説明

水中油型日焼け止め化粧料

【課題】低粘度でありながら、経時での分離がなく安定性に優れ、肌なじみがよく、さっぱりとしたみずみずしい感触を有する水中油型の日焼け止め化粧料の提供。
【解決手段】(a)水溶性高分子、(b)HLB8以下の非イオン性界面活性剤、(c)アニオン性界面活性剤、(d)油溶性紫外線吸収剤及び(e)多価アルコールを含有し、25℃における見かけ粘度が、せん断速度1.0s−1において10000mPa・s以下である水中油型日焼け止め化粧料。好ましくは(f)水溶性紫外線吸収剤を更に含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中油型日焼け止め化粧料に関し、詳細には、経時での安定性に優れ、感触が良好で低粘度の水中油型日焼け止め化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、日焼け止め化粧料には、皮膚への紫外線照射を遮断するために、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤(酸化亜鉛、二酸化チタン等)が配合されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。かかる日焼け止め化粧料のタイプとしては、油中水型乳化タイプ、水中油型乳化タイプ、油性固型タイプ等、種々挙げられる。さっぱりとしたみずみずしい感触を得るには、特許文献1〜2に示される水中油型乳化タイプのものが好適に用いられる。また一般的に粘度の低い製品の方が、肌なじみがよく、さっぱりとしたみずみずしい感触を得るのに適していることから、低粘度の製品が求められている。しかしながら、油溶性紫外線吸収剤を含有する水中油型乳化化粧料の場合、低粘度で安定に乳化するのが困難となる。また、経時での安定性を確保するために乳化剤を多量に用いると、乾き際にべたつき感が生じる等使用感が悪くなる場合がある。逆に、乳化剤が少ない場合には、経時での分離などの問題が発生し、品質上好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−255669号公報
【特許文献2】特許第4167285号公報
【特許文献3】特許第4245831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、経時での分離がないなど安定性に優れ、低粘度で、且つ、肌なじみがよくさっぱりとしたみずみずしい感触を有する水中油型の日焼け止め化粧料の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような事情に鑑み、本発明者は上記欠点を克服すべく鋭意研究を行った結果、油溶性紫外線吸収剤を含有する水中油型日焼け止め化粧料において、水溶性高分子、HLB8以下の非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び多価アルコールを配合することにより、低粘度であり、肌なじみがよくさっぱりとしたみずみずしい感触を有し、且つ、経時での安定性に優れた水中油型日焼け止め化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、(a)水溶性高分子、(b)HLB8以下の非イオン性界面活性剤、(c)アニオン性界面活性剤、(d)油溶性紫外線吸収剤及び(e)多価アルコールを含有し、25℃における見かけ粘度が、せん断速度1.0s−1において10000mPa・s以下であることを特徴とする水中油型日焼け止め化粧料である。上記(a)水溶性高分子は、アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はキサンタンガムが好ましい。上記(b)HLB8以下の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリル及び/又はポリオキシエチレン(2)オレイルエーテルが好ましい。本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、更に成分(f)水溶性紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、低粘度でありながら、経時での安定性に優れ、且つ、肌なじみがよくさっぱりとしたみずみずしい感触で、べたつきがないなどの優れた効果を有するものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の構成について説明する。本発明に用いられる成分(a)の水溶性高分子としては、例えばカルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、アラビアガム、アルギン酸又はその塩、カラギーナン、寒天、グアーガム、クインスシード、タマリンドガム、デキストリン、デキストラン、デンプン、ローカストビーンガム、カラヤガム、トラガカントガム、ペクチン、マルメロ、キトサン、キサンタンガム、ジェランガム、ヒアルロン酸又はその塩、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0009】
これらの成分(a)水溶性高分子は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、キサンタンガム、ヒアルロン酸又はその塩、メチルセルロース及びポリアクリル酸アミドからなる群より選択される1種単独又は2種以上を組み合わせて用いる。アルキル変性カルボキシビニルポリマー及びキサンタンガムは感触に優れているため特に好ましい。成分(a)水溶性高分子の配合量は、特に限定されるものではないが、水中油型日焼け止め化粧料の総量を基準として、0.01〜3質量%(以下%と略す)が好ましく、更に好ましくは0.05〜1%である。
【0010】
本発明に用いられる成分(b)のHLB8以下の非イオン性界面活性剤は、肌なじみに優れ、成分(d)油溶性紫外線吸収剤を含む油剤を均一に細かく乳化し、その乳化滴を安定に保つ目的のため用いるものである。
【0011】
成分(b)HLB8以下の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリル、ポリオキシエチレン(20)トリオレイン酸グリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル;パルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(5)硬化ひまし油、ポリオキシエチレン(10)硬化ひまし油などのポリオキシエチレン硬化ひまし油;ポリオキシエチレン(5)コレステリルエーテルなどのポリオキシエチレンコレステリルエーテル;モノステアリン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン(5)オクチルドデエシルエーテルなどのポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル;ポリオキシエチレン(10)トリステアリン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンなどのポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステル等が挙げられる。好ましくはポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル及びポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテルポリオキシエチレン(10)硬化ひまし油である。特に好ましいのはポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリル及びポリオキシエチレン(2)オレイルエーテルである。これらの成分(b)HLB8以下の非イオン性界面活性剤は、1種単独又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0012】
成分(b)HLB8以下の非イオン性界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、水中油型日焼け止め化粧料の総量を基準として、好ましくは0.01〜5%である。特に均一で細かい乳化滴及びその安定性を得たり、経時での粘度上昇を抑えたりするためには、0.05〜2%が更に好ましい。
【0013】
本発明に用いられる成分(c)のアニオン性界面活性剤としては、例えばステアリン酸、パルミチン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩及びN−アシルアミノ酸塩である。特に好ましいのはポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩である。これらの成分(c)アニオン性界面活性剤は1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
成分(c)アニオン性界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、水中油型日焼け止め化粧料の総量を基準として、好ましくは0.01〜5%である。特に均一で細かい乳化滴及びその安定性を得たり、経時での粘度上昇を抑えたりするためには、0.05〜2%が更に好ましい。
【0015】
本発明に用いられる成分(d)の油溶性紫外線吸収剤は、紫外線防御効果を目的に配合されるものであり、通常の化粧料に用いられる油溶性紫外線吸収剤であれば限定されない。例えばパラジメチル安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、サリチル酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アリニノ]−1,3,5−トリアジン、オクトクリレン、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、ビスエチルへキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等が挙げられる。好ましくは、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アリニノ]−1,3,5−トリアジン、オクトクリレン、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ジメチコジエチルベンザルマロネート及びビスエチルへキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンである。更に好ましくは、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アリニノ]−1,3,5−トリアジン、オクトクリレン及び4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンである。これらの成分(d)油溶性紫外線吸収剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(d)油溶性紫外線吸収剤の配合量は、特に限定されるものではないが、水中油型日焼け止め化粧料の総量を基準として、好ましくは1〜15%である。特に優れた紫外線防御効果を得るためには、5〜15%が更に好ましい。
【0016】
本発明に用いられる成分(e)の多価アルコールとしては、例えばジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルチトール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリオキシエチレンメチルグルコシ
ドが挙げられる。ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール及びマルチトールは乳化粒子の均一性に優れ、経時安定性が向上するため、特に好ましい。これらの成分(e)多価アルコールは、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
成分(e)多価アルコールの配合量は、特に限定されるものではないが、水中油型日焼け止め化粧料の総量を基準として、0.1〜40%が好ましく、更に好ましくは10〜20%である。0.1%未満では乳化粒子にばらつきが生じる場合があり、また40%を超えて配合すると、経時安定性が不十分な場合がある。
【0018】
本発明に好適に用いられる成分(f)の水溶性紫外線吸収剤は、紫外線防御効果を更に向上させる目的として用いられるものである。成分(f)水溶性紫外線吸収剤は、通常の化粧料に用いられる水溶性紫外線吸収剤であれば限定されない。例えばウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びこれらの塩が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びこれらの塩である。更に好ましくは、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びこれらの塩である。これらの成分(f)水溶性紫外線吸収剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(f)水溶性紫外線吸収剤の配合量は、特に限定されるものではないが、水中油型日焼け止め化粧料の総量を基準として、好ましくは0.5〜5%である。特に優れた紫外線防御効果を得るためには、1〜3%が更に好ましい。
【0019】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料における見かけ粘度は、例えばアントンパール(Anton Paar)社製レオメーター(Physica MCR301)にて測定する。測定治具としてはコーン・プレート型(直径50mm)を用いる。測定したときに、温度25℃、せん断速度1.0s−1にて一定となった値を見かけ粘度とする。本発明の水中油型日焼け止め化粧料において、肌なじみがよくさっぱりとした、みずみずしい感触を得るのに適していることから見かけ粘度は10000mPa・s以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、上述した成分のほかに、本発明の目的を損なわない範囲で、他の成分を配合できる。例えばセタノール、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類、ステアリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸等の脂肪酸類、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、コレステロール、フィトステロール等のステロール類、分岐脂肪酸コレステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステロールエステル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステロールエステル等のステロール脂肪酸エステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類、ミツロウ、モクロウ、カルナバロウ等のロウ類、米糠油、オリーブ油、大豆油、米胚芽油、ホホバ油、ヒマシ油、紅花油、ヒマワリ油、オリーブ油、マカデミアナッツ油等の油脂類、成分(b)以外の非イオン性界面活性剤、成分(c)以外のアニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型等の両性界面活性剤、レシチン、水素添加レシチン、リゾフォスファチジルコリン、セラミド、セレブロシド等の天然系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤、カミツレ
、センブリ、アロエ、モモ、カロット、スギナ、クワ、桃の葉、セージ、ビワ葉、キュウカンバー、セイヨウキズタ、ハイビスカス、ウコン、ローズマリー、オウゴン、チョウジ、フェンネル、プルーン、甘草等の植物エキス、ビタミンA類、B類、C類、E類等のビタミン類、酸化防止剤、防腐剤、消炎剤、香料等の通常化粧料に配合される他の成分を適宜配合することが可能である。
【実施例】
【0021】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、配合量は全て質量%である。
【0022】
実施例1〜10および比較例1〜5:日焼け止め化粧料
表1に示す組成および下記製法にて日焼け止め化粧料を調製し、粘度、経時安定性、及び使用感(のび、肌なじみ、さっぱり感)に関して評価を行った。
【0023】
【表1】

【0024】
(調製製法)
A:成分(1)〜(6)を70℃で加熱溶解する。
B:成分(7)〜(9)を混合する。
C:成分(10)〜(17)を混合溶解、膨潤する。
D:AにBを加え、予備乳化し、室温まで冷却する。
E:CにDを加え、乳化し、日焼け止め化粧料を得た。
【0025】
<粘度評価方法>
アントンパール(Anton Paar)社製レオメーター(Physica MCR301)にて、測定治具とし
てコーン・プレート型(直径50mm)を用い、測定温度25℃、せん断速度1.0s−1において粘度測定を行い、一定となった値を粘度値とした。
(評価) (判定)
10000 mPa・s以下 :○
10000 mPa・sを超える :×
【0026】
<経時安定性評価方法>
試料を0℃、30℃、45℃の恒温槽に保管し、下記基準により安定性を評価した。
[評価]
◎:分離又は粘度変化することなく安定であるのが、6ヶ月以上であった。
○:分離又は粘度変化することなく安定であるのが、1ヶ月以上、6ヶ月未満であった。△:分離又は粘度変化することなく安定であるのが、2週間以上、1ヶ月未満であった。×:分離又は粘度変化することなく安定であるのが、2週間未満であった。
【0027】
<使用感評価方法>
専門評価パネラー20名により、のび、肌なじみ、さっぱり感について5段階評価し、更にその平均点から下記基準により判定した。
5段階評価
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
判定
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上4.5点未満
△:平均点が2.5点以上3.5点未満
×:平均点が2.5点未満
【0028】
表1からも明らかなように、本発明に係る実施例の水中油型日焼け止め化粧料は、比較例の水中油型日焼け止め化粧料と比較して、粘度、経時安定性及び使用感において優れたものであった。
【0029】
実施例11
下記に示す成分及び常法に従い、水中油型日焼け止め化粧料を調製した。該水中油型日焼け止め化粧料は、粘度、経時安定性及び使用感に優れたものであった。
成分名 配合量(質量%)
(1)エタノール 9.0
(2)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8.0
(3)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1.0
(4)ポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリル 0.5
(5)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩 0.5
(6)微粒子酸化チタン 5.3
(7)酸化亜鉛 5.2
(8)メチルシクロポリシロキサン 8.0
(9)ジメチルポリシロキサン 5.0
(10)キサンタンガム 0.1
(11)ソルビトール 10.0
(12)精製水 残 量
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 100.0
【0030】
実施例12
下記に示す成分及び常法に従い、水中油型日焼け止め化粧料を調製した。該水中油型日焼け止め化粧料は、粘度、経時安定性及び使用感に優れたものであった。
成分名 配合量(質量%)
(1)エタノール 9.0
(2)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8.0
(3)4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1.0
(4)ポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリル 0.5
(5)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩 0.5
(6)フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 3.0
(7)ソルビトール 10.0
(8)マルチトール 3.0
(9)ジイソプロパノールアミン 適 量
(10)水酸化カリウム 適 量
(11)カルボキシビニルポリマー 0.1
(12)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.1
(13)キサンタンガム 0.1
(14)エデト酸二ナトリウム 0.04
(15)精製水 残 量
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 100.0
【0031】
実施例13
下記に示す成分及び常法に従い、水中油型日焼け止め美白化粧料を調製した。該水中油型日焼け止め美白化粧料は、粘度、経時安定性及び使用感に優れたものであった。
成分名 配合量(質量%)
(1)エタノール 9.0
(2)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8.0
(3)4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1.0
(4)ポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリル 0.5
(5)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩 0.5
(6)メチルフェニルポリシロキサン 3.0
(7)メチルシクロポリシロキサン 3.0
(8)ミリスチン酸オクチルドデシル 3.0
(9)アスコルビン酸グルコシド 2.0
(10)グリセリン 10.0
(11)ポリエチレングリコール1000 1.0
(12)ソルビトール 3.0
(13)マルチトール 3.0
(14)ジイソプロパノールアミン 適 量
(15)水酸化カリウム 適 量
(16)カルボキシビニルポリマー 0.1
(17)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.1
(18)キサンタンガム 0.1
(19)エデト酸二ナトリウム 0.04
(20)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(21)精製水 残 量
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 100.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水溶性高分子、(b)HLB8以下の非イオン性界面活性剤、(c)アニオン性界面活性剤、(d)油溶性紫外線吸収剤及び(e)多価アルコールを含有し、25℃における見かけ粘度が、せん断速度1.0s−1において10000mPa・s以下であることを特徴とする水中油型日焼け止め化粧料。
【請求項2】
(a)水溶性高分子が、アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はキサンタンガムである請求項1記載の水中油型日焼け止め化粧料。
【請求項3】
(b)HLB8以下の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリル及び/又はポリオキシエチレン(2)オレイルエーテルである請求項1又は2記載の水中油型日焼け止め化粧料。
【請求項4】
更に成分(f)水溶性紫外線吸収剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型日焼け止め化粧料。

【公開番号】特開2011−195478(P2011−195478A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62183(P2010−62183)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】