説明

歯付ベルト及び車両用ガラス昇降装置

【課題】局部的に過大な荷重が印加することが防止され、高強度化、小型化及び軽量化が可能で、製造コストも低い歯付ベルト及びそれを使用した車両用ガラス昇降装置を提供する。
【解決手段】ベルト本体30の一部を、樹脂成形用型の中に挿入し、この型に囲まれた空間に樹脂を注入することにより、注入樹脂をベルト本体30の周囲で固化させ、ベルト本体30を樹脂で鋳ぐるむ。これにより、ベルト本体30が埋め込まれた樹脂成形体41が得られる。この樹脂成形体41はベルト本体30の歯34の間に侵入して固化し、ベルト本体30に密着する。この樹脂成形体41は、ベルト本体30の歯34間の溝内にて固化した凸部42,42aがベルト本体30の歯34と噛み合っているので、ベルト本体30と樹脂成形体41(連結部材40)とは、相互に強固に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プーリ等に噛合する歯が形成され、一部にキャリア等の駆動部材連結用の連結部材が固定された歯付ベルト及びこの歯付ベルトを無端ベルトとして使用して車両のウインドウガラスを昇降させる車両用ガラス昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のウインドウガラスを昇降させるウインドウレギュレータは、自動車のドアパネルを構成するアウタパネルとインナパネルとの間に配置される。窓ガラスは、1対のサイドフレームにより案内されて昇降する。ウインドウレギュレータは、このウインドウガラスに固定されたウインドウガラス支持部(締結部)を無端ベルトにより上下動させることにより、ウインドウガラスの昇降を駆動する。この無端ベルトは、駆動プーリ、アイドルプーリ及びリテーナ等に掛け渡されて、その一部の移動領域で上下方向に移動するようにその移動軌跡が決められている。そして、無端ベルトは内側の面に歯が形成されており、この歯をプーリに噛合させ、駆動プーリの正逆回転により、正方向及び逆方向に移動する。このウインドウレギュレータにおいては、無端ベルトが上下動する移動軌跡においてこの無端ベルトにキャリアを固定し、このキャリアとウインドウガラス支持部とを連結し、無端ベルトの正逆回転により、ウインドウガラスを昇降させる。
【0003】
特許文献1には、この歯付ベルトにキャリアを固定する固定装置が開示されており、キャリアに歯付ベルトを互いに噛み合わせた場合の厚さと略同一寸法の幅をもつ溝形状部を形成し、この溝形状部の近傍に突起形状部を設置し、歯付ベルトをU字状に互いに噛み合わせて前記溝形状部に嵌入し、U字部分の内側に突起形状部があるように歯付ベルトを接続した構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献2の車両用ドア開閉装置及び特許文献3の車両用スライドドアの自動開閉装置においては、一面に歯が形成されたベルト素材の前記一面に歯形状を有する鉄板(歯板)を重ね、歯が形成されていない他面に平板状の鉄板(背板)を重ね、ベルト素材を、歯板と背板とで挟んで、これらの3層構造を挿通するボルト・ナットによりこの3層構造体を緊締する歯付ベルトが開示されている。そして、前記歯板又は背板に、ベルト素材に重なる部分から延出する延出部を設け、この延出部を他の部品との結合部としている。
【0005】
【特許文献1】特開平3−229046号公報
【特許文献2】特開2006−37502号公報
【特許文献3】特開平6−323058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1においては、歯付ベルトをキャリアの溝に嵌め込んだ後、歯付ベルトが溝形状部から抜け出ないようにするため、蓋を設置する必要があり、このため製造コストが高いという難点がある。また、ベルトに対し、これを引っ張る方向に力を印加すると、キャリアの溝形状部の入り口の隅部に局部的な力が作用するため、ベルトに対して印加する引張力を大きくすることができない。また、キャリアは、溝形状部を設けるために、溝形状部の入り口から突起形状部までの長さを長く確保する必要があり、溝形状部の深さ方向の寸法が大きくなり、キャリアが大型化してしまうという難点がある。
【0007】
また、特許文献2及び3においては、ベルトを鉄板で挟んでネジ止めしているため、背板、歯板及びボルト・ナットのように部品点数が多く、このため、製造コストが高く、また、質量が重くなるという問題点がある。更に、背板と歯板をベルト素材に重ねてボルト・ナットで締め付けているため、組み付け性が悪い。更にまた、歯板の歯形状と、ベルト素材の歯形状とを完全に一致させるのが難しく、全ての歯を同時に噛み合わせることが困難であり、ベルトを引っ張ったときに、一部の歯がずれてしまい、強度が弱くなりやすいという欠点がある。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、局部的に過大な荷重が印加することが防止され、高強度化、小型化及び軽量化が可能で、製造コストも低い歯付ベルト及びそれを使用した車両用ガラス昇降装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る歯付ベルトは、ベルト状をなしその一面又は両面に歯形状が形成されたベルト本体と、このベルト本体に固定された連結部材と、を有する歯付ベルトにおいて、前記連結部材は、前記ベルト本体の一部に対し一体的に鋳ぐるんで樹脂成形されていることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、例えば、前記連結部材は、樹脂が前記ベルト本体の歯の間に侵入して固化している。この場合に、前記連結部材は、前記ベルト本体の隣接する少なくとも4個の歯の間に侵入して固化しており、最も外側の歯間にて固化した2個の樹脂部分は、前記ベルト本体の歯間の溝よりもベルト本体の長手方向の長さが小さくなるように成形されていることが好ましい。
【0011】
また、前記ベルト本体は、一面に歯が形成された2個のベルト本体又は一面に歯が形成された1個のベルト本体の両端部を、前記刃が形成されていない面同士を接触させて重ねられており、前記連結部材が前記ベルト本体の2個の歯形成面を鋳ぐるんで一体的に樹脂成形されているように構成することも可能である。
【0012】
本発明に係る車両用ガラス昇降装置は、車両のインナパネルに取り付けられ、第1の方向に移動可能なウインドウガラスを昇降させる車両用ガラス昇降装置において、無端ベルトと、前記無端ベルトの一部の移動軌跡が前記第1の方向と平行になるように前記無端ベルトの移動軌跡を決める複数個のガイド部材と、前記ウインドウガラスに固定され前記無端ベルトにおける前記第1の方向に平行に移動する領域で前記無端ベルトに連結されたウインドウガラス支持部と、前記無端ベルトを正逆方向に移動させる操作又は駆動部と、を有し、前記無端ベルトは、ベルト状をなし内面又は外面に歯形状が形成されたベルト本体と、このベルト本体に固定され前記ウインドウガラス支持部に連結された連結部材と、を有し、前記連結部材は、前記ベルト本体の一部に対し一体的に鋳ぐるんで樹脂成形されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、連結部材が、ベルト本体に樹脂成形により一体成形されているので、連結部材としては、樹脂成形品の1点のみであり、部品点数が著しく削減される。このため、本発明の連結部材は、小型化及び軽量化が可能で、製造コストも低い。また、ベルト本体の歯間に樹脂が浸透して固化しているので、強度も高い。更に、本発明においては、ベルト本体を直角に曲げて溝に嵌合するということがなく、ベルト本体には局部的に大きな荷重が作用することがない。更にまた、ベルト本体の歯と、連結部材の樹脂とは、その連結部材の長手方向の両端部を除いて又はこの両端部も含めて、相互に接触して、荷重を伝達しており、各歯に均等に力が分散して作用するので、ベルトに対し、大きな駆動力を印加することができる。
【0014】
また、本発明の歯付ベルトを車両用ガラス昇降装置の無端ベルトに適用することにより、車両の軽量化及び長寿命化が可能となり、ウインドウレギュレータの据え付け作業が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両用ガラス昇降装置を自動車後席の右側ドアに設置した状態を示す図(車両内から見た図)である。自動車ドア1は、1対のサイドフレーム3と窓枠上端の上部フレーム4と備えており、ウインドウガラス2は、サイドフレーム3に案内されて上下動し、その上端位置は上部フレーム4に規制されている。
【0016】
ウインドウレギュレータ10は、自動車ドアの車外側のアウタパネル(図示せず)と、車内側のインナパネル5との間に配置されている。このウインドウレギュレータ10は、上方に配置されたプーリ14と、下方に配置されたリテーナ15と、上下方向の中間に配置されたアクチュエータ11のホルダ12と、これらのプーリ14,リテーナ15及びホルダ12の3点に掛け渡された無端ベルト16とを備えており、アクチュエータ11のモータ13によりホルダ12を回転駆動することにより、ベルト16が正逆回転駆動される。このベルト16は内面側に歯が形成されており、このベルト16の歯は、ホルダ12の外面に形成された歯と噛合し、更に、プーリ14の周面に設けられた歯とも噛合している。リテーナ15はベルトが摺動する周面(半周面)を有する。ベルト16は、これらのプーリ14,リテーナ15及びホルダ12により移動軌跡が決められ、プーリ14とリテーナ15との間では、その移動軌跡がウインドウガラス2の昇降方向と同一の上下方向になる。なお、ベルト16の移動軌跡のうち、上端部の折り返し点にはウインドウガラスを上昇させるための大きな荷重が作用するため、周面に歯をもつプーリ14が使用され、下端部の折り返し点には荷重の印加が小さいため、歯をもたず、単にベルトが円滑に摺動するための周面を備えたリテーナ15が使用されている。
【0017】
このプーリ14とリテーナ15との間のベルト16には、後述する樹脂製のキャリアブラケット17が一体成形により固定されている。また、ウインドウガラス2の下端縁には、ウインドウガラス支持部19が固定されており、この支持部19とキャリアブラケット17とはボルト18により固定されて連結されている。
【0018】
インナパネル5には、プーリ14をボルト・ナット(図示せず)によりインナパネル5に固定するための孔(図示せず)が形成されている。即ち、プーリ14にはボルトが固定されており、このボルトを前記孔に挿通させてインナパネル5の車内側の面に出し、この車内側からナットによりボルトを緊締することにより、プーリ14がインナパネル5に固定される。また、同様にして、ホルダ12はインナパネル5に形成した孔を介してボルト・ナットによりインナパネル5に固定される。
【0019】
一方、リテーナ15は、インナパネル5に形成した孔を介してインナパネル5に引っかけることにより、インナパネル5に固定される。なお、インナパネル5には、これらの作業を行うために、作業員がインナパネル5とアウタパネルとの間の空間に手を入れるための作業用孔が形成されている。
【0020】
図2(a)、(b)は、夫々ベルト本体30を示す横断面図及び縦断面図である。ベルト本体30は、クロロプレンゴム又はニトリルブタジエンゴム(NBR)等のゴムベルト31の一面に歯34を形成し、この歯34の形成面を覆うようにして、ナイロン織布33を設け、このナイロン織布33に潤滑処理したものである。また、このベルト本体30には、ゴムベルト31内に、ベルト長手方向に延びる複数本の心線32が埋め込まれている。この心線32は例えばガラス繊維からなり、ベルトの幅方向に例えば3列で埋め込まれていて、ゴムベルト31を補強するようになっている。
【0021】
図3は本発明の実施形態に係る歯付ベルトを示す断面図である。ベルト本体30の一部を、樹脂成形用型の中に挿入し、この型に囲まれた空間に樹脂を注入することにより、注入樹脂をベルト本体30の周囲で型に囲まれた空間で固化させ、ベルト本体30を樹脂で鋳ぐるむ。これにより、ベルト本体30が埋め込まれた樹脂成形体41が得られる。この樹脂成形体41はベルト本体30の歯34の間に浸透して固化し、ベルト本体30における歯34が形成されていない面はもとより、歯34が形成された面の凹凸面とも接触して、ベルト本体30に密着する。この樹脂成形体41は、ベルト本体30の歯34間の溝内にて固化した凸部42,42aがベルト本体30の歯34と噛み合っているので、ベルト本体30と樹脂成形体41(連結部材40)とは、相互に強固に固定されている。
【0022】
このとき、樹脂成形体41のベルト長手方向の両端面は、ベルト本体側の隅部が面取りされて、面取り部43が形成されている。この面取り部43は樹脂成形用型の形状を調整することにより形成することができる。従って、樹脂成形体41のベルト長手方向の両端部の凸部42aとこの凸部42aより外側の歯34との間は、面取り部43により隙間が形成されているが、それ以外の部分では、樹脂成形体41の凸部42とこの凸部42間の凹部からなる凹凸面は、ベルト本体30の歯34により形成される凹凸面と密着している。
【0023】
次に、上述の如く構成された本実施形態の歯付ベルトの動作について説明する。連結部材40は、図1に示すキャリアブラケット17の全部又はベルト16に固定された部分を構成する。また、ベルト本体30は、無端ベルト16となるものである。本実施形態においては、連結部材40がベルト本体30に樹脂を一体成形することにより形成されているので、ベルトの歯34の凹凸に合わせた形状に樹脂成形体41の凸部42が形成され、樹脂成形体41とベルト本体30とが密着したものとすることができる。このため、ベルト本体30又は樹脂成形体41に印加される応力は、広大な接触面積で他方に伝達され、各歯に均等に力が分散して作用し、局部的な強度のバラツキが発生しない。よって、本実施形態の歯付ベルトは強度が高く、ベルト本体に大きな駆動力を印加することができる。
【0024】
また、樹脂の一体成形により連結部材40が得られるので、連結部材としては、樹脂成形品の1点のみであり、部品点数が著しく少なく、製造も容易であり、製造コストが低いという利点がある。また、連結部材40は、ベルト本体30の歯34間の部分を埋めることができる形状を有していればよいので、ベルト本体30の面に垂直の方向の寸法を小さくすることができ、連結部材40の小型軽量化が可能である。
【0025】
なお、本実施形態においては、樹脂成形体41のベルト長手方向の両端部に面取り部43が形成されているので、この樹脂成形体41の両端面は、ベルト本体30の歯34の側面との間に間隙を有する。このため、図4に示すように、ベルト本体30に対し、屈曲方向の力が作用した場合に、ベルト本体30は面取り部43と歯側面との間の間隙を利用して容易に屈曲することができ、この樹脂成形体41の両端部に過大な応力が作用することが防止される。但し、図1に示すように、この車両用ガラス昇降装置においては、キャリアブラケット17は、ベルトが曲がる位置まで到達することはない。
【0026】
更に、本発明においては、ベルト本体を直角に曲げて溝に嵌合するということがなく、ベルト本体には局部的に大きな荷重が作用することがない。また、樹脂成形体41の端部(樹脂の見切り)を、ベルト本体30の歯34間の凹部にもってくることにより、樹脂成形体41の平均厚さを、樹脂成形体41のベルト長手方向の長さの割に厚くすることができる。例えば、図3でいえば、樹脂成形体41のベルト長手方向の長さの3/5の部分がベルト歯の間の凹部を充填する部分であって厚く形成された部分であり、2/5の部分がベルト歯の上の薄い部分である。よって、樹脂成形体41の平均厚さを厚くすることができ、樹脂成形体41の強度を高くすることができる。
【0027】
図5は本発明の他の実施形態を示す断面図である。本実施形態は、ベルト本体30の3個の歯34の相互間の凹部と両端部の歯34の上に樹脂を一体成形し、樹脂の見切りを歯34の上にした樹脂成形体51に関するものである。この樹脂成形体51は、その両端部が、ベルト本体30の歯34の上にあるので、図3の実施形態に比して、樹脂成形体51の平均厚さが薄くなる。このため、樹脂成形体51の強度が若干低い。また、樹脂成形体51の両端面におけるベルト本体30側の隅部に図3と同様の面取り部52が形成されているが、この面取り部52によるベルト本体30の曲げ変形を容易にする効果はない。換言すれば、この面取り部52がなくても、本実施形態においては、ベルト本体30の曲げ変形は容易である。
【0028】
また、連結部材の長手方向の長さが同じ場合、連結部材に囲まれるベルト本体の歯の数が多くなるように、ベルト本体30を連結部材に対して一体成形することが好ましい。例えば、図3の実施形態の場合、ベルト本体の2つの歯が連結部材の凸部42に囲まれているのに対し、図5の実施形態の場合、ベルト本体の1つの歯しか連結部材の凸部に囲まれていない。連結部材の長手方向における両端部の歯は露出している。図5の実施形態によると、ベルト本体が連結部材に対して長手方向に引っ張られた場合、引張方向とは逆方向の端部に位置する歯34は、隣接している連結部材の凸部により押圧され、引張方向とは逆方向に変形する。これに対して、図3のように長手方向の端部に位置する歯の両側が連結部材の凸部により囲まれている場合は、ベルト本体が連結部材に対して引っ張られても、引張方向とは逆方向の端部に位置する歯34の変形は、連結部材の凸部により抑制される。従って、図3の実施形態の方が引張強度が強くなる。
【0029】
図6は本発明の更に他の実施形態を示す断面図である。本実施形態は、2本のベルト本体53をその歯54が形成されていない面を相互に接触させ、歯54を互いに相反する方向に向けて、重ねた状態で、樹脂成形により、樹脂成形体55をベルト本体53に一体成形したものである。このように、本実施形態は、ベルト本体30の背部同士を接続したものである。この樹脂成形体55は、2本のベルト本体を連結するものとしても良いし、また1本のベルト本体の両端部を図6に示すようにして連結することにより、無端ベルトを形成する連結部としてもよい。
【0030】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲の記載に基づく技術的範囲において、種々の変形が可能である。例えば、ベルト本体は片面のみに歯が形成されたものに限らず、両面に歯が形成されたものにも、本発明の樹脂成形体を設けることができる。また、本発明の歯付ベルトは、車両用ガラス昇降装置に限らず、種々の用途の歯付ベルトに適用することができ、上述と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る歯付ベルトを組み込んだ車両用ガラス昇降装置を自動車後席の右側ドアに設置した状態を車両内から見た図である。
【図2】(a)、(b)は本発明の実施形態の歯付ベルトのベルト本体を示す夫々横断面図及び縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態の歯付ベルトを示す縦断面図である。
【図4】同じくその動作を示す縦断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態の歯付ベルトを示す縦断面図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態の歯付ベルトを示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ドア
2 ウインドウガラス
3 サイドフレーム
4 フレーム
5 インナパネル
10 ウインドウレギュレータ
11 アクチュエータ
12 ホルダ
13 モータ
14 プーリ
15 リテーナ
16 ベルト
17 キャリアブラケット
18 ボルト
19 支持部
30 ベルト本体
31 ゴムベルト
32 心線
33 ナイロン織布
34 歯
40 連結部材
41 樹脂成形体
42 凸部
42a 凸部
43 面取り部
51 樹脂成形体
52 面取り部
53 ベルト本体
54 歯
55 樹脂成形体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト状をなしその一面又は両面に歯形状が形成されたベルト本体と、このベルト本体に固定された樹脂製の連結部材と、を有する歯付ベルトにおいて、前記連結部材は、前記ベルト本体の一部に対し一体的に鋳ぐるんで樹脂成形されていることを特徴とする歯付ベルト。
【請求項2】
前記連結部材は、樹脂が前記ベルト本体の歯の間に侵入して固化していることを特徴とする請求項1に記載の歯付ベルト。
【請求項3】
前記連結部材は、前記ベルト本体の隣接する少なくとも4個の歯の間に侵入して固化しており、最も外側の歯間にて固化した2個の樹脂部分は、前記ベルト本体の歯間の溝よりもベルト本体の長手方向の長さが小さくなるように成形されていることを特徴とする請求項2に記載の歯付ベルト。
【請求項4】
前記ベルト本体は、一面に歯が形成された2個のベルト本体又は一面に歯が形成された1個のベルト本体の両端部を、前記刃が形成されていない面同士を接触させて重ねられており、前記連結部材が前記ベルト本体の2個の歯形成面を鋳ぐるんで一体的に樹脂成形されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の歯付ベルト。
【請求項5】
車両のインナパネルに取り付けられ、第1の方向に移動可能なウインドウガラスを昇降させる車両用ガラス昇降装置において、無端ベルトと、前記無端ベルトの一部の移動軌跡が前記第1の方向と平行になるように前記無端ベルトの移動軌跡を決める複数個のガイド部材と、前記ウインドウガラスに固定され前記無端ベルトにおける前記第1の方向に平行に移動する領域で前記無端ベルトに連結されたウインドウガラス支持部と、前記無端ベルトを正逆方向に移動させる操作又は駆動部と、を有し、前記無端ベルトは、ベルト状をなし内面又は外面に歯形状が形成されたベルト本体と、このベルト本体に固定され前記ウインドウガラス支持部に連結された樹脂製の連結部材と、を有し、前記連結部材は、前記ベルト本体の一部に対し一体的に鋳ぐるんで樹脂成形されていることを特徴とする車両用ガラス昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−144330(P2009−144330A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319591(P2007−319591)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(390021669)椿本興業株式会社 (20)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】