説明

水処理方法および水処理装置

【課題】経済的に飼育水中のアンモニア性窒素濃度を低減できて、処理する水が生き物の飼育水である場合、その生き物の飼育水の浄化およびその飼育水の透明度を向上させることができる水処理方法および水処理装置を提供すること。
【解決手段】飼育水槽1内に生き物の飼育に使用する飼育水を充填した上で、飼育水槽1内に設置されたマイクロナノバブル発生機15からマイクロナノバブルを発生する。飼育水にマイクロナノバブルを含有させてなるマイクロナノバブル含有飼育水を、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物20に接触させた後、濾過装置に導入する。濾過装置を通過したマイクロナノバブル含有飼育水を、飼育水槽1に再度導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理方法および水処理装置に関し、特に、水族館のような生き物の飼育施設において、魚類や貝類など生き物の飼育に使用する飼育水の処理方法および飼育水処理装置に関する。また、本発明は、特に、水にマイクロナノバブルを効率的に発生させて、マイクロナノバブル含有飼育水を作製して、生き物にとって不必要なサイズのマイクロバブルは充填材に繁殖した微生物で処理し、生き物を効果的に飼育することができる水処理方法および水処理装置に関する。また、本発明は、特に、マイクロナノバブルを含有し生き物を飼育した後の飼育水を、重力式濾過槽に導入して、濾過槽に繁殖している亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物を活性化し、魚にとって有害なアンモニア性窒素の微生物処理効率を格段に高めて、水処理装置のコンパクト化および処理水質の向上が可能な水処理方法および水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水族館などの飼育水の水処理装置は、重力式濾過槽や急速式濾過機が大部分を占めている。従来の重力式濾過槽では、主として濾過材に砂を用い、生き物から排出されるアンモニア性窒素を亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物を繁殖させて、酸化処理している。
【0003】
ここで、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物を繁殖させるためには、広い面積の濾過槽が必要である。また、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌を常に繁殖させるためには、飼育水槽と濾過槽の間の飼育水を、1日24時間連続して循環して、濾過槽に繁殖している亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの好気性の微生物に酸素を供給する必要がある。
【0004】
しかしながら、効率的に亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物を効率的に繁殖させる技術は、いまだに確立されていないという問題がある。
【0005】
さて、従来、ナノバブルを利用した方法および装置としては、特開2004−121962号公報に記載されているものがある。
【0006】
この技術は、ナノバブルが有する浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、静電分極の実現による界面活性作用と殺菌作用などの特性を活用したものである。より具体的には、それらが相互に関連することによって、汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能、殺菌機能によって各種物体を高機能、低環境負荷で洗浄して、汚濁水の浄化を行うようにしている。従来技術では、飼育水中のアンモニア性窒素濃度の低減と透明度向上を図るため、循環ポンプが、24時間たえず運転することが必要不可欠になっている。
【0007】
ここで、上記従来技術では、循環ポンプが、現状24時間たえず運転しているから、装置の運転コストが高いという問題がある。一方、循環ポンプの運転時間を短縮すると、飼育水中の問題がないアンモニア性窒素濃度の維持および透明度の維持を実現しにくいという問題がある。
【0008】
また、本発明者が見い出したものであるが、従来技術のマイクロナノバブル発生機を、展示水槽の中に設置すると、魚種によっては、マイクロバブルが魚のえらの部分に付着して、魚が弱る場合があるという問題がある。
【0009】
従来、他のマイクロナノバブルを使用した技術としては、特開2003−334548号公報に記載されたナノ気泡の生成方法がある。
【0010】
この技術は、液体中において液体の一部を分解ガス化する工程、液体中で超音波を印加する工程または液体の一部を分解ガス化する工程、および、超音波を印加する工程から構成されている。
【0011】
また、従来、他のマイクロナノバブルを使用した技術としては、特開2004−321959号公報に記載されているオゾンマイクロバブルを利用する廃液の処理装置がある。
【0012】
この技術は、マイクロバブル発生装置に、オゾン発生装置より生成されたオゾンガスと、処理槽の下部から抜き出された廃液とを、加圧ポンプを介して供給している。また、生成されたオゾンマイクロバブルを、ガス吹き出しパイプの開口部より処理槽内の廃液中に通気している。
【0013】
上記最後の二つの従来技術においても、循環ポンプは、現状24時間たえず運転するようになっており、装置の運転コストが高いという問題がある。
【0014】
また、上記最後の二つの従来技術においては、装置と、生き物との関係については何等記載がないから、それらの技術を参照しても、マイクロナノバブルと、生き物との関係を理解することができず、生き物の飼育に使用する飼育水を、生き物が快適にすごすことができるように処理する方法および装置について、何等情報を得ることができないという問題がある。
【特許文献1】特開2004−121962号公報
【特許文献2】特開2003−334548号公報
【特許文献3】特開2004−321959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明の課題は、経済的に飼育水中のアンモニア性窒素濃度を低減できて、処理する水が生き物の飼育水である場合、その生き物の飼育水の浄化能力および透明度を向上させることができる水処理方法および水処理装置を提供することにある。また、本発明の課題は、特に、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物を活性化でき、これら活性化された微生物を用いて、経済的に飼育水中のアンモニア性窒素濃度の低減を行うことができ、また、飼育水の透明度の向上も実現できる水処理方法および水処理装置を提供することにある。また、本発明の課題は、特に、大幅に運転コストを低減できると共に、飼育水中のアンモニア性窒素濃度の低減と、透明度の向上とを実現できる水処理方法および水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、この発明の水処理方法は、
生き物を飼育する飼育水槽内に、上記生き物の飼育に使用する飼育水を導入した上で、上記飼育水槽内に設置されたマイクロナノバブル発生機からマイクロナノバブルを発生して、
上記飼育水に上記マイクロナノバブルを含有させてなるマイクロナノバブル含有飼育水を、上記飼育水槽内に位置する充填材に接触させて、
上記充填材に接触した上記マイクロナノバブル含有飼育水を、濾過装置に導入して、
上記濾過装置を通過した上記マイクロナノバブル含有飼育水を、上記飼育水槽に導入することを特徴としている。
【0017】
通常のバブル(気泡)は水の中を上昇して、ついには表面でパンとはじけて消滅するバブルであり、マイクロバブルは、直径が10〜数十μmの気泡径を有する気泡で、水中で収縮していき、ついには消滅(完全溶解)してしまうバブルである。また、ナノバブルは、マイクロバブルよりさらに小さいバブル(直径が数百nm以下の直径を有する気泡)でいつまでも水の中に存在することが可能なバブルである。本明細書では、マイクロナノバブルを、上記説明のマイクロバブルと、上記説明のナノバブルとが混合したバブルとして定義する。
【0018】
本発明者は、飼育水にマイクロナノバブルを含有させてなるマイクロナノバブル含有飼育水で、生物を飼育すると、あらゆる生物を活性化できることを発見した。そして、飼育水として、マイクロナノバブル含有飼育水を用いた場合、海水魚と淡水魚とを、1つの水槽で同時に飼育することが可能であることを発見した。
【0019】
すなわち、マイクロナノバブル技術が、水族館の水処理設備に対して有益であることを発見した。
【0020】
また、本発明者は、マイクロバブルのうち、一部のマイクロバブルは、魚のえらに付着し、魚の生育に問題を発生する可能性があることを、見い出すと共に、充填材に繁殖した微生物でマイクロバブルを処理すると、魚のえらに付着するマイクロバブルの割合が激減することを発見した。
【0021】
本発明によれば、マイクロナノバブルを含むマイクロナノバブル含有飼育水で生き物を飼育するので、生物活性を実現することができて、例えば、魚においては、その成長を速くすることができる。また、マイクロナノバブル含有飼育水を濾過装置に導入して処理するので、例えば、濾過装置が重力式濾過槽である場合、重力式濾過槽内の微生物を活性化することができて、濾過装置の性能を格段に向上させることができる。また、マイクロナノバブル含有飼育水を、充填材に接触させているので、充填材に繁殖している微生物で、マイクロバブルを低減できる。したがって、魚のえらに付着するマイクロバブルを所定以下に抑制することができるから、魚が弱ることがない。
【0022】
また、一実施形態の水処理方法は、微生物が繁殖した濾過槽であるか、または、微生物が繁殖していない濾過機である。
【0023】
上記濾過槽を、その内部に、アンモニア性窒素を酸化できる微生物(例えば、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌等)が繁殖している濾過装置として定義する。
【0024】
また、上記濾過機を、その内部に微生物が存在せず、濾過等の物理的な処理を行う濾過装置として定義する。
【0025】
また、一実施形態の水処理方法は、上記濾過装置が、重力式濾過槽または急速濾過機である。
【0026】
上記重力式濾過槽を、その内部に、アンモニア性窒素を酸化できる微生物(例えば、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌等)が繁殖していると共に、飼育水またはマイクロナノバブル含有飼育水の透明度を向上できる物理的な濾過を行うことができる濾過装置として定義する。
【0027】
また、上記急速濾過機を、その内部を流れる飼育水またはマイクロナノバブル含有飼育水の流速が、微生物が繁殖できない速さである濾過装置として定義する。
【0028】
上記実施形態によれば、上記濾過装置が、重力式濾過槽である場合、その内部に繁殖した微生物によるアンモニア性窒素の酸化を行うことができると共に、その内部に存在するマイクロナノバブル含有飼育水の物理処理を行うことができる。また、その内部の微生物をマイクロナノバブルで活性化することができるから、繁殖した微生物の活性を向上させることができて、アンモニア性窒素の酸化能力を向上させることができる。
【0029】
また、上記濾過装置が、急速濾過機である場合、飼育水の透明度を向上させることができる。また、マイクロナノバブルはアンモニア性窒素を酸化する微生物の活性を高めて強力にする性質があるので、マイクロナノバブル発生機と急速濾過機の組み合わせでも、ある程度アンモニア性窒素の処理を行うことができる。
【0030】
また、一実施形態の水処理方法は、上記濾過装置が、重力式濾過槽であり、上記重力式濾過槽には、活性炭と、炭酸カルシウム鉱物とが充填されている。
【0031】
上記活性炭は、濾材の役割を果たし、上記炭酸カルシウム鉱物は、pH調整材の役割を果たす。
【0032】
上記実施形態によれば、濾過材としての活性炭に微生物を繁殖させることにより、魚に有害なアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化できる。また、水溶液中で酸性を示す硝酸性窒素の増加により、飼育水中のpHが低下して飼育水が酸性化するが、水溶液中でアルカリ性を示すpH調整材としての炭酸カルシウム鉱物が、重力式濾過槽中に充填されているから、酸とアルカリを中和できて、飼育水の性質がどちらかの性質に大きく傾くことがない。
【0033】
すなわち、炭酸カルシウム鉱物が充填されているから、マイクロナノバブルによる微生物の活性化によって、生物が出すアンモニア性窒素が硝酸性窒素に酸化されても、飼育水が過度に酸性化することがない。
【0034】
また、活性炭に吸着された飼育水中の有機物は、活性炭に繁殖した微生物によって分解されるから、飼育水を浄化することができる。
【0035】
また、一実施形態の水処理方法は、上記重力式濾過槽内における上記活性炭の上部に、透水性マットを設置している。
【0036】
透水性マットは、石油から製造されるマットである。透水性マットは、軽量であるという長所を有する。
【0037】
上記実施形態によれば、透水性マットで、飼育水中の浮遊物(例えば、魚の糞や残餌)を確実に濾過することができるから、装置の使用とともに飼育水の透明度が低下すること抑制できる。
【0038】
また、一実施形態の水処理方法は、上記マイクロナノバブル発生機に、オゾン発生機を接続している。
【0039】
上記実施形態によれば、オゾンマイクロナノバブルで、飼育水中の黄色の着色成分を強力に酸化分解できると共に、飼育水をオゾンマイクロナノバブルで殺菌することができる。ただし、オゾン量が多いと、全ての微生物が死滅するので、オゾンマイクロナノバブルの発生量を適度に調整するのは、言うまでもない。
【0040】
また、一実施形態の水処理方法は、上記飼育水槽内には、犠木または犠岩が配置され、上記マイクロナノバブル発生機および上記充填材は、上記擬木の内部または上記擬岩の内部に設置されている。
【0041】
擬木とは、合成樹脂等の軽くて水に強い素材で製作した偽『にせ』の木のことをいう。また、犠岩とは、合成樹脂等の軽くて水に強い素材で製作した偽『にせ』の岩のことをいう。実物の木や岩は重く、内部が加工困難である。犠木および犠岩は、軽くて、内部が加工容易であるという長所を有する。
【0042】
上記実施形態によれば、マイクロナノバブル発生機と充填材が、水槽内の擬木または擬岩の内部に設置されているので、観客にみせる展示水槽の場合、マイクロナノバブル発生機と充填材を、擬木または擬岩の内部に隠すことができて、演出効果を大きくすることができる。
【0043】
また、一実施形態の水処理方法は、上記充填材が、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物またはリング型ポリ塩化ビニリデン充填物である。
【0044】
上記実施形態によれば、上記充填材が、ポリ塩化ビニリデン充填物であるので、多種類の微生物を繁殖させることができ、飼育水の浄化効果を大きくすることができる。
【0045】
また、一実施形態の水処理方法は、上記飼育水が、海水、汽水または淡水である。
【0046】
本発明者は、本発明の水処理方法を用いれば、飼育水が、海水、汽水または淡水のいずれであっても、飼育水中のアンモニア性窒素濃度の低減等を行うことができて、飼育水を浄化できることを確かめた。
【0047】
上記実施形態によれば、上記飼育水が、海水、汽水または淡水であるので、飼育水を確実に浄化できる。
【0048】
また、一実施形態の水処理方法は、上記充填材には、微生物が繁殖しており、上記マイクロナノバブル発生機で発生したマイクロバブルの一部を、上記微生物によって除去するようになっている。
【0049】
上記実施形態によれば、マイクロナノバブル発生機で発生したマイクバブルの一部が、上記微生物によって除去されるから、飼育させる生物が魚である場合、魚のえらに付着するマイクロバブルの量を所定値以下に抑制することができる。したがって、マイクロナノバブルが魚の飼育されている魚に悪影響を及ぼすことがない。
【0050】
また、本発明の水処理装置は、
生き物の飼育に使用する飼育水を導入する飼育水槽と、
上記飼育水槽内に設置されたマイクロナノバブル発生機と、
上記飼育水にマイクロナノバブルを含有させてなるマイクロナノバブル含有飼育水が導入される濾過装置と、
上記濾過装置を通過した上記マイクロナノバブル含有飼育水を、上記飼育水槽に導入する循環ポンプと
を備えることを特徴としている。
【0051】
本発明によれば、濾過装置によってマイクノナノバブル含有飼育水を濾過しているから、魚などにとって有害な物質を、微生物処理および物理処理のうちの少なくとも一方で処理して、有害な物質の量を低減することができる。したがって、マイクノナノバブル含有飼育水の水質を確保することができる。また、上記循環ポンプによって、飼育水を循環使用することができる。
【0052】
また、一実施形態の水処理装置は、上記濾過装置が、重力式濾過槽または急速濾過機である。
【0053】
また、一実施形態の水処理装置は、上記濾過装置が、重力式濾過槽であり、上記重力式濾過増に、活性炭および炭酸カルシウム鉱物を充填している。
【0054】
上記実施形態によれば、濾過材としての活性炭に微生物を繁殖させることにより、魚に有害なアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化できる。また、重力式濾過槽に、水溶液中でアルカリ性の性質を示す炭酸カルシウム鉱物が充填されているから、水溶液中で酸性の性質を有する硝酸性窒素が生成しても、飼育水が、生物が生活することができない程度の酸性またはアルカリ性になることがない。
【0055】
また、一実施形態の水処理装置は、上記重力式濾過槽には、透水性マット、活性炭、および、炭酸カルシウム鉱物が充填され、上記透水性マットは、上記活性炭よりも上部に位置すると共に、上記活性炭は、上記炭酸カルシウム鉱物よりも上部に位置している。
【0056】
上記実施形態によれば、飼育水中の浮遊物質を透水性マットで完全に除去できて、装置の使用とともに、飼育水の透明度が低下することを抑制できる。また、濾過材としての活性炭に微生物を繁殖させることにより、魚に有害なアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化することができる。更には、生成された硝酸性窒素を、炭酸カルシウム鉱物で中和することができる。
【0057】
また、一実施形態の水処理装置は、上記濾過装置が、重力式濾過槽であり、上記重力式濾過槽には、ポリ塩化ビニリデン充填物、活性炭、および、炭酸カルシウム鉱物が充填され、上記ポリ塩化ビニリデン充填物は、上記活性炭よりも上部に位置すると共に、上記活性炭は、上記炭酸カルシウム鉱物よりも上部に位置している。
【0058】
上記実施形態によれば、ポリ塩化ビニリデン充填物に繁殖した微生物で、飼育水の残餌などの有機物を分解処理できる。また、濾過材としての活性炭に微生物を繁殖させることにより、魚に有害なアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化できる。更には、生成された硝酸性窒素を、炭酸カルシウム鉱物で中和することができる。
【0059】
また、一実施形態の水処理装置は、上記循環ポンプが、上記濾過装置を通過した上記マイクロナノバブル含有飼育水を、上記マイクノナノバブル発生機に圧送する。
【0060】
上記実施形態によれば、循環ポンプが、マイクロナノバブル発生機に水溶液を供給する循環ポンプの機能を兼ねているので、ポンプの1台を省略でき、装置の運転コストを下げることができる。
【発明の効果】
【0061】
本発明の水処理方法および水処理装置によれば、マイクロナノバブルを含むマイクロナノバブル含有飼育水で生き物を飼育するので、生物活性を実現することができて、魚においては、その成長を速くすることができる。また、マイクロナノバブル含有飼育水を濾過装置に導入して処理するので、例えば、濾過装置が重力式濾過槽である場合、重力式濾過槽内の微生物を活性化することができて、濾過装置の性能を格段に向上させることができる。また、マイクロナノバブル含有飼育水を、充填材に接触させているので、充填材に繁殖している微生物で、マイクロバブルを低減できる。したがって、魚のえらに付着するマイクロバブルを所定以下に抑制することができるから、魚が弱ることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0063】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【0064】
この水処理装置は、例えば、水族館等の生き物を飼育するための施設で使用されるものである。この水処理装置は、生き物を飼育する飼育水槽1を有し、飼育水である海水、汽水または淡水が、流入配管5を通じて飼育水槽1に導入されるようになっている。
【0065】
図1に示す例では、この飼育水槽1には、魚2、具体的には、海水魚や淡水魚が飼育されている。
【0066】
上記飼育水槽1に導入される水は、飼育水槽1内の水が、蒸発などにより減った時に、飼育水槽1に追加されるようになっている。しかしながら、このようにしなくても良いことは、勿論であり、例えば、少量の水を、常時、飼育水槽1に導入しても良い。飼育水槽1内の角部付近には、犠木(にせの木)18が設置されている。尚、犠木18の代わりに犠岩を用いることもできる。犠木18内には、マイクロナノバブル発生機15が配置されると共に、充填材としてのひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物20が充填されている。ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物20には、アンモニア性窒素を酸化できる微生物(例えば、亜硝酸生成菌(ニトロソモナス)や硝酸生成菌(ニトロバクター)等)が多量に繁殖している。
【0067】
マイクロナノバブル発生機15と、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物20とを、飼育水槽1内の擬木18または擬岩の内部に設置すると、観客にみせる展示水槽の場合、マイクロナノバブル発生機15と、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物20とを、擬木18または擬岩の内部に隠すことができて、演出効果を大きくすることができる。
【0068】
飼育水は、飼育水槽1と、飼育水槽1よりも下部に位置している重力式濾過槽との間を、循環ポンプ14により循環するようになっている。重力式濾過槽は、下部水槽12と、下部水槽12内に位置する濾過水槽11とを有する。濾過水槽11を通過した飼育水は、循環ポンプ14により下部水槽12から飼育水槽1に導入されるようになっている。
【0069】
飼育水のオーバーフローと、底部の汚泥は、底部汚泥抜き出し管3内を移動して、散水配管6を経て、散水配管6の小孔7から下部水槽12内に位置する濾過水槽11に水滴26となって散水されるようになっている。尚、飼育水の循環水量が多い場合は、水滴26とはならず、連続的な散水となることは言うまでもない。上記散水配管6、濾過水槽11、および、下部水槽12は、重力式濾過システムを構築している。
【0070】
図1に示すように、濾過水槽11内には、上側から下側に、透水性マット24、活性炭21が収容された網袋8、サンゴや牡蠣ガラなどの炭酸カルシウム鉱物22が収容された網袋9が、列挙順に配置されている。また、濾過水槽11の下部は、多孔板10で構成されている。このことから、濾過後の飼育水は、飼育水槽1、濾過水槽11および下部水槽12を循環することができるようになっている。
【0071】
詳細には、飼育水は、循環ポンプ14のサクション配管13と吐出配管4とを経て、マイクロナノバブル発生機15に圧送されるようになっている。マイクロナノバブル発生機15から吐出されたマイクロナノバブル含有飼育水は、飼育水槽1内に、マイクロナノバブル水流34を発生するようになっている。このようにして、飼育水槽1内にマイクロナノバブルが行き渡るようにしている。尚、マイクロバブルとは、その発生時において、10〜数十μmの気泡径を有する気泡である。また、ナノバブルとは、数百nm以下の直径を有する気泡である。マイクロバブルは、発生後に収縮運動により、10μmから数百nm前後の直径を有する気泡マイクロナノバブルに変化する。
【0072】
図1に示すように、上記マイクロナノバブル発生機15には、空気吸込配管17が接続されている。空気吸入配管17の所定個所には、空気吸込量を調整する為のバルブ16が設定されている。上述のように、マイクロナノバブル発生機15は、吐出配管4を介して循環ポンプ14と接続している。循環ポンプ14が、飼育水を吐出する際、その飼育水の吐出と同時に、マイクロナノバブル発生機15が、空気吸込配管17から空気を吸い込むようになっている。そして、マイクロナノバブル発生機15が、マイクロナノバブルを含有したマイクロナノバブル含有飼育水を、飼育水槽1に吐出するようになっている。また、マイクロナノバブル発生機15から吐出された上記マイクロナノバブル含有飼育水は、飼育水槽1内に、マイクロナノバブル水流34を発生させるようになっている。
【0073】
マイクロナノバブル流34は、擬木18内で発生するようになっており、擬木18内におけるひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物20が充填されている部分を通過するようになっている。
【0074】
一般にマイクロバブルは、直径が50ミクロン以下の微細気泡であり、ナノバブルは直径が1ミクロン未満の微細気泡と定義されている。本発明者は、マイクロバブルとナノバブルの両方を同時に発生させて、飼育水に含有させて、新たな飼育水(マイクロナノバブル含有被処理水)を作成して、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物が繁殖する微生物槽に導入すると、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物の活性が増加することを見い出した。
【0075】
また、本発明者は、魚のえらに付着して、魚に有害であるのは、マイクロバブルであり、ナノバブルは大きさが小さすぎて問題とならないことを見い出した。そして、マイクロナノバブル発生機15を擬木18の中に収納し、かつマイクロナノバブルを含む飼育水が通過する部分に充填材としてのポリ塩化ビニリデン(この実施形態では、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物20)を設置すると、魚のえらに付着するマイクロバブルが充填材20に付着して、問題のマイクロバブルが充填材に繁殖した微生物により減少することを発見した。
【0076】
第1実施形態では、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物20に多量に繁殖している微生物で、マイクロナノバブルのうち、マイクロバブルを処理しているので、マイクロバブルを減少させることができて、所定以上の量のマイクロバブルが魚のえらに付着して、魚を弱らせることを防止することができる。すなわち、マイクロナノバル発生機15から吐出されたマイクロナノバブルを、上記微生物で無害化することができる。
【0077】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【0078】
第2実施形態の水処理装置では、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填材20の替わりに、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材23を、犠木18内に充填している点が、第1実施形態の水処理装置と異なっている。
【0079】
第2実施形態の水処理装置では、第1実施形態の水処理装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第2実施形態の水処理装置では、第1実施形態の水処理装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態の水処理装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
【0080】
第2実施形態では、濾過材としてのリング型ポリ塩化ビニリデン充填材23が犠木18内に充填されている。このことから、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材23にマイクロナノバブルによって活性化した微生物を、安定的に繁殖させることができる。そして、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材23に、大量に繁殖している微生物によって、マイクロナノバブルのうち、魚のえらに付着して魚に害を及ぼすマイクロバブルを処理して、マイクロバブルの量を減少して、マイクロナノバル発生機15から吐出されたマイクロナノバブルを無害化している。
【0081】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【0082】
第3実施形態の水処理装置は、循環ポンプ14に、タイマー29が設置されている点が、第1実施形態の水処理装置と異なる。
【0083】
第3実施形態の水処理装置では、第1実施形態の水処理装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第3実施形態の水処理装置では、第1実施形態の水処理装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態の水処理装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
【0084】
マイクロナノバブルは、水中に長く存在するので、循環ポンプを24時間連続運転しなくても、水中の溶存酸素を維持できる。第3実施形態のように、潤滑ポンプ14にタイマー29に接続して、循環ポンプ14をタイマー29に基づいて簡潔運転すると、装置の運転コストを格段に低減できる。
【0085】
マイクロナノバブルで微生物を活性化しているので、重力式濾過槽の性能を大幅に向上させることができる。したがって、循環ポンプ14の運転をタイマー29による間欠運転とすることができて、大幅な省エネを図ることができるのである。
【0086】
(第4実施形態)
図4は、本発明の第4実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【0087】
第4実施形態の水処理装置は、透水性マット24を、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材23に置き換えた点と、循環ポンプ14にタイマー29を接続した点が、第1実施形態の水処理装置と異なっている。
【0088】
第4実施形態の水処理装置では、第1実施形態の水処理装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第4実施形態の水処理装置では、第1実施形態および第3実施形態の水処理装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態および第3実施形態の水処理装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
【0089】
第4実施形態では、濾過水槽11の上部に透水性マット24の替わりにリング型ポリ塩化ビニリデン充填材23を配置した点が、第1実施形態と異なる。
【0090】
単に、飼育水中の浮遊物質を除去するのには、透水性マットが良いが、飼育水中の魚の残餌など有機物を分解するのには、透水性マットよりもリング型ポリ塩化ビニリデン充填材23の方が優れている。したがって、第4実施形態の水処理装置によれば、飼育水槽1でより多量の生き物を飼育することができる。
【0091】
(第5実施形態)
図5は、本発明の第5実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【0092】
第5実施形態の水処理装置は、犠木18の内部に配置されていたポリ塩化ビニリデン充填物20を、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材23に置き換えた点が、第3実施形態の水処理装置と異なっている。
【0093】
第5実施形態の水処理装置では、第3実施形態の水処理装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第5実施形態の水処理装置では、第1実施形態および第3実施形態の水処理装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態および第3実施形態の水処理装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
【0094】
第3実施形態における擬木18内のひも状型ポリ塩化ビニリデン充填材20が、第5の実施形態では、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材23に置きかわっている。
【0095】
擬木内に、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填材を配置する場合、固定金具(図3では図示せず)が必要になる一方、第5実施形態のように、犠木18に、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材23を配置する場合、固定金具が必要でないという利点がある。
【0096】
第5実施形態によれば、犠木18内に配置されている被微生物繁殖部材が、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材23であるから、被微生物繁殖部材に、微生物を問題なく繁殖させることができるのは勿論のこと、擬木18内のスペースが狭い場合であっても、被微生物繁殖部材を容易に設置することができる。
【0097】
(第6実施形態)
図6は、本発明の第6実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【0098】
第6実施形態の水処理装置は、濾過水槽11の上部に配置されていた透水性マット24が、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填材20に置き代わった点が、第3実施形態の水処理装置と異なっている。
【0099】
第6実施形態の水処理装置では、第3実施形態の水処理装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第6実施形態の水処理装置では、第1実施形態および第3実施形態の水処理装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態および第3実施形態の水処理装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
【0100】
第6実施形態は、第3実施形態における透水性マット24が、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填材20に置きかわっている。
【0101】
飼育水中の浮遊物質を除去するには、透水性マットが良いが、飼育水中の魚の残餌など有機物を分解するには、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填材20が優れている。したがって、第6実施形態の水処理装置によれば、飼育水槽1でより多量の生き物を飼育することができる。
【0102】
(第7実施形態)
図7は、本発明の第7実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【0103】
第7実施形態の水処理装置は、マイクロナノバブル発生機15の吸い込み配管17にオゾン発生機28を接続した点が、第3実施形態の水処理装置と異なっている。尚、図7において、27は、多数の魚を示している。
【0104】
第7実施形態の水処理装置では、第3実施形態の水処理装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第7実施形態の水処理装置では、第1実施形態および第3実施形態の水処理装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態および第3実施形態の水処理装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
【0105】
第7実施形態のように、吸い込み配管17にオゾン発生機28を接続した場合、マイクロナノバブル発生機15で発生するバブルを、マイクロナノバブルではなくて、オゾンマイクロナノバブルにすることができる。したがって、マイクロナノバブル発生機15で発生するバブルの酸化力を向上させることができる。
【0106】
飼育水は、長く循環使用していると、黄色に着色するが、本発明者は、オゾンの強力な酸化力により飼育水を酸化分解すると、その酸化分解した飼育水は、長く循環使用したとしても、着色することがないことを見い出した。
【0107】
第7実施形態の水処理装置によれば、マイクロナノバブル発生機15で発生するバブルが、強力な酸化力を有するオゾンマイクロナノバブルであるから、飼育水を長く使用したとしても、飼育水が着色することがない。
【0108】
(第8実施形態)
図8は、本発明の第8実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【0109】
第8実施形態の水処理装置は、第1実施形態の重力式濾過槽システムを、急速濾過機32を用いたシステムに変更した点が、第1実施形態の水処理装置と異なる。
【0110】
第8実施形態の水処理装置では、第1実施形態の水処理装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第8実施形態の水処理装置では、第1実施形態の水処理装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態の水処理装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
【0111】
飼育水槽1における、飼育水のオーバーフローと、底部の汚泥とは、底部汚泥抜き出し管を通ってピット30に導入される。ピット30に導入された飼育水および汚泥は、ピットポンプ31によって、急速濾過機32に導入されて、主として飼育水中の浮遊物質が物理的に処理される。急速濾過後の飼育水は、処理水槽33に導入されて、次に循環ポンプ14で、マイクロナノバブル発生機15に圧送されるようになっている。
【0112】
第8実施形態の水処理装置では、飼育水中の浮遊物質が物理的に処理されているので、浮遊物質が、マイクロナノバブル発生機15の口の部分を閉塞させることはない。したがって、マイクロナノバブル発生機15で発生させるマイクロナノバブルの発生効率が、装置の使用とともに低下することがない。
【0113】
(第9実施形態)
図9は、本発明の第9実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【0114】
第9実施形態の水処理装置は、マイクロナノバブル発生機15の吸い込み配管17にオゾン発生機28を接続した点が、第8実施形態の水処理装置と異なる。
【0115】
第9実施形態の水処理装置では、第8実施形態の水処理装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第9実施形態の水処理装置では、第1および第8実施形態の水処理装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1および第8実施形態の水処理装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
【0116】
第9実施形態のように、吸い込み配管17にオゾン発生機28を接続した場合、マイクロナノバブル発生機15で発生するバブルを、マイクロナノバブルではなくて、オゾンマイクロナノバブルにすることができる。したがって、マイクロナノバブル発生機15で発生するバブルの酸化力を向上させることができる。
【0117】
飼育水は、長く循環使用していると、黄色に着色する。上述のように、本発明者は、オゾンの強力な酸化力により飼育水を酸化分解すると、その酸化分解した飼育水は、長く循環使用したとしても、着色することがないことを見い出した。
【0118】
第9実施形態の水処理装置によれば、マイクロナノバブル発生機15で発生するバブルが、強力な酸化力を有するオゾンマイクロナノバブルであるから、飼育水を長く使用したとしても、飼育水が着色することがない。
【0119】
本発明者は、第1実施形態の水処理装置に基づいて、以下の試験を行った。
【0120】
詳細には、飼育水槽1の容量を1000リットル、下部水槽12の容量を800リットルとして、1ケ月間試運転をおこなった。試運転後、海水魚を入れて、7日後のアンモニア性窒素を測定したところ、0.1ppmであった。
【0121】
このことから、本発明者は、従来のマイクロナノバブルが設置されていない水槽と比較して、マイクロナノバブル発生機15を有する第1実施形態の水処理装置の飼育水槽1の飼育水が、有害物質の濃度が低くて水質に優れ、特に、アンモニア性窒素の濃度が低くて水質に優れることを確かめた。以上より明らかなように、本発明によれば、水族館の水処理技術にマイクロナノバブル技術を融合活用することができて、飼育水中の魚に有害なアンモニア性窒素濃度の低減と透明度の向上を効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第3実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第4実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第5実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第6実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第7実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第8実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図9】本発明の第9実施形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0123】
1 飼育水槽
2 魚
3 底部汚泥抜き出し管
4 吐出配管
5 流入配管
6 散水配管
7 小孔
8,9 網袋
10 多孔板
11 濾過水槽
12 下部水槽
13 サクション配管
14 循環ポンプ
15 マイクロナノバブル発生機
16 バルブ
17 吸込み配管
18 擬木
19 汚泥抜き出し口
20 ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物
21 活性炭
22 炭酸カルシウム鉱物
23 リング型ポリ塩化ビニリデン充填物
24 透水性マット
25 水流
26 水滴
27 多量の魚
28 オゾン発生機
29 タイマー
30 ピット
31 ピットポンプ
32 急速濾過機
33 処理水槽
34 マイクロナノバブル水流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生き物を飼育する飼育水槽内に、上記生き物の飼育に使用する飼育水を導入した上で、上記飼育水槽内に設置されたマイクロナノバブル発生機からマイクロナノバブルを発生して、
上記飼育水に上記マイクロナノバブルを含有させてなるマイクロナノバブル含有飼育水を、上記飼育水槽内に位置する充填材に接触させて、
上記充填材に接触した上記マイクロナノバブル含有飼育水を、濾過装置に導入して、
上記濾過装置を通過した上記マイクロナノバブル含有飼育水を、上記飼育水槽に導入することを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記濾過装置は、微生物が繁殖した濾過槽であるか、または、微生物が繁殖していない濾過機であることを特徴とする水処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記濾過装置は、重力式濾過槽または急速濾過機であることを特徴とする水処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記濾過装置は、重力式濾過槽であり、
上記重力式濾過槽には、活性炭と、炭酸カルシウム鉱物とが充填されていることを特徴とする水処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の水処理方法において、
上記重力式濾過槽内における上記活性炭の上部に、透水性マットを設置していることを特徴とする水処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記マイクロナノバブル発生機に、オゾン発生機を接続していることを特徴とする水処理方法。
【請求項7】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記飼育水槽内には、犠木または犠岩が配置され、
上記マイクロナノバブル発生機および上記充填材は、上記擬木の内部または上記擬岩の内部に設置されていることを特徴とする水処理方法。
【請求項8】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記充填材は、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物またはリング型ポリ塩化ビニリデン充填物であることを特徴とする水処理方法。
【請求項9】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記飼育水は、海水、汽水または淡水であることを特徴とする水処理方法。
【請求項10】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記充填材には、微生物が繁殖しており、
上記マイクロナノバブル発生機で発生したマイクロバブルの一部を、上記微生物によって除去することを特徴とする水処理方法。
【請求項11】
生き物の飼育に使用する飼育水を導入する飼育水槽と、
上記飼育水槽内に設置されたマイクロナノバブル発生機と、
上記飼育水にマイクロナノバブルを含有させてなるマイクロナノバブル含有飼育水が導入される濾過装置と、
上記濾過装置を通過した上記マイクロナノバブル含有飼育水を、上記飼育水槽に導入する循環ポンプと
を備えることを特徴とする水処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の水処理装置において、
上記濾過装置は、重力式濾過槽または急速濾過機であることを特徴とする水処理装置。
【請求項13】
請求項11に記載の水処理装置において、
上記濾過装置は、重力式濾過槽であり、
上記重力式濾過増に、活性炭および炭酸カルシウム鉱物を充填していることを特徴とする水処理装置。
【請求項14】
請求項11に記載の水処理装置において、
上記濾過装置は、重力式濾過槽であり、
上記重力式濾過槽には、透水性マット、活性炭、および、炭酸カルシウム鉱物が充填され、
上記透水性マットは、上記活性炭よりも上部に位置すると共に、上記活性炭は、上記炭酸カルシウム鉱物よりも上部に位置していることを特徴とする水処理装置。
【請求項15】
請求項11に記載の水処理装置において、
上記濾過装置は、重力式濾過槽であり、
上記重力式濾過槽には、ポリ塩化ビニリデン充填物、活性炭、および、炭酸カルシウム鉱物が充填され、
上記ポリ塩化ビニリデン充填物は、上記活性炭よりも上部に位置すると共に、上記活性炭は、上記炭酸カルシウム鉱物よりも上部に位置していることを特徴とする水処理装置。
【請求項16】
請求項11に記載の水処理装置において、
上記循環ポンプは、上記濾過装置を通過した上記マイクロナノバブル含有飼育水を、上記マイクノナノバブル発生機に圧送することを特徴とする水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−325558(P2007−325558A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160532(P2006−160532)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】