欠陥レビュー装置
【課題】ウェハ検査において異物や欠陥を見つけた場合に、これら異物等の発生原因を探求するための電子顕微鏡を用いたウェハエッジ観察に関する好適な方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェハを保持する試料ステージ24と、半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器15,23と、電子線の照射により半導体ウェハから発生するX線を検出する検出器34,35と、傾斜角度が可変のカラム16とを備え、試料ステージ24により、半導体ウェハのエッジの欠陥位置にカラム16の撮像視野を移動し、カラム16を傾斜させた状態で、半導体ウェハのエッジに電子線を照射する。
【解決手段】半導体ウェハを保持する試料ステージ24と、半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器15,23と、電子線の照射により半導体ウェハから発生するX線を検出する検出器34,35と、傾斜角度が可変のカラム16とを備え、試料ステージ24により、半導体ウェハのエッジの欠陥位置にカラム16の撮像視野を移動し、カラム16を傾斜させた状態で、半導体ウェハのエッジに電子線を照射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体電子回路基板や液晶表示基板等の薄膜デバイス製造過程で生じた欠陥を、走査型電子顕微鏡等の拡大撮像装置を用いてレビューするための方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体、液晶ディスプレイ、ハードディスク磁気ヘッド等の薄膜デバイスの製造は、多数のプロセスにより構成されている。このような加工工程数は時には数百工程に及ぶ。加工装置の製造条件の不備や異常によって薄膜デバイス上に異物や配線の断線などの外観異常が発生した場合、製品に不良が発生する確率が高くなり、歩留りを下げてしまうことになる。そこで、問題の発生した装置を特定し、対策を施すことが歩留り維持及び向上に重要となる。そのため、主要なプロセスごとに異物検査や外観検査等の検査が実施され、加工が正常に行われているか監視が行われる。このとき、加工プロセスごとに全ての被処理基板の検査を実施するのは時間と手間の制約から不可能であるため、通常はいくつかの一連の工程ごとに、ロット単位、あるいは被処理基板単位、あるいはその組み合わせによりサンプリングされた被処理基板に対して検査が実施される。ここで、被処理基板とは製品加工を行う最小単位を意味し、半導体装置であればウェハ1枚を指す。
【0003】
検査装置においては、異物検査をする場合は、例えばウェハ表面をレーザでスキャンし、散乱光の有無を検出することで異物の位置、数の情報を得る。また、異物とパタン異常を併せて検査をする欠陥検査をする場合は、例えば光学式の拡大撮像装置によりウェハの回路パタンの画像を取り込み、隣接する他の同一パタン領域の画像と比較することにより、特異点の位置、個数等に関する情報を得る。ここで、「特異点」とは、検査装置の検査により異常が発見された点として出力された点のことを指す。異物と外観異常とを合わせ、以降、「欠陥」と表記する。
【0004】
装置異常の判定は、検査装置により検出される欠陥の個数や密度管理指標として行われることが多い。欠陥の個数が予め設定された基準値を越えると装置に異常が発生していると判定し、欠陥を検査装置により検出された欠陥座標情報に基づき光学顕微鏡、あるいは走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)などのレビュー装置により拡大撮像し、大きさ、形状、テクスチャ等の詳細情報を得たり、元素分析、断面観察等の詳細検査を行い、不具合の発生した装置や不具合内容を特定する。そして、その結果に基づき、装置やプロセスの対策を行い、歩留りの低下を防ぐ。
【0005】
このようなレビュー作業を自動化、効率化するために、近年、異物検査装置や外観検査装置からの検査データを基に、自動的に異物・欠陥の拡大画像を取得する機能(Automatic Defect Review:ADR)を有するレビュー装置が開発されている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、取得した画像を特定のルールに従って自動分類(Automatic Defect Classification:ADC)する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-30652号公報
【特許文献2】特開平7-201946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
半導体製造工程では薄膜の生成、加工、洗浄が多数回繰り返される。その際、ウェハの最外周の縁の部分において、異物の付着や表面の荒れなど、何らかの要因で生成した膜の密着性が悪くなると、膜を生成する当該工程だけでなく、後段の工程においても該縁の部分から膜がはがれやすくなることがある。そして、これらのはがれた膜は、異物として加工された回路パタン上に付着し、電気的な欠陥を引き起こす原因となることがある。そのため、成膜後、ウェハエッジについて、荒れや剥離など、膜の生成状況に問題がないか観察する場合がある。昨今の配線の幅や間隔はサブマイクロメートルのオーダであるため、観察すべき異物や欠陥の大きさも同様のオーダとなる。このような微小な異物や欠陥を詳細に観察する手段として、電子顕微鏡が主に用いられている。
【0008】
通常の欠陥は一般的にウェハ垂直上方から観察するのに対し、ウェハのエッジの状況を詳細に観察するためには、垂直上方からではなく、側面が観察しやすいように斜め上方から観察するのが望ましい。このような、ウェハエッジを観察する手法については、例えば特開2001-221749号公報に記載されている。しかし、この文献には、観察装置に電子顕微鏡を用いた場合の好適な手法については開示されていない。
【0009】
本発明の目的は、電子顕微鏡を用いてウェハエッジの観察を行う好適な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるレビュー装置は、半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置である。当該レビュー装置は、前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、傾斜角度が可変のカラムとを備え、前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、前記カラムを傾斜させた状態で、前記半導体ウェハのエッジに前記電子線を照射することを特徴とする。
【0011】
また、本発明によるレビュー装置は、半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置である。当該レビュー装置は、前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、傾斜角度が可変のカラムとを備え、前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記電子線を照射し、前記X線による元素分析を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるレビュー装置は、半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置である。当該レビュー装置は、前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、傾斜角度が可変のカラムとを備え、前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、前記欠陥位置からX線を発生させる電子線を前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に照射することを特徴とする。
【0013】
また、本発明によるレビュー装置は、半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置である。当該レビュー装置は、前記半導体ウェハを回転移動可能な試料ステージと、前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、傾斜角度が可変のカラムと、X線分析の結果を表示するモニタとを備え、前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、前記カラムを傾斜させた状態で前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置の前記走査電子顕微鏡画像を取得し、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記電子線を照射することによって元素分析を行い、当該元素分析の結果を前記モニタに表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、電子顕微鏡を用いた半導体欠陥レビューにおいて、ウェハエッジの観察を効果的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ウェハの製造ラインでの装置の接続構成例を示す図。
【図2】本発明の装置構成例を示す図。
【図3】観察角度の違いによる取得画像の差異を説明する図。
【図4】本発明の装置を用いた観察手順の一実施例を示すフロー図。
【図5】本発明のウェハエッジ観察位置判断手法の一実施例を示す図。
【図6】本発明のウェハエッジ観察位置判断手法の一実施例を示す図。
【図7】本発明の装置を用いた観察手順の一実施例を示したフロー図。
【図8】本発明の装置を用いた観察手順の一実施例を示したフロー図。
【図9】本発明の画面表示例を示した図。
【図10】本発明の画面表示例を示した図。
【図11】本発明の画像撮像方法の一実施例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
まず図1により、ウェハの製造ラインでの各装置とその接続構成の一具体例について説明する。なお、同図において、1はデータ管理サーバ、2は半導体の製造装置、3は検査装置、4はレビュー装置、5は解析装置、6はレビュー・解析装置、7はネットワークである。製造ラインは、同図のように、半導体ウェハの製造装置2や検査装置3、レビュー装置4、解析装置5、レビュー・解析装置6がデータ管理サーバ1とネットワーク7によって相互に接続された構成をなしている。
【0017】
製造装置2は、露光装置やエッチング装置などの半導体ウェハの製造に用いられる。検査装置3は、欠陥位置を検査するものであって、例えば、半導体ウェハ上に光のビームスポットあるいはビームラインをスキャンさせ、その乱反射の度合いから欠陥位置を特定したり、形成されているパタンの画像を2つのチップからそれぞれ取得し、これら画像を比較して相違する部分を欠陥とし、その欠陥位置を検出する。レビュー装置4は、検査装置3の検査情報に基づいて欠陥を観察するものであって、半導体ウェハを搭載したステージを移動させ、検査装置3から出力される欠陥位置情報に基づいてこの半導体ウェハ上の対象とする欠陥への位置決めをし、欠陥の観察を行う。観察装置として、例えば、SEMが用いられる。解析装置5は、例えばEDXやオージェ電子分光法を用いて元素分析を行うものである。オージェ電子分光法は、電子線を対象に照射したときに対象から放出されるオージェ電子を検出し、解析する方法であり、一般によく知られた方法である。レビュー・解析装置6は、欠陥の観察と元素分析とを行うことができるようにした装置である。
【0018】
なお、これらの検査、観察、分析のための各装置は、必ずしも分離している必要はなく、例えば、検査とレビューとを同一装置内で行えるようにするなど、組み合わせるようにしてもよい。
【0019】
データ管理サーバ1は、これらの検査装置3、レビュー装置4、解析装置5、レビュー・解析装置6で得られたデータを管理するものであり、レビュー装置4や解析装置5は、データ管理サーバ1を介して検査装置3から出力された欠陥位置座標などの情報を取得することができる。レビュー装置4あるいは解析装置5、あるいはレビュー・解析装置6は、検査装置3により得られた欠陥位置の座標データを取得し、その座標データに基づいて欠陥の位置決めをし、レビューや解析を行う。
【0020】
ここでは接続の一例を示したが、装置間でデータの装置利用が可能であればどのような接続構成であってもよい。また、本構成に示した装置が全て必須というわけではなく、目的に応じて組み合わせを行えばよい。
【0021】
図2に、装置の構成の一実施例を示す。WFは半導体ウェハ、EBは電子ビーム、8は走査型電子顕微鏡を用いた第一の撮像装置である。これを第一カラムと呼ぶこととする。9は第一カラムの電子源、10,11は第一カラムのコンデンサレンズ、12は第一カラムの偏向走査用コイル、13,14は第一カラムの対物レンズ、15は第一カラムの検出器である。また、16は第二カラム、17は第二カラムの電子源、18,19は第二カラムのコンデンサレンズ、20は第二カラムの偏向走査用コイル、21,22は第二カラムの対物レンズ、23は第二カラムの検出器である。24はXYθステージ、25は記憶装置、26はモニタ、27は入力装置、28は全体制御部、29は画像演算部、30はA/D変換部、31は電子光学系制御部、32はステージ制御部、33は欠陥データ解析演算部である。34,35は元素分析の検出器であり、36は元素分析制御部である。同図において、電子源9と電子光学系10〜14と検出器15で第一のカラム8を形成しており、電子源17と電子光学系18〜22と検出器23で第二のカラム16を形成している。そして、第一のカラム8と第二のカラム16とXYθステージ24でSEMを構成しており、これをXYθステージ24に搭載された半導体ウェハWFの撮像装置として用いるものである。
【0022】
レビューの対象となる半導体ウェハWFは、XYθステージ24に搭載される。XYθステージ24は、全体制御部28からの制御信号を基に、ステージ制御部32によりX,Y方向及び回転θ方向に移動制御される。第一のカラム8において、XYθステージ24に固定された半導体ウェハWFを拡大撮像する。すなわち、電子源9から発射された電子ビームEBは、コンデンサレンズ10,11、対物レンズ13,14によって収束され、偏向走査用コイル12によってスキャンされることにより、測定対象の半導体ウェハWFに照射され、この照射によって半導体ウェハWFから得られる二次電子や反射電子は検出器15で検出され、A/D変換部30で処理されて半導体ウェハWFのSEM像が生成される。
【0023】
同様に、第二のカラム16において、XYθステージ24に固定された半導体ウェハWFを拡大撮像する。すなわち、電子源17から発射された電子ビームEBは、コンデンサレンズ18,19、対物レンズ21,22によって収束され、偏向走査用コイル20によってスキャンされることにより、測定対象の半導体ウェハWFに照射され、この照射によって半導体ウェハWFから得られる二次電子や反射電子は検出器23で検出され、A/D変換部30で処理されて半導体ウェハWFのSEM像が生成される。
【0024】
第一のカラム8と第二のカラム16は、電子光学系の軸の角度が異なって配置されている。例えば、第一のカラム8の電子光学系の軸がウェハの面の法線方向と平行であるのに対し、第二のカラム16はある角度を持って配置する。このようにすることで、第一のカラム8と第二のカラム16にて、それぞれ異なった方向から観察した情報を得ることが出来る。
【0025】
検出器34,35は、元素分析方法として例えばエネルギー分散型X線分析を用いる場合は、測定対象に照射された電子ビームを受けて発生したX線を検出する。元素分析制御部36は、全体制御部28からの制御信号を受け、X線検出のON/OFFの制御を行う。検出されたX線スペクトルは元素分析制御部36あるいは全体制御部28においてスペクトル分析され、含有する元素の情報を抽出し表示装置26においてユーザに表示する。
【0026】
ウェハを観察する方向の一実施例を図3に示す。図3は、ウェハを垂直断面方向から示した図である。例えば、第一カラムは図中Aの方向からウェハを撮像するように配置し、第二カラムは図中Bの方向からウェハを撮像するように配置する。このようにカラムを配置した場合の、直方体状の異物を撮像した際の観察画像例を図3(a)に、ウェハエッジを撮像した際の観察画像例を図3(b)に示す。
【0027】
図3(a)に示したように、異物を撮像した場合は、B方向では異物の側面の状況を観察することが出来る。また図3(b)に示したように、ウェハエッジを撮像した場合は、A方向ではウェハエッジに存在する異物の形状などの情報が得にくいのに対し、B方向ではA方向に比べてエッジ部分をより正面から観察することができ、異物の形状などの情報を得易い。
【0028】
どちらのカラムで撮像するかは入力装置27からユーザが指示したり、あるいは、予め定めたルールに従って全体制御部28にて演算され、全体制御部28から制御される。制御部28からの制御信号を基に、ステージ制御部32では該当するカラムに対応する位置にステージ位置を制御し、電子光学系制御部31において該当するカラムに電子光学系の制御信号が送られ、A/D変換部30において該当するカラムの画像が取得される。
【0029】
欠陥検出処理などの画像処理は画像演算部33で行われる。ユーザは入力装置27から欠陥観察条件等の入力項目を入力する。レビューのための欠陥座標データは、検査装置から図示しないネットワークを介して全体制御部28に送られる。ステージ制御部32は、欠陥座標データに基づいて、欠陥が視野に入るように制御を行う。本実施例において検出器15,23は1つのみ図示したが、例えば検出する電子のエネルギーの範囲を分けるといった用途に応じて複数個配置しても構わない。
【0030】
次に、図4にウェハ観察時に第一カラムと第二カラムの両方を切り替えて用いる観察方法の第一の実施例のフロー図を示す。まず、ステップ100にて、欠陥検査装置3から出力された欠陥検査データを読み込む。次にステップ101にて、カラムを、通常の欠陥観察用のカラム、例えば電子光学系の軸がウェハの法線と平行である第一カラムを用いるようにセットする。次に、ステップ102にて、ウェハのアライメントを行う。これは、観察装置と検査装置の座標ずれを補正するステップである。例えば観察装置においてアライメントマークを観察し、該アライメントマークの位置を手動で指定したり、あるいは自動的認識を行い、検査装置における同アライメントマークの出力座標と比較し、並進ずれや縮尺、回転の相違を補正するものである。
【0031】
次に、ステップ103にて欠陥検査データに基づいて欠陥の画像を自動的に取得する。取得した画像は、ステップ104にて予め定めたルールに従って自動的に分類を行う。この際、図示しない事前準備として、ウェハのはがれに起因する異物・欠陥を分類できるよう、分類のルール作りや分類用教示データを作成しておく。ステップ105にて、欠陥の分類結果がウェハのはがれに起因する異物・欠陥であるか否か、すなわち欠陥がはがれモードであるか否かを判定する。ウェハの膜はがれに起因する異物・欠陥は、薄い膜状の物質が細かく千切れたような形状をしている場合が多く、外観特徴から判別できる可能性が高い。該異物・欠陥が同様の外観特徴をもつ区分、例えば工程ごとに異物・欠陥の画像から欠陥の形状や明るさといった情報を収集しておけば、その特徴を用いて信頼性の高い弁別を行うことが可能である。欠陥がはがれモードである場合、ステップ106にて、はがれモードの欠陥が存在することを記憶するために、はがれモードフラグをたてる。はがれモードでないと判定された場合は、ステップ106を行わずにステップ107を行う。
【0032】
ステップ107では、欠陥観察対象とする次の欠陥の有無を判定し、欠陥がある場合にはステップ108にて次のデータを読み込み、ステップ103から同様に繰り返す。ステップ107にて、欠陥観察対象とする次の欠陥がないと判定された場合は、ステップ109にて、観察対象とした欠陥において、はがれモードである欠陥が存在したか否かを判定する。すなわち、はがれモードフラグがたっているか否かを判定する。はがれモードフラグがたっていない場合、当該検査データにおける欠陥観察を終了する。
【0033】
はがれモードフラグがたっている場合、ステップ110にて、観察を行うカラムを第二のカラムにセットする。次にステップ111にて、ウェハエッジを観察する対象範囲を設定する。これは、欠陥を観察する手順を記録するレシピにおいて事前に設定しておいてもよく、後述するように、取得した欠陥画像を分析した結果に基づいて自動的に設定するようにしてもよく、また、ユーザが入力することにより設定してもよい。観察対象範囲の設定内容として、例えばウェハの全周を設定してもよく、あるいは、座標範囲を設定してもよい。該座標はX,Y座標系でもよく、極座標系であってもよい。また、ウェハの外形を図示し、どの範囲を観察対象とするかを、ユーザが図を用いて範囲指定を行ってもよい。次にステップ112にて、前記指定されたウェハエッジ範囲の画像を取得し、処理を終了する。
【0034】
ウェハエッジ観察対象範囲を、取得した欠陥画像を分析した結果に基づいて自動的に設定する方法の一実施例について説明する。
【0035】
ウェハにおいて、欠陥の存在位置を示したマップをウェハマップと呼ぶこととする。観察対象としたウェハのウェハマップ例を、図5に示す。図5において、はがれモードと分類された欠陥の座標点を白丸で示している。はがれモードの欠陥のみに着目すると、図5(a)においては、該欠陥は縦方向にのみ分布しており、かつVノッチ側に数多く存在していることがわかる。このような場合、何らかの原因でVノッチ側のエッジにおいて膜がはがれ、それによって発生した異物が縦方向上方に散布されていったと推定することが出来る。このような場合、Vノッチ側のエッジを観察対象範囲とすればよい。また、図5(b)においては、はがれモードの欠陥がウェハエッジの狭い範囲に集中している。このような場合、集中して異物が発生しているエッジの周辺のみを観察対象範囲とすればよい。
【0036】
このような判定をするために、例えば図6に示すように、ウェハを放射状の領域に分割し、各領域におけるはがれモード欠陥の存在の頻度を示す値、例えば個数や密度などを算出する。そして、該値の高い領域のウェハエッジを観察対象範囲と設定するようにすればよい。
【0037】
観察対象を斜方から観察する方法は、上記に限定するものではない。例えば、傾斜して配置した第一のカラムのみを有する構成でもよい。また該カラムは配置する角度が可変であっても構わない。カラムの傾斜角度が可変の構成の場合、図4に示したフロー図のステップ110が、カラムの傾斜角度を変化させる、というステップに置き換わる。また、ステージを傾斜させることで斜方からの観察を実施しても構わない。該構成の場合、図4のフローのステップ110が、ステージの傾斜角度を変化させる、というステップに置き換わる。また、照射する電子ビームを偏向し、斜方から照射することで斜方から観察した画像を取得するようにしても構わない。該構成の場合、図4のフローのステップ110が、ビームを照射する方向を変化させる、というステップに置き換わる。
【0038】
次に、ウェハエッジの観察対象範囲の設定方法の他の実施例について述べる。以下は、図4のフローにおける実施例としてもよく、またウェハエッジのみを観察対象とする場合の実施例としてもよい。
【0039】
ウェハエッジの観察対象範囲の設定方法の第一の実施例として、ウェハエッジ検査用の検査装置からの検査データに基づき、該検査データの出力座標を視野中心として観察範囲を設定するようにしてもよい。視野のサイズは、固定値としてユーザが設定してもよく、また欠陥のサイズに応じて自動的に変更するようにしてもよい。
【0040】
この設定方法を用いた、ウェハエッジのみを観察対象とする場合の観察フローの一実施例を図7に示す。図4と同一の手順には同一のステップ番号を付した。まず、ステップ200において、ウェハエッジ検査用の検査装置からデータを取得する。次に、ステップ102において、ウェハアライメントを行う。次に、読み込んだ検査データに基づいて視野を移動し、ステップ201にてエッジ画像を取得する。該画像は検査装置から欠陥がある位置として出力された座標における画像であり、欠陥が含まれている画像であることが期待される。次にステップ107及びステップ108を行い終了となる。
【0041】
第二の実施例として、予め観察位置と範囲をユーザによって指定しておいてもよい。指定する位置は、例えばある一定間隔に規則的に設定してもよく、あるいはVノッチの周辺や加工装置のチャック位置の周辺といった特徴的な位置を指定してもよい。また、第三の実施例として、ウェハの全周を観察対象としてもよい。
【0042】
ウェハエッジの画像を取得する際、ある第一の倍率でウェハエッジを撮像し、欠陥がその第一の倍率で撮像した画像において見つかったときのみ、該欠陥が存在する位置を視野中心として第一の倍率よりも大きい第二の倍率で撮像するようにしても良い。この場合の撮像フローの一実施例を図8に示す。図7の実施例と同様に、ステップ200、ステップ102を行い、ステップ300にて第一の倍率に設定する。第一の倍率は、検査装置の座標出力誤差や観察装置の位置決め誤差を考慮し、これらの誤差を含んでも第一の倍率における視野範囲に欠陥が含まれるように設定することが望ましい。次に、ステップ301にて、第一の倍率にてエッジ画像を取得する。次にステップ302にて欠陥の有無判定、及び欠陥がある場合は該欠陥の位置特定を行う。欠陥があると判定された場合は、ステップ303にて第二の倍率に設定する。該第二の倍率は、予めユーザによって指定しておいてもよく、あるいは、検査装置からの検査データに欠陥サイズ情報が含まれている場合は該情報に基づいて可変とするようにしてもよく、あるいは、ステップ302の欠陥有無判定処理において欠陥の大きさを算出しておき、該算出値に基づいて可変とするようにしてもよい。
【0043】
一般的に、第二の倍率は欠陥部分をより詳細に観察できるよう第一の倍率より高く設定される。ただし、ステップ302の判定処理において、第一の倍率の視野範囲より欠陥の存在が広範囲におよぶと判定された場合に、第一の倍率よりも小さく設定されるようにしても構わない。次にステップ304にて、第二の倍率にてエッジ画像を取得する。次にステップ107,108を実行し終了となる。ステップ302で欠陥がないと判定された場合にはステップ107へ移行する。
【0044】
欠陥有無の判定及び欠陥位置を検出する手法としては、例えば次のような手法がある。正常とする画像を予め登録しておき、ウェハエッジ観察時に撮像した画像と比較し、相違が大きい部分を欠陥と判断する。または、視野を複数の小領域に分割し、各小領域ごとに画像を構成する画素の明るさの分散を算出する。該分散があらかじめ定めた閾値を超えたとき、該小領域が想定している正常部分よりも表面が荒れていると判断し、該小領域を欠陥と判断する。その際、小領域にウェハエッジと背景が両方含まれる場合は分散が大きくなり、欠陥領域と誤判定する可能性がある。このような場合は、該小領域を欠陥候補から外すようにしてもよく、また画素の明るさの違いを利用して、ある明るさ以下の画素を背景と判断して分散の計算に用いないようにしてもよい。または、画像の明るさ変化の大きさを表す微分値を算出し、ウェハエッジの境界部分を除いて前記微分値の大きい部分を欠陥領域とする。または、電子ビームを照射したときに発生する二次電子は一般に対象の段差部分で多くなる、すなわち画像の明るさが高くなることを利用し、画像の中で最も輝度の高い部分を欠陥領域とする。その際、ノイズによって輝度が突発的に高くなる可能性があるため、微小領域ごとに平均化を行ったり、ローパスフィルタをかけるなどの前処理をすることが望ましい。
【0045】
これらの手法はどれか一種類である必要はなく、複数の手法を併用したり、ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0046】
このような欠陥判定を行う場合、欠陥が見つかった場合、あるいは欠陥の頻度や程度が予め定めた閾値を越えた場合に、ウェハエッジの異常である旨をユーザにわかるように警告を出すようにしてもよい。これらの警告は電子顕微鏡のモニタ26に表示してもよく、ネットワーク7を介してネットワーク接続した他の表示装置に出力してもよく、あるいは図示しないメールシステムなどを介して担当者にメールを送るようにしてもよい。
【0047】
また、ウェハエッジを観察する際、画像を取得するだけでなく、EDXなどの元素分析情報をあわせて取得するようにしてもよい。
【0048】
エッジレビュー時の操作あるいは取得した画像を表示する際のGUIの一実施例を図9、図10に示す。図9において、37は検査装置や観察装置で付加した欠陥の固有識別子を表示したものである。38は、自動分類をした場合の分類識別子を表示したものである。39は、取得した画像がウェハエッジ上のどの位置であるかを示すマップ表示である。図の円状の表示がウェハ外形を示し、黒丸が画像を取得した位置を示す。また、大きな黒丸表示はマップ表示の右に示した画像表示領域に表示中の画像の位置を示している。マップ下方の矢印ボタンは、表示する画像を、次あるいは前の画像に切り替えるよう指定するスイッチである。操作時の機能として、ウェハ全周をレビュー対象としている場合は、該ボタンによって、撮像倍率に応じて移動量を自動調整して視野範囲が隙間を空けずに連続するよう視野を移動するようにしてもよい。
【0049】
40は画像表示の形態を指定するもので、表示領域に1枚の画像を表示するか、表示領域を分割して複数の画像を表示するか等を指定する。41は表示画像について行う機能を選択する画面であり、例えば「Measure」を選択すると表示画像に二本の線分上のカーソルを重ねて表示し、該カーソルをユーザが移動できるようにし、カーソル間の寸法を、画像の撮像倍率に連動して実寸法で表示するようにする。42は画像表示領域であり、観察中の画像あるいは取得した画像を表示する。表示形態は40により指定される。また、表示領域に縮小した他の画像を一覧表示しておき、選択した画像を表示領域に表示するようにしてもよい。縮小画面は表示倍率を変更したり、あるいはスクロールするようにして、画像全てを表示できるようにしてもよい。縮小した一覧表示の領域の選択画像と連動して、39のマップ表示において、表示中の画像の撮像位置がわかるように、表示画像に該当する位置の黒丸の大きさ大きくなるようにする。
【0050】
43は元素分析結果を表示する画面であり、例えば元素分析結果の波形を表示したり、検出した元素の記号を表示したり、波形から推測される物質の名称や元素記号表示を行う。44は欠陥の自動検出処理を行わせる画面で、処理の条件や処理結果を表示する。該処理結果に基づいて欠陥検出処理のパラメータを調整し、観察装置の欠陥検出動作における処理パラメータとして反映させることができる。
【0051】
図9に示した表示画面は一例であり、表示するのはこれらに示した表示項目の一部でも構わない。また、表示画面は同様の内容であれば同一でなくても構わない。また、図10の表示45に示すように、ウェハ面の欠陥検査データのウェハマップと該検査データの第一のカラムによる欠陥観察画像を合わせて表示するようにしてもよい。表示45の領域では、ウェハマップで選択した欠陥について、少なくとも欠陥の画像、ID番号、分類結果を表示する。
【0052】
ウェハエッジの画像を取得する際に、ウェハの観察位置によってスキャン方向を変更する一実施例を図11に示す。観察位置の変更を、ステージを回転させて行う場合、例えば図11(a)に示した四角の位置を視野範囲として画像を取得した時、例えば図11(a)下段に示した画像が取得される。ウェハの異なるエッジ位置を撮像した場合も、画面下側がウェハ、画面上側が背景、という取得画像の構図は変化しない。そのため、ウェハのどの位置を撮像したのかは図9の39で表示したマップを参照する必要があり、直感的にはわからない。そこで、ステージを回転させた角度に応じてスキャン方向を変更して撮像する。例えば図11(b)に示すように、ステージの回転角θと同じ角度傾けて、ウェハエッジの撮像領域をスキャンする。このようにスキャンを行うと、図11(b)下段に示した画像が取得できる。該画像は、右下がウェハ、左上が背景という構図となり、ウェハの左上部分のエッジを撮像したことを直感的に把握することができる。
【0053】
一方、ビームを偏向して撮像する角度を変更できる場合は、必ずしもスキャンする方向を変える必要はなく、ステージの回転はせずに、撮像したいエッジ位置に移動し、エッジが観察しやすい任意の方向に撮像する角度を変更して撮像すれば同様の効果が得られる。
【0054】
また、可視光から紫外光の範囲の波長を用いた光学系を持つ顕微鏡をあわせて設置し、電子光学系と同様の位置を観察できるようにしてもよい。検査装置からの検査データを取得する代わりに、光学系でウェハのエッジを観察し、前記述べたような欠陥有無を判定する手法を用いて欠陥有無及び欠陥位置を算出し、該位置を記録しておき、観察に用いる光学系を電子光学系に切り替えて、該欠陥位置を観察するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…データ管理サーバ
2…半導体の製造装置
3…検査装置
4…レビュー装置
5…解析装置
6…レビュー・解析装置
7…ネットワーク
8…走査型電子顕微鏡の第一カラム
9…第一カラムの電子源
10…第一カラムのコンデンサレンズ
11…第一カラムのコンデンサレンズ
12…第一カラムの偏向走査用コイル
13…第一カラムの対物レンズ
14…第一カラムの対物レンズ
15…第一カラムの検出器
16…走査型電子顕微鏡の第二カラム
17…第二カラムの電子源
18…第二カラムのコンデンサレンズ
19…第二カラムのコンデンサレンズ
20…第二カラムの偏向走査用コイル
21…第二カラムの対物レンズ
22…第二カラムの対物レンズ
23…第二カラムの検出器
24…XYθステージ
25…記憶装置
26…モニタ
27…入力装置
28…全体制御部
29…画像演算部
30…A/D変換部
31…電子光学系制御部
32…ステージ制御部
33…欠陥データ解析演算部
34…元素分析検出器
35…元素分析検出器
36…元素分析制御部
37…固有識別子表示領域
38…分類識別子表示領域
39…撮像位置マップ表示領域
40…画像表示形態表示領域
41…機能表示領域
42…画像表示領域
43…元素分析表示領域
44…自動検出処理条件設定領域
45…ウェハマップ表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体電子回路基板や液晶表示基板等の薄膜デバイス製造過程で生じた欠陥を、走査型電子顕微鏡等の拡大撮像装置を用いてレビューするための方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体、液晶ディスプレイ、ハードディスク磁気ヘッド等の薄膜デバイスの製造は、多数のプロセスにより構成されている。このような加工工程数は時には数百工程に及ぶ。加工装置の製造条件の不備や異常によって薄膜デバイス上に異物や配線の断線などの外観異常が発生した場合、製品に不良が発生する確率が高くなり、歩留りを下げてしまうことになる。そこで、問題の発生した装置を特定し、対策を施すことが歩留り維持及び向上に重要となる。そのため、主要なプロセスごとに異物検査や外観検査等の検査が実施され、加工が正常に行われているか監視が行われる。このとき、加工プロセスごとに全ての被処理基板の検査を実施するのは時間と手間の制約から不可能であるため、通常はいくつかの一連の工程ごとに、ロット単位、あるいは被処理基板単位、あるいはその組み合わせによりサンプリングされた被処理基板に対して検査が実施される。ここで、被処理基板とは製品加工を行う最小単位を意味し、半導体装置であればウェハ1枚を指す。
【0003】
検査装置においては、異物検査をする場合は、例えばウェハ表面をレーザでスキャンし、散乱光の有無を検出することで異物の位置、数の情報を得る。また、異物とパタン異常を併せて検査をする欠陥検査をする場合は、例えば光学式の拡大撮像装置によりウェハの回路パタンの画像を取り込み、隣接する他の同一パタン領域の画像と比較することにより、特異点の位置、個数等に関する情報を得る。ここで、「特異点」とは、検査装置の検査により異常が発見された点として出力された点のことを指す。異物と外観異常とを合わせ、以降、「欠陥」と表記する。
【0004】
装置異常の判定は、検査装置により検出される欠陥の個数や密度管理指標として行われることが多い。欠陥の個数が予め設定された基準値を越えると装置に異常が発生していると判定し、欠陥を検査装置により検出された欠陥座標情報に基づき光学顕微鏡、あるいは走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)などのレビュー装置により拡大撮像し、大きさ、形状、テクスチャ等の詳細情報を得たり、元素分析、断面観察等の詳細検査を行い、不具合の発生した装置や不具合内容を特定する。そして、その結果に基づき、装置やプロセスの対策を行い、歩留りの低下を防ぐ。
【0005】
このようなレビュー作業を自動化、効率化するために、近年、異物検査装置や外観検査装置からの検査データを基に、自動的に異物・欠陥の拡大画像を取得する機能(Automatic Defect Review:ADR)を有するレビュー装置が開発されている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、取得した画像を特定のルールに従って自動分類(Automatic Defect Classification:ADC)する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-30652号公報
【特許文献2】特開平7-201946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
半導体製造工程では薄膜の生成、加工、洗浄が多数回繰り返される。その際、ウェハの最外周の縁の部分において、異物の付着や表面の荒れなど、何らかの要因で生成した膜の密着性が悪くなると、膜を生成する当該工程だけでなく、後段の工程においても該縁の部分から膜がはがれやすくなることがある。そして、これらのはがれた膜は、異物として加工された回路パタン上に付着し、電気的な欠陥を引き起こす原因となることがある。そのため、成膜後、ウェハエッジについて、荒れや剥離など、膜の生成状況に問題がないか観察する場合がある。昨今の配線の幅や間隔はサブマイクロメートルのオーダであるため、観察すべき異物や欠陥の大きさも同様のオーダとなる。このような微小な異物や欠陥を詳細に観察する手段として、電子顕微鏡が主に用いられている。
【0008】
通常の欠陥は一般的にウェハ垂直上方から観察するのに対し、ウェハのエッジの状況を詳細に観察するためには、垂直上方からではなく、側面が観察しやすいように斜め上方から観察するのが望ましい。このような、ウェハエッジを観察する手法については、例えば特開2001-221749号公報に記載されている。しかし、この文献には、観察装置に電子顕微鏡を用いた場合の好適な手法については開示されていない。
【0009】
本発明の目的は、電子顕微鏡を用いてウェハエッジの観察を行う好適な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるレビュー装置は、半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置である。当該レビュー装置は、前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、傾斜角度が可変のカラムとを備え、前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、前記カラムを傾斜させた状態で、前記半導体ウェハのエッジに前記電子線を照射することを特徴とする。
【0011】
また、本発明によるレビュー装置は、半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置である。当該レビュー装置は、前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、傾斜角度が可変のカラムとを備え、前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記電子線を照射し、前記X線による元素分析を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるレビュー装置は、半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置である。当該レビュー装置は、前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、傾斜角度が可変のカラムとを備え、前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、前記欠陥位置からX線を発生させる電子線を前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に照射することを特徴とする。
【0013】
また、本発明によるレビュー装置は、半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置である。当該レビュー装置は、前記半導体ウェハを回転移動可能な試料ステージと、前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、傾斜角度が可変のカラムと、X線分析の結果を表示するモニタとを備え、前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、前記カラムを傾斜させた状態で前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置の前記走査電子顕微鏡画像を取得し、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記電子線を照射することによって元素分析を行い、当該元素分析の結果を前記モニタに表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、電子顕微鏡を用いた半導体欠陥レビューにおいて、ウェハエッジの観察を効果的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ウェハの製造ラインでの装置の接続構成例を示す図。
【図2】本発明の装置構成例を示す図。
【図3】観察角度の違いによる取得画像の差異を説明する図。
【図4】本発明の装置を用いた観察手順の一実施例を示すフロー図。
【図5】本発明のウェハエッジ観察位置判断手法の一実施例を示す図。
【図6】本発明のウェハエッジ観察位置判断手法の一実施例を示す図。
【図7】本発明の装置を用いた観察手順の一実施例を示したフロー図。
【図8】本発明の装置を用いた観察手順の一実施例を示したフロー図。
【図9】本発明の画面表示例を示した図。
【図10】本発明の画面表示例を示した図。
【図11】本発明の画像撮像方法の一実施例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
まず図1により、ウェハの製造ラインでの各装置とその接続構成の一具体例について説明する。なお、同図において、1はデータ管理サーバ、2は半導体の製造装置、3は検査装置、4はレビュー装置、5は解析装置、6はレビュー・解析装置、7はネットワークである。製造ラインは、同図のように、半導体ウェハの製造装置2や検査装置3、レビュー装置4、解析装置5、レビュー・解析装置6がデータ管理サーバ1とネットワーク7によって相互に接続された構成をなしている。
【0017】
製造装置2は、露光装置やエッチング装置などの半導体ウェハの製造に用いられる。検査装置3は、欠陥位置を検査するものであって、例えば、半導体ウェハ上に光のビームスポットあるいはビームラインをスキャンさせ、その乱反射の度合いから欠陥位置を特定したり、形成されているパタンの画像を2つのチップからそれぞれ取得し、これら画像を比較して相違する部分を欠陥とし、その欠陥位置を検出する。レビュー装置4は、検査装置3の検査情報に基づいて欠陥を観察するものであって、半導体ウェハを搭載したステージを移動させ、検査装置3から出力される欠陥位置情報に基づいてこの半導体ウェハ上の対象とする欠陥への位置決めをし、欠陥の観察を行う。観察装置として、例えば、SEMが用いられる。解析装置5は、例えばEDXやオージェ電子分光法を用いて元素分析を行うものである。オージェ電子分光法は、電子線を対象に照射したときに対象から放出されるオージェ電子を検出し、解析する方法であり、一般によく知られた方法である。レビュー・解析装置6は、欠陥の観察と元素分析とを行うことができるようにした装置である。
【0018】
なお、これらの検査、観察、分析のための各装置は、必ずしも分離している必要はなく、例えば、検査とレビューとを同一装置内で行えるようにするなど、組み合わせるようにしてもよい。
【0019】
データ管理サーバ1は、これらの検査装置3、レビュー装置4、解析装置5、レビュー・解析装置6で得られたデータを管理するものであり、レビュー装置4や解析装置5は、データ管理サーバ1を介して検査装置3から出力された欠陥位置座標などの情報を取得することができる。レビュー装置4あるいは解析装置5、あるいはレビュー・解析装置6は、検査装置3により得られた欠陥位置の座標データを取得し、その座標データに基づいて欠陥の位置決めをし、レビューや解析を行う。
【0020】
ここでは接続の一例を示したが、装置間でデータの装置利用が可能であればどのような接続構成であってもよい。また、本構成に示した装置が全て必須というわけではなく、目的に応じて組み合わせを行えばよい。
【0021】
図2に、装置の構成の一実施例を示す。WFは半導体ウェハ、EBは電子ビーム、8は走査型電子顕微鏡を用いた第一の撮像装置である。これを第一カラムと呼ぶこととする。9は第一カラムの電子源、10,11は第一カラムのコンデンサレンズ、12は第一カラムの偏向走査用コイル、13,14は第一カラムの対物レンズ、15は第一カラムの検出器である。また、16は第二カラム、17は第二カラムの電子源、18,19は第二カラムのコンデンサレンズ、20は第二カラムの偏向走査用コイル、21,22は第二カラムの対物レンズ、23は第二カラムの検出器である。24はXYθステージ、25は記憶装置、26はモニタ、27は入力装置、28は全体制御部、29は画像演算部、30はA/D変換部、31は電子光学系制御部、32はステージ制御部、33は欠陥データ解析演算部である。34,35は元素分析の検出器であり、36は元素分析制御部である。同図において、電子源9と電子光学系10〜14と検出器15で第一のカラム8を形成しており、電子源17と電子光学系18〜22と検出器23で第二のカラム16を形成している。そして、第一のカラム8と第二のカラム16とXYθステージ24でSEMを構成しており、これをXYθステージ24に搭載された半導体ウェハWFの撮像装置として用いるものである。
【0022】
レビューの対象となる半導体ウェハWFは、XYθステージ24に搭載される。XYθステージ24は、全体制御部28からの制御信号を基に、ステージ制御部32によりX,Y方向及び回転θ方向に移動制御される。第一のカラム8において、XYθステージ24に固定された半導体ウェハWFを拡大撮像する。すなわち、電子源9から発射された電子ビームEBは、コンデンサレンズ10,11、対物レンズ13,14によって収束され、偏向走査用コイル12によってスキャンされることにより、測定対象の半導体ウェハWFに照射され、この照射によって半導体ウェハWFから得られる二次電子や反射電子は検出器15で検出され、A/D変換部30で処理されて半導体ウェハWFのSEM像が生成される。
【0023】
同様に、第二のカラム16において、XYθステージ24に固定された半導体ウェハWFを拡大撮像する。すなわち、電子源17から発射された電子ビームEBは、コンデンサレンズ18,19、対物レンズ21,22によって収束され、偏向走査用コイル20によってスキャンされることにより、測定対象の半導体ウェハWFに照射され、この照射によって半導体ウェハWFから得られる二次電子や反射電子は検出器23で検出され、A/D変換部30で処理されて半導体ウェハWFのSEM像が生成される。
【0024】
第一のカラム8と第二のカラム16は、電子光学系の軸の角度が異なって配置されている。例えば、第一のカラム8の電子光学系の軸がウェハの面の法線方向と平行であるのに対し、第二のカラム16はある角度を持って配置する。このようにすることで、第一のカラム8と第二のカラム16にて、それぞれ異なった方向から観察した情報を得ることが出来る。
【0025】
検出器34,35は、元素分析方法として例えばエネルギー分散型X線分析を用いる場合は、測定対象に照射された電子ビームを受けて発生したX線を検出する。元素分析制御部36は、全体制御部28からの制御信号を受け、X線検出のON/OFFの制御を行う。検出されたX線スペクトルは元素分析制御部36あるいは全体制御部28においてスペクトル分析され、含有する元素の情報を抽出し表示装置26においてユーザに表示する。
【0026】
ウェハを観察する方向の一実施例を図3に示す。図3は、ウェハを垂直断面方向から示した図である。例えば、第一カラムは図中Aの方向からウェハを撮像するように配置し、第二カラムは図中Bの方向からウェハを撮像するように配置する。このようにカラムを配置した場合の、直方体状の異物を撮像した際の観察画像例を図3(a)に、ウェハエッジを撮像した際の観察画像例を図3(b)に示す。
【0027】
図3(a)に示したように、異物を撮像した場合は、B方向では異物の側面の状況を観察することが出来る。また図3(b)に示したように、ウェハエッジを撮像した場合は、A方向ではウェハエッジに存在する異物の形状などの情報が得にくいのに対し、B方向ではA方向に比べてエッジ部分をより正面から観察することができ、異物の形状などの情報を得易い。
【0028】
どちらのカラムで撮像するかは入力装置27からユーザが指示したり、あるいは、予め定めたルールに従って全体制御部28にて演算され、全体制御部28から制御される。制御部28からの制御信号を基に、ステージ制御部32では該当するカラムに対応する位置にステージ位置を制御し、電子光学系制御部31において該当するカラムに電子光学系の制御信号が送られ、A/D変換部30において該当するカラムの画像が取得される。
【0029】
欠陥検出処理などの画像処理は画像演算部33で行われる。ユーザは入力装置27から欠陥観察条件等の入力項目を入力する。レビューのための欠陥座標データは、検査装置から図示しないネットワークを介して全体制御部28に送られる。ステージ制御部32は、欠陥座標データに基づいて、欠陥が視野に入るように制御を行う。本実施例において検出器15,23は1つのみ図示したが、例えば検出する電子のエネルギーの範囲を分けるといった用途に応じて複数個配置しても構わない。
【0030】
次に、図4にウェハ観察時に第一カラムと第二カラムの両方を切り替えて用いる観察方法の第一の実施例のフロー図を示す。まず、ステップ100にて、欠陥検査装置3から出力された欠陥検査データを読み込む。次にステップ101にて、カラムを、通常の欠陥観察用のカラム、例えば電子光学系の軸がウェハの法線と平行である第一カラムを用いるようにセットする。次に、ステップ102にて、ウェハのアライメントを行う。これは、観察装置と検査装置の座標ずれを補正するステップである。例えば観察装置においてアライメントマークを観察し、該アライメントマークの位置を手動で指定したり、あるいは自動的認識を行い、検査装置における同アライメントマークの出力座標と比較し、並進ずれや縮尺、回転の相違を補正するものである。
【0031】
次に、ステップ103にて欠陥検査データに基づいて欠陥の画像を自動的に取得する。取得した画像は、ステップ104にて予め定めたルールに従って自動的に分類を行う。この際、図示しない事前準備として、ウェハのはがれに起因する異物・欠陥を分類できるよう、分類のルール作りや分類用教示データを作成しておく。ステップ105にて、欠陥の分類結果がウェハのはがれに起因する異物・欠陥であるか否か、すなわち欠陥がはがれモードであるか否かを判定する。ウェハの膜はがれに起因する異物・欠陥は、薄い膜状の物質が細かく千切れたような形状をしている場合が多く、外観特徴から判別できる可能性が高い。該異物・欠陥が同様の外観特徴をもつ区分、例えば工程ごとに異物・欠陥の画像から欠陥の形状や明るさといった情報を収集しておけば、その特徴を用いて信頼性の高い弁別を行うことが可能である。欠陥がはがれモードである場合、ステップ106にて、はがれモードの欠陥が存在することを記憶するために、はがれモードフラグをたてる。はがれモードでないと判定された場合は、ステップ106を行わずにステップ107を行う。
【0032】
ステップ107では、欠陥観察対象とする次の欠陥の有無を判定し、欠陥がある場合にはステップ108にて次のデータを読み込み、ステップ103から同様に繰り返す。ステップ107にて、欠陥観察対象とする次の欠陥がないと判定された場合は、ステップ109にて、観察対象とした欠陥において、はがれモードである欠陥が存在したか否かを判定する。すなわち、はがれモードフラグがたっているか否かを判定する。はがれモードフラグがたっていない場合、当該検査データにおける欠陥観察を終了する。
【0033】
はがれモードフラグがたっている場合、ステップ110にて、観察を行うカラムを第二のカラムにセットする。次にステップ111にて、ウェハエッジを観察する対象範囲を設定する。これは、欠陥を観察する手順を記録するレシピにおいて事前に設定しておいてもよく、後述するように、取得した欠陥画像を分析した結果に基づいて自動的に設定するようにしてもよく、また、ユーザが入力することにより設定してもよい。観察対象範囲の設定内容として、例えばウェハの全周を設定してもよく、あるいは、座標範囲を設定してもよい。該座標はX,Y座標系でもよく、極座標系であってもよい。また、ウェハの外形を図示し、どの範囲を観察対象とするかを、ユーザが図を用いて範囲指定を行ってもよい。次にステップ112にて、前記指定されたウェハエッジ範囲の画像を取得し、処理を終了する。
【0034】
ウェハエッジ観察対象範囲を、取得した欠陥画像を分析した結果に基づいて自動的に設定する方法の一実施例について説明する。
【0035】
ウェハにおいて、欠陥の存在位置を示したマップをウェハマップと呼ぶこととする。観察対象としたウェハのウェハマップ例を、図5に示す。図5において、はがれモードと分類された欠陥の座標点を白丸で示している。はがれモードの欠陥のみに着目すると、図5(a)においては、該欠陥は縦方向にのみ分布しており、かつVノッチ側に数多く存在していることがわかる。このような場合、何らかの原因でVノッチ側のエッジにおいて膜がはがれ、それによって発生した異物が縦方向上方に散布されていったと推定することが出来る。このような場合、Vノッチ側のエッジを観察対象範囲とすればよい。また、図5(b)においては、はがれモードの欠陥がウェハエッジの狭い範囲に集中している。このような場合、集中して異物が発生しているエッジの周辺のみを観察対象範囲とすればよい。
【0036】
このような判定をするために、例えば図6に示すように、ウェハを放射状の領域に分割し、各領域におけるはがれモード欠陥の存在の頻度を示す値、例えば個数や密度などを算出する。そして、該値の高い領域のウェハエッジを観察対象範囲と設定するようにすればよい。
【0037】
観察対象を斜方から観察する方法は、上記に限定するものではない。例えば、傾斜して配置した第一のカラムのみを有する構成でもよい。また該カラムは配置する角度が可変であっても構わない。カラムの傾斜角度が可変の構成の場合、図4に示したフロー図のステップ110が、カラムの傾斜角度を変化させる、というステップに置き換わる。また、ステージを傾斜させることで斜方からの観察を実施しても構わない。該構成の場合、図4のフローのステップ110が、ステージの傾斜角度を変化させる、というステップに置き換わる。また、照射する電子ビームを偏向し、斜方から照射することで斜方から観察した画像を取得するようにしても構わない。該構成の場合、図4のフローのステップ110が、ビームを照射する方向を変化させる、というステップに置き換わる。
【0038】
次に、ウェハエッジの観察対象範囲の設定方法の他の実施例について述べる。以下は、図4のフローにおける実施例としてもよく、またウェハエッジのみを観察対象とする場合の実施例としてもよい。
【0039】
ウェハエッジの観察対象範囲の設定方法の第一の実施例として、ウェハエッジ検査用の検査装置からの検査データに基づき、該検査データの出力座標を視野中心として観察範囲を設定するようにしてもよい。視野のサイズは、固定値としてユーザが設定してもよく、また欠陥のサイズに応じて自動的に変更するようにしてもよい。
【0040】
この設定方法を用いた、ウェハエッジのみを観察対象とする場合の観察フローの一実施例を図7に示す。図4と同一の手順には同一のステップ番号を付した。まず、ステップ200において、ウェハエッジ検査用の検査装置からデータを取得する。次に、ステップ102において、ウェハアライメントを行う。次に、読み込んだ検査データに基づいて視野を移動し、ステップ201にてエッジ画像を取得する。該画像は検査装置から欠陥がある位置として出力された座標における画像であり、欠陥が含まれている画像であることが期待される。次にステップ107及びステップ108を行い終了となる。
【0041】
第二の実施例として、予め観察位置と範囲をユーザによって指定しておいてもよい。指定する位置は、例えばある一定間隔に規則的に設定してもよく、あるいはVノッチの周辺や加工装置のチャック位置の周辺といった特徴的な位置を指定してもよい。また、第三の実施例として、ウェハの全周を観察対象としてもよい。
【0042】
ウェハエッジの画像を取得する際、ある第一の倍率でウェハエッジを撮像し、欠陥がその第一の倍率で撮像した画像において見つかったときのみ、該欠陥が存在する位置を視野中心として第一の倍率よりも大きい第二の倍率で撮像するようにしても良い。この場合の撮像フローの一実施例を図8に示す。図7の実施例と同様に、ステップ200、ステップ102を行い、ステップ300にて第一の倍率に設定する。第一の倍率は、検査装置の座標出力誤差や観察装置の位置決め誤差を考慮し、これらの誤差を含んでも第一の倍率における視野範囲に欠陥が含まれるように設定することが望ましい。次に、ステップ301にて、第一の倍率にてエッジ画像を取得する。次にステップ302にて欠陥の有無判定、及び欠陥がある場合は該欠陥の位置特定を行う。欠陥があると判定された場合は、ステップ303にて第二の倍率に設定する。該第二の倍率は、予めユーザによって指定しておいてもよく、あるいは、検査装置からの検査データに欠陥サイズ情報が含まれている場合は該情報に基づいて可変とするようにしてもよく、あるいは、ステップ302の欠陥有無判定処理において欠陥の大きさを算出しておき、該算出値に基づいて可変とするようにしてもよい。
【0043】
一般的に、第二の倍率は欠陥部分をより詳細に観察できるよう第一の倍率より高く設定される。ただし、ステップ302の判定処理において、第一の倍率の視野範囲より欠陥の存在が広範囲におよぶと判定された場合に、第一の倍率よりも小さく設定されるようにしても構わない。次にステップ304にて、第二の倍率にてエッジ画像を取得する。次にステップ107,108を実行し終了となる。ステップ302で欠陥がないと判定された場合にはステップ107へ移行する。
【0044】
欠陥有無の判定及び欠陥位置を検出する手法としては、例えば次のような手法がある。正常とする画像を予め登録しておき、ウェハエッジ観察時に撮像した画像と比較し、相違が大きい部分を欠陥と判断する。または、視野を複数の小領域に分割し、各小領域ごとに画像を構成する画素の明るさの分散を算出する。該分散があらかじめ定めた閾値を超えたとき、該小領域が想定している正常部分よりも表面が荒れていると判断し、該小領域を欠陥と判断する。その際、小領域にウェハエッジと背景が両方含まれる場合は分散が大きくなり、欠陥領域と誤判定する可能性がある。このような場合は、該小領域を欠陥候補から外すようにしてもよく、また画素の明るさの違いを利用して、ある明るさ以下の画素を背景と判断して分散の計算に用いないようにしてもよい。または、画像の明るさ変化の大きさを表す微分値を算出し、ウェハエッジの境界部分を除いて前記微分値の大きい部分を欠陥領域とする。または、電子ビームを照射したときに発生する二次電子は一般に対象の段差部分で多くなる、すなわち画像の明るさが高くなることを利用し、画像の中で最も輝度の高い部分を欠陥領域とする。その際、ノイズによって輝度が突発的に高くなる可能性があるため、微小領域ごとに平均化を行ったり、ローパスフィルタをかけるなどの前処理をすることが望ましい。
【0045】
これらの手法はどれか一種類である必要はなく、複数の手法を併用したり、ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0046】
このような欠陥判定を行う場合、欠陥が見つかった場合、あるいは欠陥の頻度や程度が予め定めた閾値を越えた場合に、ウェハエッジの異常である旨をユーザにわかるように警告を出すようにしてもよい。これらの警告は電子顕微鏡のモニタ26に表示してもよく、ネットワーク7を介してネットワーク接続した他の表示装置に出力してもよく、あるいは図示しないメールシステムなどを介して担当者にメールを送るようにしてもよい。
【0047】
また、ウェハエッジを観察する際、画像を取得するだけでなく、EDXなどの元素分析情報をあわせて取得するようにしてもよい。
【0048】
エッジレビュー時の操作あるいは取得した画像を表示する際のGUIの一実施例を図9、図10に示す。図9において、37は検査装置や観察装置で付加した欠陥の固有識別子を表示したものである。38は、自動分類をした場合の分類識別子を表示したものである。39は、取得した画像がウェハエッジ上のどの位置であるかを示すマップ表示である。図の円状の表示がウェハ外形を示し、黒丸が画像を取得した位置を示す。また、大きな黒丸表示はマップ表示の右に示した画像表示領域に表示中の画像の位置を示している。マップ下方の矢印ボタンは、表示する画像を、次あるいは前の画像に切り替えるよう指定するスイッチである。操作時の機能として、ウェハ全周をレビュー対象としている場合は、該ボタンによって、撮像倍率に応じて移動量を自動調整して視野範囲が隙間を空けずに連続するよう視野を移動するようにしてもよい。
【0049】
40は画像表示の形態を指定するもので、表示領域に1枚の画像を表示するか、表示領域を分割して複数の画像を表示するか等を指定する。41は表示画像について行う機能を選択する画面であり、例えば「Measure」を選択すると表示画像に二本の線分上のカーソルを重ねて表示し、該カーソルをユーザが移動できるようにし、カーソル間の寸法を、画像の撮像倍率に連動して実寸法で表示するようにする。42は画像表示領域であり、観察中の画像あるいは取得した画像を表示する。表示形態は40により指定される。また、表示領域に縮小した他の画像を一覧表示しておき、選択した画像を表示領域に表示するようにしてもよい。縮小画面は表示倍率を変更したり、あるいはスクロールするようにして、画像全てを表示できるようにしてもよい。縮小した一覧表示の領域の選択画像と連動して、39のマップ表示において、表示中の画像の撮像位置がわかるように、表示画像に該当する位置の黒丸の大きさ大きくなるようにする。
【0050】
43は元素分析結果を表示する画面であり、例えば元素分析結果の波形を表示したり、検出した元素の記号を表示したり、波形から推測される物質の名称や元素記号表示を行う。44は欠陥の自動検出処理を行わせる画面で、処理の条件や処理結果を表示する。該処理結果に基づいて欠陥検出処理のパラメータを調整し、観察装置の欠陥検出動作における処理パラメータとして反映させることができる。
【0051】
図9に示した表示画面は一例であり、表示するのはこれらに示した表示項目の一部でも構わない。また、表示画面は同様の内容であれば同一でなくても構わない。また、図10の表示45に示すように、ウェハ面の欠陥検査データのウェハマップと該検査データの第一のカラムによる欠陥観察画像を合わせて表示するようにしてもよい。表示45の領域では、ウェハマップで選択した欠陥について、少なくとも欠陥の画像、ID番号、分類結果を表示する。
【0052】
ウェハエッジの画像を取得する際に、ウェハの観察位置によってスキャン方向を変更する一実施例を図11に示す。観察位置の変更を、ステージを回転させて行う場合、例えば図11(a)に示した四角の位置を視野範囲として画像を取得した時、例えば図11(a)下段に示した画像が取得される。ウェハの異なるエッジ位置を撮像した場合も、画面下側がウェハ、画面上側が背景、という取得画像の構図は変化しない。そのため、ウェハのどの位置を撮像したのかは図9の39で表示したマップを参照する必要があり、直感的にはわからない。そこで、ステージを回転させた角度に応じてスキャン方向を変更して撮像する。例えば図11(b)に示すように、ステージの回転角θと同じ角度傾けて、ウェハエッジの撮像領域をスキャンする。このようにスキャンを行うと、図11(b)下段に示した画像が取得できる。該画像は、右下がウェハ、左上が背景という構図となり、ウェハの左上部分のエッジを撮像したことを直感的に把握することができる。
【0053】
一方、ビームを偏向して撮像する角度を変更できる場合は、必ずしもスキャンする方向を変える必要はなく、ステージの回転はせずに、撮像したいエッジ位置に移動し、エッジが観察しやすい任意の方向に撮像する角度を変更して撮像すれば同様の効果が得られる。
【0054】
また、可視光から紫外光の範囲の波長を用いた光学系を持つ顕微鏡をあわせて設置し、電子光学系と同様の位置を観察できるようにしてもよい。検査装置からの検査データを取得する代わりに、光学系でウェハのエッジを観察し、前記述べたような欠陥有無を判定する手法を用いて欠陥有無及び欠陥位置を算出し、該位置を記録しておき、観察に用いる光学系を電子光学系に切り替えて、該欠陥位置を観察するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…データ管理サーバ
2…半導体の製造装置
3…検査装置
4…レビュー装置
5…解析装置
6…レビュー・解析装置
7…ネットワーク
8…走査型電子顕微鏡の第一カラム
9…第一カラムの電子源
10…第一カラムのコンデンサレンズ
11…第一カラムのコンデンサレンズ
12…第一カラムの偏向走査用コイル
13…第一カラムの対物レンズ
14…第一カラムの対物レンズ
15…第一カラムの検出器
16…走査型電子顕微鏡の第二カラム
17…第二カラムの電子源
18…第二カラムのコンデンサレンズ
19…第二カラムのコンデンサレンズ
20…第二カラムの偏向走査用コイル
21…第二カラムの対物レンズ
22…第二カラムの対物レンズ
23…第二カラムの検出器
24…XYθステージ
25…記憶装置
26…モニタ
27…入力装置
28…全体制御部
29…画像演算部
30…A/D変換部
31…電子光学系制御部
32…ステージ制御部
33…欠陥データ解析演算部
34…元素分析検出器
35…元素分析検出器
36…元素分析制御部
37…固有識別子表示領域
38…分類識別子表示領域
39…撮像位置マップ表示領域
40…画像表示形態表示領域
41…機能表示領域
42…画像表示領域
43…元素分析表示領域
44…自動検出処理条件設定領域
45…ウェハマップ表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置において、
前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、
前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、
前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、
前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、
傾斜角度が可変のカラムとを備え、
前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、
前記カラムを傾斜させた状態で、前記半導体ウェハのエッジに前記電子線を照射することを特徴とするレビュー装置。
【請求項2】
半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置において、
前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、
前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、
前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、
前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、
傾斜角度が可変のカラムとを備え、
前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、
前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記電子線を照射し、前記X線による元素分析を行うことを特徴とするレビュー装置。
【請求項3】
半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置において、
前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、
前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、
前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、
前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、
傾斜角度が可変のカラムとを備え、
前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、
前記欠陥位置からX線を発生させる電子線を前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に照射することを特徴とするレビュー装置。
【請求項4】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
ユーザが観察条件を入力する入力部をさらに備え、
前記試料ステージにより、前記入力部を通して指示された前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動することを特徴とするレビュー装置。
【請求項5】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
前記エッジは、前記半導体ウェハの外周部の傾斜領域であることを特徴とするレビュー装置。
【請求項6】
請求項2または3に記載のレビュー装置において、
前記カラムを傾斜させた状態で前記電子線を照射することを特徴とするレビュー装置。
【請求項7】
請求項6に記載のレビュー装置において、
前記カラムを傾斜させた状態で前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置の前記走査電子顕微鏡画像を取得することを特徴とするレビュー装置。
【請求項8】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
前記試料ステージは回転可能なステージであることを特徴とするレビュー装置。
【請求項9】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
前記レビュー装置は、前記半導体ウェハに対して傾斜した方向から電子線を照射した場合と、当該半導体ウェハに対して垂直上方から電子線を照射した場合の両方で、前記走査電子顕微鏡画像を撮像可能であることを特徴とするレビュー装置。
【請求項10】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
前記半導体ウェハのエッジにおける観察位置を指定するための画面を表示するモニタをさらに備えることを特徴とするレビュー装置。
【請求項11】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
元素分析結果の波形を表示する画面を表示するモニタをさらに備えることを特徴とするレビュー装置。
【請求項12】
請求項11に記載のレビュー装置において、
前記X線のエネルギと、前記X線検出器でのカウント数を軸にしたグラフが前記画面に表示されることを特徴とするレビュー装置。
【請求項13】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
光学顕微鏡画像を取得する光学顕微鏡を備え、
前記光学顕微鏡は前記半導体ウェハのエッジを撮像し、
前記試料ステージにより、前記光学顕微鏡で撮像された位置のうち欠陥があると判断された欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動することを特徴とするレビュー装置。
【請求項14】
請求項13に記載のレビュー装置において、
前記光学顕微鏡で観察された位置の走査電子顕微鏡画像を取得することを特徴とするレビュー装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載のレビュー装置において、
前記光学顕微鏡は、前記半導体ウェハのエッジの検査に用いられ、
前記光学顕微鏡は、前記光学顕微鏡画像における欠陥の有無に基づいて前記走査電子顕微鏡画像の撮像位置または前記X線分析を行う前記欠陥位置を指定することが可能であることを特徴とするレビュー装置。
【請求項16】
半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置において、
前記半導体ウェハを回転移動可能な試料ステージと、
前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、
前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、
前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、
傾斜角度が可変のカラムと、
X線分析の結果を表示するモニタとを備え、
前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、
前記カラムを傾斜させた状態で前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置の前記走査電子顕微鏡画像を取得し、
前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記電子線を照射することによって元素分析を行い、
当該元素分析の結果を前記モニタに表示することを特徴とするレビュー装置。
【請求項17】
請求項16に記載のレビュー装置において、
前記元素分析の結果の波形は、前記X線のエネルギと、前記X線検出器でのカウント数を軸にしたグラフで表されることを特徴とするレビュー装置。
【請求項1】
半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置において、
前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、
前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、
前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、
前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、
傾斜角度が可変のカラムとを備え、
前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、
前記カラムを傾斜させた状態で、前記半導体ウェハのエッジに前記電子線を照射することを特徴とするレビュー装置。
【請求項2】
半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置において、
前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、
前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、
前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、
前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、
傾斜角度が可変のカラムとを備え、
前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、
前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記電子線を照射し、前記X線による元素分析を行うことを特徴とするレビュー装置。
【請求項3】
半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置において、
前記半導体ウェハを保持する試料ステージと、
前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、
前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、
前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、
傾斜角度が可変のカラムとを備え、
前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、
前記欠陥位置からX線を発生させる電子線を前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に照射することを特徴とするレビュー装置。
【請求項4】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
ユーザが観察条件を入力する入力部をさらに備え、
前記試料ステージにより、前記入力部を通して指示された前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動することを特徴とするレビュー装置。
【請求項5】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
前記エッジは、前記半導体ウェハの外周部の傾斜領域であることを特徴とするレビュー装置。
【請求項6】
請求項2または3に記載のレビュー装置において、
前記カラムを傾斜させた状態で前記電子線を照射することを特徴とするレビュー装置。
【請求項7】
請求項6に記載のレビュー装置において、
前記カラムを傾斜させた状態で前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置の前記走査電子顕微鏡画像を取得することを特徴とするレビュー装置。
【請求項8】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
前記試料ステージは回転可能なステージであることを特徴とするレビュー装置。
【請求項9】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
前記レビュー装置は、前記半導体ウェハに対して傾斜した方向から電子線を照射した場合と、当該半導体ウェハに対して垂直上方から電子線を照射した場合の両方で、前記走査電子顕微鏡画像を撮像可能であることを特徴とするレビュー装置。
【請求項10】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
前記半導体ウェハのエッジにおける観察位置を指定するための画面を表示するモニタをさらに備えることを特徴とするレビュー装置。
【請求項11】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
元素分析結果の波形を表示する画面を表示するモニタをさらに備えることを特徴とするレビュー装置。
【請求項12】
請求項11に記載のレビュー装置において、
前記X線のエネルギと、前記X線検出器でのカウント数を軸にしたグラフが前記画面に表示されることを特徴とするレビュー装置。
【請求項13】
請求項1または2または3に記載のレビュー装置において、
光学顕微鏡画像を取得する光学顕微鏡を備え、
前記光学顕微鏡は前記半導体ウェハのエッジを撮像し、
前記試料ステージにより、前記光学顕微鏡で撮像された位置のうち欠陥があると判断された欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動することを特徴とするレビュー装置。
【請求項14】
請求項13に記載のレビュー装置において、
前記光学顕微鏡で観察された位置の走査電子顕微鏡画像を取得することを特徴とするレビュー装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載のレビュー装置において、
前記光学顕微鏡は、前記半導体ウェハのエッジの検査に用いられ、
前記光学顕微鏡は、前記光学顕微鏡画像における欠陥の有無に基づいて前記走査電子顕微鏡画像の撮像位置または前記X線分析を行う前記欠陥位置を指定することが可能であることを特徴とするレビュー装置。
【請求項16】
半導体ウェハの走査電子顕微鏡画像を取得するレビュー装置において、
前記半導体ウェハを回転移動可能な試料ステージと、
前記半導体ウェハに電子線を照射する電子光学系と、
前記電子線の照射により得られる二次電子あるいは反射電子を検出する検出器と、
前記電子線の照射により前記半導体ウェハから発生するX線を検出するX線検出器と、
傾斜角度が可変のカラムと、
X線分析の結果を表示するモニタとを備え、
前記試料ステージにより、前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記カラムの撮像視野を移動し、
前記カラムを傾斜させた状態で前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置の前記走査電子顕微鏡画像を取得し、
前記半導体ウェハのエッジの欠陥位置に前記電子線を照射することによって元素分析を行い、
当該元素分析の結果を前記モニタに表示することを特徴とするレビュー装置。
【請求項17】
請求項16に記載のレビュー装置において、
前記元素分析の結果の波形は、前記X線のエネルギと、前記X線検出器でのカウント数を軸にしたグラフで表されることを特徴とするレビュー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−84967(P2013−84967A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259787(P2012−259787)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2010−114228(P2010−114228)の分割
【原出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2010−114228(P2010−114228)の分割
【原出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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