説明

殺菌性化合物としてのピリジン誘導体

一般式(I)で表される化合物:この化合物の調製方法。一般式(I)で表される化合物を調製するための一般式(E)で表される新規中間体。一般式(I)で表される化合物を含有する殺菌剤組成物。一般式(I)で表される化合物又はその化合物を含有する組成物を施用することによる植物の処置方法。
【化74】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規N−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体、それらを調製する方法、殺菌剤としてのそれらの使用、特に、殺菌剤組成物の形態におけるそれらの使用、及び、それら化合物又はそれら組成物を使用して植物の植物病原性菌類を防除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願WO01/11965号には、本発明化合物を概して包含する広範な一群の殺菌性化合物が開示されている。しかしながら、前記特許文献には、本発明化合物は具体的には開示されておらず、また、それらの殺菌剤としての活性は試験されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既に知られている化合物の有効性と少なくとも同等の有効性を維持しながら、同時に、農業従事者により使用される活性成分の量を低減させるために、当業者に既に知られている化合物よりもさらに活性が高い農薬活性化合物を使用することは、農業分野においては常に高い関心が持たれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記特性を有する広範な一群の化合物から選択された新規な化合物群を見いだした。
【0005】
従って、本発明は、一般式(I):
【0006】
【化36】

[式中、
Xは、酸素原子又は硫黄原子であり得;
Yは、同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ、カルボキシル基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、C〜C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニル、又は、C〜C−アルコキシイミノ−C〜C−アルキルであり得;
は、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルバモイル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、1〜7個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−シアノアルキル、C〜C−アミノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲンアルキルカルボニル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルキルスルファニル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲンアルキルスルファニルであり得;
nは、1、2、3又は4であり得;及び、
Hetは、場合により置換されていてもよい5員、6員又は7員の非縮合ヘテロ環(ここで、該非縮合ヘテロ環は、同一でも異なっていてもよい1個、2個又は3個のヘテロ原子を有し、また、該非縮合ヘテロ環は、炭素原子で結合している)を表す]
で表されるN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に関連して:
ハロゲンは、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素を意味し;
ヘテロ原子は、N、O又はSを意味する。
【0008】
本発明では、Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。好ましくは、Xは、酸素原子を表す。
【0009】
本発明では、該2−ピリジルは、どの位置においても(Y)で置換されることが可能であり、その際、Y及びnは、上記で定義されているとおりである。好ましくは、本発明は、一般式(I)で表されるN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体に関し、ここで、種々の下記特性は、単独で選択され得るか又は組み合わせて選択され得る:
・ nに関して、nは、1又は2である。さらに好ましくは、nは、2である。
・ Yに関して、Y置換基の少なくとも1つは、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、又は、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルカルボニルである。さらに好ましくは、Y置換基の少なくとも1つは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルである。さらに好ましくは、Y置換基の少なくとも1つは、−CFである。
・ 2−ピリジルの置換位置に関しては、2−ピリジルは、3位及び/又は5位で置換される。
【0010】
さらに好ましくは、5位の置換基は、−CFである。
【0011】
本発明では、一般式(I)の化合物における「Het」は、5員環非縮合ヘテロ環であり得る。Hetが5員ヘテロ環である本発明化合物の特定例としては、以下のものを挙げることができる。
* Hetは、一般式(II):
【0012】
【化37】

[式中、
及びRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(III):
【0013】
【化38】

[式中、
は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
及びR7は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(IV):
【0014】
【化39】

[式中、
は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
は、水素原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(V):
【0015】
【化40】

[式中、
10及びR11は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルキルチオ、若しくは、C〜C−アルキルスルホニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいピリジルであり得;及び、
12は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(VI):
【0016】
【化41】

[式中、
13及びR14は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルキルオキシ、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
15は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(VII):
【0017】
【化42】

[式中、
16は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
17及びR19は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
18は、水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルスルホニル、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル、若しくは、C〜C−アルキルカルボニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルスルホニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいベンゾイルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(VIII):
【0018】
【化43】

[式中、
20は、水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルスルホニル、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル、若しくは、C〜C−アルキルカルボニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルスルホニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいベンゾイルであり得;及び、
21、R22及びR23は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、又は、C〜C−アルキルカルボニルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(IX):
【0019】
【化44】

[式中、
24は、水素原子又はC〜C−アルキルであり得;及び、
25は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(X):
【0020】
【化45】

[式中、
26は、水素原子又はC〜C−アルキルであり得;及び、
27は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XI):
【0021】
【化46】

[式中、
28は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキルアミノ、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ、C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得;及び、
29は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XII):
【0022】
【化47】

[式中、
30は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキルアミノ、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
31は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XIII):
【0023】
【化48】

[式中、
32は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル基、又は、アミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
33は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、又は、C〜C−アルキルチオであり得;及び、
34は、水素原子、フェニル、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XIV):
【0024】
【化49】

[式中、
35は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル、又は、アミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
36は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、又は、C〜C−アルキルチオであり得;及び、
37は、水素原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであり得るか、又は、場合によりハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシアルキル若しくはニトロ基で置換されていてもよいフェニルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XV):
【0025】
【化50】

[式中、
38は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル、又は、アミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
39は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
40は、水素原子、フェニル、ベンジル、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XVI):
【0026】
【化51】

[式中、
41及びR42は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XVII):
【0027】
【化52】

[式中、
43及びR44は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいヘテロシクリルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XVIII):
【0028】
【化53】

[式中、
45及びR46は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XIX):
【0029】
【化54】

[式中、
47は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XX):
【0030】
【化55】

[式中、
48は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
49は、水素原子、C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XXI):
【0031】
【化56】

[式中、
50は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
【0032】
本発明では、一般式(I)の化合物における「Het」は、6員環非縮合ヘテロ環であり得る。Hetが6員ヘテロ環である本発明化合物の特定例としては、以下のものを挙げることができる。
* Hetは、一般式(XXII):
【0033】
【化57】

[式中、
51は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得;
52、R53及びR54は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニル、又は、C〜C−アルキルスルホニルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XXIII):
【0034】
【化58】

[式中、
55は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルケニルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルオキシであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルチオであり得;
56、R57及びR58は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニル、若しくは、C〜C−アルキルスルホニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいN−モルホリンであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいチエニルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XXIV):
【0035】
【化59】

[式中、
59、R60、R61及びR62は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニル、又は、C〜C−アルキルスルホニルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XXV):
【0036】
【化60】

[式中、
63は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
64は、水素原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、若しくは、C〜C−アルコキシカルボニルであり得るか、又は、1〜3個のハロゲン原子で場合により置換されていてもよいベンジルであり得るか、又は、1〜3個のハロゲン原子で場合により置換されていてもよいベンジルオキシカルボニルであり得るか、又は、ヘテロシクリルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XXVI):
【0037】
【化61】

[式中、
65は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得;
66は、水素原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、又は、ベンジルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XXVII):
【0038】
【化62】

[式中、
は、硫黄原子、−SO−、−SO−又は−CH−であり得;
67は、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
68及びR69は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はC〜C−アルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XXVIII):
【0039】
【化63】

[式中、
70は、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XXIX):
【0040】
【化64】

[式中、
71は、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
* Hetは、一般式(XXX):
【0041】
【化65】

[式中、
72は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表す。
【0042】
本発明は、一般式(I)で表される化合物の調製方法にも関する。従って、本発明の別の態様では、上記で定義されている一般式(I)で表される化合物を調製する方法が提供され、ここで、該方法は、一般式(A):
【0043】
【化66】

[式中、
Hetは、上記で定義されているとおりであり;
Gは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はC〜C−アルコキシであり得る]
で表されるカルボン酸誘導体を、Gがヒドロキシ又はC〜C−アルコキシ基である場合は触媒の存在下で、又は、Gがハロゲン原子である場合は酸結合剤の存在下で、一般式(B):
【0044】
【化67】

[式中、Y、R及びnは、上記で定義されているとおりである]
で表される2−ピリジン誘導体と反応させることを含む。
【0045】
本発明では、一般式(I)で表される化合物を調製する上記方法は、Gがヒドロキシ又はC〜C−アルコキシ基である場合は、触媒の存在下で行う。適する触媒としては、カップリング試薬ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート及びトリメチルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0046】
本発明では、一般式(I)で表される化合物を調製する上記方法は、Gがハロゲン原子である場合は、酸結合剤(acid binder)の存在下で行う。適する酸結合剤としては、カーボネート類、水性アルカリ又は第三級アミン類などを挙げることができる。
【0047】
本発明は、さらにまた、一般式(I)で表される化合物を調製するための別の方法にも関する。従って、本発明の別の態様では、上記で定義されている一般式(I)で表される化合物を調製するための第二の方法が提供され、ここで、該方法は、一般式(C):
【0048】
【化68】

[式中、
Hetは、上記で定義されているとおりであり;
Wは、Hetとして定義し得るか又はC〜C−アルキルであり得る]
で表されるカルボン酸無水物誘導体を、還元剤の存在下で、式(D):
【0049】
【化69】

[式中、R及びnは、それぞれ、上記で定義されているとおりである]
で表される2−ピリジン誘導体と反応させることを含む。
【0050】
本発明では、一般式(I)で表される化合物を調製するための上記第二の方法は、還元剤の存在下で行う。適する還元剤には、H及びNaBHなどがある。
【0051】
本発明の化合物は、上記で記述した一般的な調製方法で調製することが可能である。しかしながら、当業者は合成することが望まれる各化合物の特性に応じて上記方法を適合させ得るということが理解されるであろう。例えば、上記調製方法は、適切な場合には、希釈剤の存在下で実施することができる。適切な場合には、一般式(I)で表される化合物を調製するための上記第二の方法も、同様に、触媒(例えば、NiCl−HO、又は、CoCl−HOなど)の存在下で実施することができる。
【0052】
一般式(I)で表される化合物を調製するのに使用される中間体化合物の幾つかは新規である。従って、本発明は、一般式(I)で表される化合物を調製するのに有用な新規中間体化合物にも関する。従って、本発明により、一般式(E):
【0053】
【化70】

[式中、
Zは、同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ、カルボキシル基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、C〜C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニル、又は、C〜C−アルコキシイミノ−C〜C−アルキルであり得;
は、ハロゲン原子又はC〜C−アルキルであり得;
及びnは、上記で定義されているとおりである]
で表される新規化合物が提供される。
【0054】
本発明は、さらに、有効量の一般式(I)で表される活性物質を含んでいる殺菌剤組成物にも関する。従って、本発明により、活性成分としての有効量の上記で定義されている一般式(I)の化合物、及び、農業上許容される担体又は増量剤を含んでいる殺菌剤組成物が提供される。
【0055】
本明細書において、用語「支持体(support)」は、該活性物質と組み合わせて、特に植物の一部分に対して、より容易に施用できるようにする、天然又は合成の有機又は無機物質を意味する。このような支持体は、従って、一般に不活性であり、また、農業上許容されるものであるべきである。支持体は、固体であってもよいし、又は、液体であってもよい。適切な支持体の例としては、クレー、天然又は合成のシリケート、シリカ、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール(特に、ブタノール)、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体などを挙げることができる。このような支持体の混合物を使用することもできる。
【0056】
上記組成物は、さらにまた、付加的な成分も含有することができる。特に、該組成物は、さらに界面活性剤を含有することができる。該界面活性剤は、イオン性若しくは非イオン性のタイプの乳化剤、分散剤若しくは湿潤剤であることが可能であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物であることが可能である。例えば、以下のものを挙げることができる:ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩若しくはナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物、エチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコールのリン酸エステル若しくはポリオキシエチル化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸官能基、スルホン酸官能基又はリン酸官能基を有している上記化合物の誘導体。該活性物質及び/又は該不活性支持体が水不溶性である場合、及び、施用のための媒介物(vector agent)が水である場合、一般に、少なくとも1種の界面活性剤を存在させることが必要である。好ましくは、界面活性剤の含有量は、5〜40重量%であり得る。
【0057】
場合により、さらなる成分、例えば、保護コロイド、粘着剤、増粘剤、揺変剤、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤などを含ませることもできる。さらに一般的には、該活性物質は、通常の製剤技術に従う固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
【0058】
一般に、本発明の組成物は、0.05〜99(重量)%、好ましくは、10〜70重量%の活性物質を含有することができる。
【0059】
本発明の組成物は、エーロゾルディスペンサー(aerosol dispenser)、ベイト剤(bait)(即時使用可能)、ベイト濃厚剤、ブロックベイト剤(block bait)、カプセル懸濁液剤(capsule suspension)、冷煙霧濃厚剤(cold fogging concentrate)、散粉性粉剤(dustable powder)、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、カプセル化粒剤、細粒剤(fine granule)、種子処理用フロアブル剤(flowable concentrate for seed treatment)、ガス剤(gas)(加圧下)、ガス生成剤(gas generating product)、グレインベイト剤(grain bait)、顆粒状ベイト剤(granular bait)、粒剤、温煙霧濃厚剤(hot fogging concentrate)、大型粒剤(macrogranule)、微粒剤(microgranule)、油分散性粉剤(oil dispersible powder)、油混和性フロアブル剤(oil miscible flowable concentrate)、油混和性液剤(oil miscible liquid)、ペースト剤、植物用棒状剤(plant rodlet)、プレートベイト剤(plate bait)、乾燥種子処理用粉剤(powder for dry seed treatment)、スクラップベイト剤(scrap bait)、農薬粉衣種子(seed coated with a pesticide)、スモークキャンドル剤(smoke candle)、発煙カートリッジ剤(smoke cartridge)、発煙製剤(smoke generator)、発煙ペレット剤(smoke pellet)、発煙棒状剤(smoke rodlet)、発煙錠剤(smoke tablet)、発煙缶(smoke tin)、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、可溶性粉剤(soluble powder)、種子処理用溶液剤(solution for seed treatment)、懸濁液剤(フロアブル剤)、トラッキング粉末剤(tracking powder)、微量散布用液剤(ultra low volume (ulv) liquid)、微量散布用懸濁液剤(ultra low volume (ulv) suspension)、蒸気放出剤(vapour releasing product)、顆粒水和剤(water dispersible granule)、水分散性錠剤(water dispersible tablet)、泥水処理用水和剤(water dispersible powder for slurry treatment)、水溶性顆粒剤(water soluble granule)、水溶性錠剤(water soluble tablet)、種子処理用水溶性粉剤(water soluble powder for seed treatment)、及び、水和剤のような、さまざまな形態で使用することが可能である。
【0060】
これらの組成物には、処理対象の植物又は種子に対して噴霧装置又は散粉装置のような適切な装置により施用される状態にある組成物のみではなく、作物に対して施用する前に希釈することが必要な市販の濃厚組成物も包含される。
【0061】
さらにまた、本発明の化合物は、1種以上の殺虫剤、殺菌剤、殺細菌剤、誘引性殺ダニ剤若しくはフェロモン、又は、生物学的活性を有する別の化合物と混合することもできる。そのようにして得られた混合物は、拡大された活性スペクトルを有する。別の殺菌剤との混合物が特に有利である。
【0062】
本発明の殺菌剤組成物を使用して、作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除することができる。従って、本発明のさらに別の態様により、作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除する方法が提供され、ここで、該方法は、上記で定義した殺菌剤組成物を、種子、植物及び/若しくは植物の果実に施用するか、又は、植物が成育している土壌若しくは植物を栽培するのが望ましい土壌に施用することを特徴とする。
【0063】
作物の植物病原性菌類に対して使用する本発明の組成物は、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の一般式(I)の活性物質を含有している。
【0064】
「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量」という表現は、作物上に存在しているか又はおそらく出現するであろう菌類を防除又は駆除するのに充分で、且つ、該作物について植物毒性の感知可能などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。そのような量は、防除対象の菌類、作物のタイプ、気候条件、及び、本発明の殺菌剤組成物に含まれている化合物に応じて、広い範囲で変動し得る。
【0065】
そのような量は、当業者が実行可能な範囲内にある体系的な圃場試験により決定することが可能である。
【0066】
本発明による処置方法は、塊茎又は根茎のような繁殖材料を処置するのに有効であるのみではなく、種子、実生又は移植実生(seedlings pricking out)及び植物又は移植植物(plants pricking out)を処置するのにも有効である。この処置方法は、根を処置するのにも有効である。本発明による処置方法は、関係している植物の樹幹、茎又は柄、葉、花及び果実のような植物の地上部を処置するのにも有効であり得る。
【0067】
本発明方法の対象となる植物の中で、以下のものを挙げることができる:ワタ;アマ;ブドウ;果実作物、例えば、Rosaceae sp.(例えば、種子果(pip fruit)、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、石果、例えば、アンズ、アーモンド及びモモ)、Ribesioidae sp.、Juglandaceae sp.、Betulaceae sp.、Anacardiaceae sp.、Fagaceae sp.、Moraceae sp.、Oleaceae sp.、Actinidaceae sp.、Lauraceae sp.、Musaceae sp.(例えば、バナナの木及びプランタン)、Rubiaceae sp.、Theaceae sp.、Sterculiceae sp.、Rutaceae sp.(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);マメ科作物、例えば、Solanaceae sp.(例えば、トマト)、Liliaceae sp.、Asteraceae sp.(例えば、レタス)、Umbelliferae sp.、Cruciferae sp.、Chenopodiaceae sp.、Cucurbitaceae sp.、Papilionaceae sp.(例えば、エンドウ)、Rosaceae sp.(例えば、イチゴ);大型作物(big crop)、例えば、Graminae sp.(例えば、トウモロコシ、禾穀類、例えば、コムギ、イネ、オオムギ及びライコムギ)、Asteraceae sp.(例えば、ヒマワリ)、Cruciferae sp.(例えば、ナタネ)、Papilionaceae sp.(例えば、ダイズ)、Solanaceae sp.(例えば、ジャガイモ)、Chenopodiaceae sp.(例えば、ビート(beetroot));園芸作物及び森林作物(forest crops);さらに、これら作物の遺伝的に修飾された相同体。
【0068】
本発明方法の対象となる植物及びそれら植物の可能性のある病害の中で、以下のものを挙げることができる:
・ コムギ〔以下に示す種子の病害の防除に関して〕:フザリア(fusaria)(Microdochium nivale、及び、Fusarium roseum)、なまぐさ黒穂病(Tilletia cariesTilletia controversa、又は、Tilletia indica)、セプトリア病(Septoria nodorum)、及び、裸黒穂病;
・ コムギ〔以下に示すコムギ植物の地上部の病害の防除に関して〕:穀類眼紋病(cereal eyespot)(Tapesia yallundaeTapesia acuiformis)、立枯病(Gaeumannomyces graminis)、赤かび病(foot blight)(F.culmorumF.graminearum)、ブラックスペック(black speck)(Rhizoctonia cerealis)、うどんこ病(Erysiphe graminis forma specie tritici)、さび病(Puccinia striiformis、及び、Puccinia recondita)、及び、セプトリア病(Septoria tritici、及び、Septoria nodorum);
・ コムギ及びオオムギ〔細菌病及びウイルス病の防除に関して〕:例えば、オオムギ縞萎縮病(barley yellow mosaic);
・ オオムギ〔以下に示す種子の病害の防除に関して):網斑病(Pyrenophora gramineaPyrenophora teres、及び、Cochliobolus sativus)、裸黒穂病(Ustilago nuda)、及び、フザリア(fusaria)(Microdochium nivale、及び、Fusarium roseum);
・ オオムギ〔以下に示すオオムギ植物の地上部の病害の防除に関して〕:穀類眼紋病(cereal eyespot)(Tapesia yallundae)、網斑病(Pyrenophora teres、及び、Cochliobolus sativus)、うどんこ病(Erysiphe graminis forma specie hordei)、小さび病(Puccinia hordei)、及び、雲形病(Rhynchosporium secalis);
・ ジャガイモ〔塊茎の病害の防除に関して〕:(特に、Helminthosporium solaniPhoma tuberosaRhizoctonia solaniFusarium solani)、べと病(Phytopthora infestans)、及び、特定のウイルス(ウイルスY);
・ ジャガイモ〔以下に示す茎葉部の病害の防除に関して〕:夏疫病(Alternaria solani)、べと病(Phytophthora infestans);
・ ワタ〔種子から生育した幼植物の以下に示す病害の防除に関して〕:立枯病及び地際部腐敗(collar rot)(Rhizoctonia solaniFusarium oxysporum)、及び、黒根腐病(black root rot)(Thielaviopsis basicola);
・ 蛋白質産生作物(protein yielding crop)、例えば、エンドウ〔以下に示す種子の病害の防除に関して〕:炭疽病(Ascochyta pisiMycosphaerella pinodes)、フザリア(fusaria)(Fusarium oxysporum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、及び、べと病(Peronospora pisi);
・ 油料作物(oil−bearing crop)、例えば、ナタネ〔以下に示す種子の病害の防除に関して〕:Phoma lingamAlternaria brassicae、及び、Sclerotinia sclerotiorum
・ トウモロコシ〔種子の病害の防除に関して〕:(Rhizopus sp.、Penicillium sp.、Trichoderma sp.、Aspergillus sp.、及び、Gibberella fujikuroi);
・ アマ〔種子の病害の防除に関して〕:Alternaria linicola
・ 森林樹〔立枯病の防除に関して〕:(Fusarium oxysporumRhizoctonia solani);
・ イネ〔以下に示す地上部の病害の防除に関して〕:いもち病(Magnaporthe grisea)、紋枯病(bordered sheath spot)(Rhizoctonia solani);
・ マメ科作物〔種子又は種子から生育した幼植物の以下に示す病害の防除に関して〕:立枯病及び地際部腐敗(collar rot)(Fusarium oxysporumFusarium roseumRhizoctonia solaniPythium sp.);
・ マメ科作物〔以下に示す地上部の病害の防除に関して〕:灰色かび病(Botrytis sp.)、うどんこ病(特に、Erysiphe cichoracearumSphaerotheca fuliginea、及び、Leveillula taurica)、フザリア(fusaria)(Fusarium oxysporumFusarium roseum)、斑点病(Cladosporium sp.)、褐点病(alternaria leaf spot)(Alternaria sp.)、炭疽病(Colletotrichum sp.)、セプトリア斑点病(septoria leaf spot)(Septoria sp.)、ブラックスペック(black speck)(Rhizoctonia solani)、べと病(例えば、Bremia lactucaePeronospora sp.、Pseudoperonospora sp.、Phytophthora sp.);
・ 果樹〔地上部の病害に関して〕:モニリア病(Monilia fructigenaeM.laxa)、瘡痂病(Venturia inaequalis)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha);
・ ブドウ〔茎葉部の病害に関して〕:特に、灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Uncinula necator)、黒腐病(Guignardia biwelli)、及び、べと病(Plasmopara viticola);
・ ビート(beetroot)〔以下に示す地上部の病害に関して〕:サーコスポラ葉枯病(cercospora blight)(Cercospora beticola)、うどんこ病(Erysiphe beticola)、斑点病(Ramularia beticola)。
【0069】
本発明の殺菌剤組成物は、木材の表面又は内部で発生するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木」は、全ての種類の木、そのような木を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材及び合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明の1種以上の化合物又は本発明の組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な施用、噴霧、浸漬、注入、又は、別の適切な任意の方法が包含される。
【0070】
本発明の処理において通常施用される活性物質の薬量は、一般に、また、有利には、茎葉処理における施用では、10〜800g/ha、好ましくは、50〜300g/haである。種子処理の場合は、活性物質の施用薬量は、一般に、また、有利には、種子100kg当たり2〜200g、好ましくは、種子100kg当たり3〜150gである。上記で示されている薬量が本発明を例証するための例として挙げられていることは、明確に理解される。当業者は、処理対象の作物の種類に基づいて、該施用薬量を適合させる方法を理解するであろう。
【0071】
さらにまた、本発明の殺菌剤組成物は、遺伝的に修飾されている生物の本発明化合物又は本発明農薬組成物による処理においても使用することができる。遺伝的に修飾されている植物は、興味深い蛋白質をコードする異種の遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。「興味深い蛋白質をコードする異種の遺伝子(heterologous gene encoding a protein of interest)」という表現は、本質的に、形質転換された植物に新しい農業的特性を付与する遺伝子を意味するか、又は、形質転換された植物の農業的特性を改善する遺伝子を意味する。
【0072】
さらにまた、本発明の組成物は、例えば、真菌症、皮膚病、白癬菌性疾患(trichophyton disease)及びカンジダ症、又は、Aspergillus spp.(例えば、Aspergillus fumigatus)に起因する疾患のようなヒト及び動物の菌類病を、治療的又は予防的に処置するのにも使用することもできる。
【0073】
本発明の態様について、化合物についての下記表及び実施例を参照して説明する。以下の表A〜表Vは、本発明の殺菌性化合物の例について非限定的に例証している。下記実施例において、「M+1」(又は、「M−1」)は、それぞれ、質量分析において観察された分子イオンピークプラス又はマイナス1a.m.u.(原子質量単位)を意味し、「M(ApcI+)」は、質量分析において、正の大気圧化学イオン化(positive atmospheric pressure chemical ionisation)により得られた分子イオンピークを意味する。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】


【0076】
【表3】


【0077】
【表4】

【0078】
【表5】

【0079】
【表6】

【0080】
【表7】

【0081】
【表8】


【0082】
【表9】

【0083】
【表10】



【0084】
【表11】

【0085】
【表12】

【0086】
【表13】

【0087】
【表14】

【0088】
【表15】

【0089】
【表16】

【0090】
【表17】

【0091】
【表18】



【0092】
【表19】

【0093】
【表20】

【0094】
【表21】

【0095】
【表22】

【実施例】
【0096】
一般式(I)で表される化合物の調製方法についての実施例
実施例A:N−[2−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−エチル]−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0097】
【化71】

204mg(1mmol)の2−トリフルオロメチルニコチン酸と200mg(0.9mmol)の2−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−エチルアミンと620mg(1.3mmol)のブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートと230mg(1.8mmol)のN,N−ジイソプリピルエチルアミンを8mLの塩化メチレンに溶解させた溶液を室温で20時間撹拌する。
【0098】
この混合物を10mLの水で希釈し、分離させ、塩化メチレン相を飽和NHCl溶液及び水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=10:1から1:1まで)で精製する。収量:370mg(98%)。
【0099】
実施例B:2−クロロ−N−[2−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−エチル]−6−メチル−ニコチンアミドの調製
【0100】
【化72】

161mg(0.7mmol)の2−クロロ−6−メチルニコチニルクロリドと160mg(0.7mmol)の2−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−エチルアミン塩酸塩と236mg(1.7mmol)の炭酸ナトリウムを8mLのアセトニトリルに溶解させた溶液を室温で3日間撹拌する。
【0101】
この混合物を5mLの水及び5mLの酢酸エチルで希釈し、分離させ、有機相を飽和NHCl溶液及び水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、蒸発させる。収量:200mg(62%)。
【0102】
実施例C:1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−エチル]−アミドの調製
【0103】
【化73】

370mg(1.0mmol)の1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸無水物と110mg(0. 5mmol)の(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アセトニトリルと120mg(0.5mmol)の塩化ニッケル(II)六水和物を5mLのアセトニトリルに溶解させた溶液に、0℃で、132mg(3.5mmol)のホウ水素化ナトリウム(sodium borohydrate)を少量ずつ添加する。撹拌を室温で4時間続けた。
【0104】
溶媒を蒸発させた後、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=10:1から1:1まで)で精製する。収量:80mg(40%)。
【0105】
一般式(I)で表される化合物の生物学的活性についての実施例
実施例1:Alternaria brassicae(アブラナ科の植物の斑点病(leaf spot))に対するインビボ試験
被験活性成分を、ポッター均質化(potter homogenisation)により100g/Lの濃厚懸濁液型製剤として調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0106】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ(starter cup)内のハツカダイコン植物(品種 Pernot)を、子葉期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。
【0107】
対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0108】
24時間経過した後、Alternaria brassicaeの胞子の水性懸濁液(1cm当たり40,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、12〜13日間培養したものから採集する。
【0109】
汚染されたハツカダイコン植物を、湿潤雰囲気下、約18℃で、6〜7日間インキュベートする。
【0110】
上記汚染から6〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0111】
これらの条件下、以下の化合物を330ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも50%)から完全な保護が観察される:A−3、A−4、B−2、B−4、B−5、B−7、B−8、B−9、B−10、B−13、B−14、B−16、C−2、C−3、C−5、C−6、C−8、C−12、C−13、C−14、C−16、C−18、C−21、C−23、D−4、D−5、E−3、E−4、F−3、G−1、H−1、H−2、H−4、H−6、H−7、H−17、H−19、H−22、H−23、I−1、I−3、J−1、J−2、J−3、J−4、J−5、J−6、J−12、J−13、J−19、J−22、J−24、J−25、J−26、J−31、J−32、J−33、J−35、J−36、J−37、J−38、J−39、J−41、J−43、J−45、J−47、J−49、J−50、J−51、J−52、J−53、J−55、K−3、K−5、K−6、M−2、M4、M−5、M−6、N−1、O−1、Q−1、Q−2、R−1、R−5、R−6、R−7、R−10、R−11、R−13、R−14、R−15、R−23、R−24、R−26、R−30、R−31、S−2、S−5、V−1、V−6、V−7、V−8、V−12。
【0112】
実施例2:Erysiphe graminis f.sp.tritici(コムギのうどんこ病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、ポッター均質化により100g/Lの濃厚懸濁液型製剤として調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0113】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、12℃で生育させたスターターカップ内のコムギ植物(品種 Audace)を、1葉期(草丈10cm)で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。
【0114】
対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0115】
24時間経過した後、Erysiphe graminis f.sp.triticiの胞子を振りかけることにより、該植物を汚染する。胞子は、発病している植物を用いて振りかける。上記汚染から7〜14日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0116】
これらの条件下、以下の化合物を330ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも50%)から完全な保護が観察される:A−4、B−4、B−8、C−2、C−3、C−12、D−4、F−1、H−1、H−2、H−4、H−20、I−3、J−1、J−2、J−3、J−19、J−20、J−31、J−37、J−40、J−55、J−57、J−58、J−59、J−61、K−1、M−5、M−6、R−1、R−10、R−26、R−29、V−7。
【0117】
実施例3:Botrytis cinerea(キュウリの灰色かび病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、ポッター均質化により100g/Lの濃厚懸濁液型製剤として調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0118】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のキュウリ植物(品種 Marketer)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0119】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の表面にデポジットすることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採集し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0120】
汚染されたキュウリ植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。
【0121】
上記汚染から5/7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。これらの条件下、以下の化合物を330ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも50%)から完全な保護が観察される:B−7、B−8、B−13、B−14、C−3、C−12、C−13、C−14、C−15、C−16、D−4、D−5、E−4、H−1、H−2、H−4、H−7、H−9、H−22、J−1、J−2、J−3、J−19、J−31、J−32、J−33、J−34、J−35、J−37、J−39、J−43、J−44、R−1、R−10、R−23、R−24、R−26、R−31、V−1、V−8。
【0122】
実施例4:Pyrenophora teres(オオムギの網斑病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、ポッター均質化により100g/Lの濃厚懸濁液型製剤として調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0123】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、12℃で生育させたスターターカップ内のオオムギ植物(品種 Express)を、1葉期(草丈10cm)で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0124】
24時間経過した後、Pyrenophora teresの胞子の水性懸濁液(1mL当たり12,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、12日間培養したものから採集する。汚染されたオオムギ植物を、約20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、相対湿度80%で12日間インキュベートする。
【0125】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。これらの条件下、以下の化合物を330ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも50%)から完全な保護が観察される:A−4、B−3、B−7、B−8、B−13、B−14、B−15、B−16、C−3、C−5、C−12、C−13、C−14、C−15、C−16、C−17、C−20、C−22、C−23、D−4、D−5、E−3、E−4、F−3、G−1、H−1、H−2、H−4、H−5、H−6、H−7、H−8、H−11、H−15、H−17、H−19、H−20、H−22、H−23、I−1、I−3、J−1、J−2、J−3、J−7、J−8、J−10、J−19、J−20、J−22、J−23、J−24、J−25、J−26、J−31、J−32、J−33、J−34、J−35、J−36、J−37、J−39、J−40、J−41、J−42、J−43、J−44、J−46、J−49、J−50、J−51、J−52、J−54、J−55、J−57、J−58、J−59、J−61、K−6、M−4、P−1、R−1、R−9、R−10、R−14、R−15、R−23、R−26、R−30、R−31、S−2、V−1、V−7、V−8、V−11、V−12、V−13。
【0126】
実施例5:Peronospora brassicae(キャベツのべと病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、ポッター均質化により100g/Lの濃厚懸濁液型製剤として調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0127】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のキャベツ植物(品種 Eminence)を、子葉期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。
【0128】
対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0129】
24時間経過した後、Peronospora brassicaeの胞子の水性懸濁液(1mL当たり50,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染している植物から採集する。
【0130】
汚染されたキャベツ植物を、湿潤雰囲気下、20℃で、5日間インキュベートする。
【0131】
上記汚染から5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0132】
これらの条件下、以下の化合物を330ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも50%)から完全な保護が観察される:B−6、B−7、J−46、J−59。
【0133】
上記条件下、特許出願WO01/11965号に開示されているN−{l−エチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−4−クロロベンズアミド、N−{1−エチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−3−ニトロベンズアミド、N−{1−エチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−ブロモベンズアミド、N−{1−メチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−4−メトキシベンズアミド及びN−{1−メチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−4−フェニルベンズアミド(それぞれ、表D中の化合物306、化合物307、化合物310、化合物315及び化合物316を参照されたい)は、330ppmで、Alternaria brassicae及びPyrenophora teresに対して劣った効果を示し、Botrytis cinerea及びPeronospora parasiticaに対しては効果を示さなかった。
【0134】
上記条件下、特許出願WO01/11965号に開示されているN−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−メチル}−5−チエニルアセトアミド(表B中の化合物101を参照されたい)は、330ppmで、Alternaria brassicaeに対して劣った効果を示し、Botrytis cinerea及びPeronospora parasiticaに対しては効果を示さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

[式中、
Xは、酸素原子又は硫黄原子であり得;
Yは、同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ、カルボキシル基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、C〜C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニル、又は、C〜C−アルコキシイミノ−C〜C−アルキルであり得;
は、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルバモイル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、1〜7個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−シアノアルキル、C〜C−アミノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲンアルキルカルボニル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルキルスルファニル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲンアルキルスルファニルであり得;
nは、1、2、3又は4であり得;及び、
Hetは、場合により置換されていてもよい5員、6員又は7員の非縮合ヘテロ環(ここで、該非縮合ヘテロ環は、同一でも異なっていてもよい1個、2個又は3個のヘテロ原子を有し、また、該非縮合ヘテロ環は、炭素原子で結合している)を表す]
で表される化合物。
【請求項2】
Xが酸素原子を表すことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが1又は2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
nが2であることを特徴とする、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Y置換基の少なくとも1つが、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、又は、C〜C−アルコキシ〜C〜C−アルキルカルボニルであることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
Y置換基の少なくとも1つが、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Y置換基の少なくとも1つが−CFであることを特徴とする、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
該2−ピリジルが、3位及び/又は5位で置換されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
該2−ピリジルが、5位で−CFにより置換されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の化合物。
【請求項10】
Hetが5員ヘテロ環であることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
Hetが、一般式(II):
【化2】

[式中、
及びRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Hetが、一般式(III):
【化3】

[式中、
は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
及びR7は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
Hetが、一般式(IV):
【化4】

[式中、
は、ハロゲン、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
は、水素原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
Hetが、一般式(V):
【化5】

[式中、
10及びR11は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルキルチオ、若しくは、C〜C−アルキルスルホニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいピリジルであり得;及び、
12は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項15】
Hetが、一般式(VI):
【化6】

[式中、
13及びR14は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルキルオキシ、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
15は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項16】
Hetが、一般式(VII):
【化7】

[式中、
16は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
17及びR19は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
18は、水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルスルホニル、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル、若しくは、C〜C−アルキルカルボニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルスルホニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいベンゾイルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項17】
Hetが、一般式(VIII):
【化8】

[式中、
20は、水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルスルホニル、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル、若しくは、C〜C−アルキルカルボニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルスルホニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいベンゾイルであり得;及び、
21、R22及びR23は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、又は、C〜C−アルキルカルボニルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項18】
Hetが、一般式(IX):
【化9】

[式中、
24は、水素原子又はC〜C−アルキルであり得;及び、
25は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項19】
Hetが、一般式(X):
【化10】

[式中、
26は、水素原子又はC〜C−アルキルであり得;及び、
27は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項20】
Hetが、一般式(XI):
【化11】

[式中、
28は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキルアミノ、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ、C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得;及び、
29は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項21】
Hetが、一般式(XII):
【化12】

[式中、
30は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキルアミノ、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
31は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項22】
Hetが、一般式(XIII):
【化13】

[式中、
32は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル基、又は、アミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
33は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、又は、C〜C−アルキルチオであり得;及び、
34は、水素原子、フェニル、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項23】
Hetが、一般式(XIV):
【化14】

[式中、
35は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル、又は、アミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
36は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、又は、C〜C−アルキルチオであり得;及び、
37は、水素原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであり得るか、又は、場合によりハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシアルキル若しくはニトロ基で置換されていてもよいフェニルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項24】
Hetが、一般式(XV):
【化15】

[式中、
38は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル、又は、アミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
39は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
40は、水素原子、フェニル、ベンジル、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項25】
Hetが、一般式(XVI):
【化16】

[式中、
41及びR42は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項26】
Hetが、一般式(XVII):
【化17】

[式中、
43及びR44は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいヘテロシクリルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項27】
Hetが、一般式(XVIII):
【化18】

[式中、
45及びR46は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項28】
Hetが、一般式(XIX):
【化19】

[式中、
47は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項29】
Hetが、一般式(XX):
【化20】

[式中、
48は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
49は、水素原子、C〜C−アルキル、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項30】
Hetが、一般式(XXI):
【化21】

[式中、
50は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項31】
Hetが6員環ヘテロ環であることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
Hetが、一般式(XXII):
【化22】

[式中、
51は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得;
52、R53及びR54は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニル、又は、C〜C−アルキルスルホニルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
Hetが、一般式(XXIII):
【化23】

[式中、
55は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルケニルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、若しくは、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルオキシであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルチオであり得;
56、R57及びR58は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニル、若しくは、C〜C−アルキルスルホニルであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいN−モルホリンであり得るか、又は、ハロゲン原子若しくはC〜C−アルキルで場合により置換されていてもよいチエニルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項31に記載の化合物。
【請求項34】
Hetが、一般式(XXIV):
【化24】

[式中、
59、R60、R61及びR62は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニル、又は、C〜C−アルキルスルホニルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項31に記載の化合物。
【請求項35】
Hetが、一般式(XXV):
【化25】

[式中、
63は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
64は、水素原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、若しくは、C〜C−アルコキシカルボニルであり得るか、又は、1〜3個のハロゲン原子で場合により置換されていてもよいベンジルであり得るか、又は、1〜3個のハロゲン原子で場合により置換されていてもよいベンジルオキシカルボニルであり得るか、又は、ヘテロシクリルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項31に記載の化合物。
【請求項36】
Hetが、一般式(XXVI):
【化26】

[式中、
65は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得;
66は、水素原子、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、又は、ベンジルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項31に記載の化合物。
【請求項37】
Hetが、一般式(XXVII):
【化27】

[式中、
は、硫黄原子、−SO−、−SO−又は−CH−であり得;
67は、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
68及びR69は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はC〜C−アルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項31に記載の化合物。
【請求項38】
Hetが、一般式(XXVIII):
【化28】

[式中、
70は、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項31に記載の化合物。
【請求項39】
Hetが、一般式(XXIX):
【化29】

[式中、
71は、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項31に記載の化合物。
【請求項40】
Hetが、一般式(XXX):
【化30】

[式中、
72は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得る]
のヘテロ環を表すことを特徴とする、請求項31に記載の化合物。
【請求項41】
請求項1から40のいずれかに記載の一般式(I)で表される化合物を調製する方法であって、一般式(A):
【化31】

[式中、
Hetは上記で定義されているとおりであり;
Gは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はC〜C−アルコキシであり得る]
で表されるカルボン酸誘導体を、Gがヒドロキシ又はC〜C−アルコキシ基である場合は触媒の存在下で、又は、Gがハロゲン原子である場合は酸結合剤の存在下で、一般式(B):
【化32】

[式中、Y、R及びnは、請求項1で定義されているとおりである]
で表される2−ピリジン誘導体と反応させることを含んでなる、前記方法。
【請求項42】
前記触媒が、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート又はトリメチルアルミニウムであり得ることを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記酸結合剤が、カーボネート、水性アルカリ又は第三級アミンであり得ることを特徴とする、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
請求項1から40のいずれかに記載の一般式(I)で表される化合物を調製する方法であって、一般式(C):
【化33】

[式中、
Hetは、上記で定義されているとおりであり;
Wは、Hetとして定義し得るか又はC〜C−アルキルであり得る]
で表されるカルボン酸無水物誘導体を、還元剤の存在下で、式(D):
【化34】

[式中、R及びnは、それぞれ、請求項1で定義されているとおりである]
で表される2−ピリジン誘導体と反応させることを含んでなる、前記方法。
【請求項45】
前記還元剤が、H又はNaBHであることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
一般式(E):
【化35】

[式中、
Zは、同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ、カルボキシル基、C〜C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、C〜C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニル、又は、C〜C−アルコキシイミノ−C〜C−アルキルであり得;
は、ハロゲン原子又はC〜C−アルキルであり得;
及びnは、請求項1で定義されているとおりである]
で表される化合物。
【請求項47】
有効量の請求項1から40のいずれかに記載の化合物及び農業上許容される支持体を含有している殺菌剤組成物。
【請求項48】
さらに界面活性剤を含有している、請求項47に記載の殺菌剤組成物。
【請求項49】
0.05から99重量%の活性物質を含んでいる、請求項47又は48のいずれかに記載の殺菌剤組成物。
【請求項50】
作物の植物病原性菌類を予防的又は治療的に防除する方法であって、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の請求項46から48のいずれかに記載の組成物を、植物の種子、植物の葉及び/若しくは植物の果実に施用するか、又は、植物が成育している土壌若しくは植物を栽培するのが望ましい土壌に施用することを特徴とする、前記方法。

【公表番号】特表2006−517948(P2006−517948A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501983(P2006−501983)
【出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002381
【国際公開番号】WO2004/074280
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(503325538)バイエル・クロツプサイエンス・エス・アー (73)
【Fターム(参考)】