説明

油圧ポンプ装置

【課題】 潤滑油を点検するための手段を簡単な構成とすると共に、ギヤケーシング内の潤滑油を容易に点検できるようにする。
【解決手段】 ポンプケーシング3の回転軸支持部4には、その上面部4Eからギヤケーシング2内の潤滑油19が流れ込む排出通路21に向けて下向きに延びるゲージ挿通孔22を設け、ゲージ挿通孔22には、ギヤケーシング2内の潤滑油19の油量等の点検を行うための棒状のレベルゲージ23を上側開口22Aから抜き差し可能に挿着する構成としている。従って、潤滑油19を点検するための手段は、ゲージ挿通孔22とレベルゲージ23とにより構成することができ、少ない加工工数、少ない部品点数により簡単に形成することができる。また、ゲージ挿通孔22は、点検を行う作業者に近いポンプケーシング3に設けているから、潤滑油19を容易に点検することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に搭載され、エンジンによって駆動されることにより作動用の圧油を吐出する油圧ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械は、自走可能な車体と、この車体に設けられた作業装置とにより大略構成されている。そして、建設機械の車体にはエンジン、油圧ポンプ装置等が搭載され、エンジンによって油圧ポンプ装置を駆動することにより、車体や作業装置に設けられた各種の油圧アクチュエータに作動用の圧油を供給する構成となっている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
ここで、建設機械に搭載される油圧ポンプ装置の代表例であるアキシャルピストン型の油圧ポンプ装置は、エンジンに取付けられたギヤケーシングと、該ギヤケーシングを挟んで前記エンジンと反対側に位置して該ギヤケーシングに取付けられたポンプケーシングと、前記ギヤケーシング内に位置して設けられ前記エンジンの回転が伝えられる伝動歯車と、前記ポンプケーシング内に収容された該伝動歯車と連結された回転軸を介して伝えられる回転力により吸込んだ油液を圧油として吐出するポンプとを備えている。
【0004】
また、ギヤケーシング内には、伝動歯車を潤滑するための潤滑油が貯留されている。そこで、油圧ポンプ装置は、ギヤケーシング内の潤滑油の油量、劣化状態を点検するための手段を有している。
【0005】
一般的には、潤滑油を点検する装置は、ギヤケーシング側に設けられたゲージホルダと、該ゲージホルダに挿着されるレベルゲージとにより構成されている。このゲージホルダは、一端側が潤滑油の液面よりも低い位置でボルト等を用いてギヤケーシングに取付けられ、他端側が上側に向けて延びて形成されている。レベルゲージは、棒状に延びた狭幅な金属板からなる計測部と、該計測部の上部に設けられた把手部とにより構成されている。
【0006】
そして、ギヤケーシング内の潤滑油を点検する場合には、潤滑油を拭取ったレベルゲージの計測部をゲージホルダの上側開口から挿入し、その先端部を潤滑油に浸した後に、抜取る。このときに、計測部に付着した潤滑油を目視することにより、潤滑油の油量、劣化状態等を点検することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−211613号公報
【特許文献2】特開2009−196543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述した各特許文献によるものでは、油圧ポンプ装置をエンジンに取付ける構成としている。この場合、エンジンの周囲には、排気管等の各種配管、配線類が配置されている。従って、潤滑油を点検する場合には、作業者はレベルゲージの把手部を掴むために、配管、配線等を避けてエンジンの近傍まで手を伸ばさなくてはならず、潤滑油の点検作業に手間を要してしまう。そこで、ゲージホルダを延長してレベルゲージの把手部を作業者に近い位置に配置することが考えられる。しかし、長尺なゲージホルダは、配管、配線等の取回しや各種作業の邪魔になる上に、損傷し易いという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、潤滑油を点検するための手段を簡単な構成とすると共に、ギヤケーシング内の潤滑油を容易に点検できるようにした油圧ポンプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による油圧ポンプ装置は、原動機側に配置されたギヤケーシングと、該ギヤケーシングを挟んで前記原動機と反対側に位置して該ギヤケーシングに取付けられたポンプケーシングと、前記ギヤケーシング内に位置して設けられ前記原動機の回転が伝えられる伝動歯車と、前記ポンプケーシング内に収容された該伝動歯車と連結された回転軸を介して伝えられる回転力により吸込んだ油液を圧油として吐出するポンプと、前記伝動歯車を潤滑するために前記ギヤケーシング内に貯留された潤滑油とを備えてなる。
【0011】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記ポンプケーシングには、その上面から前記ギヤケーシング内の潤滑油に向けて下向きに延びるゲージ挿通孔を設け、該ゲージ挿通孔には、前記ギヤケーシング内に貯留された潤滑油の油量の点検を行うための棒状のレベルゲージを上側から抜き差し可能に挿着する構成としたことにある。
【0012】
請求項2の発明は、前記ギヤケーシングには、前記伝動歯車を互いに噛合させて複数個設け、前記ポンプケーシング内には、前記ポンプを複数個並列で配置すると共に前記回転軸を複数本並列で配置して、該各回転軸を各伝動歯車とそれぞれ連結する構成とし、前記ポンプケーシングには、並列に配置された前記各回転軸を軸受を介して支持するための回転軸支持部を設け、前記ゲージ挿通孔は、前記回転軸支持部に対して上,下方向に延びるように設ける構成としたことにある。
【0013】
請求項3の発明は、前記ポンプケーシングには、前記ギヤケーシングの底部側に連通して水平方向に延びる潤滑油の排出通路を設け、前記ゲージ挿通孔の下部を前記排出通路に連通させる構成としたことにある。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、ギヤケーシング内に貯留された潤滑油を点検するための手段としては、ポンプケーシングに形成したゲージ挿通孔と、このゲージ挿通孔に抜き差し可能に挿着される棒状のレベルゲージとにより構成することができる。これにより、潤滑油を点検するための手段は、少ない加工工数、部品点数により簡単に形成することができる。
【0015】
しかも、ゲージ挿通孔は、ギヤケーシングよりも点検作業を行う作業者に近いポンプケーシングに設けているから、作業者は、無理なくレベルゲージに手を伸ばして抜き差しすることができ、ギヤケーシング内の潤滑油の油量や劣化状態を容易に点検することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、ポンプケーシングのうち、並列に配置された各回転軸を軸受を介して支持した回転軸支持部を利用し、上,下方向に延びるようにゲージ挿通孔を設けることができる。これにより、ギヤケーシングから離れた作業者に近い位置でゲージ挿通孔をポンプケーシングに形成することができ、潤滑油を点検するときの作業性を向上することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、ギヤケーシング内の潤滑油は、排出通路を介して排出することができ、潤滑油の交換作業を行うことができる。この排出通路には、ゲージ挿通孔の下部を連通させているから、該ゲージ挿通孔は、排出通路を利用して作業者に近い位置に無理なく配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧ポンプ装置を示す斜視図である。
【図2】油圧ポンプ装置を図3中の矢示II−II方向から示す断面図である。
【図3】油圧ポンプ装置を図2中の矢示III−III方向から示す断面図である。
【図4】油圧ポンプ装置を図3中の矢示IV−IV方向から示す断面図である。
【図5】レベルゲージを引き抜いた状態を図3と同様位置から見た断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による油圧ポンプ装置を図3と同様位置から見た断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態による油圧ポンプ装置を図2と同様位置から見た断面図である。
【図8】本発明の変形例による油圧ポンプ装置を図1と同様位置から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る油圧ポンプ装置について、添付図面に従って詳細に説明する。
【0020】
図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。本実施の形態では、斜軸式油圧ポンプ、斜板式油圧ポンプ等のアキシャルピストン型の油圧ポンプ装置のうち、2個の斜軸式油圧ポンプ部を1個のポンプケーシング内に並列で配置し、他の1個の油圧ポンプ部をポンプケーシングの外側に配置した場合を例示している。
【0021】
図1において、1は第1の実施の形態による油圧ポンプ装置を示している。この油圧ポンプ装置1は、後述の主ポンプ部11と第1の従動ポンプ部15と第2の従動ポンプ部17との3つポンプを水平方向に並列に配設している。油圧ポンプ装置1は、例えば油圧ショベル(図示せず)に搭載された後述のエンジン24に取付けられており、該エンジン24によって各ポンプ部11,15,17が駆動されることにより、各種の油圧アクチュエータ(いずれも図示せず)に向けて作動用の圧油を吐出するものである。
【0022】
油圧ポンプ装置1は、後述のギヤケーシング2、ポンプケーシング3、駆動歯車8、第1の従動歯車9、第2の従動歯車10、主ポンプ部11、主回転軸12、第1の従動ポンプ部15、第1の従動回転軸16、第2の従動ポンプ部17、第2の従動回転軸18、排出通路21、ゲージ挿通孔22、レベルゲージ23等により構成されている。
【0023】
2はエンジン24の出力側に取付けられるギヤケーシングである。このギヤケーシング2は、全体として水平方向に延びる1個の箱体として形成され、後述の駆動歯車8、従動歯車9,10を収容するものである。ギヤケーシング2は、基端側がエンジン24に取付けられ、エンジン24と反対側の先端側には、後述のポンプケーシング3が取付けられている。
【0024】
ギヤケーシング2は、図2、図3に示すように、基端側を閉塞する横長な蓋板部2Aと、該蓋板部2Aから軸方向に延びた周壁部2Bとにより構成されている。ギヤケーシング2のうち、蓋板部2Aと反対側は、周囲が取付部2Cとなって開口しており、この取付部2Cには、後述のポンプケーシング3が取付けられる。このように、取付部2Cにポンプケーシング3を取付けることにより、ギヤケーシング2は密閉容器として形成され、その内部には後述の潤滑油19が貯留されている。
【0025】
ギヤケーシング2の蓋板部2Aには、ほぼ中央に位置して軸挿通孔2Dが穿設され、該軸挿通孔2Dには、後述の主回転軸12の基端側が回転可能に挿通されている。また、蓋板部2Aの周囲にはフランジ部2Eが設けられ、ギヤケーシング2は該フランジ部2Eを介してエンジン24に取付けられている。さらに、ギヤケーシング2の側方位置には、蓋板部2Aとは反対側に位置してポンプ取付部2Fが形成され、該ポンプ取付部2Fには、後述する第2の従動ポンプ部17が取付けられている。
【0026】
3はギヤケーシング2の取付部2Cに取付けられたポンプケーシングで、該ポンプケーシング3は、ギヤケーシング2と共に油圧ポンプ装置1の外形を構成している。図3に示す如く、ポンプケーシング3は、斜軸式油圧ポンプからなる後述の主ポンプ部11と第1の従動ポンプ部15を収容するために、長さ方向の中間位置で下向きに屈曲している。ポンプケーシング3は、単一のケーシングとして形成され、この単一のポンプケーシング3内に主ポンプ部11と第1の従動ポンプ部15が収容されている。
【0027】
ポンプケーシング3は、軸方向のほぼ中間部分からギヤケーシング2側が回転軸支持部4となり、この回転軸支持部4よりもヘッドケーシング7側がポンプ収容部5となっている。
【0028】
4はポンプケーシング3のうちギヤケーシング2側に位置して長さ方向のほぼ半分を形成する回転軸支持部で、該回転軸支持部4は、並列に配置される後述の主回転軸12と第1の従動回転軸16とを軸受13,14を介して支持するものである。回転軸支持部4は、横方向に長尺なブロック体として形成されている。また、回転軸支持部4の基端側はフランジ部4Aとなり、このフランジ部4Aは、複数本のボルト6を用いてギヤケーシング2の取付部2Cに取付けられている。
【0029】
回転軸支持部4には、横方向に並ぶように主軸挿通空間部4Bと従動軸挿通空間部4Cとが形成されている。主軸挿通空間部4Bは、ギヤケーシング2の軸挿通孔2Dと同軸に位置して回転軸支持部4を軸方向に貫通する段付円柱状の空間として形成され、該主軸挿通空間部4Bには、後述の主回転軸12が軸受13,14を介して回転可能に挿通される。一方、従動軸挿通空間部4Cは、主軸挿通空間部4Bと同様に段付円柱状の空間として形成され、該従動軸挿通空間部4Cには、後述する第1の従動回転軸16が軸受13,14を介して回転可能に挿通される。
【0030】
ここで、回転軸支持部4には、図2、図4に示すように、主軸挿通空間部4Bと従動軸挿通空間部4Cとを並列で形成することにより、これらの間には、主軸挿通空間部4Bと従動軸挿通空間部4Cとを仕切る仕切部4Dが形成されている。この仕切部4Dは、回転軸支持部4の一部であるから後述する主ポンプ部11、第1の従動ポンプ部15の近傍まで延びている。そして、仕切部4Dの先端側部位には、後述のゲージ挿通孔22が上,下方向に延びて設けられている。
【0031】
さらに、回転軸支持部4の上面部4Eには、後述の供給通路20とゲージ挿通孔22が上向きに開口している。回転軸支持部4の下面部4Fには、後述の排出通路21が下向きに開口している。
【0032】
5はポンプケーシング3の先端側のほぼ半分を形成するポンプ収容部で、該ポンプ収容部5は、回転軸支持部4の周囲から先端側に延びた横長な長円形筒体として形成されている。ポンプ収容部5の先端部には、後述のヘッドケーシング7が取付けられ、これにより、ポンプ収容部5内には、各ポンプ部11,15を収容するための共通のポンプ室5Aを形成することができる。
【0033】
7はポンプ収容部5の先端側に取付けられたヘッドケーシングで、該ヘッドケーシング7は、ポンプケーシング3の一部を構成するものである。このヘッドケーシング7には、後述のポンプ部11,15に対して作動油(圧油)を流入、流出させるための吸入ポート7Aと吐出ポート7Bが設けられている。
【0034】
8は回転軸支持部4の主軸挿通空間部4Bと同軸となるようにギヤケーシング2内の中央位置に設けられた伝動歯車としての駆動歯車で、該駆動歯車8は、後述の主回転軸12に一体的に取付けられている。そして、駆動歯車8は、ギヤケーシング2内で後述する従動歯車9,10等に噛合し、主回転軸12と一体に回転することにより、この主回転軸12の回転を従動回転軸16,18に伝達するものである。
【0035】
9は回転軸支持部4の従動軸挿通空間部4Cと同軸となるようにギヤケーシング2内に設けられた伝動歯車としての第1の従動歯車で、該従動歯車9は、第1の従動回転軸16に一体的に取付けられている。そして、第1の従動歯車9は、駆動歯車8に噛合することにより、駆動歯車8の回転を第1の従動回転軸16に伝達するものである。
【0036】
10は駆動歯車8を挟んで第1の従動歯車9と反対側となるようにギヤケーシング2内に設けられた伝動歯車として第2の従動歯車である。この従動歯車10は、第2の従動回転軸18に一体的に取付けられている。そして、第2の従動歯車10は、駆動歯車8に噛合することにより、駆動歯車8の回転を第2の従動回転軸18に伝達するものである。
【0037】
11はポンプ収容部5のポンプ室5A内に収容された主ポンプ部で、該主ポンプ部11は、例えばアキシャルピストン型油圧ポンプの1つである可変容量型の斜軸式油圧ポンプとして構成されている。この主ポンプ部11は、主軸挿通空間部4Bと同じ軸線上に配置されている。主ポンプ部11は、後述の主回転軸12が回転駆動されることにより、吸込んだ作動油を圧油として吐出するものである。
【0038】
12は主ポンプ部11に連結された主回転軸で、該主回転軸12は、軸方向の中間部が軸受13,14を介して回転軸支持部4の主軸挿通空間部4Bに回転可能に支持されている。主回転軸12の基端側位置には、ギヤケーシング2内で駆動歯車8が一体的に回転するように取付けられている。さらに、主回転軸12の基端部は、ギヤケーシング2から突出し、エンジン24の出力側に連結される。これにより、エンジン24が主回転軸12を回転駆動したときには、主ポンプ部11、各従動ポンプ部15,17を稼働させることができる。
【0039】
15は主ポンプ部11の他側に隣接してポンプ室5A内に並列に設けられた第1の従動ポンプ部で、該第1の従動ポンプ部15は、主ポンプ部11と同様に、可変容量型の斜軸式油圧ポンプとして構成されている。この第1の従動ポンプ部15は、回転軸支持部4の従動軸挿通空間部4Cと同じ軸線上に配置されている。第1の従動ポンプ部15は、第1の従動回転軸16が回転駆動されることにより、吸込んだ作動油を圧油として吐出するものである。
【0040】
16は第1の従動ポンプ部15に連結された第1の従動回転軸で、該第1の従動回転軸16は、主回転軸12と並列となるように軸方向の中間部が軸受13,14を介して従動軸挿通空間部4Cに回転可能に支持されている。第1の従動回転軸16の基端側位置には、ギヤケーシング2内で第1の従動歯車9が一体的に回転するように取付けられている。これにより、エンジン24によって主回転軸12が回転駆動されたときには、各歯車8,9を介して第1の従動回転軸16が回転駆動されることにより、第1の従動ポンプ部15を稼働することができる。
【0041】
17はポンプケーシング3の一側に隣接してギヤケーシング2に取付けられた第2の従動ポンプ部で、該第2の従動ポンプ部17は、主ポンプ部11、第1の従動ポンプ部15に比較して容量が小さい油圧ポンプ、例えば、ギヤポンプ等により形成されている。そして、第2の従動ポンプ部17は、後述する第2の従動回転軸18の回転に応じてパイロット用の圧油を吐出するものである。
【0042】
18は第2の従動ポンプ部17に連結された第2の従動回転軸で、該第2の従動回転軸18には、ギヤケーシング2内で第2の従動歯車10が一体的に回転するように取付けられている。これにより、主回転軸12が回転駆動されたときに、各歯車8,10を介して第2の従動回転軸18が回転駆動されることにより、第2の従動ポンプ部17を稼働することができる。
【0043】
ここで、主ポンプ部11と第1の従動ポンプ部15とを単一のポンプケーシング3内に並列に設けた理由は、既存のピストンやシリンダブロック等の油圧ポンプの構成部品を用いて必要とする流量を確保しながら、油圧ポンプ装置1全体としてコンパクトな構成を実現するためである。
【0044】
次に、ギヤケーシング2内に貯留された潤滑油19の点検、補充、交換等のメンテナンス作業を行うために油圧ポンプ装置1に設けられた構成について説明する。
【0045】
19はギヤケーシング2内に貯留された潤滑油で、該潤滑油19は、図3に示すように、第1の従動歯車9(駆動歯車8)の下端側の歯先が充分に浸かる高さ位置が液面となるように油量が設定されている。これにより、潤滑油19は、駆動歯車8と各従動歯車9,10との噛合部を潤滑することができる。
【0046】
20はポンプケーシング3を構成する回転軸支持部4の上側位置に設けられた供給通路で、該供給通路20は、ギヤケーシング2内に潤滑油19を供給するための通路である。供給通路20は、例えば後述するゲージ挿通孔22の近傍に位置して上面部4Eに開口する供給口20Aを有している。さらに、供給通路20は、供給口20Aから屈曲して仕切部4Dの上側位置をギヤケーシング2側に延びて該ギヤケーシング2内に開口している。なお、供給口20Aは、通常時は蓋ボルト20Bによって閉塞されている。一方で、潤滑油19の供給時には、蓋ボルト20Bを取外すことにより、供給口20Aから潤滑油19を流入させ、供給通路20を通じてギヤケーシング2内に潤滑油19を供給することができる。
【0047】
21は回転軸支持部4の下側位置に設けられた排出通路で、該排出通路21は、基端側がギヤケーシング2内の底部側に連通するように開口し、先端側が仕切部4Dの下側位置を水平方向に延びている。排出通路21の先端部には、下向きに延びて回転軸支持部4の下面部4Fに開口する排出口21Aが設けられ、該排出口21Aにはドレンプラグ21Bが螺着されている。
【0048】
ここで、排出通路21は、ギヤケーシング2の底部の近傍に配置され、その高さ寸法は、規定量の潤滑油19を貯留したときの液面を越える位置に設定されている。これにより、細いゲージ挿通孔22に潤滑油19が入らないようにすることで、排出通路21では潤滑油19の液面を安定させることができ、後述のレベルゲージ23による液面計測を正確なものにすることができる。
【0049】
しかも、排出通路21は、各ポンプ11,15の近傍まで延びた回転軸支持部4に設けることで、例えば潤滑油19の交換作業を外部から手を伸ばして行う作業者から近い位置に排出口21Aを設けることができ、ドレンプラグ21Bを容易に脱着することができる。この排出通路21は、切削工具を用いた機械加工で形成することができ、また、ポンプケーシング3を鋳造するときに形成することもできる。
【0050】
22はポンプケーシング3に設けられたゲージ挿通孔を示している。このゲージ挿通孔22は、後述のレベルゲージ23が抜き差し可能に挿着されるもので、ポンプケーシング3の基端側半分を構成する回転軸支持部4に配置されている。ゲージ挿通孔22は、図4、図5に示すように、主回転軸12と第1の従動回転軸16との間、即ち、回転軸支持部4の主軸挿通空間部4Bと従動軸挿通空間部4Cとの間を仕切る仕切部4Dに、上,下方向に延びるように設けられている。ゲージ挿通孔22の上部は、回転軸支持部4の上面部4Eに開口し、ギヤケーシング2側に傾斜しながら下側に延びた下部は排出通路21の先端部位に開口して連通している。
【0051】
ここで、ゲージ挿通孔22は、前述した排出通路21と同様に、切削工具を用いた機械加工で形成することができ、また、ポンプケーシング3を鋳造するときに形成することもできる。しかも、ゲージ挿通孔22は、下側がギヤケーシング2側となるように傾斜して形成しているから、後述のレベルゲージ23を挿着したときには、その把手部23Cを作業者側に傾けることができ、この傾きによりレベルゲージ23は容易に抜き差しすることができる。
【0052】
23はゲージ挿通孔22に設けられた潤滑油19のレベルゲージを示している。このレベルゲージ23は、ギヤケーシング2内に貯留された潤滑油19の油量、劣化状態等の点検を行うものである。レベルゲージ23は、図4に示すように、棒状に延びた狭幅な金属板からなる計測部23Aと、該計測部23Aの上部に設けられた挿着部23Bと、該挿着部23Bから上側に延びて設けられた把手部23Cとにより構成されている。計測部23Aは、レベルゲージ23をゲージ挿通孔22に奥まで挿入したときに、先端部が潤滑油19に浸かって排出通路21の底面の近傍まで達する長さ寸法に設定されている。この計測部23Aの先端部には、潤滑油19の液面レベルを容易に確認できるように、目盛り23A1が刻設されている。
【0053】
挿着部23Bは、計測部23Aをゲージ挿通孔22に対して最も奥まで挿入したときに、ゲージ挿通孔22の上側開口22Aに挿着されるものである。これにより、挿着部23Bは、計測部23Aをゲージ挿通孔22に挿入したときの位置決め手段と、脱落防止用のストッパと、異物の侵入を防ぐ蓋体としての機能を有している。
【0054】
把手部23Cは、指を掛けられるように円弧状に曲げ加工されている。これにより、把手部23Cに指を掛けることで、レベルゲージ23を確実に引き抜いたり、差し込んだりすることができる。
【0055】
このように、ギヤケーシング2内に貯留された潤滑油19の点検を行うための手段としては、ポンプケーシング3に形成したゲージ挿通孔22と、該ゲージ挿通孔22に挿通されるレベルゲージ23とにより少ない加工工数、部品点数で形成することができる。しかも、レベルゲージ23は、ポンプケーシング3を構成する回転軸支持部4の上面部4Eに開口したゲージ挿通孔22に対し抜き差し可能に挿着している。これにより、点検作業を行う作業者に近い位置にレベルゲージ23を配置できるから、この作業者は、無理なくレベルゲージ23に手を伸ばして抜き差しすることができる。
【0056】
なお、24は油圧ポンプ装置1が取付けられる原動機としてのエンジンを示している(図1中に二点鎖線で図示)。このエンジン24の出力軸(図示せず)には、主回転軸12が連結されている。
【0057】
第1の実施の形態による油圧ポンプ装置1は上述の如き構成を有するもので、エンジン24からの動力によって主回転軸12を介して主ポンプ部11を駆動することにより、該主ポンプ部11から油圧アクチュエータ(図示せず)に向けて圧油を吐出することができる。また、主回転軸12の回転は、駆動歯車8に噛合する第1の従動歯車9を介して第1の従動回転軸16に伝達されることにより、第1の従動ポンプ部15が駆動され、該従動ポンプ部15からも油圧アクチュエータに向けて圧油を吐出することができる。さらに、主回転軸12の回転は、駆動歯車8に噛合する第2の従動歯車10を介して第2の従動回転軸18に伝達されることにより、第2の従動ポンプ部17が駆動され、該従動ポンプ部17から各種操作系にパイロット用の圧油を吐出することができる。
【0058】
次に、ギヤケーシング2内に貯留された潤滑油19を点検する場合について述べる。作業者は、図5に示すように、レベルゲージ23の把手部23Cに指を掛けてゲージ挿通孔22から引き抜き、計測部23Aに付着した潤滑油19を拭取った後に、この計測部23Aをゲージ挿通孔22に戻した後に再度引き抜く。このときに、計測部23Aに付着した潤滑油19の位置を目盛り23A1と比較することにより、ギヤケーシング2内に規定量の潤滑油19が充填させているか否かを確認することができる。潤滑油19の油量が不足している場合には、レベルゲージ23の近傍に設けた供給通路20を通じて潤滑油19を補充することができる。
【0059】
一方、計測部23Aに付着した潤滑油19の色や臭いを点検することで、潤滑油19の劣化状態も確認することができる。潤滑油19が劣化している場合には、ドレンプラグ21Bを緩めて排出通路21からギヤケーシング2内の潤滑油19を排出し、ドレンプラグ21Bを取付けた後に、供給通路20から潤滑油19を供給することにより、潤滑油19を交換することができる。
【0060】
かくして、第1の実施の形態によれば、ポンプケーシング3には、回転軸支持部4の上面部4Eからギヤケーシング2内の潤滑油19が流れ込む排出通路21に向けて下向きに延びるゲージ挿通孔22を設け、該ゲージ挿通孔22には、ギヤケーシング2内に貯留された潤滑油19の油量等の点検を行うための棒状のレベルゲージ23を上側開口22Aから抜き差し可能に挿着する構成としている。
【0061】
従って、ギヤケーシング2内の潤滑油19を点検するための手段としては、ポンプケーシング3に形成したゲージ挿通孔22と、このゲージ挿通孔22に抜き差し可能に挿着される棒状のレベルゲージ23とにより構成することができる。これにより、潤滑油19を点検するための手段は、少ない加工工数、少ない部品点数により簡単に形成することができる。
【0062】
また、ゲージ挿通孔22は、通常レベルゲージ等が設けられるギヤケーシング2よりも点検を行う作業者に近いポンプケーシング3に設けているから、作業者は、無理なくレベルゲージ23の把手部23Cに手を伸ばして抜き差しすることができ、ギヤケーシング2内の潤滑油19の油量や劣化状態を容易に点検することができる。しかも、ゲージ挿通孔22は、ポンプケーシング3に形成した孔であるから、管体のように破損する虞もない。
【0063】
また、ポンプケーシング3は、ギヤケーシング2側のほぼ半分を並列に配置される主回転軸12と第1の従動回転軸16とを軸受13,14を介して支持するための回転軸支持部4として形成している。この上で、ゲージ挿通孔22は、回転軸支持部4に対して上,下方向に延びるように設ける構成としている。従って、各回転軸12,16を支持するために設けられた回転軸支持部4を利用してゲージ挿通孔22を設けることができる。この結果、ゲージ挿通孔22を作業者に近い位置に形成することができるから、潤滑油19を点検するときの作業性を向上することができる。
【0064】
さらに、ポンプケーシング3には、ギヤケーシング2の底部側に連通して水平方向に延びる潤滑油19の排出通路21を設け、ゲージ挿通孔22の下部を該排出通路21の先端側に連通させる構成としている。従って、ギヤケーシング2内の潤滑油19は、排出通路21を介して排出することができ、潤滑油19の交換作業を行うことができる。しかも、ゲージ挿通孔22の下部を排出通路21の先端側に連通させることにより、ゲージ挿通孔22は、排出通路21を利用して作業者により一層近い位置に配置することができ、潤滑油19の点検作業を無理なく行うことができる。
【0065】
次に、図6は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、ゲージ挿通孔を直接的にギヤケーシング内に連通させる構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0066】
図6において、31は第2の実施の形態による油圧ポンプ装置を示している。32は該油圧ポンプ装置31のポンプケーシングで、該ポンプケーシング32は、第1の実施の形態によるポンプケーシング3とほぼ同様に、ギヤケーシング2側の回転軸支持部33と、潤滑油19の点検等を行う作業者側のポンプ収容部34とにより構成されている。回転軸支持部33は、フランジ部33A、仕切部33B、上面部33C、下面部33D等を有している。
【0067】
35は回転軸支持部33の仕切部33Bに設けられた第2の実施の形態によるゲージ挿通孔で、該ゲージ挿通孔35は、後述のレベルゲージ36を抜き差し可能に挿着するものである。ゲージ挿通孔35は、前述した第1の実施の形態によるゲージ挿通孔22と相違している。即ち、ゲージ挿通孔35の上部は、上面部33Cに開口し、ギヤケーシング2側に傾斜しながら下側に延びた下部はギヤケーシング2内に直接的に連通している。
【0068】
36はゲージ挿通孔35に設けられた第2の実施の形態によるレベルゲージで、該レベルゲージ36は、第1の実施の形態によるレベルゲージ23とほぼ同様に、計測部36A、挿着部36Bおよび把手部36Cにより構成されている。しかし、第2の実施の形態によるレベルゲージ36は、ゲージ挿通孔35の長さ寸法に合わせて計測部36Aが長尺に形成されている点で、第1の実施の形態によるレベルゲージ23と相違している。
【0069】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、ゲージ挿通孔35の下部をギヤケーシング2内に直接的に連通させたことにより、第1の実施の形態による排出通路21を廃止することができ、加工工数を削減、構成の簡略化を図ることができる。
【0070】
次に、図7は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、単一のポンプと回転軸を収容したポンプケーシングにゲージ挿通孔とレベルゲージを設ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0071】
図7において、41は第3の実施の形態による油圧ポンプ装置を示している。42は油圧ポンプ装置41のギヤケーシングで、該ギヤケーシング42は、第1の実施の形態によるギヤケーシング2とほぼ同様に、蓋板部42A、周壁部42B、取付部42C、軸挿通孔42D、ポンプ取付部42E等により構成されている。しかし、第3の実施の形態によるギヤケーシング42は、1個の駆動歯車8と従動歯車10′を収容するものであるから、第1の実施の形態によるギヤケーシング2に比較して狭幅に形成されている。
【0072】
43はギヤケーシング42の取付部42Cに取付けられた第3の実施の形態によるポンプケーシングである。このポンプケーシング43は、第1の実施の形態によるポンプケーシング3とほぼ同様に、回転軸支持部44とポンプ収容部45とにより構成されている。しかし、第3の実施の形態によるポンプケーシング43は、1個の主ポンプ部11、1本の主回転軸12を収容するものであるから、第1の実施の形態によるポンプケーシング3に比較して狭幅に形成されている。狭幅な回転軸支持部44は、フランジ部44A、主軸挿通空間部44B等を有している。
【0073】
46はポンプ収容部45の先端側に取付けられたヘッドケーシングで、該ヘッドケーシング46は、ポンプケーシング43に対応して狭幅に形成され、主ポンプ部11に対して作動油を流入、流出させるための吸入ポート46Aと吐出ポート46Bが設けられている。
【0074】
47は回転軸支持部44の下側に位置してギヤケーシング42内の底部側に連通した排出通路である。この排出通路47は、ギヤケーシング42内の潤滑油を排出するための通路で、回転軸支持部44の先端側まで水平方向に延びている。
【0075】
48はポンプケーシング43の回転軸支持部44に設けられた第3の実施の形態によるゲージ挿通孔で、該ゲージ挿通孔48は、レベルゲージ23を抜き差し可能に挿着するものである。ゲージ挿通孔48は、その配設位置の点で、前述した第1の実施の形態によるゲージ挿通孔22と相違している。即ち、第3の実施の形態によるゲージ挿通孔48は、主回転軸12と従動ポンプ17との間となる回転軸支持部44の側面部位に設けている点で、第1の実施の形態によるゲージ挿通孔22と相違している。
【0076】
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。ここで、単一の主ポンプ部11を備えた油圧ポンプ装置41は、小型の建設機械等に好適に用いられるものである。この小型の建設機械では、各種機器類の設置スペースが限られているから、エンジン周り等の奥まった位置には作業者の手が届き難い。然るに、第3の実施の形態によれば、外側に近い位置に配置されるポンプケーシング43に対してゲージ挿通孔48を設けているから、レベルゲージ23を容易に抜き差しすることができる。
【0077】
なお、第1の実施の形態では、ギヤケーシング2内に3個の歯車8,9,10を設け、ポンプケーシング3内に2個のポンプ11,15、回転軸12,16を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図8に示す変形例のように構成してもよい。
【0078】
この図8に示す変形例では、油圧ポンプ装置51のギヤケーシング52、ポンプケーシング53、ヘッドケーシング54を広幅に形成し、ポンプケーシング53内に3個のポンプ部55,56,57等を収容する構成とし、ポンプケーシング53にゲージ挿通孔(図示せず)とレベルゲージ23を設ける構成としてもよい。この場合、ギヤケーシング52内には、4個の歯車が設けられることになる。一方で、ポンプケーシング内には、4個以上のポンプ部を収容する構成としてもよい。このように、ポンプケーシング内に多くのポンプ部を収容する構成は、多くの圧油を必要とする中型、大型の建設機械に好適に用いることができる。
【0079】
また、第1の実施の形態では、主ポンプ部11、第1,第2の従動ポンプ部15,17として、アキシャルピストン型の油圧ポンプの1つである可変容量型の斜軸式油圧ポンプを用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば他のアキシャルピストン型の油圧ポンプとして斜板式油圧ポンプを用いてもよく、さらに容量が一定の油圧ポンプを用いる構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【符号の説明】
【0080】
1,31,41,51 油圧ポンプ装置
2,42,52 ギヤケーシング
3,32,43,53 ポンプケーシング
4,33,44 回転軸支持部
5,34,45 ポンプ収容部
7,46,54 ヘッドケーシング
8 駆動歯車(伝動歯車)
9 第1の従動歯車(伝動歯車)
10 第2の従動歯車(伝動歯車)
11 主ポンプ部
12 主回転軸
13,14 軸受
15 第1の従動ポンプ部
16 第1の従動回転軸
17 第2の従動ポンプ部
18 第2の従動回転軸
19 潤滑油
21,47 排出通路
22,35,48 ゲージ挿通孔
23,36 レベルゲージ
24 エンジン(原動機)
10′ 従動歯車
55,56,57 ポンプ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機側に配置されたギヤケーシングと、該ギヤケーシングを挟んで前記原動機と反対側に位置して該ギヤケーシングに取付けられたポンプケーシングと、前記ギヤケーシング内に位置して設けられ前記原動機の回転が伝えられる伝動歯車と、前記ポンプケーシング内に収容された該伝動歯車と連結された回転軸を介して伝えられる回転力により吸込んだ油液を圧油として吐出するポンプと、前記伝動歯車を潤滑するために前記ギヤケーシング内に貯留された潤滑油とを備えてなる油圧ポンプ装置において、
前記ポンプケーシングには、その上面から前記ギヤケーシング内の潤滑油に向けて下向きに延びるゲージ挿通孔を設け、
該ゲージ挿通孔には、前記ギヤケーシング内に貯留された潤滑油の油量の点検を行うための棒状のレベルゲージを上側から抜き差し可能に挿着する構成としたことを特徴とする油圧ポンプ装置。
【請求項2】
前記ギヤケーシングには、前記伝動歯車を互いに噛合させて複数個設け、
前記ポンプケーシング内には、前記ポンプを複数個並列で配置すると共に前記回転軸を複数本並列で配置して、該各回転軸を各伝動歯車とそれぞれ連結する構成とし、
前記ポンプケーシングには、並列に配置された前記各回転軸を軸受を介して支持するための回転軸支持部を設け、
前記ゲージ挿通孔は、前記回転軸支持部に対して上,下方向に延びるように設ける構成としてなる請求項1に記載の油圧ポンプ装置。
【請求項3】
前記ポンプケーシングには、前記ギヤケーシングの底部側に連通して水平方向に延びる潤滑油の排出通路を設け、前記ゲージ挿通孔の下部を前記排出通路に連通させる構成としてなる請求項1または2に記載の油圧ポンプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−255390(P2012−255390A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129168(P2011−129168)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】