説明

油圧シリンダの往復動制御装置、並びにそれを用いた塵芥収集車の積込装置

【課題】油圧回路自体の構成を簡素化することにより装置全体の製作費を低廉化できるとともに、装置全体をコンパクトにできる油圧シリンダの往復動制御装置、並びにそれを用いた塵芥収集車の積込装置を提供する。
【解決手段】油圧シリンダ13と、油圧ポンプ10と、圧油をロッド側室17とボトム側室14とに切換供給するための主切換弁12と、主切換弁12とボトム側室14を接続する第1油路15と、主切換弁12とロッド側室17とを接続する第2油路16と、第1油路15から分岐された第1分岐油路18と、第2油路16から分岐された第2分岐油路20と、第1油路15が所定の圧力に達した際に第1油路15から主切換弁12への圧油の供給を許容する第1シーケンス弁21と、第2油路16が所定の圧力に達した際に第2油路16から主切換弁12への圧油の供給を許容する第2シーケンス弁22とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧シリンダを圧油の圧力変化に基づいて自動的に往復動させることが可能な油圧シリンダの往復動制御装置、並びにその往復動制御装置を用いた塵芥収集車の積込装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧シリンダの往復動制御装置としては、従来、下記特許文献1に記載のものが知られている。この従来の油圧シリンダの往復動制御装置は図11に示すように構成されている。
【0003】
まず、油圧シリンダ100と、この油圧シリンダ100に圧油を供給するための油圧ポンプ101が設けられ、この油圧ポンプ101の吐出側に連なる高圧油路102は分岐高圧油路103と104に分岐され、その一方の高圧分岐油路103は上記油圧シリンダ100に圧油の供給を制御する2位置切換弁であるシリンダ駆動用切換弁105に接続される一方、他方の高圧分岐油路104はパイロット操作型の2位置切換弁であるパイロット操作切換弁106に接続されている。このパイロット操作切換弁106の他側から出た油路107、108はそれぞれ前記シリンダ駆動用切換弁105の各油室に接続されている。
【0004】
又、シリンダ駆動用切換弁105の他側から出た油路110、111は油圧シリンダl00の第1及び第2油室112、113にそれぞれ接続されている。そして、この油路110、111よりそれぞれ分岐されてパイロット操作切換弁106のパイロット油室に接続される一対のパイロット油路114、115が設けられている。又、このパイロット油路114、115の途中にはパイロット操作型の第1及び第2チェックバルブ116、117が設けられるとともに、上記油圧シリンダl00の第1及び第2パイロットポート118、119が高圧になったとき高圧油を連通させて第1及び第2チェックバルブ116、117を作動させるパイロット油路120、121が設けられている。
【0005】
次に上記のように構成された従来の油圧シリンダの往復動制御装置の作用について説明する。
【0006】
油圧ポンプ101を駆動すると高圧油は高圧油路102、分岐高圧油路103、シリンダ駆動用切換弁105、油路110を通って第1油室112に流入してピストン122が図中右方向に摺動する。そして、ピストン122がストロークエンド付近に到達すると第1パイロットポート118が低圧側から高圧側となり、パイロット油路120を通し第1チェックバルブ116を作動させ油路110の高圧油をパイロット油路114、第1チェックバルブ116を経てパイロット操作切換弁106の右側のパイロット油室に連通させて切換弁106を右位置に切換える。
【0007】
そうすると、高圧油は分岐高圧油路104、パイロット操作切換弁106、油路108を経てシリンダ駆動用切換弁105の右側油室に連通されこの切換弁105を右位置へ切換える。すると第1油室112、油路110はシリンダ駆動用切換弁105を通して油槽123に連通されるので低圧となり、油圧ポンプ101からの高圧油は分岐高圧油路103、シリンダ駆動用切換弁105、油路111を通って第2油室113内に流入してピストン122を図中左方向に摺動させる。
【0008】
このように従来の油圧シリンダの往復動制御装置によれば油圧シリンダ内に流入される圧力油の流れ方向を変えるシリンダ駆動用切換弁と、この切換弁を高圧油圧源からの圧油及びピストンの動きを利用して自動的に切換えて油圧シリンダを機械的に往復作動できるようにしたので、高価で故障を起こし易いリミットスイッチや電気回路を必要とせず全体の構造が簡素化、小型化して廉価に提供することができるというものである。
【特許文献1】特公平1−37602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来の油圧シリンダの往復動制御装置においては、油圧シリンダがストロークエンド付近に来たことを検知してシリンダ駆動用切換弁の位置を切換えるために、油圧シリンダの高圧側にパイロットポート(118、119)を2箇所設ける必要がある。しかし、このように油圧シリンダの高圧側にパイロットポートを設けるとシリンダに追加的に穴開け加工を施すとともに、その穴あけ加工を施す箇所が高圧側であるために、油圧シリンダの機能を低下させないためにはしっかりとしたシールを施す必要がある。又、そのパイロットポート部分はピストンが摺動する箇所であるため、ピストンの摺動動作によりシール部分が磨耗する可能性がある。そのためシール材としてもそのようなピストンの摺動動作により磨耗しにくい材質のものを選定したり磨耗しにくい構造にする必要があり、シリンダ自体の製作費が嵩むという問題がある。又、油圧シリンダへの圧力油の流れを切換えるシリンダ駆動用切換弁の切換えを油圧ポンプからの圧力油を利用して行なうために、このシリンダ駆動用切換弁への圧力油の切換を行なうためのパイロット操作切換弁と、このパイロット操作切換弁とシリンダ駆動用切換弁とを接続するための油路、さらに上記パイロット操作切換弁の位置を切換えるための油路とその油路の開閉を行なうためのチェックバルブ2個が必要となる。そのため油圧回路構成が複雑になりメンテナンスがしにくい上に、油圧回路を構成する部品点数が増加し油圧回路自体が大型化、高額化するという問題がある。
【0010】
又、従来の油圧シリンダの往復動制御装置を塵芥収集車の積込装置に適用しようとすると、油圧回路の設置スペースが限定されているために上記のように部品点数が多く装置自体が大型化する従来の装置では適用しにくいという問題もある。
【0011】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点を解消するべくなされたものであり、油圧回路自体の構成を簡素化することにより装置全体の製作費を低廉化できるとともに、装置全体をコンパクトにできる油圧シリンダの往復動制御装置、並びにそれを用いた塵芥収集車の積込装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明の油圧シリンダの往復動制御装置は、油圧シリンダと、該油圧シリンダに圧油を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプからの圧油を前記油圧シリンダのロッド側室とボトム側室とに切換供給するための主切換弁と、該主切換弁と前記油圧シリンダのボトム側室を接続する第1油路と、前記主切換弁と前記油圧シリンダのロッド側室とを接続する第2油路と、前記第1油路から分岐され、前記油圧シリンダのボトム側室に供給される圧油を前記主切換弁へ導き該主切換弁の位置を切換えるための第1分岐油路と、前記第2油路から分岐され、前記油圧シリンダのロッド側室に供給される圧油を前記主切換弁へ導き該主切換弁の位置を切換えるための第2分岐油路と、前記第1分岐油路に設けられ、前記第1油路が所定の圧力に達した際に第1油路から前記主切換弁への圧油の供給を許容する第1シーケンス弁と、前記第2分岐油路に設けられ、前記第2油路が所定の圧力に達した際に第2油路から前記主切換弁への圧油の供給を許容する第2シーケンス弁と、からなるものである。
【0013】
請求項2に係る発明の油圧シリンダの往復動制御装置は、前記油圧ポンプと前記主切換弁の間に設けられ、前記油圧ポンプから前記油圧シリンダへの圧油の供給を停止するか、又は油圧シリンダのボトム側室とロッド側室への供給経路を切換える操作切換弁を設けたものである。
【0014】
請求項3に係る発明の塵芥収集車の積込装置は、車体上に設けられた荷箱と、該荷箱後端に設けられた塵芥投入口と、該塵芥投入口から投入された塵芥を圧縮し前記荷箱に回収する圧縮板とを備えた塵芥収集車の積込装置であって、前記圧縮板を昇降動作させる第1油圧シリンダと、前記圧縮板を揺動動作させる第2油圧シリンダと、該第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダに圧油を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプからの圧油を前記第1油圧シリンダのロッド側室とボトム側室とに切換供給するための第1主切換弁と、前記油圧ポンプからの圧油を前記第2油圧シリンダのロッド側室とボトム側室とに切換供給するための第2主切換弁と、前記第1主切換弁をその切換わった位置で保持する第1位置保持手段と、前記第2主切換弁をその切換わった位置で保持する第2位置保持手段と、前記第1主切換弁と前記第1油圧シリンダのボトム側室とを接続する第1油路と、前記第1主切換弁と前記第1油圧シリンダのロッド側室とを接続する第2油路と、前記第2主切換弁と前記第2油圧シリンダのボトム側室とを接続する第3油路と、前記第2主切換弁と前記第2油圧シリンダのロッド側室とを接続する第4油路と、前記第1油路から分岐され、前記第1油圧シリンダのボトム側室に供給される圧油を前記第2主切換弁へ導き該第2主切換弁の位置を切換えるための第1分岐油路と、前記第2油路から分岐され、前記第1油圧シリンダのロッド側室に供給される圧油を前記第2主切換弁へ導き該第2主切換弁の位置を切換えるための第2分岐油路と、前記第3油路から分岐され、前記第2油圧シリンダのボトム側室に供給される圧油を前記第1主切換弁へ導き該第1主切換弁の位置を切換えるための第3分岐油路と、前記第4油路から分岐され、前記第2油圧シリンダのロッド側室に供給される圧油を前記第1主切換弁へ導き該第1主切換弁の位置を切換えるための第4分岐油路と、前記第1分岐油路に設けられ、前記第1油路が所定の圧力に達した際に第1油路から前記第2主切換弁への圧油の供給を許容する第1シーケンス弁と、前記第2分岐油路に設けられ、前記第2油路が所定の圧力に達した際に第2油路から前記第2主切換弁への圧油の供給を許容する第2シーケンス弁と、前記第3分岐油路に設けられ、前記第3油路が所定の圧力に達した際に第3油路から前記第1主切換弁への圧油の供給を許容する第3シーケンス弁と、前記第4分岐油路に設けられ、前記第4油路が所定の圧力に達した際に第4油路から前記第1主切換弁への圧油の供給を許容する第4シーケンス弁と、からなるものである。
【0015】
請求項4に係る発明の塵芥収集車の積込装置は、前記油圧ポンプと前記第1主切換弁及び第2主切換弁との間に設けられ、前記油圧ポンプから前記第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダへの圧油の供給を停止するか、又は各油圧シリンダのボトム側室とロッド側室への供給経路を切換える操作切換弁を設けたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、油圧シリンダへの高圧側の油路が所定の圧力になったことを検知して油圧シリンダへ供給する圧油の切換えを行なうので、従来の油圧シリンダの往復動制御装置のように油圧シリンダのピストンのストロークエンド付近にパイロットポートを設ける必要がなくなるため油圧シリンダ自体の製作費を低減することが可能となる。
【0017】
又、油圧シリンダへの圧油の供給を切換える主切換弁を、この主切換弁と油圧シリンダを接続する油路より分岐した圧油により切換えるようにしたので、従来の油圧シリンダの往復動制御装置のように油圧ポンプからの圧力油を使ってシリンダ駆動用切換弁を作動させるために必要となるパイロット操作切換弁のようなものが不要となるので、装置を構成する部品点数を減らすことができ装置自体を簡素化、低廉化することができる。
【0018】
さらに、このような油圧シリンダの往復動制御装置を塵芥収集車の積込装置に適用して機械的に当該積込装置を作動制御することで、積込装置に回路が組み込み易く、しかも積込装置の電気的なトラブルを回避して故障などにも対処し易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の油圧シリンダの往復動制御装置の主要部を構成する油圧回路を示している。
【0021】
図1において、10は油圧ポンプであって、該油圧ポンプ10は、その吸込側がオイルタンク11に連通されるとともに、吐出側が主切換弁12を介して油圧シリンダ13に連通されている。
【0022】
具体的には、主切換弁12は、2位置切換弁であって、当該主切換弁12の油圧シリンダ13側となる一方のポートが第1油路15を通じて前記油圧シリンダ13のボトム側室14に接続されるとともに、主切換弁12の油圧シリンダ13側となる他方のポートが第2油路16を通じて前記油圧シリンダ13のロッド側室17に接続されている。
【0023】
前記第1油路15からは第1分岐油路18が分岐され、この第1分岐油路18によって前記油圧シリンダ13のボトム側室14に供給される圧油を前記主切換弁12へ導き該主切換弁12の位置を切換えるようにしている。
【0024】
前記第2油路16からは第2分岐油路20が分岐され、この第2分岐油路20によって、前記油圧シリンダ13のロッド側室17に供給される圧油を前記主切換弁12へ導き該主切換弁12の位置を切換えるようにしている。
【0025】
また、前記第1分岐油路18には、前記第1油路15が所定の圧力に達した際に当該第1油路15から前記主切換弁12への圧油の導入を許容する第1シーケンス弁21が設けられている。
【0026】
さらに、前記第2分岐油路20には、前記第2油路16が所定の圧力に達した際に当該第2油路16から前記主切換弁12への圧油の導入を許容する第2シーケンス弁22が設けられている。
【0027】
そして、上記第1、第2シーケンス弁21、22が切換わって圧油の導入を許容する所定圧力としては例えばリリーフ弁23よりもやや低い圧力を設定している。
【0028】
また、前記主切換弁12には、当該主切換弁12をその切換わった位置(右位置もしくは左位置)で保持するためのデテント24が設けられている。このデテント24は、例えば図2に示すように、主切換弁12の弁本体部12aに組み込まれた係止ボール24aとスプリング24bとで構成されている。
【0029】
具体的には、まず、主切換弁12にはスプール12bがその軸方向に移動自在に設けられており、圧油の導入に伴うスプール12bの移動によって主切換弁12を上述した右位置と左位置とに切り換えるようにしている。
【0030】
そして、上記スプール12bの一端部にはその軸方向に所定距離隔てて2本の係止溝12c、12dが設けられており、これら係止溝12c、12dに上記係止ボール24aが係脱自在になされている。
【0031】
この係止ボール24aは、上記スプリング24bによって係止溝12c、12dに係止する方向に付勢されており、係止ボール24aが係止溝12cもしくは12dに係止した状態でスプリング24bの付勢力によってこの係止状態を保持するようにしている。
【0032】
従って、スプリング24bの付勢力による係止溝12cもしくは12dへの係止ボール24aの係止力に勝る力でスプール12bを軸方向に移動させない限り、つまり、圧油の導入によってスプール12bを軸方向に移動させない限り、当該スプール12bをその位置で保持することができ、これによって主切換弁12を右位置もしくは左位置で安定的に保持することができる。
【0033】
そして、第1分岐油路18もしくは第2分岐油路20を通じて主切換弁12に圧油が作用したときに、このデテントの保持力に抗して主切換弁12が切換わるようにデテントの保持力などが設定されている。
【0034】
次に、このように構成された油圧回路による油圧シリンダの往復動作の制御について説明する。
【0035】
まず、図1に示す状態において、油圧ポンプ10から圧油を送り出すと、この圧油は主切換弁12、第1油路15を通じて油圧シリンダ13のボトム側室14に供給され、これによって油圧シリンダ13が伸長作動する。
【0036】
そして、油圧シリンダ13がストロークエンドまで伸長すると第1油路15の油圧が上昇してリリーフ弁23の設定圧まで上昇しようとする。この場合、第1シーケンス弁21はリリーフ弁23の設定圧よりもやや低い圧力で右位置から左位置に切換わるように予め設定していることから、リリーフ弁23よりも先に当該第1シーケンス弁21が切換わる。この結果、第1油路15内の圧油が第1分岐油路18、第1シーケンス弁21を通じて主切換弁12に作用して、主切換弁12が左位置から右位置に切換わる。
【0037】
これにより油圧ポンプ10からの圧油は主切換弁12、第2油路16を通じて油圧シリンダ13のロッド側室17に供給され、当該油圧シリンダ13が縮退作動する。つまり、油圧シリンダ13は伸長動作してストロークエンドに達した後、続いて縮退動作に移行する。この場合、主切換弁12が左位置から右位置に切換わると、第1油路15の油圧が低下することから、これによって第1シーケンス弁21が左位置から元の右位置に切換わるものの、主切換弁12はデテントによって上述した右位置に切換わった状態を保持することになる。
【0038】
続いて、油圧シリンダ13がストロークエンドまで縮退すると第2油路16の油圧が上昇してリリーフ弁23の設定圧まで上昇しようとする。この場合、第2シーケンス弁22は前記第1シーケンス弁21と同様にリリーフ弁23の設定圧よりもやや低い圧力で右位置から左位置に切換わるように予め設定していることから、リリーフ弁23よりも先に当該第2シーケンス弁22が切換わる。この結果、第2油路16内の圧油が第2分岐油路20、第2シーケンス弁22を通じて主切換弁12に作用して、主切換弁12が右位置から左位置に切換わる。
【0039】
これにより油圧ポンプ10からの圧油は油圧シリンダ13のボトム側室14に供給され、当該油圧シリンダ13が伸長作動する。従って、このような圧油の供給が継続する限り油圧シリンダ13は上述したような伸縮動作を繰り返し行うことになる。
【0040】
また、図1に示すように油圧ポンプ10と主切換弁12の間に操作切換弁25を設けてもよい。この操作切換弁25は、3位置切換弁であって、中正位置で油圧ポンプ10と主切換弁12との間の経路を遮断し、右位置もしくは左位置に切換えることで、油圧ポンプ10から主切換弁12への供給経路を切換えるようにしている。
【0041】
具体的には、例えば図1に示すように操作切換弁25が左位置にある状態では前述した油圧シリンダ13の伸縮動作と同様な動作が行われる。そして、油圧シリンダ13が伸縮作動している時に中正位置に切換えることで伸縮途中で油圧シリンダ13の動作が停止し、この後に左位置に再び戻すことによって停止前の動作(伸長動作もしくは縮退動作)に戻ることになる。
【0042】
また、操作切換弁25を左位置から中正位置に切換えて油圧シリンダ13の動作を停止させた後に反対の右位置に切換えた場合には、停止前の動作と逆の動作(伸長動作もしくは縮退動作)に移行することになる。この場合、主切換弁12はデテント24によって保持されていることから伸縮途中で上述したように操作切換弁25を切換えても安定的に次の動作に移行することができる。
【0043】
このように油圧シリンダ13に通じる油路内の圧油の圧力変化を利用して第1、第2シーケンス弁21、22を通じて主切換弁12を切換ることによって油圧シリンダ13の往復動作を制御することで、電磁弁を用いたような電気的な制御が不要になり、電気的トラブルによる作動不良を回避することができる。また、油圧回路自体の構成を簡素化することにより装置全体の製作費を低廉化できるとともに、装置全体をコンパクトにできる。
【0044】
図3は、図1で示した油圧回路の他の例を示している。なお、図1で示した油圧回路と同様な構成については同符号を付してその説明は省略する。
【0045】
この油圧回路は、主切換弁12の切換えをシリンダ26、27を用いて機械的に行うようにしてもので、第1、第2分岐油路18、20を通じてシリンダ26、27に圧油を供給することによって主切換弁12を左右に切換えて油圧シリンダ13を伸縮動作させるようにしている。
【0046】
なお、油圧シリンダ13の伸縮動作については前述した図1の油圧回路と同様であり、説明は省略する。
【0047】
次に、請求項3に記載の油圧シリンダの往復動制御装置を用いた塵芥収集車の積込装置について説明する。
【0048】
この塵芥収集車の積込装置は、前述した油圧シリンダの往復動制御装置の回路構成を基本にして2本の油圧シリンダを伸縮作動制御することにより積込装置を作動制御するようにしたものであり、以下に詳説する。
【0049】
まず、塵芥収集車の構成について図4を参照して説明する。
【0050】
図4において、30は塵芥収集車で、車体31上に塵芥収容箱32が載置されている。この塵芥収容箱32の後方開口部33には、その上方で枢支34された塵芥投入箱35が連接されており、これら塵芥収容箱32と塵芥投入箱35とで荷箱を構成している。この塵芥投入箱35は、塵芥収容箱32と塵芥投入箱35との間に装設された傾動シリンダ(図示省略)により枢支34を以て傾動自在に構成されている。
【0051】
さらに、塵芥投入箱35の後部には塵芥投入口36が開口されるとともに、その内部には積込装置40が装備されている。
【0052】
この積込装置40は、塵芥投入箱35内の塵芥を圧縮して塵芥収容箱32内に詰め込んで回収するもので、以下、この積込装置40の構成について説明する。
【0053】
塵芥投入箱35の両側壁には溝型鋼で形成された案内溝部材41が補強枠を兼ねて前方上部より後方下部に向かって敷設されている。
【0054】
また、塵芥投入箱35内にはその横幅一杯に広がる摺動板42が収容され、この摺動板42の両側縁の上下には案内ローラ43が軸着され、これらの案内ローラ43は前記案内溝部材41の内壁に沿って摺動自在に嵌合されている。
【0055】
前記摺動板42の背面上部にはブラケットを介して枢軸44が軸支されており、この枢軸44は前記案内溝部材41の背面に沿うとともに、摺動板42の摺動距離に合致して塵芥投入箱35の側壁に形成された図示しない切欠きを越えて塵芥投入箱35の外側に突出するようになっている。
【0056】
そして、塵芥投入箱35の側壁を越えて外側に突出した枢軸44と塵芥投入箱35の下部間には、塵芥投入箱35の外側に設けられる昇降シリンダ(第1油圧シリンダ)45が案内溝部材41の傾斜方向に沿って、かつ、その上方に偏位して連結され、この昇降シリンダ45の伸縮作動によって摺動板42(即ち、後述する圧縮板)を案内溝部材41に沿って斜め上下に往復移動(昇降)させることができる。
【0057】
また、前記摺動板42の下端には、塵芥投入箱35の横幅一杯に広がる圧縮板46が前後に揺動自在に軸支されている。
【0058】
前記圧縮板46の先端は前方に向かって若干屈折形成されている。そして、前記圧縮板46の背面に突設した突片47と前記摺動板42の背面上部に設けられた枢軸44間には、揺動シリンダ(第2油圧シリンダ)48が連結され、この揺動シリンダ48の伸縮作動によって前記圧縮板46を前後に揺動させることができる。
【0059】
前記圧縮板46の前面には、後述する圧縮工程において塵芥をより強固に圧縮するための圧縮部材49が設けられている。
【0060】
一方、塵芥収容箱32の底面下方には基端が枢支された固縛シリンダ50が配設されており、その先端が塵芥収容箱32の後端下部に枢支した固縛爪51に連結されている。
【0061】
そして、通常は固縛シリンダ50を介して固縛爪51を塵芥投入箱35の前面に固設したUボルト52に係合させることによって、塵芥投入箱35を塵芥収容箱32側に固縛している。
【0062】
さらに、前記塵芥収容箱32内には排出板37が前後方向に摺動自在に配設されている。排出板37は、塵芥収容箱32の横幅及び上下高さと略同じ大きさに形成された板状体であり、図示しない排出シリンダの伸縮動作により塵芥収容箱32内を前後に摺動するように構成されている。
【0063】
そして、上述した昇降シリンダ45と揺動シリンダ48との作動制御に、前述した油圧シリンダの往復動制御装置を基本にして構成された油圧回路が適用されている。
【0064】
図5は、昇降シリンダ45と揺動シリンダ48とを作動制御するための油圧回路を示している。
【0065】
図5において、50は油圧ポンプであって、該油圧ポンプ50は、その吸込側がオイルタンク51に連通されるとともに、吐出側が第1主切換弁52を介して前記昇降シリンダ45に、また第2主切換弁53を介して揺動シリンダ48に並列的に連通されている。
【0066】
具体的には、第1主切換弁52は、2位置切換弁であって、当該第1主切換弁52の昇降シリンダ45側となる一方のポートが第1油路54を通じて前記昇降シリンダ45のボトム側室451に接続されるとともに、第1主切換弁52の昇降シリンダ45側となる他方のポートが第2油路55を通じて前記昇降シリンダ45のロッド側室452に接続されている。
【0067】
前記第2主切換弁53は、2位置切換弁であって、当該第2主切換弁53の揺動シリンダ48側となる一方のポートが第3油路56を通じて前記揺動シリンダ48のボトム側室481に接続されるとともに、第2主切換弁53の揺動シリンダ48側となる他方のポートが第4油路57を通じて前記揺動シリンダ48のロッド側室482に接続されている。
【0068】
前記第1油路54からは第1分岐油路58が分岐され、この第1分岐油路58によって前記昇降シリンダ45のボトム側室451に供給される圧油を前記第2主切換弁53へ導き該第2主切換弁53の位置を切換えるようにしている。
【0069】
前記第2油路55からは第2分岐油路60が分岐され、この第2分岐油路60によって前記昇降シリンダ45のロッド側室452に供給される圧油を前記第2主切換弁53へ導き該第2主切換弁53の位置を切換えるようにしている。
【0070】
前記第3油路56からは第3分岐油路61が分岐され、この第3分岐油路61によって前記揺動シリンダ48のボトム側室481に供給される圧油を前記第1主切換弁52へ導き該第1主切換弁52の位置を切換えるようにしている。
【0071】
前記第4油路57からは第4分岐油路62が分岐され、この第4分岐油路62によって前記揺動シリンダ48のロッド側室482に供給される圧油を前記第1主切換弁52へ導き該第1主切換弁52の位置を切換えるようにしている。
【0072】
前記第1分岐油路58には、前記第1油路54が所定の圧力に達した際に当該第1油路54から前記第2主切換弁53への圧油の導入を許容する第1シーケンス弁63が設けられている。
【0073】
前記第2分岐油路60には、前記第2油路55が所定の圧力に達した際に当該第2油路55から前記第2主切換弁53への圧油の導入を許容する第2シーケンス弁64が設けられている。
【0074】
前記第3分岐油路61には、前記第3油路56が所定の圧力に達した際に当該第3油路56から前記第1主切換弁52への圧油の導入を許容する第3シーケンス弁65が設けられている。
【0075】
前記第4分岐油路62には、前記第4油路57が所定の圧力に達した際に当該第4油路57から前記第1主切換弁52への圧油の導入を許容する第4シーケンス弁66が設けられている。
【0076】
そして、上記第1〜第4シーケンス弁63〜66が切換わって圧油の導入を許容する所定圧力としては例えばリリーフ弁67よりもやや低い圧力を設定している。
【0077】
また、前記第1主切換弁52にはデテント68が、第2主切換弁53にはデテント69がそれぞれ設けられている。これらデテント68、69は、前述したデテント24と同様な構成で同様な作用を奏するものであり、ここでは説明を省略する。
【0078】
次に、このように構成された油圧回路による積込装置40の作動制御、即ち昇降シリンダ45と揺動シリンダ48の2本の油圧シリンダにおける往復動作の作動制御について説明する。
【0079】
まず、図5に示す状態、即ち、昇降シリンダ45及び揺動シリンダ48が共に縮退した状態で、且つ第1主切換弁52が右位置に、第2主切換弁53が左位置に配置されている状態において、油圧ポンプ50から圧油を送り出すと、この圧油は第1主切換弁52、第2油路55を通じて昇降シリンダ45のロッド側室452に供給されるとともに、第2主切換弁53、第3油路56を通じて揺動シリンダ48のボトム側室481に供給される。
【0080】
このとき昇降シリンダ45は縮退状態にあるので、上述した圧油の供給によって揺動シリンダ48のみが伸長作動し、これにより圧縮板46を塵芥投入箱35内の底部において前方に揺動させる(圧縮工程:図9(a)〜(b)参照)。
【0081】
そして、揺動シリンダ48がストロークエンドまで伸長すると(圧縮工程が終了すると)、第2油路55と第3油路56の油圧が上昇してリリーフ弁67の設定圧まで上昇しようとする。この場合、第2シーケンス弁64と第3シーケンス弁65はリリーフ弁67の設定圧よりもやや低い圧力で右位置から左位置に切換わるように予め設定していることから、リリーフ弁67よりも先に当該第2シーケンス弁64と第3シーケンス弁65が切換わる。
【0082】
この結果、第2油路55内の圧油が第2分岐油路60、第2シーケンス弁64を通じて第2主切換弁53に作用するとともに、第3油路56内の圧油が第3分岐油路61、第3シーケンス弁65を通じて第1主切換弁52に作用する。これにより第1主切換弁52がが右位置から左位置に切換わる。なお、第2主切換弁53は既に左位置に切換わっているので、この左位置を保持して状態に変化はない。つまり、図6に示す状態になる。
【0083】
これにより、油圧ポンプ50からの圧油は第1主切換弁52、第1油路54を通じて昇降シリンダ45のボトム側室451に供給されるとともに、第2主切換弁53、第3油路56を通じて揺動シリンダ48のボトム側室481に供給される。
【0084】
このとき揺動シリンダ48は伸長状態にあるので、上述した圧油の供給によって昇降シリンダ45のみが伸長作動し、これにより摺動板42を介して圧縮板46を塵芥投入箱35内において上昇させる(上昇工程:図9(b)〜(c)参照)。
【0085】
そして、昇降シリンダ45がストロークエンドまで伸長すると(上昇工程が終了すると)、第1油路54と第3油路56の油圧が上昇してリリーフ弁67の設定圧まで上昇しようとする。この場合、第1シーケンス弁63と第3シーケンス弁65はリリーフ弁67の設定圧よりもやや低い圧力で右位置から左位置に切換わるように予め設定していることから、リリーフ弁67よりも先に当該第1シーケンス弁63と第3シーケンス弁65が切換わる。
【0086】
この結果、第1油路54内の圧油が第1分岐油路58、第1シーケンス弁63を通じて第2主切換弁53に作用するとともに、第3油路56内の圧油が第3分岐油路61、第3シーケンス弁65を通じて第1主切換弁52に作用する。これにより第2主切換弁53がが左位置から右位置に切換わる。なお、第1主切換弁52は既に左位置に切換わっているので、この左位置を保持して状態に変化はない。つまり、図7に示す状態になる。
【0087】
これにより、油圧ポンプ50からの圧油は第1主切換弁52、第1油路54を通じて昇降シリンダ45のボトム側室451に供給されるとともに、第2主切換弁53、第4油路57を通じて揺動シリンダ48のロッド側室482に供給される。
【0088】
このとき昇降シリンダ45は伸長状態にあるので、上述した圧油の供給によって揺動シリンダ48のみが縮退作動し、これにより圧縮板46を塵芥投入箱35内の底部において後方に揺動させる(反転工程:図9(c)〜(d)参照)。
【0089】
そして、揺動シリンダ48がストロークエンドまで縮退すると(反転工程が終了すると)、第1油路54と第4油路57の油圧が上昇してリリーフ弁67の設定圧まで上昇しようとする。この場合、第1シーケンス弁63と第4シーケンス弁66はリリーフ弁67の設定圧よりもやや低い圧力で右位置から左位置に切換わるように予め設定していることから、リリーフ弁67よりも先に当該第1シーケンス弁63と第4シーケンス弁66が切換わる。
【0090】
この結果、第1油路54内の圧油が第1分岐油路58、第1シーケンス弁63を通じて第2主切換弁53に作用するとともに、第4油路57内の圧油が第4分岐油路62、第4シーケンス弁66を通じて第1主切換弁52に作用する。これにより第1主切換弁52がが左位置から右位置に切換わる。なお、第2主切換弁53は既に右位置に切換わっているので、この右位置を保持して状態に変化はない。つまり、図8に示す状態になる。
【0091】
これにより、油圧ポンプ50からの圧油は第1主切換弁52、第2油路55を通じて昇降シリンダ45のロッド側室452に供給されるとともに、第2主切換弁53、第4油路57を通じて揺動シリンダ48のロッド側室482に供給される。
【0092】
このとき揺動シリンダ48は縮退状態にあるので、上述した圧油の供給によって昇降シリンダ45のみが縮退作動し、これにより摺動板42を介して圧縮板46を塵芥投入箱35内において下降させる(下降工程:図9(d)〜(a)参照)。
【0093】
そして、昇降シリンダ45がストロークエンドまで縮退すると(下降工程が終了すると)、第2油路55と第4油路57の油圧が上昇してリリーフ弁67の設定圧まで上昇しようとする。この場合、第2シーケンス弁64と第4シーケンス弁66はリリーフ弁67の設定圧よりもやや低い圧力で右位置から左位置に切換わるように予め設定していることから、リリーフ弁67よりも先に当該第2シーケンス弁64と第4シーケンス弁66が切換わる。
【0094】
この結果、第2油路55内の圧油が第2分岐油路60、第2シーケンス弁64を通じて第2主切換弁53に作用するとともに、第4油路57内の圧油が第4分岐油路62、第4シーケンス弁66を通じて第1主切換弁52に作用する。これにより第2主切換弁53がが右位置から左位置に切換わる。なお、第1主切換弁52は既に右位置に切換わっているので、この右位置を保持して状態に変化はない。つまり、図5に示す状態になる。
【0095】
これにより油圧ポンプ50からの圧油は、前述と同様にして第1主切換弁52、第2油路55を通じて昇降シリンダ45のロッド側室452に供給されるとともに、第2主切換弁53、第3油路56を通じて揺動シリンダ48のボトム側室481に供給され、これによって揺動シリンダ48のみが伸長作動して圧縮板46を塵芥投入箱35内の底部において前方に揺動させる(圧縮工程:図9(a)〜(b)参照)。
【0096】
従って、このような圧油の供給が継続する限り、昇降シリンダ45と揺動シリンダ48の2本の油圧シリンダは上述した伸縮動作を交互に繰り返すことで積込装置40を上述したように作動させ、これによって塵芥を積込装置40により塵芥収容箱32に積み込んで行く。
【0097】
表1は、上述した各工程における第1、第2主切換弁52、53の切換位置や、各油圧シリンダの伸縮動作などを示したものである。
【0098】
【表1】

また、図10に示すように、図1で説明したような操作切換弁25と同様な操作切換弁70を油圧ポンプ50と第1、第2主切換弁52、53の間に設けてもよい。
【0099】
この場合も、中正位置で油圧ポンプ50と第1、第2主切換弁52、53との間の経路を遮断し、右位置もしくは左位置に切換えることで、油圧ポンプ50から第1、第2主切換弁52、53への供給経路を切換えるようにしている。
【0100】
具体的には、例えば操作切換弁70が左位置にある状態では上述した昇降シリンダ45と揺動シリンダ48の伸縮動作と同様な動作が行われる。そして、昇降シリンダ45と揺動シリンダ48が伸縮作動している時に中正位置に切換えることで、伸縮途中で昇降シリンダ45もしくは揺動シリンダ48の動作が停止し、この後に操作切換弁68を左位置に再び戻すことによって昇降シリンダ45もしくは揺動シリンダ48が停止前の動作(伸長動作もしくは縮退動作)に戻り、前述と同様な各工程を行う。
【0101】
また、操作切換弁70を左位置から中正位置に切換えて昇降シリンダ45もしくは揺動シリンダ48の動作を停止させた後に、反対の右位置に切換えた場合には、圧縮板46を停止前の動作と逆の動作で作動させることになる。
【0102】
この場合、最初の動作だけは昇降シリンダ45と揺動シリンダ48とが同時に、又は負荷の小さい方の昇降シリンダ45もしくは揺動シリンダ48が先に伸縮動作することになり、作動順序は定かでない。そして、昇降シリンダ45と揺動シリンダ48がストロークエンドまで伸縮していずれかのシーケンス弁が作動して第1主切換弁52もしくは第2主切換弁53が切換わった後は、この第1主切換弁52や第2主切換弁53が切換わった状態に応じて所定の順序で昇降シリンダ45と揺動シリンダ48とが伸縮作動して圧縮板46を前述とは逆の動作で移動させる。
【0103】
つまり、例えば揺動シリンダ48の縮退動作から開始した場合には、塵芥投入箱35の底部で圧縮板46が後方に揺動した後に上昇し、この後に圧縮板45が前方に揺動し、続いて下降する動作を行うことになる。
【0104】
このように昇降シリンダ45及び揺動シリンダ48に通じる各油路内の圧油の圧力変化を利用して第1〜第4シーケンス弁63〜66を通じて第1、第2主切換弁52、53を切換えて昇降シリンダ45と揺動シリンダ48との2本の油圧シリンダを伸縮作動させて積込装置40を作動制御することで、電磁弁やリミットスイッチなどを用いたような電気的な制御が当該積込装置40の作動に限っては不要になり、電気的トラブルによる作動不良を回避することができ、故障などにも対処し易い。また、油圧回路自体の構成を簡素化することにより装置全体の製作費を低廉化できるとともに、装置全体をコンパクトにできて積込装置への回路の組み込みが易になる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の油圧シリンダの往復動制御装置の油圧回路図である。
【図2】デテントの構成を示す断面図である。
【図3】同じく油圧シリンダの往復動制御装置の他の例を示す油圧回路図である。
【図4】塵芥収集車の概略構成を示す側面から見た断面図である。
【図5】2本の油圧シリンダにより積込装置を作動制御するための油圧回路図である。
【図6】2本の油圧シリンダによる積込装置の作動制御を説明するための油圧回路図である。
【図7】2本の油圧シリンダによる積込装置の作動制御を説明するための油圧回路図である。
【図8】2本の油圧シリンダによる積込装置の作動制御を説明するための油圧回路図である。
【図9】積込装置の各工程での動作を説明するための概略図である。
【図10】操作切換弁を設けた場合の油圧回路図である。
【図11】従来の油圧シリンダの往復動制御装置の油圧回路図である。
【符号の説明】
【0106】
10 油圧ポンプ
12 主切換弁
13 油圧シリンダ
15 第1油路
16 第2油路
18 第1分岐油路
20 第2分岐油路
21 第1シーケンス
22 第2シーケンス
40 積込装置
45 昇降シリンダ
48 揺動シリンダ
50 油圧ポンプ
52 第1主切換弁
53 第2主切換弁
54 第1油路
55 第2油路
56 第3油路
57 第4油路
58 第1分岐油路
60 第2分岐油路
61 第3分岐油路
62 第4分岐油路
63 第1シーケンス
64 第2シーケンス
65 第3シーケンス
66 第4シーケンス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧シリンダと、
該油圧シリンダに圧油を供給する油圧ポンプと、
該油圧ポンプからの圧油を前記油圧シリンダのロッド側室とボトム側室とに切換供給するための主切換弁と、
該主切換弁と前記油圧シリンダのボトム側室を接続する第1油路と、
前記主切換弁と前記油圧シリンダのロッド側室とを接続する第2油路と、
前記第1油路から分岐され、前記油圧シリンダのボトム側室に供給される圧油を前記主切換弁へ導き該主切換弁の位置を切換えるための第1分岐油路と、
前記第2油路から分岐され、前記油圧シリンダのロッド側室に供給される圧油を前記主切換弁へ導き該主切換弁の位置を切換えるための第2分岐油路と、
前記第1分岐油路に設けられ、前記第1油路が所定の圧力に達した際に第1油路から前記主切換弁への圧油の供給を許容する第1シーケンス弁と、
前記第2分岐油路に設けられ、前記第2油路が所定の圧力に達した際に第2油路から前記主切換弁への圧油の供給を許容する第2シーケンス弁と、
からなることを特徴とする油圧シリンダの往復動制御装置。
【請求項2】
前記油圧ポンプと前記主切換弁の間に設けられ、前記油圧ポンプから前記油圧シリンダへの圧油の供給を停止するか、又は油圧シリンダのボトム側室とロッド側室への供給経路を切換える操作切換弁を設けたことを特徴する請求項1記載の油圧シリンダの往復動制御装置。
【請求項3】
車体上に設けられた荷箱と、
該荷箱後端に設けられた塵芥投入口と、
該塵芥投入口から投入された塵芥を圧縮し前記荷箱に回収する圧縮板とを備えた塵芥収集車の積込装置であって、
前記圧縮板を昇降動作させる第1油圧シリンダと、
前記圧縮板を揺動動作させる第2油圧シリンダと、
該第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダに圧油を供給する油圧ポンプと、
該油圧ポンプからの圧油を前記第1油圧シリンダのロッド側室とボトム側室とに切換供給するための第1主切換弁と、
前記油圧ポンプからの圧油を前記第2油圧シリンダのロッド側室とボトム側室とに切換供給するための第2主切換弁と、
前記第1主切換弁をその切換わった位置で保持する第1位置保持手段と、
前記第2主切換弁をその切換わった位置で保持する第2位置保持手段と、
前記第1主切換弁と前記第1油圧シリンダのボトム側室とを接続する第1油路と、
前記第1主切換弁と前記第1油圧シリンダのロッド側室とを接続する第2油路と、
前記第2主切換弁と前記第2油圧シリンダのボトム側室とを接続する第3油路と、
前記第2主切換弁と前記第2油圧シリンダのロッド側室とを接続する第4油路と、
前記第1油路から分岐され、前記第1油圧シリンダのボトム側室に供給される圧油を前記第2主切換弁へ導き該第2主切換弁の位置を切換えるための第1分岐油路と、
前記第2油路から分岐され、前記第1油圧シリンダのロッド側室に供給される圧油を前記第2主切換弁へ導き該第2主切換弁の位置を切換えるための第2分岐油路と、
前記第3油路から分岐され、前記第2油圧シリンダのボトム側室に供給される圧油を前記第1主切換弁へ導き該第1主切換弁の位置を切換えるための第3分岐油路と、
前記第4油路から分岐され、前記第2油圧シリンダのロッド側室に供給される圧油を前記第1主切換弁へ導き該第1主切換弁の位置を切換えるための第4分岐油路と、
前記第1分岐油路に設けられ、前記第1油路が所定の圧力に達した際に第1油路から前記第2主切換弁への圧油の供給を許容する第1シーケンス弁と、
前記第2分岐油路に設けられ、前記第2油路が所定の圧力に達した際に第2油路から前記第2主切換弁への圧油の供給を許容する第2シーケンス弁と、
前記第3分岐油路に設けられ、前記第3油路が所定の圧力に達した際に第3油路から前記第1主切換弁への圧油の供給を許容する第3シーケンス弁と、
前記第4分岐油路に設けられ、前記第4油路が所定の圧力に達した際に第4油路から前記第1主切換弁への圧油の供給を許容する第4シーケンス弁と、
からなることを特徴とする塵芥収集車の積込装置。
【請求項4】
前記油圧ポンプと前記第1主切換弁及び第2主切換弁との間に設けられ、前記油圧ポンプから前記第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダへの圧油の供給を停止するか、又は各油圧シリンダのボトム側室とロッド側室への供給経路を切換える操作切換弁を設けたことを特徴する請求項3記載の塵芥収集車の積込装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−46719(P2007−46719A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−232415(P2005−232415)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】