説明

油中水型乳化化粧料

【課題】
塗布時に肌上で伸びが良くなめらかであり、肌への負担感が無く、化粧効果が長時間にわたって持続し、化粧膜の均一性に優れた効果を示す油中水型乳化化粧料を提供すること。
【解決手段】
次の成分(A)〜(C):(A)多孔性ポリメタクリレート球状微粒子からなる粒径20〜1200μmの凝集粉体、(B)揮発性シリコーン油剤 15〜60質量%、(C)トリメチルシロキシケイ酸及び/又はアクリル−シリコーン系グラフト共重合体から選ばれる皮膜形成性シリコーン樹脂 0.1〜5質量%を含有し、且つ、(A)に対する(B)の配合質量比が1.5〜60であることを特徴とする油中水型乳化化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布時の伸びが良くなめらかな使用感であり、仕上がりのつっぱり感がなく、負担感のない化粧膜が長時間持続し、化粧膜の均一性に優れた油中水型乳化化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油相を外部連続相とし、水相を内部不連続相とする油中水型乳化化粧料は、塗布膜が油膜の連続相で形成されるため、耐水性に優れ、化粧崩れを起こしにくい等の有用性があった。さらに、皮膜形成性のシリコーン樹脂を用いて皮膜を作ることで、化粧膜と皮脂が混ざることによる化粧崩れを防ぐ技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−047129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、皮膜形成性樹脂を配合すると化粧持続性は向上するものの、シリコーン樹脂の溶媒として配合される揮発性シリコーン油剤が揮散し、皮膜を形成する際の肌への負担感が大きく、また、塗布の途中で伸び広がりが悪くなるため、仕上がりの化粧膜が不均一になる場合があり、さらに、揮発性シリコーン油剤が多量であるほど、この傾向は顕著であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる実情に鑑み、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、油中水型乳化化粧料において、高い吸油・吸水性を持ち揮発成分の徐放性に優れる多孔性ポリメタクリレート球状微粒子の凝集粉体と、揮発性シリコーン油剤、及び皮膜形成性シリコーン樹脂の各々特定量を併用することにより、揮発性シリコーン油剤を多量に配合しても、塗布時の伸びが良くなめらかな使用感であり、肌への負担感のない化粧膜が長時間持続し、しかも化粧膜の均一性に優れた油中水型乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、 次の成分(A)〜(C):
(A)多孔性ポリメタクリレート球状微粒子からなる粒径20〜1200μmの凝集粉体
(B)揮発性シリコーン油剤 15〜60質量%
(C)トリメチルシロキシケイ酸及び/又はアクリル−シリコーン系グラフト共重合体から選ばれる皮膜形成性シリコーン樹脂 0.1〜5質量%
を含有し、且つ(A)に対する(B)の配合質量比が1.5〜60であることを特徴とする油中水型乳化化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の油中水型乳化化粧料は、塗布時の伸びが良くなめらかな使用感であり、肌への負担感がなく、化粧効果が長時間にわたって持続し、化粧膜の均一性に優れたものであり、油中水型乳化化粧料として優れた品質を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の油中水型乳化化粧料に用いられる成分(A)の凝集粉体は、架橋構造を有する多孔性ポリメタクリレート球状微粒子の2次または3次凝集粉体であり、1次あるいは2次粒子間の間隙を利用することにより、塗布時の滑らかな感触を損なわぬ様に揮発成分を徐放させ、皮膜形成による肌への負担感を軽減するために用いられる。成分(A)の凝集粉体における球状微粒子は、表面が多孔性のため、吸油性あるいは吸水性であり、その一次粒子径は0.8μm程度が好ましく、また、凝集粉体の粒子径は20〜1200μmが好ましい。これらの粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定により得ることができる。
【0009】
成分(A)の凝集粉体は、メタクリル酸アルキルモノマーとジメタクリル酸アルキルグリコールモノマーの架橋型共重合体であり、メタクリル酸アルキルとしては、特に限定されないが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられ、ジメタクリル酸アルキルグリコールとしては、ジメタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸ブチレングリコール等が挙げられる。具体的な市販品としては、メタクリル酸ラウリルとジメタクリル酸エチレングリコールの架橋型共重合体として、POLYTRAP Q5−6603(東レダウコーニングシリコーン社製)が挙げられる。
【0010】
本発明の油中水型乳化化粧料に用いられる成分(B)の揮発性シリコーン油剤は、環状または直鎖状、分岐鎖状のジメチルポリシロキサンのうち、常温で揮発性を有するものであり、成分(C)の溶剤としての機能を有すると共に、油中水型乳化化粧料の伸びを良好にし、また、塗布時にさっぱりとした感触を付与するものである。具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ジメチルポリシロキサン、及び、直鎖状、分岐鎖状のジメチルポリシロキサンでは25℃での粘度が5mm/s(5cs)以下のものが好適に使用される。
【0011】
本発明において、成分(B)は一種または二種以上を併用して使用することができ、その配合量は全組成物中15〜60質量%(以下、単に「%」と略す)であり、より好ましくは20〜40%である。配合量が15%未満であると、皮膜形成速度が遅いため高い化粧持続性が得られなかったり、水みずしい感触が得られにくいなどの問題がある。また、60%を超えて配合すると、皮膜を形成する際の肌への負担感が強くなったり、肌上でムラなく仕上げることが難しくなる。
【0012】
また、本発明において、(A)に対する(B)の配合質量比は1.5〜60であり、より好ましくは6〜20である。(A)に対する(B)の配合質量比が1.5以下であると、感触が粉っぽくなり、滑らかな伸びが得られないなどの問題がある。(A)に対する(B)の質量比が60以上であると、化粧膜の均一性の面で良好なものを得ることができない。
【0013】
本発明の油中水型乳化化粧料に用いられる成分(C)の皮膜形成性シリコーン樹脂は、化粧持続性の向上のために用いられる成分であり、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0014】
トリメチルシロキシケイ酸としては、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物で、[(CHSiO1/2]x[SiO]yで表されるもの(Xは1〜3、Yは0.5〜8)等であり、市販品としては、シリコン X−21−5250、KF−7312F、KF−7312J、KF−7312K(何れも信越化学工業社製)等を使用することができる。
【0015】
アクリル−シリコーン系グラフト共重合体とは、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物(a)とアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマー(b)とのラジカル重合体で、特開平2−25411号公報、特開平2−132141号公報等に記載されているものが例示される。
【0016】
分子鎖の片末端にラジカル重合性を有するオルガノポリシロキサン化合物(a)は、例えば、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
【0017】
【化1】

【0018】
:メチル基又は水素原子
:場合によりエーテル結合1個又は2個で遮断されている、直鎖状又は分岐状の炭素鎖を有する炭素原子1〜10個の2価の飽和炭化水素基
:メチル基またはブチル基
l:3〜300
【0019】
アクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマー(b)は、ラジカル重合性不飽和結合を分子中に1個有する化合物を意味し、使用されるアクリレート及び/又はメタクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、フルオロ炭素鎖1〜10のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
【0020】
分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物(a)とアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル共重合性モノマー(b)との共重合は、重合比率((a)/(b)):1/19〜2/1の範囲内で、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の通常のラジカル重合開始剤の存在下で行われ、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法のいずれの方法の適用も可能である。
【0021】
このようなアクリル−シリコーン系グラフト共重合体の中でも、本発明においては、皮膜の柔軟性の観点から、メタクリル変性メチルポリシロキサン等が好ましく、具体的な市販品としては、シリコンKP−541、シリコンKP−545(いずれも信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0022】
本発明において、成分(C)は一種または二種以上を併用して使用することができ、その配合量は全組成物中0.1〜5%であり、より好ましくは、1.5〜3%である。配合量が0.1%未満であると十分な化粧持続性が得られず、また、5%を超えて配合すると肌上での膜感が強くなるため負担感へとつながり、化粧料として良好な品質を得ることが難しくなる。全組成物中0.1〜5%の範囲であれば、肌への負担感もなく、使用感も良好で、化粧持続性に優れる油中水型乳化化粧料を得ることができる。
【0023】
本発明の油中水型乳化化粧料においては、上記成分に加え、基材として、成分(B)以外の油剤、界面活性剤、水性成分を配合する。
本発明の油中水型乳化化粧料に用いられる油剤としては、通常化粧料に用いられるものを使用でき、常温にて液状、ペースト状、固形状のいずれでもよく、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリブテン等の炭化水素系油剤;トリオクタン酸グリセリル等のトリグリセライド系油剤;ジカプリン酸プロピレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸イソセチル、ジペンタエリスリット脂肪酸エステル、ホホバ油等のエステル系油剤;非揮発性のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン系油剤等を使用することができる。これらの油剤は、成分(B)を含めて一種又は二種以上を併用して使用することができ、その配合量は、成分(B)を含めて全組成物中15〜95%が好ましい。
【0024】
本発明の油中水型乳化化粧料に用いられる界面活性剤としては、通常化粧料に用いられている界面活性剤であればよく、シリコーン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキルエーテル共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、ポリオキシエチレンセルルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ステアリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。これらの界面活性剤は、一種又は二種以上を併用して使用することができ、その配合量は全組成物中0.1〜10%が好ましい。
【0025】
本発明の油中水型乳化化粧料に用いられる水性成分としては、化粧料に含有することが可能な、精製水、温泉水、深層水、又は植物等の水蒸気蒸留水等の水、もしくは水と親和性のある成分であれば特に限定されず、例えば液状多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等)、ポリエチレングリコール、アルコール(エチルアルコール、イソプロピルアルコール等)、水溶性高分子(カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、キャロブガム、ゼラチン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン等)、塩類等が挙げられる。
【0026】
本発明の油中水型乳化化粧料においては、さらに、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に通常使用可能な他の成分、例えば、粉体、油ゲル化剤、天然色素、合成色素、紫外線吸収剤、保湿剤、冷感剤(メントール、カンファ等)、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、酸化防止剤、香料等を配合することができる。
【0027】
粉体としては通常化粧料に用いられるものを使用でき、例えばタルク、セリサイト、カオリン、マイカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム・ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、合成マイカ等の無機体質粉体;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色顔料;ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ等の無機着色顔料;タール色素等の有機着色色素;シルクパウダー、球状スチレンパウダー、結晶セルロース等の有機粉体を使用でき、これら一種又は二種以上を用いることができる。またこれらの粉体は、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等を用いて、通常公知の方法により表面処理を施して用いても良い。
【0028】
本発明の油中水型乳化化粧料は、通常のメイクアップ化粧料、スキンケア化粧料、あるいは、日焼け防止効果を有する日焼け止め化粧料や、サンタン化粧料等に適用することができ、液状、乳液状、固形状、ペースト状、ゲル状等の形態を適宜選択することができる。
【0029】
以下、本発明について実施例を挙げて更に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【実施例1】
【0030】
本発明品1〜6、比較品1〜6 クリーム状ファンデーション
表1に示す組成のクリーム状ファンデーションを下記の製造方法にて調製し、伸び広がりの良さ、肌への負担感の無さ、化粧膜の持続性及び化粧膜の均一性について使用試験を行い、下記の評価方法にて評価を行った。結果をあわせて表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
*1 レオパールKL(千葉製粉社製)
*2 BENTONE 38V BC(エレメンティス社製)
*3 POLYTRAP Q5−6603(東レダウコーニング社製)
*4 KP−541(信越化学工業社製)
*5 KF−7312J(信越化学工業社製)
*6 KSG−15(信越化学工業社製)
*7 微粒子酸化チタンSMT−500SAS(テイカ社製)
【0033】
<製造方法>
A.成分(1)〜(14)を均一に分散する。
B.Aに成分(15)〜(18)を徐々に添加して乳化し、容器に充填して、クリーム状の油中水型ファンデーションを得た。
【0034】
<評価方法>
化粧品専門パネル20名に上記本発明品及び比較品のファンデーションを使用してもらい、「伸び広がりの良さ」、「肌への負担感の無さ」、「化粧膜の持続性」(8時間後の化粧くずれのなさ)、「化粧膜の均一性」の各項目について、各自が下記の絶対評価基準にて7段階評価した。更に、試料ごとに全パネルの評点の合計から平均値を算出し、下記判定基準に従って判定した。
(評価基準)
(評点):(評価)
6 : 非常に良い
5 : 良い
4 : やや良い
3 : 普通
2 : やや悪い
1 : 悪い
0 : 非常に悪い
(判定基準)
(評点の平均点) :(判定)
5.0以上 : ◎(非常に良好)
3.5以上5.0未満: ○(良好)
1.5以上3.5未満: △(普通)
1.5未満 : ×(不良)
【0035】
表1の結果から明らかなように、本発明品1〜6のクリーム状ファンデーションは、塗布時の伸びが良くなめらかな使用感であり、肌への負担感が無く、化粧効果の持続性や化粧膜の均一性に優れたものであることが実証された。一方、成分(A)を配合していない比較品1は肌への負担感の無さの点で満足のいくものが得られず、成分(B)に替えて不揮発性油を配合した比較品2は伸び広がりの良さや化粧膜の持続性の点で満足のいくものが得られなかった。成分(C)を配合していない比較品3は化粧膜の持続性の点で満足のいくものが得られず、成分(B)の配合量が少ない比較品4は化粧膜の持続性と化粧膜の均一性の点で満足のいくものが得られず、成分(C)の配合量が多い比較品5は伸び広がりの良さと肌への負担感の無さの点で満足のいくものが得られず、成分(A)に対する(B)の配合比が小さい比較品6は伸び広がりの良さと化粧膜の均一性の点で満足のいくものが得られなかった。
【実施例2】
【0036】
固形状ファンデーション
(成分) (%)
(1)ジイソステアリン酸ポリグリセリル 4.5
(2)ジメチルポリシロキサン(20cs) 1
(3)パルミチン酸デキストリン*1 0.6
(4)セレシン 5
(5)微粒子酸化チタン 8
(6)微粒子酸化亜鉛 1
(7)シリコーン処理タルク・ベンガラ*8 0.05
(8)黄酸化鉄 0.15
(9)黒酸化鉄 0.01
(10)シリコーン処理微粒子酸化チタン・ベンガラ被覆セリサイト*9 5
(11)パラメトキシ桂皮酸オクチル 3
(12)多孔性ポリメタクリレート球状微粒子の凝集粉体*3 1
(13)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン*10 2
(14)架橋型メチルポリシロキサン*6 2
(15)デカメチルシクロペンタシロキサン 23.5
(16)トリメチルシロキシケイ酸*11 1.5
(17)エタノール 6
(18)ジプロピレングリコール 1
(19)防腐剤 0.3
(20)香料 0.1
(21)塩化ナトリウム 0.3
(22)精製水 残量
*8 ジメチルポリシロキサン2.0%処理
*9 テイカパールSPS−LTF(S)(テイカ社製)
*10 KF−6015(信越化学工業社製)
*11 シリコンX−21−5250(固形分50%、シクロペンタシロキサン50%の混合物)(信越化学工業社製)
【0037】
(製法)
A.成分(1)〜(4)および(11)〜(16)を均一に混合溶解する。
B.Aに成分(5)〜(10)を添加し、分散する。
C.成分(17)〜(22)を均一に溶解する。
D.BにCを徐々に添加して乳化し、容器に充填して放冷し、固形状の油中水型ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた実施例2の固形状ファンデーションは、塗布時の伸びが良くなめらかな使用感であり、肌への負担感が無く、化粧効果が長時間にわたって持続し、化粧膜の均一性に優れる化粧料であった。
【実施例3】
【0038】
クリーム状アイシャドー
(成分) (%)
(1)炭酸ジアルキル*12 5
(2)ジメチルポリシロキサン(100cs) 2
(3)パルミチン酸デキストリン*1 0.6
(4)有機変性粘土鉱物*2 0.2
(5)微粒子酸化チタン 5
(6)微粒子酸化亜鉛 3
(7)シリコーン処理タルク・ベンガラ*7 0.05
(8)赤色226 0.5
(9)青色404 0.3
(10)群青ピンク 4.6
(11)シリコーン処理雲母チタン*13 10
(12)パラメトキシ桂皮酸オクチル 3
(13)多孔性ポリメタクリレート球状微粒子の凝集粉体*3 1
(14)メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシ
エチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体*14 3
(15)トリメチルシロキシケイ酸*11 5
(16)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20
(17)エタノール 6
(18)1,3−ブチレングリコール 2
(19)防腐剤 0.3
(20)香料 0.1
(21)精製水 残量
*12 LIALCARB SR−1000/R(ミテックス社製)
*13 メチルハイドロジェンポリシロキサン1.5%処理
*14 ABIL EM−90(ゴールドシュミット社製)
【0039】
(製法)
A.成分(1)〜(4)および(12)〜(16)を均一に混合溶解する。
B.Aに成分(5)〜(11)を添加し、分散する。
C.成分(17)〜(21)を均一に溶解する。
D.BにCを徐々に添加して乳化し、容器に充填して、クリーム状の油中水型アイシャドーを得た。
以上のようにして得られた実施例3のクリーム状アイシャドーは、塗布時に肌上で伸びが良くなめらかであり、肌への負担感が無く、化粧効果が長時間にわたって持続し、化粧膜の均一性に優れる化粧料であった。
【実施例4】
【0040】
乳液状サンカット化粧料
(成分) (%)
(1)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 8
(2)パルミチン酸デキストリン*1 0.5
(3)微粒子酸化チタン 8
(4)微粒子酸化亜鉛 1
(5)パラメトキシ桂皮酸オクチル 10
(6)多孔性ポリメタクリレート球状微粒子の凝集粉体*3 2
(7)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン*10 2
(8)オクタメチルシクロテトラシロキサン 10
(9)デカメチルシクロペンタシロキサン 14
(10)フッ素変性シリコーン*14 3
(11)トリメチルシロキシケイ酸*11 4
(12)シリコーン処理酸化鉄処理雲母チタン*13 5
(13)エタノール 6
(14)防腐剤 0.3
(15)エデト酸ニナトリウム 0.1
(16)香料 0.1
(17)精製水 残量
*14 KF−5002(信越化学社製)
【0041】
(製法)
A.成分(1)、(2)および(7)〜(11)を均一に混合溶解する。
B.Aに成分(3)〜(6)および(12)を添加し、分散する。
C.成分(13)〜(17)を均一に溶解する。
D.BにCを徐々に添加して乳化し、容器に充填して、乳液状の油中水型サンカット化粧料を得た。
以上のようにして得られた実施例4の乳液状サンカット化粧料は、塗布時に肌上で伸びが良くなめらかであり、肌への負担感が無く、化粧効果が長時間にわたって持続し、化粧膜の均一性に優れる化粧料であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C):
(A)多孔性ポリメタクリレート球状微粒子からなる粒径20〜1200μmの凝集粉体
(B)揮発性シリコーン油剤 15〜60質量%
(C)トリメチルシロキシケイ酸及び/又はアクリル−シリコーン系グラフト共重合体から選ばれる皮膜形成性シリコーン樹脂 0.1〜5質量%
を含有し、且つ、(A)に対する(B)の配合質量比が1.5〜60あることを特徴とする油中水型乳化化粧料。

【公開番号】特開2006−265213(P2006−265213A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89897(P2005−89897)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】