説明

水処理装置

【課題】 散気管から間欠的に散気することにより、空気量を大幅に削減して維持管理費を削減すると共に、原水(被処理水)に乱流を発生させて膜分離器を効果的に洗浄することができる水処理装置を得る。
【解決手段】原水導入手段1と、複数の膜分離器5および複数の散気管11を備える膜分離槽3と、散気管11へ送気する送気設備16と、膜分離器5に接続し、処理水4を移送する処理水移送管7とからなる水処理装置において、送気設備16は空気切替器13を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上水、下水、有機性廃水や生活排水等を膜によって処理する水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下水や廃水などの処理に活性汚泥を用いる水処理では、処理水を得るためには活性汚泥の固液分離を行わなければならない。通常では、重力沈降によって上澄み液を得るが、この場合、活性汚泥を沈降させるためには十分な沈降面積および滞留時間を有する沈殿池が必要であり、水処理装置の大型化と設置容積の増大を生じさせる要因となる。また、活性汚泥の沈降性がバルキング等によって悪化した場合には、沈殿池より汚泥が流出し、処理水の悪化を招くことになる。
【0003】
近年、上水においては、小規模水道を中心に従来の凝集沈殿や砂ろ過処理の代替として、維持管理性および省スペース化に優れた膜ろ過処理、いわゆる浸漬膜活性汚泥法を用いるケースが増大しつつある。しかしながら、膜ろ過処理を用いて水処理を行う場合には、運転を継続すると、膜供給水として膜ろ過処理に導入される原水中の懸濁物質および有機性物質等に起因して、膜面あるいは細孔内が経時的に汚れて膜ろ過水量が低下し、あるいは膜間差圧が上昇する。通常、膜面あるいは細孔内が汚れた場合には、膜を物理的洗浄法によって定期的に洗浄する。物理的洗浄法には、例えば、膜ろ過水を逆流させる逆圧水洗浄、膜の一次側を水洗するフラッシング、膜の二次側から加圧空気を通す逆圧空気洗浄等の方法がある。そして、洗浄によって生じた懸濁物質を含む水から懸濁物質を除去するためには、凝集沈殿や砂ろ過を行う。
【0004】
このような膜ろ過処理において固液分離を行うための膜として、一般的に精密ろ過膜や限外ろ過膜が用いられる。そして、これらの分離(ろ過)膜に差圧を与えるためにはポンプによる吸引や加圧が必要とされる。通常、この種のポンプの動力は大きいため、ランニングコストが増大する。また、分離膜によって懸濁物質の全く存在しない清澄な処理水が得られるが、分離膜の汚染を防止するためや所定の透過流束を保つためには、分離膜を定期的に薬洗する必要がある。
【0005】
さらに、従来の水処理装置として、膜分離槽内に配置したろ過体同士の間に仕切り壁を設け、散気槽から汚泥を導入することにより、仕切り壁の両側のろ過体に対して定期的にろ過および散気を交互に行う処理方法が開示されている。
【0006】
この種の処理方法では、原水(被処理水)を活性汚泥処理用の生物反応槽に導入し、活性汚泥処理後の汚泥混合液を複数のろ過体からなるろ過モジュール(膜分離器)を浸漬設置するろ過分離槽(膜分離槽)に導入し、水頭圧で該ろ過モジュール(膜分離器)からろ過水を得て、ろ過後の汚泥混合液を生物反応槽に返送する処理法において、該ろ過分離槽(膜分離槽)内ろ過モジュール(膜分離器)間に仕切り壁を設置し、各ろ過モジュール(膜分離器)下部にそれぞれの散気管を設け、ろ過および洗浄時に、仕切り壁を介して隣接する二つの散気管に交互に通気を行うことを特徴としている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
一方、従来の水処理装置には、膜分離槽に流入する流入水を滅菌処理するものもある。この滅菌処理は、膜設備(分離膜)の目詰まりを防止する効果があり、塩素処理やオゾン処理を多く用いている。これらの滅菌処理は、流入水への塩素やオゾンの注入後にも塩素やオゾンの滅菌作用がある程度持続する。また、滅菌処理の手段として、紫外線照射も知られている。
【0008】
紫外線照射を行う従来の水処理装置では、循環ポンプの上流側と膜モジュール(膜分離器)の原水供給部とに、フィルターを経て流入する原水および循環経路を循環する濃縮循環水に紫外線を照射して滅菌処理を行う紫外線照射装置を設けている。これにより、原水は紫外線照射装置で滅菌処理を施されてから膜モジュール(膜分離器)に流入し、濃縮循環水として循環する際に紫外線照射装置で繰返し滅菌処理が施される(例えば特許文献2参照)。
【0009】
ところが、この紫外線照射による滅菌処理は、紫外線を照射している部分でのみしか滅菌効果が得られないため、紫外線照射装置が大型化したり、複雑化したりするという問題があった。さらに上水の場合は、最終的に塩素による滅菌処理を行わなければならないので、膜処理装置に流入する流入水の滅菌処理も、塩素注入による滅菌処理が通常行われていた。
【0010】
その他に、従来の水処理装置では滅菌処理に二酸化チタンが光触媒として使用されている。この二酸化チタンは白色顔料として広く使用されている無毒で安価な物質であるが、光が当たると強い酸化還元力を生じ、有機物を炭酸ガスと水に分解する。近年、この光触媒作用を利用して水中や空気中の有機化学物質を分解・無害化する研究が盛んに行われており、このケースでは表面積の大きなフィルターや多孔質シリカゲルに二酸化チタン被膜を形成させ、水と接触させている。
【0011】
【特許文献1】特開2003−305313号公報(要約の解決手段)
【特許文献2】特開2002−1319号公報(第2頁右欄第16−24行、および図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の浸漬膜活性汚泥法を用いた従来の水処理装置では、浸漬膜(分離膜)の閉塞(ハウリング)を防止するために浸漬膜(分離膜)を空気によって洗浄するようになっているが、通常は浸漬膜(分離膜)の下部から連続して散気している。この分離膜洗浄のための空気量は極めて多く、例えば流入汚水量の30倍以上となっている。このことは、浸漬膜活性汚泥法の欠点となっていて、この分離膜洗浄用の空気量を減らすことが維持管理費を減らすためにも重要となっている。
【0013】
また、複数のろ過体(膜分離器)を浸漬してろ過および散気を交互に定期的に行う処理方法では、膜分離槽内のろ過体(膜分離器)の半分が常時ろ過操作を停止するので、有効なろ過水量を得ることができず、ろ過体の有効利用ができないという問題点がある。また、洗浄までの連続ろ過時間が長い場合に、流速の遅い原水(被処理水)が当たるろ過体の表面に汚泥付着層が過度に成長し、汚泥流路の抵抗を増加させ、原水(被処理水)の流れを停滞させることがある。このことは、透過流束の低下を招く要因となる。
【0014】
また、原水中に含まれる有機物質や微生物は膜面に付着あるいは増殖して膜ろ過抵抗を増大させ、薬品洗浄の頻度を増加させるなど維持管理に支障を来している。この問題に対する従来の解決方法、すなわち原水に凝集剤を注入する方法は、凝集が不十分である場合に凝集剤そのものが膜面および膜内部に付着し、膜ろ過抵抗を著しく増加させる恐れがある。また、塩素剤を用いる方法は、流入水中に鉄やマンガンが含まれる場合にこれらが膜面に析出し、その膜面を目詰まりさせて膜ろ過抵抗を著しく上昇させるため、好ましくない。また、分離膜の材質によっては、塩素やオゾンのような酸化剤が分離膜を傷める恐れがある。さらに、塩素を使用すると、一部の原水では有害な有機塩素化合物を生成させる恐れもある。
【0015】
そして、光触媒作用を利用して滅菌処理を行う場合には、光触媒作用が表面作用であるため、例えば二酸化チタンは比表面積の大きな微粉末を用いることが最も効率が良く、好ましい。しかし、微粉末による処理では、処理後の二酸化チタン粉末を水から分離するのが困難となる。そこで、これまでは二酸化チタン粉末が水から容易に分離するように、板状フィルターや多孔質シリカゲル粒子に二酸化チタン薄膜を形成して用いている。しかし、このようにして大きな表面積を得るためにフィルターやシリカゲル粒子を多数配置、充填すると、二酸化チタン薄膜への光の照射が阻害される。したがって、滅菌処理効率を上げるために水の接触と光の照射を両立させることは極めて困難となる。
【0016】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、散気管から間欠的に散気することにより、空気量を大幅に削減して維持管理費を削減すると共に、原水(被処理水)に乱流を発生させて膜分離器を効果的に洗浄することができる水処理装置を得るものである。また、第2の目的は、分離膜に悪影響を及ぼすことなく、分離膜の目詰まりを効果的に抑制することができ、膜分離槽内の膜分離器を有効に使用し、かつ高い透過流束が得られ、小型化および設備費や処理費の低コスト化を図ることができる水処理装置を得るものである。さらに、第3の目的は、微生物を殺菌することによって分離膜の目詰まりを効果的に抑制し、有機物を含む水を効率良く分解し、原水(被処理水)中に含有する難分解性有機物を処理することができる水処理装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明に係る水処理装置においては、原水導入手段と、複数の膜分離器および複数の散気管を備える膜分離槽と、前記散気管へ送気する送気設備と、前記膜分離器に接続し、処理水を移送する処理水移送管とからなる水処理装置において、前記送気設備は空気切替器を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明は、2つの散気管に空気切替器によって空気を交互に供給する場合に、膜分離器を洗浄するための空気量を従来の1/2にすることができる。また、3つの散気管に空気を順次に供給する場合に、その空気量を従来の1/3にすることができる。したがって、維持管理費を大幅に低減することができる。また、逆圧水洗浄や薬液浸漬洗浄などを行わなくても、高い膜透過流束で長期間の安定した運転が可能となる。
【0019】
この発明は、散気管の先端部分の下部に大きな開放口を設け、その部分を逆U字状にすることにより、散気管の目詰まりを防止することができる。すなわち、散気管の内部に汚泥が付着してもその汚泥を自然に流出させて、散気管全体の空気バランスを確保することができる。したがって、散気管を洗浄するための水洗浄設備が不要となり、弁の故障によりブロワへ水が流れ込む恐れがなくなると共に、散気管を引き上げて洗浄する手間が不要となる。また、散気の偏りを起こす要因がなくなるので、膜処理自体が安定する。さらに、1台の膜分離器に設置する通常の大きさの散気管を分割、例えば3分割することにより、動力を変化させることなく空気の大きな偏りが生じることを防止することができる。
【0020】
この発明は、回転可能な外胴に散気孔を設け、内胴からの散気が部分的に集中して分離膜に当たるようにすることにより、分離膜の目詰まりを防止することができる。また、散気が当たるように外胴に羽根を設けることにより、新たなエネルギーを必要とすることなく外胴を散気によって回転させることができる。また、散気管の形状を三角柱とし、この三角柱の稜線の一部に散気孔を設けることにより、散気を勢いよく分離膜に当てることができる。さらに、三角柱の各面に凹みを設けることにより、特別な動力源を設けることなく散気管を回転させることができる。そして、三角柱の凹みに溜まった空気を分離膜に勢いよく当てることにより、散気管の目詰まりを効果的に防止することができる。
【0021】
この発明は、散気管の内部にスクリューを設け、空気を部分的に勢いよく排出して分離膜に当てることにより、分離膜の目詰まりを防止することができる。また、散気管の内部にピストンを設け、このピストンを運動させて散気管の散気孔の一部を塞ぐことにより、残りの散気孔から空気を勢いよく噴出させて分離膜に当てることが可能となり、分離膜の目詰まりを防止することができる。すなわち、散気管に接続した空気圧アクチュエータと、このアクチュエータに圧縮空気を送るコンプレッサーと、その圧縮空気を振り分ける3方弁とを連動させることにより、散気管内のピストンを作動させることができる。
【0022】
この発明は、散気管を分離膜内に配置することにより、分離膜内部に汚泥が堆積するのを防止できる。また、散気管を膜分離槽の底面に設置固定することにより、散気管の水平を確保して散気を分離膜に均一に当てることができる。
【0023】
この発明は、散気管に水面の上方まで延びる配管を接続し、この配管に水面の上方において開閉弁を配設し、この開閉弁を通常は閉めて置き、散気の状態に基づいて開くようにすれば、散気管内に原水(被処理水)を吸い込むことによって散気管に付着した汚泥を剥離させることができ、散気管の目詰まりを防止することができる。
【0024】
この発明は、膜分離器を膜分離槽に浸漬した後でも、膜分離器の水平を確保して散気管からの散気を膜分離器に均等に当てることができる。すなわち、従来では膜分離槽の底面の仕上げ寸法の精度が悪い場合に、架台を水平に設置することが困難となり、架台を傾けたまま膜分離器を設置しなければならず、散気を均等に行うことが困難であった。しかし、浸漬した膜分離器の傾きを水面上において調整して膜分離器の水平を確保することができるようにすれば、膜分離槽の底面の仕上げ精度が不要となり、膜分離器を設置した後でも散気の状況を監視しながら膜分離器の傾きを調整することにより、膜ろ過効率を継続的に高く保つことができる。
【0025】
この発明は、膜分離槽内の光触媒として用いた二酸化チタンが粉末であり、その反応表面積が粒状に比べ大きく、高濃度に維持できるため、処理効果を向上させて安定させることができ、高濃度の難分解性物質の処理が可能となる。また、紫外線照射器を用いるため、太陽光を必要とせず、暗所や夜間でも水処理が可能となる。そして、光触媒として用いた二酸化チタンは粉末となって膜分離槽内を常に流動するため、紫外線を均一かつ効果的に当てることができる。
【0026】
この発明は、膜分離槽に紫外線遮蔽板を配置することによって膜分離槽を例えば二分割し、一方に膜分離器を浸漬し、他方に紫外線照射器を浸漬することにより、紫外線が膜分離器に直接当たることを防止することができる。また、エアリフト効果によって膜分離槽の存在する側から紫外線照射器が存在する側に循環流が生じるので、従来の循環ポンプが不要となり、維持管理費や設備費を削減することができる。
【0027】
この発明は、膜分離槽に担体を投入して、原水(被処理水)を流動させて微生物を保持させ、生物処理能力を向上させる。同時にこの担体は、膜分離槽内を流動して分離膜に衝突することにより、分離膜に付着した膜面付着物を分離膜から剥離させるものともしてある。さらに、浮遊性の汚泥濃度を低い濃度にしても、担体の添加量を増やすことにより、浮遊汚泥濃度が高濃度である場合と同等以上の処理水質を得ることができる。低負荷対策の汚泥保持にも、担体は効果を発揮する。また、担体に微生物が付着することにより分離膜への負荷が低減できる。さらに、担体の付着汚泥のSRTが長くなることにより環境ホルモンや色度の除去効果もある。また、上水処理に用い、担体を流動させた場合には、担体の衝突による物理的な洗浄効果と、さらに、活性炭を添加した場合には浄化効果が得られる上に、担体に生物が付くことによる分離膜への負荷の低減も期待することができる。また、SRTが長くなることによる環境ホルモン除去効果も期待できる。
【0028】
このように、この発明は、空気切替器を備えることによって複数の散気管から膜分離器に対して交互に散気することにより、必要空気量を低減することができて、維持管理費を削減することができる。また、逆圧水洗浄や薬液浸漬洗浄などを行わなくても、高い膜透過流束で長期間の安定した運転が可能となる。さらに、散気管の構造や設置位置を工夫して効率良く散気することにより、原水(被処理水)を効率的に処理することができる。そして、光触媒と紫外線を用いることにより、分離膜の目詰まりを抑制することができ、難分解物質の処理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における水処理装置を示すフロー図である。この実施の形態1の水処理装置では、原水導入手段1から導入した上水、下水、有機性廃水、生活排水等の原水(被処理水)2を処理する膜分離槽3を備え、この膜分離槽3は原水(被処理水)2の生物処理を可能としてある。膜分離槽3には原水(被処理水)2を分離膜5aによって汚泥と処理水4に固液分離する2台の浸漬型の膜分離器5を設置してある。膜分離槽3の下流には、膜分離器5で処理した処理水4を貯留する処理水槽6を設けてある。2台の膜分離器5は、それらに接続した分岐部7a、7bを有する処理水移送管7を介して処理水槽6に接続し、処理水移送管7には処理水ポンプ8と流量計9を配設してある。そして、処理水槽6内の処理水4を逆流させるため、処理水槽6の低部と処理水移送管7を処理水吸引管10によって接続してある。なお、処理水移送管7の端部を処理水槽6内の処理水4の水面下に配置すれば、処理水吸引管10を設ける必要はない。
【0030】
この実施の形態1における水処理装置では、膜分離器5の分離膜5aとして中空糸膜を使用してある。また、処理水ポンプ8には自吸式ポンプを使用してある。処理水ポンプ8には三方弁を用いて逆洗ポンプとしての機能を兼ねさせることができるが、モーノポンプやロータリー機構を有する容積型ポンプを用いるのが好ましい。そして、流量計9には、電磁式流量計または羽根車式流量計を用いることができる。
【0031】
この実施の形態1における水処理装置では、膜分離槽3内において膜分離器5の下方に2台の散気管11を2台の膜分離器5にそれぞれ対応するように配置してある。2台の散気管11は配管12A、12Bを介してそれぞれ空気切替器13に接続し、この空気切替器13は空気供給管14を介してブロワ15に接続し、これらの配管12A、12B、空気切替器13、空気供給管14およびブロワ15によって送気設備16を構成してある。そして、処理水ポンプ8、流量計9、空気切替器13およびブロワ15は図示しない制御回路に電気的に接続してある。
【0032】
空気切替器13は、例えば図2に示すようなロータリバルブ21とするのが好ましい。このロータリバルブ21は配管12A、12Bと空気供給管14とを接続した弁体収容部22と、この弁体収容部22に回転可能に収容した弁体23と、この弁体23を回転駆動するステッピングモータなどの駆動装置(図示せず)から構成することができる。ロータリバルブ21の弁体収容部22や弁体23は、球状または円筒状とすることができる。なお、図2では説明を容易にするため、空気供給管14を紙面と直交する方向に向けてある。
【0033】
この空気切替器13を用いることにより、弁体23がどのような回転位相にあっても、ブロワ15等からの空気の供給が、少なくとも1つの配管12Aか配管12Bに連通していることにより、ブロワ15への過負荷を防ぐことができる。さらに、弁体23の大きさを調整することで、配管12A、12Bの先に接続されている散気管11の一方のみに送気する時間と、散気管11の両方に送気する時間の割合を変化させることができる。そのことで、分離膜5aへの散気の強さを1台のブロワ15で調整可能となる。
【0034】
なお、空気切替器13にロータリバルブ21を用いるのが最も好ましいが、ロータリバルブ21は図3に示すような2つの電動シリンダ弁26A、26Bや、図示しない空気動作弁、電磁弁などと代替することができる。
【0035】
空気切替器13の切替タイミングは、空気が一方の散気管11または他方の散気管11から間欠的、例えば2〜60秒毎に(2〜60秒サイクルで)散気するようにしてあるが、5〜20秒が推奨される。例えば、5秒毎とは、最初の5秒間において一方の散気管11から散気し、その間に他方の散気管11からは散気していない状態と、次の5秒間において一方の散気管11から散気することを停止し、他方の散気管11から散気する状態とを繰り返すことを云う。20秒や60秒の場合も同様の繰返し動作となる。しかし、原水(被処理水)2の水質や膜分離器5の汚れ状態などに応じ、適当な時間間隔で散気するように制御することも可能である。なお、弁体23の構造によっては、切替時に両方の散気管11に通気されることもある。
【0036】
この実施の形態1における水処理装置の通常運転では、処理水ポンプ8の作動によって膜分離器5の分離膜5a内に負圧が発生し、原水(被処理水)2が分離膜5aを透過して処理水4となる。この処理水4は処理水移送管7を通って処理水槽6に流入する。この間に、散気管11から空気が原水(被処理水)2の中に気泡となって噴出し、その気泡によって原水(被処理水)2に乱流が発生し、その水流が膜分離器5の分離膜5aの外表面に衝突し、分離膜5aに付着した汚泥を水流の剪断力によって剥離させる。さらに、散気管11から間欠的に交互に散気することで、分離膜5aに付着した汚泥を剥離させる効果が強くなる。また、逆洗運転では処理水ポンプ8が逆回転し、処理水槽6内の処理水4が処理水吸引管10と処理水移送管7を通って膜分離器5に逆流する。これにより、膜分離器5の分離膜5aの内部から外部に処理水4が透過し、分離膜5aの外表面に付着した汚泥を剥離させる。
【0037】
このように、この実施の形態1による水処理装置では、空気切替器13を用いて2台の散気管11から間欠的に散気することにより、2台の膜分離器5を洗浄する際の空気量を従来の2分の1程度と大幅に削減することができ、これにより維持管理費を削減することができる。また、ブロワ15は膜分離器5を洗浄するための空気の提供と、原水(被処理水)2を生物処理するための空気の提供を兼ねているので、省エネルギーに貢献することができる。さらに、2台の散気管11から間欠的に散気することにより、膜分離槽3内の原水(被処理水)2に乱流を発生させることができ、それぞれの膜分離器5を効果的に洗浄することができる。すなわち、この実施の形態1では膜分離器5の分離膜5aに中空糸膜を用いたので、中空糸膜間の原水(被処理水)2の入れ替わりを促進することができ、分離膜5aの外表面に汚泥濃縮が生じないようにすることができる。
【0038】
例えば、散気管11への切り替えを5秒の間隔で行うと、通常では空気切替器13を1年間で100万回以上動作させることとなり、普通使われている開閉バルブでは1年間交換しないで作動させることが不可能である。しかし、この実施の形態1における水処理装置では空気切替器13にロータリバルブ21を用いたので、日量90mの処理に、従来は散気管11から噴出させて膜分離器5を洗浄するために用いる空気量の合計を2台で80m/h必要であったが、その空気量を2台で30m/h程度に約60%低減させることができ、省エネルギーに貢献することができ、維持管理費を削減することができる。
【0039】
なお、この実施の形態1における水処理装置では、膜分離器5の分離膜5aに中空糸膜を用いたが、平膜を用いることもできる。また、横型の中空糸膜など複数の散気設備を用いる場合でも、同様な空気切替器13を用いることができる。さらに、2台の散気管11から間欠的に散気するので、散気していない散気管11に原水(被処理水)2が流入するが、このことは散気管11に汚泥が詰まるのを防止することに役立つ。また、2台の膜分離器5に対して2台の散気管11を配置したが、膜分離器5が複数の分離膜5aから成る場合には、散気管11を分割してその分割した部分から間欠的に散気するように構成することも可能である。この場合にも、同様な効果が得られる。
【0040】
実施の形態2.
図4は、この発明を実施するための実施の形態2における水処理装置を示すフロー図であり、図1と同じ部分には同じ符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態2における水処理装置では、原水(被処理水)2を貯留した膜分離槽3に3台の膜分離器5を設置してある。そして、この実施の形態2の水処理装置では、膜分離器5の分離膜5aとして平膜を使用してある。したがって、膜分離器5は、それらに接続した分岐部7a、7b、7cを有する処理水移送管7を介して処理水槽6に接続してある。
【0041】
また、この実施の形態2における水処理装置では、膜分離槽3内において3台の膜分離器5の下方に3台の散気管11を配置してある。これらの3台の散気管11は配管12A、12B、12Cを介して1つの空気切替器13に接続し、この空気切替器13は空気供給管14を介してブロワ15に接続してある。そして、制御回路には、ブロワ15からの空気が3台の散気管11のうちのいずれか1つから交互に噴出する量を制御するように空気切替器13を制御する機能を与えてある。
【0042】
この実施の形態2における空気切替器13には、例えば図5に示すようなロータリバルブ27を使用するのが好ましい。このロータリバルブ27は配管12A、12B、12Cと空気供給管14とを接続した弁体収容部28と、この弁体収容部28に回転可能に収容した弁体29と、この弁体29を回転駆動するための駆動装置から構成することができる。しかし、このロータリバルブ27も図6に示すような3つの電動シリンダ弁30A、30B、30Cや、図示しない空気動作弁、電磁弁などと代替することができる。ロータリバルブ27の形状は配管12A、12B、12Cにそれぞれ滑らかに散気が切り替わる構造ならよい。
【0043】
この実施の形態2における空気切替器13の切替タイミングは、3台の散気管11から間欠的、例えば2〜60秒毎など散気の必要量により、例えば、ロータリバルブ27の場合は回転数を制御するようにしてある。例えば、5秒切り替えとは、最初の5秒間において1台の散気管11から散気している間は、残りの2台の散気管11から散気していない状態と、次の5秒間において残りの2台のうちの1台の散気管11から散気して、残りの2台の散気管11からは散気していない状態と、さらに次の5秒間において散気していなかった残りの1台の散気管11から散気して、残りの2台の散気管11からは散気していない状態とを繰り返すことを云う。この実施の形態2の場合にも、原水(被処理水)2の水質や膜分離器5の汚れ状態などによりその他の時間間隔で運転することが可能である。
【0044】
この実施の形態2では、空気切替器13を用いることにより、3台の散気管11から間欠的に散気することにより、3台の膜分離器5を設置した場合に、それらを洗浄する際の空気量を従来の3分の1程度と大幅に削減することができ、維持管理費を削減することができる。また、3台の散気管11から間欠的に散気することにより、膜分離槽3内の原水(被処理水)2に乱流を発生させることができ、それぞれの膜分離器5の分離膜5aを効果的に洗浄することができる。
【0045】
なお、上記の実施の形態2では膜分離器5の分離膜5aに平膜を用いたが、平膜の代りに中空糸膜を用いた場合にも、中空糸膜3台の間の原水(被処理水)2の入れ替わりを促進することができ、分離膜5aの外表面に汚泥濃縮が生じないようにすることができる。また、3台の膜分離器5に対して3台の散気管11を配置したが、膜分離器5が複数の分離膜5aから成る場合には、散気管11を分割してその分割した部分から間欠的に散気するように構成することも可能である。この場合にも、同様な効果が得られる。
【0046】
実施の形態3.
図7は、この発明を実施するための実施の形態3における水処理装置のフロー図であり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態3の水処理装置では、原水(被処理水)2を貯留する反応槽31を設け、この反応槽31を仕切り壁32によって無酸素槽33と膜分離槽(好気槽)34に仕切ってある。無酸素槽33には攪拌機35を設け、BOD(生物化学的酸素要求量)や窒素を除去するための槽としてある。膜分離槽(好気槽)34には実施の形態1と同様な2台の膜分離器5を設置してある。仕切り壁32の下部に開口32aを設け、仕切り壁32の上部には図示しない越流堰を設けてある。そして、処理水移送管7の分岐部7a、7bに新たな配管7c、7dの一端を接続すると共に、他端を膜分離器5の下部に接続し、処理水4を膜分離器5の上下の2箇所から得るようにしてある。なお、空気切替器13には実施の形態1と同様なロータリバルブ21や2つの電動シリンダ弁26A、26Bを用いることができる。
【0047】
この実施の形態3における水処理装置では、微細目のスクリーン36を原水導入手段1に配設し、夾雑物が反応槽31に入るのを防止して膜分離器5の分離膜5aが夾雑物による目詰まりしないようにしてある。また、この水処理装置には、リンを除去するための凝集剤を膜分離槽(好気槽)34に添加するための凝集剤添加設備37と、逆洗時に処理水移送管7を流れる処理水4に薬液を添加するための薬液添加設備38と、膜分離器5の分離膜5aのろ過圧力すなわち膜差圧をそれぞれ検知するための圧力計39A、39Bを設けてある。これらの圧力計39A、39Bは処理水移送管7にそれぞれ設けてある。スクリーン36の目幅は、上水や下水などの用途に応じて1mm、0.8mm、0.5mm、あるいはそれ以下のものを選択することができる。このスクリーン36はオートストレーナーに代えることができる。
【0048】
薬液添加設備38は、次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒用の薬液を自然流下させるような構成とし、図示はしないが薬液を収容する薬液タンクと、この薬液タンク内の薬液を処理水移送管7に移流させる移流管と、この移流管に配設した開閉弁から構成し、薬液を圧送するための耐薬液性の薬液ポンプは必要としていない。薬液添加設備38は薬液を膜分離槽34に流下するように構成することができる。薬液添加設備38の開閉弁は電磁弁とし、この電磁弁を制御回路に電気的に接続してある。なお、開閉弁は手動としてもよい。制御回路は、薬液タンク内の薬液の液位と反応槽31内の原水(被処理水)2の水位との差、移流管や処理水移送管7の口径や長さ、圧力計39A、39Bの検出値などを考慮して開閉弁の開閉時間、すなわち薬液タンクから流出する薬液の量を自動制御するように構成してある。
なお、薬液を自然流下によって注入しない場合には、薬液を処理水移送管7に薬液ポンプで注入することができることは云うまでもない。
【0049】
この実施の形態3における水処理装置の通常運転においては、散気管11からの散気によって膜分離槽34内の原水(被処理水)2の水位が上昇し、その原水(被処理水)2が仕切り壁32を越流して無酸素槽33に流入するエアリフト効果により、無酸素槽33では原水(被処理水)2が下降流となって仕切り壁32の下方の開口32aを通って膜分離槽34に還流し、原水(被処理水)2の循環流が発生する。このようにして原水(被処理水)2を処理していると、時間の経過と共に膜分離器5の分離膜5aの表面や裏面に汚泥が付着し続け、圧力計39A、39Bの圧力値が次第に高くなるが、しかし、散気管11からの交互の散気によって原水(被処理水)2に乱流が発生し、その水流のせん断力が分離膜5aの表面に付着した汚泥を剥離させることで、膜差圧が上昇するのを遅くすることができる。
【0050】
しかし、交互の散気によって生じた乱流によっても分離膜5aの表面に徐々に汚泥が蓄積する。したがって、圧力計39A、39Bの圧力値が所定値を超えた場合に、逆洗運転を開始する。そして、その後には通常運転と逆洗運転を繰り返し、それでも圧力値が回復しない場合に、薬液添加設備38の開閉弁を開き、薬液注入洗浄を自動的に行う。
【0051】
膜分離器5を逆洗浄する際には、散気管11から散気しながら、逆送可能な処理水ポンプ8を用いた場合には、処理水ポンプ8を逆回転させ、処理水槽6内の処理水4を膜分離器5に逆送する。通常は、処理水ポンプ8の吐出量を1.5Qに維持しながら逆洗を10分に1回程度行う。しかし、2台の処理水ポンプ8を作動させ、吐出量を3Qとして逆洗を30分に1回とすることができる。そして、上水の場合には、薬液添加設備38から薬液を注入しながら10分に1回程度行うのが好ましい。このように、処理水4によって逆洗することにより、汚泥が膜分離器5の分離膜5aに付着することによる空気の偏りを防止することができる。下水などの場合には、薬液を注入した処理水4での逆洗を1週間に1回程度行う。逆洗の度に処理水4の1リットルに対して数百mg/Lの薬液を間欠的に注入する。しかし、薬液は膜分離器5の汚れの度合いに応じて連続的に注入することができる。
【0052】
なお、膜分離器5を引き上げて洗浄する引上げ洗浄は、膜分離器5の分離膜5aの膜圧差が増加した場合、処理水ポンプ8の吸引圧が所定値に達した場合、圧力計39A、39Bが所定値になった場合などに行うが、通常は1年に1〜2回程度行う。いずれの場合にも、最初に処理水ポンプ8の作動を停止し、膜分離器5を原水(被処理水)2の中から引き上げ、反応槽31とは別に設けた浸漬槽内の薬液に3〜4時間浸漬する。薬液には濃度が1000〜2000mg/L程度の次亜塩素酸ナトリウムを用いる。この引上げ洗浄は、タイマーを用いて一定周期で自動的に行うか、圧力計39A、39Bの指示値に基づいて行うのが好ましい。
【0053】
このように、この実施の形態3における水処理装置では、散気管11に交互に散気するだけでなく、圧力計39A、39Bの設定値と連動させて、最適の洗浄を行うことで、膜分離器5のろ過圧力を自動的に下げることができ、膜分離器5を引き上げて洗浄する作業を減らすことができる。また、処理水ポンプ8によって処理水4を膜分離器5の分離膜5aの内部から外部に押し出すので、分離膜5aの表面の汚れを落とすことができるばかりでなく、分離膜5aの内部の汚れも外部に押し出すことができる。さらに、処理水4を分離膜5aの内部から外部に押し出すので、散気管11からの散気が分離膜5aに当たっても当たらなくても、分離膜5a全体を確実に洗浄することができる。そして、薬液添加設備38から薬液を処理水4に注入するので、処理水4だけでは除去しにくいスケール状の汚れも溶かすことができ、分離膜5aの内外をきれいにすることができる。また、分離膜5aの汚れに応じて自動的に洗浄するので、洗浄の頻度が効率的になると共に、維持管理が容易となる。そして、膜分離器5を引き上げる作業も少なくなる。なお、薬液を注入してからその状態を数分間維持すれば、薬液の効果が更に向上するので、薬液の注入頻度を選択した保守洗浄が可能となる。
【0054】
その上に、従来は活性汚泥などを用いた生物処理に膜分離器5を用いた場合に、薬液洗浄の際に活性汚泥に悪影響を及ぼさないように薬液タンクに低濃度の薬液を収容したため、薬液タンクが大型化し、かつ薬液タンクに所定濃度で所定量の薬液を収容する必要があるので、維持管理が煩雑であったが、この実施の形態3における水処理装置では、次亜塩素酸ナトリウム、塩素などの薬液を自然流下させるような構成としたので、従来の逆洗用ポンプを不要とすること、薬液タンクを小さくすること、耐薬液性の薬液ポンプを省くこと、および薬液を所定濃度に調整する手間を省くことが可能となり、設置スペース、設備コスト、運転コストなどを低減することができる。そして、薬液を水位差に基づいて自然流下させるようにしたので、膜分離槽(好気槽)34に逆流する薬液の量が減少し、かつ、分離膜5aに付着した汚泥の回収率も向上する。また、開閉弁を自動制御するようにしたので、維持管理が容易になる。
【0055】
なお、活性汚泥濃度(MLSS)が高い、例えば10000ppm程度である場合には、膜分離器5の分離膜5aが目詰まり易いので、活性汚泥濃度は5000〜6000ppmに維持するのが好ましい。この際に、活性汚泥濃度の調整は、反応槽31内の原水(被処理水)2を引き抜くことができるように反応槽31に設けた図示しない引抜バルブによって行うことができる。また、処理水槽6から処理水4を取り入れ、それにオゾンを追加してオゾン処理水を用意し、逆洗時にそのオゾン処理水を膜分離器5に流すようにすれば、汚泥の減容に効果がある。そして、降雨などで原水(被処理水)2の量が大きく変化することに備え、処理水ポンプ8を2台設け、それらを同時に可動させて吸引力を2倍にするように構成することができる。
【0056】
また、図示はしないが、反応槽31の無酸素槽33にドラフトチューブを設け、原水や返送汚泥をドラフトチューブに導入することによって、反応槽31内の無酸素槽33と膜分離槽(好気槽)34に循環流を発生させることができ、反応槽31内のデッドスペースをなくすことが可能となる。この場合に、ドラフトチューブ内に攪拌羽根を設ければ、循環流を効率的に発生させることができる。また、ドラフトチューブの吐出側を先細り形状にすれば、流下速度を上昇させて攪拌効率を向上させることができる。さらに、ドラフトチューブをフロートによって上下するように構成すれば、水位に対応した循環流を発生させることができる。また、ドラフトチューブの外部に羽根を設けることにより、ドラフトチューブを循環流によって回転させることが可能となり、攪拌効率を更に向上させることができる。そして、ドラフトチューブに導水管を設け、デッドスペースが発生し易い位置に循環流を当てるようにても、処理効率を向上させることができる。
【実施例1】
【0057】
実施の形態3における水処理装置の運転条件は、膜分離器5の分離膜5aの孔径を0.1μm、分離膜5aの面積を46m、凝集剤添加設備37の、リン除去のための添加物をアルミニウム系凝集剤とし、膜分離槽(好気槽)34の汚泥濃度の平均を10000mg/L、膜ろ過流束の平均を0.7m/m・dとした。そして、ブロワ15からの空気量を30m/hとして、2台の散気管11から2台の膜分離器5に対して10秒毎に交互に間欠散気を行った。さらに、吸引ろ過を9分間行った後に、その吸引ろ過を1分間停止し、散気洗浄のみを行った。この結果、2台の膜分離器5にそれぞれ連続的に供給する連続散気と比較して、この実施の形態3における水処理装置では洗浄用の空気量を60%削減することができた。また、逆圧洗浄や薬液浸漬洗浄を行わなくても、日平均膜ろ過流束を0.75〜0.85m/m・dと高く保つことができ、かつ膜差圧を20kPa以下として長期間安定して運転することができた。また、分離膜5aの洗浄運転として、9分引いて1分は引かないで、30秒/10分逆圧洗浄する運転も行った。なお、逆圧洗浄のための電磁弁切替時間は(15+15)秒/10分である。やはりこの洗浄運転でも長期間安定して水処理を行うことができた。
【0058】
実施の形態4.
図8は、この発明を実施するための実施の形態4における水処理装置を示すフロー図であり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態4における水処理装置は実施の形態1における水処理装置を基本とし、膜分離器5の分離膜5aには中空糸膜を用いてある。しかし、この実施の形態4における水処理装置では、膜分離槽3に粉末状の二酸化チタンから成る光触媒41を遊動可能に添加してある。また、膜分離槽3には、光触媒41に紫外線を照射する紫外線ランプなどの紫外線照射器42と、この紫外線照射器42からの紫外線が膜分離器5の分離膜5aに直接当たってそれらが劣化しないようにする平板状の紫外線遮蔽板43を設けてある。
【0059】
この実施の形態4では膜分離槽3に紫外線遮蔽板43を設けたので、散気管11から散気して膜分離器5を洗浄する際にエアリフト効果が発生し、紫外線遮蔽板43を間にした膜分離器5側で原水(被処理水)2の水位が高くなり、紫外線照射器42側の原水(被処理水)2の水位との間に水位差が生じ、この水位差によって原水(被処理水)2の循環流が発生する。このため、光触媒41に紫外線が良好に当たり、微生物を殺菌することによって分離膜5aの目詰まりを効果的に抑制し、有機物を含む原水(被処理水)2を効果的に分解し、原水(被処理水)2中に含有する難分解性有機物をも処理することができる。また、原水(被処理水)2をエアリフト効果によって循環させることができるので、循環ポンプが不要となり、設置費や維持管理費が低減する。その上に、実施の形態1と同様な効果が得られる。
【0060】
すなわち、膜分離槽3内に2台の膜分離器5を設置し、かつ空気切替器13を用いて散気管11から間欠的に散気するので、膜分離器5の分離膜5aを洗浄する際の空気量を大幅に削減することができ、維持管理費を削減することができる。また、散気管11から間欠的に散気することにより、膜分離槽3内の原水(被処理水)2に乱流を発生させることができるので、中空糸膜間の原水(被処理水)2の入れ替わりを促進することができ、膜分離器5の分離膜5aを効果的に洗浄することができる。また、散気管11から間欠的に散気した際に、分離膜5aに付着した光触媒41が分離膜5aから剥離し、再び有効に光触媒41として働くようになる。さらに、光触媒41と紫外線照射器42を用いたことにより、有機物の分解や殺菌の効果から分離膜5aの目詰まりを抑制することができる上に、農薬(例えばMEP、イプコナゾール)、染料(例えば橙色205号、緑色201号)、環境ホルモン(例えばオクチルフェノール)などの難分解性物質の処理が可能となる。
【0061】
なお、この実施の形態4における水処理装置では、光触媒41として二酸化チタンを用いたが、その代りに酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、または酸化タングステンを用いることができる。また、紫外線遮蔽板43の設置位置は、紫外線照射器42寄りでも膜分離器5寄りでも構わない。また、2台の膜分離器5に更なる膜分離器5を追加した場合でも、ブロワ15からの空気供給管14に空気切替器13を配置し、空気を間欠的に噴出させることにより、同様な効果を得ることができる。そして、平板状の紫外線遮蔽板43を用いたが、図9(a)に示すような半円筒状の紫外線遮蔽板43A、または図9(b)に示すような半直方体状の紫外線遮蔽板43Bを用いることができる。これらの紫外線遮蔽板43Aまたは紫外線遮蔽板43Bを用いた場合には、紫外線照射器42の近傍に攪拌流が生じるので、平板状の紫外線遮蔽板43を用いた場合と同様に処理効率が向上する。
【0062】
実施の形態5.
図10は、この発明を実施するための実施の形態5における水処理装置のフロー図であり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この水処理装置は上述の実施の形態3における水処理装置を基本とし、処理水槽6の後段に消毒槽51を設置してある。そして、この消毒槽51には、膜分離槽3から引き上げた膜分離器5を洗浄する役目も兼ねさせてある。この消毒槽51の有効水深は膜分離器5を完全に浸漬させ得る深さ、例えば2.2mとしてある。消毒槽51の一方の側壁51aには、処理水槽6から処理水4を流入させる流入口52を形成してある。消毒槽51の他方の側壁51bには、消毒後の処理水4を河川、中水貯留槽などに越流させる越流堰53を形成してある。消毒槽51の底壁51cの一隅には、消毒槽51内の膜分離器5を洗浄した排水を迅速に排出するための釜場54を一段と低く形成してある。そして、消毒槽51の内部には、消毒槽51内を前段(上流)と後段(下流)に仕切るための壁板55を取外し可能に設置してある。
【0063】
通常の消毒工程では、消毒槽51に壁板55を取り付け、壁板55の下端部55aと消毒槽51の底壁51cとの間に隙間56を残す。これにより、処理水槽6から流入した処理水4は壁板55の前段で下降流となり、壁板55の下方の隙間56を通り、壁板55の後段では上昇流となる。したがって、処理水4の流路が長くなり、処理水4と消毒剤が良好に混合する。一方、膜分離槽3から引き上げた膜分離器5を洗浄する際には、壁板55を消毒槽51から取り外す。そして、消毒槽51の釜場54に排水ポンプ(図示せず)を仮設し、汚水が越流しないように消毒槽51内の水位を下げ、膜分離器5を消毒槽51内に浸漬する。
【0064】
この実施の形態5における水処理装置では、膜分離器5を洗浄するために消毒槽51を使用するので、従来では使用頻度が少ないにも拘らず必要であった専用の洗浄槽の設置やFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製の洗浄槽を用意する必要がなく、設置面積が減少する。また、壁板55の下端部55aと消毒槽51の底壁51cとの間に隙間56を残すようにしたので、処理水4の流路を長くすることができる。したがって、処理水4と消毒剤の混合を促進することができる上に、消毒時間を長くすることがでる。そして、消毒槽51には処理水4が残っているので、従来では必要であった水を供給する手間が不要となり、膜分離器5の洗浄に要する時間を短縮することができる。
【0065】
実施の形態6.
図11および図12は、この発明を実施するための実施の形態6における水処理装置を示す部分断面図であり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態6における水処理装置では、膜分離器5を膜分離槽3の外部に容易に引き上げることができるようにしてある。すなわち、膜分離槽3には膜分離器5を案内する例えば1対のガイドレール61と、膜分離器5を引上げるための引上げ設備62を設けてある。各ガイドレール61は概略逆L字状とし、膜分離槽3の一方の側壁3aと膜分離器5との間において膜分離槽3の底壁3bから垂直に延在する垂直部61aと、膜分離槽3の一方の側壁3aの上端面の上を側方に水平に延在する水平部61bと、これらの垂直部61aと水平部61bとを滑らかに接続する円弧部61cによって構成してある。これらの1対のガイドレール61は、原水(被処理水)2が膜分離器5の分離膜5aに流入することを妨げないように、膜分離器5の側縁側に配置するのが好ましい。引上げ設備62には油圧を用い、膜分離器5を連結するフック付ワイヤ63を持たせてある。
【0066】
膜分離器5を膜分離槽3から引き上げる際には、引上げ設備62のワイヤ63の先を膜分離器5に連結し、引上げ設備62を作動させる。これにより、図12に示すように、膜分離器5はガイドレール61の垂直部61aに沿って上方に移動し、その後に円弧部61cに沿って滑らかに水平方向に向きを変え、水平部61bを水平方向に移動する。このように、この実施の形態6における水処理装置では、膜分離器5をガイドレール61と引上げ設備62によって容易に引き上げることができる。また、膜分離器5の上方に吊上げ設備を設置して膜分離器5を上方のみに吊り上げる従来のチェーンロック構造と比較して、上方に吊上げ設備を設置する必要がなく、設置空間における天井の高さを低減することができる。
【0067】
以上、この発明を実施するための実施の形態1〜6における水処理装置では、従来の散気管11を使用し空気切替器13を用いることによって空気量を従来の2分の1以下に低減して、膜分離器5に付着した汚泥を効果的に剥離させることが可能であることを説明したが、以下に説明するように、散気管11や膜分離器5などの構造や配置を工夫することや担体投入によっても、膜分離器5に付着した汚泥を更に良好に剥離させることが可能となる。なお、以下の説明では図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0068】
図13に示す第1の例としての散気管71は、それ自体が目詰まりしないような構成としてある。すなわち、分岐管12に連結した散気管71は、複数の散気孔72を有する円筒状の散気管本体73と、この散気管本体73の先端に嵌着したキャップ74により構成してある。散気管本体73の先端側の下面に大きな開放口75を設け、散気管本体73に流入した汚泥を排出し易いようにしてある。そして、散気管71の全体の空気バランスを確保するため、開放口75を囲む箱状の枠壁76を開放口75から下方に向けて突設し、その部分を断面逆U字状とし、枠壁76の内側を空気チャンバーとしてある。
【0069】
これにより、仮に散気管71の内部に汚泥が付着した場合でも、その汚泥を開放口75から原水(被処理水)2の中に自然に流出させることができる。また、この散気管71を用いれば、散気管71を洗浄するための専用の水洗浄設備が不要となると共に、散気管71を引き上げて洗浄する手間も省くことができる。さらに、この散気管71は散気の偏りを起こさないので、膜分離器5に付着した汚泥を安定して剥離させることができる。また、従来は空気管と水洗浄管が弁で接続されているので、弁が故障するとブロワ15へ水が流れ込んでいたが、この散気管71を使用すれば、水洗浄の必要がないので水洗浄管を設置しないで済む。また、従来の弁の故障に起因したブロワ15への水の流れ込みを無くすこともできる。そして、1台の膜分離器5に対して散気管71を例えば3分割すれば、動力を変化させることなく散気の大きな偏りを防止することができる。
【0070】
図14〜図16に示す第2の例としての散気管81は、ブロワ15に空気供給管14を介して接続した円筒状の内胴82と、この内胴82の全体を囲むように回転可能に設けた円筒状の外胴83を備えている。この外胴83の一端は軸受84に回転可能に支持し、他端は空気供給管14の端部に回転可能に支持してある。内胴82の上面側にはスリット82aを軸線に沿った方向に向けて形成し、空気をスリット82aから上方に向けて噴出するようにしてある。外胴83には多数の散気孔83aを螺旋状のラインに沿って形成してある。そして、外胴83の外周面の一端には複数の羽根85を等間隔で設けてあると共に、空気供給管14には外胴83の羽根85に向けて空気を噴出する散気部14aを設けてある。
【0071】
この散気管81では、ブロワ15からの空気は空気供給管14を通って内胴82に流入し、そのスリット82aから上方に向かう。この間に、図16に示すように、空気供給管14の散気部14aからも空気が噴出し、その空気が原水(被処理水)2に上昇流を発生し、その上昇流が羽根85に当たって外胴83を回転させる。そして、外胴83の散気孔83aが内胴82aのスリット82aに整合したとき、その散気孔83aから空気が膜分離器5に向かって部分的に集中して噴出する。この際に、複数の空気孔83aは螺旋状のラインに沿って設けてあるので、散気孔83aの位置が水平方向に移動するようになり、水流が膜分離器5の全体に当たるようになる。かつ、散気位置が移動することで散気を膜分離器5に部分的に集中して勢いよく当てることができ、膜分離器5の目詰まりを効率的に防止することができる。
【0072】
図17〜図19に示す第3の例としての散気管91は、三角柱状の散気管本体92を備えている。この散気管本体92の一端には軸部93を一体に設け、この軸部93を図示しない軸受によって回転可能に支持してある。散気管本体92の他端は、ブロワ15に接続した空気供給管14の一部に回転可能に支持してある。散気管本体92の3つの側壁92aが成す3つの稜線92bには、複数の散気孔から成る散気孔群94を設けてある。これらの散気孔群94は3つの稜線92bに対して相互にずれた位置に形成してある。さらに、散気管本体92の3つの側壁92aには、例えば半円形状の凹溝95を軸線方向に長くそれぞれ設けてある。凹溝95は一方の稜線92b側に片寄らせて設け、側壁92aの同じ片側の表面積を広くしてある。そして、散気管本体92の下方おいて、別の散気管96を空気供給管14の分岐部14aに接続配置し、散気管96から噴出した空気を散気管本体92の凹溝95に当てて回転させるようにしてある。
【0073】
このような散気管91では、散気管本体92に流入した空気は、主として上方に位置する散気孔群94から膜分離器5に向かって部分的に集中して噴出する。この間に、図19に示すように、別の散気管96から噴出した空気が散気管本体92の側壁92aに当たるが、この側壁92aでは凹溝95を有する片側の表面積が広いので、散気管本体92が一方向に回転すると共に、凹溝95に溜まった空気が勢いよく上方に移動し、膜分離器5に強く当たる。また、散気管本体92が回転することにより、散気孔群94の位置が水平方向に移動する。これにより、散気管本体92を特別な動力源を必要とすることなく回転させることができると共に、散気孔群94の位置を移動させながら散気を膜分離器5に部分的に集中して勢いよく当てることができ、膜分離器5の目詰まりを効率的に防止することができる。
【0074】
図20に示す第4の例としての散気管101は、一端を閉じた円筒状の散気管本体102を備え、この散気管本体102には複数の散気孔102aを螺旋状のラインに沿って形成してある。散気管本体102の一端には支軸103を設け、この支軸103は軸受104によって回転可能に支持してある。散気管本体102の他端はキャップ105によって閉じてあり、このキャップ105にはブロワ15からの空気供給管14を貫通させ、キャップ105は散気管本体102と共に回転可能としてある。そして、散気管本体102の内周面には、内方に突出するスクリュー羽根106を設けてある。
【0075】
この散気管101では、ブロワ15からの空気は空気供給管14を通って散気管本体102の内部に噴出する。散気管本体102内に噴出した空気はスクリュー羽根106に当たり、散気管本体102を回転させる。この間に、その空気は散気孔102aから外部に噴出する。このように、この散気管101では、散気孔102aを螺旋状のラインに沿って設けたことにより、特別な動力源を必要とすることなく散気管本体102を回転させることができる。また、空気を移動させながら膜分離器5に部分的に集中して勢いよく当てることができ、膜分離器5の目詰まりを効果的に防止することができる。
【0076】
図21〜図23に示す第5の例としての散気管111は、空気がブロワ15から空気供給管14を介して入り込むシリンダ112と、このシリンダ112内に往復移動可能に配置したピストン113を備えている。シリンダ112の上面側には複数の散気孔112aを設け、ピストン113は中空の円筒状としてある。ピストン113にはシャフト114の一端側を固定してある。この際に、シャフト114は、円筒状のピストン113の内面から内方に部分的に突出する支持部113aに固定し、空気がピストン113の内部を流れることができるようにしてある。
【0077】
そして、シャフト114の他端は空気圧アクチュエータ115に連結してある。この空気圧アクチュエータ115は、圧縮空気が流入するポート116a、116bを備えたシリンダ116、このシリンダ116内に往復移動可能に配置したピストン117、圧縮空気を作り出すコンプレッサー118、このコンプレッサー118からの圧縮空気をシリンダ116のポート116a、116bにそれぞれ導く分岐管119a、119bを有する空気供給管119、圧縮空気の進行方向をポート116aまたはポート116bに切り替える三方弁からなる空気切替器120とから構成してある。
【0078】
この散気管111では、空気がブロワ15から空気供給管14を介してシリンダ112内に流入するが、シリンダ112内に流入した空気はピストン113の内側を通ってシリンダ112内の全体に広がる。このとき、ピストン113は複数の散気孔112aの約半分を塞ぎ、残りの散気孔112aから空気が勢いよく噴出する。そこで、空気圧アクチュエータ115の作用によってピストン113の位置を変更させると、ピストン113は複数の散気孔112aのその他の部分を塞ぎ、残りの散気孔112aから空気が勢いよく噴出する。したがって、この散気管111も空気を膜分離器5に集中して勢いよく当てることができ、汚泥による膜分離器5の目詰まりを効果的に防止することができる。
【0079】
なお、ピストン113を中空の円筒状としたが、図22および図23に示すように中実のピストン121とすることができる。この場合に、ピストン121の断面形状は円弧部121aと直線部121bとによって形成してある。そして、円弧部121aは半円よりも大きくしてあるが、直線部121bとシリンダ112との間に隙間122が生じるようにしてある。これにより、シリンダ112に流入した空気はピストン121内の全体に広がり、この中実のピストン121を用いても上記中空のピストン113と同様な作用効果が得られる。
【0080】
図24は散気管11の目詰まりを防止するその他の装置を示している。この装置は膜分離器5の下方に配置してある散気管11に空気排出管131の下部開口131aを連結し、その上部開口131bを原水(被処理水)2の水面の上方に位置させてある。そして、原水(被処理水)2の外部において空気排出管131に開閉弁132を設け、必要に応じて空気を散気管11から空気排出管131を通して放出するようにしてある。通常は開閉弁132を閉じておき、ブロワ15からの空気を散気管11から膜分離槽3の原水(被処理水)2内に散気させる。そして、散気の状態に応じて、例えば散気管11に目詰まりのような状態の始まりを感じたら、開閉弁132を開く。これにより、空気が空気排出管131を通って上部開口131bから噴出するので、散気管11内を流れる空気が原水(被処理水)2を矢印で示すように散気管11内に吸い込み、散気管11に付着した汚泥を剥離させて上部開口131bから流出させ、散気管11の目詰まりを防止する。
【0081】
図25は散気管11を膜分離器5の下方以外に設置することを示している。通常の膜分離器5は、例えば中空糸膜から成る分離膜5aの上下端を上下の支持フレーム141、142にそれぞれ固定し、これらの支持フレーム141、142の間隔は例えば左右の支柱143、144(支柱144は後述する)によって固定してある。したがって、例えば2つの散気管11を膜分離器5の下部の支持フレーム142の内部に配置することや、膜分離器5の分離膜5aの束の間に配置することが可能である。散気管11を分離膜5aの束の間に配置する場合には、可能な限り分離膜5aの下端の近傍に配置するのが好ましい。なお、散気管11を下部の支持フレーム142の内部や、下部の支持フレーム142の下面に設置すれば、散気管11の水平を確保することができるので、散気管11から噴出した空気を分離膜5aに均一に当てることが可能となる。なお、分離膜5aに直接に強く散気を当てる場合、間欠運転をする場合、逆洗時に流路を切り替える場合などに、処理水ポンプ8に空気を吸い込んで水封切れを起こすことがあるので、気液分離タンクを設けることもできる。また、水封切れで流量が低下した時に、ポンプ2台を最大能力1.5Qで同時運転して強制吸引することもできる。さらに、ポンプケーシング内を満たすだけの水が処理水配管に残存することで、気液分離を行うこともできる。例えば、処理水配管に凸凹を設けて、処理水配管に水が溜まる構成とするとよい。例えば、気液分離タンクは、タンク内の水位を検知し、所定水位以下になったときに真空ポンプでタンク内のエアを吸引する構造とすることがよい。
【0082】
図26は膜分離器5の下部の支持フレーム142の平面形状を示している。膜分離器5の分離膜5aに中空糸膜を用いた場合には、中空糸膜の束の厚さを薄くすることにより、中空糸膜の外表面を洗浄し易くすることができる。この場合には、支持フレーム142には上下に貫通する複数の空気流通口151を例えば千鳥状に設け、これらの空気流通口151の間に中空糸膜の束から成る分離膜5aを位置させるようにしてある。空気流通口151には、原水(被処理水)2や空気を流すことができるが、水流ノズルなども設置することができる。あるいは、散気管11を煙突形状とし空気流通口151に嵌め込んで散気の効率を向上することもできる。また、支持フレーム142には、空気供給管152や処理水吸引管(処理水移送管)153なども固定することができる。したがって、上部の支持フレーム141は下部の支持フレーム142と同様な構成とすることができる。これにより、分離膜5の束の厚みを薄くすることができ、空気流通口151から噴出した空気を分離膜5aの束の周りに良好に流すことができ、分離膜5aの束の間に汚泥が付着することを防止することできる。
【0083】
図27に示す膜分離器5は、仮に膜分離器5の中空糸膜から成る分離膜5aの束の間に汚泥が付着した場合にも、それらの汚泥を容易に除去することができるようにしてある。通常の膜分離器5の分離膜5aは上下の支持フレーム141、142と左右の支柱143、144によって支持してある。しかし、ここでは一方の支柱143を上下の2つの部分143a、143bに分断して隙間145を形成してあると共に、他方の支柱144も上下の2つの部分144a、144bに分断して隙間146を形成してある。そして、隙間145、146に支持部材147、148をそれぞれ嵌め込むことにより、通常の膜分離器5の外形を保持してある。これにより、膜分離器5に汚泥が付着した場合には、支持部材147、148を支柱143、144からそれぞれ取り外すことにより、上下の支持フレーム141、142同士の間隔が狭まり、分離膜5aが左右方向に揺らぐようになり、中空糸膜間の汚泥を容易に落とすことができる。なお、支柱143、144を上下に分断することなく支持フレーム141、142に対して着脱可能とすれば、支柱143、144を取り外すことにより、分離膜5aを撓ませながら上下の支持フレーム141、142同士の間隔を狭めることが可能となり、膜分離器5の洗浄や運搬などが容易になる。
【0084】
図28に示す膜分離器5は、上下の支持フレーム141、142と左右の支柱143、144から成る支柱枠171に、分離膜5aの上下端を上下の補助支持フレーム172、173によって支持して成る分離膜部174を、カセット状に着脱可能としてある。このため、支持フレーム141、142の対向面には、補助支持フレーム172、173がそれぞれ嵌合する凹部141a、142aをそれぞれ形成してある。この場合に、補助支持フレーム172、173や凹部141a、142aに勾配を設ければ、それらの嵌合が容易になることは云うまでもない。この膜分離器5では、分離膜部174を支柱枠171から取り外すことにより、分離膜5aを洗浄することができる。また、分離膜部174の高さは支柱枠171の高さよりも低いので、分離膜部174の浸漬洗浄槽を通常の膜分離器5の浸漬洗浄槽よりも小型化することができる。さらに、分離膜部174のみを交換して支柱枠171を繰り返して使用することができる。そして、膜分離槽3から分離膜部174のみを引き上げればよいので、引き上げ高さも低くなり、設置空間が低減する。また、分離膜部174の大きさや重量が膜分離器5の大きさや重量よりも小型化・軽量化するので、洗浄や交換の際の運搬が容易となる。
【0085】
図29および図30に示す膜分離器5は、膜分離槽3に設置した後でも、その水平を微調整することができるようにしてある。すなわち、膜分離槽3を側壁3aと底壁3bとによって平面矩形に形成してあるとして、底壁3bの内面の仕上げ寸法の精度が悪い場合には、膜分離器5を載置する架台を水平に設置することが困難となる。したがって、架台が傾斜したまま膜分離器5を設置した場合には、散気管11からの空気を分離膜5aに均等に当てることが困難になる。そこで、この膜分離器5では上部の支持フレーム141の上面に支持枠181を固定し、この支持枠181の上面に基準枠182を複数の調整ボルト183によって取り付けてある。支持枠181は支持フレーム141の縁部に沿った平面矩形の枠体とし、支持枠181の一対の対向辺にはボルト183を螺合させるネジ孔(図示せず)を設けてある。そして、基準枠182の対向辺182a、182a同士の間隔は支持枠181の対向辺同士の間隔と同等としてあるが、基準枠182の残りの対向辺182b、182bは支持枠181の残りの対向辺の外側に位置させてある。
【0086】
一方、膜分離槽3の側壁3aの上部内面には、基準枠182の対向辺182b、182bを案内する一対のガイド溝184、184を形成してある。これらのガイド溝184、184の基部の基準面184a、184aは、基準枠182の対向辺182b、182bを支持して膜分離器5を所定の高さに保持するように設けてある。したがって、膜分離器5を膜分離槽3に設置する際には、予め支持枠181と基準枠182との間に平行な若干の隙間dを残すように、全ての調整ボルト183を調整しておく。次に、基準枠182の対向辺182b、182bを膜分離槽3のガイド溝184、184に嵌め込んで、基準枠182の対向辺182b、182bがガイド溝184、184の基準面184a、184aに当接するまで膜分離器5を原水(被処理水)2中に降ろす。そして、膜分離器5の水平を調整する場合には、必要な調整ボルト183を工具185によって回す。ここでの膜分離器5は、膜分離槽3に浸漬した後に水平を水面上から調整することができるので、膜分離槽3の底面の仕上げ精度が悪い場合でも散気の状況を監視しながらでも膜分離器5の水平を調整することができる。これにより、散気管11からの散気を分離膜5aに均一に当てることができ、分離膜5aのろ過効率を継続的に高く保つことができる。なお、基準枠182を膜分離槽3の側壁3aのガイド溝184に嵌め込んだが、しかし、膜分離器5の上部の支持フレーム141の上面に支持枠181を固定し、この支持枠181の上面に基準枠182を複数の調整ボルト183によって基準枠182を取り付け、膜分離槽3内に立てた支柱に、支持枠181と基準枠182を固定して、調整ボルト183で水平を調整することも可能である。
【0087】
図31および図32に示すヘッダ191は、複数の膜分離器5を容易に取り付けることができる上に、任意の膜分離器5を容易に取り外すことができるようにしてある。このため、膜分離器5の上面には、処理水4をヘッダ191に導くための導水部材192を上方に向けて突設してある。この導水部材192には流路192aをT字状に設けてある。そして、ヘッダ191には、弁体193と前記導水部材192を下方から順次に収容する凹部194を設けてある。また、ヘッダ191には、水平方向に直線状に延びて導水部材192の流路192aと連通可能な第1の流路195と、この第1の流路195の上方においてそれと平行に延びる第2の流路196と、凹部194の両側において第1の流路195と第2の流路196を連通するバイパス197を設けてある。そして、弁体193は、膜分離器5をヘッダ191に取り付けてあるときは第2の流路196を閉じ、膜分離器5をヘッダ191から取り外した際には自動的に下方に移動して第1の流路195を閉じるようにしてある。
【0088】
したがって、図31に示すようにヘッダ191に全ての膜分離器5を取り付けてあるときには、全ての弁体193は上方に位置して第2の流路196を閉じ、処理水4は矢印で示すように第1の流路195を直線状に流れる。これに対し、ヘッダ191から例えば中央の膜分離器5を取り外すと、図32に示すようにその膜分離器5に対応する位置の弁体193が下方に移動し、その膜分離器5に対応する第2の流路196を開くと共に第1の流路195を閉じる。これにより、矢印で示すように、中央の凹部194に向かっている処理水4はその凹部194に隣接する一方のバイパス197を上方に向かい、第2の流路196を水平に流れ、他方のバイパス197を下方に向かい、第1の流路195に合流する。
【0089】
このように、従来は補修や清掃のために複数の膜分離器5のうちの1つの膜分離器5を取り出す場合でさえも全ての膜分離器5を解体する必要があったが、このヘッダ191を用いれば全ての膜分離器5を解体することなく任意の膜分離器5を短時間で容易に取り外すことができる。また、任意の膜分離器5を取り外した状態で残りの膜分離器5を作動させることができるので、膜ろ過工程を中断することなく継続することができ、処理効率を向上させることができる。さらに、必要な膜分離器5のみを容易に取り外すことができるので、膜分離器5の交換、清掃、保守に要する時間を短縮することができる。
【0090】
図33に示す膜分離器5Aは、上下の支持フレーム141、142を同様な構造とし、中空糸膜から成る分離膜5aをU字形状に湾曲させて下部の支持フレーム142を上部の支持フレーム141と同じ高さに配置し、双方の支持フレーム141、142を処理水移送管7に接続してある。これにより、膜分離器5Aの高さが低くなるので、前記の膜分離槽3、反応槽31および消毒槽51の水深が低い場合にも対応することができる。この場合に、標準の分離膜5aを用いることができるので、その対応が容易である。また、分離膜5aがU字状になっているので、散気管11からの散気によって分離膜5aを揺らすことができ、物理的な洗浄効果を向上させることができる。
【0091】
図34に示す膜分離器5Bは、中空糸膜から成る分離膜5aをループ状にして分離膜5aの両端を上部の支持フレーム141に固定し、分離膜5aの最下部の内面に重り201を載置してある。この膜分離器5Bの分離膜5aも上記膜分離器5Aの分離膜5aと同様に揺らすことができるが、分離膜5aの揺れの大きさは重り201の重さによって調整することができる。したがって、重り201の重さを選択することにより、分離膜5aを適切に揺らすことができ、物理的な洗浄効果を更に向上させることができる。
【0092】
図35に示す膜分離器5Cでは、分離膜5aを構成する中空糸膜の上端を閉じてある。そして、分離膜5aの下端を下部の支持フレーム142に片持ち状に固定し、分離膜5aの上端は自由端としてある。この支持フレーム142には、左右の支柱143、144を残し、上記処理水移送管7を接続してある。この膜分離器5Cでは、散気によって分離膜5aの上端を揺らすことができるので、物理的な洗浄効果を向上させることができる。なお、左右の支柱143、144は除いても構わない。
【0093】
図36は膜分離器5を鉛直方向に対して角度θだけ傾斜させて設置した場合を示している。この場合には、散気管11から鉛直方向に上昇した気泡が分離膜5aに当たった後に、分離膜5aの下面に沿って上昇し、分離膜5aに付着した汚泥を全体的に効率良く剥離させる。また、膜分離器5を傾斜させれば水深が浅い膜分離槽3、反応槽31および消毒槽51にも対応することができる。したがって、従来のように高さを低くした膜分離器を用意する必要がなく、設備コストの削減が可能となる。
【0094】
膜分離槽3に担体(キューブ形状、球形状、カプセル形状等)を投入して、原水(被処理水)2を流動させて微生物を保持させ、生物処理能力を向上させることも可能である。この場合に、この担体は、膜分離槽3内を流動して分離膜5aに衝突することにより、分離膜5aに付着した膜面付着物を分離膜5aから剥離させる。したがって、担体は分離膜5aに衝突した際に分離膜5aを破損させない硬さとする必要がある。この種の担体としてポリウレタン製のスポンジを使用することができるが、特に限定するものではない。散気により分離膜5aを洗浄するが、その散気により膜分離槽3内に水流を発生させ、この水流が担体を流動させて分離膜5aに衝突させ、分離膜7に付着した膜面付着物を分離膜7から剥離させる。担体によって生物処理能力が向上すると共に、膜面付着物を物理的に除去するという大きな効果がある。
【0095】
例えば、分離膜5aに平膜を用い、担体は1辺が12mmの立方体の多孔質ポリウレタンとし、担体の体積と膜分離槽3の容積との比が10%となるように担体を膜分離槽3内に投入することを一つの条件とし、他の条件は同じで担体を投入した場合としなかった場合を比較すると、膜間差圧の上昇は3割程度低く押さえることができる。また、分離膜5aに付着した膜面付着物は、担体を投入した場合の方が担体を投入しない場合よりも7割ほど低くすることができる。さらに、浮遊性の汚泥濃度を低い濃度にしても、担体の添加量を増やすことにより、浮遊汚泥濃度が高濃度である場合と同等以上の処理水質を得ることができる上に、沈殿槽を大きくしなくても処理量を増加させることができる。低負荷対策の汚泥保持にも、担体は効果を発揮する。また、担体に微生物が付着することにより、分離膜5aへの負荷が低減する。さらに、担体の付着汚泥のSRTが長くなることにより、環境ホルモンや色度の除去効果もある。
【0096】
また、上水処理に本発明の装置を用いた場合、担体を流動させた場合には、担体の衝突による物理的な洗浄効果と、さらに、活性炭を添加した場合には浄化効果、例えば、溶解性物質の除去に効果が得られる上に、担体に生物が付くことによる分離膜5aへの負荷の低減も期待することができる。そして、分離膜5aの摩耗に影響しなければ、粒状活性炭でも粉末活性炭でも良い。また、担体に汚泥を保持させることによっても、分離膜5aに対する低負荷対策効果が得られる。また、SRTが長くなることによる環境ホルモン除去効果も期待できる。なお、衝突による物理的な洗浄効果は、特に平膜で著しい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】この発明の実施の形態1を示す水処理装置のフロー図である。
【図2】ロータリバルブの模式図である。
【図3】空気切替器を電動シリンダ弁で構成したときの配置図である。
【図4】この発明の実施の形態2を示す水処理装置のフロー図である。
【図5】ロータリバルブの模式図である。
【図6】空気切替器を電動シリンダ弁で構成したときの配置図である。
【図7】この発明の実施の形態3を示す水処理装置のフロー図である。
【図8】この発明の実施の形態4を示す水処理装置のフロー図である。
【図9】紫外線遮蔽板の斜視図であり、(a)は半円筒状の紫外線遮蔽板を示し、(b)は半直方体状の紫外線遮蔽板を示している。
【図10】この発明の実施の形態5を示す水処理装置の要部構成図であり、(a)は縦断面図であり、(b)は平面図である。
【図11】この発明の実施の形態6を示す水処理装置の要部構成図である。
【図12】その作用説明図である。
【図13】散気管の第1の例を示し、(a)は平面図、(b)はキャップを外した状態の底面図、(c)はキャップを外した状態の側面図である。
【図14】散気管の第2の例の縦断面図である。
【図15】その横断面図である。
【図16】その作用説明図である。
【図17】散気管の第3の例の縦断面図である。
【図18】散気管本体の斜視図である。
【図19】その作用説明図である。
【図20】散気管の第4の例の部分縦断面図である。
【図21】散気管の第5の例の部分縦断面図である。
【図22】ピストンのその他の形を示す部分縦断面図である。
【図23】その横断面図である。
【図24】散気管に空気排出管を接続した状態を示す部分縦断面図である。
【図25】散気管の配置位置を示す模式図である。
【図26】下部の支持フレームの平面図である。
【図27】支持部材を外して示す膜分離器の正面図である。
【図28】膜分離器の支柱枠から分離膜部を取り外した状態を示す構成図である。
【図29】膜分離器の水平を調製する装置を説明する平面図である。
【図30】その部分縦断面図である。
【図31】複数の膜分離器を着脱可能とするヘッダの部分縦断面図である。
【図32】その作用説明図である。
【図33】分離膜をU字状に設置することを説明する図である。
【図34】分離膜をループ状に設置することを説明する図である。
【図35】分離膜の上端を自由端とすることを説明する図である。
【図36】膜分離器を傾斜させて設置することを説明する図である。
【符号の説明】
【0098】
1 原水導入手段
2 原水(被処理水)
3 膜分離槽
4 処理水
5、5A、5B、5C 膜分離器
5a 分離膜
6 処理水槽
7、153 処理水移送管(処理水吸引管)
11、71、81、91、101、111 散気管
13 空気切替器
16 送気設備
31 反応槽
21、27 ロータリバルブ
41 光触媒
42 紫外線照射器
43、43A、43B 紫外線遮蔽板
72 散気孔
75 開放口
106 スクリュー羽根
113、121 ピストン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水導入手段と、複数の膜分離器および複数の散気管を備える膜分離槽と、前記散気管へ送気する送気設備と、前記膜分離器に接続し、処理水を移送する処理水移送管とからなる水処理装置において、前記送気設備は空気切替器を備えることを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記空気切替器は、ロータリバルブであることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記散気管は、往復動するピストンを有すること特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項4】
前記散気管は、回転運動するスクリュー羽根を有すること特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項5】
前記散気管は、上面に散気孔を有し、下面に開放口を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項6】
前記膜分離槽は、紫外線照射器および紫外線遮蔽板を有し、光触媒が流動することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2006−15274(P2006−15274A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197024(P2004−197024)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(500481422)株式会社西原 (4)
【出願人】(000147408)株式会社西原環境テクノロジー (44)
【出願人】(000147383)株式会社西原衛生工業所 (17)
【出願人】(500227093)株式会社 西原ウォーターテック (5)
【出願人】(000195834)株式会社西原ネオ (4)
【出願人】(391022418)株式会社西原テクノサービス (21)
【Fターム(参考)】