説明

油圧ショベルのアタッチメント制御装置

【課題】オペレータが通常のモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れ、アタッチメントを操作してしまった場合のアタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を防止することができる油圧ショベルのアタッチメント制御装置を提供する。
【解決手段】
油圧ポンプ3と、アタッチメント用アクチュエータであるブレーカ110を含む複数のアクチュエータと、操作ペダル装置7からの操作パイロット圧により切り換わり、油圧ポンプ3の吐出油をアタッチメント用アクチュエータに供給するアタッチメント用流量制御弁B4を含む複数の流量制御弁とを備えた油圧回路を有する油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、アタッチメント選択装置20によってアタッチメントモードが選択されていない状態で操作ペダル装置7を操作したときに、アタッチメント用アクチュエータの動作を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベルのアタッチメント制御装置に係わり、特に油圧ショベルのフロント作業機に装着されるアタッチメント用の油圧回路を有する油圧ショベルのアタッチメント制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械である油圧ショベルにおいては、フロント作業機の先端部に、汎用性が高いバケットを装着して掘削作業等を行うほか、バケットの代わりにブレーカや破砕機などのアタッチメントを装着して様々な作業が行われる。
【0003】
フロント作業機に装着するアタッチメントには、その種類に応じて圧油の圧力や流量等の仕様が定められており、フロント作業機に取り付けたアタッチメントの種類に応じて油圧回路などの設定を変更する必要がある。
【0004】
フロント作業機に取り付けたアタッチメントの種類に応じて設定(モード)を変更する従来技術として、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のものがある。
【0005】
特許文献1に記載の従来技術は、ブレーカ等のアタッチメントに、複数本のケーブルの接地の有無によりアタッチメントごとに固有のビットパターンを設定するコネクタを装着し、このコネクタと建設機械本体側に設けられた制御装置とをハーネスにより接続し、アタッチメントが操作されたことを検知した場合に、予め制御装置に記憶させておいたポンプ制御条件の設定値のうち、そのアタッチメントに固有のビットパターンと対応する制御条件設定値を用いて油圧ポンプを制御することにより、複数のアタッチメントに対し要求されるそれぞれのポンプ制御条件の中から適するものを設定できるようにしたものである。
【0006】
特許文献2に記載の従来技術は、油圧ポンプからの最大油量を必要としない低容量型のアクチュエータを装着した場合に、オペレータがモード切換スイッチによって低容量型アクチュエータの使用モードに切り換えるとともに、最大吐出量設定手段としてのアクセルポテンショメータを用いて圧油吐出量の上限を設定し、最大吐出量設定手段によって設定された圧油吐出量と、操作ペダルの操作量に応じてポジティブ制御される圧油吐出量と、過負荷とならないように油圧ポンプの最大トルクを設定してポンプ吐出量を制限するP−Q制御による圧油吐出量のうち最も小さい吐出量を選択し、選択した吐出量となるように油圧ポンプから吐出される圧油流量を傾転制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−105154号公報
【特許文献2】特許3609923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術においては、オペレータが通常のモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れた場合の問題については考慮されておらず、アタッチメントの種類に応じた設定がなされない通常モードのままアタッチメントを操作してしった場合には、結果的に仕様を超えた状態でアタッチメントを使用してしまい、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下が懸念される。また、戻り油に粉塵などの異物が混入する場合があるので戻り油をコントロールバルブを介さず直接タンクに戻すことが好ましいブレーカなどのアタッチメントを、戻り油をコントロールバルブを介してタンクに戻すような通常モードのまま操作してしまった場合には、粉塵などによるスプールスティック等が生じる恐れがあり、仕様を超えた状態でアタッチメントを使用してしまった場合と同様に、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を生じる恐れがあった。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、オペレータが通常のモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れ、アタッチメントを操作してしまった場合のアタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を防止することができる油圧ショベルのアタッチメント制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つの油圧ポンプと、アタッチメント用アクチュエータを含む複数のアクチュエータと、アタッチメント用操作手段からの操作パイロット圧により切り換わり、前記油圧ポンプの吐出油を前記アタッチメント用アクチュエータに供給するアタッチメント用流量制御弁を含む複数の流量制御弁とを備えた油圧回路を有する油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、非アタッチメントモードとアタッチメントモードとのいずれかを選択し、アタッチメントモードを選択したときは前記油圧回路の状態を前記アタッチメント用アクチュエータの使用に適した状態に切り換えるモード切換手段と、前記モード切換手段によって前記アタッチメントモードが選択されていない状態でアタッチメント用操作手段を操作したときに、前記アタッチメント用アクチュエータの動作を制限する動作制限手段とを備えるものとする。
【0011】
このように、アタッチメントモードが選択されていない状態でアタッチメント用操作手段を操作した場合に、アタッチメント用アクチュエータの動作を制限するように構成したので、オペレータが非アタッチメントモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れ、アタッチメントを操作してしまった場合に、モードの切り換え忘れをオペレータに気付かせることができ、アタッチメントモードに切り換えることを促すことができるので、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を防止することができる。
【0012】
(2)上記(1)において、前記動作制限手段は、前記アタッチメント用アクチュエータに供給される圧油の流量を制限することにより該アタッチメント用アクチュエータの動作を制限するものとする。
【0013】
これにより、アタッチメントモードが選択されていない状態でアタッチメント用操作手段を操作した場合に、アタッチメント用アクチュエータに供給される油量が制限されるので、オペレータが非アタッチメントモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れ、アタッチメントを操作してしまった場合に、モードの切り換え忘れをオペレータに気付かせてアタッチメントモードに切り換えることを促すことができるとともに、仕様を超えた状態でのアタッチメントの使用を抑制することができ、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を防止することができる。
【0014】
(3)上記(2)において、前記動作制限手段は、前記油圧ポンプの吐出流量を制限することにより、前記アタッチメント用アクチュエータに供給される圧油の流量を制限するものとする。
【0015】
(4)また、上記(2)において、前記動作制限手段は、前記アタッチメント用流量制御弁を通る圧油の流量を制限することにより、前記アタッチメント用アクチュエータに供給される圧油の流量を制限するものとする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、オペレータが通常のモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れ、アタッチメントを操作してしまった場合のアタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるアタッチメント制御装置を備えた油圧ショベルの油圧回路システムの全体構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わるコントロールユニットの処理内容を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わるポンプ容量制御部の処理内容の詳細を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係わる油路制御部の処理内容の詳細を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係わるアタッチメント制御装置が適用される油圧ショベルの外観を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係わるアタッチメント制御装置を備えた油圧ショベルの油圧回路システムの全体構成を概略的に示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係わるコントロールユニットの処理内容を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係わるポンプ容量制御部の処理内容の詳細を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係わるパイロット圧制御部の処理内容の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるアタッチメント制御装置を備えた油圧ショベルの油圧回路システムの全体構成を概略的に示す図である。
【0020】
図1において、油圧ショベルの油圧回路システムは、エンジンなどの原動機1と、この原動機1によって駆動される可変容量型の第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の2つの主ポンプと、原動機1によって駆動される固定容量型のパイロットポンプ4と、第1及び第2油圧ポンプ2,3に接続されたコントロールバルブユニット5と、コントロールバルブユニット5に接続されたアタッチメントとしてのブレーカ110と、コントロールバルブユニット5に接続された図示しないブームシリンダ111、アームシリンダ112、バケットシリンダ113及び旋回モータ107を含む複数の油圧アクチュエータ(共に後の図5参照)と、アタッチメント(本実施例においてはブレーカ110)を操作するための操作ペダル装置7(アタッチメント操作手段)と、ブームシリンダ111、アームシリンダ112、バケットシリンダ113、及び旋回モータ107、走行モータ114a,114b等の油圧アクチュエータを操作するための操作装置を含む複数の操作装置(共に図示せず)と、第1及び第2油圧ポンプ2,3の容量(押しのけ容積或いは斜板の傾転)を制御するポンプ容量制御装置8,9とを有している。
【0021】
アタッチメントは、掘削作業などを行うバケットに代えてフロント作業機103(後の図5参照)に取り付けられ、種々の作業を行うためのものである。本実施の形態では、アタッチメントの一例としてブレーカ110をフロント作業機103に装着した場合を例に挙げて説明する。アタッチメントの一種であるブレーカ110は、フロント作業機103の先端に取り付けられ、大きな岩石やコンクリート塊等の塊状物を破砕する作業を行うためのものである。ブレーカ110は、先端が尖った鋼棒等からなる打撃ロッド110aと、その打撃ロッド110aを駆動するためのブレーカシリンダ110bとで構成されており、圧油をブレーカシリンダ110bの供給ポート(図示せず)に供給することによって、打撃ロッド110aが往復作動し、塊状物に打撃する事によってそれを破砕するようになっている。
【0022】
コントロールバルブユニット5は第1及び第2油圧ポンプ2,3に対応した第1及び第2の2つの弁グループ5a,5bを有しており、第1弁グループ5aは複数の流量制御弁A1〜A4を、第2弁グループ5bは複数の流量制御弁B1〜B5をそれぞれ有している。
【0023】
第1弁グループ5aにおいて、流量制御弁A1〜A4は第1油圧ポンプ2の吐出ライン2aに接続されたセンターバイパスライン10上に上流側から流量制御弁A1,・・・,A4の順序で配置されたセンターバイパスタイプの流量制御弁であり、第2弁グループ5bにおいて、流量制御弁B1〜B5は第2油圧ポンプ3の吐出ライン3aに接続されたセンターバイパスライン11上に上流側から流量制御弁B1,・・・,B5の順序で配置されたセンターバイパスタイプの流量制御弁である。第1及び第2弁グループ5a,5bにおいて、センターバイパスライン10,11の最下流側はタンクTに接続され、流量制御弁A1〜A4,B1〜B4が図示の中立位置にあるときは、第1及び第2油圧ポンプ2,3の吐出ライン2a,3aはセンターバイパスライン10,11を介してタンクTに連通し、第1及び第2油圧ポンプ2,3の吐出圧力はタンク圧に低下する。
【0024】
流量制御弁B4は、アタッチメントの駆動用であり、本実施の形態においては、流量制御弁B4の2つのアクチュエータポートの一方は第1アクチュエータライン61を介してアタッチメントであるブレーカ110の供給ポート(図示せず)に接続され、他方は油路62a,62bの2つの部分により構成される第2アクチュエータライン62を介してブレーカ110の排出ポート(図示せず)に接続されている。流量制御弁B4は第1及び第2受圧部51a,51bを有しており、第1受圧部51aに操作パイロット圧力が導かれると、図中右側の位置に切り換わり、第2油圧ポンプ3の吐出油を第1アクチュエータライン61を介してアタッチメントに供給し、第2受圧部51bに操作パイロット圧力が導かれると、図示左側の位置に切り換わり、第2油圧ポンプ3の吐出油を第2アクチュエータライン62を介してアタッチメントに供給する。ただし、本実施の形態で用いるアタッチメントのブレーカ110においては、圧油の供給ポート及び排出ポートが決まっているため、流量制御弁B4の位置を第2油圧ポンプ3の吐出油が第1アクチュエータライン61を介してブレーカ110の供給ポートに供給される図中右側の位置にのみ切り換える。流量制御弁B4の2つのアクチュエータポートに接続された第1及び第2アクチュエータライン61,62には、それぞれリリーフ弁63,64が接続されており、第1及び第2アクチュエータライン61,62を流れる圧油の圧力を一定以下に規制する。
【0025】
図示及び詳述は省略するが、第1弁グループ5aの流量制御弁A1〜A4、及び第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B3,B5は、ブームシリンダ111、アームシリンダ112、バケットシリンダ113、及び旋回モータ107(後の図5参照)を含む複数の油圧アクチュエータ(図示せず)の駆動用であり、それらも流量制御弁B4と同様に受圧部を有し、同様に切り換え操作される。
【0026】
コントロールバルブユニット5には、第1及び第2油圧ポンプ2,3の吐出ライン2a,3aにそれぞれ逆止弁(チェック弁)18,19を介して接続され、第1及び第2ポンプ2,3の吐出圧力を一定以下に規制するメインリリーフ弁17が設けられている。逆止弁18,19は、このメインリリーフ弁17の入力ポート側に並列に接続されており、それぞれ第1及び第2ポンプ2,3からメインリリーフ弁17に向かう圧油の流れを許容し、逆方向の圧油の流れを阻止する。また、パイロットポンプ4の吐出ライン4aにはパイロットリリーフ弁16が接続されており、このパイロットリリーフ弁16によってパイロットポンプ4の吐出圧力が一定に保持される。
【0027】
ポンプ容量制御装置8は、第1弁グループ5aに対応するアクチュエータに圧油を供給する第1油圧ポンプ2の容量(押しのけ容積或いは斜板の傾転)を制御するものであり、第1弁グループ5aの流量制御弁A1〜A4に関する操作装置(図示せず)の操作信号(操作パイロット圧力)などに基づいて、第1油圧ポンプ2の容量を制御する。
【0028】
ポンプ容量制御装置9は、アクチュエータに供給される圧油の流量を制限する流量制御弁B4を含む弁グループである第2弁グループ5bに対応するアクチュエータに圧油を供給する第2油圧ポンプ3の容量を制御するものであり、流量制御弁B4に関する操作装置である操作ペダル装置7(後述)など、第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5に関する操作装置(図示せず)の操作信号(操作パイロット圧力)などのうち、後述するシャトル弁群21により選択されパイロットライン21aを介して導かれるパイロット圧力に基づいて第2油圧ポンプ3の容量を制御する。
【0029】
操作ペダル装置7(アタッチメント操作手段)は、操作ペダル7cを有する油圧パイロット式であり、操作ペダル7cの操作方向と操作量に応じてアタッチメント操作信号としての操作パイロット圧力を出力する。操作ペダル装置7から出力された操作パイロット圧力は、パイロットライン7a,7bを介してアタッチメント駆動用の流量制御弁B4の対応する受圧部51a,51bにそれぞれ導かれる。また、パイロットライン7a,7bに出力された操作パイロット圧力は、パイロットライン7a,7b間に接続されたシャトル弁7fによって圧力の高い方、すなわち、操作ペダル7cの操作量に対応するパイロット圧力が選択され、パイロットライン7dを介して後述するシャトル弁群21に導かれる。
【0030】
操作ペダル装置7からのパイロットライン7d、及びブームシリンダ111、アームシリンダ112、バケットシリンダ113、旋回モータ107、走行モータ114a,114b等の油圧アクチュエータを操作するための操作装置(共に図示せず)から第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5の対応するものに操作パイロット圧力を導く各パイロットライン(図示せず)にはシャトル弁群21が接続されている。
【0031】
シャトル弁群21は、シャトル弁21b、及び図示しない複数のシャトル弁を有している。図示しないシャトル弁は、図示しない複数の操作装置のパイロットラインをトーナメントに接続するよう設けられ、それらパイロットラインにおけるパイロット圧力のうちの最高圧力を抽出するようになっている。また、シャトル弁21bは、パイロットライン7dと図示しない他の操作装置に係わる最終段のシャトル弁の出力ポート間に接続されている。これによりシャトル弁21bを最終段とするシャトル弁群21は、操作ペダル装置7からの操作パイロット圧力や図示しない他の複数の操作装置からの操作パイロット圧力のうち最高圧力を抽出し出力する。最終段のシャトル弁21bの出力ポートは、パイロットライン21aを介して第2油圧ポンプ3のポンプ容量制御装置9に接続され、操作ペダル装置7やその他の操作装置の操作状況に基づいて第2油圧ポンプ3の容量は制御される。
【0032】
本実施の形態に係わるアタッチメント制御装置は、このような油圧ショベルの油圧回路システムに備えられるものであり、アタッチメント選択装置20(モード切換手段)、操作ペダル装置7に設けられた操作量センサ7e、比例電磁弁13、電磁切換弁14、切換弁15、及びコントロールユニット12を備えている。
【0033】
アタッチメント選択装置20は、油圧ショベルのフロント作業機103に装着したバケット又はアタッチメントの種類に応じてオペレータが作業モードを切り換えるものであり、作業モードを選択するための回転ダイヤル20aを有している。回転ダイヤル20aは、回転操作だけでなく押下することが可能となっており、回転ダイヤル20aの回転操作と押下操作の組み合わせにより、作業モードの切り換えを行う。例えば、作業モードをATT1に切り換える場合は、図1に示すように回転ダイヤル20aにより作業モード名ATT1の位置を選択し、さらに回転ダイヤル20aを押下する。アタッチメント選択装置20の選択結果は、コントロールユニット12に送信される。
【0034】
操作量センサ7eは、アタッチメントを操作するための操作ペダル装置7の操作ペダル7cの操作量を検出するものであり、検出結果(操作ペダル7cの操作量)をコントロールユニット12に送信する。
【0035】
比例電磁弁13は、シャトル弁群21の最終段のシャトル弁21bと第2油圧ポンプ3のポンプ容量制御装置9とを接続するパイロットライン21a上に設けられており、コントロールユニット12からソレノイド13bに流される制御電流に従って、シャトル弁群21からポンプ容量制御装置9に導かれるパイロット圧力を調整する。比例電磁弁13は、コントローラ12からのソレノイド13bに流される電流が0のときはバネ13cの力によって図示右側の位置に切り換わり、ソレノイド13bに流れる電流が大きくなるに従って図示左側の位置に徐々に切り換わっていき、ポンプ流量制御装置9に導かれるパイロット圧力が小さくなる。
【0036】
電磁切換弁14は、切換弁15の受圧部15aに接続されたパイロットライン14aと接続されており、コントロールユニット12からソレノイド14bに流される電流に従ってON/OFF制御される。電磁切換弁14は、コントローラ12からソレノイド14bに流される電流が0のときはバネ14cの力によって図示左側の位置(OFF位置)に切り換わり、パイロットライン14aとパイロットポンプ4の吐出ライン4aとが連通されて、後述する切換弁15の受圧部15aにパイロットライン4aのパイロット圧力を供給する。コントローラ12からソレノイド14bに励磁用の電流が流されたときは図示右側の位置(ON位置)に切り換わり、パイロットライン14aとタンクTとが連通されて、切換弁15の受圧部15aをタンク圧とする。
【0037】
切換弁15は、アクチュエータであるブレーカ110の排出ポートに接続された第2アクチュエータライン62の油路62a,62bの間に設けられており、パイロットライン14aを介して受圧部15aに導かれるパイロット圧力に従ってON/OFF制御される。切換弁15は、受圧部15に導かれるパイロット圧力がタンク圧のときは、バネ15bの力によって油路62aと油路62bを連通させる図示右側の位置に切り換わり、受圧部15に導かれるパイロット圧力がパイロットポンプ4の吐出圧力のときは、油路62aとタンクTを連通させる図示左側の位置に切り換わる。すなわち、切換弁15が図示左側の位置にあるときは油路62aを介してアタッチメントであるブレーカ110の排出ポートがタンクTに接続され、ブレーカ110からの戻り油が直接タンクTに導かれる。
【0038】
コントロールユニット12は、本実施の形態に係わるアタッチメント制御装置を制御するものであり、アタッチメント選択装置20、及び操作量センサ7eからの入力に基づいて、比例電磁弁13及び電磁切換弁14に電流を出力する。
【0039】
図2は本実施の形態に係わるコントロールユニットの処理内容を示すブロック図であり、図3はポンプ容量制御部の処理内容の詳細を、図4は油路制御部の処理内容の詳細をそれぞれ示す図である。なお、図2〜図4においては、説明のためにアタッチメント選択装置20をそれぞれ同時に示している。
【0040】
図2において、コントロールユニット12は、アタッチメント選択装置20の選択結果と操作ペダル装置7の操作量センサ7eからの検出結果とに基づいて比例電磁弁13を制御することにより第2油圧ポンプ3の容量を制御する容量制御部12A(図3参照)と、アタッチメント選択装置20の選択結果に基づいて電磁切換弁14を制御することにより切換弁15の位置を切り換える油路制御部12B(図4参照)とを備えている。
【0041】
図3において、容量制御部12Aは、ポンプ上限容積第1演算部70、ポンプ上限流量設定部群71、ポンプ上限流量選択スイッチ部72、目標エンジン回転設定部73、除算部74、最大値選択部75、ポンプ上限容積第2演算部76、作業モード選択スイッチ部77、比例弁圧力演算部78、比例弁出力電流演算部79の各機能を有している。
【0042】
ポンプ上限容積第1演算部70は、操作ペダル装置7の操作量センサ7eからの操作ペダル7cの操作量、すなわち、アタッチメント操作量(ATT操作量)の検出結果を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのATT操作量に応じたポンプ上限容積を計算する。メモリのテーブルには、ATT操作量が小さいときは大きなポンプ上限容積(例えば、第2油圧ポンプ3の最大吐出容積)であり、ATT操作量が大きくなるに従いポンプ上限容積が小さくなり、第2油圧ポンプ3の吐出流量が必要最小流量となるポンプ上限容積(例えば、後述するポンプ上限流量設定部郡71のポンプ上限流量設定部71b〜71iに設定されているポンプ上限流量の設定値の全てを包含しうる最小値の吐出容積)まで小さくなるようにATT操作量とポンプ上限容積の関係が設定されている。つまり、操作ペダル装置7(アタッチメント操作手段)の操作ペダル7cを操作しないとき及び操作量が小さいときには第2油圧ポンプ3の上限流量制限を行わないように最大吐出容積がポンプ上限容積として設定され、操作ペダル7cを最大に操作したときには上記のポンプ上限容積(第2油圧ポンプ3の吐出流量が必要最小流量となるポンプ上限容積)となるように設定され、その間では操作性を考慮してメータリング(流量変化特性)を持たせて設定されている。
【0043】
ポンプ上限流量設定部群71は、パケットを用いた掘削作業や各種アタッチメントを用いた各種作業を行うのに適したポンプ上限流量を設定する複数のポンプ上限流量設定部71b〜71iを有している。ポンプ上限流量設定部71b〜71iには、それぞれ、フロント作業機103に各種アタッチメント(ATT)を装着して各種作業を行うのに適した第2油圧ポンプ3のポンプ上限流量が設定されている。本実施の形態では、ATT1としてブレーカ110を設定し、ATT1上限流量設定部71bには、フロント作業機103にブレーカ110を装着して破砕作業を行うのに適した第2油圧ポンプ3のポンプ上限流量を設定する。その他のポンプ上限流量設定部71c〜71iにおいても同様であり、ATT2〜ATT8として各種アタッチメントを設定し、ポンプ上限流量設定部71c〜71iには、そのアタッメントの種類に対応した第2油圧ポンプ3のポンプ上限流量が設定される。
【0044】
ポンプ上限流量選択スイッチ部72は、アタッチメント選択装置20で選択された作業モードに対応する位置に切り換わり、ポンプ上限流量設定部群71のポンプ上限流量設定部71b〜71iに設定されたポンプ上限流量のうち、アタッチメント選択装置20で選択されたバケットによる掘削作業、或いは、各アタッチメントに対応するポンプ上限流量を除算部74に出力する。図2においては、アタッチメント選択装置20でATT1(ブレーカ)が選択され、ポンプ上限流量選択スイッチ部72が対応するATT1ポンプ上限流量設定部71bに切り換わり、ポンプ上限流量設定部71bに設定されたポンプ上限流量、すなわち、フロント作業機103にアタッチメントとしてブレーカ110を装着し破砕作業を行うのに適した第2油圧ポンプ3のポンプ上限流量を除算部74に出力する場合を示している。
【0045】
目標エンジン回転設定部73には、図示しないエンジン回転コントロールダイヤルなどにより予め定められた目標エンジン回転数が設定されている。
【0046】
除算部74は、ポンプ上限流量選択スイッチ部72で選択され設定されたポンプ上限流量を目標エンジン回転設定部73に設定した目標エンジン回転数で除算し、最大値選択部75に出力する。
【0047】
最大値選択部75は、ポンプ上限容積第1演算部70で計算したポンプ上限容積及び除算部74の計算結果の最大値を選択し、作業モード選択スイッチ部77に出力する。
【0048】
ポンプ上限容積第2演算部76は、操作ペダル装置7の操作量センサ7eからの操作ペダル7cの操作量(ATT操作量)の検出結果を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのATT操作量に応じたポンプ上限容積を計算する。メモリのテーブルには、ATT操作量が0(ゼロ)又は0(ゼロ)と見なせるほど操作量が小さいときはポンプ上限容積は大きく(例えば、第2油圧ポンプ3の最大吐出容積)、ATT操作量が大きくなると(つまり、操作ペダル7cが操作されると)すぐに第2油圧ポンプ3の吐出流量が必要最小流量となるポンプ上限容量まで一気に小さくなるようにATT操作量とポンプ上限容積の関係が設定されている。
【0049】
作業モード選択スイッチ部77は、アタッチメント選択装置20でアタッチメントを用いるモード(アタッチメントモード:ATT1〜ATT8)が選択されるとアタッチメントモード(ATTモード)側に切り換わり、最大値選択部75で計算されたポンプ容積を選択して比例弁圧力演算部78に出力し、アタッチメント選択装置20でバケットを用いて掘削を行うモード(非アタッチメントモード:掘削)が選択されるとATTモード以外の側に切り換わり、ポンプ上限容積第2演算部76で計算されたポンプ容積を選択して比例弁圧力演算部78に出力する。
【0050】
比例弁圧力演算部78は、作業モード選択スイッチ部77で選択されたポンプ容積を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのポンプ容積に応じた比例弁圧力を計算する。メモリのテーブルには、ポンプ容積が大きくなるに従い比例弁圧力が大きくなるようにポンプ容積と比例弁圧力の関係が設定されている。
【0051】
比例弁出力電流演算部79は、比例弁圧力演算部78で計算された比例弁圧力を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときの比例弁圧力に応じた比例弁出力電流を計算する。メモリのテーブルには、比例弁圧力が大きくなるに従い比例弁出力電流が小さくなるように比例弁圧力と比例弁出力電流の関係が設定されている。比例弁出力電流演算部79で計算された比例弁出力電流は、比例電磁弁13のソレノイド13bに出力される。
【0052】
図4において、油路制御部12Bは、電磁弁OFF設定部80、電磁弁ON設定部81、アタッチメント選択スイッチ部82の各機能を有している。
【0053】
電磁弁OFF設定部80は電磁弁14をOFF制御する電流(電流0(ゼロ))を出力する機能を有しており、電磁弁ON設定部81は電磁弁14をON制御する電流、すなわち、電磁弁14のソレノイド14bを励磁してON位置に切り換える電流を出力する機能を有している。
【0054】
アタッチメント選択スイッチ部82は、アタッチメント選択装置20でアタッチメントとしてブレーカ110を用いるモード(ATT1)が選択されると電磁弁OFF設定部80側に切り換わり、油路制御部12Bの出力として電磁弁14をOFF制御する(OFF位置に切り換える)電流を出力し、アタッチメント選択装置20でATT1以外のモード(掘削、又はATT2〜ATT8の何れか)が選択されると電磁弁ON設定部81側に切り換わり、油路制御部12Bの出力として電磁弁14をON制御する(ON位置に切り換える)電流を出力する。
【0055】
図5は、本実施の形態に係わるアタッチメント制御装置が適用される油圧ショベルの外観を示す図であり、アタッチメントの一例としてブレーカ110を装着した場合を示している。
【0056】
図5において、油圧ショベルは、下部走行体100と、この下部走行体100の上部に旋回可能に搭載された上部旋回体101と、この上部旋回体101の先端部分にスイングポスト102を介して上下及び左右方向に回動可能に連結されたフロント作業機103と、下部走行体100の前方側に上下動可能に設けられた排土用のブレード104とを備えている。上部旋回体101にはエンジンルーム105、運転室106が備えられている。また上部旋回体101には旋回モータ107が備えられており、旋回モータ107の回転により旋回駆動される。フロント作業機103は、スイングポスト102に上下方向に回動可能に連結されたブーム108と、ブーム108の先端に上下方向に回動可能に連結されたアーム109と、アーム109の先端に前後方向に回動可能に連結されたアタッチメントとしてのブレーカ110とを備えている。ブーム108、アーム109及びブレーカ110は、それぞれブーム用油圧シリンダ111、アーム用油圧シリンダ112及びブレーカ用油圧シリンダ113により回動するよう駆動される。下部走行体100は、左右の走行モータ114a,114b(一方のみ図示)を備えており、その走行モータ114a,114bの回転により走行する。
【0057】
なお、図1では、図3に示したブレーカ110(アタッチメント)以外のアクチュエータ、すなわち、走行モータ114a,114b等のアクチュエータと、それらに対応する流量制御弁は図示を省略している。
【0058】
図1に示した操作ペダル装置7は運転室106内に配置され、エンジン1、第1及び第2油圧ポンプ2,3、及びパイロットポンプ4はエンジンルーム105内に配置されている。コントロールバルブユニット5などの油圧機器は上部旋回体101の適所に配置されている。
【0059】
以上のように構成した本実施の形態における動作を説明する。
【0060】
(1)非アタッチメントモード選択時
アタッチメント選択装置20で掘削のモード(非アタッチメントモード)を選択しているときは、ポンプ上限流量選択スイッチ部72がポンプ上限流量設定部群71のうちの一つ(例えば、ATT1ポンプ上限流量71b)に切り換わるとともに、作業モード選択スイッチ部77がATTモード以外の側に切り換わり、ポンプ上限容積第2演算部76で計算したポンプ上限容積を用いて比例弁圧力演算部78で比例弁圧力を計算し、その比例弁圧力を用いて比例弁出力電流演算部79で計算したポンプ比例弁出力がコントロールユニット12の出力となる。また、アタッチメント選択スイッチ部82が電磁弁ON設定部81側に切り換わり電磁切換弁14をON制御する電磁切換弁出力がコントロールユニット12の出力となる。電磁切換弁14がON制御されると、パイロットライン14aがタンク圧となり、切換弁15が図示右側の位置に切り換わり第2アクチュエータライン62の油路62a,62bが連通される。
【0061】
(1−1)フロント作業機103に対応する操作装置を操作した場合
第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5に対応するアクチュエータの操作装置(図示せず)が操作されると、それらの操作信号(操作パイロット圧力)のうちの最高圧力がシャトル弁群21により抽出されて容量制御装置9に導かれ、容量制御装置9はそのパイロット圧力に基づいて第2油圧ポンプ3の容量を制御する。つまり、第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5を介して対応する各アクチュエータに供給するのに必要な油量が吐出されるように第2油圧ポンプ3の容量が制御される。したがって、フロント作業機103にバケットを装着し、掘削作業を行うことができる。
【0062】
(1−2)アタッチメントに対応する操作ペダル装置7を操作した場合
操作ペダル装置7の操作ペダル7cが操作されると、その操作パイロット圧力がパイロットライン7dを介してシャトル弁群21のシャトル弁21bに導かれ、その他の操作装置からの操作信号を含む操作パイロット圧力のうちの最高圧力がシャトル弁群21により抽出される。このとき、シャトル弁群21から容量制御装置9に導かれる操作パイロット圧力は、操作ペダル7cの操作量に応じて比例電磁弁13によって制限される。つまり、第2油圧ポンプ3の容量が制御され、第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5を介して対応する各アクチュエータに供給される圧油の油量が制限される。したがって、フロント作業機103にアタッチメント(本実施の形態ではブレーカ110)を装着して作業を行おうとしても、第2油圧ポンプ3の吐出流量が操作ペダル装置7の操作ペダル7cの操作に応じて増加しないので、アタッチメントに必要な流量の圧油が供給されず動作速度が著しく遅くなり、アタッチメントによる作業を行うことができない。
【0063】
(1−3)フロント作業機103に対応する操作装置とアタッチメントに対応する操作ペダル装置7を同時に操作した場合
第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5に対応するアクチュエータの操作装置(図示せず)と操作ペダル装置7の操作ペダル7cが同時に操作されると、上記(1−2)で示したように、シャトル弁群21から容量制御装置9に導かれる操作パイロット圧力は、操作ペダル7cの操作量に応じて比例電磁弁13によって制限される。つまり、第2油圧ポンプ3の容量が制御され、第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5を介して対応する各アクチュエータに供給される圧油の油量が制限される。したがって、フロント作業機103にアタッチメント(本実施の形態ではブレーカ110)を装着して作業を行おうとしても、第2油圧ポンプ3の吐出流量が操作ペダル装置7の操作ペダル7cの操作、及びフロント作業機103に対応する操作装置の操作に応じて増加しないので、アタッチメント及びフロント作業機103の各アクチュエータに必要な流量の圧油が供給されず動作速度が著しく遅くなり、作業を行うことができない。
【0064】
(2)アタッチメントモード選択時
アタッチメント選択装置20でアタッチメントモード(例えば、アタッチメントとしてブレーカ110を用いるATT1)を選択しているときは、ポンプ上限流量選択スイッチ部72がATT1ポンプ上限流量71bに切り換わるとともに、作業モード選択スイッチ部77がATTモード側に切り換わり、最大値選択部75で選択したポンプ上限容積を用いて比例弁圧力演算部78で比例弁圧力を計算し、その比例弁圧力を用いて比例弁出力電流演算部79で計算したポンプ比例弁出力がコントロールユニット12の出力となる。また、アタッチメント選択スイッチ部82が電磁弁OFF設定部80側に切り換わり電磁切換弁14をOFF制御する電磁切換弁出力がコントロールユニット12の出力となる。電磁切換弁14がOFF制御されると、パイロットライン14aがパイロットポンプ4の吐出圧力となり、切換弁15が図示左側の位置に切り換わり第2アクチュエータライン62の油路62aがタンクTに連通される。
【0065】
(2−1)フロント作業機103に対応する操作装置を操作した場合
第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5に対応するアクチュエータの操作装置(図示せず)が操作されると、それらの操作信号(操作パイロット圧力)のうちの最高圧力がシャトル弁群21により抽出されて容量制御装置9に導かれ、容量制御装置9はそのパイロット圧力に基づいて第2油圧ポンプ3の容量を制御する。つまり、第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5を介して対応する各アクチュエータに供給するのに必要な油量が吐出されるように第2油圧ポンプ3の容量が制御される。したがって、フロント作業機103にバケットを装着し、掘削作業を行うことができる。
【0066】
(2−2)アタッチメントに対応する操作ペダル装置7を操作した場合
操作ペダル装置7の操作ペダル7cが操作されると、その操作パイロット圧力がパイロットライン7dを介してシャトル弁群21のシャトル弁21bに導かれ、その他の操作装置からの操作信号を含む操作パイロット圧力のうちの最高圧力がシャトル弁群21により抽出される。このとき、シャトル弁群21から容量制御装置9に導かれる操作パイロット圧力は、アタッチメント選択装置20で選択したアタッチメントモード(ATT1)に対応するポンプ上限流量となるように比例電磁弁13によって制限される。つまり、第2油圧ポンプ3の容量のポンプ上限容量はATT1に適した値に制御される。したがって、フロント作業機103にアタッチメント(本実施の形態ではブレーカ110)を装着して作業を行うことができるとともに、仕様を超えた状態でアタッチメントを使用することがなく、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下が生じることを抑制できる。
【0067】
(2−3)フロント作業機103に対応する操作装置とアタッチメントに対応する操作ペダル装置7を同時に操作した場合
第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5に対応するアクチュエータの操作装置(図示せず)と操作ペダル装置7の操作ペダル7cが同時に操作されると、上記(2−2)で示したように、シャトル弁群21から容量制御装置9に導かれる操作パイロット圧力は、アタッチメント選択装置20で選択したアタッチメントモード(ATT1)に対応するポンプ上限流量となるように比例電磁弁13によって制限される。つまり、第2油圧ポンプ3の容量のポンプ上限容量はATT1に適した値に制御される。したがって、フロント作業機103にアタッチメント(本実施の形態ではブレーカ110)を装着してフロント作業機103を操作しつつ作業を行うことができるとともに、仕様を超えた状態でアタッチメントを使用することがなく、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下が生じることを抑制できる。
【0068】
以上のように構成した本実施の形態においては、アタッチメント選択装置20において非アタッチメントモードが選択された状態で操作ペダル装置7のペダル7cが操作された場合に第2油圧ポンプ3の吐出流量を制限することによって、アタッチメントに供給される圧油の流量を制限するので、フロント作業機103にアタッチメントを装着して各種作業を行う場合、万一、アタッチメントの種類に応じた設定がなされない非アタッチメントモードのままアタッチメントを操作してしった場合にアタッチメントの動作速度が著しくおそくなり、作業を行うことができない。したがって、オペレータが非アタッチメントモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れ、アタッチメントを操作してしまった場合のアタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を防止することができる。
【0069】
また、オペレータに非アタッチメントモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れたことを認識させることができ、作業モードをアタッチメントモードに切り換えることを促すことで、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を防止することをさらに確実に抑制することができる。
【0070】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図6〜図9を用いて説明する。図6は本実施の形態に係わるアタッチメント制御装置を備えた油圧ショベルの油圧回路システムの全体構成を概略的に示す図である。図7は本実施の形態に係わるコントロールユニットの処理内容を示すブロック図であり、図8はポンプ容量制御部の処理内容の詳細を、図9はパイロット圧制御部の処理内容の詳細をそれぞれ示す図である。なお、図2〜図4においては、説明のためにアタッチメント選択装置20をそれぞれ同時に示している。図中、図1〜図5に示した構成と同等のものには同じ符号を付し説明を省略する。
【0071】
図6において、本実施の形態に係わる油圧ショベルの油圧回路システムは、第1の実施の形態と同様に、エンジンなどの原動機1と、この原動機1によって駆動される可変容量型の第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の2つの主ポンプと、原動機1によって駆動される固定容量型のパイロットポンプ4と、第1及び第2油圧ポンプ2,3に接続されたコントロールバルブユニット5と、コントロールバルブユニット5に接続されたアタッチメントとしてのブレーカ110と、コントロールバルブユニット5に接続された図示しないブームシリンダ111、アームシリンダ112、バケットシリンダ113及び旋回モータ107を含む複数の油圧アクチュエータと、アタッチメント(本実施例においてはブレーカ110)を操作するための操作ペダル装置7(アタッチメント操作手段)と、ブームシリンダ111、アームシリンダ112、バケットシリンダ113、及び旋回モータ107、走行モータ114a,114b等の油圧アクチュエータを操作するための操作装置を含む複数の操作装置(共に図示せず)と、第1及び第2油圧ポンプ2,3の容量(押しのけ容積或いは斜板の傾転)を制御するポンプ容量制御装置8,9とを有している。
【0072】
本実施の形態に係わるアタッチメント制御装置は、このような油圧ショベルの油圧回路システムに備えられるものであり、アタッチメント選択装置20(モード切換手段)、操作ペダル装置7に設けられた操作量センサ7e、比例電磁弁13、電磁切換弁14、切換弁15、比例電磁弁200,201、及びコントロールユニット212を備えている。
【0073】
比例電磁弁200,201は、それぞれ、操作ペダル装置7からの操作パイロット圧力をアクチュエータ用の流量制御弁B4に出力するパイロットライン7a,7b上に設けられており、コントロールユニット212からソレノイド200a,201aに流される電流に従って制御される。電磁切換弁200,201は、ソレノイド200a,201aに流れる電流が0のとき、すなわち励磁されていないときは、バネ200b,201bの力によって、操作ペダル装置7からの操作パイロット圧力を流量制御弁B4の受圧部51a,51bに導く位置(OFF位置)に切り換わり、ソレノイド200a,201aに励磁のための電流が流されると流量制御弁B4の受圧部51a,51bにタンク圧を導く位置(ON位置)に切り換わる。
【0074】
コントロールユニット212は、本実施の形態に係わるアタッチメント制御装置を制御するものであり、アタッチメント選択装置20、及び操作量センサ7eからの入力に基づいて、比例電磁弁13及び電磁切換弁14,200,201に駆動電流を出力する。
【0075】
図7において、コントロールユニット(C/U)212は、アタッチメント選択装置20の選択結果と操作ペダル装置7の操作量センサ7eからの検出結果とに基づいて比例電磁弁13を制御することにより第2油圧ポンプ3の容量を制御する容量制御部212A(図8参照)と、アタッチメント選択装置20の選択結果に基づいて電磁切換弁14を制御することにより切換弁15の位置を切り換える油路制御部12Bと、アタッチメント選択装置20の選択結果に基づいて電磁切換弁200,201を制御するパイロット圧制御部212Cとを備えている。
【0076】
図8において、容量制御部212Aは、ポンプ上限容積第1演算部70、ポンプ上限流量設定部群71、ポンプ上限流量選択スイッチ部72、目標エンジン回転設定部73、除算部74、最大値選択部75、ポンプ上限容積第2演算部276、作業モード選択スイッチ部77、比例弁圧力演算部78、比例弁出力電流演算部79の各機能を有している。
【0077】
ポンプ上限容積第2演算部276は、操作ペダル装置7の操作量センサ7eからの操作ペダル7cの操作量(ATT操作量)の検出結果を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときのATT操作量に応じたポンプ上限容積を計算する。メモリのテーブルには、ATT操作量によらずポンプ上限容積が一定(例えば、第2油圧ポンプ3の最大吐出容積)となるようにATT操作量とポンプ上限容積の関係が設定されている。
【0078】
図9において、パイロット圧制御部212Cは、電磁弁OFF設定部90、電磁弁ON設定部91、アタッチメント選択スイッチ部92の各機能を有している。
【0079】
電磁弁OFF設定部90は電磁弁200,201をOFF位置に切り換える電流(電流0(ゼロ))を出力する機能を有しており、電磁弁ON設定部91は電磁弁200,201をON位置に切り換える電流、すなわち、電磁弁200,201のソレノイド200a,201aを励磁してON位置に切り換える電流を出力する機能を有している。
【0080】
アタッチメント選択スイッチ部92は、アタッチメント選択装置20でアタッチメントを用いるモード(アタッチメントモード:ATT1〜ATT8)が選択されるとATTモード側(つまり、電磁弁OFF設定部90側)に切り換わり、アタッチメント制御部212Cの出力として電磁弁200,201をOFF制御する(OFF位置に切り換える)電流を出力し、アタッチメント選択装置20でバケットを用いて掘削を行うモード(非アタッチメントモード:掘削)が選択されるとATTモード以外の側(つまり、電磁弁ON設定部91側)に切り換わり、アタッチメント制御部212Cの出力として電磁弁200,201をON制御する(ON位置に切り換える)電流を出力する。
【0081】
その他の構成は本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0082】
以上のように構成した本実施の形態における動作を説明する。
【0083】
(1)非アタッチメントモード選択時
アタッチメント選択装置20で掘削のモード(非アタッチメントモード)を選択しているときは、ポンプ上限流量選択スイッチ部72がポンプ上限流量設定部群71のうちの一つ(例えば、ATT1ポンプ上限流量71b)に切り換わるとともに、作業モード選択スイッチ部77がATTモード以外の側に切り換わり、ポンプ上限容積第2演算部276で計算したポンプ上限容積を用いて比例弁圧力演算部78で比例弁圧力を計算し、その比例弁圧力を用いて比例弁出力電流演算部79で計算したポンプ比例弁出力がコントロールユニット212の出力となる。また、アタッチメント選択スイッチ部82が電磁弁ON設定部81側に切り換わり電磁切換弁14をON制御する電磁切換弁出力がコントロールユニット212の出力となる。電磁切換弁14がON制御されると、パイロットライン14aがタンク圧となり、切換弁15が図示右側の位置に切り換わり第2アクチュエータライン62の油路62a,62bが連通される。また、アタッチメント選択スイッチ部92が電磁弁ON設定部91側に切り換わり電磁切換弁200,201をON制御する電磁切換弁出力がコントロールユニット212の出力となる。電磁切換弁200,201がON制御されると、操作ペダル装置7の操作パイロット圧力が出力されるパイロットライン7a、7bが遮断され、流量制御弁B4の受圧部51a,51bにはタンク圧が導かれる。
【0084】
(1−1)フロント作業機103に対応する操作装置を操作した場合
第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5に対応するアクチュエータの操作装置(図示せず)が操作されると、それらの操作信号(操作パイロット圧力)のうちの最高圧力がシャトル弁群21により抽出されて容量制御装置9に導かれ、容量制御装置9はそのパイロット圧力に基づいて第2油圧ポンプ3の容量を制御する。つまり、第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5を介して対応する各アクチュエータに供給するのに必要な油量が吐出されるように第2油圧ポンプ3の容量が制御される。したがって、フロント作業機103にバケットを装着し、掘削作業を行うことができる。
【0085】
(1−2)アタッチメントに対応する操作ペダル装置7を操作した場合
操作ペダル装置7の操作ペダル7cが操作されると、パイロットライン7a,7bに操作パイロット圧力が出力されるが、電磁切換弁200,201により遮断され、流量制御弁B4は中立位置から切り換わらない。したがって、フロント作業機103にアタッチメント(本実施の形態ではブレーカ110)を装着して作業を行おうとしても、アタッチメントに圧油が供給されないので、アタッチメントによる作業を行うことができない。また、パイロットライン7dに出力されるパイロット圧力がシャトル弁群21で選択され容量制御装置9に供給されて第2油圧ポンプ3の容量が大きくなるよう制御されるが、流量制御弁B1〜B5は切り換えられないので、第2油圧ポンプ3は無負荷運転となる。
【0086】
(1−3)フロント作業機103に対応する操作装置とアタッチメントに対応する操作ペダル装置7を同時に操作した場合
この場合は、上記(1−1)と同様に、第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5に対応するアクチュエータの操作装置(図示せず)が操作されると、それらの操作信号(操作パイロット圧力)のうちの最高圧力がシャトル弁群21により抽出されて容量制御装置9に導かれ、容量制御装置9はそのパイロット圧力に基づいて第2油圧ポンプ3の容量を制御する。つまり、第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5を介して対応する各アクチュエータに供給するのに必要な油量が吐出されるように第2油圧ポンプ3の容量が制御される。したがって、フロント作業機103にバケットを装着し、掘削作業を行うことができる。また、上記(1−2)で示したように、操作ペダル装置7の操作ペダル7cが操作されると、パイロットライン7a,7bに操作パイロット圧力が出力されるが、電磁切換弁200,201により遮断され、流量制御弁B4は中立位置から切り換わらない。したがって、フロント作業機103にアタッチメント(本実施の形態ではブレーカ110)を装着して作業を行おうとしても、アタッチメントに圧油が供給されないので、アタッチメントによる作業を行うことができない。
【0087】
(2)アタッチメントモード選択時
アタッチメント選択装置20でアタッチメントモード(例えば、アタッチメントとしてブレーカ110を用いるATT1)を選択しているときは、ポンプ上限流量選択スイッチ部72がATT1ポンプ上限流量71bに切り換わるとともに、作業モード選択スイッチ部77がATTモード側に切り換わり、最大値選択部75で選択したポンプ上限容積を用いて比例弁圧力演算部78で比例弁圧力を計算し、その比例弁圧力を用いて比例弁出力電流演算部79で計算したポンプ比例弁出力がコントロールユニット212の出力となる。また、アタッチメント選択スイッチ部82が電磁弁ON設定部81側に切り換わり電磁切換弁14をOFF制御する電磁切換弁出力がコントロールユニット212の出力となる。電磁切換弁14がOFF制御されると、パイロットライン14aがパイロットポンプ4の吐出圧力となり、切換弁15が図示左側の位置に切り換わり第2アクチュエータライン62の油路62aがタンクTに連通される。また、アタッチメント選択スイッチ部92が電磁弁OFF設定部90側に切り換わり電磁切換弁200,201をOFF制御する電磁切換弁出力がコントロールユニット212の出力となる。電磁切換弁200,201がOFF制御されると、操作ペダル装置7の操作パイロット圧力はパイロットライン7a、7bを介して流量制御弁B4の受圧部51a,51bに導かれる。
【0088】
(2−1)フロント作業機103に対応する操作装置を操作した場合
第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5に対応するアクチュエータの操作装置(図示せず)が操作されると、それらの操作信号(操作パイロット圧力)のうちの最高圧力がシャトル弁群21により抽出されて容量制御装置9に導かれ、容量制御装置9はそのパイロット圧力に基づいて第2油圧ポンプ3の容量を制御する。つまり、第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5を介して対応する各アクチュエータに供給するのに必要な油量が吐出されるように第2油圧ポンプ3の容量が制御される。したがって、フロント作業機103にバケットを装着し、掘削作業を行うことができる。
【0089】
(2−2)アタッチメントに対応する操作ペダル装置7を操作した場合
操作ペダル装置7の操作ペダル7cが操作されると、その操作パイロット圧力がパイロットライン7dを介してシャトル弁群21のシャトル弁21bに導かれ、その他の操作装置からの操作信号を含む操作パイロット圧力のうちの最高圧力がシャトル弁群21により抽出される。このとき、シャトル弁群21から容量制御装置9に導かれる操作パイロット圧力は、アタッチメント選択装置20で選択したアタッチメントモード(ATT1)に対応するポンプ上限流量となるように比例電磁弁13によって制限される。つまり、第2油圧ポンプ3の容量のポンプ上限容量はATT1に適した値に制御される。したがって、フロント作業機103にアタッチメント(本実施の形態ではブレーカ110)を装着して作業を行うことができるとともに、仕様を超えた状態でアタッチメントを使用することがなく、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下が生じることを抑制できる。
【0090】
(2−3)フロント作業機103に対応する操作装置とアタッチメントに対応する操作ペダル装置7を同時に操作した場合
第2弁グループ5bの流量制御弁B1〜B5に対応するアクチュエータの操作装置(図示せず)と操作ペダル装置7の操作ペダル7cが同時に操作されると、上記(2−2)で示したように、シャトル弁群21から容量制御装置9に導かれる操作パイロット圧力は、アタッチメント選択装置20で選択したアタッチメントモード(ATT1)に対応するポンプ上限流量となるように比例電磁弁13によって制限される。つまり、第2油圧ポンプ3の容量のポンプ上限容量はATT1に適した値に制御される。したがって、フロント作業機103にアタッチメント(本実施の形態ではブレーカ110)を装着してフロント作業機103を操作しつつ作業を行うことができるとともに、仕様を超えた状態でアタッチメントを使用することがなく、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下が生じることを抑制できる。
【0091】
以上のように構成した本実施の形態においては、アタッチメント選択装置20において非アタッチメントモードが選択された状態で操作ペダル装置7のペダル7cが操作された場合でも、操作ペダル装置7からアタッチメント用の流量制御弁B4に伝達される操作信号(操作パイロット圧力)を電磁切換弁200,201により遮断するよう構成したので、フロント作業機103にアタッチメントを装着して各種作業を行う場合、万一、アタッチメントの種類に応じた設定がなされず非アタッチメントモードのままアタッチメントを操作してしまった場合においても、流量制御弁B4を介してのアタッチメントへの駆動油の供給がなされない。したがって、オペレータが非アタッチメントモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れ、アタッチメントを操作してしまった場合のアタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を防止することができる。
【0092】
また、オペレータに非アタッチメントモードからアタッチメントモードに切り換えることを忘れたことを認識させることができ、作業モードをアタッチメントモードに切り換えることを促すことで、アタッチメント及びその他の油圧機器の故障や寿命低下を防止することをさらに確実に抑制することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 原動機
2 第1油圧ポンプ
3 第2油圧ポンプ
4 パイロットポンプ
5 コントロールバルブユニット
5a 第1弁グループ
5b 第2弁グループ
7 操作ペダル装置(アタッチメント操作手段)
8,9 ポンプ容量制御装置
10,11 センターバイパスライン
12,212 コントロールユニット
13 電磁弁
14 電磁切換弁
15 切換弁
16 パイロットリリーフ弁
17 メインリリーフ弁
18,19 逆止弁(チェック弁)
20 アタッチメント選択装置
21 シャトル弁群
61 第1アクチュエータライン
62 第2アクチュエータライン
63,64 リリーフ弁
70 ポンプ上限容積第1演算部
71 ポンプ上限流量設定部群
72 ポンプ上限流量選択スイッチ部
73 目標エンジン回転設定部
74 除算部
75 最大値選択部
76,276 ポンプ上限容積第2演算部
77 作業モード選択スイッチ部
78 比例弁圧力演算部
79 比例弁出力電流演算部
100 下部走行体
101 上部旋回体
102 スイングポスト
103 フロント作業機
104 ブレード
105 エンジンルーム
106 運転席
107 旋回モータ
108 ブーム
109 アーム
110 ブレーカ
111 ブームシリンダ
112 アームシリンダ
113 バケットシリンダ
114a,114b 走行モータ
A1〜A4,B1〜B5 流量制御弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの油圧ポンプと、アタッチメント用アクチュエータを含む複数のアクチュエータと、アタッチメント用操作手段からの操作パイロット圧により切り換わり、前記油圧ポンプの吐出油を前記アタッチメント用アクチュエータに供給するアタッチメント用流量制御弁を含む複数の流量制御弁とを備えた油圧回路を有する油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、
非アタッチメントモードとアタッチメントモードとのいずれかを選択し、アタッチメントモードを選択したときは前記油圧回路の状態を前記アタッチメント用アクチュエータの使用に適した状態に切り換えるモード切換手段と、
前記モード切換手段によって前記アタッチメントモードが選択されていない状態でアタッチメント用操作手段を操作したときに、前記アタッチメント用アクチュエータの動作を制限する動作制限手段と
を備えたことを特徴とする油圧ショベルのアタッチメント制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、
前記動作制限手段は、前記アタッチメント用アクチュエータに供給される圧油の流量を制限することにより該アタッチメント用アクチュエータの動作を制限することを特徴とする油圧ショベルのアタッチメント制御装置。
【請求項3】
請求項2記載の油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、
前記動作制限手段は、前記油圧ポンプの吐出流量を制限することにより、前記アタッチメント用アクチュエータに供給される圧油の流量を制限することを特徴とする油圧ショベルのアタッチメント制御装置。
【請求項4】
請求項2記載の油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、
前記動作制限手段は、前記アタッチメント用流量制御弁を通る圧油の流量を制限することにより、前記アタッチメント用アクチュエータに供給される圧油の流量を制限することを特徴とする油圧ショベルのアタッチメント制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−163031(P2011−163031A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28076(P2010−28076)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】