説明

歩車道境界ブロック及び歩車道境界排水構造

【課題】乗入部の歩車道境界において、集水性能を高めて大雨のときでも水たまりが出来にくくし、あわせて優れたバリアフリーを実現する。
【解決手段】乗入部の歩車道境界ブロックの上面に長さ方向全長に亘る溝を設け、底面に、長さ方向全長に亘る排水溝を設け、溝の底部から排水溝に連通する通水孔を設ける。溝によって集水性能が向上し、水たまりができにくくなる。また、従来必要だった段差を無くしても集水できるので、優れたバリアフリーが実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点や横断歩道で歩行者の横断を容易にするため歩車道境界の高低差を低く設定した部分、及び車庫の出入りなど主に車の横断を容易にするため歩車道境界の高低差を低く設定した部分(以下これらの部分を「乗入部」と称する。)に施工する歩車道境界ブロック、及びこの歩車道境界ブロックを用いて施工した歩車道境界排水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図19は、乗入部における従来の最も一般的な歩車道境界構造の断面説明図である。歩道と車道の間の基盤19(ブロック、現場打コンクリート、砕石等)の上に歩車道境界ブロック51が敷設され、これに隣接して車道側にエプロン12(ブロック又は現場打コンクリート)が敷設される。
エプロン12と歩車道境界ブロック51の間には段差52があり、雨水はこの段差に沿って近隣の排水設備(集水桝など)に流れ込む。しかし、エプロンから排水設備までの水勾配が十分でなかったり、エプロン表面に凹みがあると、雨水がエプロン上に溜まり、歩行者通行の妨げになるという問題があった。
【0003】
下記特許文献1は、上記の問題点を解決するために提案されたものである。
これは、図20,21に示すように、内部に排水路66を設けると共に、表面から排水路に至る通水孔65を所定間隔で設けた歩車道境界ブロック61を歩車道間に敷設し、排水路66から近隣の排水設備に排水管等を連結し、排水するものである。
歩車道境界ブロック61の表面には長さ方向に沿って段差64が設けられており、歩道及び車道に降った雨水は、斜面62,63から段差64部分に流れ込み、段差64に沿って流れて通水孔65から歩車道境界ブロック内部の排水路66に流入し、排水路を通って排水設備に流入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4080269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1の歩車道境界ブロックは、幅方向に長いスリット状の通水孔65が間隔を開けて設けられているので、集水性能が十分でなく、大雨のときに(降雨量が集水量を上回った場合)段差64付近に水が溜まる可能性があった。
また、前記特許文献1の歩車道境界ブロックは、比較的小さな断面内に排水路66を貫通形成しなければならないので、製造(特に中子の設置及び脱型)に困難性があり、製造コストが高くなるという問題があった。
また、上記のように、従来の歩車道境界において、道路に降った雨水を排水設備又は通水孔に導くためには、段差が不可欠であった。
この段差により、車椅子での通行が困難になり、通行人が躓くなどの事故が発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、集水性能を高めて、大雨のときでも水たまりが出来にくくすることを課題とする。
また、このような乗入部の歩車道境界ブロックを容易かつ低コストに製造できるようにすることも課題とする。
さらに本発明は、乗入部の歩車道境界において、必要に応じて段差をなくし、車椅子での通行を容易にし、通行人が躓くおそれもなくし、また、段差をなくしても視覚障害者が白杖により歩車道境界部を容易に識別できる優れたバリアフリーを実現することも課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上面に長さ方向全長に亘る溝を有し、該溝を境にして歩道側に歩道側上面、車道側に車道側上面が形成され、底面に、長さ方向全長に亘る排水溝を有し、前記溝の底部から前記排水溝に連通する通水孔を有することを特徴とする歩車道境界ブロックである。(請求項1)
【0008】
上面に長さ方向全長に亘る溝を有し、該溝を境にして歩道側に歩道側上面、車道側に車道側上面が形成されているので、歩道及び車道に降った雨は歩道側上面又は車道側上面から直接溝に流れ込む。溝は長さ方向の全長に亘って形成されているので、集水性能に優れ、大雨のときでも水たまりが出来にくい。
溝内に流れ込んだ雨水は、溝の底部に開口する通水孔からブロック内部の排水溝内に流れ込み、排水される。
なお、本発明において、「長さ方向」とは、歩道又は車道の境界線に平行な方向であり、「幅方向」とはこれに直角の方向(歩道と車道が対向する方向)である。
【0009】
本発明において、溝の露出幅(溝上端部の幅w;図4)は10〜20mmが好ましい。(請求項2)
溝の露出幅は、10mm未満であると集水性能が悪くなるおそれがあり、20mmを超えるとハイヒールの踵が入り込むなど、歩行者の歩行に支障を来すおそれがあるので、10〜20mmが適当である。
【0010】
本発明において、歩道側上面に、前記溝に向かって下降する傾斜面を形成し、その傾斜面の斜度(tangent)を15%以下、かつ、高低差を20mm以下にすることができる。
歩道側上面に傾斜面を形成することで、歩道側の雨水が効率よく溝に流れ込む。
歩道側の傾斜面の斜度が15%以下であり、かつ、高低差が20mm以下であれば、車椅子で車道側から歩道側に乗り上げるのが容易となり、歩行者が躓くおそれもなく、優れたバリアフリーとなる。しかも、歩車道境界ブロック上面に設けた長さ方向全長に亘る溝により、視覚障害者が白杖によりこの歩車道境界部を容易に識別できる。
なお、車が乗り入れする部分に施工する場合は、歩道側上面の高低差を50〜70mm程度、傾斜面の斜度を15〜40%程度とすることができる。
車道側の雨水の集水効率を高めるため、車道側上面も溝に向かって下降する傾斜面とすることが望ましい。車道側上面の斜度は車道又はエプロンの傾斜に合わせて0〜6%程度が適当である。
【0011】
本発明において、溝4の歩道側上端Pと車道側上端Qの高低差tが3mm以下となるようにするのが好ましい。(請求項4)
歩道側上端Pと車道側上端Qの高低差tが3mm以下であれば、溝部分が実質的に段差とはならない。しかも、溝により、視覚障害者が白杖によりこの歩車道境界部を容易に識別できるので、優れたバリアフリーとなる。
【0012】
本発明において、ブロック底面に、前記排水溝から歩道側側面に至る幅方向の浸透溝を形成することができる。(請求項5)
これにより、排水溝内に流れ込んだ雨水を歩道の下の地盤に浸透させることができ、都市型洪水や地下水位の低下による地盤沈下を抑制することができる。
浸透溝はブロックの側面に開口するので、雨水に含まれる泥などで浸透性能が低下するおそれが少ない。また、底面にオープンであるので、容易に形成できる。
【0013】
また本発明は、歩道と車道の間の基盤上に請求項1〜5のいずれかのブロックを連設し、歩道・車道と前記ブロックの境目において、歩道・車道の上面とブロック上面を同じ高さに形成し、前記排水溝と基盤で囲繞された空間を排水孔とし、該排水孔内の基盤から近隣の排水設備に連通する排水管を設けたことを特徴とする歩車道境界排水構造である。(請求項6)
歩車道境界ブロックの排水溝は、底面にオープンなものであるが、基盤上にブロックを敷設することで、排水溝と基盤で囲繞された空間が筒状の排水孔となる。
基盤は、コンクリートブロック、現場打ちコンクリートなどとすることができる。
排水孔内の基盤から近隣の排水設備に連通する排水管により、排水孔内の雨水が排水設備に排水される。
排水設備は、集水桝、下水管などで、既存のものを利用しても良いし、新設しても良い。
【0014】
本発明において、基盤を透水性のものとすることができる。(請求項8)
基盤を透水性のものとすることで、排水孔内の雨水を地盤に浸透させ、都市型洪水や地下水位の低下による地盤沈下を抑制することができる。
透水性の基盤は、ポーラスコンクリート、砕石地業、割栗地業などとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の歩車道境界ブロック、及び歩車道境界排水構造は、歩道及び車道に降った雨が歩道側上面又は車道側上面から直接溝に流れ込むので集水性能に優れ、大雨のときでも水たまりが出来にくい。
排水溝及び浸透溝はブロック底面にオープンであるので、ブロックを容易かつ低コストに製造することができる。
また、必要に応じて、実質的に段差を全く無くすことができるので、優れたバリアフリーとし、車椅子での通行を容易にし、歩行者が躓くおそれも少なくできる。しかも、歩車道境界ブロック上面に設けた長さ方向全長に亘る溝により、視覚障害者が白杖によりこの歩車道境界部を容易に識別できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例の歩車道境界ブロック1の平面図である。
【図2】歩車道境界ブロック1の歩道側側面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】溝4の拡大断面図である。
【図5】パッキン8の拡大断面図である。
【図6】図1のA−A線断面図である。
【図7】図1のB−B線断面図である。
【図8】実施例の歩車道境界ブロック11の平面図である。
【図9】実施例の歩車道境界排水構造の平面図である。
【図10】図9のC−C線断面図である。
【図11】図9のD−D線断面図である。
【図12】図9のE−E線断面図である。
【図13】図9のF方向矢視説明図である。
【図14】実施例の歩車道境界排水構造の平面図である。
【図15】実施例の歩車道境界排水構造の断面説明図である。
【図16】実施例の歩車道境界ブロック21の側面図である。
【図17】実施例の歩車道境界ブロック31の側面図である。
【図18】実施例の歩車道境界ブロック41の側面図である。
【図19】乗入部における従来の歩車道境界構造の説明図である。
【図20】乗入部における従来の歩車道境界ブロックの平面図である。
【図21】図14におけるG−G線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0017】
図1〜7は、実施例の歩車道境界ブロック1に関するものである。
歩車道境界ブロック1は、長さ約600mm、幅300mm、歩道側の高さ170mmのやや厚い板状をなし、上面の中央よりも車道寄りに長さ方向の全長に亘って溝4が形成されている。
また、その上面には、溝4を境にして歩道側に歩道側上面2、車道側に車道側上面3が形成されている。歩道側上面2は、大部分が溝4に向かって下降する傾斜面となっており、最も歩道側は、歩道舗装の施工時の転圧の便のために幅の狭い水平面9となっている。車道側上面3も、溝4に向かって下降する傾斜面となっている。
ブロック1の下面には、長さ方向の全長に亘って、排水溝6が形成されている。
また、溝4の底部から排水溝6に連通する、長さ方向に長いスリット状の通水孔5が2カ所設けられている。通水孔の数は2カ所に限らず、1カ所でも3カ所以上でも良い。
さらに、底面には、排水溝6から歩道側側面に至る幅方向の浸透溝7が2カ所設けられている。浸透溝の数も2カ所に限らず、1カ所でも3カ所以上でも良い。
【0018】
溝4は、断面が台形状で、露出幅w=15mm、深さは6mmであり、歩道側上端Pと車道側上端Qの高低差tは1mmである(図4)。
【0019】
歩道側上面2の傾斜面の斜度は12%、高低差は20mmで、表面に滑り止めの細かい凹凸が形成されている。このような滑り止めは必要に応じて形成すればよく、場合によっては形成しなくともよい。
【0020】
車道側上面3の斜面の斜度は1%である。車道側上面の斜度は、エプロン又は車道の勾配に合わせて0〜6%程度とするのがよい。
【0021】
通水孔5はほぼ垂直に設けられ、下方ほど幅が広くなっているので(図7)、排水能力を最大限に発揮でき、ゴミなどによる詰まりを防止できる。
【0022】
浸透溝7は、縦長のスリット状で(図2,7)、ブロックの歩道側側面に開口しているので、雨水に含まれる泥などで浸透性能が低下するおそれが少ない。なお、浸透溝の形状は縦長のスリット状に限らず、種々の形状を採用できる。
【0023】
ブロック1の接続方向の一方の端面には、例として排水溝6を取り囲む逆U字状にパッキン8が設けられている(図3,5)。
パッキン8は、採用例として変形しやすいブチルゴム製で、ブロック端面に形成した逆U字状の浅い切欠溝(深さ1mm程度)に接着固定する。ブロックを接続した状態でブロックどうしの間隔(目地間隔)は標準で6mm程度となるようにする。パッキン8のブロック端面からの突出量は、目地間隔よりも若干大きくすることが望ましい。パッキン8により、接続部目地に注入する目地モルタルが排水溝内に入り込むのを防止できる。
パッキン8のブロック端面からの突出量は目地間隔に合わせて適宜変更すれば良く、例えばカーブ施工においてブロックどうしを角度を付けて接続する場合には10mm以上となる場合もある。
【0024】
歩車道境界ブロック1は、交差点や横断歩道で歩行者の横断を容易にするため歩車道境界の高低差を低く設定する部分に施工するもので、実質的に段差がなく、車椅子での通行が容易で優れたバリアフリーとなる。車の乗り入れ部分に施工する場合は、歩道側上面の高低差を40〜50mm程度に高くしてもよい。
【0025】
図8は、実施例の歩車道境界ブロック11の平面図である。
このブロックは、前記の歩車道境界ブロック1を、カーブ施工に適するように湾曲させたもので、その他の構成はブロック1と全く同じである。
【0026】
図9〜13は、実施例の歩車道境界排水構造に関し、交差点における既存の歩車道境界ブロックを本発明の歩車道境界ブロックに置き換える改修工事を行った場合を示している。
既存の歩車道境界ブロック及びエプロンを撤去し、基盤19(現場打ちコンクリート又はコンクリートブロック)を施工する。このとき、ブロック1の排水溝6の水を排水するための排水管18(塩化ビニルパイプなど)を基盤19上面から近隣の集水桝17に連通させて埋め込んでおく(図11,13)。
次に、基盤19の上に敷きモルタル(図示せず)を介して実施例の歩車道境界ブロック1,11を連設する。直線部分は、前記の歩車道境界ブロック1を用い、曲線部分は前記の歩車道境界ブロック11を用いる。
次に、エプロン12を現場打ちコンクリートで施工し、歩道及び車道の舗装の補修を行い、工事が完成する。
【0027】
歩道・車道とブロック1,11の境目において、歩道の舗装・車道(エプロン)の上面とブロック1,11の上面は同じ高さになっている(図10,11)。
ブロック1,11の排水溝6と基盤19で囲まれた空間が筒状の排水孔として機能する(図10,11)。
【0028】
歩道及び車道に降った雨は、歩道側上面2又は車道側上面3から直接溝4に流れ込む。溝4は長さ方向の全長に亘って形成されているので、集水性能に優れ、大雨のときでも水たまりが出来にくい。
ブロック1,11の溝4内に流れ込んだ雨水は、溝4の底部に開口する通水孔5からブロック内部の排水溝6(排水孔)内に流れ込み、さらに排水管18により集水桝17に排水される。
また、排水溝6(排水孔)内の水は、浸透溝7から歩道側の地盤に浸透する(図11)。
【0029】
図中の符号13は、切り下げ用の(境界部が斜めになっている;図13)L形ブロックで、既存のブロックを再使用できる。
図中符号14は、グレーチング16付きのL形ブロックで、既存のものである。
集水桝17,L形ブロック15(基本形)も既存のものである。
【0030】
図14は、実施例の歩車道境界排水構造の平面図で、交差点における曲線部分を既存のものとし、直線部分を本発明の歩車道境界ブロック1に置き換える改修工事を行った場合を示している。
既存の集水桝17が、既存部20(曲線部分)にあり、同図に示すように、排水管18をブロック1排水溝の底部の基盤から集水桝17に接続し、排水を行う。
【0031】
図9〜14の実施例において、既存のエプロンがコンクリートブロックである場合、改修工事のエプロン12として既存のブロックを再使用できる。このようにすることで、産業廃棄物が減少し、施工コストも節減できる。また、場合によっては、エプロンが不要な場合もある。
歩車道境界ブロック1,11の長さ(約600mm)は、既存のブロックと同じであるので、長さを現場合わせして切断加工する必要がなく、現場におけるブロック切断時の騒音振動の低減、粉じんの発生抑制など、現場作業環境・周辺環境が改善される。
【0032】
図15は、基盤19’ を透水性の砕石地業とした例である。
これにより、排水溝6(排水孔)内の水が基盤19’
からその下の地盤に浸透し、都市型洪水や地下水位の低下による地盤沈下を抑制することができる。
【0033】
上記歩車道境界排水構造の実施例は、改修工事の場合を説明したが、新設工事において実施できることはもちろんである。
【0034】
図16〜18は、他の側面形状を有する歩車道境界ブロックの実施例である。これら実施例において溝4、透水孔5、排水溝6、浸透溝7の構成は前記の歩車道境界ブロック1と同じである。
【0035】
図16の歩車道境界ブロック21は、歩道側上面22の溝4付近に段差24を有し、段差24よりも歩道側は水平面となっている。歩道側上面22の高低差H(段差24の高低差)は、歩行者横断部用(交差点・横断歩道など)で10〜20mm、車乗入部用で50〜70mm程度が適当である。この段差によって、視覚障害者が白杖で歩車道境界を容易に認識できる。
なお、本発明において段差とは、斜度50%以上の急傾斜部をいう。
車道側上面23は水平面、又は斜度6%以下程度の溝4に向かって下降する傾斜面とする。
【0036】
図17の歩車道境界ブロック31は、歩道側上面32の溝4付近に段差34を有し、段差34よりも歩道側は溝4に向かって下降する傾斜面となっている。歩行者横断部用の場合、歩道側上面32の高低差Hは20mm程度、段差34の高低差hは10mm程度、傾斜面の斜度は5〜15%程度が適当である。車乗入部用の場合、歩道側上面32の高低差Hは40〜50mm程度、段差34の高低差hは10mm程度、傾斜面の斜度は20〜40%程度にすることができる。
車道側上面33は水平面、又は斜度6%以下程度の溝4に向かって下降する傾斜面とする。
【0037】
図18の歩車道境界ブロック41は車乗入部用で、歩道側上面42の溝4付近に段差44を有し、段差44よりも歩道側は溝4に向かって下降する傾斜面となっており、最も歩道側がR状の面取りになっている。歩道側上面42の高低差Hは50mm程度、段差44の高低差は20mm、傾斜面の斜度は15〜20%程度である。
車道側上面43は水平面、又は斜度6%以下程度の溝4に向かって下降する傾斜面とする。
【0038】
本発明において、雨水を地盤に浸透させる必要がないときは、歩車道境界ブロック1,11,21,31,41の浸透溝7は不要となる。浸透溝があるブロックと無いブロックは、同じ型枠を用い、浸透溝を形成するアタッチメントを着脱して製造できる。
【符号の説明】
【0039】
1 歩車道境界ブロック
2 歩道側上面
3 車道側上面
4 溝
5 通水孔
6 排水溝
7 浸透溝
8 パッキン
9 水平面
11 歩車道境界ブロック
12 エプロン
13 L形ブロック
14 L形ブロック
15 L形ブロック
16 グレーチング
17 集水桝
18 排水管
19 基盤
20 既存部
21 歩車道境界ブロック
22 歩道側上面
23 車道側上面
24 段差
31 歩車道境界ブロック
32 歩道側上面
33 車道側上面
34 段差
41 歩車道境界ブロック
42 歩道側上面
43 車道側上面
44 段差
51 歩車道境界ブロック
52 段差
61 歩車道境界ブロック
62 斜面
63 斜面
64 段差
65 通水孔
66 排水路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に長さ方向全長に亘る溝を有し、該溝を境にして歩道側に歩道側上面、車道側に車道側上面が形成され、
底面に、長さ方向全長に亘る排水溝を有し、
前記溝の底部から前記排水溝に連通する通水孔を有することを特徴とする歩車道境界ブロック。
【請求項2】
前記溝の露出幅が10〜20mmである請求項1に記載の歩車道境界ブロック。
【請求項3】
前記歩道側上面に、前記溝に向かって下降する傾斜面を形成し、その傾斜面の斜度が15%以下であり、かつ、高低差が20mm以下である請求項1又は2に記載の歩車道境界ブロック。
【請求項4】
前記溝の歩道側上端Pと車道側上端Qの高低差が3mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の歩車道境界ブロック。
【請求項5】
底面に、前記排水溝から歩道側側面に至る幅方向の浸透溝を有する請求項1〜4のいずれかに記載の歩車道境界ブロック。
【請求項6】
歩道と車道の間の基盤上に請求項1〜5のいずれかのブロックを連設し、
歩道・車道と前記ブロックの境目において、歩道・車道の上面とブロック上面を同じ高さに形成し、
前記排水溝と基盤で囲繞された空間を排水孔とし、該排水孔内の基盤から近隣の排水設備に連通する排水管を設けたことを特徴とする歩車道境界排水構造。
【請求項7】
前記ブロックが請求項5のブロックであり、前記排水孔内の水が前記浸透溝から歩道側地盤内に浸透する請求項6に記載の歩車道境界排水構造。
【請求項8】
前記基盤が透水性である請求項6又は7に記載の歩車道境界排水構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−47107(P2011−47107A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193812(P2009−193812)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(593137923)阪神工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】