限情報データベース15が記憶する各制限IDの機能制限情報が示す全ての機能の設定内容と、機能設定内容記憶部14から読み出した機能の設定内容とが一致するか否かを判断する(S32)。
【0091】
一致する場合(S32でYes)、データベース検索部16は、当該機能制限情報に対応する制限IDを警告情報表示処理部17に通知する(S33)。その後、S34の処理に移行する。一方、読み出した機能制限情報である全ての機能項目および設定内容が含まれていない場合(S32でNo)もS34の処理に移行する。
【0092】
次にS34において、データベース検索部16は、機能制限情報データベース15からまだ読み出していない制限IDの機能制限情報があるか否かを判断する。読み出していない制限IDの機能制限情報がある場合(S34でYes)、該読み出していない制限IDについて上記S31からS33の処理を繰り返す。一方、全ての制限IDを読み出した場合(S34でNo)、処理を終了する。
【0093】
以上により、データベース検索部16は、全ての制限IDの中から、設定済みの機能項目および設定内容に当てはまる機能制限情報に対応する制限IDを漏れなく検索することができる。
【0094】
(制限情報の表示処理)
次に、上記S16に示した制限情報の表示処理の詳細について図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0095】
まず、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16から受けた制限IDごとに、対応する機能制限情報である機能項目およびその設定内容を機能制限情報データベース15から読み出す(S41)。
【0096】
次に、警告情報表示処理部17は、設定済み機能表示処理部18が領域Bに表示している設定済み機能画像のうち、機能制限情報データベース15から読み出した機能項目および設定内容に対応する設定済み機能画像を特定する。そして、警告情報表示処理部17は、特定した設定済み機能画像の上に、設定不可能であることを示す警告マークを重ねて表示する(S42)。
【0097】
次に、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16から受けた全ての制限IDに対応する機能制限情報を読み出したか否かを判断する(S43)。
【0098】
データベース検索部16から受けた全ての制限IDに対応する機能制限情報を読み出した場合(S43でYes)、処理を終了する。一方、まだ読み出していない制限IDの機能制限情報がある場合(S43でNo)、当該読み出していない制限IDの一つについて、上記S41〜S42の処理を繰り返す。
【0099】
このようにして、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16が検索した全ての制限IDの機能項目および設定内容に対応する設定済み機能画像の上に警告マークを表示することができる。
【0100】
図9は、警告情報表示処理部17が制限ID「2」および「3」(図2参照)を取得した場合の印刷設定画面の一例を示す図である。
【0101】
図2に示したように、制限ID「2」は、出力トレイ「トレイ1」と用紙サイズ「A6」および「はがき」とが同時に設定することができないことを示しており、制限ID「3」は、用紙サイズ「はがき」と両面印刷「横綴じまたは縦綴じ」とが同時に設定できないことを示している。
【0102】
そのため、警告情報表示処理部17は、図9で示すように、これらの機能項目および設定内容を示す設定済み機能画像P−1・P−2・P−3の上に警告マークMを表示している。
【0103】
これにより、ユーザは、警告マークが表示された機能について、当該機能の利用ができないか、または、当該機能の設定内容の変更が必要であることを認識することができ、領域Aに表示されている機能項目をクリックすることで、設定変更を行うことができる。
【0104】
以上のように、本実施形態のホスト装置1は、複数の機能の中から少なくとも1つの機能を使用して印刷処理を実行するプリンタ2に対して、処理を実行する際に使用する機能の設定を行う機能設定装置である。そして、ホスト装置1のプリンタドライバ部12は、少なくとも一つの機能を選択して、選択した機能の詳細条件を設定する機能設定部13と、機能について設定できない設定内容(詳細条件)、または、互いに両立しない複数の機能およびその設定内容を示す機能制限情報を、内蔵された機能制限情報データベース15から取得し、機能設定部13が設定完了した全ての機能の中から、取得した機能制限情報と一致する設定内容が設定された機能を抽出するデータベース検索部16と、データベース検索部16が抽出した全ての機能について、設定不可能であることを示す警告マークを表示装置3に表示させる警告情報表示処理部17とを備えている。
【0105】
このように、設定完了した機能の中から機能制限情報に一致する機能を抽出するため、未設定の機能に対して警告が出力されることがなく、ユーザは、優先度の高い機能が未設定であっても、当該機能の選択・設定指示をホスト装置1に対して躊躇することなく行うことができる。
【0106】
また、抽出された全ての機能について警告が表示されることから、ユーザは、警告された機能の中から優先度の低い機能を選択して、選択した機能の設定変更の指示を機能設定装置に対して行うことができる。すなわち、ユーザは、警告が表示された際に、優先度の高い機能の設定変更を行う必要がなくなる。
【0107】
以上のように、上記構成によれば、機能の設定順序に関わらず、ユーザにとって優先度の高い機能の設定が容易となる。
【0108】
また、ホスト装置1のプリンタドライバ部12は、機能設定部13が設定完了した各機能を示す設定済み機能画像を表示装置3に表示させる設定済み機能表示処理部18を備えている。そして、警告情報表示処理部17は、設定済み機能表示処理部18が表示させる設定済み機能画像の中から、データベース検索部16が抽出した機能に対応する設定済み機能画像を特定し、特定した設定済み機能画像の上に警告マークを付加させる。
【0109】
これによれば、機能設定部13が設定完了した各機能を示す設定済み機能画像を表示装置3に表示させるため、ユーザは、視覚によって、設定完了した機能の一覧を容易に確認することができる。そして、ユーザは、設定済みの機能の中で、警告マークが付加された設定済み機能画像に対応する機能のいずれかの設定変更が必要であるかを視覚的に容易に認識することができる。
【0110】
(変形例)
なお、機能設定部13は、領域Aに表示した機能項目がクリックされた場合に加えて、設定済み機能表示処理部18が領域Bに表示した設定済み機能画像がクリックされた場合にも、機能設定処理を開始してもよい。具体的には、機能設定部13は、クリックされた設定済み機能画像に対応する機能項目の設定内容入力ダイアログボックスを表示し、当該機能の設定内容の入力をユーザに促す。そして、機能設定部13は、入力装置4から設定内容を取得し、機能設定値記憶部14に格納する。
【0111】
これにより、ユーザは、警告マークがその上に表示されている設定済み機能画像をクリックすることで、設定可能な設定になるように設定内容の変更を行うことができる。
【0112】
また、上記説明では、警告情報表示処理部17は、設定不可能な設定がされた全ての機能項目およびその設定内容について、その設定が不可能であることを示す警告情報の表示方法として、警告マークを設定済み機能画像の上に重ねて表示するものとした。しかしながら、これに限られず、警告情報表示処理部17は、警告情報の表示方法として、データベース検索部16から取得した制限IDの機能制限情報に対応する設定済み機能画像の色を変更する方法や、当該設定済み機能画像を点滅表示にする方法などを用いてもよい。
【0113】
つまり、警告情報表示処理部17は、設定済み機能表示処理部18が表示させた設定済み機能画像の中から、データベース検索部16が抽出した機能に対応する設定済み機能画像を特定し、特定した特定設定済み機能画像を変更する。
【0114】
これにより、ユーザは、設定済みの機能の中で、変更された設定済み機能画像に対応する機能のいずれかの設定変更が必要であるかを視覚的に容易に認識することができる。
【0115】
この際、上記特定設定済み機能画像の色、枠線のうち少なくとも一つを変更すれば、色や枠線のような目立つ表示が変更されるため、ユーザが設定変更が必要な機能を認識し易くなる。また、特定済み機能画像を点滅させる場合でも、ユーザが設定変更が必要な機能を認識し易くなる。
【0116】
また、上記説明では、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16から受けた全ての制限IDに対応する機能項目および設定内容を示す設定済み機能画像に同じ警告マークを表示するものとした。しかしながら、これに限らず、警告情報表示処理部17は、図10(a)に示すように、異なる制限IDに対応する設定済み機能画像に異なる警告マークM−1・M−2を表示してもよい。また、警告情報表示処理部17は、図10(b)に示すように、設定済み機能画像の色や枠線を、制限IDごとに変更してもよい。
【0117】
すなわち、データベース検索部16は、複数の機能制限情報を取得し、機能制限情報ごとに当該機能制限情報と一致する機能を抽出する。そして、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに警告マークを個別に出力させる。具体的には、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに異なる警告を出力させる。
【0118】
これにより、ユーザは、どの機能とどの機能との組み合わせが互いに両立しないのかを容易に認識することができる。その結果、ユーザは、どの機能の詳細条件が設定できないのか、もしくは、どの機能とどの機能とが互いに両立しないのかを容易に認識することができる。
【0119】
また、上記説明では、ホスト装置1が機能制限情報データベース15を備える構成とした。しかしながら、例えば図11に示されるように、機能制限情報データベース(外部記憶装置)15が外部装置であるプリンタ2に備えられていてもよい。この場合、データベース検索部16および警告情報表示処理部17は、通信ネットワークを用いてプリンタ2の機能制限情報データベース15から各制限IDの機能制限情報を読み出せばよい。これにより、ホスト装置1は、設定済みの機能項目および設定内容の中で設定不可能なものがある場合に、設定不可能である旨を示す警告情報をユーザに通知することができる。
【0120】
これにより、ホスト装置1が機能制限情報を管理する必要がなくなる。また、プリンタ2において、装着される周辺装置(例えば、給紙装置やソーター)や故障状況に応じて、自身が備える機能制限情報データベース15が記憶する機能制限情報を変更される場合には、ユーザは、最新の周辺装置の状況や故障状況に応じて、設定可能な機能の設定内容を認識することができる。
【0121】
もしくは、機能制限情報データベース15が外部装置である機能制限情報サーバ(外部記憶装置)に備えられており、機能制限情報サーバがプリンタ2の機能制限情報を管理していてもよい。
【0122】
また、上記説明では、機能制限情報データベース15は、設定不可能な機能項目および設定内容の組み合わせを記憶するものとした。しかしながら、これに限られず、機能制限情報データベース15は、設定可能な機能項目および設定内容の組み合わせを示す機能制限情報を記憶してもよい。この場合、データベース検索部16は、機能設定値記憶部14が記憶する全ての機能項目および設定内容の中から、機能制限情報データベース15が記憶する機能制限情報に合致しない機能項目および設定内容を読み出す。そして、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16が読み出した機能項目および設定内容に対応する設定済み機能画像の上に警告マークを表示すればよい。
【0123】
また、上記説明では、データベース検索部16は、機能設定部13が機能設定内容記憶部14を更新するたびに当該機能設定部13から更新完了信号を受け、検索処理を開始するものとした。しかしながら、データベース検索部16が検索を行うタイミングはこれに限られない。例えば、印刷要求部19が入力装置4から印刷開始指示を取得したときに、データベース検索部16は検索処理を開始してもよい。つまり、印刷設定画面に表示した印刷OKボタンがクリックされたことを受けて、データベース検索部16は検索処理を開始してもよい。
【0124】
これによれば、ユーザは、所望の全ての機能の設定が終了した後に、設定不可能な機能項目および設定内容を確認することができる。そのため、ユーザは、印刷する文書の内容に応じて、設定した全ての機能の優先度を決め、優先度の低い機能を設定変更することで、機能制限情報に抵触することなく、印刷処理を開始することができる。すなわち、ユーザは、機能を設定するたびに警告マークが表示され、設定変更を行う煩わしさがなく、全ての機能の設定が終了した後に、機能制限情報に抵触する機能の設定変更を一括して行うことができる。
【0125】
また、上記説明では、機能制限情報データベース15は、設定不可能な機能項目および設定内容の組み合わせを記憶するものとした。しかしながら、これに限られず、機能制限情報データベース15は、設定可能な機能項目および設定内容の組み合わせを示す機能制限情報を記憶してもよい。この場合、データベース検索部16は、機能設定値記憶部14が記憶する全ての機能項目および設定内容の中から、機能制限情報データベース15が記憶する機能制限情報に合致しない機能項目および設定内容を読み出す。そして、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16が読み出した機能項目および設定内容に対応する設定済み機能画像の上に警告マークを表示すればよい。
【0126】
また、機能制限情報データベース15は、プリンタ2に備えられていてもよい。そして、プリンタ2は、装着される周辺装置(例えば、給紙装置やソーター)や故障状況に応じて、機能制限情報データベース15が記憶する機能制限情報を変更する。これにより、機能制限情報データベース15は、周辺装置の最新の装着状況に応じた機能制限情報を記憶することができる。その結果、ユーザは、最新の周辺装置の状況や故障状況に応じて、設定可能な機能の設定内容を認識することができる。
【0127】
また、上記説明では、警告情報表示処理部17は、設定済み機能画像の上に警告マークを重ねて表示装置3に表示させるものとした。しかしながら、これに限らず、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16が抽出した制限IDに対応する機能制限情報の全ての機能項目およびその設定内容が設定不可能であることを示す画面を表示装置3に表示してもよい。もしくは、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16が抽出した制限IDに対応する機能制限情報の全ての機能項目およびその設定内容が設定不可能であることを示す音声を、図示しないスピーカ(出力装置)から出力させてもよい。これにより、ユーザは、設定不可能な機能を認識することができる。
【0128】
〔実施形態2〕
上記実施形態では、警告マークを一度に全て表示するものとした。本実施形態は、制限IDごとに警告マークを順次繰り返して表示する形態である。
【0129】
図12は、本実施形態に係るホスト装置(機能設定装置)1aの構成を示すブロック図である。図12に示されるように、ホスト装置1aのプリンタドライバ部12aは、上記実施形態と比較して、タイマー20を備えるとともに、警告情報表示処理部17の代わりに警告情報表示処理部(出力制御手段)17aを備えている点で異なる。
【0130】
警告情報表示処理部17aは、上記警告情報表示処理部17と同様に、データベース検索部16から受けた制限IDに含まれる全ての機能項目およびその設定内容が設定不可能であることを示す警告マークを表示装置3に表示するものである。ただし、警告情報表示処理部17aは、タイマー20を用いて、警告マークを制限IDごとに順次繰り返して所定時間だけ表示する。
【0131】
すなわち、警告情報表示処理部17aは、図8の代わりに、図13のフローチャートに示された処理を行う。以下に、警告情報表示処理部17aにおける制限情報の表示処理の流れについて図13を参照しながら説明する。
【0132】
まず、データベース検索部16からN個(Nは1以上の整数)の制限IDを取得した警告情報表示処理部17aは、当該N個の制限IDの各々に対して、1〜Nの取得番号nを付与する(S51)。
【0133】
次に、警告情報表示処理部17aは、取得番号n=1とし(S52)、タイマー20をリセットする(S53)。
【0134】
続いて、警告情報表示処理部17aは、取得番号n(ここでは1)を付与した制限IDに対応する機能制限情報に含まれる全ての機能項目およびその設定内容を機能制限情報データベース15から読み出す。そして、警告情報表示処理部17aは、読み出した機能項目および設定内容に対応する設定済み機能画像の上に警告マークを表示する(S54)。
【0135】
その後、警告情報表示処理部17aは、タイマー20を参照して所定時間が経過したことを検知し、S54で表示した警告マークを消去する(S55)。
【0136】
つぎに、警告情報表示処理部17aは、n=Nであるか否かを判断する。n=Nでない場合(S56でNo)、機能制限管理部は、nに1を加算し(S57)、S53〜S56の処理を繰り返す。一方、n=Nである場合(S56でYes)、上記S52の処理に戻り、取得番号nを1とし、S53〜S56の処理を繰り返す。
【0137】
例えば、制限ID「2」および「3」(図2参照)を取得した場合、警告情報表示処理部17aは、図14に示されるように、所定時間ごとに、制限ID「2」に対応する設定済み機能画像(ここでは、設定内容「はがき」の機能項目「用紙」および設定内容「トレイ1」の機能項目「出力トレイ」の設定済み機能画像)P−1・P−2の上に警告マークMを、制限ID「3」に対応する設定済み機能画像(ここでは、設定内容「はがき」の機能項目「用紙」および設定内容「横綴じ」の機能項目「両面印刷」の設定済み機能画像)P−1・P−3の上に警告マークMを、順次繰り返して表示する。
【0138】
このように、本実施形態のホスト装置1aでは、警告情報表示処理部17aは、データベース検索部16ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに上記警告を所定時間ずつ順次出力させる。
【0139】
これにより、ユーザは、所定時間に第1の機能制限情報と一致した機能を確認した後、次の所定時間では別の第2の機能制限情報と一致した機能を確認することとなる。その結果、ユーザは、どの機能の詳細条件が設定できないのか、もしくは、どの機能とどの機能とが互いに両立しないのかを容易に認識することができる。つまり、ユーザは、ある時間に警告が出力された機能のうちいずれかを設定変更することで、当該時間に出力された警告に対応する機能制限情報を回避することができる。
【0140】
なお、上記実施形態1に記載した変形例は、本実施形態にも適用可能である。例えば、同時間に所定数(例えば2)の制限IDの機能制限情報に対応する設定済み機能画像に警告マークを表示し、その際、図10(a)(b)に示すように、異なる制限IDの機能制限情報に対応する設定済み機能画像に対して、異なる警告マークを表示したり、異なる色や枠線を表示したりしてもよい。これにより、多数の制限IDを受けた場合であっても、警告情報表示処理部17aは、短時間で全ての設定不可能な機能項目および設定内容について、設定不可能な組み合わせごとに、警告情報を表示することができる。
【0141】
また、上記説明では、警告情報表示処理部17aは、タイマー20を用いて、制限IDごとに警告マークを順次繰り返して所定時間だけ表示するものとした。しかしながら、これに限らず、警告情報表示処理部17aは、ユーザからの指示に応じて、制限IDごとに警告マークを順次繰り返して表示してもよい。具体的には、警告情報表示処理部17aは、警告マークを表示する際に、「次へ」を示すボタンを表示する。そして、警告情報表示処理部17aは、当該ボタンがクリックされたことを検知して、制限IDごとに、該制限IDの機能制限情報に対応する設定済み機能画像の上に警告マークを順次繰り返して表示してもよい。
【0142】
つまり、警告情報表示処理部17aは、データベース検索部16が機能制限情報ごとに抽出した機能について、ユーザからの指示に応じて、当該機能制限情報ごとに上記警告を順次出力させる。これにより、ユーザは、自身に適した速度で、機能制限情報ごとに対応する警告を順次確認することができる。
【0143】
〔実施形態3〕
上記実施形態1,2では、1台のプリンタに対する印刷設定を行う場合について説明した。しかしながら、近年、電子データをいくつかに分けて、それぞれを複数のプリンタに送信し、複数のプリンタで同時に印刷処理を行うことで、短時間で電子データを印刷する分散印刷が行われている。
【0144】
本実施形態は、上記分散印刷が可能な複数のプリンタを含む場合の形態である。図15は、本実施形態に係るプリントシステムの全体構成を示すブロック図である。図15に示されるように、本実施形態のプリントシステムは、ホスト装置(機能設定装置)1bと、複数台の第1プリンタ(処理装置)2−1,第2プリンタ(処理装置)2−2および第3プリンタ(処理装置)2−3と、機能制限情報サーバ(外部記憶装置)5とを備え、これらは通信ネットワークを介して相互に通信可能である。なお、図示してないが、ホスト装置1bには表示装置3および入力装置4が接続されている。
【0145】
機能制限情報サーバ5は、図示しないが、上記機能制限情報データベース15を備えるものである。ただし、本実施形態の機能制限情報サーバ5が備える機能制限情報データベース15は、制限IDと、プリンタ名と、機能制限情報である機能項目および設定内容とを対応付けて記憶する。
【0146】
図16は、本実施形態の機能制限情報サーバ5が備える機能制限情報データベース15の一記憶例を示す図である。図16に示されるように、制限ID「1」〜「3」が第1プリンタ2−1における機能制限情報であり、制限ID「4」が第2プリンタ2−2における機能制限情報であり、制限ID「5」が第3プリンタ2−3における機能制限情報であることを示している。
【0147】
つまり、図16で示されるように、本実施形態では、例えば、制限ID「2」は、第1プリンタ2−1において、設定内容「A6またははがき」の機能項目「用紙サイズ」と設定内容「トレイ1」の機能項目「出力トレイ」とが両立して設定不可能であることを示している。また、制限ID「4」は、第2プリンタ2−2において、設定内容「横綴じまたは縦綴じ」の機能項目「両面印刷」が設定不可能であることを示している。さらに、制限ID「5」は、第3プリンタ2−3において、設定内容「A4以外」の機能項目「用紙サイズ」が設定不可能であることを示している。
【0148】
ホスト装置1bの内部構成は、図11に示したホスト装置1の内部構成と同様である。ただし、本実施形態のデータベース検索部16は、通信ネットワークを介して、機能制限情報サーバ5の機能制限情報データベース15から、制限IDごとに、プリンタ名と機能制限情報(機能項目および設定内容)とを読み出すとともに、制限IDを警告情報表示処理部17に出力する際、当該制限IDに対応するプリンタ名も警告情報表示処理部17に出力する。
【0149】
また、本実施形態の警告情報表示処理部17は、データベース検索部16から受けた制限IDの機能制限情報に対応する設定済み機能画像の上に警告マークを表示する際、当該制限IDに対応するプリンタ名を示す情報を警告マークと合わせて表示する。
【0150】
また、本実施形態の印刷要求部19は、表示装置3にプリンタの選択指示を表示し、ユーザに対してプリンタの選択を促す。この際、印刷要求部19は、ユーザの指示により、アプリケーション部11から受けた文書データの頁ごとに印刷するプリンタを選択してもよい。そして、印刷要求部19は、入力装置4に入力されたプリンタ2−1・2−2・2−3に対して、印刷ジョブを出力する。これにより、ユーザは、分散印刷する際のプリンタを選択することができる。例えば、ユーザは、カラーページをカラーが印刷可能かプリンタで、モノクロページをモノクロのみ印刷可能なプリンタで印刷させるなど同一の印刷ジョブを複数のプリンタで実行させることができる。なお、印刷要求部19がプリンタの選択処理を行うタイミングは、印刷条件設定前でも、印刷条件を設定し、制限情報を検索した後でもよい。
【0151】
図17は、本実施形態のデータベース検索部16における検索処理の流れを示すフローチャートである。
【0152】
まず、データベース検索部16は、上記S31と同様に、機能制限情報データベース15から、各制限IDごとに、プリンタ名と機能制限情報である機能項目および設定内容とを読み出す(S61)。
【0153】
そして、データベース検索部16は、機能制限情報データベース15が記憶する各制限IDの機能制限情報が示す全ての機能と、機能設定内容記憶部14から読み出した機能とが一致するか否か、あるいは、機能制限情報データベース15が記憶する各制限IDの機能制限情報が示す全ての機能の設定内容と、機能設定内容記憶部14から読み出した機能の設定内容とが一致するか否かを判断する(S62)。
【0154】
一致する場合(S62でYes)、データベース検索部16は、当該機能制限情報に対応する制限IDおよびプリンタ名を警告情報表示処理部17に通知する(S63)。その後、S64の処理に移行する。一方、読み出した機能制限情報である全ての機能項目および設定内容が含まれていない場合(S62でNo)もS64の処理に移行する。
【0155】
次にS64において、データベース検索部16は、機能制限情報データベース15からまだ読み出していない制限IDの機能制限情報があるか否かを判断する。読み出していない制限IDの機能制限情報がある場合(S64でYes)、該読み出していない制限IDについて上記S61からS63の処理を繰り返す。一方、全ての制限IDを読み出した場合(S64でNo)、処理を終了する。
【0156】
以上により、データベース検索部16は、全ての制限IDの中から、設定済みの機能項目および設定内容に当てはまる機能制限情報に対応する制限IDを漏れなく検索することができ、検索した制限IDと、該制限IDに対応するプリンタ名とを警告情報表示処理部17に出力する。
【0157】
そして、制限IDおよびプリンタ名を受けた警告情報表示処理部17は、当該制限IDごとに、対応する機能制限情報である機能項目およびその設定内容を機能制限情報データベース15から読み出し、領域Bに表示されている設定済み機能画像のうち、読み出した機能項目および設定内容に対応する設定済み機能画像を特定する。そして、警告情報表示処理部17は、特定した設定済み機能画像の上に、データベース検索部16から受けたプリンタ名を付した警告マークを重ねて表示する。
【0158】
図18は、制限ID「2」「4」「5」を受けた警告情報表示処理部17が表示する警告マークの一例を示す図である。
【0159】
図18に示されるように、警告情報表示処理部17は、制限ID「2」に対応する設定済み機能画像P(設定内容「A6」の機能項目「用紙サイズ」および設定内容「トレイ1」の機能項目「出力トレイ」)の上に、第1プリンタ2−1を示す「1」を付した警告マークM−3を表示する。同様に、警告情報表示処理部17は、制限ID「4」に対応する設定済み機能画像P(設定内容「横綴じ」の機能項目「両面印刷」)の上に、第2プリンタ2−2を示す「2」を付した警告マークM−4を表示する。さらに、警告情報表示処理部17は、制限ID「5」に対応する設定済み機能画像P(設定内容「A6」の機能項目「用紙サイズ」)の上に、第3プリンタ2−3を示す「3」を付した警告マークM−5を表示する。
【0160】
このように、本実施形態のホスト装置1bでは、データベース検索部16は、機能制限情報とともに、当該機能制限情報に対応するプリンタを識別するプリンタ名(処理装置識別情報)を機能制限情報サーバ5の機能制限情報データベース15から取得する。そして、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16が機能制限情報ごとに抽出した機能について、上記警告を出力する際、当該機能制限情報に対応付けられたプリンタ名を表示装置3に表示させる。
【0161】
これにより、印刷設定画面を見たユーザは、各プリンタにおける設定不可能な機能項目およびその設定内容を認識することができる。その結果、ユーザは、利用する機能項目の再選択や、機能項目の設定内容の変更、もしくは、印刷するプリンタの選択を適宜行うことができる。
【0162】
なお、上記説明では、機能制限情報サーバ5が全てのプリンタ2−1・2−2・2−3における機能制限情報を管理するものとした。しかしながら、これに限らず、ホスト装置1bが機能制限情報データベース15を備え、全てのプリンタ2−1・2−2・2−3における機能制限情報を管理してもよい。
【0163】
もしくは、各プリンタ2−1・2−2・2−3が機能制限情報データベース15を備え、各機能制限情報データベース15が自身のプリンタにおける機能制限情報のみを記憶していてもよい。つまり、プリンタ2−1に備えられた機能制限情報データベース15は、図16に示す制限ID「1」〜「3」の機能制限情報のみを記憶し、プリンタ2−2に備えられた機能制限情報データベース15は、図16に示す制限ID「4」の機能制限情報のみを記憶し、プリンタ2−3に備えられた機能制限情報データベース15は、図16に示す制限ID「5」の機能制限情報のみを記憶する。
【0164】
この場合、データベース検索部16は、各機能制限情報データベース15から読み出した機能制限情報およびプリンタ名に対して、各々ユニークに仮の制限IDを付与することで、図17に示した処理を行うことができる。また、データベース検索部16は、機能設定内容記憶部14が記憶する機能項目および設定内容と一致する機能制限情報を警告情報表示処理部17に出力する際、当該機能制限情報に付与したプリンタ名も合わせて出力する。そして、警告情報表示処理部17は、データベース検索部16から受けた機能制限情報に対応する設定済み機能画像の上に、当該機能制限情報とともに受けたプリンタ名を記した警告マークを表示させればよい。
【0165】
つまり、各プリンタ2−1・2−2・2−3が機能制限情報データベース15を備えており、データベース検索部16は、各プリンタ2−1・2−2・2−3から、当該プリンタに対して定められた機能制限情報とプリンタ名とを取得する。
【0166】
これにより、ホスト装置1bが機能制限情報を管理する必要がなくなる。また、各プリンタ2−1・2−2・2−3において、装着される周辺装置(例えば、給紙装置やソーター)や故障状況に応じて、自身が備える機能制限情報データベース15が記憶する機能制限情報を変更される場合には、ユーザは、最新の周辺装置の状況や故障状況に応じて、設定可能な機能の設定内容を認識することができる。
【0167】
なお、上記実施形態1に記載した変形例や上記実施形態2は、本実施形態にも適用可能である。
【0168】
また、本発明のプリンタドライバ部12を備えたホスト装置1・1a・1bは、以下のようにも表現できる。すなわち、複数の機能を設定できる設定画面表示装置であって、使用者が設定した機能の一覧を表示する設定済み機能画像表示処理部18と、機能の制限情報を保持する機能制限情報データベース15と、機能制限情報と現在の設定内容を照らし合わせ、機能制限に抵触する組み合わせを発見する検索機能とを備え、現在の設定内容のうち、機能制限情報に抵触する機能の組み合わせに対して、前記設定した機能の一覧の該当機能の表示を変更する。
【0169】
これにより、現在設定されている機能のうち、同時に選択できない組み合わせなどを使用者に伝え、設定内容の変更を促すことができる。
【0170】
上記表示の変更としては、設定済み機能画像の表示の色を変える場合や、設定済み機能画像の表示にマークを付加する場合が考えられる。
【0171】
そして、現在の設定内容が複数の機能制限情報に同時に抵触する場合に、それぞれの機能制限情報を個別に表示する。これにより、現在の設定内容に、同時に選択できない組み合わせが複数存在する場合に、それぞれを個別に表示することで、どの組み合わせに問題があるかをわかりやすくする。
【0172】
なお、個別に表示する方法としては、一定時間ごとに表示する組み合わせを変更する方法や、使用者の指示に従って表示を切り替える方法、組み合わせごとに表示の変更方法を変える方法が考えられる。
【0173】
また、本発明のプリンタドライバ部12を備えたホスト装置1・1a・1bは、以下のようにも表現できる。すなわち、複数の機能を設定できる設定画面表示装置であって、使用者が設定した機能の一覧を表示する設定済み機能画像表示処理部18と、外部装置から機能制限情報を取得する通信手段であるデータベース検索部16と、機能制限情報と現在の設定内容を照らし合わせ、機能制限情報に抵触する組み合わせを発見する検索機能とを備え、現在の設定内容のうち、機能制限情報に抵触する機能の組み合わせに対して、前記設定済み機能画像の該当機能の表示を変更する。
【0174】
これにより、機能制限情報を設定対象のプリンタから取得することで、対象ごとに機能の組み合わせ制限を行うことが出来る。
【0175】
また、複数のプリンタを利用して印刷を行う際に、それぞれのプリンタの機能制限情報をもとに、機能制限情報に抵触する組み合わせを通知してもよい。これにより、複数のプリンタ間の処理能力の差異によって、いずれかのプリンタで使用不可能な機能について個別に使用者に通知することが出来る。
【0176】
また、複数のプリンタを利用して印刷を行う際に、各プリンタの機能制限情報をそれぞれのプリンタから取得してもよい。
【0177】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、実施形態3に示したホスト装置が実施形態2に示したタイマー20を備え、制限IDごとに警告マークを順次繰り返して表示してもよい。
【0178】
最後に、ホスト装置1・1a・1bの各ブロック、特に機能設定部13と、データベース検索部16と、警告情報表示処理部17と、設定済み機能表示処理部18と、印刷要求部19は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0179】
すなわち、ホスト装置1・1a・1bは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるホスト装置1・1a・1bの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記ホスト装置1・1a・1bに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0180】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0181】
また、ホスト装置1・1a・1bを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本発明の機能設定装置によれば、機能の設定順序に関わらず、ユーザにとって優先度の高い機能の設定が容易であるため、例えば、プリンタドライバがインストールされ得るパソコンやプリンタの制御装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の実施形態1に係るホスト装置とその周辺装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ホスト装置が備える機能制限情報データベースが記憶する機能制限情報の一例を示す図である。
【図3】プリンタドライバ部の処理全体の概要を示すフローチャートである。
【図4】起動時処理の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】起動時の印刷設定画面の一例を示す図である。
【図6】機能設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】機能制限情報の検索処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】制限情報の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】警告マークが表示された印刷設定画面の一例を示す図である。
【図10】制限情報表示処理部における制限情報の表示方法の他の例を示す図であり、(a)は制限IDごとに異なる警告マークを表示する例を、(b)は制限IDごとに設定済み機能画像の色および枠線を変更する例を示している。
【図11】プリントシステムの変形例を示すブロック図である。
【図12】実施形態2に係るホスト装置とその周辺装置の構成を示すブロック図である。
【図13】実施形態2における制限情報の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】実施形態2のホスト装置が備える制限情報表示処理部における制限情報の表示例を示す図である。
【図15】実施形態3に係るプリントシステムの構成を示すブロック図である。
【図16】実施形態3の機能制限情報サーバが記憶する機能制限情報の一例を示す図である。
【図17】実施形態3のホスト装置が備えるデータベース検索部の検索処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】実施形態3のホスト装置が備える制限情報表示処理部における制限情報の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0184】
1・1a・1b ホスト装置(機能設定装置)
2・2−1・2−2・2−3 プリンタ(処理装置)
3 表示装置(出力装置)
4 入力装置
5 機能制限情報サーバ(外部記憶装置)
11 アプリケーション部
12・12a プリンタドライバ部
13 機能設定部(機能設定手段)
14 機能設定値記憶部
15 機能制限情報データベース(記憶部)
16 データベース検索部(抽出手段)
17・17a 警告情報表示処理部(出力制御手段)
18 設定済み機能表示処理部(設定済み機能画像表示制御手段)
19 印刷要求部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能の中から少なくとも1つの機能を使用して処理を実行する処理装置に対して、処理を実行する際に使用する機能の設定を行う機能設定装置であって、
少なくとも一つの機能を選択して、選択した機能の詳細条件を設定する機能設定手段と、
上記機能ごとの設定不可能な詳細条件、互いに両立しない複数の機能、または設定された詳細条件によって複数の機能が互いに両立しない場合のそれら機能の詳細条件を示す機能制限情報を取得し、機能設定手段が設定完了した全ての機能の中から、取得した機能制限情報が示す機能と一致する機能、または取得した機能制限情報が示す詳細条件と一致する詳細条件が設定された機能を抽出する抽出手段と、
抽出手段が抽出した全ての機能について設定できないことを示す警告情報を出力する出力手段とを備えていることを特徴とする機能設定装置。
【請求項2】
上記抽出手段は、複数の機能制限情報を取得し、機能制限情報ごとに当該機能制限情報と一致する機能を抽出し、
上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに上記警告情報を個別に出力することを特徴とする請求項1に記載の機能設定装置。
【請求項3】
上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに上記警告情報を所定時間ずつ順次出力することを特徴とする請求項2に記載の機能設定装置。
【請求項4】
上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、ユーザからの指示に応じて、当該機能制限情報ごとに上記警告情報を順次出力することを特徴とする請求項2に記載の機能設定装置。
【請求項5】
上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、当該機能制限情報ごとに異なる上記警告情報を出力することを特徴とする請求項2に記載の機能設定装置。
【請求項6】
上記機能設定手段が設定完了した各機能を示す設定済み機能画像を表示装置に表示させる設定済み機能画像表示制御手段を備え、
上記出力制御手段は、設定済み機能画像表示手段が表示させる設定済み機能画像の中から、上記抽出手段が抽出した機能に対応する設定済み機能画像を特定し、特定した設定済み機能画像の上に警告マークを付加させることを特徴とする請求項1に記載の機能設定装置。
【請求項7】
上記機能設定手段が設定完了した各機能を示す設定済み機能画像を表示装置に表示させる設定済み機能画像表示制御手段を備え、
上記出力制御手段は、設定済み機能画像表示手段が表示させた設定済み機能画像の中から、上記抽出手段が抽出した機能に対応する設定済み機能画像を特定し、特定した特定設定済み機能画像を変更させることを特徴とする請求項1に記載の機能設定装置。
【請求項8】
上記出力制御手段は、上記特定設定済み機能画像の色、枠線のうち少なくとも一つを変更させることを特徴とする請求項7に記載の機能設定装置。
【請求項9】
上記出力制御手段は、上記特定設定済み機能画像を点滅させることを特徴とする請求項7に記載の機能設定装置。
【請求項10】
上記抽出手段は、上記処理装置から、上記機能制限情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の機能設定装置。
【請求項11】
上記処理装置が複数あり、
上記機能制限情報は、上記各処理装置の処理能力に応じて予め定められており、
上記抽出手段は、上記機能制限情報とともに、当該機能制限情報に対応する処理装置を識別する処理装置識別情報を取得し、
上記出力制御手段は、抽出手段が機能制限情報ごとに抽出した機能について、上記警告情報を出力する際、当該機能制限情報に対応付けられた処理装置識別情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の機能設定装置。
【請求項12】
上記抽出手段は、各処理装置から、当該処理装置に対して定められた機能制限情報と上記処理装置識別情報とを取得することを特徴とする請求項11に記載の機能設定装置。
【請求項13】
上記処理装置が印刷装置であり、印刷処理の機能を設定することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の機能設定装置。
【請求項14】
複数の機能の中から少なくとも1つの機能を使用して処理を実行する処理装置に対して、処理を実行する際に使用する機能の設定を行う機能設定装置における機能設定方法であって、
少なくとも一つの機能を選択して、選択した機能の詳細条件を設定する機能設定ステップと、
上記機能ごとの設定不可能な詳細条件、互いに両立しない複数の機能、または設定された詳細条件によって複数の機能が互いに両立しない場合のそれら機能の詳細条件を示す機能制限情報を取得し、機能設定手段が設定完了した全ての機能の中から、取得した機能制限情報が示す機能と一致する機能、または取得した機能制限情報が示す詳細条件と一致する詳細条件が設定された機能を抽出する抽出ステップと、
抽出した全ての機能について設定できないことを示す警告を出力する出力ステップとを備えていることを特徴とする機能設定方法。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか1項に記載の機能設定装置を動作させる機能設定プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための機能設定プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の機能設定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−58563(P2007−58563A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−242966(P2005−242966)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】