説明

気密構造体のシャッタ装置およびその作動方法

【課題】従来の気密構造体のシャッタ装置では、シール部材が摩耗して適切なシールを行うことができないという問題を解決した気密構造体のシャッタ装置を提供する。
【解決手段】開口部24a,41a,47aを開閉するシャッタ部材42が備えられた気密構造体等のシャッタ装置26において、本体部材41とシャッタ部材42との間に設けられる中間部材47と、中間部材47に対して摺動自在に当接されるシャッタ部材42と、中間部材47と本体部材41との間に設けられ中間部材47をシャッタ部材42に向けて押圧する押圧手段49,50,51とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を開閉するシャッタ部材が備えられた気密構造体のシャッタ装置およびその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
開口部を開閉するシャッタ部材が備えられた気密構造体のシャッタ装置に関するものとしては、特許文献1ないし特許文献3に示されるものが知られている。特許文献1は、射出成形機の射出装置の供給部に回転弁式のシャッタ装置を用いるものであるが、装置が大掛りになる上に、ハウジングと回転弁体に高い加工精度が求められ、実際にはシール性やカジリの点で問題が多いものであった。また特許文献2は、射出成形機の射出装置の供給部に水平方向に回転するシャッタ装置を用いるものであって、図4に示されるように、透孔5dとシャッタ部材3の間にシールのためのOリング4Aが設けられている。しかし特許文献2は、シャッタ部材3が回転された際に、シャッタ部材3とOリング4Aとの間が摺動するため、Oリング4Aが摩耗するという問題があった。またOリング4Aの摩耗を防止するためにOリング4Aによるシャッタ部材3の押圧力を弱くすると、シャッタ部材3が回転移動される際に、シャッタ部材3の上面に付着した樹脂粉体がシャッタ部材3と透孔5dの間に入り込み、Oリング4Aによるシール性に支障をきたすといった問題があった。従ってOリング4Aによるシール性を確保するためには、Oリング4Aとシャッタ部材3の間の面圧が高くても低くても問題があった。また特許文献3は、シャッター3をシール部材に当接させて気密を保つものであるが、前記特許文献2と同様の問題があり、シャッター3の移動時にシール部材16aが摩耗すること等が避けられないものであった。
【0003】
【特許文献1】特開平9−164527号公報(請求項2、0007、図1)
【特許文献2】特開2001−293750号公報(請求項2、0021、図1)
【特許文献3】特開2002−347073号公報(請求項1、0019、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では上記の問題を鑑みて、従来の気密構造体のシャッタ装置では、シール部材が摩耗して適切なシールを行うことができないという問題を解決した気密構造体のシャッタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の気密構造体のシャッタ装置は、開口部を開閉するシャッタ部材が備えられた気密構造体のシャッタ装置において、本体部材とシャッタ部材との間に設けられる中間部材と、中間部材に対して摺動自在に当接されるシャッタ部材と、中間部材と本体部材との間に設けられ該中間部材を該シャッタ部材に向けて押圧する押圧手段と、が備えられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の気密構造体のシャッタ装置は、本体部材とシャッタ部材との間に設けられる中間部材と、中間部材に対して摺動自在に当接されるシャッタ部材と、中間部材と本体部との間に設けられ該中間部材を該シャッタ部材に向けて押圧する押圧手段と、が備えられているので、シャッタ装置のシールを良好に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施形態について、図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本実施形態のシャッタ装置が取付けられた射出装置の断面図である。図2は、本実施形態のシャッタ装置の断面図である。図3は、図2におけるA―A線における水平断面図である。
【0008】
射出成形機の射出装置11は、材料投入装置12から材料供給装置13に投入された成形材料Mを材料調節装置14を介して加熱筒15へ供給し、加熱筒15内に嵌挿したスクリュ16をスクリュ回転用のモータ17により回転駆動して可塑化し溶融材料となしてスクリュ16前方の加熱筒15の先端側内部に貯留する。そして貯留された溶融材料は、図示しないスクリュ前後進手段の駆動によりスクリュ16が前進移動されて図示しない型締装置に取付けられた成形金型のキャビティ内へ射出されることによって成形品が成形される。
【0009】
材料供給装置13は、材料調節装置14内と加熱筒15内とを常時真空構造としつつ所定量の成形材料Mを材料調節装置14へ供給するものである。材料供給装置13の外殻体は、前記材料調節装置14の外殻体と加熱筒15の外殻体とともに気密構造体を形成し、内部には材料投入装置12から材料調節装置14へ至る成形材料Mの通路が形成されている。材料供給装置13は、ガラスからなる上部筒体18、中間筒体19、および下部筒体20からなっており、内部の成形材料Mの量が目視可能であるとともに、レベルセンサ21,22により検知可能となっている。前記上部筒体18と中間筒体19の間には、本体部材の一部である金属製のリング体23,23を介して上部のシャッタ装置25が備えられている。また中間筒体19と下部筒体20の間にも、本体部材の一部である金属製のリング体24,24を介して下部のシャッタ装置26が備えられている。なお材料供給装置13、材料調節装置14、加熱筒15からなる気密構造体の部材間は、Oリング等によりシールされている。
【0010】
そしてシャッタ装置26と下部筒体20との間のリング体24には、孔27が形成され、前記孔27に接続された管路28は、材料調節装置14の孔29からフィルタ30を経て真空源31に接続される管路32と接続されている。また中間筒体19とシャッタ装置25の間のリング体23には、孔33が形成され、前記孔33に接続された管路34には開閉弁35が配設され、管路34は管路32と接続されている。なお、材料供給装置13は、二のシャッタ装置25,26を用いるものを示したが、加熱筒15への成形材料Mの供給時には加熱筒15内が大気圧となるような一のシャッタ装置しかないものでもよい。
【0011】
材料調節装置14は、フィードスクリュ36の駆動手段であるモータ37の回転速度を制御し、加熱筒15内のスクリュ16溝における成形材料Mの量が、最適となるように、成形材料Mの搬送量を調節する。なお、材料調節装置14は必須のものではなく、材料供給装置13を加熱筒15に直接取付けるようにしてもよい。
【0012】
次に材料供給装置のシャッタ装置25,26の構造について、図2および図3により、説明する。なお上部のシャッタ装置25と下部のシャッタ装置26は、ほぼ同じ構造であるので、下部のシャッタ装置26が開放されている状態について説明する。
【0013】
シャッタ装置26は、外殻体として、内部が中空の長方体からなる本体部材41が設けられ、本体部材41の内部にシャッタ部材42が収納されている。そして前記本体部材41の上板の上面が前記リング体24とOリングを挟んで固定され、前記本体部材41の下板の下面が前記リング体24とOリングを挟んで固定されている。そして本体部材41の上板および下板には、前記リング体24の開口部24aと同じ直径の開口部41aが形成されている。本体部材41の一端には、シャッタ装置26のシャッタ部材42を水平方向に往復進退移動させるエアシリンダ43が固定されている。そして図1に示されるようにエアシリンダ43は開閉弁44を介して空圧源45に接続されている。前記開閉弁44,空圧源45をはじめ、レベルセンサ21,22、真空源31、モータ17,37等はそれぞれ制御装置46に接続されている。
【0014】
前記エアシリンダ43のロッド43aは、シャッタ部材42に固定されている。シャッタ部材42は、窒化クロムコーティングにより表面処理がなされた所定板厚の長方形の金属平板である。図3に示されるようにシャッタ部材42の幅は、中空である本体部材41の内部の幅と一致しており、本体部材41に縦方向の内面にシャッタ部材42の両側面が摺動自在となっている。そしてシャッタ部材42の前方寄り中央には、リング体24の開口部24a、本体部材41の開口部41aと同径の通孔42aが形成されている。そして前記開口部41a等とシャッタ部材42の通孔42aの位置が一部でも重なった状態のときに成形材料Mが下方に落下し、開口部41aと通孔42aの位置が全く重ならない状態のときに、シャッタ装置26は密閉可能となっている。
【0015】
また本体部材41とシャッタ部材42の間には、本体部材41の開口部41aやシャッタ部材42の通孔42aと同じ直径の開口部47aが形成された中間部材47が設けられている。本体部材41の内側(シャッタ側)の面における開口部41aの周辺部には、凹部41bが形成されている。そして前記凹部41bには、中間部材47が嵌合されるように取付けられている。ただし前記凹部41bの縦方向の深さよりも中間部材47の板厚の方が厚くなっているので、中間部材47のシャッタ部材側の面47b(平面)は本体部材41の面41cよりも内側に向けて突出している。なお前記中間部材47は、本体部材41の上下の板にそれぞれ取付けられている。そして前記中間部材47の面47bとシャッタ部材42の上下の面42b(平面)の間の間隔は、許容限度を超えるリークが発生しない程度に面接触により密着可能であって、かつシャッタ部材42の移動時に摺動自在な間隔となっている。
【0016】
中間部材47は、前記シャッタ部材42の金属材料または前記シャッタ部材42の表面処理材料とカジリが発生しにくいような金属材料から形成されるかまたは表面処理がなされている。なおシャッタ部材42および中間部材47は金属材料以外の樹脂等の材料から形成してもよい。ただし本発明では中間部材47は、形状変更されない材料からなり、ゴム等の摩耗により形状変更される材料は除外される。また中間部材47の面47bは、シャッタ部材42の面と摺動した際の摩擦係数が低く、なおかつ密着性が良好な面であることが望ましい。従って中間部材47の面47bは、平滑な平面であることが望ましいが、緩い曲面等であってもよい。また中間部材47の面47bは、シャッタ部材42の面42bとの密着性を確保するために所定の面積を有しており、ドーナツ形状の場合は、放射方向に5mm以上、更に望ましくは10mm以上の幅を有することが望ましい。
【0017】
本体部材41と中間部材47との間には、中間部材47の面47bをシャッタ部材42の面42bに向けて押圧するに押圧手段49が設けられている。具体的には、中間部材47の本体部材側の面47c(上方の中間部材47では上面、下方の中間部材では下面)には、凹溝48が形成されている。そして前記凹溝48の内部には、奥側にバネ50が挿入され、表面側にシール部材としてゴムからなるOリング51が挿入されている。なおバネ50としてはウェーブスプリングが使用されている。ただしバネ50は必須ではなく、押圧手段としてOリング51のみを凹溝48に挿入してもよい。更にまた、本体部材41の凹部41bの面に凹溝を形成して設け、バネ50またはOリング51の少なくとも一方からなる押圧手段49を設けてもよい。また押圧手段49の数は、1個(1周)に限定されない。または押圧手段とは別に、中間部材47の外周面47dに凹溝を形成してOリング等からなるシール部材のみを設けてもよい。
【0018】
本体部材41の下板における内側上面には、摩擦係数の低い樹脂からなり所定板厚の平板状の載置板52が取付けられている。そして前記載置板52の上面はシャッタ部材42の下面と摺動自在となっている。前記載置板52が設けられる理由は、シャッタ部材42の面42bが中間部材47の面47bと摺動する部分以外で保持されないと、移動時にシャッタ部材42が安定しない上に、停止時もシャッタ部材42の重量が下方の中間部材47を介して下方の押圧手段49に掛かり過ぎ、シャッタ部材42の上下側でシャッタ部材42の面42b,42bと中間部材47,47の面47b,47bとの間隙が均一にならないという問題があった。しかしシャッタ部材42を載置板52に摺動自在に載置することにより、上下の中間部材47,47に対してほぼ均等な間隙を保つようにすることができる。
【0019】
次に、材料供給装置13とシャッタ装置25,26の作動について説明する。図1に示される状態は、材料供給装置13の上部のシャッタ装置25を開放し、中間筒体19等から形成される中間室53に成形材料Mを落下させた状態である。この際材料供給装置13の下部のシャッタ装置26は閉鎖されている。そして加熱筒15、材料調節装置14、下部筒体20等から構成される気密構造体は、管路32等を介して常時真空源31により吸引されている。次に上部のシャッタ装置25を閉鎖する。シャッタ装置25の閉鎖は、エアシリンダ43の作動によりシャッタ部材42が図3において一点鎖線で示される位置まで前進され、同時に開口部24a,41a,47aと一致していたシャッタ部材42の通孔42aが前方に移動され、開口部24a,41a,47aはシャッタ部材42の後方寄りの板部分により閉鎖される。この際シャッタ部材42の面42b,42bは、載置板52により重量の一部が支えられ、上下の中間部材47,47の面47b,47bに均等に当接するように移動されるのでカジリが極めて生じ難い。またシャッタ部材42と中間部材47は適圧による摺動状態となっているので、成形材料Mに含まれる粉等が噛み込まれることがない。
【0020】
次に開閉弁35を開放し、中間室53内の大気を吸引して中間室53を真空化する。その際、前記上部のシャッタ装置25が閉鎖されているので、中部筒体19(中間室53)よりも下方の部分が気密構造体となっている。そして連続成形とともに材料調節装置14から加熱筒15へ成形材料Mが供給されて下部筒体20内の成形材料Mが減少し、レベルセンサ22が成形材料Mを感知不能となると、下部のシャッタ装置26が開放され、中間室53の成形材料Mが材料調節装置14内および下部筒体20内へ落下される。なお下部のシャッタ装置26開放のタイミングは、タイマによる設定でもよい。また前記動作の間に材料投入装置12から閉鎖されている上部のシャッタ装置25よりも上方の上部筒体18には次の成形材料Mが供給され、レベルセンサ21が成形材料Mを感知すると供給が停止される。そして再び下部のシャッタ装置26が閉鎖され、前記シャッタ装置26よりも下方の気密構造体が真空状態に区画されると、次に上部のシャッタ装置25を開放し、上部筒体18の成形材料Mを中間室53へ落下させる。そのことにより再び図1の状態となり、同じサイクルが繰り返される。
【0021】
次に図4、図5により別の実施形態のシャッタ装置61について、図1ないし図3の実施形態との相違点を中心に説明する。シャッタ装置61の本体部材62の上板および下板には、図示しないリング体の開口部やシャッタ部材63の通孔63aよりも直径が大きい孔62aが形成されている。そして前記本体部材62の孔62aには、前記リング体の開口部やシャッタ部材63の通孔63aと同じ直径の開口部64a(内径)を有し、前記本体部材62の孔62aに嵌合可能な小径部64d(外径)を有する中間部材64が内側から挿入されている。前記本体部材62の上面と中間部材64の上面は同じ高さとなっている。また中間部材64の外周には前記小径部64dよりも直径が大きいフランジ部64cが形成されている。そして前記フランジ部64cは、本体部材62の上板等の内側であって孔62aの周囲に設けられた凹部62bに嵌合可能となっている。また前記フランジ部64cの板厚は、前記凹部62bの深さよりも厚くなっており、中間部材64におけるシャッタ部材63と当接する側の面64bが、本体部材62の内側の面62cよりも突出した位置となるようになっている。
【0022】
そして中間部材64の小径部64dには、凹溝64eが形成され、シール部材であるOリング65が挿入されている。なおシール部材の位置は本体部材62の側でもよく限定されない。また中間部材64と本体部材62との間にはシール部材とは別に、中間部材64をシャッタ部材63に向けて押圧する押圧手段が設けられている。押圧手段としては、弾発部材であるバネ66が挿入されている。本実施形態においてバネ66は、ウェーブスプリングが用いられるがその種類は限定されない。ただし前記バネ66による押圧力は、中間部材64の面64bがシャッタ部材63の面63bとカジリを生じない良好な面圧で接触できる程度に調節されている。また本体部材62の下面側も同一構造の中間部材64、シール部材であるOリング65、押圧手段であるバネ66が取付けられているが、説明は省略する。そしてシャッタ部材63は、両方の中間部材64,64の間にほぼ同じ面圧となるように当接される。なお図5は、シャッタ装置61を閉鎖した際の図である。シャッタ部材63の前進とともに通孔63aが前進して開口部64aがシャッタ部材63の板部分によって閉鎖される。
【0023】
本実施形態によればシール部材であるOリング65はシールのみを行うので、Oリング65の硬度や直径によって、中間部材64をシャッタ部材63へ押し付ける際の面圧が変わるということがなく、押圧手段であるバネ66によって制御される面圧で押し付けることができる。そして本実施形態は、特に大型のシャッタ装置61でシャッタ部材63の自重が重い場合であっても、中間部材64とシャッタ部材63の間の間隙を適切に保持できる。
【0024】
次に図6ないし図8により更に別の実施形態のシャッタ装置について図4、図5の別の実施形態との相違点を中心に説明する。図6ないし図8の更に別の実施形態のシャッタ装置71は、本体部材72、シャッタ部材73、および中間部材74の形状については、図4、図5の別の実施形態とほぼ同じである。ただし中間部材74をシャッタ部材73に向けて押圧する押圧手段が、弾発部材であるバネではなく、空気圧(または油圧)といった流体圧を用いている点が相違する。具体的には本体部材72の凹部72cと中間部材74のフランジ部74cの平面74eとの間には、空気室75が形成され、前記空気室75は本体部材72の孔72dを介して図示しない外部の管路、開閉弁、および空圧源に接続されている。そして中間部材74の小径部74dとフランジ部74cの外周面74fにはそれぞれ凹溝が形成され、凹溝にはシール部材であるOリング76,76が挿入されており、前記Oリング76,76が前記空気室75からエアが漏れることも防止している。
【0025】
そして図7に示されるように、シャッタ部材73を開閉する際は、上下の空気室75,75内の気圧を同様に低くし、中間部材74の面74bとシャッタ部材73の面73bの摺動抵抗を減少させカジリを防止する。また図8に示されるようにシャッタ装置71を閉鎖状態に保つ場合は、前記空気室75の気圧を高くし、中間部材74の面74bとシャッタ部材73の面73bの当接力を強化し、気密構造体の内部空間からリークが発生するのを防止する。
【0026】
次に図9による第4の実施形態のシャッタ装置81について説明する。第4の実施形態のシャッタ装置81は、本体部材82のケース板83、エアシリンダ84、およびシャッタ部材85については図6等に示される実施形態とほぼ同じ形態であるが、ケース板83の板厚が厚くなっている。そしてケース板83で囲まれたケース内のエアシリンダ84のロッドにシャッタ部材85が取付けられ、シャッタ部材85は載置板86に摺動可能に載置されている。本体部材82には上下の金属製のリング体88,88が含まれており、前記リング体88の一方の面がガラスからなる筒体87に固定され、他方の面がケース板83に固定されている。
【0027】
次にシャッタ部材85の上下にそれぞれ設けられたケース板83、リング体88、および中間部材89等からなる押圧手段の構造について、シャッタ部材85の上部に配設されるものについて詳しく説明する。本体部材82のケース板83のリング体88に対向する位置には、前記リング体88の直径よりも小さい直径の大径孔83bと、該大径孔83bよりも更に直径の小さい小径孔83cとからなる貫通孔83aが形成されている。また本体部材82のリング体88とシャッタ部材85の間には、前記リング体88の開口部88aやシャッタ部材85の通孔85aと同じ直径の成形材料Mが通過する開口部89aが形成された中間部材89が設けられている。そしてケース板83の貫通孔83aには、中間部材89が挿入されるようになっている。中間部材89は、一方の面にシャッタ部材85の面85bに当接する平坦な面89bが設けられ、反対側の他方の面には前記当接する面89bと平行に対向面89cが設けられ、内周側には断面円形状の開口部89aが設けられた円筒状の部材である。そして中間部材89の外周側には、ピストンに相当するフランジ部90を境にして両側にロッドに相当する小径部91,91がそれぞれ同じ直径に形成されている。そして中間部材89のフランジ部90は、貫通孔83aの大径孔83bに摺動可能に挿通される直径であり、小径部91は、貫通孔83aの小径孔83cに摺動可能に挿通される直径となっている。なお前記中間部材89の上下に設けられた小径部91,91の直径は、前記当接する面89bと前記対向面89cとの面積比において、いずれか一方がいずれか他方の1.25倍以内となるように設けることが望ましい。
【0028】
そして中間部材89については、ケース板83およびシャッタ部材85の上方から中間部材89を挿入した際に、当接する面89bがシャッタ部材85の上面に当接した際に、対向面89cがケース板83の上面83dと同じ高さとなるよう設計されている。そして本体部材82の一部であるリング体88のケース板83の上面83dに取付けられる側には、リング状の突出部88bが形成されている。前記突出部88bは、内側が中間部材89の小径部91の外周と摺動可能に挿通される直径であり、外側がケース板83の貫通孔83aの大径孔83bと摺動可能に挿通される直径のリング状の突起であり、一定高さ(1mm〜5mm程度)に形成され、ケース板83の貫通孔83aの大径孔83b内に隙間無くはめ込まれている。そして中間部材89のフランジ部90の一方の面側(上面側)には、対向面89cとは別に設けられたフランジ部90の上面である押圧面90a、前記リング体88の突出部88bの下面、貫通孔83aの大径孔83bの内周面、および中間部材89の小径部90の外周面に囲まれて第1の空気室92が形成されるようになっている。
【0029】
そして前記第1の空気室92は、ケース板83に形成された連通路93を介して、エア供給源への管路95に接続されている。なお連通路93についてはリング体88内を介して設けてもよい。また中間部材89のフランジ部90の他方の面側(下面側)には、フランジ部90の下面、貫通孔83aの大径孔83bの底面、大径孔83bの内周面、および中間部材89の小径部91の外周面に囲まれて第2の空気室94が形成されるようになっている。従って換言すれば前記構造は、リング体88、ケース板83などの本体部材82がシリンダ筒に相当し、中間部材89がピストンとロッドに相当する押圧手段としてのエアシリンダを構成している。なお図9に示される第4の実施形態では第2の空気室94には連通路が形成されていない。
【0030】
そして前記管路95には空気圧を大気圧以上に制御するレギュレータ96や切換弁97、空気圧供給装置であるポンプ98またはファン、および図示しないフィルタ等が設けられている。低圧精密制御タイプであるレギュレータ96は、0.2MPa〜0.01MPaの範囲内(大気圧+0.2MPa〜0.01MPa)に低圧エアを設定可能なものが取付けられ、制御された空気を第1の空気室92に送り、対向面89cとは別に設けられた押圧面90aを押圧することにより、中間部材89のシャッタ部材85に当接する面89bをシャッタ部材85の面に向けて押圧するものである。従ってシャッタ部材85と中間部材89の間の摩擦抵抗を最適な値にすることができる。
【0031】
また本発明では次の各所にOリング等からなるシール部材が挿入されている。筒体87とリング体88の間のリング体88側には、Oリング99が設けられ、リング体88とケース板83の間のケース板83表面側にはOリング100が設けられ、中間部材89の外側の小径部91とリング体88の突出部88bの間の中間部材89側にはOリング101が設けられ、中間部材89のフランジ部90とケース板83の大径孔83bとの間の中間部材89側にはOリング102がそれぞれ形成された凹溝内に表面から突出するように設けられている。また本実施形態ではケース板83で囲まれたケース内は厳密なシールがされておらず、後述する演算式でもケース内は常圧と倣している。
【0032】
従って特に請求項6との関連において特筆すべきは、前記Oリング101よりも開口部89a側のリング体88の面と中間部材89の対向面89cの間隙部分は、開口部89a内と同一気圧で連通されている点である。本実施形態では小径部91の外周面にOリング101が設けられており、一方と他方の小径部91は同一直径であるから、中間部材89におけるシャッタ部材85に当接する面89bと対向面89cの同一気圧で連通される部分の面積は同一である。しかし小径部91,91の直径をそれぞれ変更して、当接する面89bと対向面89cの面積を、いずれか一方がいずれか他方の1.25倍以内の範囲で異なるようにしてもよい。またOリング等のシール部材を設ける位置は、対向面89c上やリング体88側でもよい。そして対向面89cまたはリング体88の面にシール部材を設ける場合、シャッタ部材85に当接する面89bの面積に対するOリング101等のシール部材よりも内側の対向面89cの面積を、いずれか一方がいずれか他方の1.25倍以内の範囲で異なるようにしてもよい。なおシャッタ部材85に対して下方となる本体部材82のリング体88およびケース板83に嵌め込まれる中間部材89等からなる押圧手段については、上下が逆ではあるが基本的な構造は同じであるので説明を省略する。
【0033】
次に、材料供給装置13とシャッタ装置81の作動について説明する。本実施形態のシャッタ装置81は、上部のシャッタ装置および下部のシャッタ装置として用いられるが、特に中間筒体19内および下部筒体20内が真空となる下部のシャッタ装置(図2においてはシャッタ装置26)として用いると効果が大きい。先の図1に示される材料供給装置13と同様に、材料供給装置13にシャッタ装置81を用いた場合の作動は、(1)上部のシャッタ装置81を開放し、上部筒体18内の成形材料Mを、中間筒体19内の中間室53に落下させる(この際、上部筒体18内と中間筒体19内は共に大気圧の状態でシャッタ装置81の開放がされるが、下部のシャッタ装置81は閉鎖されている。)。(2)上部のシャッタ装置81を閉鎖する。(3)成形材料Mが供給された中間筒体19内を真空吸引して真空状態とする。(4)下部のシャッタ装置81を開放し、真空状態の中間筒体19内の成形材料Mを、同じく真空状態の下部筒体20内に落下させる。(5)下部のシャッタ装置81を閉鎖する。(6)中間筒体19内を真空破壊して大気圧に戻す。という順で次に再び(1)の上部のシャッタ装置81の開放が行われる。
【0034】
本実施形態では、シャッタ装置81が下部のシャッタ装置として取付けられている場合について、シャッタ部材85の上部(中間筒体19内)が大気圧あって、下部(下部筒体20内)が真空の場合と、シャッタ装置81の上部(中間筒体19内)および下部(下部筒体20内)が真空(−98kPa)の場合で中間部材89のシャッタ部材85への押圧力を略等しくすることができる。
【0035】
この点について図6に示される更に別の実施形態のシャッタ装置71との比較において説明する。図6の例では中間部材74のシャッタ部材73と当接する面74bの面積0.0074mに対して、上面(または下面)のリング体と対向する部分の面積0.0016mと通孔の面積0.0028mを加えた面積0.0044mとの間には0.0030mの面積差があり、その面積差が中間部材74のフランジ部74cの平面74e(押圧面)の面積となっている。従って空気室内に大気圧+0.01MPaの圧力を加えて中間部材74によりシャッタ部材73に押圧力を及ぼす場合について考えると、上部が大気圧であって下部が真空(3,330Pa)の場合は、シャッタ部材73と中間部材74の当接する面の間隙、中間部材74と図示しないリング体の間の間隙はいずれも大気圧に連通される空間と倣されるから、次の計算式1が成り立つ。
【0036】
シャッタ部材に向けて中間部材に働く全押圧力・・・A
0.0030m(空気室の押圧面の有効面積)×(10,000Pa(押圧力)+101,325Pa(大気圧))+0.0016m(リング体と対向する部分の面積)×101,325Pa=496N(小数点以下四捨五入)
リング体に向けて中間部材に働く力・・・B
0.0046m(シャッタ部材と中間部材の当接面積)×101,325Pa(大気圧)=466N(小数点以下四捨五入)
上部が大気圧で下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力・・・C=A−B
496−466=30N
(従って実際には中間部材のリング体との対向面に対して及ぼされる大気圧は相殺される。)
【0037】
次に空気室75内の圧力は前記と同じ大気圧+0.01MPaであり、上部および下部が真空(3,330Pa)の場合は、次の計算式2が成り立つ。
【0038】
シャッタ部材に向けて中間部材に働く全押圧力・・・D
0.0030m(空気室の押圧面の有効面積)×(10,000Pa+101,325Pa)+0.0016m(リング体と対向する部分の面積)×3,330Pa(真空圧)=339N(小数点以下四捨五入)
リング体に向けて中間部材に働く力・・・E
0.0046m(シャッタ部材と中間部材の当接面積)×3,330Pa(真空圧)=15N(小数点以下四捨五入)
上部および下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力・・・F=D−E
339−15=324N
【0039】
従って図6に示される実施形態では上部が大気圧で下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力Cと、上部および下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力Fとでは、押圧力に大きな差が発生していることになる。
【0040】
次に図9に示される実施形態のシャッタ装置81について同様に検証する。図9の例では中間部材89がシャッタ部材85に当接する面89bの面積と、中間部材89がリング体88に対向する対向面89cの面積は、共に0.0046mであり面積差はない。また第1の空気室92の押圧面90aの有効面積は、図6の例と同じく0.0030mである。従って第1の空気室92の押圧面90aに大気圧+0.01MPaの圧力を加えて中間部材89によりシャッタ部材85を押圧する場合について、前記と同様に上部が大気圧であって下部が真空(3,330Pa)の場合は、シャッタ部材85と中間部材89の当接する面89bの間隙、中間部材89とリング体88の間の間隙はいずれも大気圧に連通される空間と倣されるから、次の計算式3が成り立つ。
【0041】
シャッタ部材に向けて中間部材に働く全押圧力・・・G
0.0030m(空気室の押圧面の有効面積)×(10,000Pa(押圧力)+101,325Pa(大気圧))+0.0046m(リング体と対向する部分の面積)×101,325Pa=800N(小数点以下四捨五入)
リング体に向けて中間部材に働く力・・・H
0.0046m(シャッタ部材と中間部材の当接面積)×101,325Pa(大気圧)=466N(小数点以下四捨五入)
上部が大気圧で下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力・・・I=G−H
800−466=334N
(従って実際には中間部材の上下の面に対してそれぞれ及ぼされる大気圧は相殺される。)
【0042】
次に第1の空気室92内の圧力は前記と同じ大気圧+0.01MPaであり、上部および下部が真空(3,330Pa)の場合は、次の計算式4が成り立つ。
【0043】
シャッタ部材に向けて中間部材に働く全押圧力・・・J
0.0030m(空気室の押圧面の有効面積)×(10,000Pa+101,325Pa)+0.0046m(リング体と対向する部分の面積)×3,330Pa(真空圧)=349N(小数点以下四捨五入)
リング体に向けて中間部材に働く力・・・K
0.0046m(シャッタ部材と中間部材の当接面積)×3,330Pa(真空圧)=15N(小数点以下四捨五入)
上部および下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力・・・L=J−K
349−15=334N
【0044】
従って図9に示される実施形態では上部が大気圧で下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力Iと、上部および下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力Lとでは、計算上、押圧力は等しいことになる。従ってレギュレータ96の設定値を最適に設定することにより、シャッタ部材85と中間部材89との間の摺動やシールに最も適した押圧力に設定することができる。なおシャッタ部材85の上下面とも同様に押圧力が制御される。
【0045】
また図9に示される実施形態のシャッタ装置81は、前記当接する面89bと対向面89cの開口部88a内の同一気圧で連通されている面が異なる場合について前記と同様に検証する。中間部材89がシャッタ部材85に当接する面の面積が中間部材89の対向面89cの面積の1.25倍とする場合、前記当接する面89bの面積を0.0046mとすると、前記対向面89cの面積は、0.00368mとなる。ただしOリング101は小径部91の外周面にあり対向面89c全体が開口部89a内と連通されているものとする。また当接する面89bと対向面89cの面積には差がないが、対向面89cの上面にOリング101が設けられ、当接する面89bに対して、対向面89cにおける開口部内の同一気圧で連通されている面(Oリング101より内側の面)の面積比が1.25倍の場合も同様である。そしてこの場合も第1の空気室92の押圧面90aには大気圧に加えて0.01MPaの圧力が加えられているものとする。次に計算式5を示す。
【0046】
シャッタ部材に向けて中間部材に働く全押圧力・・・M
0.0030m(空気室の押圧面の有効面積)×(10,000Pa(押圧力)+101,325Pa(大気圧))+0.00368m(リング体と対向する部分の面積)×101,325Pa=707N(小数点以下四捨五入)
リング体に向けて中間部材に働く力・・・N
0.0046m(シャッタ部材と中間部材の当接面積)×101,325Pa(大気圧)=466N(小数点以下四捨五入)
上部が大気圧で下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力・・・O=M−N
707−466=241N
(従って実際には中間部材の上下の面に対して及ぶ大気圧は相殺される。)
【0047】
次に前記面同士の面積比が前記1.25倍であって、空気室内の圧力は前記と同じ大気圧+0.01MPaであり、上部および下部が真空(3,330Pa)の場合は、次の計算式6が成り立つ。
【0048】
シャッタ部材に向けて中間部材に働く全押圧力・・・P
0.0030m(空気室の押圧面の有効面積)×(10,000Pa+101,325Pa)+0.00368m(リング体と対向する部分の面積)×3,330Pa(真空圧)=346N(小数点以下四捨五入)
リング体に向けて中間部材に働く力・・・Q
0.0046m(シャッタ部材と中間部材の当接面積)×3,330Pa(真空圧)=15N(小数点以下四捨五入)
上部および下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力・・・R=P−Q
346−15=331N
【0049】
上記のように上部および下部が真空の場合のシャッタ部材に向けて実際に中間部材に働く押圧力Rは、上部が大気圧で下部が真空の場合の実際にシャッタに向けて働く押圧力Oの1.37倍(以下四捨五入)となる。このシャッタ部材85の両側の気圧差が同じ場合と異なる場合で前記中間部材89によるシャッタ部材85の押圧力が1.4倍以内に納まるようにすることが許容される範囲内であると言える。なお上記の計算式1ないし計算式6については、真空度が−98kPaの例により計算したが実際の真空度は、真空ポンプの能力や射出成形機の加熱筒からのリークにより異なり、大気圧についても日々異なる。そして前記真空度や大気圧が相違すれば前記計算式による押圧力は異なるから、前記中間部材89の当接する面と対向面89c(開口部89aに連通する面)の比と、前記中間部材89によるシャッタ部材85の押圧力の比は理論通りには対応しない。
【0050】
ただし前記の当接する面89bと対向面89c(開口部に連通する面)の面積同士が等しい場合、或いは異なっている場合の両方において、上部が大気圧で下部が真空の場合と上部および下部が真空の場合で、第1の空気室92へ送る気圧を変化させて、中間部材89がシャッタ部材85に当接する押圧力を調整するようにしてもよい。そして前記押圧力を強めることにより、シャッタ部材85は、載置板86に強く押し当てられる。
【0051】
次に図10に示される第5の実施形態のシャッタ装置111について説明する。第5の実施形態のシャッタ装置111の説明では、第4の実施形態と同一符号は同様の部分または相当する部分に付すものとして説明を省略し、相違点を中心に説明する。第5の実施形態は、第4の実施形態の第2の空気室94に相当する第2の空気室112にも連通路113を形成し、前記第2の空気室112へ低圧気体を送るようにしたことを特徴とするものである。そして中間部材89のシャッタ部材85側の小径部91にはシール部材であるOリング117が設けられ第2の空気室112を密閉している。また第1の空気室92と第2の空気室112は、別の管路95,114を介して別のレギュレータ96,115に接続されている。そしてレギュレータ96,115は、分配弁116を介してポンプ98に接続されている。第5の実施形態では、前記構成を取ることにより、更に最適な圧力で中間部材89をシャッタ部材85に押圧させ当接させることができる。なお図10においては、上側のケース板83の下面にもガイド板118を配設し、シャッタ部材85が載置板86とガイド板118とに挟まれて摺動される形とすることにより更にシャッタ部材85の上下動を防止している。なお載置板86やガイド板118には自己潤滑タイプの樹脂が好適に用いられる。
【0052】
本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を付加して実施することができる。シャッタ装置の本体部材は、気密構造体の外殻部の一部であってもよい。またシャッタ装置のシャッタ部材は、往復運動するもの以外に一点を中心に平板が回転運動をするものでもよい。そしてまたシャッタ部材が、縦方向や斜め方向に移動するものでもよい。更にシャッタ装置の開口部は、円形に限定されず矩形その他の形状でもよい。シャッタ装置の本体部材と中間部材とからなるシリンダの形状は、図6ないし図10の実施の形態に限定されず、更に種々の形状のものが想定される。更にまた本発明のシャッタ装置が取付けられる気密構造体としては、射出成形機の他、押出機、混練機等でもよく、更には、プレス装置、ラミネータ装置、半導体製造装置、蒸膜装置などの真空室と外部との開口部に、本発明のシャッタ装置を設けてもよい。そしてまた気密構造体としては、真空構造体の他に、ガスや蒸気等の流体が構造体内に封入されたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施形態のシャッタ装置が取付けられた射出装置の断面図である。
【図2】本実施形態のシャッタ装置の断面図である。
【図3】図2におけるA―A線における水平断面図である。
【図4】別の実施形態のシャッタ装置の断面図であって、シャッタが開の状態を示す図である。
【図5】別の実施形態のシャッタ装置の断面図であって、シャッタが閉の状態を示す図である。
【図6】更に別の実施形態のシャッタ装置の断面図であって、シャッタが開の状態を示す図である。
【図7】更に別の実施形態のシャッタ装置の断面図であって、シャッタが開閉する際の状態を示す図である。
【図8】更に別の実施形態のシャッタ装置の断面図であって、シャッタが閉の状態を示す図である。
【図9】第4の実施形態のシャッタ装置の断面図であって、シャッタが開の状態を示す図である。
【図10】第5の実施形態のシャッタ装置の断面図であって、シャッタが開の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
11 射出装置
13 材料供給装置(気密構造体)
15 加熱筒(気密構造体)
24a,41a,47a,64a,88a,89a 開口部
25,26,61,71,81,111 シャッタ装置
41,62,72,82 本体部材
42,63,73,85 シャッタ部材
42b,63b,73b,85b 面(シャッタ部材の面)
47,64,74,89 中間部材
47b,64b,74b,89b 面(中間部材の面)
50,66 バネ(押圧手段)
51,65,76 Oリング(押圧手段)
75,92,94,112 空気室(押圧手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉するシャッタ部材が備えられた気密構造体のシャッタ装置において、
本体部材とシャッタ部材との間に設けられる中間部材と、
前記中間部材に対して摺動自在に当接されるシャッタ部材と、
前記中間部材と本体部材との間に設けられ該中間部材を該シャッタ部材に向けて押圧する押圧手段と、が備えられたことを特徴とする気密構造体のシャッタ装置。
【請求項2】
射出成形機の射出装置の材料供給装置に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の気密構造体のシャッタ装置。
【請求項3】
前記押圧手段とは別に、中間部材と本体部材との間にはシール部材が備えられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気密構造体のシャッタ装置。
【請求項4】
流体圧または弾発部材により前記中間部材を前記シャッタ部材に向けて押圧する押圧手段が備えられたことを特徴とする請求項3に記載の気密構造体のシャッタ装置。
【請求項5】
前記中間部材は、シャッタ部材に当接する面と、前記当接する面の反対側に設けられ本体部材と対向する対向面と、成形材料が通過する開口部とを備え、前記当接する面および対向面とは別に押圧面が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の気密構造体のシャッタ装置。
【請求項6】
前記当接する面と対向面の開口部内の同一気圧で連通されている面の面積比は1.25倍以内とすることを特徴とする請求項5に記載の気密構造体のシャッタ装置。
【請求項7】
前記中間部材の押圧手段は、レギュレータにより制御された大気圧以上の低圧エアを前記押圧面に及ぼすことにより前記中間部材の当接する面を、シャッタ部材に向けて押圧させることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の気密構造体のシャッタ装置。
【請求項8】
開口部を開閉するシャッタ部材が備えられた気密構造体のシャッタ装置の作動方法において、
本体部材とシャッタ部材との間に設けられる中間部材と、
前記中間部材に対して摺動自在に当接されるシャッタ部材とが設けられ、
シャッタ部材の両側の気圧差が同じ場合と異なる場合で前記中間部材によるシャッタ部材の押圧力が1.4倍以内に納まるようにすることを特徴とする気密構造体のシャッタ装置の作動方法。
【請求項9】
開口部を開閉するシャッタ部材が備えられた気密構造体のシャッタ装置の作動方法において、
本体部材とシャッタ部材との間に設けられる中間部材と、
前記中間部材に対して摺動自在に当接されるシャッタ部材とが設けられ、
前記中間部材を該シャッタ部材に向けてレギュレータにより制御された大気圧以上の低圧エアにより押圧することを特徴とする気密構造体のシャッタ装置の作動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−42651(P2010−42651A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258068(P2008−258068)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000155159)株式会社名機製作所 (255)
【Fターム(参考)】